JP5767874B2 - 感光性樹脂組成物及びその利用 - Google Patents

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Description

本願発明は、加熱プレス時の変形が少なく、低反り、耐折れ性に優れた感光性樹脂組成物並びにその利用に関するものである。
一般的にプリント配線板の製造においては、従来から種々の基板保護手段が用いられており、例えば、エッチング工程ではレジスト、はんだ付け工程ではソルダーレジスト等が用いられている。また、小型機器等に搭載されるフィルム状のプリント配線板(以下、フレキシブルプリント基板と略記する。)の製造においても、部品搭載のためのはんだ付け工程において、該工程と無関係な配線を保護するためにソルダーレジストが用いられる。このようなレジストまたはソルダーレジスト等の基板保護手段においては、具体的には、ポリイミドフィルムを所定の型に打ち抜いたものをフレキシブルプリント基板に積層するカバーレイ、または、耐熱性材料で構成されたインクをフレキシブルプリント基板に印刷するカバーコートが用いられてきている。カバーレイ、カバーコートは、はんだ付け後においては配線の保護膜も兼ねるため、UL規格に定める難燃性に加え、耐ブリードアウト性、柔軟性、密着性、基板組み込み時の折り曲げでクラックが入らない耐折性及び可撓性、はんだ付け時における耐熱性、耐湿性、絶縁性が必要とされる。
ポリイミドフィルムを打ち抜いて形成されるカバーレイは、これら要求特性を満足するものであり、現在最も広く用いられているが、型抜きに高価な金型が必要な上、打ち抜いたフィルムを人手によって位置合わせ及び貼り合わせを行うために、基板の製造コストが高くなり、さらに、微細パターンの形成が困難であるという問題点がある。
一方、カバーコートは、スクリーン印刷のため乾燥工程が必要とされるために、基板の製造コストが高くなり、さらに、作業性が悪いという問題点がある。
これらの問題点を解決する方法として、基板上に感光性樹脂組成物を液状で塗布またはフィルム状で貼付する方法が提案されている。この方法によれば、基板上に感光性樹脂組成物の皮膜を形成した後、写真技術により露光、現像、加熱を行えば、微細なパターンを容易に形成することができるため、これまでに種々の感光性樹脂組成物が開発されてきている。
例えば、塗膜欠陥が小さくでき、塗膜欠陥数も低減可能な感光性樹脂組成物(例えば、特許文献1参照。)や、大気中で光を照射することにより硬化可能な感光性樹脂組成物(例えば、特許文献2参照。)などが報告されている。
特開2006−84857号公報 国際公開第2006−030537号
しかしながら、特許文献1では、塗膜欠陥を小さくかつ少なくすることができるが、得られる硬化膜の熱膨張率(CTE)が大きいために、現像、熱硬化によって微細加工を行った部分が加熱プレスなどの後加工の際に変形することがあった。また、特許文献2では、無機フィラーが高硬度であるために繰り返し折り曲げ時にクラックの起点になることや、感光性樹脂に対するフィラーの充填率が低いために熱硬化時の硬化収縮を緩和することが難しく、得られる硬化膜の反りが大きくなる場合もあった。このように、感光性樹脂組成物の低反り性、耐折れ性と熱プレス時の変形を両立することは非常に困難であった。
本願発明者らは、上記課題について鋭意研究した結果、感光性樹脂組成物が少なくとも(A)バインダーポリマー、(B)光重合開始剤、(C)熱硬化性樹脂及び(D)有機−無機複合化微粒子を含有することにより、加熱プレス時の変形が少なく、低反り、耐折れ性に優れた硬化膜を得ることが可能であることを見出した。
すなわち、本願発明は少なくとも(A)バインダーポリマー、(B)光重合開始剤、(C)熱硬化性樹脂及び(D)有機−無機複合化微粒子を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物に関する。
また、上記(D)有機−無機複合化微粒子が(A)バインダーポリマー100重量部に対して、20から150重量部含有されることが好ましい。
また、上記(D)有機−無機複合化微粒子の硬度が、50〜200MPaであることが好ましい。
また、上記(D)有機−無機複合化微粒子が無機成分としてシリカを含有し、かつ有機成分としてメラミン骨格を含有することが好ましい。
また、上記(A)バインダーポリマーがカルボキシル基を有する樹脂であることが好ましい。
また、本願発明の別の発明は、上記記載の感光性樹脂組成物を有機溶媒に溶解して得られる感光性樹脂組成物溶液に関する。
また、本願発明の別の発明は、上記感光性樹脂組成物溶液を基材表面に塗布した後、乾燥して得られる樹脂フィルムに関する。
また、本願発明の別の発明は、上記記載の樹脂フィルムを硬化させることによって得られる硬化膜に関する。
また、本願発明の別の発明は、上記記載の硬化膜をプリント配線板に被覆した硬化膜付きプリント配線基板に関する。
本願発明は、少なくとも(A)バインダーポリマー、(B)光重合開始剤、(C)熱硬化性樹脂及び(D)有機−無機複合化微粒子を含有することにより、加熱プレス時の変形が少なく、低反り、耐折れ性に優れた感光性樹脂組成物を提供するものである。
フィルムの反り量を測定している模式図である。
以下本願発明について、(I)感光性樹脂組成物及び(II)感光性樹脂組成物の使用方法について詳細に説明する。
[(I)感光性樹脂組成物]
本願発明の感光性樹脂組成物とは、少なくとも(A)バインダーポリマー、(B)光重合開始剤、(C)熱硬化性樹脂、(D)有機−無機複合化微粒子を含有すればよい。
ここで、本願発明の感光性樹脂組成物は、各種特性に優れる事を、本発明者らは見出したが、これは、以下の理由によるのではないかと推測している。
本願発明の感光性樹脂組成物中の(A)バインダーポリマー成分が(D)有機−無機複合化微粒子中に浸透し、強固な界面密着性を有するために、耐折れ性が低下しにくいものと推測している。
その上、(D)有機−無機複合化微粒子に起因する凹凸が硬化膜表面に現れるために、硬化膜と被塗物とがアンカー効果による強力な接着性を有したものと推測している。
さらに、本願発明の感光性樹脂組成物を硬化させることによって得られる硬化膜中の(D)有機−無機複合化微粒子が樹脂組成物中に充填されているために、常温付近では(D)有機−無機複合化微粒子の有機成分が硬化膜の硬化収縮などの内部応力を緩和するために、耐折れ性に優れ、反りが小さく、更に、100℃以上の温度域では、(D)有機−無機複合化微粒子の無機成分が硬化膜のCTEを低下させるため、反り上がりが少なく、高い絶縁性や耐熱性、加熱プレスにおいて寸法変化を発現したものと推測している。
また、本願発明の硬化膜中の(D)有機−無機複合化微粒子が(A)バインダーポリマー100重量部に対して、20から150重量部含有されることで、さらに、硬化収縮などの内部応力を緩和、耐折れ性、硬化膜の反り上がりが少なく、高い絶縁性や耐熱性、加熱プレスにおいて寸法変化が抑えられたものと推測している。
