JP5768564B2 - 刈取装置 - Google Patents
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請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明による効果に加えて、分草ガイド(74,75)または、穀稈引起装置(8)の上側傾斜面(12u)に案内されている状態の穀稈から穀粒や水滴等が上方に向かって飛散したとしても、飛散状態に応じてカバー体(15)を回動させて調節することで、飛散物を効果的に遮断することができる。
請求項3記載の発明によれば、上記請求項2記載の発明による効果に加えて、前記カバー体(15)を開状態に変更した場合に、カバー体(15)と中間引起装置(8)との間に穀稈通過空間(15s)が形成されることで、中間引起装置(8)の上端部よりも高い位置まで穂先部が存在するような長稈においても、穀稈とカバー体(15)又は中間引起装置(8)とが干渉することによる脱粒を防止することができる。
請求項4記載の発明によれば、上記請求項2記載の発明による効果に加えて、カバー体(15)を左右両端部の穀稈引起し装置(8)と分草ガイド(75)とに支持しているので、カバー体(15)の支持剛性を高めることができる。
請求項5記載の発明によれば、上記請求項2又は請求項3又は請求項4記載の発明による効果に加えて、調節体(50)を左右方向の支軸(51)まわりに回動させることで、穀稈引起装置(8)の上部への穀粒等の飛散を更に効果的に防止することができる。
刈取メインフレーム21と走行車体1の間には、刈取装置4を上昇付勢する刈取平衡スプリング90を備えている。刈取装置4が圃場面の凹凸等により突上げ力を受けると、刈取平衡スプリング90の付勢力で容易に上昇する。従って、圃場面の凹凸に沿って、刈取部が昇降しながら刈取走行することが可能となる。
この平衡スプリング90の走行車体1側の端部は、走行車体1の脱穀装置側の前端部に相当する左右方向のフレーム部1fに取り付けられている。
図20及び図21には掻込搬送装置10を示している。上述の掻込搬送装置10は、引起し後の穀稈を掻込む掻込装置10aと、この掻込装置10aから穀稈を引継いで前記揚上搬送供給装置11に受け渡す中間搬送装置10bを備える。
前記掻込スターホイル82のうち、左側2条分の穀稈を掻込む2つと、最も右側に位置する1つは大径に形成された大径スターホイル82bであり、最も右側に位置する大径スターホイル82bと噛合う1つは大径スターホイル82bよりも小径に形成された小径スターホイル82sである。この小径スターホイル82sは前記右搬送装置81Rの搬送経路に近接して配置されるため、右搬送装置81Rの搬送通路を確保するために小径とされている。
そして、最も右側の大径スターホイル82bと小径スターホイル82sの下面側(刈刃装置9側)には、刈刃装置9の上面に堆積する藁屑等を除去するためのスクレーパ83が設けられている。スクレーパ83の下部はゴム板83aが取り付けられており、刈刃装置9の上面の凹凸によって変形するため、凹部等、藁屑を除去しにくい部位にも作用し、効果的に除去することができる。
また、何れかのスクレーパ83(図示例では小径スターホイル82s側)をスターホイルの回転中心から偏倚させることで、スクレーパ83間への穀稈の挟み込みを防止することができる。
各穀稈引起装置8の上部は、左右横方向に長く構成されたカバー体15によって被覆される構造になっている。カバー体15は金属板により形成する他、ポリカーボネート等の樹脂により形成することも可能であり、その場合透明又は半透明にしてカバー体15越しの視認性を確保するのも好ましい。
これによりカバー体15の支持剛性を高めることができる。
カバー体15の前端部に支軸51によって回動自在に取付けられた調節体50は、回動させて前方に張出させることによってオペレータへの穀粒等の飛散を効果的に防止できる。特に、カバー体15を穀稈引起装置8の上部穀粒等の飛散方向と交差する開姿勢に姿勢変更した状態で、調節体50をさらに前方に張出させると、飛散防止効果が高まる。
そして、この調節体50は、カバー体15の背面側に格納することが可能であり、調節体50を格納した状態でカバー体15を閉状態とすれば、調節体50が穀稈に干渉することを防止できる。
また、調節体50は先端側に折部を形成しており、この折部によって調節体50の剛性を高めることができ、折部は下方に向けて折り曲げているので、藁屑の堆積を防止できる。
