JP5770926B2 - ポリジアルキルシランの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリジアルキルシランの製造方法に関する。より詳細に、本発明は、Si−O結合を有する化合物の含有量が低減された高純度のポリジアルキルシランを製造する方法に関する。
本願は、2012年3月7日に、日本に出願された特願2012−050918号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
ポリジアルキルシランは、炭化ケイ素材料の前駆体や、有機感光体、光導波路、光メモリーなどに用いられる光・電子機能材料として検討されている。ポリジアルキルシランは、ジアルキルジハロシランをアルカリ金属の存在下に反応させることによって製造することができる。例えば、特許文献1では、トルエン中に金属ナトリウム1.05モルを溶融・分散させ、その分散液にジメチルジクロロシラン0.5モルを8時間(平均添加速度=0.0625モル・hr-1)掛けて滴下し、トルエン還流温度で反応させて、ポリジメチルシランを製造したことが開示されている。
WO2009/142161A1
本発明は、光・電子機能材料などとしての高い性能を発揮するポリジメチルシランを提供すること、およびSi−O結合を有する化合物の含有量が低減された高純度のポリジアルキルシランを製造する方法を提供することが課題である。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、フーリエ変換赤外吸収スペクトルにおける、1100cm-1付近と1250cm-1付近とでのピーク強度比が特定の値以下であるポリジアルキルシランは、Si−O結合を有する化合物の含有量が低く、光・電子機能材料などとして高い性能が期待できることを見出した。また、本発明者らは、アルカリ金属を含む有機溶媒に、式〔I〕で表される化合物を特定の平均添加速度にて添加することによって、Si−O結合を有する化合物の副生が抑制され、高純度のポリジアルキルシランを製造できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいてさらに検討を重ねたことによって完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1)アルカリ金属を含む有機溶媒に、
式〔I〕
Figure 0005770926
(式〔I〕中、R1およびR2は独立してアルキル基を示し、X1およびX2は独立してハロゲン原子を示す)で表される化合物〔I〕を添加する工程を含むポリジアルキルシランの製造方法において、
0.010[hr-1]≦化合物〔I〕の平均添加速度[モル・hr-1]/アルカリ金属の量[モル]≦0.055[hr-1]であることを特徴とするポリジアルキルシランの製造方法。
(2)化合物〔I〕1モルに対するアルカリ金属の量が、2.0〜5.0モルである(1)に記載の製造方法。
(3)アルカリ金属が、金属ナトリウムである(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)式〔II〕
Figure 0005770926
(式〔II〕中、R1およびR2は、独立して、直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、nは2〜50,000の整数である)で表されるポリジアルキルシランにおいて、
フーリエ変換赤外吸収スペクトルにおける、1100cm-1付近と1250cm-1付近とでのピーク強度比が0〜0.05であり、
前記式〔II〕で表されるポリジアルキルシランが、(1)〜(3)のいずれか一つに記載の製造方法で得られることを特徴とするポリジアルキルシラン。
本発明の製造方法によれば、Si−O結合を有する化合物の副生を抑え、高純度のポリジアルキルシランを得ることができる。また、本発明のポリジアルキルシランは、Si−O結合を有する化合物の含有量が低く、炭化ケイ素材料の前駆体や光・電子機能材料として、高い性能を示すことが期待される。
実施例1で得られたポリジメチルシランのフーリエ変換赤外吸収スペクトルを示す図である。
(ポリジアルキルシラン)
本発明のポリジアルキルシランは、式〔II〕で表される高分子化合物である。
Figure 0005770926

式〔II〕中、R1およびR2は独立してアルキル基を示し、nは繰り返し単位の数を表す。nはポリジアルキルシランの分子量に対応する数であり、後述するように用途に応じて適切な数とすることができるが、2〜50,000であることが好ましい。
式〔II〕中のアルキル基は、炭素原子数1〜6個のアルキル基であることが好ましい。該アルキル基は直鎖であってもよいし、分岐鎖であってもよい。
ポリジアルキルシランとしては、ポリジメチルシラン、ポリジエチルシラン、ポリジn−プロピルシラン、ポリジi−プロピルシラン、ポリジn−ブチルシラン、ポリジn−ペンチルシラン、ポリジn−ヘキシルシランなどが挙げられる。これらのうち、ポリジメチルシランが好ましい。
