JP5772282B2 - 圧着シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧着シート及びその製造方法に関し、更に詳しくは、感圧接着部を有する基材が、折り部または切り離し部で連接され、該基材が折り部で折られて、重なり、または切り離し部で切り取られて、切り取られた基材同士が重なり、感圧接着部により接着する圧着シート及びその製造方法に関するものである。
個人情報等が印刷された圧着可能なシートがある。このシート(圧着シート)は、シートを構成する基材の少なくとも一部に粘着剤が塗布されており、その粘着剤面にデザイン等の印刷や個人情報等が印刷されており、折り返して圧着することにより剥離可能に接着することができる。圧着シートをはがきとして使用する場合には、郵便法により、はがきの本体部分に「郵便はがき」等の文言が印刷されていることが必要であり、且つ、「郵便はがき」等の文言が、隠蔽後にも表出されていることが必要である。
上記に対し、従来、本体シートと隠蔽ラベルを圧着する際に、隠蔽ラベルを本体シートよりも短くし(小さくし)、「郵便はがき」等の文言が表出されるようにしたり(特許文献1)、隠蔽ラベル部分の一部に、穴を開けておき、圧着した後に、その穴の部分から「郵便はがき」等の文言が表出されるようにしたりすることにより、対応している。またシートの基材には略均一に粘着剤が塗布されているため、圧着後にも略均一な接着力を有するため、上記のように加工された部分(穴が開けられた部分)は、隠蔽ラベルを剥がす際に、基材が材破する問題がある。したがって、従来、加工された部分に、本来では不必要な印刷を形成し、粘着剤面を覆うことにより、圧着後の接着力を弱くすることにより材破を防止していた。(例えば、特許文献2参照。特許文献2の目止め層が上記の接着力を弱くしている。)
上記の基材の材破を防止するために、不必要な印刷を形成する必要がある。通常、圧着シートに地紋や、固定情報を印刷して形成する時に使用するインキ等により、上記の材破防止用印刷を形成するため、上記の地紋、固定情報の印刷がない場合には、材破防止用印刷を形成できない問題がある。また、上記の「郵便はがき」等の文言を表出させるための穴を、刃型で加工する場合、粘着剤が塗布されているため、穴の抜けが悪かったり、抜いたカスが、圧着シート上に付着したりする問題があった。
特開平10−6664号公報 特開2007−55208号公報
したがって、本発明は、剥離可能な接着剤を用いた紙片を利用して、個人情報などを隠蔽することができ、その隠蔽した紙片を圧着シートから剥がす際に、紙片が材破することなく、またその紙片材破を防止する印刷もすることなく、さらに圧着シートに穴を加工するなどの際、製造上の不具合が生じ無い圧着シート及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明の圧着シートの製造方法は、感圧接着部を有する基材が、折り部または切り離し部で連接され、前記基材が折り部で折られて、重なり、または切り離し部で切り取られて、切り取られた基材同士が重なり、感圧接着部により接着する圧着シートの製造方法であって、前記基材上に、感圧接着部と、表示部を形成し、さらに折り部または切り離し部を形成し、その後に前記基材の所定の位置に、レーザー照射による貫通穴を形成し、前記貫通穴の周辺の感圧接着部をレーザー照射により切削して、感圧接着部の厚さを減らし、その後に基材を折り部で折り重ねて、または切り離し部で基材を切り取り、切り取られた基材同士を重ねて、前記感圧接着により接着させ、前記の表示部が貫通穴を通して認識できることを特徴とする。
このように、本発明では、表示部を露出させるための穴の周辺に、紙片材破を防止するための印刷を施すことがない。圧着シートの構成要素である紙片(感圧接着部を有する基材において、折り部または切り離し部を境にして分かれた部分)を、感圧接着剤により接着させて、情報を隠蔽し、その隠蔽した紙片を圧着シートから剥がす際、貫通穴の周辺の感圧接着剤が、レーザー照射により、削り取られて、感圧接着部の厚さが薄くなっているので、上記隠蔽した紙片の接着強度を下げて、紙片の材破を防止している。圧着シートに穴を加工する際、刃型で加工する方法ではなく、レーザー照射により、対象物と非接触により加工しているので、穴の抜けが悪かったり、接着剤が残存する影響による抜いたカスが、圧着シート上に付着したりする問題がない。