また、本願発明の硬化膜中の(D)有機−無機複合化微粒子の硬度が50〜200MPaの範囲にすることで、硬化膜の表面硬度に大きな影響を与えることなく、硬化膜のCTEは低下させ、耐折れ性を維持しながら、より一層寸法変化が抑えられたものと推測している。
さらに、本願発明の感光性樹脂組成物を硬化させることによって得られる硬化膜が(C)熱硬化性樹脂を含有しているために、硬化膜の機械強度が高く、絶縁信頼性、耐熱性に優れる。更には、(D)有機−無機複合化微粒子が、無機成分としてシリカを含有し、かつ有機成分としてメラミン骨格を含有する場合には、(C)熱硬化性樹脂と粒子表面官能基との反応性が良いために強固な界面密着性を有するために、耐耐折れ性、耐折れ性が低下しにくいものと推測している。
また、本願発明における(A)バインダーポリマーがカルボキシル基を有する場合には、カルボキシル基と(D)有機−無機複合化微粒子の表面官能基とが水素結合などを形成するために(A)バインダーポリマーと(D)有機−無機複合化微粒子との界面接着性が優れ、繰り返し屈曲による歪みが少なくなるために耐折れ性に優れるものと推測している。
以下(A)バインダーポリマー、(B)光重合開始剤、(C)熱硬化性樹脂、(D)有機−無機複合化微粒子、その他の成分、及び、硬化膜の形成方法について説明する。
[(A)バインダーポリマー]
本願発明における(A)バインダーポリマーは、有機溶媒に対して可溶性であり、2つ以上のモノマーが重合反応してできる化合物であって、分子量1,000以上、1,000,000以下のポリマーであれば特に限定されるものではない。
上記有機溶媒とは、特に限定されないが、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができる。さらに必要に応じて、これらの有機極性溶媒とキシレンあるいはトルエンなどの芳香族炭化水素とを組み合わせて用いることもできる。
更に、例えばメチルモノグライム(1,2-ジメトキシエタン)、メチルジグライム(ビス(2-メトキシエテル)エーテル)、メチルトリグライム(1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン)、メチルテトラグライム(ビス[2-(2-メトキシエトキシエチル)]エーテル)、エチルモノグライム(1,2-ジエトキシエタン)、エチルジグライム(ビス(2-エトキシエチル)エーテル)、ブチルジグライム(ビス(2-ブトキシエチル)エーテル)等の対称グリコールジエーテル類、メチルアセテート、エチルアセテート、イソプロピルアセテート、n―プロピルアセテート、ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(別名、カルビトールアセテート、酢酸2-(2-ブトキシエトキシ)エチル))、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,3―ブチレングリコールジアセテート等のアセテート類や、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、1,3―ジオキソラン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールものエチルエーテル等のエーテル類の溶剤が挙げられる。
有機溶媒に対して可溶性となる指標である有機溶媒溶解性は、有機溶媒100重量部に対して溶解するベースポリマーの重量部として測定することが可能であり、有機溶媒100重量部に対して溶解するベースポリマーの重量部が5重量部以上であれば有機溶媒に対して可溶性とすることができる。有機溶媒溶解性測定方法は、特に限定されないが、例えば、有機溶媒100重量部に対してベースポリマーを5重量部添加し、40℃で1時間攪拌後、室温まで冷却して24時間以上放置し、不溶解物や析出物の発生なく均一な溶液であることを確認する方法で測定することができる。
本願発明の(A)成分の重量平均分子量は、例えば、以下の方法で測定することができる。
(重量平均分子量測定)
使用装置:東ソーHLC−8220GPC相当品
カラム :東ソー TSK gel Super AWM−H(6.0mmI.D.×15cm)×2本
ガードカラム:東ソー TSK guard column Super AW−H
溶離液:30mM LiBr+20mM H3PO4 in DMF
流速:0.6mL/min
カラム温度:40℃
検出条件:RI:ポラリティ(+)、レスポンス(0.5sec)
試料濃度:約5mg/mL
標準品:PEG(ポリエチレングリコール)
上記範囲内に重量平均分子量を制御することにより、得られる硬化膜の柔軟性、耐薬品性が優れるため好ましい。重量平均分子量が1,000以下の場合は、柔軟性や耐薬品性が低下する場合があり、重量平均分子量が1,000,000以上の場合は感光性樹脂組成物の粘度が高くなる場合がある。
上記重合反応としては例えば、連鎖重合、逐次重合、リビング重合、付加重合、重縮合、付加縮合、ラジカル重合、イオン重合、カチオン重合、アニオン重合、配位重合、開環重合、共重合などが挙げられる。また、このような重合反応で得られた(A)バインダーポリマーはとしては例えば、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
また、本願発明における(A)バインダーポリマーはカルボキシル基を有することが好ましい。(A)バインダーポリマーがカルボキシル基を有することで、(D)有機−無機複合化微粒子の表面官能基が水素結合などを形成するために(A)バインダーポリマーと(D)有機−無機複合化微粒子との界面接着性が優れるために(D)有機−無機複合化微粒子が感光性樹脂組成物中に均一に分散することができるために好ましい。また、カルボキシル基は有機物および無機物に対して共に親和性が大きく、(A)バインダーポリマーと(D)有機−無機複合化微粒子との密着性を向上させ、繰り返し屈曲による歪みが少なくなるために耐折れ性に優れるため好ましい。更には、アルカリ水溶液に代表される水系現像液への溶解性が向上し、現像時間が短縮されるため好ましい。その上、エポキシ基及びアミン基等の熱硬化性基と反応することで得られる硬化膜の耐熱性、耐薬品性、電気絶縁信頼性、耐耐折れ性、耐折れ性が向上するため好ましい。
本願発明の(A)バインダーポリマーは上記特性を有していれば特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フェノールのボラック型、クレゾールノボラック型等の各種エポキシ樹脂を、不飽和基を含有するモノカルボン酸で変性した後、飽和又は不飽和基を含有する多塩基酸無水物で酸変性した酸変性のアクリル(メタクリル)樹脂、水酸基含有アクリル(メタクリル)樹脂とイソシアナート化合物との反応で得られるウレタン変性のアクリル(メタクリル)樹脂、水酸基含有アクリル(メタクリル)樹脂とカルボキシル基含有化合物との反応で得られるポリエステル変性のアクリル(メタクリル)樹脂などが挙げられる。
