JP5766541B2 - タイヤ - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ10の斜視図である。空気入りタイヤ10は、トレッドに転がり抵抗の低いゴムが用いられ、空気入りタイヤ10が装着される自動車の省燃費に配慮されたタイヤである。なお、空気入りタイヤ10には、窒素ガスなどの不活性ガスを充填してもよい。
図2は、空気入りタイヤ10のトレッド展開図である。図3は、ブロック状陸部100及びリブ状陸部200の斜視図である。
ブロック状陸部100は、陸部110及び陸部160を含む。陸部110は、周方向溝23に隣接し、周方向溝23よりもトレッド幅方向内側に位置する。陸部160は、陸部110及びタイヤ赤道線CL近傍に形成された周方向溝22に隣接する。陸部160は、タイヤ赤道線CLを基準として、陸部110よりもトレッド幅方向内側に位置する。本実施形態において、陸部110は第1陸部を構成し、陸部160は第2陸部を構成する。 また、ブロック状陸部100には、傾斜面120及び傾斜面170が形成される。傾斜面120は、くさび状である。具体的には、傾斜面120は、トレッド幅方向内側に向かうに連れて、溝深さ(タイヤ径方向内側に向かう深さ)が深くなるとともにタイヤ周方向における溝幅(タイヤ周方向の面幅)が狭くなる。傾斜面120では、空気入りタイヤ10のトレッド面視において、陸部110に隣接した状態でトレッド幅方向内側に向かって、そのタイヤ周方向における幅の中心を通る線L1が、トレッド幅方向に対して斜めに延在する。なお、傾斜面120が形成されることによって、ブロック状陸部100には、傾斜溝400が形成される。
リブ状陸部200は、陸部210及びリブ細溝260を含む。互いに隣接する陸部210の間には、リブ細溝260が形成される。リブ状陸部200は、周方向溝22に隣接するとともに、周方向溝22を介してブロック状陸部100と略平行にタイヤ周方向に延びる。
図4は、図2に示したF4−F4線に沿った空気入りタイヤ10の断面図である。同様に、図5(a)は、図2に示したF5A−F5A線に沿った空気入りタイヤ10の断面図であり、図5(b)は、図2に示したF5B方向からの矢視図である。
図4に示すように、傾斜面170は、陸部110と陸部160との間に形成される。具体的には、傾斜面170のトレッド幅方向内側の端部173は、陸部160に連なる。より詳細には、端部173は、陸部160の踏面に連なる。また、傾斜面170は、陸部110のトレッド幅方向内側の端部111に沿って延在する。
図5(a)及び(b)に示すように、傾斜面120は、タイヤ周方向において隣接する陸部160の間に形成される。具体的には、隣接する陸部160の間には、傾斜面120とブロック間細溝180が形成される。傾斜面120は、周方向溝22に向かって徐々に深さが深くなるように傾斜している。ブロック間細溝180の溝深さは、傾斜面120の最深部よりも深い。
図2に示すように、空気入りタイヤ10のトレッド面視において、傾斜面170のタイヤ周方向における溝幅W2(タイヤ周方向における面幅)は、傾斜面120のタイヤ周方向における溝幅W1(タイヤ周方向における面幅)よりも広い。また、図2及び図3に示すように、空気入りタイヤ10のトレッド面視において、傾斜面120のトレッド幅方向外側の端部122は、傾斜面170のタイヤ周方向における端部172(他端部)と接している。さらに、図5(b)に示すように、傾斜面120と傾斜面170との接点部分Pのタイヤ径方向における高さHは、ブロック状陸部100の踏面Tと略同一である。つまり、傾斜面120の端部122と、傾斜面170の端部172と、ブロック状陸部100の踏面Tとは、タイヤ径方向において、同一高さHである。
図6は、図2に示したF6方向からの矢視図である。図7は、図2に示したF7−F7線に沿った空気入りタイヤ10の断面図である。図6に示すように、陸部210のタイヤ周方向における一端に位置する突端部分211は、陸部210の側面視において、周方向溝21の溝底に向かって円弧状に面取りされている。
次に、本発明の効果を更に明確にするために、以下の比較例及び実施例に係る空気入りタイヤを用いて行った比較評価について説明する。具体的には、(5.1)各空気入りタイヤの構成、(5.2)評価結果について説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
まず、各空気入りタイヤの構成について、図面を参照しながら簡単に説明する。図8は、比較例に係る空気入りタイヤ10Xのトレッド展開図である。