図16から図19には、穀稈が倒伏状態で絡みあうような圃場状態で効果的に引起しを行うために、中央2条分の穀稈引起装置8の間に分草ガイド74を設けた刈取装置4の要部を示す。図16及び図17に示す分草ガイド74は、中空又は中実の断面円形の棒状部材であり、分草フレーム73における穀稈引起装置8の前側部位、又は分草体7に下端部が連結されており、上部が穀稈引起装置8の上部に固定されている。
そして、分草ガイド74は、側面視において分草フレーム73に下部連結部74bで連結された下端部から穀稈引起装置8の前面との間隔が上方へ行くに従い増加する傾斜をもって上方へ向かい(下側分草部74v)、穀稈引起装置8の高さ方向における中央部に対応する位置で屈曲し(屈曲部74c)、前述した前側引起しケース12の上部傾斜面12uの傾斜面と略同一の傾斜角度で後上がり傾斜して(上側分草部74s)、この上部傾斜面12uの屈曲位置12c近傍において、後方に向けて屈曲させ、この分草ガイド74の上端部である取付部74uが、穀稈引起装置8の上部に取付られている。なお、上記の上側分草部74sの傾斜角度は、側面視において閉状態のカバー体15とも略同一の角度である。
このように、分草ガイド74の上側分草部74sの傾斜角度を引起しケース12の上部傾斜面12uと略同一の角度に設定し、上側分草部74sと上部傾斜面12uとを連続的な傾斜に形成することで、分草ガイド74と引起しケース12の前面の交差する点において引っ掛かる虞がなく、引起しラグ14の引起し作用によって起立してくる穀稈の穂先を引起し経路内にスムーズに取り込めるため、穂先の扱きによる脱粒や稈切れを抑制することができる。また、カバー体15を開状態としている場合、引起し経路を跨いでクロスした穀稈の穂先が分草ガイド74によって分草され、クロスした穂先が上部傾斜面12uにスムーズに案内され、穀稈引起装置8とカバー体15との間を通り抜けて後方に搬送することができる。
また、図18及び図19に示すのは、異なる形態の分草ガイドを備える刈取装置4である。
この分草ガイド75は、穀稈引起装置8の上端部よりも更に上方まで延伸されている点と、延伸した上端部でカバー体15の中間部を回動自在に支持している点で前述のものと相違する。
すなわち、分草ガイド75は、側面視において分草フレーム73に下部連結部75bで連結された下端部から穀稈引起装置8の前面との間隔が上方へ行くに従い増加する傾斜をもって上方へ向かい(下側分草部75v)、穀稈引起装置8の高さ方向における中央部に対応する位置で屈曲し(屈曲部75c)、前述した前側引起しケース12の上部傾斜面12uの傾斜面と略同一の傾斜角度で後上がり傾斜して(上側分草部75s)、穀稈引起装置8のよりも後側かつ上方に至り、上側分草部75sの上端部のカバー体支持部75seにてカバー体15のカバー体支軸16を回動自在に支持している。なお、上側分草部75sにおける穀稈引起装置8の上端部近傍の部位には取付部75uを設けており、この取付部75uで穀稈引起装置8に固定される。
このように、分草ガイド75の上側分草部75sを穀稈引起装置8の上方までにわたり設けたことで、稈長が非常に長く、穀稈引起装置8の上端部よりも高い位置まで穂先部を有する穀稈の分草において、引起し経路を跨いでクロスする穀稈を確実に左右に分草し、後方の搬送装置へ移送することができる。穀稈がクロスしたまま脱穀装置3へ搬送されると、脱穀負荷が増大し、作業効率が低下したり脱穀装置内からの騒音が増大する虞があるが、絡み合った穀稈を分離することでこの問題点を解消できる。また、上側分草部75sのカバー体支持部75seでカバー体15の中間部を支持する形態を採用することでカバー体15の剛性が高まり、穀稈引起装置8の上方を通過する穀稈がこのカバー体15に干渉しても変形しにくくなるという利点もある。
図14から図15には、穀稈が倒伏状態で絡みあうような圃場状態で効果的に引起しを行うために、穀稈引起装置8の前方位置に補助引起装置60を設けた刈取装置4の要部を示している。この補助引起装置60は、補助引起しラグ62を前方に突出させながら倒伏状態で絡みあう穀稈に対して左右に分割しながら引起し回動するものであり、補助引起しケース61と、この補助引起しケース61に内装された、駆動スプロケット64B及び張設輪65に巻回されて駆動される無端の補助引起チェン66と、この補助引起チェン66に所定の間隔で取り付けられた補助引起しラグ62とを有している。
そして、補助引起装置60は、上下中間部位を駆動ケース63によって穀稈引起装置8と連結され、下部は分草フレーム73に連結されて固定されている。