また、レーザー照射により、穴の貫通及び穴周辺の感圧接着部の切削の加工をしているので、すなわちレーザー照射を含むレーザー加工機のコントローラの電子制御により、加工を行なうので、加工する位置、加工の大きさ(深さ)が一定ではなく、自在に変化させた設定にすることができ、表示部、穴の位置の設計上の変更にも自在に対応でき、実用性が非常に高いものである。
また、本発明の圧着シートの製造方法は、レーザー照射により、基材の一部にコーナーカット部を形成し、さらに前記コーナーカット部の周辺の基材に有する感圧接着部を切削して、感圧接着部の厚さを減らすことを特徴とする。これにより、刃型で加工する方法ではなく、レーザー照射により、対象物と非接触により加工しているので、穴の抜けが悪かったり、抜いたカスが、接着剤が残存する影響による、圧着シート上に付着したりする問題がない。また、コーナーカットの大きさ、形状をレーザー照射を含むレーザー加工機のコントローラの電子制御により、簡単に変化させることができ、コーナーカットの設計上の変更にも自在に対応できる。
本発明の圧着シートは、上記構成をとることにより、剥離可能な接着剤を用いた紙片(感圧接着部を有する基材における折り部または切り離し部を境にして分かれた部分)を利用して、個人情報などを隠蔽することができ、その隠蔽した紙片を圧着シートから剥がす際に、紙片が材破することを防止できた。また本発明の圧着シートの製造方法によれば、上記の紙片の材破を防止する印刷をすることがないので、製造効率が良い。さらに圧着シートに穴を加工するなどの際、刃型で加工することはしないので、つまり、対象物と非接触により加工するので、穴の抜けが悪かったり、抜いたカスが、接着剤が残存する影響による、圧着シート上に付着したりする製造上の不具合を防止した。
本発明の圧着シートである一つの実施形態を示す断面図である。 図1に示した圧着シートの貫通穴を含む概略の部分断面図である。 本発明の圧着シートである他の実施形態を示す断面図である。 本発明の圧着シートの貫通穴の周辺の基材に有する感圧接着部の厚さが、他の部分よりも小さい例を示した概略断面図である。 本発明の圧着シートの製造方法で適用する貫通穴形成などの際に使用されるレーザー加工装置の一例を示す概略図である。
次に、本発明の実施の形態について、詳述する。以下の実施の形態で示される圧着シート及びその製造方法は、本発明の実施例でもある。
図1に、本発明の圧着シート1である一つの実施形態を示す。図1(1)は、感圧接着部を有する基材が、折り部2で連接された圧着シート1の折られる前の状態を示す圧着シートの概略の平面図であり、圧着シートの両端には、後処理で使用するプリンター等の搬送でピン送りとして利用するためのマージナルパンチ7の加工が施されている。折り部2は圧着シートの中央部にあり、感圧接着部を有する基材において、折り部2を境にして、紙片10と紙片11が隣接した形態である。
図1(1)で、圧着シート1の感圧接着部の設けられた面に、「郵便はがき」の表示部6がある。この表示部6は、通常は基材上に感圧接着部が設けられた後で、印刷により形成されるものである。この図示した圧着シート1を折り部2で、矢印で示すように、紙片10と紙片11の双方の感圧接着部同士が接するように、折られて、重なって、接着して、図1(2)に示すような形態になる。その重なった形態で、圧着シートにある表示部6が、貫通穴3を通して、認識できるものである。したがって、貫通穴3と表示部6は、折り部2に対して、対照の位置関係になるように、調整している。紙片10と紙片11の双方の感圧接着部同士が接するように、折られて、重なった状態で、郵便はがきとして利用する際には、マージナルパンチ7を含む端を切断(シートカット)して破棄するものである。