次に、各空気入りタイヤを用いて行った評価結果について、表1を参照しながら説明する。具体的には、(5.2.1)ハイドロプレーニング評価、(5.2.2)操縦安定性評価について説明する。
各空気入りタイヤを装着した車両を速度80km/hで走行させ、当該車両に装着された右輪のみを水深10mmの雨路に進入させて加速し、比較例に係る空気入りタイヤ10Xが装着された車両に装着された左右両輪の速度差(スリップ)が発生した速度(ハイドロプレーニング発生速度)を100とし、実施例に係る空気入りタイヤ10のハイドロプレーニング発生速度を指数化した。なお、指数が大きいほど、排水性に優れている。
ドライ路面及びウエット路面のそれぞれのテストコースにおいて、比較例に係る空気入りタイヤ10Xが装着された車両の操縦安定性(直進時やコーナリング時等)を‘100’とし、実施例に係る空気入りタイヤ10が装着された車両の操縦安定性をプロドライバーによりフィーリング評価した。なお、指数が大きいほど、操縦安定性に優れている。
空気入りタイヤ10によれば、空気入りタイヤ10が車両に装着された場合に周方向溝22よりもトレッド幅方向外側に位置するブロック状陸部100に、傾斜面120と傾斜面170とが形成される。傾斜面120と傾斜面170とは、トレッド幅方向において異なる位置に設けられる。さらに、傾斜面120の延在方向と傾斜面170の延在方向、すなわち、傾斜面120の傾斜方向と傾斜面170の傾斜方向とは異なる。
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
Claims (8)
- タイヤ周方向に延びる周方向溝が形成され、
前記周方向溝よりもトレッド幅方向外側において、タイヤ周方向に沿って複数のブロック状陸部が設けられたタイヤであって、
トレッド幅方向内側に向かうに連れて、溝深さが深くなるとともにタイヤ周方向における溝幅が狭くなる第1傾斜面と、
トレッド幅方向外側に向かうに連れて、溝深さが深くなるとともにタイヤ周方向における溝幅が狭くなる第2傾斜面と
が形成され、
前記ブロック状陸部は、
第1陸部と、
前記第1陸部に隣接し、前記第1陸部よりもトレッド幅方向内側に位置する第2陸部とを有し、
前記第1傾斜面のトレッド幅方向外側の端部は、前記第1陸部に連なるとともに、前記第1傾斜面のトレッド幅方向内側の端部は、前記第2陸部のタイヤ周方向における端部に沿って前記周方向溝に向けて延在し、
前記第2傾斜面のトレッド幅方向内側の端部は、前記第2陸部に連なるとともに、前記第2傾斜面は、前記第1陸部のトレッド幅方向内側の端部に沿って延在し、
前記タイヤのトレッド面視において、前記第1傾斜面のトレッド幅方向外側の端部は、前記第2傾斜面のタイヤ周方向における他端部と接し、
前記第1傾斜面のトレッド幅方向外側の端部と、前記第2傾斜面のタイヤ周方向における他端部とが接する接点部分のタイヤ径方向における高さは、前記ブロック状陸部の踏面と略同一であるタイヤ。 - 前記第1傾斜面のトレッド幅方向内側の端部は、前記周方向溝に連通する請求項1に記載のタイヤ。
- 前記第2傾斜面のタイヤ周方向における溝幅は、前記第1傾斜面のタイヤ周方向における溝幅よりも広い請求項1または2に記載のタイヤ。
- 互いに隣接する前記ブロック状陸部の間には、トレッド幅方向に延びるブロック間細溝が形成され、
前記ブロック間細溝は、前記第2傾斜面のタイヤ周方向における一端部に連通する請求項3に記載のタイヤ。 - 前記ブロック間細溝は、前記第1傾斜面と隣接する請求項4に記載のタイヤ。
- 前記周方向溝に隣接するとともに、前記周方向溝を介して前記ブロック状陸部と略平行にタイヤ周方向に延びるリブ状陸部が設けられ、
前記リブ状陸部には、前記リブ状陸部の一方の側端から他方の側端まで延びるリブ細溝が形成され、
前記タイヤのトレッド面視において、前記ブロック間細溝の延在方向は、前記リブ細溝の延在方向と略同一である請求項4乃至5の何れか一項に記載のタイヤ。 - トレッド面視において、前記第1傾斜面の前記第2陸部側の側端の形状と、前記第2傾斜面の前記第1陸部側の側端の形状は、円弧状である請求項1乃至6の何れか一項に記載のタイヤ。
- 前記ブロック状陸部には、サイプが形成されており、
前記ブロック間細溝と前記サイプとは、タイヤ周方向に対して斜めに延びる直線上に形成される請求項4乃至6の何れか一項に記載のタイヤ。
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