JP5772629B2 - 蒸気圧力制御方法 - Google Patents

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Description

本発明はボイラに燃料を供給して燃焼させた熱を熱交換器で吸収して発生させた蒸気をタービンへ供給して発電するボイラ・タービン・発電機設備の蒸気圧力制御方法に関するものである。
発電において用いるボイラ設備は、高温高圧の蒸気を使用する設備であり、ボイラ設備を用いた発電では、ボイラに燃料を供給して燃焼させ、その熱を熱交換器で吸収して発生させた蒸気をタービンへ供給し、発電機から出力するボイラ・タービン・発電機設備(以下、「BTG設備」という。)を用いている。
BTG設備では、ボイラチューブの保護、タービン翼の保護、発電機が発電出力上限値を超過しないようにボイラ蒸気系統の制御性を高める必要がある。
図8はボイラ蒸気系統とその制御の概要を表した図である。ボイラ蒸気系統の制御機構は、BTG設備1、発電量指令10と蒸気圧力制御部18からの燃料量補正量22に応じてボイラ2に供給する燃料量を制御する燃料量制御部12と、発電量指令10に応じてガバナ弁3に流入させる蒸気流入量を制御するガバナ制御部14と、ボイラ2の蒸気圧力の設定値と実測値との偏差に基づき燃料量をフィードバックにより補正するボイラ蒸気圧力制御部18とから構成される。
ボイラ蒸気系統では、発電量指令10の変化に応じてガバナ弁を動作させて、蒸気圧力や流量変化を検出し、燃料量や給水量等を制御する方式のボイラ追従制御や、発電量指令10をボイラ及びタービンに並列に入力し、ガバナ弁の開度、燃料量、給水量等を制御する方式のボイラ・タービン協調制御が設置されている。
例えば、ボイラ2へ供給される燃料量が過剰であると、蒸気の発生量が増大しボイラの蒸気圧力が増加する。このときタービン供給圧力が増加すると発電出力が過剰となるので、ガバナ制御部14はガバナ弁3を閉じ、タービン4へ供給する蒸気量の増加を防止する。これにより、発電機5から出力される電力一定に保つことができる。また、ボイラ2へ供給される燃料量が不足していると、蒸気の発生量が減少しボイラの蒸気圧力が減少する。このときタービン供給圧力が減少すると発電出力が不足している状態となる。このとき、ガバナ制御部14はガバナ弁3を開き、タービン4へ供給する蒸気量の減少を防止する。これにより、発電機5から出力される電力を一定に保つことができる。
さらに、ガバナ弁3の開閉によってボイラ2からタービン4へ供給される蒸気量が変化すると、ボイラ2内の蒸気圧力(ボイラ蒸気圧力)が変化する。すなわち、ボイラ2へ供給される燃料量が過剰であるときには、ボイラ2で発生した蒸気のうち一部のみがタービン4へ供給されるので、ボイラ蒸気圧力は上昇する。
さて、一定量の発電を行う場合には発電量指令10は固定値であるが、次のような問題がある。
例えば、ボイラ2へ供給される燃料量が不足しているときには、ボイラ2で発生される以上の蒸気量をタービン4へ供給するため、ボイラ蒸気圧力は低下する。ボイラ蒸気圧力制御部18は、このように変化するボイラ蒸気圧力を所定の設定値となるように、例えば蒸気圧力実績値19の蒸気圧力設定値9に対する偏差である蒸気圧力偏差21(△P)に比例ゲインを乗じた値を用いて補正する比例制御、蒸気圧力偏差21(△P)を積分した値に積分ゲインを乗じた値を用いて燃料量を補正する積分制御、ないし、蒸気圧力偏差21(△P)を微分した値に微分ゲインを乗じた値を用いて燃料量を補正する微分制御が用いられている。このような制御方法については、特許文献1ないし2に開示されている。
しかしながら、ボイラに燃料を供給して燃焼させた熱を熱交換器で吸収して発生させた蒸気をタービンへ供給して発電するボイラ・タービン・発電機設備の蒸気圧力制御系は、投入した燃料により水蒸気が発生するまでには数分程度の時間遅れがあり、燃料量が補正により変動すること自体が制御系の振動を誘発するという問題がある。
そのため、積分制御を用いる場合にはいわゆる積分ゲインを大きくとると制御性能が向上するが、何らかの事情で蒸気圧力偏差(△P)が振動を開始すると、蒸気圧力偏差(△P)の積分は蒸気圧力偏差(△P)より90°位相が遅れて振動する。したがって、蒸気圧力偏差(△P)より90°位相が遅れた信号を用いて燃料量を補正すると、燃料量も蒸気圧力偏差(△P)より90°位相が遅れた信号となり、当該振動を防止するどころか、助長することとなる。
さらに、比例制御を用いる場合にはいわゆる比例ゲインを大きくとると制御性能が向上するが、何らかの事情で蒸気圧力偏差(△P)が振動を開始すると、蒸気圧力偏差(△P)信号を用いて燃料量を補正すると、燃料量も蒸気圧力偏差(△P)と同位相で振動することから、当該振動を防止するどころか、助長することとなる。
一方、制御に用いるゲインを小さくすると、制御の応答が遅くなって制御性が悪くなるという問題を有する。
特開2006−200875号公報 特開2004−190913号公報
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的とするところは、蒸気圧力の制御性を向上させ、かつ、大きなゲインを設定した場合において振動が発生してもその発生を抑制しうる蒸気圧力制御方法を提供することにある。
