以下、本発明による情報処理システムについて、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による情報処理システムについて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による情報処理システムは、端末装置を用いて作業役務を指示するものである。
図1で示されるように、本実施の形態による情報処理システム100は、端末装置1と、制御装置2とを備える。端末装置1は、例えば、携帯電話や、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、入力機能付きICカード等である。その端末装置1は、無線通信により制御装置2との間で情報の送受信を行う。制御装置2は、端末装置1と無線通信を行いながら、後述する表示画像を生成する処理等を行う。なお、図1では、制御装置2が一つのまとまった装置である場合について示しているが、そうでなくてもよい。制御装置2は、複数の場所に分散して設置されている各構成要素の集合であってもよい。また、図1では、情報処理システム100が1個の端末装置1を備える場合について示しているが、情報処理システム100は、通常、2個以上の端末装置1を有しているものとする。
図1において、本実施の形態による端末装置1は、作業役務識別子受付部11と、作業役務識別子蓄積部12と、作業役務情報送信部13と、通知情報受信部14と、通知出力部15と、作業役務識別子記憶部16とを備える。
作業役務識別子受付部11は、作業役務を識別する作業役務識別子を受け付ける。ここで、作業役務は、ユーザが行う作業またはユーザに提供される役務である。ユーザが行う作業とは、ユーザ自らが行う何らかの行為であり、例えば、アスレチッククラブ等でユーザが行うランニング、ウェイトトレーニング、水泳、もしくはヨガ等であってもよく、店等でユーザが行う家具や家電製品、本等の商品の購入もしくは購入の検討であってもよく、または、その他のユーザが行う作業であってもよい。また、ユーザに提供される役務とは、ユーザが受けることができる何らかのサービスであり、例えば、病院でユーザが受ける内科の受診、外科の受診、皮膚科の受診、眼科の受診、もしくは、整形外科の受診等であってもよく、輸送機関(例えば、エレベータ、電車、バス、タクシー、飛行機、船等)によるユーザの輸送のサービスであってもよく、または、その他のユーザに提供される役務であってもよい。なお、例えば、金融機関において、ユーザがATMでの預金の引き出しを行ったり、ローンの相談を行ったりする場合には、ユーザが預金の引き出しやローンの相談という作業を行っていると考えることもでき、また、預金の引き出しというサービスや、ローンの相談というサービスの提供を受けると考えることもできる。このように、作業と役務の区別が困難である場合もあるため、本実施の形態では、両者を区別せずに、「作業役務」と称することにする。本実施の形態では、作業役務が輸送機関によるユーザの輸送である場合、特に、その輸送機関がエレベータである場合について主に説明する。すなわち、図2で示されるように、制御装置2によって、エレベータの停止が制御される場合について説明する。作業役務識別子は、作業役務を識別する情報である。作業役務識別子は、例えば、作業役務の名称であってもよく、あるいは、作業役務に対して付与された記号等であってもよい。作業役務識別子は、例えば、「ランニング」、「水泳」等の作業そのものを識別する情報であってもよく、「食器棚」、「パソコン」、「整理術の本」等の作業の対象となる物(例えば、商品等)を識別する情報であってもよく、「内科」、「外科」等のサービスの提供される場所を識別する情報であってもよく、「ATMでの預金の引き出し」、「ローンの相談」等のサービスそのものを識別する情報であってもよく、作業役務が輸送機関によるユーザの輸送である場合には、作業役務識別子は、行き先であってもよい。行き先は、例えば、輸送機関が電車である場合には、「東梅田」、「西梅田」等の駅名であってもよく、輸送機関がエレベータである場合には、「3階」、「8階」等の行先階であってもよく、または、その他の行き先を示す情報であってもよい。本実施の形態では、作業役務識別子が行先階である場合について主に説明する。すなわち、作業役務識別子受付部11は、作業役務識別子としての行先階を受け付けるものとする。その行先階は、端末装置1のユーザがエレベータにより行くことを希望する階である。すなわち、行先階は、そのユーザがエレベータのカゴを降車する階である。なお、ユーザが、作業役務識別子受付部11で受け付けられる作業役務識別子を端末装置1に入力する目的は問わない。ユーザは、例えば、エレベータの停止制御や作業役務の予約のために作業役務識別子を端末装置1に入力してもよく、後述するように、その作業役務識別子を用いた案内を受けるために作業役務識別子を端末装置1に入力してもよく、あるいは、その他の目的のために作業役務識別子を端末装置1に入力してもよい。また、作業役務識別子受付部11は、複数の作業役務識別子からの選択に応じて作業役務識別子を受け付けてもよい。例えば、作業役務識別子記憶部16で記憶されている複数の作業役務識別子から、一の作業役務識別子が選択された場合に、作業役務識別子受付部11は、その選択された作業役務識別子を受け付けてもよい。具体的には、作業役務識別子受付部11は、作業役務識別子記憶部16で記憶されている作業役務識別子の一覧が図示しない表示部によって表示された場合において、その一覧からポインティングデバイスやタッチパネル等を介してユーザが選択した作業役務識別子を受け付けてもよい。また、作業役務識別子受付部11は、作業役務識別子記憶部16において、番号や記号と、作業役務識別子とが対応付けられている場合において、ユーザが入力した番号や記号に対応付けられている作業役務識別子を受け付けてもよい。
作業役務識別子受付部11は、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力された作業役務識別子を受け付けてもよく、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された作業役務識別子を受信してもよく、所定の記録媒体(例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)から読み出された作業役務識別子を受け付けてもよい。なお、作業役務識別子受付部11は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、モデムや入力デバイス、ネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、作業役務識別子受付部11は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
作業役務識別子蓄積部12は、作業役務識別子受付部11が受け付けた作業役務識別子を蓄積する。この記録媒体は、例えば、半導体メモリや、光ディスク、磁気ディスク等であり、作業役務識別子蓄積部12が有していてもよく、あるいは作業役務識別子蓄積部12の外部に存在してもよい。また、この記録媒体は、作業役務識別子を一時的に記憶するものであってもよく、そうでなくてもよい。例えば、作業役務識別子が受け付けられた後、すぐに送信される場合には、作業役務識別子蓄積部12が蓄積する作業役務識別子は、一時的に記憶されるものであってもよい。一方、例えば、作業役務識別子の受け付けのタイミングと、送信のタイミングとが異なる場合には、作業役務識別子蓄積部12が蓄積する作業役務識別子は、長期間にわたって記憶されるものであってもよい。本実施の形態では、作業役務識別子が、一時的に記憶される場合について主に説明する。また、蓄積された情報によって結果として、作業役務識別子受付部11が受け付けた作業役務識別子を特定できるのであれば、作業役務識別子蓄積部12による蓄積の方法は問わない。例えば、作業役務識別子蓄積部12は、作業役務識別子記憶部16において、受け付けられた作業役務識別子に対応付けてフラグ等を蓄積(設定)してもよい。
作業役務情報送信部13は、作業役務識別子受付部11が受け付け、作業役務識別子蓄積部12が蓄積した作業役務識別子と、端末装置1のユーザを識別するユーザ識別子とを含む作業役務情報を送信する。そのユーザ識別子は、例えば、端末装置1が有する図示しない記録媒体で記憶されており、作業役務情報送信部13は、その記録媒体からユーザ識別子を読み出し、そのユーザ識別子を有する作業役務情報を構成して送信してもよい。また、そのユーザ識別子は、結果としてユーザを識別することができる情報であれば、どのようなものであってもよい。ユーザ識別子は、例えば、ユーザに固有の情報であってもよく、ユーザの端末装置1を識別する情報(例えば、端末装置1の製造番号や、アドレス等)であってもよく、その他のユーザを識別する情報であってもよい。また、作業役務情報には、それら以外の情報が含まれてもよい。本実施の形態では、作業役務がエレベータによるユーザの輸送である場合について主に説明するが、その場合において、作業役務情報によって乗車階も指定する必要がある場合には、乗車階も含まれてもよい。その場合には、作業役務識別子受付部11は乗車階も受け付け、作業役務識別子蓄積部12はその乗車階も蓄積し、作業役務情報送信部13は、その乗車階を含む作業役務情報を送信してもよい。本実施の形態では、作業役務情報に乗車階が含まれない場合について主に説明する。作業役務が、エレベータ以外の輸送機関によるユーザの輸送である場合に、作業役務情報に輸送機関に乗る場所が含まれていてもよく、そうでなくてもよい。前者の場合には、作業役務識別子受付部11は、乗る場所も受け付け、作業役務識別子蓄積部12は、その乗る場所も蓄積し、作業役務情報送信部13は、その乗る場所を含む作業役務情報を送信してもよい。その送信は、通常、無線通信により行われる。無線通信は、例えば、携帯電話の通信などのように遠距離の無線通信であってもよく、Bluetooth(登録商標)や無線LAN、赤外線通信、RFIDを用いた非接触通信などのように近距離の無線通信であってもよい。作業役務が、輸送機関であるエレベータによるユーザの輸送である場合に、エレベータに乗車しない人による作業役務情報の送信を防止する観点からは、近距離の無線通信を用いることが好適である。本実施の形態でも、近距離の無線通信を用いて作業役務情報が送信される場合について主に説明する。また、近距離の無線通信の場合には、作業役務情報をどこで受信したのかに応じて、乗車階を特定することも可能である。一方、遠距離の無線通信の場合には、そのようなことを行うことができないため、作業役務情報に乗車階が含まれていることが好適である。なお、近距離の無線通信であっても、作業役務情報に乗車階が含まれていてもよいことは言うまでもない。