[(B)光重合開始剤]
本願発明における光重合開始剤とは、UVなどのエネルギーによって活性化し、光重合反応を開始・促進させる化合物である。かかる光重合開始剤としては、例えば、ミヒラ−ズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’,4’’−トリス(ジメチルアミノ)トリフェニルメタン、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ジイミダゾール、アセトフェノン、ベンゾイン、2−メチルベンゾイン、ベンゾインメチルエ−テル、ベンゾインエチルエ−テル、ベンゾインイソプロピルエ−テル、ベンゾインイソブチルエ−テル、2−t−ブチルアントラキノン、1,2−ベンゾ−9,10−アントラキノン、メチルアントラキノン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジアセチルベンジル、ベンジルジメチルケタ−ル、ベンジルジエチルケタ−ル、2(2’−フリルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2[2’(5’’−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2,6−ジ(p−アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ジアジドカルコン、ジ(テトラアルキルアンモニウム)−4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルフォネ−ト、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−ケトン、ビス(n5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、ヨード二ウム,(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヘキサフルオロフォスフェート(1−)、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシオム)などが挙げられる。上記、(B)光重合開始剤は適宜選択することが望ましく、1種以上を混合させて用いることが望ましい。
本願発明における(B)光重合開始剤は、(A)バインダーポリマー100重量部対して、0.1〜50重量部となるように配合されていることが好ましい。
上記配合割合にすることで感光性樹脂組成物の感光性が向上するので好ましい。
光重合開始剤成分が上記範囲よりも少ない場合には、光照射時のラジカル重合性基の反応が起こりにくく、硬化が不十分となることが多い場合がある。また、(B)光重合開始剤成分が上記範囲よりも多い場合には、光照射量の調整が難しくなり、過露光状態となる場合がある。そのため、光硬化反応を効率良く進めるためには上記範囲内に調整することが好ましい。
[(C)熱硬化性樹脂]
本願発明における(C)熱硬化性樹脂とは、加熱により架橋構造を生成し、熱硬化剤として機能する化合物である。例えば、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ヒドロシリル硬化樹脂、アリル硬化樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂;高分子鎖の側鎖又は末端にアリル基、ビニル基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基、等の反応性基を有する側鎖反応性基型熱硬化性高分子等を用いることができる。これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
本願発明における(C)熱硬化性樹脂としては、この中でも、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。本願発明におけるエポキシ樹脂は分子中に少なくとも1つ以上のエポキシ基を有していれば、分子量を問わず、モノマー、オリゴマー、及びポリマーなどの全てを含み、加熱により架橋構造を生成し、熱硬化剤として機能する化合物である。エポキシ樹脂を含有することにより、感光性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化膜に対して耐熱性を付与できると共に、金属箔等の導体や回路基板に対する接着性を付与することができる。上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER828、jER1001、jER1002、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEP−4100E、アデカレジンEP−4300E、日本化薬株式会社製の商品名RE−310S、RE−410S、大日本インキ株式会社製の商品名エピクロン840S、エピクロン850S、エピクロン1050、エピクロン7050、東都化成株式会社製の商品名エポトートYD−115、エポトートYD−127、エポトートYD−128、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER806、jER807、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEP−4901E、アデカレジンEP−4930、アデカレジンEP−4950、日本化薬株式会社製の商品名RE−303S、RE−304S、RE−403S,RE−404S、DIC株式会社製の商品名エピクロン830、エピクロン835、東都化成株式会社製の商品名エポトートYDF−170、エポトートYDF−175S、エポトートYDF−2001、ビスフェノールS型エポキシ樹脂としては、DIC株式会社製の商品名エピクロンEXA−1514、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jERYX8000、jERYX8034,jERYL7170、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEP−4080E、DIC株式会社製の商品名エピクロンEXA−7015、東都化成株式会社製の商品名エポトートYD−3000、エポトートYD−4000D、ビフェニル型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jERYX4000、jERYL6121H、jERYL6640、jERYL6677、日本化薬株式