発明者はボイラに燃料を供給して燃焼させた熱を熱交換器で吸収して発生させた蒸気をタービンへ供給して発電するボイラ・タービン・発電機設備の蒸気圧力制御について鋭意研究開発を行い、蒸気圧力偏差(△P)が予め設定した圧力範囲を逸脱し、かつ、前記圧力範囲に突入する現象が2回以上発生した場合に、前記蒸気圧力偏差(△P)が予め設定した圧力範囲を第1回目に逸脱した時刻から第2回目に前記圧力範囲に突入するまでの時間(TP)が予め設定した時間(TV)以下である場合には蒸気圧偏差(△P)が振動を開始したと判断できることを見出すとともに、蒸気圧力偏差(△P)が振動を開始した場合には、蒸気圧力偏差(△P)の積分値に代わって蒸気圧力偏差(△P)の積分値の移動平均を使用することで振動の助長を抑制できることを見出した。
さらに、蒸気圧力偏差(△P)をその大きさに応じて複数の区分を設けて、区分ごとに比例ゲインを異なる値に設定し、かつ、蒸気圧力偏差(△P)が零を含む区分では、比例ゲインを零とすることで振動を抑制できることを見出した。
以上から、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)ボイラに燃料を供給して燃焼させた熱を熱交換器で吸収して発生させた蒸気をタービンへ供給して発電するボイラ・タービン・発電機設備のボイラ蒸気圧力実績値を一定値に制御すべくボイラに供給する燃料量を補正するにあたり、蒸気圧力実績値の蒸気圧力設定値との偏差である蒸気圧力偏差(△P)の積分値を用いて前記燃料量補正量を算出して補正する方法において、
蒸気圧力偏差(△P)の積分値に積分ゲインKiを乗じた値を用いて前記燃料量補正量を算出して補正(以下、「積分制御」という。)している場合に、
前記蒸気圧力偏差(△P)が予め設定した圧力範囲を逸脱し、かつ、前記圧力範囲に突入する現象が2回以上発生した場合であって、前記蒸気圧力偏差(△P)が予め設定した圧力範囲を第1回目に逸脱した時刻(以下、「第1回目の逸脱時刻」という。)から第2回目に前記圧力範囲に突入する時刻(以下、「第2回目の突入時刻」という。)までの時間(以下、「疑似振動周期」という。)(TP)が予め設定した時間(TV)以下であったときの当該第2回目の突入時刻(以下、「切替時刻」という。)に、
前記蒸気圧偏差(△P)の積分値に積分ゲインKiを乗じた値を用いて燃料量補正量を算出する方法から、前記蒸気圧偏差(△P)の積分値の移動平均値に積分ゲインKiを乗じた値用いて燃料量補正量を算出する方法に変更するステップを有することを特徴とする蒸気圧力制御方法。
(2)前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値の移動平均とは、
前記積分制御開始時刻から前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値とは並行して計算された値であって、
現時刻から移動平均時間(TM)遡った時刻を始点として現時刻までの前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値(当該遡った時刻に値が無い場合は零として取り扱う)をさらに前記移動平均時間(TM)だけ積分した値を前記移動平均時間(TM)で除した値であることを特徴とする(1)に記載の蒸気圧力制御方法。
(3)前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値の移動平均とは、
切替時刻における前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値に、
切替時刻以降の各時刻において移動平均時間(TM)遡った時刻を始点として当該各時刻までの前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値(切替時刻において積分値はリセットするとともに切替時刻以前の値は零として取り扱う)をさらに前記移動平均時間(TM)だけ積分した値を前記移動平均時間(TM)で除した値を加えたものであることを特徴とする(1)に記載の蒸気圧力制御方法。
(4)前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値の移動平均とは、
前記第1回目の逸脱時刻以降であって切替時刻までの前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値を記憶し、
切替時刻以降において前記疑似振動周期(TP)を前記移動平均時間(TM)として、
切替時刻以降の各時刻において移動平均時間(TM)遡った時刻を始点として当該各時刻までの前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値をさらに前記移動平均時間(TM)だけ積分した値を前記移動平均時間(TM)で除した値であることを特徴とする(1)に記載の蒸気圧力制御方法。
(5)蒸気圧力実績値の蒸気圧力設定値との偏差である蒸気圧力偏差(△P)を用いて前記燃料量補正量を算出して補正する方法を有する特徴とする(1)ないし(4)のいずれか1つに記載の蒸気圧力制御方法。
(6)前記蒸気圧力実績値の蒸気圧力設定値との偏差である蒸気圧力偏差(△P)を用いて前記燃料量補正量を算出して補正する方法においては、
蒸気圧力偏差(△P)の区分に応じて前記燃料量補正量を修正する第1修正ステップを有し、