本発明のポリジアルキルシランは、フーリエ変換赤外吸収スペクトルにおいて、1100cm-1付近と1250cm-1付近とでのピーク強度比が0〜0.05、好ましくは0〜0.04である。このピーク強度比が小さいと、Si−O結合を有する化合物の含有量が低く、炭化ケイ素材料の前駆体や光・電子機能材料などとして高い性能が期待できる。なお、フーリエ変換赤外吸収スペクトルは、ポリジアルキルシランのKBrペレットをFT/IR−550(日本分光製)によって4000〜400cm-1の範囲で測定したものである。ポリジアルキルシランに含まれることがあるSi−O結合を有する化合物としては、ヘキサアルキルシクロトリシロキサン、オクタアルキルシクロテトラシロキサン、デカアルキルシクロペンタシロキサンなどが挙げられる。
(ポリジアルキルシランの製造方法)
本発明のポリジアルキルシランの製造方法は、アルカリ金属を含む有機溶媒に、式〔I〕で表される化合物〔I〕を添加することを含むものである。
Figure 0005770926

式〔I〕中、R1およびR2は独立してアルキル基を示し、X1およびX2は独立してハロゲン原子を示す。式〔I〕中のアルキル基の具体例としては、式〔II〕の説明において挙げたアルキル基と同じものが挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらのうち塩素原子が好ましい。
化合物〔I〕としては、ジクロロジメチルシラン、ジクロロジエチルシラン、ジクロロジn−プロピルシラン、ジクロロジi−プロピルシラン、ジクロロジn−ブチルシラン、ジクロロジn−ペンチルシラン、ジクロロジn−ヘキシルシラン、ジブロモジメチルシラン、ジブロモジエチルシラン、ジブロモジn−プロピルシラン、ジブロモジi−プロピルシラン、ジブロモジn−ブチルシラン、ジブロモジn−ペンチルシラン、ジブロモジn−ヘキシルシランなどが挙げられる。これらのうちジクロロジメチルシランが好ましい。化合物〔I〕は市販されており、それらから適宜選択して本発明に用いることができる。また、公知の方法によって合成することができる。
本発明に用いられるアルカリ金属としては、金属リチウム、金属ナトリウム、金属カリウム、またはそれらの合金が挙げられる。これらのうち金属ナトリウムが好ましい。
アルカリ金属の使用量は特に制限されないが、化合物〔I〕1モルに対して、通常2.0〜5.0モル、好ましくは2.2〜5.0モル、より好ましくは2.2〜3.0モルである。アルカリ金属の使用量が少ない場合は、反応速度が低下する傾向がある。アルカリ金属の使用量を多くしすぎると、反応終了後に残るアルカリ金属の量が増えて製造コストが上がる傾向がある。
反応に用いる有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテルなどのエーテル系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素系溶媒が好ましく、トルエン、キシレンがより好ましい。
反応は、前記有機溶媒にアルカリ金属を分散させ、その分散液に、攪拌下、化合物〔I〕を添加することにより行う。化合物〔I〕は、有機溶媒に希釈して溶液状態で添加してもよいし、希釈することなくそのまま添加してもよい。
化合物〔I〕の添加は、0.010[hr-1]≦化合物〔I〕の平均添加速度[モル・hr-1]/アルカリ金属の量[モル]≦0.055[hr-1]となる条件にて、より好ましくは0.010[hr-1]≦化合物〔I〕の平均添加速度[モル・hr-1]/アルカリ金属の量[モル]≦0.050[hr-1]となる条件にて行う。この条件にて化合物〔I〕を添加すると、Si−O結合を有する化合物の副生を抑制することができる。なお、化合物〔I〕の平均添加速度は、化合物〔I〕の総使用量[モル]を添加時間[hr]で除した値である。化合物〔I〕の添加時間[hr]は、化合物〔I〕の添加開始時から添加完了時までの時間[hr]である。化合物〔I〕の添加は連続して行ってもよいし、断続して行ってもよいが、製造効率の観点から一定量で連続して行うのが好ましい。
アルカリ金属の存在下における化合物〔I〕の反応は、どのような温度で行ってもよいが、98℃〜溶媒還流温度で行うことが好ましい。該反応は窒素などの不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。また、当該反応は、常圧または加圧下で行うことができる。反応転化率を高めるために、化合物〔I〕の添加を完了した後、前記反応温度にて、好ましくは1〜24時間、より好ましくは1〜12時間攪拌を継続する。
上記反応によって粗ポリジアルキルシランが有機溶媒に分散してなる液が得られる。この分散液を40〜80℃程度に冷却し、次いで分散液に残存するアルカリ金属を失活させる。アルカリ金属を失活させるために、通常、アルコールを用いることができる。
失活のために使用するアルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、2−メチルプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコールなどが挙げられる。これらのうちメタノールが好ましい。使用するアルコールの量は、残存するアルカリ金属1モルに対して、少なくとも1モルである。
次いで、失活後の液に水を添加して加水分解することができる。用いる水の量は加水分解およびポリジメチルシランが分散するのに十分な量であれば特に限定されない。