また、作業役務情報送信部13は、作業役務情報を制御装置2に直接送信してもよく、あるいは、サーバ等を介して間接的に送信してもよい。また、作業役務情報送信部13は、図示しない記録媒体で保持しているアドレスを送信先として送信を行ってもよく、あるいは、送信までに他の構成要素や他のサーバ等から受け取ったアドレスを送信先として送信を行ってもよい。また、作業役務情報送信部13は、送信を行うための送信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、作業役務情報送信部13は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは送信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
通知情報受信部14は、制御装置2から送信された通知情報を受信する。この通知情報は、後述するように、制御装置2から送信されたものである。通知情報は、輸送機関における後方領域にいるユーザが降りることを示す情報である。特に本実施の形態では、輸送機関がエレベータであり、通知情報が、エレベータのカゴの後方領域にいるユーザが降車することを通知する情報である場合について説明する。この通知情報については、後述する。その送信も、通常、無線通信により行われる。また、その無線通信も、遠距離の無線通信であってもよく、近距離の無線通信であってもよい。図2では、通知情報がエレベータのカゴ内のアンテナから近距離の無線通信により端末装置1に送信される場合について示しているが、そうでなくてもよいことは言うまでもない。例えば、他の位置に存在するアンテナを介して、カゴ内の端末装置1に遠距離の無線通信が行われてもよい。
なお、通知情報受信部14は、受信を行うための無線の受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、通知情報受信部14は、例えば、ブロードキャストにより送信された通知情報を受信してもよく、あるいは、ユニキャストにより送信された通知情報を受信してもよい。また、通知情報受信部14は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
通知出力部15は、通知情報受信部14が通知情報を受信した場合に、後方領域にいるユーザが降りることを通知する出力を行う。この出力は、例えば、表示デバイス(例えば、CRTや液晶ディスプレイなど)への表示であってもよく、振動デバイス(振動を発生させるバイブレータ用モータなど)による振動であってもよく、スピーカによる音出力であってもよく、ユーザが装着しているヘッドホン等への送信でもよく、後方領域にいるユーザが降りることをユーザに知らせることができるその他の方法による出力であってもよい。また、それらの出力が組み合わされてもよい。例えば、振動と表示との出力が行われてもよい。出力が表示や音出力である場合に、通知出力部15は、通知情報受信部14が通知情報を受信した際に、あらかじめ記憶されている情報を読み出して表示したり、音出力したりしてもよい。なお、通知出力部15は、出力を行うデバイス(例えば、表示デバイスや振動デバイス、スピーカなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、通知出力部15は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは、それらのデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
なお、作業役務情報送信部13が作業役務情報を送信する際に用いる通信方式と、通知情報受信部14が通知情報を受信する際に用いる通信方式とは、同じであってもよく、あるいは、異なっていてもよい。後者の場合には、例えば、作業役務情報は、近距離の無線通信を用いて送信され、通知情報は、遠距離の無線通信を用いて送信されてもよい。また、近距離の無線通信が行われる場合には、その無線通信の方式に応じて、端末装置1と、制御装置2との間の通信が確立されることによって、両者間の近距離の無線通信が行われるようになる。その通信の確立方法は、すでに公知であり、詳細な説明を省略する。
作業役務識別子記憶部16では、複数の作業役務識別子が記憶される。その複数の作業役務識別子は、作業役務識別子受付部11における受け付けの対象となる作業役務識別子である。作業役務識別子記憶部16に複数の作業役務識別子が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して複数の作業役務識別子が作業役務識別子記憶部16で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された複数の作業役務識別子が作業役務識別子記憶部16で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された複数の作業役務識別子が作業役務識別子記憶部16で記憶されるようになってもよい。なお、有線または無線の通信回線を介して、複数の作業役務識別子が作業役務識別子記憶部16で記憶されるようになることが好適であり、本実施の形態においても、その場合について主に説明する。作業役務識別子記憶部16での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。
また、作業役務識別子蓄積部12が作業役務識別子を蓄積する記録媒体と、作業役務識別子記憶部16とは、同一の記録媒体によって実現されてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。前者の場合には、受け付けられた作業役務識別子を記憶している領域が作業役務識別子蓄積部12によって作業役務識別子が蓄積される記録媒体となり、複数の作業役務識別子を記憶している領域が作業役務識別子記憶部16となる。
図1において、本実施の形態による制御装置2は、作業役務情報受信部21と、作業役務情報蓄積部22と、停止制御部23と、画像取得部24と、特徴情報取得部25と、位置特定部26と、表示画像生成部27と、表示部28と、判断部29と、ユーザ特定部30と、通知情報送信部31とを備える。本実施の形態では、前述のように、作業役務がエレベータによるユーザ輸送である場合について主に説明する。
作業役務情報受信部21は、端末装置1から送信された作業役務情報を受信する。前述のように、この受信は、通常、無線通信による受信であり、遠距離の無線通信による受信であってもよく、あるいは、近距離の無線通信による受信であってもよい。本実施の形態では、前述のように、輸送機関がエレベータである場合について主に説明するため、近距離の無線通信による受信が行われるときには、例えば、エレベータホール(エレベータ乗場)ごとに、作業役務情報を受信する受信機やアンテナ等が設置されていてもよい。エレベータホールごとに受信機やアンテナ等が設置されている場合には、作業役務情報受信部21は、作業役務情報を受信した受信機やアンテナ等の設置されている階数を、その作業役務情報に対応する乗車階として把握してもよい。
なお、作業役務情報受信部21は、受信を行うための無線の受信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、作業役務情報受信部21は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
作業役務情報蓄積部22は、作業役務情報受信部21が受信した作業役務情報を所定の記録媒体に蓄積する。この記録媒体は、例えば、半導体メモリや、光ディスク、磁気ディスク等であり、作業役務情報蓄積部22が有していてもよく、あるいは作業役務情報蓄積部22の外部に存在してもよい。また、この記録媒体は、作業役務情報を一時的に記憶するものであってもよく、そうでなくてもよい。なお、作業役務情報蓄積部22は、作業役務情報以外の情報をも記録媒体に蓄積してもよい。例えば、エレベータホールごとに作業役務情報を受信する場合には、その受信したエレベータホールに対応する階である乗車階と、作業役務情報とを対応付けて蓄積してもよい。本実施の形態では、この場合について説明する。なお、蓄積された作業役務情報等は、その作業役務情報等に応じた目的が達成された時点で削除されてもよい。例えば、作業役務情報に含まれるエレベータの行先階へのカゴの停止に応じて削除されてもよい。
停止制御部23は、作業役務情報蓄積部22が蓄積した作業役務情報に含まれる行先階にエレベータのカゴが停止するように制御する。なお、作業役務情報に乗車階が含まれる場合、あるいは、作業役務情報に対応付けて乗車階が蓄積される場合には、停止制御部23は、その乗車階にもカゴを停止するように制御する。その制御自体は、従来のエレベータ制御と同様であり、その説明を省略する。すなわち、行先階と乗車階とが対応付けられている場合には、停止制御部23は、その乗車階に応じた階のエレベータホールにおいて、その行先階のボタンが押下された場合と同様のカゴの停止に関する制御を行えばよいことになる。なお、後述するように、停止制御部23は、作業役務情報を送信した端末装置1のユーザが、制御対象のカゴに乗車した場合にのみ、その制御対象のカゴを、その作業役務情報に含まれる行先階に停止させるようにしてもよい。
画像取得部24は、作業役務場所内の画像を取得する。作業役務場所とは、作業役務の行われる場所であり、例えば、作業の行われる場所であってもよく、または、役務の提供が行われる場所であってもよい。その作業役務場所は、作業役務の行われる場所のすべてであってもよく、あるいは、その場所の一部であってもよい。作業役務場所は、例えば、アスレチッククラブや病院、金融機関、輸送機関におけるユーザが乗降するドアを有する一の空間、または、その他の作業役務の行われる場所であってもよい。輸送機関におけるユーザが乗降するドアを有する一の空間は、例えば、電車の1個の車両の車内であってもよく、バスの車内であってもよく、タクシーの車内であってもよく、船の船内であってもよく、飛行機の機内であってもよく、エレベータのカゴ内であってもよい。本実施の形態では、作業役務がエレベータによるユーザの輸送であり、画像取得部24は、エレベータのカゴ内の画像を取得する場合について主に説明する。画像取得部24は、図2で示されるように、エレベータのカゴ内に設置されたカメラで撮影された画像を取得してもよい。取得される画像は、作業役務場所に入ってくるユーザの顔を撮影する画像であってもよい。例えば、その画像がエレベータのカゴの画像である場合には、カゴの後方からドアの方を撮影した画像であってもよい。その取得は、画像の受け付けであってもよく、あるいは、画像の撮影であってもよい。後者の場合には、画像取得部24は、カメラを含んでもよい。また、画像は、静止画像であってもよく、あるいは、動画像であってもよい。画像が静止画像である場合であっても、作業役務場所内の変化が分かる程度の頻度(例えば、1秒ごと、2秒ごと等)でその画像が取得されることが好適である。