前記第1修正ステップにおいては、前期蒸気圧力偏差(△P)が零となる値を含む区分においては、前記燃料量補正量を零とすることを特徴とする(5)に記載の蒸気圧力制御方法。
本発明の装置並びに方法によれば、蒸気圧力の制御性を向上させ、大きなゲイン設定においても発生した振動を抑制することができるという顕著な効果を奏する。
蒸気圧力偏差制御系のブロック図 制御部のブロック図 積分制御部のうち(a)移動平均Aのブロック図 積分制御部のうち(b)移動平均Bのブロック図 積分制御部のうち(c)移動平均Cのブロック図 (a)比例制御部のブロック図 (b)Kpg1のテーブル 振動開始の判断 振動開始の判断 本発明を実施した場合のグラフであって(a)移動平均Aを用いた積分制御のみを有する場合 本発明を実施した場合のグラフであって(b)移動平均Bを用いた積分制御のみを有する場合 本発明を実施した場合のグラフであって(c)移動平均Cを用いた積分制御のみを有する場合 本発明を実施した場合のグラフであって(d)移動平均Aを用いた積分制御と比例制御を有する場合 本発明を実施した場合のグラフであって(e)移動平均Bを用いた積分制御と比例制御を有する場合 本発明を実施した場合のグラフであって(f)移動平均Cを用いた積分制御と比例制御を有する場合 本発明を実施した場合のグラフであって(g)(d)において比例制御にてKpg1を使用した場合 本発明を実施した場合のグラフであって(h)(e)において比例制御にてKpg1を使用した場合 本発明を実施した場合のグラフであって(i)(f)において比例制御にてKpg1を使用した場合 比較例を実施した場合のグラフであって(a)通常の積分制御のみを有する場合 比較例を実施した場合のグラフであって(b)通常の積分制御と通常の比例制御を有する場合 ボイラ・タービン・発電機設備並び制御設備の概念図
[第1の実施形態]
図8に示すようなボイラに燃料を供給して燃焼させた熱を熱交換器で吸収して発生させた蒸気をタービンへ供給して発電するボイラ・タービン・発電機設備において、ボイラの蒸気圧力実績値を一定値に制御すべくボイラに供給する燃料量を補正する方法である。
具体的には、蒸気圧力実績値19の蒸気圧力設定値5との偏差である蒸気圧力偏差21(△P)の積分値を用いて前記燃料量を算出して補正する方法において、蒸気圧力偏差(△P)が振動を開始した場合には、前記蒸気圧偏差(△P)の積分値に積分ゲインKiを乗じた値を用いて燃料量補正量を算出する方法から、前記蒸気圧偏差(△P)の積分値の移動平均値に積分ゲインKiを乗じた値を用いて燃料量補正量を算出する方法に変更するステップを有することを特徴とする蒸気圧力制御方法である。
蒸気圧力偏差(△P)が振動を開始したことは、図5(a)に示すように、前記蒸気圧力偏差21(△P)が予め設定した圧力範囲37を逸脱し(1回目の逸脱)、その後圧力範囲37に突入し(1回目の突入)、また圧力範囲37を逸脱し(2回目の逸脱)、さらに圧力範囲37に突入(2回目の突入)した場合であって、前記蒸気圧力偏差(△P)が予め設定した圧力範囲を第1回目に逸脱した時刻31から第2回目に前記圧力範囲37に突入する時刻34までの時間(TP)が予め設定した時間(TV)以下である場合に認定する。
(制御系の構成)
図1には、本発明の制御系の基本的構成が示されている。
ボイラ2により生成される蒸気の蒸気圧力実測値(P)19が引出点28から引き出され、加算点29において蒸気圧力設定値(PN)9から減算することにより蒸気圧力偏差(△P)が算出されている。
すなわち、△P=PN−Pである。
蒸気圧力制御部18では、蒸気圧力偏差(△P)21を入力として燃料量補正量22(△F)が算出される。燃料量制御部12では、燃料量補正量22(△F)を入力として燃料量(F)23が算出される。ボイラ2には算出された燃料量23が与えられ、これに応じて新たな蒸気が発生し、さらに、当該蒸気は温度制御部16で温度制御がなされる。温度制御がなされた蒸気はタービン4に与えられて回転エネルギーとなり、発電機5で回転エネルギーを電気エネルギーに変換して発電が実行される。
(蒸気圧力制御部)
図2には蒸気圧力制御の構成が記載されている。蒸気圧力制御部は、振動開始判断部80、積分制御部50並びに比例制御部60から構成されている。振動開始判断部80は、蒸気圧力偏差(△P)が振動しているか否かを常時監視して、振動を開始したと判断したときは、積分制御部50、比例制御部60にその旨の通知をおこなう。積分制御部50は、蒸気圧力偏差(△P)を引出点28から引き出して入力として、積分制御補正量58を算出している。比例制御分60は、蒸気圧力偏差(△P)を引出点28から引き出して入力として、比例制御補正量68を算出している。積分制御補正量58と比例制御補正量68は加算点29で加えられて燃料量補正量22となる。
(振動開始判断部)
図5(a)は蒸気圧力偏差(△P)が振動を開始した旨の判断の概要について記載されている。
図5(a)において、縦軸は蒸気圧力偏差(△P)であり、横軸は時刻(t)であり、35は蒸気圧力偏差(△P)上限値を示す線であり、36は蒸気圧力偏差(△P)の下限値を示す線であり、37は蒸気圧力偏差(△P)の予め設定した圧力範囲である。
30は蒸気圧力偏差(△P)の時々刻々の挙動を表わすグラフであり、蒸気圧力偏差(△P)上限値を表わす線35とは31、32において交差しており、蒸気圧力偏差(△P)下限値を表わす線36とは33、34において交差している。