図1では、折り部が圧着シートの中央部に位置するものを示したが、これに限らず、Z折りするような3つ折りタイプのように、折り部が中央部でない場合でも、また2つ折りでも折り部が中央部でなく、一方の端に近く存在してもよく、いずれにしても、貫通穴と表示部が、折り部に対して、対照の位置関係になるように、調整される。また、図1では、「郵便はがき」の文字の1つずつに対応して、貫通穴が1つずつ存在するものを示したが、これに限らず、例えば「郵便」の2文字、「はがき」の3文字、あるいは「郵便はがき」の5文字全て等を、1つの貫通穴を通して、見えるようにすることができる。それには、図1で示したような貫通穴が、円形の形状に限らず、楕円形、四角形など、紙片同士が重なった状態で、対応する表示部が貫通穴から露出して、認識できるものであれば、貫通穴の形状は任意に決定できる。
図2は、図1(1)に示した圧着シートのX−Xで切断した概略の断面図であり、感圧接着部5を有する基材4において、所定の位置に貫通穴3を有し、その貫通穴の周辺8の基材4に有する感圧接着部5の厚さが、他の部分よりも小さいことが分かる。図2では、貫通穴3の外縁に、他の部分よりも厚さが一様に低い感圧接着部が形成されている。貫通穴3の周辺8の基材4に有する感圧接着部5の厚さが、他の部分よりも小さい形態は、図2の例に限らず、図4で示したような形態にすることも可能である。
図4(1)では、感圧接着部5を有する基材4において、所定の位置に貫通穴3を有し、その貫通穴の周辺8の基材4に有する感圧接着部5の厚さは、穴の外縁から穴の中心方向に、徐々に低減し、感圧接着部の表面が、直線的な傾斜状になっている。また、図4(2)では、感圧接着部5を有する基材4において、所定の位置に貫通穴3を有し、その貫通穴の周辺8の基材4に有する感圧接着部5の厚さは、穴の外縁から穴の中心方向に、感圧接着部の表面が円弧状の線になるように、低減した形態になっている。このように、貫通穴の周辺の基材に有する感圧接着部の厚さが、他の部分よりも小さくする形態は、適宜選択することができる。この感圧接着部の厚さを減少させる形態は、後で記載する圧着シートの製造方法で詳細に説明するレーザー照射条件を変化させることにより、簡単に変化させることができる。
また、図3は本発明の圧着シートである他の実施形態を示す断面図であり、図3(1)は、感圧接着部を有する基材が、折り部2で連接された圧着シート1の折られる前の状態を示す圧着シートの概略の平面図であり、圧着シートの両端には、後処理で使用するプリンター等の搬送でピン送りとして利用するためのマージナルパンチ7の加工が施されている。折り部2は圧着シートの中央部にあり、感圧接着部を有する基材において、折り部2を境にして分かれた部分、つまり紙片10と紙片11が隣接した形態である。
図3(1)で、圧着シート1の感圧接着部の設けられた面に、「郵便はがき」の表示部6がある。この図示した圧着シート1を折り部2で、矢印で示すように、紙片10と紙片11の双方の感圧接着部同士が接するように、折られて、重なって、接着して、図3(2)に示すような形態になる。その重なった形態で、圧着シートにある表示部6が、貫通穴3を通して、認識できるものである。したがって、貫通穴3と表示部6は、折り部2に対して、対照の位置関係になるように、調整している。
図3では、紙片11の隅に、コーナーカット部9を有し、紙片10と紙片11の双方の感圧接着部同士が接するように、折られて、重なった状態で、さらに郵便はがきとして利用する際に、マージナルパンチ7を含む端が切断(シートカット)され、破棄されるものである。その切断後の郵便はがきの形態で、配達されて受け取った人が、感圧接着部により、接着した郵便はがきの紙片10、11同士を剥がしやすくするために、最初に剥がす位置に、上記コーナーカット部9を有している。すなわち、コーナーカット部では、紙片同士が接着していなく、一方の紙片しか残存していないので、両者の紙片を剥がす手間がかからず、簡単に剥がし始めることができるからである。