このアルカリ金属の失活および加水分解の工程では、アルカリ金属の失活に用いるアルコールに界面活性剤を溶解させておくことおよび/または加水分解に用いる水に界面活性剤を溶解させておくことが好ましい。この界面活性剤によって、粗ポリジメチルシランの分散性が高まり、後述する水洗浄において水との接触効率が高まる。
本発明に用いられる界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル、α−オレフィンスルホン酸塩、モノアルキルリン酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩などが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルカルボキシベタイン、アルキルアミノ脂肪酸塩などが挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミドなどが挙げられる。
これらのうち、アニオン界面活性剤またはノニオン界面活性剤が好ましく、ノニオン界面活性剤がより好ましい。ノニオン界面活性剤中に含まれるアルキル鎖は炭素原子を8〜20個有するものが好ましい。アルキル鎖は、直鎖であってもよいし、分岐鎖であってもよい。ノニオン界面活性剤の中でも、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルであるポリオキシエチレンプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンアルキルフェニルエーテルが好ましい。
本発明に用いられる界面活性剤は、HLBによって特に制限されないが、HLBが高いものが好ましい。具体的にHLBは、5〜20であることが好ましく、10〜15であることがより好ましく、12〜15であることがさらに好ましい。また本発明に用いられる界面活性剤は、曇点によって特に制限されないが、曇点が0〜100℃のものが好ましく、20〜95℃のものがより好ましい。さらに曇点が後述する水洗浄時の水温の近辺にあることが好ましい。具体的に曇点は、水洗浄時の水温±10℃の範囲が好ましく、水洗浄時の水温±5℃の範囲がより好ましい。
界面活性剤の添加量は化合物〔I〕129質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.6〜8質量部である。界面活性剤の量が少なすぎると結晶が浮き上がりやすく、洗浄効果が低下傾向になる。界面活性剤を多く入れてもよいが、効果が飽和するので経済的でない。
前記加水分解によって反応生成物が固化しスラリーになる。スラリーには前記の界面活性剤が含まれている。そこで、このスラリーを水で洗浄する。水洗浄は、有機溶媒を除去した後に行ってもよいし、有機溶媒を除去している最中に行ってもよいし、または有機溶媒を除去する前に行ってもよい。反応生成物の粘度が低くなり撹拌動力が低くすむという観点から、有機溶媒を除去している最中または有機溶媒を除去する前に水洗浄を行うのが好ましい。なお、有機溶媒の除去法は特に限定されず、例えば、蒸留、蒸発などが挙げられる。
水洗浄においては、常温の水を添加して加温するか、温水を添加することが好ましい。洗浄時の水温は好ましくは25℃以上、より好ましくは40〜80℃である。なお、水洗浄に用いた水は、デカンテーション、ろ過などの公知の固液分離操作によって除くことができる。水洗浄の回数は特に制限されず、アルカリ金属塩の副生成物の除去状況に応じて適宜選択できる。
水洗浄したポリジアルキルシランをろ過などによって液から分離し、乾燥する。分離後のポリジアルキルシランを乾燥する前にアルコールや芳香族炭化水素などの有機溶媒を用いて、添加した界面活性剤を溶出除去することができる。
本発明の製造方法によって得られたポリジアルキルシランは、通常、有機溶媒および酸・アルカリに不溶である。本発明の製造方法によって得られるポリジアルキルシランの分子量は、特に制限されない。用途に応じて適切な分子量のポリジアルキルシランを本発明の製造方法によって製造できる。例えば、「有機ケイ素ポリマーの開発」(櫻井英樹監修、第106頁、(株)シーエムシー出版)には、数平均分子量2580、重量平均分子量4650のポリジメチルシランが記載されており、本発明の製造方法によってもこの程度の分子量のポリジメチルシランを製造できる。なお、ポリジアルキルシランの分子量は超高温GPCによって求めることができる。
以下に、実施例を示して、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。
実施例1
モーター攪拌機、温度計、滴下ロートおよび還流コンデンサーを備えた4つ口フラスコの内部を窒素置換した。該フラスコに、金属ナトリウム29g(1.25モル)、およびトルエン62gを仕込み、110℃以上に加熱して金属ナトリウムを融解させた。融解した金属ナトリウムを、激しく攪拌して分散させた。還流状態を維持したまま、ジメチルジクロロシラン65g(0.5モル)を8時間(平均添加速度=0.0625モル・hr-1)かけてフラスコに添加した。内容物は徐々に黒紫色に変色した。添加終了後、攪拌下、還流状態を8時間保持した。黒紫色のスラリーが得られた。