特徴情報取得部25は、ユーザ識別子に対応する特徴情報を取得する。ユーザ識別子に対応する特徴情報とは、そのユーザ識別子で識別されるユーザの特徴情報である。特徴情報とは、画像取得部24で取得されたユーザの画像を用いて、ユーザを特定するために用いられる情報である。例えば、ユーザの顔画像そのものであってもよく、ユーザの顔画像から抽出された特徴点に関する情報であってもよく、その他のユーザの特徴に関する情報であってもよい。特徴情報取得部25は、例えば、図示しない記録媒体で記憶されている、ユーザ識別子と特徴情報とを対応付ける情報を用いて、ユーザ識別子に対応する特徴情報を読み出すことによって特徴情報を取得してもよく、あるいは、他のサーバ等にユーザ識別子を送信し、そのサーバ等から、そのユーザ識別子に対応する特徴情報を受信することによって特徴情報を取得してもよい。
位置特定部26は、作業役務情報に含まれるユーザ識別子で識別されるユーザの作業役務場所内における位置を特定する。なお、作業役務場所内における位置は、例えば、作業役務場所そのものにおける位置(例えば、作業役務場所に設定された座標系における位置)であってもよく、あるいは、作業役務場所内を撮影した画像における位置(例えば、作業役務場所内の画像に設定された座標系における位置)であってもよい。ここで、位置特定部26がユーザの位置を特定する方法は問わない。位置特定部26は、例えば、(1)顔認識の技術を用いてユーザの位置を特定してもよく、(2)ユーザの位置から発せられる電波の強度を観測することによってユーザの位置を特定してもよく、その他の方法によってユーザの位置を特定してもよい。
(1)顔認識によりユーザの位置を特定する場合には、位置特定部26は、画像取得部24が取得した画像と、特徴情報取得部25が取得した特徴情報とを用いて、ユーザの位置を特定する。この場合には、特徴情報は、ユーザの顔画像に関する特徴情報であるとする。また、取得された画像は、作業役務場所に入ってくる人(例えば、カゴに乗車する人)の顔を撮影した画像であり、作業役務場所内のすべての人の頭部を撮影した画像であるとする。本実施の形態では、取得された画像は、前述のように、作業役務場所であるカゴの後方からドアの方を撮影した画像であるとする。位置特定部26は、具体的には、画像取得部24が取得した画像において、肌色検出、輪郭抽出等の技術を用いて、作業役務場所に入ってくる人の頭部領域を検出し、その頭部領域の特徴量を抽出する。ここで、この時点での頭部領域は、顔領域となる。そして、位置特定部26は、抽出した特徴量と、取得された特徴情報とを比較し、一致する場合に、検出された頭部領域の位置と、その頭部領域の特徴量と一致した特徴情報に対応するユーザ識別子とを対応付ける。ここで、一致するとは、厳密に一致する場合であってもよく、あるいは、両者があらかじめ設定されたしきい値以上、類似することであってもよい。なお、頭部領域は作業役務場所内で移動する。また、通常、作業役務場所であるカゴに乗った人は、ドアの方を向いて立つことになり、カゴ内での移動後には頭部の画像が撮影されることになる。そのため、位置特定部26は、カゴ内のドア付近でユーザの顔認識を行い、その後、その顔認識によってユーザ識別子と対応付けたユーザの頭部領域の位置を追跡することにより、ユーザの位置を特定してもよい。そのユーザの位置の追跡は、頭部領域以外を用いて行われてもよい。例えば、ユーザの服装の色や模様等の特徴を認識し、その特徴を用いてユーザの位置を追跡してもよい。このように、ユーザの位置を結果として特定することができるのであれば、その特定方法は問わない。なお、本実施の形態による情報処理システム100が適切に稼働している場合には、作業役務場所に入ってくる人(例えば、カゴに乗車する人)は、作業役務情報蓄積部22が蓄積した作業役務情報に含まれるユーザ識別子で識別されるユーザでありうる。したがって、特徴情報取得部25は、蓄積された作業役務情報に含まれるユーザ識別子に対応する特徴情報をあらかじめ取得しておき、位置特定部26は、そのようにして取得された特徴情報のみを用いて顔認識を行うようにしてもよい。そのようにすることで、すべてのユーザの特徴情報との比較を行う場合に比較して、顔認識の処理時間を短縮することができる。なお、この顔認識を用いたユーザの位置の特定を行う場合には、各ユーザは、ユーザ識別子と顔画像とをあらかじめ制御装置2やその他のサーバ等に送信し、その顔画像を用いて特徴情報が生成されていることが好適である。なお、顔画像に代えて特徴情報そのものが送信されてもよい。この(1)の場合には、位置特定部26によって特定される作業役務場所内の位置は、通常、作業役務場所内の画像における位置となるが、そうでなくてもよい。位置特定部26は、その画像における位置を、作業役務場所そのものにける位置に換算したものを作業役務場所内における位置として特定してもよい。
(2)ユーザの位置から発せられる電波の強度を観測してユーザの位置を特定する方法としては、例えば、(2−1)三点測量を用いる方法、(2−2)作業役務場所内の領域に応じた電波の強度を用いる方法などがある。いずれの場合であっても、作業役務場所に入ってくる各ユーザは、電波を発する機器を保持しており、位置特定部26は、その電波がどのユーザに対応するものであるのかを識別可能であるものとする。そのため、位置特定部26が電波の発信源の位置を特定することができれば、その位置に対応するユーザ識別子を特定することができることになる。その電波を発する機器は、例えば、端末装置1であってもよく、あるいは、その他の電子機器であってもよい。電波を発する機器は、例えば、携帯電話やPDA、RFIDを有する機器等であってもよい。この(2)の場合には、位置特定部26によって特定される作業役務場所内の位置は、通常、作業役務場所そのものにおける位置となるが、そうでなくてもよい。
(2−1)三点測量を用いる場合には、作業役務場所内の三点またはそれ以上の点において、ユーザの位置から発せられる電波の強度を観測する。そして、三点測量の手法を用いて、位置特定部26は、その各観測点における電波の強度から、作業役務場所内における位置を特定する。その結果、位置特定部26は、作業役務場所内におけるユーザの位置を特定することができる。
(2−2)作業役務場所内を複数の領域に区切り、その区切られた各領域において、ユーザの位置から発せられる電波の強度を観測する。そして、位置特定部26は、受信強度の最も高い領域に、その電波に対応するユーザが位置すると判断する。その結果、位置特定部26は、作業役務場所内において区切られたどの領域にユーザが位置するのかを特定することができる。
なお、ここでは、ユーザの位置を特定するいくつかの手法について説明したが、それ以外の方法を用いて作業役務場所内におけるユーザの位置を特定してもよいことは言うまでもない。また、位置特定部26は、ユーザの位置の特定結果として、ユーザ識別子と、そのユーザ識別子で識別されるユーザの位置とを対応付けて有する情報を図示しない記録媒体に蓄積し、その位置を定期的に更新してもよい。その定期的な更新が行われることによって、ユーザの移動に応じた最新のユーザの位置を管理できるようになる。また、ユーザが作業役務場所から出ていった場合(例えば、エレベータのカゴから降車した場合)に、位置特定部26は、そのユーザに対応するユーザ識別子と位置とを、図示しない記録媒体から削除してもよい。また、位置特定部26によって作業役務場所内におけるユーザの位置が特定されることによって、作業役務情報に含まれるユーザ識別子で識別されるユーザが作業役務場所に入ってきたのかどうかや、作業役務場所が複数存在する場合(例えば、エレベータのカゴや電車の車両が複数ある場合)には、そのユーザがどの作業役務場所に入ったのかなどを特定することもできる。したがって、そのようにして特定された、ユーザが作業役務場所に入ったのかどうかや、そのユーザがどの作業役務場所に入ったのかなどの情報を用いて、停止制御や、後述する表示画像の生成、判断処理等が行われてもよい。
表示画像生成部27は、表示画像を生成する。その表示画像は、画像取得部24が取得した作業役務場所内の画像において、位置特定部26が特定したユーザの位置に対応する領域に、ユーザの作業役務識別子を表示する画像である。また、その表示画像は、作業役務場所で表示される画像である。なお、表示画像生成部27は、その作業役務場所にいるユーザに対応する作業役務情報のみを用いて、その作業役務場所に対応する表示画像を生成することが好適である。また、複数の作業役務場所が存在する場合には、表示画像生成部27は、作業役務場所ごとに表示画像を生成することが好適である。
表示画像生成部27は、具体的には、画像取得部24が取得した画像を受け取り、その画像上における各ユーザの特定された位置を位置特定部26から受け取る。その結果、表示画像生成部27は、画像上における各ユーザの位置を特定できる。そして、表示画像生成部27は、作業役務情報蓄積部22が蓄積した作業役務情報を用いて、その特定された各ユーザに対応する作業役務識別子を取得する。例えば、画像において、あるユーザU001の位置が特定された場合には、そのユーザU001のユーザ識別子を含む作業役務情報を特定し、その作業役務情報に含まれる作業役務識別子を取得する。この作業役務識別子が、そのユーザU001に対応する作業役務識別子である。そして、表示画像生成部27は、画像におけるユーザの位置に対応する領域に、作業役務識別子を表示する画像を生成する。具体的には、表示画像生成部27は、作業役務識別子を示す画像を、ユーザの位置に対応する領域に重ねて表示する画像を生成してもよく、ユーザの位置に対応する領域の近傍に表示する画像を生成してもよい。なお、表示画像生成部27は、取得された画像において特定された各ユーザの位置について、その処理を行うものとする。その結果、作業役務場所内の画像において、各ユーザの頭部領域の位置に作業役務識別子の表示される画像である表示画像が生成されることになる。また、画像において、結果としてユーザの位置と、そのユーザの作業役務識別子とを対応付けることができるのであれば、表示画像である画像における作業役務識別子の表示はどのようなものであってもよい。例えば、作業役務識別子を示す文字列や数字、記号等をユーザの位置の近傍に表示してもよく、あるいは、作業役務識別子に応じた色で、画像におけるユーザの範囲を着色してもよい。後者の場合であっても、結果としてユーザの位置に対応する領域において、作業役務識別子を示す情報(色)が表示されたことになるからである。また、表示画像生成部27は、撮影されるユーザ自身が作業役務場所で見る表示画像を生成する場合に、画像取得部24が取得した画像を左右反転させた画像を用いて表示画像を生成してもよく、あるいは、そうでなくてもよい。前者のように左右反転させた画像を用いて表示画像を生成した場合には、例えば、作業役務場所で表示された表示画像における左右と、ユーザが実際に見る左右とが一致することになり、ユーザが左右の位置関係を把握しやすくなる。ここで、撮影された画像を左右反転させた画像を用いて表示画像を生成する場合には、表示画像生成部27は、例えば、作業役務識別子を表示する位置を特定する処理までを画像取得部24が取得した画像を用いて行い、その後、その画像を左右反転させ、その左右反転後の画像における対応する位置に作業役務識別子を表示する画像を生成してもよい。なお、取得された画像を左右反転させるタイミングはこれ以外であってもよい。また、画像の左右反転に応じて、適宜、位置を示す座標等を変換する処理を行ってもよい。