上記で説明した図1、3では、いずれも感圧接着部を有する基材が、折り部2で連接された圧着シートのものであるが、これに限らず、感圧接着部を有する基材が、切り離し部で連接され、その切り離し部で切り取られて、切り取られた基材同士が感圧接着部同士が接するように、重なり、感圧接着部により接着する圧着シートであってもよい。その重ねて接着させる際に、切り取られた紙片同士は、マージナルパンチ同士の位置が合うようにすれば、容易に位置合わせができる。
以下に、本発明の圧着シートを構成する要素について、詳しく説明する。
(基材)
圧着シートの基材4として、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、セルロース繊維紙等の紙類、または基材内部に微細空隙(ミクロボイド)を有するフィルム(いわゆる合成紙)を使用することができる。
但し、圧着シートに所定の印刷を施し、またレーザー照射による貫通穴の形成加工できる所定の厚さを確保する必要がある。例えば、厚さが20〜300μmのものが好ましい。上記の基材の中でも、紙類が特に好ましい。それは、折り部で折って重ねて、感圧接着部を接着させる際の折適性、接着適性が良好であるからである。
(感圧接着部)
感圧接着部5は、その使用する感圧接着部が基材と接触しても接着せずに、感圧接着部同士が加圧接触してはじめて接着し、しかも再剥離ができるように調整されたものであり、従来の折り畳みのメールフォームで利用されているものが使用できる。一般的に、粘着主剤、粘着力調整剤、添加物等で構成した塗工液を基材に塗工して、感圧接着部となる層を形成できる。
図1、3を参照し、圧着シート1の折り部2で、折り、紙片10と紙片11の表面の感圧接着部同士が重ね合わされて圧着されて接着し、圧着シートに記録された個人情報などが隠蔽できる。また図示してはいないが、基材部に記載あるいは記入された個人情報が、郵便配達中などの取扱い中に、それらの個人情報が透けて見えないように、基材の感圧接着部の設けられた面と反対面や、基材と感圧接着部との間に、地紋印刷が施されることが好ましい。
以下に、圧着シートの製造方法について、説明する。
圧着シートの基材に対し、感圧接着部5と、表示部6を形成する。その感圧接着部5と表示部6との形成する順序は、特に限定するものではない。尚、基材の一方の全面に、感圧接着部が塗工されたものを、入手する場合は、表示部の形成は後で行なうことになる。この表示部の形成は、グラビア印刷やオフセット印刷等の印刷で形成する、またはインクジェット記録、電子写真記録などのプリンターで、圧着シートに個人情報など可変データを記録する際に、「郵便はがき」や「連絡票」などの表示を行なうための記録も兼ねて行なうことも可能である。
次に、圧着シートの所定の箇所に、折り部または切り離し部を、ミシン加工により、形成する。その際に、連続シートの基材を用いて、長尺の形態で連続的に加工することが大量生産上、好ましく、その連続シートの搬送方向で、両端にマージナルパンチ7を、一対のロール表面に、ピンとダイスを取り付けて、ロール同士が基材を間に挟んで、回転することで、マージナルパンチを打ち抜いて加工することが好ましい。またコーナーカット部9は、上記マージナルパンチ加工の場合と同様に、打ち抜き加工により形成できる。但し、ピンとダイスの噛み合う形状を、コーナーカットの形状(三角形)に変更することが必要である。
次に、前記基材の所定の位置に、レーザー照射により、基材(感圧接着部を含め)を切削して、貫通穴を形成する。貫通穴の大きさ、数及び貫通穴同士の間隔は、既に形成しておいた表示部の文字などの大きさ、文字数、文字同士の間隔に合わせて、基材を折り部で折り重ねて、または切り離し部で基材を切り取り、切り取られた基材同士を重ねて、その表示部が貫通穴を通して認識できるようにする。つまり、貫通穴3と表示部6は、折り部2(または切り離し部)に対して、対照の位置関係になるように、設定する。