該スラリーを40℃に冷やし、次いでノニオン界面活性剤(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、HLB=14.1、曇点65℃(ニューカルゲン D−1110DIR 竹本油脂社製))0.4gを添加し溶解させた。その後、メタノール16g(0.50モル)をゆっくり滴下した。スラリー中に残存する金属ナトリウムがメタノールと反応してナトリウムメトキシドになり、失活した。これに、水を添加し、加水分解させた。流動性が徐々に低下し、紫色の塊となった。この反応混合物をゆっくりと攪拌しながら加熱してトルエン/水を留去すると、固化していた塊は白色に変化しながら徐々にほぐれ、スラリー化した。
このスラリーを減圧濾過し、アルカリ金属塩などを含む水相を排出した。分離した固形分に40℃の温水100gを加え、30分間攪拌した。減圧濾過し、固形分を得た。この水洗浄操作を合計5回行った。引き続き、この水洗浄操作の要領でメタノール48gによる洗浄を3回、トルエン52gによる洗浄を3回行った。得られた固形分をろ過装置から取り出し、乾燥した。白色のポリジメチルシラン26gが得られた。
得られたポリジメチルシランのフーリエ変換赤外吸収スペクトルを図1に示す。1100cm-1付近と1250cm-1付近とでのピーク強度比は0.035であった。
実施例2
ジメチルジクロロシランの添加時間を13時間(平均添加速度=0.0385モル・hr-1)に変え、トルエンの仕込み量を56gに変えた以外は実施例1と同じ方法にてジメチルポリシランを製造した。得られたジメチルポリシランの1100cm-1付近と1250cm-1付近とでのピーク強度比は0.033であった。
実施例3
ジメチルジクロロシランの添加時間を16時間(平均添加速度=0.0313モル・hr-1)に変え、金属ナトリウムの量を26g(1.11モル)に変えた以外は実施例1と同じ方法にてジメチルポリシランを製造した。得られたジメチルポリシランの1100cm-1付近と1250cm-1付近とでのピーク強度比は0.039であった。
実施例4
ジメチルジクロロシランの添加時間を24時間(平均添加速度=0.0208モル・hr-1)に変えた以外は実施例1と同じ方法にてジメチルポリシランを製造した。得られたジメチルポリシランの1100cm-1付近と1250cm-1付近とでのピーク強度比は0.031であった。
比較例1
金属ナトリウムの量を21g(0.9モル)に変えた以外は実施例1と同じ方法にてジメチルポリシランを製造した。得られたジメチルポリシランの1100cm-1付近と1250cm-1付近とでのピーク強度比は0.058であった。
比較例2
金属ナトリウムの量を24g(1.06モル)に変えた以外は実施例1と同じ方法にてジメチルポリシランを製造した。得られたジメチルポリシランの1100cm-1付近と1250cm-1付近とでのピーク強度比は0.065であった。
以上の結果から、本発明に従って、アルカリ金属を含む有機溶媒に、化合物〔I〕を、0.010≦化合物〔I〕の平均添加速度[モル・hr-1]/アルカリ金属の量[モル]≦0.055[hr-1]となる条件にて添加すると、1100cm-1付近と1250cm-1付近とでのピーク強度比が0.05以下のポリジアルキルシランを製造できることがわかる。また、1100cm-1付近に現れるピークの強度が低いことから、本発明の製造方法で得られるポリジアルキルシランは、Si−O結合を有する化合物の含有量が低いことがわかる。
本発明の製造方法によれば、Si−O結合を有する化合物の副生を抑え、高純度のポリジアルキルシランを得ることができる。また、本発明のポリジアルキルシランは、Si−O結合を有する化合物の含有量が低く、炭化ケイ素材料の前駆体や光・電子機能材料として、高い性能を示すことが期待されるので、産業上有用である。

Claims (4)

  1. アルカリ金属を含む有機溶媒に、
    式〔I〕
    Figure 0005770926

    (式〔I〕中、R1およびR2は独立してアルキル基を示し、X1およびX2は独立してハロゲン原子を示す)で表される化合物〔I〕を添加する工程を含むポリジアルキルシランの製造方法において、
    0.010[hr-1]≦化合物〔I〕の平均添加速度[モル・hr-1]/アルカリ金属の量[モル]≦0.055[hr-1]であることを特徴とするポリジアルキルシランの製造方法。
  2. 化合物〔I〕1モルに対するアルカリ金属の量が、2.0〜5.0モルである請求項1に記載の製造方法。
  3. アルカリ金属が、金属ナトリウムである請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 式〔II〕
    Figure 0005770926
    (式〔II〕中、R1およびR2は、独立して、直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、nは2〜50,000の整数である)で表されるポリジアルキルシランにおいて、
    フーリエ変換赤外吸収スペクトルにおける、1100cm−1付近と1250cm−1付近とでのピーク強度比が0〜0.05であり、
    前記式〔II〕で表されるポリジアルキルシランが、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法で得られることを特徴とするポリジアルキルシラン。
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