JP5769603B2 - ヒンジキャップ - Google Patents
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Description
例えば、高温充填時や高温シャワー時には、キャップ内部の空気が暖められて膨張し、内圧が高まって上蓋を押し上げ、不用意に開蓋してしまう「上蓋開き」という問題がある。
また、冷却のためのシャワーや低温シャワーでは、キャップ内部の空気が冷えて収縮し、内圧が低下して負圧状態となり、外気とともにシャワー水を吸い込んでしまう「水吸い込み」の問題がある。
図6に示すように、キャップ本体Aの蓋係合部118上面の平坦な蓋係合面125に当接する上蓋Bの係合部133の上内面133aに空気溝134を設け、注出筒106の内周面にリブからなる内圧逃がし部145が設けられている。
このヒンジキャップを打栓時に上部から押圧すると、上蓋Bが押しつぶされて、外筒壁131の下端が外方に広がるように変形し、上蓋Bの係合凸部135とキャップ本体Aの膨出部127とのシールが解除されるとともに、上蓋Bの内筒132が注出筒106の内圧逃がし部145に乗り上げ変形することにより、注出筒106と内筒132のシールが解除される。
その結果、注出筒106内側の空気室bが注出筒106の外側の空気室aと連通し、空気室aと外気が連通されて、キャップ内の空気が排出される。
従来例は、このようにキャップ内が負圧状態になることによって、高温シャワー等でキャップの温度が高くなっても内圧の上昇を抑えることができるので、開蓋を防止するためには有効であるが、キャップ内の内圧、とくに空気室aの内圧が低くなりすぎると、外気とともにシャワー水や外部に付着した水を吸い込んでしまう、前記「水吸い込み」の問題が生じることがあった。
そして、打栓終了時には、打栓によって押しつぶされた上蓋の外筒壁が元の形状に復元する際、その復元力が両傾斜面に働いて摩擦力を大きくするので復元が遅くなり、蓋係合部と係止嵌合部とのシールの復活も遅くなって、キャップの内圧の減圧度が小さくなる。
そのため、キャップの内圧の負圧状態が、キャップ本体と上蓋が当接する蓋係合面に傾斜のない従来のものより弱くなり、シャワー時にシャワー水や外部に付着した水をキャップ内に吸い込み「水吸い込み」の問題を改善することができる。
さらに、上蓋の外筒壁の下端面の円周上複数個所に、キャップ本体の傾斜肩面に当接する当接部が突設されている実施形態では、打栓時に外筒壁の外方への変形をさらに促すとともに、打栓終了後の上蓋の復元を遅くして、キャップ内圧の減圧度をより小さくすることができる。
容器本体Dの口部1外周には、係合突条2が設けられている。
底壁5には、使用時に注出口を開口するための薄肉弱化部8が、注出筒6の内周側に設けられており、底壁5の上面には、弱化部8によって画成された除去部9を引上げて切断除去するプルリング10が支柱11を介して設けられている。
注出筒6のヒンジC側の内周面下部には、垂直方向に突出した縦リブ12が所定の高さに設けられている。
外筒17の内周下部には、容器本体Dの口部1の係合突条2と係合する係止部20が突出して設けられており、係合筒部7は、打栓することにより環状嵌合部19に容器本体Dの口部1を嵌合し、係合突条2と係止部20とが係合して、キャップ本体Aが容器本体Dの口部1に装着される。
外方膨出部22の下面には、後述する上蓋Bのシール面36と外側シール部Saを形成する膨出下部シール面25が形成されている。
外方膨出部22の下方は、縮径したくびれ部26に連続しており、さらにその下方では、上壁15の外周縁に続く下がり勾配の肩部上面に設けた傾斜肩面27に連設している。
外筒壁31は、下端外周の所定箇所でヒンジCを介してキャップ本体Aと連設し、ヒンジCの反対側には摘み部33を具えている。
傾斜上面37には、半径方向に延びるエアー溝38が円周上複数個所に設けられている。
上蓋Bの外筒壁31の下端面40は、キャップ本体Aの肩下がりの傾斜肩面27に沿ってわずかな隙間をもち、円周上複数個所に傾斜肩面27に当接する当接部41が突設されている。
まず、上蓋Bをキャップ本体Aに対して閉蓋することにより、図1に示すように、上蓋Bの密封筒32がキャップ本体Aの注出筒6に嵌挿され、先端部39が注出筒6の内周面に当接して内側シール部Sbを形成する。
同時に、キャップ本体Aの蓋係合部18が上蓋Bの係止嵌合部35に係合し、外方膨出部22が嵌合して、膨出下部シール面25がシール面36に圧接して外側シール部Saを形成する。
外側シール部Saにより、キャップ内は外気から密封され、内側シール部Sbにより、注出筒6の外側に空気室a、内側に空気室bが形成される。
打栓時には、図3、図4(b)に示すように、上蓋Bの頂壁30の上部より強い押圧力がかかり、係止嵌合部35の傾斜上面37が、蓋係合部18の傾斜頂面23に圧接しながら外方に摺動し、外筒壁31は、矢印F方向にわずかに外方に押し開かれるように撓みながら、上蓋Bが押しつぶされるとともに下降する。