会社製の商品名NC−3000、NC−3000H、フェノキシ型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER1256、jER4250、jER4275、ナフタレン型エポキシ樹脂としては、DIC株式会社製の商品名エピクロンHP−4032、エピクロンHP−4700、エピクロンHP−4200、日本化薬株式会社製の商品名NC−7000L、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER152、jER154、日本化薬株式会社製の商品名EPPN−201−L、DIC株式会社製の商品名エピクロンN−740、エピクロンN−770、東都化成株式会社製の商品名エポトートYDPN−638、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、日本化薬株式会社製の商品名EOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、DIC株式会社製の商品名エピクロンN−660、エピクロンN−670、エピクロンN−680、エピクロンN−695、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂としては、日本化薬株式会社製の商品名EPPN−501H、EPPN−501HY、EPPN−502H、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂としては、日本化薬株式会社製の商品名XD−1000、DIC株式会社製の商品名エピクロンHP−7200、アミン型エポキシ樹脂としては、東都化成株式会社の商品名エポトートYH−434、エポトートYH−434L、可とう性エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製の商品名jER871、jER872、jERYL7175、jERYL7217、DIC株式会社製の商品名エピクロンEXA−4850、ウレタン変性エポキシ樹脂としては、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEPU−6、アデカレジンEPU−73、アデカレジンEPU−78−11、ゴム変性エポキシ樹脂としては、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEPR−4023、アデカレジンEPR−4026、アデカレジンEPR−1309、キレート変性エポキシ樹脂としては、株式会社ADEKA製の商品名アデカレジンEP−49−10、アデカレジンEP−49−20等が挙げられる。上記、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
本願発明におけるエポキシ樹脂の硬化剤としては特に限定されないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフタレン型フェノール樹脂等のフェノール樹脂、アミノ樹脂、ユリア樹脂、メラミン、ジシアンジアミド等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
また、硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリフェニルホスフィン等のホスフィン系化合物;3級アミン系、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラエタノールアミン等のアミン系化合物;1,8−ジアザ−ビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムテトラフェニルボレート等のボレート系化合物等、イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類;2−メチルイミダゾリン、2−エチルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン等のイミダゾリン類;2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン等のアジン系イミダゾール類等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
本願発明における(C)熱硬化性樹脂成分は、(A)バインダーポリマー100重量部に対して、好ましくは0.5〜100重量部、さらに好ましくは、1〜50重量部、特に好ましくは、5〜20重量部である。上記範囲内に熱硬化性樹脂成分の量を調整することにより、感光性樹脂組成物を硬化させることにより得られる硬化膜の耐熱性、耐薬品性、電気絶縁信頼性を向上することができるので好ましい。
熱硬化性樹脂成分が上記範囲よりも少ない場合には、感光性樹脂組成物を硬化させることにより得られる硬化膜の耐熱性、電気絶縁信頼性に劣る場合がある。また、熱硬化性樹脂成分が上記範囲よりも多い場合には、感光性樹脂組成物を硬化させることにより得られる硬化膜が脆くなり柔軟性に劣り、硬化膜の反りも大きくなる場合がある。
[(D)有機−無機複合化微粒子]
本願発明における(D)有機−無機複合化微粒子は有機系微粒子表面に無機物層を形成した微粒子や、無機系微粒子表面に有機物層あるいは有機微粒子を形成した微粒子である。本願発明における(D)有機−無機複合化微粒子の平均粒子径は好ましくは0.01〜100μmである。この範囲を下回ると分散性や分散液の安定性が著しく損なわれる可能性がある。また、この範囲を上回ると、感光性樹脂組成物を露光、現像、硬化して得られた硬化膜の開口部の形状が損なわれる可能性や、回路配線間に(D)有機−無機複合化微粒子が接触するために電気絶縁信頼性を低下させる可能性や、硬化膜の耐折れ性が大きく損なわれる可能性がある。
本願発明における(D)有機−無機複合化微粒子の平均粒子径の測定方法は特に限定はされないが、例えば、日機装株式会社製、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置マイクロトラックMT3300を用いて測定することができる。
本願発明における(D)有機−無機複合化微粒子としては有機成分がメラミン骨格であること好ましい。(D)有機−無機複合化微粒子の有機成分がメラミン骨格である場合、(A)バインダーポリマーの粒子表面官能基と強固な界面密着性を示すために感光性樹脂組成物を硬化することによって得られる硬化膜の耐折れ性が向上するために好ましい。また、メラミン骨格のアミン基は熱硬化性樹脂との反応性が良いために、硬化膜の耐熱性、難燃性、絶縁信頼性を向上するために好ましい。
また、本願発明における(D)有機−無機複合化微粒子の無機成分がシリカであることが好ましい。(D)有機−無機複合化微粒子の無機成分がシリカである場合、硬化膜の表面硬度が上昇し、加熱プレスにおいて寸法変化が抑えられるために好ましい。