表示部28は、表示画像生成部27が生成した表示画像を作業役務場所内で表示する。その結果、その作業役務場所内の人が、表示画像の示す内容を知ることができるようになる。なお、その表示画像は、作業役務場所内のすべての人に表示されてもよく、あるいは、一部の人に表示されてもよい。例えば、作業役務場所が金融機関やアスレチッククラブである場合に、その金融機関等の従業員にのみ表示画像が表示されてもよく、あるいは、作業役務を行ったり、その提供を受けたりするユーザに対しても表示画像が表示されてもよい。また、表示画像が作業役務場所ごとに生成される場合には、表示部28は、生成された表示画像に対応する作業役務場所ごとに表示画像を表示することが好適である。ここで、この表示は、例えば、表示デバイス(例えば、CRTや液晶ディスプレイなど)での表示でもよく、あるいは、離れたところに存在する表示デバイス等への送信でもよい。後者の場合でも、結果として、送信先の表示デバイス等において表示画像が表示されるものとする。また、表示部28は、出力を行うデバイス(例えば、表示デバイスなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、表示部28は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは、それらのデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
ここで、本実施の形態では、表示画像がエレベータのカゴ内において表示される場合について説明するが、その場合に、表示画像は、エレベータホールにおいても表示されてもよい。そのようにすることで、エレベータホールで乗車を待っているユーザは、そのエレベータホールの階で降車する人数を知ることができ、円滑に乗車することができるようになる。
判断部29は、位置特定部26が特定したユーザの位置を用いて、輸送機関におけるユーザが乗降するドアを有する一の空間である作業役務場所の後方領域に、輸送機関の次の停止場所が行き先であるユーザが存在するかどうか判断する。作業役務場所の後方領域とは、作業役務場所内が混雑していた場合に、その領域にいる人が作業役務場所である輸送機関の空間から降りる際に、ドア付近にいる人によけてもらわなければならない領域、すなわち、ドアと反対側の領域である。なお、その作業役務場所である空間に複数のドアが存在する場合(例えば、電車の車両の場合等)には、ドアごとに後方領域が設定されていてもよい。作業役務場所に複数のドアが存在する場合であっても、出口のドアが1個である場合には、その出口のドアに対して後方領域が設定されていてもよい。また、その後方領域は、ドアから所定の条件を満たすほど遠い作業役務場所内の領域である。後方領域は、例えば、ドアからあらかじめ決められた長さ以上離れた領域であってもよく、ドアの存在する作業役務場所の辺からあらかじめ決められた長さ以上離れた領域であってもよい。その後方領域は、例えば、作業役務場所内においてあらかじめ決められた領域であってもよい。判断部29は、例えば、位置特定部26が特定したユーザの位置を用い、作業役務場所の後方領域にユーザが存在するかどうか判断し、ユーザが存在する場合に、その後方領域に存在するユーザの行き先が次の停止場所であるかどうか判断してもよい。あるいは、判断部29は、例えば、次の停止場所が行き先であるユーザを特定し、そのユーザの特定された位置が後方領域であるかどうかを判断してもよい。判断部29は、位置特定部26の特定結果により、ユーザ識別子と、作業役務場所内の位置との対応を知ることができる。また、判断部29は、作業役務情報蓄積部22が蓄積した作業役務情報により、ユーザ識別子と、作業役務識別子である行き先との対応を知ることができる。したがって、両者を用いることにより、判断部29は、各ユーザの位置と、行き先とを知ることができることになる。なお、判断部29が行う判断は、停止場所に停止する直前に行われることが好適である。停止場所に停止する直前とは、その停止場所に停止する直前の停止から、その停止場所に停止するまでであってもよい。例えば、停止場所が「東梅田」駅であり、その直前に「南森町」駅に停止した場合には、南森町に停止した後であり、東梅田に停止するまでの間が東梅田に停止する直前であってもよい。また、輸送機関がエレベータであり、行き先が行先階である場合には、例えば、停止場所が8階であり、その直前に5階に停止した場合には、5階に停止した後であり、8階に停止するまでの間が8階に停止する直前であってもよい。
ユーザ特定部30は、位置特定部26が特定したユーザの位置を用いて、後方領域にいる降りるユーザと、ドアとの間に位置するユーザを特定する。この特定は、判断部29によって、作業役務場所の後方領域に、輸送機関の次の停止場所が行き先であるユーザが存在すると判断された場合に行われることになる。そして、ユーザ特定部30は、その後方領域に存在する降りるユーザと、ドアとの間に位置するユーザ、すなわち、その降りるユーザが降りる際によけなければならないユーザを特定する。この特定は、その後方領域に存在する降りるユーザと、ドアとの間の領域を特定し、その特定した領域に含まれる、位置特定部26によって特定された位置を特定し、その特定した位置に対応するユーザを特定することによって行われてもよい。ユーザの特定は、結果として特定されたユーザが誰であるのかが分かるのであればどのような処理であってもよく、例えば、特定したユーザのユーザ識別子を図示しない記録媒体に蓄積することであってもよく、あるいは、特定したユーザのユーザ識別子に対応付けてフラグ等を設定することであってもよい。
通知情報送信部31は、判断部29により、後方領域に次の停止場所が行き先であるユーザが存在すると判断された場合に、後方領域にいるユーザが降りることを示す通知情報を送信する。通知情報は、その情報を受信した装置において、その情報が通知情報と判断されるものであれば、どのような情報であってもよい。例えば、通知情報は、その情報が通知情報であることを識別可能な情報を含むものであってもよい。その通知情報の送信のタイミングは、例えば、その停止場所に停止する直前であってもよい。停止場所に停止する直前とは、その停止場所に停止する直前の停止から、その停止場所に停止するまでであってもよい。また、通知情報送信部31は、ユーザ特定部30が特定したユーザに対応する端末装置1にのみ、通知情報を送信するものとする。なお、ユーザ識別子と、そのユーザ識別子で識別されるユーザの端末装置1のアドレスとが対応付けられて管理されており、通知情報送信部31は、次の停止場所が行き先であるユーザが後方領域に存在すると判断された場合に、ユーザ特定部30が特定したユーザのユーザ識別子に対応するアドレスを送信先のアドレスとして、通知情報を送信してもよい。また、通知情報送信部31は、作業役務場所内が混雑している場合にのみ、通知情報を送信し、そうでない場合には、送信しなくてもよい。作業役務場所内が混雑していない場合には、後方領域のユーザが降りることが困難ではないと考えられるからである。なお、混雑しているかどうかは、例えば、位置特定部26が位置を特定したユーザの数を用いて判断されてもよく、あるいは、作業役務場所の重さ(例えば、エレベータのカゴの重さ)を用いて判断されてもよい(具体的には、作業役務場所の重さがあるしきい値を超えた場合に混雑していると判断されてもよい)。また、結果として、作業役務場所内が混雑していない場合に通知情報が送信されないのであれば、その過程は問わない。例えば、作業役務場所内が混雑していない場合には、判断部29による判断処理が行われず、その結果として、通知情報が送信されなくてもよい。
なお、通知情報送信部31は、通知情報を端末装置1に直接送信してもよく、あるいは、サーバ等を介して間接的に送信してもよい。また、通知情報送信部31は、送信を行うための送信デバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、通知情報送信部31は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは送信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
次に、端末装置1の動作について図3のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)作業役務識別子受付部11は、作業役務識別子を受け付けたかどうか判断する。そして、作業役務識別子を受け付けた場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、ステップS104に進む。なお、この作業役務識別子の受け付けは、作業役務識別子記憶部16で記憶されている複数の作業役務識別子からの選択に応じた受け付けであってもよいことは前述の通りである。
(ステップS102)作業役務識別子蓄積部12は、作業役務識別子受付部11が受け付けた作業役務識別子を記録媒体に蓄積する。
(ステップS103)作業役務情報送信部13は、作業役務識別子蓄積部12が蓄積した作業役務識別子と、端末装置1のユーザを識別するユーザ識別子とを含む作業役務情報を構成し、その作業役務情報を制御装置2に送信する。そして、ステップS101に戻る。