上記の貫通穴の形成する加工のレーザー照射の際に、貫通穴の周辺8の基材4に有する感圧接着部5にもレーザー照射して、感圧接着部を切削し、感圧接着部5の厚さを減らすことが、本発明の圧着シートにおける製造方法の構成要件の一つとしている。その貫通穴の周辺の基材に有する感圧接着部の厚さが、他の部分よりも小さい形態として、例えば、図2における貫通穴3の外縁に、他の部分よりも厚さが一様に低い感圧接着部を形成する、または図4(1)に示す貫通穴の周辺8の基材4に有する感圧接着部5の厚さが、穴の外縁から穴の中心方向に、徐々に低減し、感圧接着部の表面が、直線的な傾斜状になるように形成する、あるいは図4(2)に示す貫通穴の周辺8の基材4に有する感圧接着部5の厚さが、穴の外縁から穴の中心方向に、感圧接着部の表面が円弧状の線になるように、低減した形態にするなどが挙げられる。
上記の貫通穴の周辺8の基材4に有する感圧接着部の厚さを減少させる形態は、レーザー照射条件のレーザー光の強度、レーザー照射時間などを変化させることにより、簡単に変化させることができ、図2、4に示された形態に限定されるものではない。また、レーザー照射により、基材(感圧接着部を含む)を切削することにより、基材の一部にコーナーカット部9を形成でき、さらに該コーナーカット部9の周辺の基材に有する感圧接着部5を切削して、感圧接着部5の厚さを減らすことが好ましい。このコーナーカット部の周辺の基材に有する感圧接着部の厚さを減らすには、上記の貫通穴の周辺の基材に有する感圧接着部の厚さを減少させる時と同様に、レーザー照射条件のレーザー光の強度、レーザー照射時間などを変化させることにより、簡単に変化させることができる。
また、上記では、コーナーカット部を加工して形成する際に、レーザー照射により加工することを説明したが、それに限らず、一対のロール表面に、ピンとダイスを取り付け、ロール同士が基材を間に挟んで、回転することで、基材(感圧接着部を含む)からコーナーカット部を打ち抜いて加工することができる。但し、コーナーカット部の周辺の基材に有する感圧接着部の厚さを減らすには、レーザー照射を行なうことが好ましい。このような、基材に有する感圧接着部の厚さを減らす方法は、微細な加工方法であり、レーザー照射による加工方法が適当である。
上記の基材上に、感圧接着部と、表示部を形成し、さらに折り部または切り離し部を形成し、その後に前記基材の所定の位置に、レーザー照射による貫通穴を形成し、また該レーザー照射により貫通穴の周辺の基材に有する感圧接着部を切削して、感圧接着部の厚さを減らした後に、基材を折り部で折り重ねて、または切り離し部で基材を切り取り、切り取られた基材同士を重ねて、感圧接着剤同士により、圧着して接着させ、前記の表示部が貫通穴を通して認識できるようにした。
(レーザー照射による切削加工)
レーザー照射手段としては、レーザー光として、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー、ルビーレーザーなどを用い、特にYAGレーザーは、波長が短く、微小なスポットに集光できるため、より微細な加工が可能であり、好ましく用いられる。 レーザー照射手段により、任意の形状、深さで、対象物を切削して、貫通穴の形成、コーナーカット部の形成、あるいは貫通穴あるいはコーナーカット部の周辺の基材に有する感圧接着部の厚さが、他の部分よりも小さくなるように切削することができる。
本発明で適用するレーザー照射手段の例を、説明すると、まず、レンズによりレーザー光を集光して、印刷物に基材の面へ照射する。その際に、レーザー光の照射時間または、レーザー出力(パワー密度(W/cm2))を変化させることにより、切削される深さ(長さ)を調整することができる。すなわち、レーザー光の照射時間が少なめの場合に、切削される深さが浅くなり、レーザー光の照射時間を多くして、切削する深さを大きくできる。また、レーザー出力が少なめの場合に、切削される深さが浅くなり、レーザー出力を多くして、切削される深さを大きくすることができる。このように、簡単に、精度が高く、再現性良く、圧着シートと非接触で、切削する加工ができる。
本発明のレーザー照射手段は、約0.9〜11μmの赤外線領域のレーザー光線を使用することが好ましく、レーザー光を照射された部分は、加熱されることになる。レーザー光を照射された部分は、局所的に加熱され、その部分の融点を越えた状態の液相時に、その部分を吹き飛ばすことにより切削される。