図5(a)において、31に対応する時刻は蒸気圧力偏差(△P)が予め設定した圧力範囲37を第1回目に逸脱した時刻であり、32に対応する時刻は蒸気圧力偏差(△P)が予め設定した圧力範囲37に第1回目に突入した時刻であり、33に対応する時刻は蒸気圧力偏差(△P)が予め設定した圧力範囲37を第2回目に逸脱した時刻であり、34に対応する時刻は蒸気圧力偏差(△P)が予め設定した圧力範囲37に第2回目に突入した時刻である。
したがって、31に対応する時刻から34に対応する時刻までの時間は、前記蒸気圧力偏差(△P)が予め設定した圧力範囲を第1回目に逸脱した時刻から第2回目に前記圧力範囲に突入するまでの時間(TP)である。
発明者らは鋭意研究開発の結果、第1回目に逸脱した時刻から第2回目に前記圧力範囲に突入するまでの時間(TP)が予め設定した時間(TV)以下である場合には、蒸気圧力偏差(△P)が振動を開始したと判断し、当該判断を下した時刻である34に対応する時刻(切替時刻)であり、当該切替時刻以降直ちに振動抑制のための手段を講じることで、当該振動を有効に抑制できることを見出した。
予め設定した時間(TV)とは、通常発生する振動周期であり、10〜20分程度の時間である。
(積分制御部)
発明者らは鋭意研究開発の結果、切替時刻以降に振動抑制のための手段として、使用していた蒸気圧力偏差(△P)の積分値に代えて当該積分値の移動平均を使用することとすることで、当該振動を有効に抑制できることを見出した。
積分動作をホールドすることによっても振動の助長を抑制できるが、それだけでは蒸気圧力偏差(△P)のいわゆるオフセット分を制御しきれない。それに対し、本発明では積分値の移動平均を用いることにより、振動の助長を抑制し、かつ、オフセット分の除去を行えるからである。
(積分値の移動平均)
図5(b)は、蒸気圧力偏差(△P)の積分値の移動平均の算出について記載されている。図5(b)おいて、縦軸は蒸気圧力偏差(△P)の積分値であり、横軸は時刻(t)であり、41は現在時刻であり、42は移動平均時間(TM)である。現在時刻41における蒸気圧力偏差(△P)の積分値の移動平均とは、現在時刻から移動平均時間(TM)まで遡った蒸気圧力偏差(△P)の積分値を更に積分した値を移動平均時間(TM)で除した値である。蒸気圧力偏差の積分値が連続的ではなく離散的に、例えばΔTピッチで得られている場合には、積分値をさらに積分した値は、対象範囲に存する積分値の和にΔTをかけた値として求めることができる。
ここで、移動平均時間(TM)42は、蒸気圧力偏差(△P)が予め設定した圧力範囲を第1回目に逸脱した時刻から第2回目に前記圧力範囲に突入するまでの時間(TP)、振動開始の判断のために予め設定した時間(TV)、あるいはこれら以外に予め設定した時間のいずれかとすることができる。
ここで、振動開始判断部からの通知を受理した時刻から積分器51は積分動作を再開する場合に振動開始判断部からの通知を受理した時刻以前の積分値は0と見なして積分値の移動平均を取る。
第1の実施形態は、積分値の移動平均の取り方により移動平均A、移動平均B、移動平均Cのそれぞれを用いる3種類の形態に分類される。
<移動平均Aを用いる形態>
移動平均Aを用いる形態は、第1の実施形態において、前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値の移動平均とは、前記積分制御開始時刻から前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値とは並行して計算された値であって、現時刻から移動平均時間(TM)遡った時刻を始点として現時刻までの前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値(当該遡った時刻に値が無い場合は零として取り扱う)の和を前記移動平均時間(TM)で除した値(以下、「積分値の移動平均A」という。)を用いる蒸気圧力制御方法である。
(積分制御切替)
図3(a)には本実施形態に用いる積分制御部ブロック図が記載されている。積分制御部は主に、積分器用リセット52のついた積分器51、切替器56、移動平均算出器55、積分ゲイン57から構成される。
制御開始時において、積分器51は積分器用リセット52によりリセットされて初期値としては0が入力される。また、切替器56はAに接続されている。
蒸気圧力偏差(△P)21が振動していないときは、蒸気圧力偏差(△P)21は積分器51に入力されて積分され、積分ゲインKiが乗じられて積分制御補正量58が算出される。
これとは並行して、制御開始時刻から積分器51の出力は移動平均算出器55に送られて、現時刻から移動平均時間(TM)遡った時刻を始点として現時刻までの前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値を更に移動平均時間(TM)だけ積分した値を前記移動平均時間(TM)で除した値を出力している。
さて、蒸気圧力偏差(△P)21が振動を開始した旨が振動開始判断部から通知されると、通知を受理した時刻に切替器56はBに接続され、以降は、蒸気圧力偏差(△P)21を積分器51が積分した値について移動平均算出器55で移動平均をとった値に積分ゲインKiが乗じられた値が積分制御補正量58として出力される。