(ステップS104)通知情報受信部14は、通知情報を受信したかどうか判断する。そして、通知情報を受信した場合には、ステップS105に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。
(ステップS105)通知出力部15は、後方領域にいるユーザが降りることを通知するための出力を行う。その出力は、前述のように、音出力や、振動の出力、表示等である。そして、ステップS101に戻る。
なお、図3のフローチャートでは、作業役務識別子が蓄積された後にすぐに作業役務情報の送信が行われる場合について示しているが、そうでなくてもよい。例えば、作業役務識別子が受け付けられて蓄積された後に、図示しない受付部が作業役務情報の送信の指示を受け付けた場合に、作業役務情報が送信されてもよい。また、その作業役務情報の送信は、例えば、ユーザが端末装置1をRFIDのリーダライタにかざすことによって行われてもよい。その場合には、端末装置1がRFIDのリーダライタにかざされることによって、端末装置1から制御装置2への作業役務情報の送信が行われることになる。また、図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。また、本実施の形態では、作業役務識別子が行き先であり、特にエレベータの行先階である場合について主に説明することは前述の通りである。
次に、制御装置2の動作について図4のフローチャートを用いて説明する。なお、このフローチャートでは、顔認識によってユーザの位置が特定される場合について説明する。本実施の形態では、作業役務が輸送機関であるエレベータによるユーザの輸送であり、作業役務識別子が行き先であるエレベータの行先階であり、輸送機関におけるユーザが乗降するドアを有する一の空間がエレベータのカゴである場合について説明する。
(ステップS201)作業役務情報受信部21は、作業役務情報を受信したかどうか判断する。そして、作業役務情報を受信した場合には、ステップS202に進み、そうでない場合には、ステップS204に進む。
(ステップS202)作業役務情報蓄積部22は、作業役務情報受信部21が受信した作業役務情報を記録媒体に蓄積する。その作業役務情報の蓄積の際に、その作業役務情報が受信された階に応じた乗車階も蓄積されるものとする。
(ステップS203)位置特定部26は、作業役務情報蓄積部22が新たに蓄積した作業役務情報に含まれるユーザ識別子を特徴情報取得部25に渡す。特徴情報取得部25は、そのユーザ識別子を受け取ると、そのユーザ識別子に対応する特徴情報を取得し、位置特定部26に渡す。位置特定部26は、その受け取った特徴情報を図示しない記録媒体に蓄積してもよい。そして、ステップS201に戻る。
(ステップS204)判断部29は、エレベータのカゴが行先階に停止する直前かどうか判断する。そして、行先階に停止する直前である場合には、ステップS205に進み、そうでない場合には、ステップS210に進む。例えば、判断部29は、停止制御部23からカゴの現在の階数を取得し、その階数と、作業役務情報蓄積部22が蓄積した作業役務情報に含まれる行先階とを比較し、作業役務情報に含まれる行先階に停止する直前かどうかを判断してもよく、あるいは、停止制御部23から、行先階に停止する直前であることを受け取った場合に、行先階に停止する直前であると判断してもよく、その他の方法によってこの判断を行ってもよい。また、この判断において、判断部29は、カゴが次に停止する停止階を特定するものとする。
(ステップS205)判断部29は、そのカゴが混雑しているかどうか判断する。なお、カゴが混雑しているかどうかについては、前述のように、カゴ内において位置特定部26が特定したユーザ数を用いて判断してもよく、あるいは、カゴの重さを用いて判断してもよい。そして、カゴが混雑している場合には、ステップS206に進み、そうでない場合には、通知情報を送信する必要がないためステップS201に戻る。
(ステップS206)判断部29は、次の停止階で降車するユーザが後方領域に存在するかどうか判断する。そして、存在する場合には、ステップS207に進み、そうでない場合には、ステップS201に戻る。
(ステップS207)ユーザ特定部30は、ステップS206において判断部29が後方領域に存在すると判断したユーザと、エレベータのカゴのドアとの間にいるユーザを特定する。
(ステップS208)ユーザ特定部30は、ステップS207でユーザを特定したかどうか判断する。そして、ユーザを特定した場合には、ステップS209に進み、そうでない場合には、ステップS201に戻る。
(ステップS209)通知情報送信部31は、ステップS207でユーザ特定部30によって特定されたユーザの端末装置1に、通知情報を送信する。そして、ステップS201に戻る。
(ステップS210)画像取得部24は、画像を取得したかどうか判断する。そして、画像を取得した場合には、ステップS211に進み、そうでない場合には、ステップS201に戻る。なお、画像取得部24は、通常、定期的に画像を取得し、その画像の取得に応じてステップS211に進むものとする。その画像の取得は、例えば、画像の受信であってもよく、あらかじめデジタルカメラ等で撮影された画像を取り込む処理であってもよい。なお、画像取得部24が取得する画像は、エレベータのカゴ内の最新の画像である。また、画像取得部24が取得した画像は、図示しない記録媒体に蓄積されてもよい。
(ステップS211)位置特定部26は、画像取得部24が取得したカゴ内の画像を用いて、カゴ内におけるユーザの位置を特定する。その位置の特定の際に、ステップS203で取得された特徴情報を用いてもよい。例えば、新たなユーザがエレベータのカゴに乗車した場合には、特徴情報を用いた位置の特定が行われることになる。なお、ユーザの位置の特定においては、前述のように、一度特定したユーザの頭部領域の追跡の処理も行われるものとする。また、位置特定部26は、位置の特定で特徴情報を用いた場合であって、あるユーザの顔領域の特徴量と一致した特徴情報が存在した場合に、特徴情報を蓄積した記録媒体から、そのユーザの顔領域の特徴量と一致した特徴情報を削除してもよい。
(ステップS212)表示画像生成部27は、画像取得部24が取得した画像上に、ユーザの行先階を表示する画像である表示画像を生成する。この表示画像は、位置特定部26によって特定されたユーザの位置を用いて生成されるものである。また、その生成された表示画像は、図示しない記録媒体に蓄積されてもよい。
(ステップS213)表示部28は、表示画像生成部27が生成した表示画像を、カゴ内に表示する。そして、ステップS201に戻る。
なお、図4のフローチャートにおいて、蓄積された作業役務情報を用いて停止制御部23によって行われるエレベータのカゴの停止制御については示していない。停止制御部23は、作業役務情報に対応する乗車階、及び作業役務情報に含まれる行先階でエレベータのカゴが停止するように制御する。なお、行先階での停止は、その行先階に対応するユーザがエレベータのカゴに乗車した場合にのみ行ってもよい。また、エレベータの複数のカゴについて制御を行う場合には、ステップS204〜S209の処理,及びS210〜S213の処理は、カゴごとに行われるものとする。また、図4のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
次に、本実施の形態による情報処理システム100の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例において、端末装置1は、スマートフォンであり、エレベータの行先階を入力したり、通知情報の受信に応じて降車通知を出力したりするアプリケーションがあらかじめインストールされているものとする。また、情報処理システム100とは異なる図示しない特徴情報管理サーバにおいて、図5で示される情報が保持されており、特徴情報取得部25は、その特徴情報管理サーバにユーザ識別子を送信し、その送信に応じて、そのユーザ識別子に対応する特徴情報を受信するものとする。図5において、ユーザ識別子と、特徴情報とが対応付けられている。例えば、ユーザ識別子「U001」で識別されるユーザ(以下、このユーザを「ユーザU001」とすることがある。他のユーザについても同様である)の特徴情報は「F001」である。
また、ユーザはあらかじめ、端末装置1を操作することにより、あるビルに対応するエレベータに応じた複数の作業役務識別子(複数の行先階)を、無線通信を介してダウンロードしているものとする。その用にしてダウンロードされた複数の作業役務識別子は、作業役務識別子記憶部16に蓄積されたものとする。
あるビルの2階のエレベータホールにいるユーザU001が端末装置1において、行先階を指定するアプリケーションを起動すると、それに応じて作業役務識別子記憶部16から各行先階が読み出され、図6で示されるように、それに応じた表示がなされる。その表示において、ユーザが、7階に対応する位置をタップしたとする。すると、行先階「7階」が作業役務識別子受付部11で受け付けられ、作業役務識別子蓄積部12によって記録媒体に蓄積される(ステップS101,S102)。そして、作業役務情報送信部13は、図示しない記録媒体で記憶されているユーザ識別子「U001」を読み出し、そのユーザ識別子と、行先階とを含む作業役務情報を構成し、制御装置2を宛先として送信する(ステップS103)。
その作業役務情報は、例えば、図2で示されるように、2階のエレベータホールに設置されたアンテナを介して、制御装置2の作業役務情報受信部21で受信される(ステップS201)。作業役務情報受信部21は、その作業役務情報が「2階」で受信されたため、その作業役務情報と、乗車階が「2階」である旨とを作業役務情報蓄積部22に渡す。すると、作業役務情報蓄積部22は、図7の最後のレコードで示されるように、作業役務情報受信部21から受け取った作業役務情報と、乗車階とを対応付けて図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS202)。図7において、作業役務情報と、乗車階と、カゴIDとが対応付けられている。作業役務情報は、ユーザ識別子と、作業役務識別子である行先階とを含む情報である。また、乗車階は、作業役務情報が受信された階を示している。なお、カゴIDについては後述する。