このようなレーザー照射による切削加工は、以下に説明するレーザー加工装置により、行なうことができる。レーザー加工装置は、図5にその一例を示すように、レーザーヘッド21と加工光学系(レンズ)22と、レーザー電源23とから構成されるレーザー発振器20、被加工物である圧着シート30を搭載し、水平面内(XY平面内)に移動可能なXYテーブル24、レーザーヘッド21と加工光学系(レンズ)22を上下方向(Z軸方向)に移動させるZテーブル25、XYテーブル24の水平面内の移動動作とZテーブル25の上下方向の移動動作とレーザー発振器20の発振動作とを自動または手動で制御するメインコントローラ26を備える。このようなレーザー加工装置15のメインコントローラの制御により、図1、3に示すような、位置と大きさで、貫通穴3、コーナーカット9などを形成することができる。尚、圧着シートの端や、最終製品の圧着シートには存在しないが、圧着シートを製造する途中での製品の端などに、検知マークを形成しておき、その検知マークをレーザー照射による切削加工を開始する検知信号として利用することができる。
(検知マーク)
本発明の圧着シートの製造方法におけるレーザー照射による貫通穴の加工、コーナーカット部の加工、また貫通穴、コーナーカット部の周辺の基材に有する感圧接着部の厚さを減らすための切削加工では、全て所定の箇所に加工する必要性があるために、圧着シートに予め検知マークを形成しておき、そのマークを検出して、レーザー照射する位置を調整することが好ましい。この検知マークは、表示部の形成時と同時、ないし直後に形成され、その後に、レーザー照射による切削加工を行なう場合の基準となるものである。
検知マークの形状や色は、検知器によって検知可能であればよく、限定されるものではない。また、検知マークの位置は、圧着シートの利用する用途で、悪い影響が出ないように、設定できる。検知マークの形状においては、例えば、楕円、四角形、その他、丸形やバーコード等の形状でもよい。検知マークの色は、検知器で検知可能であればよく、例えば、光透過型検知器であれば、隠蔽性の高い銀色、黒色などがあげられる。また、光反射型検知器であれば、反射性の高い金属光沢の色調などがあげられる。検知マークの形成方法は、インクジェット記録、電子写真記録などのプリンターを使用した記録方法や、グラビア印刷やオフセット印刷方法などが挙げられる。
本発明の圧着シートは、郵便はがきの用途を中心にして説明したが、そのはがき用途に限らず、アンケート用紙等を手渡し等で、配布して、その後に、記入した用紙が回収されて利用する用途などにも適用できる。
1 圧着シート
2 折り部
3 貫通穴
4 基材
5 感圧接着部
6 表示部
7 マージナルパンチ
8 貫通穴の周辺
9 コーナーカット
10、11 紙片
15 レーザー加工装置
20 レーザー発振器
21 レーザーヘッド
22 加工光学系
23 レーザー電源
24 XYテーブル
25 Zテーブル
26 メインコントローラ
30 圧着シート

Claims (2)

  1. 感圧接着部を有する基材が、折り部または切り離し部で連接され、前記基材が折り部で折られて重なり、または前記基材が切り離し部で切り取られて、切り取られた基材同士が重なり、感圧接着部により接着する圧着シートの製造方法であって、前記基材上に、感圧接着部と、表示部を形成し、さらに折り部または切り離し部を形成し、その後に前記基材の所定の位置に、レーザー照射による貫通穴を形成し、前記貫通穴の周辺の感圧接着部をレーザー照射により切削して、感圧接着部の厚さを減らし、その後に基材を折り部で折り重ねて、または切り離し部で基材を切り取り、切り取られた基材同士を重ねて、前記感圧接着により接着させ、前記の表示部が貫通穴を通して認識できることを特徴とする圧着シートの製造方法。
  2. ーザー照射により、基材の一部にコーナーカット部を形成し、さらに前記コーナーカット部の周辺の基材に有する感圧接着部を切削して、感圧接着部の厚さを減らすことを特徴とする請求項1に記載する圧着シートの製造方法。
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