このような構成により、振動開始判断部からの通知を受理した時刻に蒸気圧力偏差(△P)21の積分値による燃料量補正量の算出から蒸気圧力偏差(△P)21の積分値の移動平均による燃料量補正量の算出に切換えられる。
(積分値の移動平均)
制御開始時刻から積分器51の出力は移動平均算出器55に送られて、現時刻から移動平均時間(TM)遡った時刻を始点として現時刻までの前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値を更に移動平均時間(TM)だけ積分した値を前記移動平均時間(TM)で除した値を出力しているが、移動平均の算出にあたり当該遡った時刻に値が無い場合は零として取り扱う。
<移動平均Bを用いる形態>
移動平均Bを用いる形態は、第1の実施形態において、前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値の移動平均とは、切替時刻における前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値に、切替時刻以降の各時刻において移動平均時間(TM)遡った時刻を始点として当該各時刻までの前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値(切替時刻において積分値をリセットするとともに切替時刻以前の値は零として取り扱う)を更に移動平均時間(TM)だけ積分した値を前記移動平均時間(TM)で除した値を、加えたもの(以下、「積分値の移動平均B」という。)である蒸気圧力制御方法である。
(積分制御切替)
図3(b)には本実施形態に用いる積分制御部ブロック図が記載されている。積分制御部は主に、積分器用リセット52のついた積分器51、切替器56、ホールダ用リセット54のついたホールダ53、移動平均算出器55、積分ゲイン57から構成される。
制御開始時において、積分器51は積分器用リセット52により、ホールダ53はホールダ用リセット54によりリセットされて初期値としては0が入力される。また、切替器56はAに接続されている。
蒸気圧力偏差(△P)21が振動していないときは、蒸気圧力偏差(△P)21は積分器51に入力されて積分され、積分ゲインKiが乗じられて積分制御補正量58が算出される。このとき、ホールダ53はいつでも積分器51からの出力を記憶することができる状態にある。
さて、蒸気圧力偏差(△P)21が振動を開始した旨が振動開始判断部から通知されると、通知を受理した時刻に、積分器の値はホールダ53に記憶され、積分器51はリセットされ、かつ、切替器56はBに接続され、以降は、蒸気圧力偏差(△P)21を積分器51が積分した値について移動平均算出器55で移動平均をとった値がホールダに記憶された値に加算点29において加算された値に積分ゲインKiが乗じられた値が積分制御補正量58出力される。なお、移動平均算出器55には切替時刻以前の積分値が入力されていないので、切替時刻以前の蒸気圧力偏差の積分値は零として取り扱うこととなる。
このような構成により、振動開始判断部からの通知を受理した時刻に蒸気圧力偏差(△P)21の積分値による燃料量補正量の算出から蒸気圧力偏差(△P)21の積分値の移動平均による燃料量補正量の算出に不連続な点を生じることなく切り替えることができる。
<移動平均Cを用いる形態>
移動平均Cを用いる形態は、第1の実施形態において、前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値の移動平均とは、前記第1回目の逸脱時刻以降であって切替時刻までの前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値を記憶し、切替時刻以降において前記疑似振動周期(TP)を前記移動平均時間(TM)として、切替時刻以降の各時刻において移動平均時間(TM)遡った時刻を始点として当該各時刻までの前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値の和を前記移動平均時間(TM)で除した値である(以下、「積分値の移動平均C」という。)蒸気圧力制御方法である。
(積分制御切替)
図3(c)には本実施形態に用いる積分制御部ブロック図が記載されている。積分制御部は主に、積分器用リセット52のついた積分器51、切替器56、記憶装置59、移動平均算出器55、積分ゲイン57から構成される。
制御開始時において、積分器51は積分器用リセット52によりリセットされて初期値としては0が入力される。また、切替器56はAに接続されている。
蒸気圧力偏差(△P)21が振動していないときは、蒸気圧力偏差(△P)21は積分器51に入力されて積分され、積分ゲインKiが乗じられて積分制御補正量58が算出される。
さて、蒸気圧力偏差(△P)21についての第1回目の逸脱時刻以降、前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値を記憶装置59において記憶しておき、