位置特定部26は、作業役務情報蓄積部22が新しい作業役務情報を蓄積したことを検知すると、その作業役務情報からユーザ識別子「U001」を取得し、特徴情報取得部25に渡す。すると、特徴情報取得部25は、そのユーザ識別子「U001」を特徴情報管理サーバに送信する。特徴情報管理サーバは、そのユーザ識別子を受信すると、そのユーザ識別子「U001」を検索キーとして図5で示される情報を検索し、ヒットしたレコードから、ユーザ識別子「U001」に対応する特徴情報「F001」を取得する。そして、特徴情報管理サーバは、その取得した特徴情報「F001」を、ユーザ識別子の送信元に送信する。特徴情報取得部25は、そのようにして送信された特徴情報「F001」を受信し、その特徴情報「F001」と、それに対応するユーザ識別子「U001」とを位置特定部26に渡す(ステップS203)。位置特定部26は、その特徴情報「F001」と、それに対応するユーザ識別子「U001」とを、ユーザの顔認識で用いる特徴情報等として、図示しない記録媒体に蓄積する。
その後、ユーザU001がエレベータのカゴに乗る際の処理について説明する。ここで、後方領域について説明する。図8(a)は、カゴに人がいない場合の画像取得部24が取得した画像である。すなわち、図8(a)の正方形の領域が、カゴ全体の領域となる。また、そのカゴにおいて、ドアの反対側の領域が後方領域(図8(a)の網掛けの領域)に設定されている。なお、後方領域の網掛けは、後方領域の位置を示すために行っているものであり、実際の画像には含まれない。
ユーザU001が作業役務情報を送信した時点に、エレベータのカゴAが、1階に停止していたとする。また、その時点において、図7で示されるように、乗車階「2」が設定されたため、停止制御部23は、カゴAを2階に停止させると判断し、カゴAを2階に停止させたとする。そして、ドアが開くと、エレベータホールにいたユーザU001が図8(b)で示されるようにカゴAに乗り込む。画像取得部24は、その際のカゴ内の画像を取得し、位置特定部26及び表示画像生成部27に渡す(ステップS210)。位置特定部26は、あらかじめ特徴情報取得部25から受け取っていた特徴情報を用いて、乗車してきたユーザの顔認識を行う。前述のように、乗車の際には、ユーザはカゴの後方側に向いているため、後方からドアの方を撮影したカゴ内の画像を用いることによって、位置特定部26は、ユーザの顔認識を行うことができる。具体的には、位置特定部26は、乗車したユーザの顔領域を肌色検出、輪郭抽出等によって特定し、その特定した顔領域から取得した特徴量と、あらかじめ蓄積した特徴情報の示す特徴量とを比較する。この場合には、特徴情報「F001」と、2階で乗車したユーザの顔領域から取得した特徴量とが一致したとする。すると、位置特定部26は、図9で示されるように、その特徴情報「F001」に対応するユーザ識別子「U001」と、その特徴情報「F001」と一致したユーザの頭部領域の画像上の位置(X17,Y17)と、その画像に対応するカゴのID「A」とを対応付けて図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS211)。図9の情報によって、カゴごとに、ユーザがどの位置にいるのかが示されることになる。また、ユーザU001がカゴAに乗車したため、位置特定部26は、図10で示されるように、作業役務情報蓄積部22が蓄積した、ユーザU001に対応する作業役務情報に対応付けて、カゴID「A」を追記する。したがって、図10で示されるカゴIDにより、各ユーザがどのカゴに乗車したのか、あるいは、まだ乗車していないのかを知ることができる。なお、ユーザU001がカゴAに乗車した後に、図8(c)で示されるように、カゴAの隅の方に移動した場合には、位置特定部26は、ユーザU001の頭部領域の移動を追跡し、それに応じて図9で示されるユーザU001に対応する位置の座標を更新するものとする。また、位置特定部26は、新たに乗車したユーザU001の位置の特定で用いたユーザ識別子「U001」と特徴情報「F001」とを、図示しない記憶部から削除してもよい。
位置特定部26によるユーザの位置の特定が行われると、表示画像生成部27は、図9の情報から、カゴIDが「A」であるユーザ識別子と、位置との対応を取得する。また、表示画像生成部27は、その取得したユーザ識別子に対応する行先階を、図10で示される作業役務情報から取得する。具体的には、表示画像生成部27は、図9の情報から取得したユーザ識別子を検索キーとして、図10の作業役務情報を検索し、ヒットした作業役務情報から行先階を取得する。そのようにして、画像における位置と、行先階とが紐付けられたため、表示画像生成部27は、画像における各位置に、その位置に対応する行先階の数字画像を表示する表示画像を生成する(ステップS212)。その表示画像は、例えば、図11(a)で示されるものである。そして、表示画像生成部27は、その表示画像と、カゴID「A」とを表示部28に渡す。すると、表示部28は、その受け取った図11(a)の表示画像を、カゴA内のモニタに表示する(ステップS213)。その結果、カゴA内のユーザは、カゴA内の他のユーザがどの階で降りるのかを容易に把握することができるようになる。例えば、3階で降車するユーザがドアから遠い位置にいることを知ることができる。
2階でユーザU001が乗車し、カゴAのドアが閉じられたタイミングで、停止制御部23は、カゴIDが「A」である図10のレコードにおいて、現在の停止階「2階」より上層であり、かつ、現在の停止階「2階」に最も近い次の停止階「3階」を特定し、判断部29に、カゴAの次の停止階が3階である旨を通知する。すると、判断部29は、カゴAが次の行先階「3階」に停止する直前であると判断し(ステップS204)、図10で示される情報を参照して、カゴA内の人数をカウントする。この場合には、7人である。また、6人以上乗車している場合に、混雑していると判断されるものとする。すると、判断部29は、カゴAが混雑していると判断し(ステップS205)、次の行先階「3階」で降車するユーザが後方領域に存在するかどうか判断する。具体的には、判断部29は、図10の情報を参照し、カゴIDが「A」であり、行先階が「3」であるすべてのレコードを検索する。そして、その検索でヒットしたレコードから、ユーザ識別子を取得する。この場合には、ユーザ識別子「U002」が取得される。すると、判断部29は、位置特定部26が順次、更新している図9の情報を参照し、そのユーザ識別子「U002」に対応する位置(X12,Y12)を取得する。また、あらかじめ設定されている後方領域に、その位置(X12,Y12)が含まれるかどうか判断する。この場合には含まれるものとする。すると、判断部29は、後方領域に降車するユーザが存在すると判断し(ステップS206)、ユーザ特定部30に、その後方領域に存在するユーザの位置(X12,Y12)を渡す。
ユーザ特定部30は、その位置を受け取ると、そのユーザの位置と、ドアの両端付近の点とを頂点とする三角形領域を設定し、その三角形領域に他のユーザの位置が存在するかどうか判断する。この場合には、図11(b)で示されるように、7階で降車するユーザU054の位置(X15,Y15)が、その三角形領域に含まれていたとする。すると、ユーザ特定部30は、ユーザ識別子「U054」を図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS207)。また、ユーザ特定部30は、ユーザを特定したと判断し、そのユーザのユーザ識別子「U054」を通知情報送信部31に渡す(ステップS208)。通知情報送信部31は、そのユーザ識別子「U054」を受け取ると、あらかじめ設定されている、ユーザ識別子と送信先とを対応付ける情報(図示せず)を参照し、そのユーザ識別子に対応する送信先を取得する。そして、通知情報送信部31は、その取得した送信先に対して、通知情報を送信する(ステップS209)。
その通知情報は、カゴAに乗車しているユーザU054が保持する端末装置1の通知情報受信部14で受信され(ステップS104)、通知出力部15に、通知情報が受信された旨が渡される。すると、通知出力部15は、振動デバイスで端末装置1を振動させると共に、ディスプレイに、図12で示されるように、後方に降車者のいる旨を表示する(ステップS105)。その結果、ユーザU054は、後方に降車者がいることを知ることができ、カゴAが3階に停止した際には、カゴ内のモニタを見て、降車者の障害にならない位置によけることによって、円滑な降車を実現することができるようになる。
なお、3階でユーザU002が降車すると、停止制御部23は、図10で示される情報から、ユーザU002を含むレコードを削除するものとする。また、3階でユーザが降車し、カゴAのドアが閉じられたタイミングで、停止制御部23は、判断部29にカゴAの次の停止階が5階である旨を通知する。すると、前述の処理と同様に、判断部29は、カゴが混雑しており、行先階「5」であるユーザが後方領域に存在すると判断し、その行先階「5」であるユーザU026の位置(X13,Y13)をユーザ特定部30に渡す(ステップS204〜S206)。ユーザ特定部30は、前述の処理と同様に、その位置(X13,Y13)を用いて、三角形領域を設定し、そこに他のユーザが存在するかどうか判断する。この場合には、図11(c)で示されるように、他のユーザが存在しなかったとする。すると、後方領域のユーザが5階で降車する際に障害となるユーザはいないことになり、通知情報は送信されない(ステップS207,S208)。
また、5階でユーザU026が降車する際に、図11(d)で示されるようにユーザU026が後方領域にいなかった場合には、判断部29は、後方領域に降車するユーザが存在しないと判断し、この場合にも通知情報が送信されないことになる(ステップS204〜S206)。
また、その後、7階に停車する直前に、図11(e)で示されるように、7階で降車する後方領域のユーザの前に、他のユーザが存在したとする。しかし、この場合には、カゴA内のユーザ数が6人未満であるため、判断部29は、混雑していないと判断し、通知情報の送信は行われないことになる(ステップS204,S205)。
以上のように、本実施の形態による情報処理システム100によれば、エレベータに乗車する各ユーザが、自らの有する端末装置1を用いて行先階を入力するため、制御装置2は、エレベータのカゴに乗車する各ユーザの行先階を知ることができるようになる。したがって、その行先階を用いて、表示画像を出力したり、通知情報を送信したりすることができ、エレベータの乗降を円滑にすることができる。その表示画像が、カゴ内の画像において、各ユーザの降車階を表示した画像である場合には、周りの人が何階で降車するのかを容易に把握することができるようになる。また、停止階で降車する後方領域のユーザにとって障害となるユーザに対して、通知情報を送信し、その旨を知らせることによって、ユーザの降車を円滑にすることもできる。また、その通知情報をユーザ特定部30が特定したユーザの端末装置1にのみ送信することによって、移動しなくてもよいユーザを煩わせることがないようにできる。