外筒壁31下端の当接部41も、上蓋Bの下降とともに傾斜肩面27に圧接して外方に摺動し、傾斜肩面27に作用する押圧力の反力により、外筒壁31の外方への変形をさらに促す。
さらに、傾斜上面37が外方に摺動することにより、エアー溝38の外周側が蓋係合部18の頂部24からずれて開放され、空気室aと外気が連通される。
その結果、上蓋Bの下降によって圧縮された空気室a内の空気は、エアー溝38、解除された外側シール部Saを通って、外部に排出される。
このため、キャップ内の空気室aと空気室bとの間にも空気の流通路が形成され、上蓋Bの下降によって圧縮された空気室b内の空気も、空気室aを通ってキャップ外に排出されるようになる。
その際、外筒壁31の内方に向かう復元力は、傾斜頂面23および傾斜肩面27から外向きの反力を受けるとともに、傾斜頂面23および傾斜肩面27に作用して傾斜上面37および当接部41との間に摩擦力を発生させ、これらの反力および摩擦力は、外筒壁31の復帰を遅らせる役割を果たす。
このように、本実施例のヒンジキャップは、上蓋Bに、蓋係合部18の傾斜頂面23に当接する傾斜上面37、および傾斜肩面27に当接する当接部41を設けたことにより、図6に示される従来例のように、平坦な蓋係合面125に上蓋Bの上内面133aが当接するものに比較して、打栓時には外筒壁31が外方に大きく変形し、打栓後には元の形状への復帰が遅くなるので、外側シール部Saの復活も遅くなり、キャップ内の空気室aの減圧度が軽減されて大気圧に近くなり、シャワー水などの吸い込みを防止することができる。
このように全ストロークHに占める接触ストロークhを非接触ストロークhaよりも小さくすることによって、打栓後の比較的早い時期に内側シール部Sbによる空気室bの密封が復活し、その後ゆっくりと上蓋Bが元の形状に復元するにしたがって外側シール部Saが復活していくので、空気室aと空気室bの気圧を別々に制御して、空気室bに対応する中心付近をより強く減圧して開蓋を防止するとともに、空気室aの減圧を抑えて「水吸い込み」を防ぐことができる。
その場合、外筒壁31の下端面40との隙間を大きくとれば、上壁15の肩部は、本実施例の傾斜肩面27のように必ずしも傾斜させる必要はない。
B 上蓋
C ヒンジ
D 容器本体
Sa 外側シール部
Sb 内側シール部
a、b 空気室
1 口部
2 係合突条
5 底壁
6 注出筒
7 係合筒部
8 弱化部
9 除去部
10 プルリング
11 支柱
12 縦リブ
15 上壁
16 内筒
17 外筒
18 蓋係合部
19 環状嵌合部
20 係止部
22 外方膨出部
23 傾斜頂面
24 頂部
25 膨出下部シール面
26 くびれ部
27 傾斜肩面
30 頂壁
31 外筒壁
32 密封筒
33 摘み部
35 係止嵌合部
36 シール面
37 傾斜上面
38 エアー溝
39 先端部
40 下端面
41 当接部
106 注出筒
118 蓋係合部
125 蓋係合面
127 膨出部
131 外筒壁
132 内筒
133 係合部
133a 上内面
134 空気溝
135 係合凸部
145 内圧逃がし部
Claims (3)
- 容器の口筒部に取着されるキャップ本体と、キャップ本体にヒンジを介して連設された上蓋とからなるヒンジキャップにおいて、
キャップ本体には、容器の口部が嵌合する係合筒部の上部に、環状に突出した外方膨出部と、その内周側に中心に向けて高くなる傾斜頂面を形成した頂部とを有する蓋係合部が立設され、
上蓋は、頂壁と、頂壁外周から垂下する外筒壁とを備え、
外筒壁の内周下部には、蓋係合部の外方膨出部が嵌合する係止嵌合部が設けられ、係止嵌合部は、外方膨出部とシールを形成するシール面と、シール面の上端から内周側に蓋係合部の傾斜頂面に当接する傾斜上面とを具えており、
傾斜上面には、半径方向にエアー溝が設けられていることを特徴とするヒンジキャップ。 - 上蓋の頂壁から垂設された密封筒が嵌挿されるキャップ本体の注出筒の内周には、打栓時に密封筒の先端が乗り上げて注出筒とのシールを解除する縦リブが突設されており、打栓後に当該シールが復活するタイミングが、蓋係合部と係止嵌合部とのシールの復活より早くなるように、打栓時に上蓋を押し下げる全ストロークにおける、密封筒の先端部が縦リブに乗り上げてから最下降位置にくるまでの接触ストロークが、下降を開始してから縦リブに乗り上げるまでの非接触ストロークよりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1記載のヒンジキャップ。
- キャップ本体の蓋係合部の外周側の肩部上面に傾斜肩面が設けられ、上蓋の外筒壁の下端面には、傾斜肩面に当接する当接部が円周上複数個所に突設されていることを特徴とする請求項1または2記載のヒンジキャップ。
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