切替時刻以降において移動平均算出器55においては、記憶装置59に記憶された値を用いて前記疑似振動周期(TP)を前記移動平均時間(TM)として、切替時刻以降の各時刻において移動平均時間(TM)遡った時刻を始点として当該各時刻までの前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値を更に移動平均時間(TM)だけ積分した値を前記移動平均時間(TM)で除した値を蒸気圧力偏差(△P)の積分値の移動平均値として出力し、かつ、切替器56はBに接続され、蒸気圧力偏差(△P)の積分値の移動平均をとった値に積分ゲインKiが乗じられた値が積分制御補正量58出力される。
このような構成により、振動開始判断部からの通知を受理した時刻に蒸気圧力偏差(△P)21の積分値による燃料量補正量の算出から蒸気圧力偏差(△P)21の積分値の移動平均による燃料量補正量の算出に切換えられる。
(積分値の移動平均)
蒸気圧力偏差(△P)21についての第1回目の逸脱時刻以降の蒸気圧力偏差(△P)の積分値は記憶装置59に記憶され、切替時刻以降の各時刻において移動平均時間(TM)遡った時刻を始点として当該各時刻までの前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値の和を前記移動平均時間(TM)で除した値を蒸気圧力偏差(△P)の積分値の移動平均値として出力される。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、第1の実施形態におけるΔpの積分値を用いた積分制御に加えて、蒸気圧力実績値の蒸気圧力設定値との偏差である蒸気圧力偏差(△P)を用いて前記燃料量を算出して補正する方法(比例制御)を含む制御方法である。
比例制御において、通常行われるように比例ゲインを一定値として行っても良い。本発明においてより好ましくは、蒸気圧力偏差の区分を設けた上で、前記蒸気圧力偏差(△P)の区分に応じて蒸気圧力偏差(△P)を用いて前記燃料量を補正する量を修正する第1修正ステップを有し、蒸気圧力偏差(△P)が零となる値を含む区分においては、ゲインを零とすることもできる蒸気圧制御方法とする。
(比例制御部)
図4(a)は比例制御部の概要を示した図である。図4(a)に記載したように、比例ゲインKpを修正するためのゲインKpg1を直列に配置し、蒸気圧力偏差(△P)にKp、Kpg1を乗じて比例制御補正量を算出し、これにより燃料量を補正する。Kpg1=1(一定)とすれば、通常の比例制御を行うことになる。
図4(b)は修正ゲイン1の概要を示した図である。図4(b)に記載したように、Kpg1は、蒸気圧力偏差(△P)に応じた区分テーブルにより構成されており、蒸気圧力偏差(△P)が零に近い区分である0〜a1或いは−c1〜0においてはそのゲインが零となっている。
図8に示すようなボイラ・タービン・発電機設備において、図1に示す制御系の基本的構成を用い、ボイラの蒸気圧力実績値を一定値に制御すべくボイラに供給する燃料量を補正する方法を実施した。
(比較例)
振動開始を判断せず、振動が発生しても通常どおり、ゲインを一定として積分制御、比例制御を行った。図7(a)には、比例制御を用いずに積分制御のみを用いた場合の結果を示す。図7(b)には積分制御と比例制御を併用した場合の結果を示す。いずれにおいても、時間の経過と共に蒸気圧力偏差の振動の振幅が増大し、振動が拡散していることが明らかである。積分制御、比例制御のゲインが大きすぎたことが振動拡大の原因と考えられる。
以下の実施例1〜9において、振動開始前の積分制御、比例制御のゲインの大きさについては、上記比較例と同じ値を用いている。
(実施例1)
第1の実施形態であって移動平均Aを用いる形態を実施した場合のグラフを図6(a)に記載する。本形態は図3(a)に記載されているように蒸気圧力偏差(△P)の積分値の移動平均としては、積分値の移動平均Aを用いる。
積分制御による補正量の計算にあたっては、切替時すなわち蒸気圧力偏差(△P)について予め定められた範囲から1回目の逸脱をなした後に当該予め定められた範囲に2回目の突入がなされたときに、振動が開始されたと認識して、蒸気圧力偏差(△P)の積分値を並行して計算されていた積分値の移動平均Aに切換える。
このように積分制御による補正量を用いて蒸気圧力偏差(△P)を制御することで、図7(a)に記載の比較例の結果と比して、蒸気圧力偏差(△P)の振動を短時間で収束させることができる。
また、蒸気圧力偏差(△P)が零となる点においては、補正量はオフセット値に一致しており、燃料量の補正量が大きく変化せず、安定的に動作していることが確認できる。
(実施例2)
第1の実施形態であって移動平均Bを用いる形態を実施した場合のグラフを図6(b)に記載する。本形態は図3(b)に記載されているように蒸気圧力偏差(△P)の積分値の移動平均としては、積分値の移動平均Bを用いる。
積分制御による補正量の計算にあたっては、切替時すなわち蒸気圧力偏差(△P)について予め定められた範囲から1回目の逸脱をなした後に当該予め定められた範囲に2回目の突入がなされたときに、振動が開始されたと認識して、蒸気圧力偏差(△P)の積分値を積分値の移動平均Bに切換える。
このように積分制御による補正量を用いて蒸気圧力偏差(△P)を制御することで、図7(a)に記載の比較例の結果と比して、蒸気圧力偏差(△P)の振動を短時間で収束させることができる。
また、蒸気圧力偏差(△P)が零となる点においては、補正量はオフセット値に一致しており、燃料量の補正量が大きく変化せず、安定的に動作していることが確認できる。
(実施例3)