また、各ユーザが端末装置1を用いて行先階を入力することによって、カゴに乗車する各ユーザの行先階を知ることができるようになるため、情報処理システム100では、端末装置1を介さないで行先階を指定することができないようになっていてもよい。
なお、本実施の形態において、前述のように、表示画像生成部27が生成した表示画像を、カゴ内に加えて、あるいは、カゴ内に代えて、エレベータホールにおいても表示してもよい。例えば、各階において降車する人数を知りうる表示画像がエレベータホールで表示されることによって、カゴに乗車しようとしている人は、その階で降車する人数を知ることができ、乗車するタイミングを容易に把握することができる。その結果、各階での乗降時間が短くなり、円滑なエレベータ制御が可能となる。また、複数のカゴが管理されている場合には、カゴごとに生成された表示画像が、カゴごとに表示されてもよい。具体的には、各カゴのドア付近で、そのカゴに対応する表示画像が表示されてもよい。このように、表示画像生成部27が生成する表示画像は、作業役務場所内で表示される画像でなくてもよい。すなわち、表示部28は、表示画像を作業役務場所内で表示してもよく、作業役務場所外で表示してもよく、あるいは、その両方で表示してもよい。ここで、作業役務場所外とは、作業役務場所でないところであり、例えば、作業役務場所がエレベータのカゴである場合にはエレベータホールであってもよく、作業役務場所が輸送機関におけるユーザが乗降するドアを有する一の空間である場合には、鉄道のホームやバス停などにおける、ドアの開閉する位置の付近であってもよい。そのようにすることで、エレベータのカゴや電車、バス等に乗車しようとしている人は、そこで降車する人数を知ることができ、乗車タイミングを容易に把握できるようになる。また、作業役務が輸送機関によるユーザの輸送である場合に、作業役務場所外は、例えば、駅員や係員がいる部屋であってもよく、あるいは、運行管理室等であってもよい。
また、図11等の表示画像をエレベータのカゴ内で表示する際に、カゴの現在の階数をも一緒に表示してもよく、あるいは、そうでなくてもよい。後者の場合には、通常のエレベータのカゴと同様に、別の場所においてカゴの現在の階数が示されることが好適である。
また、本実施の形態において、作業役務情報蓄積部22が蓄積した作業役務情報を用いたその他の処理が行われてもよいことは言うまでもない。例えば、作業役務が輸送機関であるエレベータによるユーザの輸送である場合には、各ユーザの行先階を取得することができるため、例えば、各ユーザの降車階を知ることができるようになる。したがって、停止制御部23は、降車者の人数に応じて、ドアを開けておく時間を変えてもよい。すなわち、降車者が多いほど、より長い時間、ドアが空いているように制御してもよい。また、蓄積された作業役務情報を用いたその他の処理が行われてもよい。
また、本実施の形態では、エレベータのカゴの制御を行う場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。作業役務は、エレベータ以外の輸送機関によるユーザの輸送であり、作業役務識別子が行き先であってもよい。その場合には、制御装置2は、停止制御部23を備えていなくてもよい。
また、ユーザ特定部30は、ユーザを特定する際に、降車する後方領域にいるユーザの行き先と同じ行き先であるユーザについては、特定しなくてもよい。通知情報を送信するまでもなく、その行き先で、そのユーザも降車するからである。
また、本実施の形態による制御装置2では、ユーザ特定部30が特定したユーザの端末装置1に通知情報を送信する場合について説明したが、そうでなくてもよい。ある輸送機関における空間に関する通知情報を、その空間にいるすべてのユーザの端末装置1に送信してもよい。その場合には、通知情報送信部31は、蓄積された作業役務情報を用いて、判断部29による判断の対象となった輸送機関における空間にいるすべてのユーザを特定し、そのすべてのユーザに対応する端末装置1に、通知情報を送信してもよい。その場合には、制御装置2は、ユーザ特定部30を備えていなくてもよい。
また、本実施の形態では、後方領域に降りる者がいる場合に、通知情報を送信することによってそのことを通知する場合について説明したが、そうでなくてもよい。後方領域に降りる者がいたとしても、そのことを通知しなくてもよい。その場合には、端末装置1は、通知情報受信部14や通知出力部15を備えていなくてもよい。また、制御装置2は、判断部29や、通知情報送信部31を備えていなくてもよい。また、制御装置2においてユーザの位置の特定やユーザの特定等を行わなくてもよい場合には、制御装置2は、位置特定部26を備えていなくてもよい。
また、本実施の形態において、後方領域は、固定されたものであってもよく、あるいは、変化しうるものであってもよい。後者の場合には、例えば、輸送機関における空間が混雑しているときには、後方領域を広く設定し、その空間が混雑していないときには、後方領域を狭く設定してもよい。この設定は、例えば、判断部29によって行われてもよい。
また、本実施の形態において、図13で示されるように、端末装置1は、作業役務識別子受付部11と、作業役務識別子蓄積部12と、作業役務情報送信部13とを備えたものであり、制御装置2は、作業役務情報受信部21と、作業役務情報蓄積部22と、画像取得部24と、特徴情報取得部25と、位置特定部26と、表示画像生成部27と、表示部28とを備えたものであってもよい。なお、その場合における端末装置1の動作は、図14のフローチャートで示されるものであり、制御装置2の動作は、図15のフローチャートで示されるものである。図13〜図15の説明は、上述の通りであり、それらの説明を省略する。但し、作業役務は、輸送機関によるユーザの輸送に限定されるものではなく、その他の作業役務であってもよい。したがって、作業役務場所もエレベータのカゴに限定されるものではなく、その他の作業役務場所であってもよい。
また、本実施の形態において、作業役務識別子受付部11は、作業役務識別子記憶部16で記憶されている複数の作業役務識別子から選択された作業役務識別子を受け付ける場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。作業役務識別子受付部11は、例えば、ユーザが、物理的なキーボードや、タッチパネル上のキーボード等を介して入力した作業役務識別子を受け付けてもよい。そのような場合には、端末装置1は、作業役務識別子記憶部16を備えていなくてもよい。
ここで、作業役務が銀行で提供される「ローンの相談」や「口座開設」等である場合の具体例について簡単に説明する。なお、特に説明しないところについては、前述の具体例と同様であるとする。図16は、この具体例における情報処理システム100を示す模式図である。この具体例では、表示画像が銀行の受付において、銀行の担当者に提示されるものとする。
ユーザU001が銀行でローンの相談をしようと考え、図17で示されるように、端末装置1において、銀行の手続の予約を行うアプリケーションを起動したとする。そして、「ローンの相談」をタップしたとする。すると、作業役務識別子「ローンの相談」が作業役務識別子受付部11で受け付けられ、作業役務識別子蓄積部12で蓄積される。そして、その作業役務識別子と、ユーザ識別子「U001」とを含む作業役務情報が作業役務情報送信部13によって制御装置2に送信される。そのようにして送信された作業役務情報は、制御装置2の作業役務情報受信部21で受信され、作業役務情報蓄積部22によって、図18の最後のレコードで示されるように蓄積される。なお、そのようにして蓄積された作業役務情報を用いて、ローンの相談に関する予約が行われるものとする。また、その予約のために、適宜、日時が指定されてもよく、あるいは、直近の予約が行われてもよい。
その後、ユーザU001が銀行を訪問したとする。その際に、画像取得部24は、銀行のドア付近の画像を取得して位置特定部26と、表示画像生成部27とに渡す。位置特定部26では、特徴情報を用いた位置の特定が行われ、ユーザ識別子と、そのユーザ識別子で識別されるユーザの位置との対応を示す情報(図9と同様の情報)が図示しない記録媒体に蓄積される。その後、表示画像生成部27は、ユーザ識別子と、ユーザの位置との対応を示す情報を用いて、ユーザ識別子と、位置との対応を取得する。また、表示画像生成部27は、その取得したユーザ識別子に対応する作業役務識別子を、図18で示される作業役務情報から取得する。そして、表示画像生成部27は、画像取得部24が取得した画像において、ユーザの位置に対応する領域に作業役務識別子を表示する表示画像を生成して表示部28に渡す。その表示画像は、図19で示されるものであったとする。その後、表示部28は、その表示画像をモニタに表示する。その結果、受付の担当者は、その時点でドア付近にいるユーザが、何の目的で銀行に来たのかを容易に知ることができる。そして、向かって右側のユーザに対しては、例えば、ローンの相談場所が2階である旨を口頭で伝えることができ、また、向かって左側のユーザに対して、例えば、口座開設の窓口は1階の左手の方である旨を口頭で使えることができる。このようにして、受付の担当者は、ユーザから銀行への来訪の目的を聞かなくても、適切な案内をすることができ、ユーザの利便性が向上されることになる。同様のことは、例えば、アスレチッククラブや病院等においても行うことができる。なお、画像取得部24が取得した画像の範囲からユーザの位置が外れたタイミング等で、適宜、そのユーザのユーザ識別子を含む作業役務情報が削除されてもよく、そうでなくてもよい。
なお、本実施の形態では、位置特定部26が作業役務情報に含まれるユーザ識別子で識別されるユーザの位置を特定する場合について説明したが、そうでなくてもよい。位置特定部26は、作業役務情報蓄積部22が蓄積した作業役務情報に含まれるユーザ識別子で識別されるユーザ以外のユーザの位置をも特定してもよい。例えば、顔認証の技術を用いてユーザの位置を特定する場合には、位置特定部26は、作業役務情報に含まれるユーザ識別子で識別されるユーザの特徴情報において、肌色検出等の技術によって検出した頭部領域の特徴量に一致する特徴情報が存在しなかった際に、その頭部領域の位置を、作業役務情報に含まれるユーザ識別子で識別されるユーザ以外のユーザの位置として特定してもよい。また、例えば、電波の強度の観測によりユーザの位置を特定する場合には、位置特定部26は、作業役務情報に含まれるユーザ識別子で識別されるユーザ以外の電波を検出した際に、その電波に応じた位置を、作業役務情報に含まれるユーザ識別子で識別されるユーザ以外のユーザの位置として特定してもよい。