このような(D)有機−無機複合化微粒子としては、日産化学工業株式会社製の製品名オプトビーズ500S、2000M、3500M、6500M、10500Mなどが挙げられる。
本願発明における(D)有機−無機複合化微粒子の形状は球状、粉状、繊維状、針状、鱗片状などが挙げられる。
また、(D)有機−無機複合化微粒子の表面をシランカップリング剤、その他の有機化合物等で被覆し親水性化あるいは疎水性化などの表面改質を行ってもよい。これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
本願発明における(D)有機−無機複合化微粒子の硬度は50〜200MPaであることが好ましい。この範囲を下回ると、硬化膜の表面硬度の低下や加熱プレス時の変形が大きくなる可能性がある。また、この範囲を上回ると硬化膜の機械特性が大きく損なわれ、耐折れ性が低下し、反りが大きくなる可能性がある。
本願発明における(D)有機−無機複合化微粒子の硬度は、(D)有機−無機複合化微粒子を10%圧縮するために必要な応力示しており、例えば、島津製作所製、微小圧縮試験機MCT−W500を用いて測定することができる。
本願発明における(D)有機−無機複合化微粒子の添加量は、(A)バインダーポリマー100重量部に対して20から150重量部あることが好ましい。この範囲を下回ると、応力緩和されにくいために硬化膜の反りが大きくなる可能性がある。また、この範囲を上回ると(A)バインダーポリマーと(D)有機−無機複合化微粒子の界面接着性が大きく損なわれ、耐折れ性が低下する可能性がある。
(D)有機−無機複合化微粒子の添加方法は、
1.重合前または途中に重合反応液に添加する方法
2.重合完了後、3本ロールなどを用いて混錬する方法
3.(D)有機−無機複合化微粒子を含む分散液を用意し、これを感光性樹脂組成物溶液に混合する方法
などいかなる方法を用いてもよい。上記(D)有機−無機複合化微粒子は適宜選択することが望ましく、1種以上を混合させて用いることもできる。また、(D)有機−無機複合化微粒子を良好に分散させ、また分散状態を安定化させるために分散剤、増粘剤等をフィルム物性に影響を及ぼさない範囲内で用いることもできる。
更に、フィルム物性に影響を及ぼさない範囲内で上記(D)有機−無機複合微粒子以外のフィラーを用いることもできる。本願発明におけるフィラーとは有機フィラー又は無機フィラーと呼ばれるものであれば特に限定されないが、形状としては球状、粉状、繊維状、針状、鱗片状などが挙げられる。有機フィラーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン粉、ポリエチレン、ベンゾグアナミン、メラミン、フタロシアニン粉等の他、シリコーン、アクリル、スチレンブ−タジエンゴム、ブタジエンゴム等を用いた多層構造のコアシェル等が挙げられる。無機フィラーとしてはシリカ、酸化チタン、アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、雲母などが挙げられる。これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
また、フィラーの添加量は、(A)バインダーポリマー100重量部に対して0.01から50重量部、好ましくは1から30重量部、更に好ましくは5から20重量部である。フィラー添加量がこの範囲を下回るとフィラーによる改質効果が現れにくく、この範囲を上回ると硬化膜の耐折れ性が大きく損なわれる可能性がある。フィラーの添加は、(D)有機−無機複合化微粒子と同様に行うことができる。
[その他の成分]
本願発明における感光性樹脂組成物は(A)バインダーポリマー、(B)光重合開始剤、(C)熱硬化性樹脂及び(D)有機−無機複合化微粒子に加えて、必要に応じて、感光性樹脂、難燃剤、着色剤、密着付与剤、重合禁止剤および有機溶媒等の添加剤を含有してもよい。
本願発明に用いられる感光性樹脂とは、(B)光重合開始剤により化学結合が形成される樹脂である。その中でも分子内に不飽和二重結合を少なくとも1つ有する樹脂であることが好ましい。さらには、上記不飽和二重結合は、アクリル基(CH=CH−基)、メタアクリロイル基(CH=C(CH)−基)もしくはビニル基(−CH=CH−基)であることが好ましい。
かかる感光性樹脂としては、例えばビスフェノールF EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、ビスフェノールA EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、ビスフェノールS EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、ビスフェノールF EO変性(n=2〜50)ジメタクリレート、ビスフェノールA EO変性(n=2〜50)ジメタクリレート、ビスフェノールS EO変性(n=2〜50)ジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、テトラメチロールプロパンテトラメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、β−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、ラウリルアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、1 − アクリロイルオキシプロピル−2−フタレート、イソステアリルアクリレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルアクリレート、ノニルフェノキシエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,6−メキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールメタクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、2,2−水添ビス[4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル]プロパン、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、エトキシ化トチメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トチメチロールプロパントリアクリレート、イソシアヌル酸トリ(エタンアクリレート)、ペンタスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタスリトールテトラアクリレート、プロポキシ化ペンタスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレート、イソシアヌル酸トリアリル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリアリル1,3,5−ベンゼンカルボキシレート、トリアリルアミン、トリアリルシトレート、トリアリルフォスフェート、アロバービタル、ジアリルアミン、ジアリルジメチルシラン、ジアリルジスルフィド、ジアリルエーテル、ザリルシアルレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート、1,3−ジアリロキシ−2−プロパノール、ジアリルスルフィドジアリルマレエート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジメタクリレート、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジアクリレート、等が好ましいが、これらに限定されない。特に、ジアクリレートあるいはメタアクリレートの一分子中に含まれるEO(エチレンオキサイド)の繰り返し単位が、2〜50の範囲のものが好ましく、さらに好ましくは2〜40である。EOの繰り返し単位が2〜50の範囲の物を使用することにより、感光性樹脂組成物のアルカリ水溶液に代表される水系現像液への溶解性が向上し、現像時間が短縮される。更に、感光性樹脂組成物を硬化して得られる硬化膜中に応力が残りにくく、例えばプリント配線板の中でも、ポリイミド樹脂を基材とするフレキシブルプリント配線板上に積層した際に、プリント配線板のカールを抑えることができるなどの特徴を有する。
特に、上記EO変性のジアクリレート或いは、ジメタクリレートと、アクリル基もしくは、メタクリル基を3以上有するアクリル樹脂を併用することが現像性を高める上で特に好ましく、例えばエトキシ化イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸EO変性トリメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロポキシ化ペンタエリストールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、2,2,2−トリスアクリロイロキシメチルエチルコハク酸、2,2,2−トリスアクリロイロキシメチルエチルフタル酸、プロポキシ化ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロポキシ化ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、下記一般式(1)
Figure 0005767874
(式中、a+b=6、n=12である。)で表される化合物、下記一般式(2)
Figure 0005767874
(式中、a+b=4、n=4である。)で表される化合物、下記一般式(3)
Figure 0005767874
で表される化合物、下記一般式(4)
Figure 0005767874
(式中、m=1、a=2、b=4もしくは、m=1、a=3、b=3もしくは、m=1、a=6、b=0もしくは、m=2、a=6、b=0である。)で表される化合物、下記一般式(5)
Figure 0005767874

(式中、a+b+c=3.6である。)で表される化合物、下記一般式(6)
Figure 0005767874
で表される化合物、下記一般式(7)
Figure 0005767874
(式中、m・a=3、a+b=3、ここで「m・a」は、mとaとの積である。)で表される化合物等のアクリル樹脂が好適に用いられる。
また、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、アクリル酸ダイマー、ペンタエスリトールトリ及びテトラアクリレート等の分子構造中にヒドロキシル基、カルボニル基を有する物も好適に用いられる。
この他、エポキシ変性のアクリル(メタクリル)樹脂や、ウレタン変性のアクリル(メタクリル)樹脂、ポリエステル変性のアクリル(メタクリル)樹脂等どのような感光性樹脂を用いてもよい。
尚、感光性樹脂としては、1種を使用することも可能であるが、2種以上を併用することが、光硬化後の硬化膜の耐熱性を向上させる上で好ましい。
本願発明における難燃剤とは、感光性樹脂組成物を難燃化するために用いられる化合物のことである。例えば、リン酸エステル系化合物、含ハロゲン系化合物、金属水酸化物、有機リン系化合物、シリコーン系等を用いることができ、使用方法としては添加型難燃剤、反応型難燃剤として用いることができる。また、難燃剤は、1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。難燃剤としては、この中でも、非ハロゲン系化合物を用いることが環境汚染の観点からより好ましく、特にリン系難燃剤が好ましい。本願発明の感光性樹脂組成物における難燃剤以外の成分の合計100重量部対して、1〜100重量部となるように配合されていることが好ましい。上記配合割合にすることで感光性樹脂組成物の現像性、感光性、得られる硬化膜の耐折れ性を損なうことなく、難燃性が向上するので好ましい。難燃剤成分が上記範囲よりも少ない場合には、感光性樹脂組成物の硬化膜の難燃性が不十分となる場合がある。また、難燃剤成分が上記範囲よりも多い場合には、感光性樹脂組成物の現像性や感光性が低下する場合がある。
本願発明における着色剤としては、フタロシアニン系化合物、アゾ系化合物、カーボンブラック、酸化チタン、密着性付与剤としては、シランカップリング剤、トリアゾール系化合物、テトラゾール系化合物、トリアジン系化合物、重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