第1の実施形態であって移動平均Cを用いる形態を実施した場合のグラフを図6(c)に記載する。本形態は図3(c)に記載されているように蒸気圧力偏差(△P)の積分値の移動平均としては、積分値の移動平均Cを用いる。
積分制御による補正量の計算にあたっては、切替時すなわち蒸気圧力偏差(△P)について予め定められた範囲から1回目の逸脱をなした後に当該予め定められた範囲に2回目の突入がなされたときに、振動が開始されたと認識して、蒸気圧力偏差(△P)の積分値を積分値の移動平均Cに切換える。
このように積分制御による補正量を用いて蒸気圧力偏差(△P)を制御することで、図7(a)に記載の比較例の結果と比して、蒸気圧力偏差(△P)の振動を短時間で収束させることができる。
また、蒸気圧力偏差(△P)が零となる点においては、補正量はオフセット値に一致しており、燃料量の補正量が大きく変化せず、安定的に動作していることが確認できる。
(実施例4)
第2の実施形態であって積分制御では移動平均Aを用いる形態を実施し、比例制御では修正ゲインKpg1による補正を行わなかった場合のグラフを図6(d)に記載する。積分制御は図3(a)に記載されたものであり、比例制御は図4(a)に記載されたものであり、Kpg1=1とした場合である。
比例制御を併せて動作させても良好な結果を得ている。また、蒸気圧力偏差(△P)が零となる点においては、制御開始において補正量はオフセット値に一致していないが、徐々に安定的に一致していることが確認できる。
(実施例5)
第2の実施形態であって積分制御では移動平均Bを用いる形態を実施し、比例制御では修正ゲインKpg1による補正を行わなかった場合のグラフを図6(e)に記載する。積分制御は図3(b)に記載されたものであり、比例制御は図4(a)に記載されたものであり、Kpg1=1とした場合である。
比例制御を併せて動作させても良好な結果を得ている。また、蒸気圧力偏差(△P)が零となる点においては、制御開始において補正量はオフセット値に一致していないが、徐々に安定的に一致していることが確認できる。
(実施例6)
第2の実施形態であって積分制御では移動平均Cを用いる形態を実施し、比例制御では修正ゲインKpg1による補正を行わなかった場合のグラフを図6(f)に記載する。積分制御は図3(c)に記載されたものであり、比例制御は図4(a)に記載されたものであり、Kpg1=1とした場合である。
比例制御を併せて動作させても良好な結果を得ている。また、蒸気圧力偏差(△P)が零となる点においては、制御開始において補正量はオフセット値に一致していないが、徐々に安定的に一致していることが確認できる。
(実施例7)
第2の実施形態であって移動平均Aを用いる形態を実施し、修正ゲインKpg1による補正を行った場合のグラフを図6(g)に記載する。積分制御は図3(a)に記載されたものであり、比例制御は図4(a)、(b)に記載されたものを実施している。比例制御による補正量の計算にあたっては、図4(b)に記載されるゲインテーブルを用いることで、蒸気圧力偏差(△P)が少ないところでは補正量を零としている。
このように積分制御と比例制御による補正量を用いて蒸気圧力偏差(△P)を制御することで、蒸気圧力偏差(△P)の振動を短時間で収束させることができる。比例制御を併せて動作させても良好な結果を得ている。また、蒸気圧力偏差(△P)が零となる点においては、制御開始において補正量はオフセット値に一致していないが、徐々に安定的に一致していることが確認できる。
(実施例8)
第2の実施形態であって移動平均Bを用いる形態を実施し、修正ゲインKpg1による補正を行った場合のグラフを図6(h)に記載する。積分制御は図3(b)に記載されたものであり、比例制御は図4(a)、(b)に記載されたものを実施している。比例制御による補正量の計算にあたっては、図4(b)に記載されるゲインテーブルを用いることで、蒸気圧力偏差(△P)が少ないところでは補正量を零としている。
このように積分制御と比例制御による補正量を用いて蒸気圧力偏差(△P)を制御することで、蒸気圧力偏差(△P)の振動を短時間で収束させることができる。比例制御を併せて動作させても良好な結果を得ている。また、蒸気圧力偏差(△P)が零となる点においては、制御開始において補正量はオフセット値に一致していないが、徐々に安定的に一致していることが確認できる。
(実施例9)
第2の実施形態であって移動平均Cを用いる形態を実施し、修正ゲインKpg1による補正を行った場合のグラフを図6(i)に記載する。積分制御は図3(c)に記載されたものであり、比例制御は図4(a)、(b)に記載されたものを実施している。比例制御による補正量の計算にあたっては、図4(b)に記載されるゲインテーブルを用いることで、蒸気圧力偏差(△P)が少ないところでは補正量を零としている。
このように積分制御と比例制御による補正量を用いて蒸気圧力偏差(△P)を制御することで、蒸気圧力偏差(△P)の振動を短時間で収束させることができる。比例制御を併せて動作させても良好な結果を得ている。また、蒸気圧力偏差(△P)が零となる点においては、制御開始において補正量はオフセット値に一致していないが、徐々に安定的に一致していることが確認できる。
1:ボイラ・タービン・発電機設備
2:ボイラ
3:ガバナ弁
4:タービン
5:発電機
6:復水器
9:蒸気圧力設定値
10:発電量指令
12:燃料量制御部