また、表示画像生成部27は、画像取得部24が取得した作業役務場所内の画像において、位置特定部26が特定した、作業役務情報に含まれるユーザ識別子で識別されるユーザ以外のユーザの位置に対応する領域に、そのユーザに対応する作業役務識別子が不明であることをも表示する表示画像を生成してもよい。すなわち、表示画像生成部27は、作業役務場所内の画像において、各ユーザの位置に対応する領域に、そのユーザの作業役務識別子が分かる場合には、その作業役務識別子を表示し、そのユーザの作業役務識別子が分からない場合には、作業役務識別子が不明である旨を表示する表示画像を生成してもよい。作業役務識別子が不明であることの表示は、例えば、「?(疑問符)」や「不明」等の文字の表示であってもよい。
例えば、前述の具体例と同様の状況において、2階で降車するユーザがいたために、エレベータのカゴAが2階に停止したとする。そして、位置特定部26が、あらかじめ特徴情報取得部25から受け取っていた特徴情報を用いて、その2階で乗車してきたユーザの顔認識を行った結果、一致する特徴情報がなかったとする。すると、位置特定部26は、図20で示されるように、ユーザ識別子「ヌル(Null)」と、肌色検出等によって特定されたユーザの位置(X18,Y18)と、その画像に対応するカゴID「A」とを対応付けて図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS211)。その後、表示画像生成部27は、前述のようにして表示画像を生成する。その際に、位置(X18,Y18)のユーザについては、対応する作業役務識別子(行先階)が存在しないため、その位置に対応付けて、作業役務識別子が不明である旨の「?」を表示する表示画像を生成する(ステップS212)。その表示画像は、例えば、図21(a)で示されるものである。なお、表示画像生成部27は、「?」に代えて「不明」を表示する図21(b)で示される表示画像を生成してもよい。その表示がなされることによって、エレベータのカゴAに乗車している者は、行先階の分からない不審な者が乗車していることを容易に把握することができ、例えば、セキュリティーの担当者等に通報することなどができる。また、制御装置2は、作業役務情報に含まれるユーザ識別子で識別されるユーザ以外のユーザに関する位置の特定を検知する図示しない検知部と、その検知部による検知に応じて、その検知の行われた旨を出力する図示しない出力部とをさらに備えてもよい。その検知部は、例えば、図20で示される、ユーザの位置の特定結果を参照し、作業役務情報に含まれるユーザ識別子に対応しない位置が特定された場合に、そのことを検知してもよい。図20の例の場合には、その図示しない検知部は、ユーザ識別子がヌルであるレコードが存在するかどうか判断し、存在すると判断した場合に、その検知を行ってもよい。また、その図示しない出力部は、検知が行われた旨を、例えば、あらかじめ決められた送信先に送信してもよく、セキュリティー管理の部署等において表示してもよく、音声出力を行ってもよく、印刷を行ってもよく、あるいは、その他の出力を行ってもよい。なお、その図示しない出力部は、出力を行うデバイス(例えば、表示デバイスやプリンタなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、その出力部は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは、それらのデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。なお、位置の検出や表示画像の生成以外の処理は、前述の説明と同様であるため、その説明を省略する。
ここで、エレベータの具体例の場合について説明したが、銀行の場合であっても同様である。例えば、作業役務情報に含まれるユーザ識別子で識別されるユーザ以外のユーザの位置をも特定された場合には、図21(c)で示される表示画像が生成され、表示されることになる。これにより、例えば、受付の担当者は、作業役務識別子が不明のユーザに対して、どのような手続のために銀行に来たのかを聞くことによって、目的の窓口等に案内することができうる。
また、本実施の形態では、あらかじめ特徴情報を取得して蓄積しておき、その蓄積した特徴情報を用いてユーザの位置の特定を行う場合について説明したが、そうでなくてもよい。すなわち、すべての特徴情報を用いて、ユーザの位置を特定してもよい。
また、本実施の形態では、顔認証を行うことによって、ユーザの位置を特定する場合について主に説明したが、前述のように、それ以外の方法によってユーザの位置を特定してもよいことは言うまでもない。顔認証以外によってユーザの位置を特定する場合には、位置特定部26は、特徴情報を用いないでユーザの位置の特定を行ってもよい。そのように、特徴情報を用いないでユーザの位置の特定が行われる場合には、制御装置2は、特徴情報取得部25を備えていなくてもよい。
また、本実施の形態において、行先階等の作業役務識別子を他人に知られたくないユーザは、作業役務識別子の非表示設定を行うことができてもよい。例えば、作業役務情報は、あらかじめユーザが端末装置1で設定している表示/非表示の設定を含み、非表示設定の作業役務情報が制御装置2で受信された場合には、その非表示設定に応じて、表示画像等において、そのユーザに対応する作業役務識別子が出力されないようにしてもよい。ただし、例えば、作業役務が輸送機関であるエレベータによるユーザの輸送である場合には、カゴの停止制御においては、その作業役務識別子である行先階も用いられるものとする。また、その場合には、判断部29による判断においても、その作業役務識別子である行先階が用いられてもよい。
また、本実施の形態による端末装置1において、受け付けられた作業役務識別子をすぐに送信してもよい。その場合には、端末装置1は、作業役務識別子を蓄積する作業役務識別子蓄積部12を備えなくてもよい。すなわち、作業役務情報送信部13は、作業役務識別子受付部11が受け付けた作業役務識別子を含む作業役務情報を送信してもよい。
また、本実施の形態において、作業役務識別子は、処理の途中で変換されてもよい。例えば、端末装置1から送信される作業役務情報に含まれる作業役務識別子は、「A001」であり、その作業役務識別子を表示する表示画像が生成される際には、その作業役務識別子「A001」が、それに対応する「ローンの相談」に変換されて用いられてもよい。
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、あるいは、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いるしきい値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していない場合であっても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いるしきい値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していない場合であっても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
また、上記実施の形態において、端末装置1または制御装置2に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、あるいは、別々のデバイスを有してもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。なお、上記実施の形態における端末装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、コンピュータを、ユーザが行う作業またはユーザに提供される役務である作業役務を識別する作業役務識別子を受け付ける作業役務識別子受付部、作業役務識別子受付部が受け付けた作業役務識別子、及び、端末装置のユーザを識別するユーザ識別子を含む作業役務情報を送信する作業役務情報送信部として機能させるためのプログラムである。
また、上記実施の形態における制御装置2を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、端末装置から送信された、端末装置のユーザを識別するユーザ識別子、及び、ユーザが行う作業またはユーザに提供される役務である作業役務を識別する作業役務識別子を含む作業役務情報を受信する作業役務情報受信部、作業役務情報受信部が受信した作業役務情報を蓄積する作業役務情報蓄積部、作業役務情報に含まれるユーザ識別子で識別されるユーザの作業役務の行われる場所である作業役務場所内におけるユーザの位置を特定する位置特定部、作業役務場所内の画像を取得する画像取得部、画像取得部が取得した作業役務場所内の画像において、位置特定部が特定したユーザの位置に対応する領域に、ユーザの作業役務識別子を表示する画像である表示画像を生成する表示画像生成部、表示画像生成部が生成した表示画像を表示する表示部として機能させるためのプログラムである。
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する受付部や、情報を送信する送信部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には少なくとも含まれない。
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
図22は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による端末装置1、制御装置2を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
図22において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
図23は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図23において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANやWAN等への接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による端末装置1、制御装置2の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による端末装置1、制御装置2の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。