本願発明における溶媒としては、感光性樹脂組成物成分を溶解させることができる溶媒であれば良い。例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、メチルモノグライム(1,2-ジメトキシエタン)、メチルジグライム(ビス(2-メトキシエテル)エーテル)、メチルトリグライム(1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン)、メチルテトラグライム(ビス[2-(2-メトキシエトキシエチル)]エーテル)、エチルモノグライム(1,2-ジエトキシエタン)、エチルジグライム(ビス(2-エトキシエチル)エーテル)、ブチルジグライム(ビス(2-ブトキシエチル)エーテル)等の対称グリコールジエーテル類、γ―ブチロラクトン、メチルアセテート、エチルアセテート、イソプロピルアセテート、n―プロピルアセテート、ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(別名、カルビトールアセテート、酢酸2-(2-ブトキシエトキシ)エチル))、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,3―ブチレングリコールジアセテート等のアセテート類や、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、1,3―ジオキソラン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類等を挙げることができ、これらは単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。本願発明における溶媒の量は、感光性樹脂組成物における溶剤以外の成分の合計100重量部に対して、10〜400重量部が好ましく、より好ましくは、20〜200重量部、特に好ましくは、40〜100重量部である。上記範囲内に溶媒の量を調整することにより、感光性樹脂組成物の粘度や粘性をスクリーン印刷などの塗工に適切な範囲内に調整することができるので好ましい。溶媒が上記範囲よりも少ない場合には、感光性樹脂組成物の粘度が非常に高くなり、塗工が困難となり、塗工時の泡の巻き込み、レベリング性に劣る場合がある。また、溶媒が上記範囲よりも多い場合には、感光性樹脂組成物の粘度が非常に低くなってしまい、塗工が困難となり、回路の被覆性に劣る場合がある。
[(II)感光性樹脂組成物の使用方法]
また、本願発明における感光性樹脂組成物は、以下のようにしてパタ−ンを形成することができる。先ず上記感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、乾燥して溶媒を除去する。基板への塗布はスクリ−ン印刷、ローラーコーティング、カ−テンコーティング、スプレーコーティング、スピンナーを利用した回転塗布等により行うことができる。塗布膜(好ましくは厚み:5μmから100μm)の乾燥は120℃以下、好ましくは40〜100℃で行う。乾燥後、乾燥塗布膜にネガ型のフォトマスクを置き、紫外線、可視光線、電子線などの活性光線を照射する。次いで、未露光部分をシャワー、パドル、浸漬または超音波等の各種方式を用い、現像液で洗い出すことによりパタ−ンを得ることができる。なお、現像装置の噴霧圧力や流速、現像液の温度によりパターンが露出するまでの時間が異なる為、適宜最適な装置条件を見出すことが好ましい。上記現像液としては、アルカリ水溶液を使用することが好ましく、この現像液には、メタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノ−ル、イソプロパノ−ル、N−メチル−2−ピロリドン等の水溶性有機溶媒が含有されていてもよい。上記のアルカリ性水溶液を与えるアルカリ性化合物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムイオンの、水酸化物または炭酸塩や炭酸水素塩、アミン化合物などが挙げられ、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、N−メチルジエタノ−ルアミン、N−エチルジエタノ−ルアミン、N,N−ジメチルエタノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミン、トリイソプロパノ−ルアミン、トリイソプロピルアミン等が挙げられ、水溶液が塩基性を呈するものであればこれ以外の化合物も使用することができる。
また、本願発明における感光性樹脂組成物の現像工程に好適に用いることのできる、アルカリ性化合物の濃度は、好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは、0.05〜5重量%とすることが好ましい。また、現像液の温度は(A)感光性樹脂組成物の組成や、現像液の組成に依存しており、一般的には0℃以上80℃以下、より一般的には、20℃以上50℃以下で使用することが好ましい。
上記現像工程によって形成したパタ−ンは、リンスして不用な現像液残分を除去する。リンス液としては、水、酸性水溶液などが挙げられる。
次に、加熱硬化処理を行うことにより耐熱性および柔軟性に富む硬化膜を得ることができる。硬化膜は配線厚み等を考慮して決定されるが、厚みが2〜50μm程度であることが好ましい。このときの最終硬化温度は配線等の酸化を防ぎ、配線と基材との密着性を低下させないことを目的として低温で加熱して硬化させることが望まれている。この時の加熱硬化温度は100℃以上250℃以下であることが好ましく、更に好ましくは120℃以上200℃以下であることが望ましく、特に好ましくは130℃以上190℃以下である。最終加熱温度が高くなると配線の酸化劣化が進む場合がある。
また、本願発明における感光性樹脂組成物から形成した硬化膜からなるパタ−ンは、耐熱性、難燃性、電気的および機械的性質に優れており、特に柔軟性に優れている。例えば、この発明の絶縁膜は、好適には厚さ2〜50μm程度の膜厚で光硬化後少なくとも10μmまでの解像性、特に10〜1000μm程度の解像性である。この為、本願発明の絶縁膜は高密度フレキシブルプリント基板の絶縁材料として特に適しているのである。また更には、光硬化型の各種配線被覆保護剤、感光性の耐熱性接着剤、電線・ケーブル絶縁被膜等に用いられる。
以下本願発明を実施例により具体的に説明するが本願発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1〜3及び比較例1〜3)
(A)ベースポリマー、(B)光重合開始剤、(C)熱硬化性樹脂及び(D)有機−無機複合化微粒子、及びその他の成分を添加して感光性樹脂組成物を作製した。それぞれの構成原料の樹脂固形分での配合量及び原料の種類を表1に記載する。混合溶液を3本ロールで混合した後、脱泡装置で溶液中の泡を完全に脱泡して下記評価を実施した。
Figure 0005767874
<1>日本化薬株式会社製 ベースポリマー(ウレタン変性エポキシ(メタ)アクリレート、固形分酸価97.7mgKOH/g)の製品名
<2>BASFジャパン社製 光重合開始剤の製品名
<3>ジャパンエポキシレジン株式会社製 ビスフェノールA型のエポキシ樹脂(エポキシ当量188g/eq)の製品名。
<4>日産化学工業株式会社製 有機−無機複合化微粒子(メラミン樹脂・シリカ複合粒子、平均粒子径6.5μm、硬度100MPa)の製品名
<5>堺化学株式会社製 硫酸バリウム(無機フィラー)の商品名。
また、感光性樹脂組成物の感光性等の評価は以下の方法で別途行った。評価結果を表2に記載する。
<ポリイミドフィルム上への硬化膜の作製>