14:ガバナ制御部
16:蒸気温度制御部
18:蒸気圧力制御部
19:蒸気圧力実績値
21:蒸気圧力偏差
22:燃料量補正量
23:燃料量
28:引出点
29:加算点
50:積分制御部
51:積分器
52:積分器用リセット
53:ホールダ
54:ホールダ用リセット
55:移動平均算出器
56:切替器
57:積分ゲイン
58:積分制御補正量
60:比例制御部
61:第1修正ゲイン
67:比例ゲイン
68:比例制御補正量

Claims (6)

  1. ボイラに燃料を供給して燃焼させた熱を熱交換器で吸収して発生させた蒸気をタービンへ供給して発電するボイラ・タービン・発電機設備のボイラ蒸気圧力実績値を一定値に制御すべくボイラに供給する燃料量を補正するにあたり、蒸気圧力実績値の蒸気圧力設定値との偏差である蒸気圧力偏差(△P)の積分値を用いて前記燃料量補正量を算出して補正する方法において、
    蒸気圧力偏差(△P)の積分値に積分ゲインKiを乗じた値を用いて前記燃料量補正量を算出して補正(以下、「積分制御」という。)している場合に、
    前記蒸気圧力偏差(△P)が予め設定した圧力範囲を逸脱し、かつ、前記圧力範囲に突入する現象が2回以上発生した場合であって、前記蒸気圧力偏差(△P)が予め設定した圧力範囲を第1回目に逸脱した時刻(以下、「第1回目の逸脱時刻」という。)から第2回目に前記圧力範囲に突入する時刻(以下、「第2回目の突入時刻」という。)までの時間(以下、「疑似振動周期」という。)(TP)が予め設定した時間(TV)以下であったときの当該第2回目の突入時刻(以下、「切替時刻」という。)に、
    前記蒸気圧偏差(△P)の積分値に積分ゲインKiを乗じた値を用いて燃料量補正量を算出する方法から、前記蒸気圧偏差(△P)の積分値の移動平均値に積分ゲインKiを乗じた値用いて燃料量補正量を算出する方法に変更するステップを有することを特徴とする蒸気圧力制御方法。
  2. 前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値の移動平均とは、
    前記積分制御開始時刻から前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値とは並行して計算された値であって、
    現時刻から移動平均時間(TM)遡った時刻を始点として現時刻までの前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値(当該遡った時刻に値が無い場合は零として取り扱う)をさらに前記移動平均時間(TM)だけ積分した値を前記移動平均時間(TM)で除した値であることを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧力制御方法。
  3. 前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値の移動平均とは、
    切替時刻における前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値に、
    切替時刻以降の各時刻において移動平均時間(TM)遡った時刻を始点として当該各時刻までの前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値(切替時刻において積分値はリセットするとともに切替時刻以前の値は零として取り扱う)をさらに前記移動平均時間(TM)だけ積分した値を前記移動平均時間(TM)で除した値を加えたものであることを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧力制御方法。
  4. 前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値の移動平均とは、
    前記第1回目の逸脱時刻以降であって切替時刻までの前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値を記憶し、
    切替時刻以降において前記疑似振動周期(TP)を前記移動平均時間(TM)として、
    切替時刻以降の各時刻において移動平均時間(TM)遡った時刻を始点として当該各時刻までの前記蒸気圧力偏差(△P)の積分値をさらに前記移動平均時間(TM)だけ積分した値を前記移動平均時間(TM)で除した値であることを特徴とする請求項1に記載の蒸気圧力制御方法。
  5. 蒸気圧力実績値の蒸気圧力設定値との偏差である蒸気圧力偏差(△P)を用いて前記燃料量補正量を算出して補正する方法を有する特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の蒸気圧力制御方法。
  6. 前記蒸気圧力実績値の蒸気圧力設定値との偏差である蒸気圧力偏差(△P)を用いて前記燃料量補正量を算出して補正する方法においては、
    蒸気圧力偏差(△P)の区分に応じて前記燃料量補正量を修正する第1修正ステップを有し、
    前記第1修正ステップにおいては、前期蒸気圧力偏差(△P)が零となる値を含む区分においては、前記燃料量補正量を零とすることを特徴とする請求項5に記載の蒸気圧力制御方法。
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