この駆動ケース63には図示せぬ穀稈引起装置8を駆動する引起駆動軸70と一体回転する伝達軸を備えており、この伝達軸の補助引起装置60側端部のベベルギアと、機体左右方向に沿う中間軸63Aのベベルギア63Bとが噛合わされている。中間軸63Aのベベルギア63Bとは反対側の端部には中間スプロケット63Cを有する。なお、中間スプロケット63Cは、補助引起しケース61における駆動ケース63とは反対側に膨出した膨出部61Aの内側に臨んでいる。そして中間スプロケット63Cと、補助引起装置60の上部に位置する従動スプロケット64Aとに掛け回されたチェンによって、中間軸63Aに入力された駆動力を、前述の駆動スプロケット64Bを有するデバイダ駆動軸64へ伝達する。なお、補助引起装置60の下部の張設輪65は、常時補助引起しチェン66に張力を与えるように、下方に向けて付勢されている。
そして、補助引起装置60の補助引起チェン66の移動速度は、穀稈引起装置8の引起しチェンの移動速度よりも高速に設定している。
このように、補助引起装置60は穀稈引起装置8の引起駆動軸70よりも上方であって引起装置8の上端部よりも上方に配置した駆動スプロケット64Bに補助引起しチェン66が巻き掛けられており、これに取り付けられた補助引起しラグ62も駆動スプロケット64Bの高さまで上昇しながら分草する。従って、従来の補助引起装置は、補助引起しラグの作用域の上端部が穀稈引起装置の駆動スプロケットと略同等の高さであったために、稈長の長い穀稈の分草性が低く、穂先が絡まったまま後方に搬送されて脱穀装置の処理効率が低下する問題があったが、上記構成によって分草性能が向上し、長稈の倒伏圃場等、穀稈の分草が困難な場合でも確実に分草することができ、穀稈引起装置や搬送装置における詰まりを防止し、脱穀効率を向上させることができる。
また、補助引起装置60の補助引起チェン66の移動速度は、穀稈引起装置8の引起しチェンの移動速度よりも高速に設定しているため、倒伏した穀稈を効率的に引起すことができる。
8 穀稈引起装置
8c 中間引起装置
12c 下端部(屈曲位置)
12u 上部傾斜面
14 引起しラグ
15 カバー体
15s 穀稈通過空間
16 カバー体支軸
50 調節体
51 支軸
74 分草ガイド
74s 上側分草部
75 分草ガイド
75s 上側分草部
Claims (5)
- 植立穀稈を分草する分草体(7)と、分草体(7)によって分草された穀稈を引起す後上がり傾斜姿勢の穀稈引起装置(8)とを備える刈取装置において、
該穀稈引起装置(8)の上部には、穀稈引起装置(8)の傾斜角度よりも緩やかに後上がり傾斜する上部傾斜面(12u)を形成し、
前記分草体(7)から上方に向けて延出した分草ガイド(74,75)を設け、該分草ガイド(74,75)の上部には、前記上部傾斜面(12u)と略同一の角度で後上り傾斜して該上部傾斜面(12u)の下端部(12c)に至る上側分草部(74s,75s)を形成したことを特徴とする刈取装置。 - 前記穀稈引起装置(8)の上方に、該穀稈引起装置(8)の引起し経路(K)の上方を覆うカバー体(15)を設け、該カバー体(15)は、前記上部傾斜面(12u)の傾斜に沿う閉状態と、この閉状態よりも上方に回動した姿勢の開状態とに切換自在に構成した請求項1記載の刈取装置。
- 前記カバー体(15)は、左右両端部の穀稈引起装置(8)の上部に左右方向のカバー体支軸(16)まわりに回動自在に支持し、
前記分草ガイド(74)は、前記引起しラグ(14)が突出しない非引起し作用側を対向させて配置した2つの中間引起装置(8c)の間に設け、
前記カバー体(15)を開状態に変更した場合に、中間引起装置(8c)の上端部と前記カバー体(15)との間に穀稈通過空間(15s)が形成される構成とした請求項2記載の刈取装置。 - 前記カバー体(15)は、左右両端部の穀稈引起装置(8)の上部に左右方向のカバー体支軸(16)まわりに回動自在に支持し、
前記分草ガイド(74)は、前記引起しラグ(14)が突出しない非引起し作用側を対向させて配置した2つの中間引起装置(8c)の間に設け、
分草ガイド(75)の上側分草部(75s)を中央引起装置(8c)の上端部よりも上方に延伸させ、該上側分草部(75s)の上端部に前記カバー体支軸(16)を回動自在に支持した請求項2記載の刈取装置。 - 前記カバー体(15)の前端部に左右方向の支軸(51)まわりに回動自在に支持した調節体(50)を設けた請求項2又は請求項3又は請求項4記載の刈取装置。
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