上記感光性樹脂組成物を、ベーカー式アプリケーターを用いて、75μmのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製:商品名75NPI)に最終乾燥厚みが25μmになるように100mm×100mmの面積に流延・塗布し、80℃で20分乾燥した後、50mm×50mmの面積のライン幅/スペース幅=100μm/100μmのネガ型フォトマスクを置いて300mJ/cmの積算露光量の紫外線を照射して露光した。次いで、1.0重量%の炭酸ナトリウム水溶液を30℃に加熱した溶液を用いて、1.0kgf/mmの吐出圧で60秒スプレー現像を行った。現像後、純水で十分洗浄した後、160℃のオーブン中で90分加熱硬化させて感光性樹脂組成物の硬化膜を作製した。
(i)感光性
感光性樹脂組成物の感光性の評価は、上記<ポリイミドフィルム上への硬化膜の作製>の項目で得られた硬化膜の表面観察を行い判定した。
〇:ポリイミドフィルム表面にくっきりとしたライン幅/スペース幅=100/100μmの感光パターンが描けており、ライン部の剥離に伴うラインの揺れが発生しておらず、スペース部にも溶解残りが無いもの
△:ポリイミドフィルム表面にくっきりとしたライン幅/スペース幅=100/100μmの感光パターンが描けていないもの(ライン幅の線太りがあるもの)
×:ポリイミドフィルム表面にライン幅/スペース幅=100/100μmの感光パターンが描けておらず、溶解残りが発生しているもの。
(ii)耐溶剤性
上記<ポリイミドフィルム上への硬化膜の作製>の項目で得られた硬化膜の耐溶剤性の評価を行った。評価方法は25℃のメチルエチルケトン中に15分間浸漬した後風乾し、フィルム表面の状態を観察した。
○:塗膜に異常がない。
×:塗膜に膨れや剥がれなどの異常が発生する。
(iii)耐折れ性
上記<ポリイミドフィルム上への塗膜の作製>の項目と同様の方法で、25μm厚みのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製アピカル25NPI)表面に感光性樹脂組成物の硬化膜積層フィルムを作製した。硬化膜積層フィルムを30mm×10mmの短冊に切り出して、15mmのところで180°に10回折り曲げて塗膜を目視で確認してクラックの確認を行った。
○:硬化膜にクラックが無いもの。
△:硬化膜に若干クラックがあるもの。
×:硬化膜にクラックがあるもの。
(iv)反り
上記<ポリイミドフィルム上への塗膜の作製>の項目と同様の方法で、25μm厚みのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製アピカル25NPI)表面に感光性樹脂組成物の硬化膜積層フィルムを作製した。作製した硬化膜積層フィルムを5cm四方に加工し、四隅の反り高さを測定する。フィルムの反り量を測定している模式図を図1に示す。
○:反り高さの平均が10mm未満のもの。
△:反り高さの平均が10mm以上20mm未満もの。
×:反り高さの平均が20mm以上。
(v)絶縁信頼性
フレキシブル銅貼り積層板(銅箔の厚み12μm、ポリイミドフィルムは株式会社カネカ製アピカル25NPI、ポリイミド系接着剤で銅箔を接着している)上にライン幅/スペース幅=100μm/100μmの櫛形パターンを作製し、10容量%の硫酸水溶液中に1分間浸漬した後、純水で洗浄し銅箔の表面処理を行った。その後、上記<ポリイミドフィルム上への硬化膜の作製>方法と同様の方法で櫛形パターン上に感光性樹脂組成物の硬化膜を作製し試験片の調整を行った。85℃、85%RHの環境試験機中で試験片の両端子部分に100Vの直流電流を印加し、絶縁抵抗値の変化やマイグレーションの発生などを観察した。
○:試験開始後、1000時間で10の8乗以上の抵抗値を示し、マイグレーション、デンドライトなどの発生が無いもの。
×:試験開始後、1000時間でマイグレーション、デンドライトなどの発生があるもの。
(vi)プレス耐性
上記<ポリイミドフィルム上への塗膜の作製>の項目と同様の方法で、35μm厚みの銅箔表面に感光性樹脂組成物の硬化膜積層フィルムを作製した。但し、露光は、100μm角の四角開口マスクを使用し、300mJ/cmの積算露光量の紫外線を照射して露光した。その後、上記で作製した感光性樹脂組成物の硬化膜積層フィルムを熱プレスにて165℃/90minで加熱加圧し、四角開口部の変形量を測定した。
○:熱プレス後に90μm以上開口しているもの。
△:熱プレス後に80〜90μm開口しているもの。
×:熱プレス後に80μ以下しか開口していないもの。
また、水準2は開口せず試験を行うことができなかった。
(vii)半田耐熱性
上記<ポリイミドフィルム上への硬化膜の作製>の項目と同様の方法で、75μm厚みのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製アピカル75NPI)表面に感光性樹脂組成物の硬化膜積層フィルムを作製した。但し、露光は、ネガ型マスクを使用せず全面に300mJ/cmの積算露光量の紫外線を照射して露光した。
上記硬化膜を260℃で完全に溶解してある半田浴に感光性樹脂組成物の硬化膜が塗工してある面が接する様に浮かべて10秒後に引き上げた。その操作を3回行い、硬化膜の接着強度をJIS K5400に従って碁盤目テープ法で評価した。
○:碁盤目テープ法で剥がれの無いもの。
△:升目の95%以上が残存しているもの。
×:升目の残存量が80%未満のもの。
Figure 0005767874
1 感光性樹脂組成物を積層したポリイミドフィルム
2 反り量
3 平滑な台

Claims (7)

  1. 少なくとも(A)バインダーポリマー、(B)光重合開始剤、(C)熱硬化性樹脂及び(D)有機−無機複合化微粒子を含有し、
    上記(D)有機−無機複合化微粒子が(A)バインダーポリマー100重量部に対して、20から150重量部含有されており、
    上記(D)有機−無機複合化微粒子の硬度が、50〜200MPaであることを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 上記(D)有機−無機複合化微粒子が無機成分としてシリカを含有し、かつ有機成分としてメラミン骨格を含有することを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 上記(A)バインダーポリマーがカルボキシル基を有する樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 請求項に記載の感光性樹脂組成物を有機溶媒に溶解して得られる感光性樹脂組成物溶液。
  5. 請求項に記載の感光性樹脂組成物溶液を基材表面に塗布した後、乾燥して得られる樹脂フィルム。
  6. 請求項に記載の樹脂フィルムを硬化させることによって得られる硬化膜。
  7. 請求項に記載の硬化膜をプリント配線板に被覆した硬化膜付きプリント配線基板。
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