JP2010125901A - タイヤ - Google Patents

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仁 永井
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Abstract

【課題】比較的簡素な形状のサイプを用いて所望の制動性能を確保しつつ、雪氷上性能をさらに向上させたタイヤの提供する。
【解決手段】本発明に係るタイヤは、トレッドのショルダー部に溝によって区画された陸部を備え、陸部にタイヤ幅方向に延びるサイプ80が形成され、サイプ80には、サイプ80の溝深さが最も深い最深溝底部802よりも浅い溝深さを有する上げ底部800とが形成され、上げ底部800は、タイヤに車両重量が掛けられた荷重時において、トレッドが路面に接地するショルダー陸部側の端部である第1接地端W1aよりもショルダー陸部側に位置し、タイヤが装着された車両の制動に伴って、タイヤに車両重量が掛けられた荷重時よりも大きい荷重が掛けられた重荷重時において、トレッドが路面に接地するショルダー陸部側の端部である第2接地端W2aよりもタイヤ赤道線側に位置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、トレッドのショルダー陸部に溝と、ショルダー陸部にタイヤ幅方向に延びるサイプと、が形成されたタイヤに関する。
従来、自動四輪車などの車両に装着されるタイヤでは、雪氷上性能を向上させるため、トレッドに設けられたブロック状の陸部にタイヤ幅方向に延びる多数のサイプを形成したり、サイプの深さを深くしたりする方法が広く用いられている。
このようなタイヤでは、サイプに入った雪に働く雪柱せん断力や、サイプやトレッドパターンのエッジに働くエッジ効果(掘り起こし摩擦力)によって、雪氷上性能、具体的には、氷雪路における制動力やトラクションが向上する(例えば、特許文献1)。
特許第3964693号公報(第3−4頁、第1図)
しかしながら、上述した従来のタイヤには、次のような問題があった。すなわち、ブロック状の陸部に多数のサイプを形成したり、サイプの深さを深くしたりすると、陸部の剛性(以下、ブロック剛性)が低下し、所望の制動性能の確保が困難になる。
このような問題を解消するためには、例えば、複雑なサイプの形状、例えば、周方向、トレッド幅方向及び溝深さ方向において形状が変化する、いわゆる3次元サイプを用いればよい。しかしながら、サイプの形状を複雑にすると、タイヤの製造コストを押し上げる別の問題を惹起する。
そこで、本発明は、比較的簡素な形状のサイプを用いて所望の制動性能を確保しつつ、雪氷上性能をさらに向上させたタイヤの提供を目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、トレッドのショルダー陸部に溝と、ショルダー陸部にタイヤ幅方向に延びるサイプ(例えば、サイプ80)とが形成されたタイヤ(空気入りタイヤ1)であって、サイプには、サイプの溝深さが最も深い最深溝底部(例えば、最深溝底部802)よりも浅い溝深さを有する上げ底部(例えば、上げ底部800)が形成され、上げ底部は、タイヤに車両重量が掛けられた荷重時において、トレッドが路面に接地するショルダー陸部側の端部である第1接地端(例えば、第1接地端W1a)よりもショルダー陸部側に位置し、タイヤが装着された車両の制動に伴って、タイヤに車両重量の荷重が掛けられた荷重時よりも大きい荷重が掛けられた重荷重時において、トレッドが路面に接地するショルダー陸部側の端部である第2接地端(例えば、第2接地端W2a)よりもタイヤ赤道線側に位置することを要旨とする。
このようなタイヤによれば、サイプに形成された上げ底部は、第1接地端よりもショルダー陸部側に位置するため、サイプは、荷重時において、上げ底部の影響を受けること無く、サイプに入った雪に働く雪柱せん断力や、サイプやトレッドパターンのエッジに働くエッジ効果を発揮できる。
また、上げ底部は、最深溝底部よりも浅い溝深さを有し、第2接地端W2aよりもタイヤ赤道線側に位置するため、重荷重時において、サイプが形成される陸部の変形を抑制し、陸部の剛性が低下することを抑制できる。
つまり、このようなタイヤは、荷重時において、サイプにより雪氷上性能を向上し、重荷重時において、ブレーキ性能等の所望の制動性能を確保できる。従って、タイヤは、上げ底部が形成されたサイプ(比較的簡素な形状のサイプ)を用いて所望の制動性能を確保しつつ、雪氷上性能を更に向上できる。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、上げ底部は、第1接地端の位置から第2接地端の位置まで形成されることを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、本発明の第1又は第2の特徴に係り、上げ底部はサイプのショルダー陸部側端部(例えば、側端部80a)と、サイプのタイヤ赤道線側端部(例えば、側端部80b)との間のうち、サイプの中央部分に形成されることを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、本発明の第1乃至3の何れか一つの特徴に係り、上げ底部の溝深さは、サイプの溝深さが最も深い最深部の溝深さの40%以下であることを要旨とする。
本発明の特徴によれば、比較的簡素な形状のサイプを用いて所望の制動性能を確保しつつ、雪氷上性能をさらに向上させたタイヤを提供できる。
次に、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[実施形態]
本実施形態においては、(1)タイヤの構成、(2)サイプの詳細構成、(3)荷重が掛けられた際のタイヤの説明、(4)比較評価、(5)作用・効果、(6)その他の実施形態について説明する。
(1)タイヤの構成
図1は、本発明の実施形態において空気入りタイヤ1を構成するトレッドの展開図である。本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ1は、自動四輪車に装着される。空気入りタイヤ1は、周方向溝により区画される陸部を備えている。陸部には、横溝と、サイプとが形成されている。
空気入りタイヤ1におけるトレッド表面に形成される各部位について説明する。具体的には、(1.1)周方向溝、(1.2)陸部、(1.3)横溝、(1.4)サイプについて説明する。
(1.1)周方向溝
空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向Rに沿って延びる周方向溝を備える。具体的には、空気入りタイヤ1は、タイヤ赤道線CL上に沿って形成される周方向溝10と、周方向溝10から一方のタイヤ径方向外側に向かって、順に、周方向溝12、周方向溝14、周方向溝16とを備える。また、空気入りタイヤ1は、周方向溝10から他方のタイヤ径方向外側に向かって、順に、周方向溝18、周方向溝20、周方向溝22を備える。
(1.2)陸部
空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向Rに沿って延び、路面と接地する陸部を備える。
具体的には、空気入りタイヤ1は、タイヤ赤道線CLから一方のタイヤ径方向外側に向かって、順に、陸部30、陸部32、陸部34、ショルダー陸部36を備える。また、空気入りタイヤ1は、タイヤ赤道線CLから他方のタイヤ径方向外側に向かって、順に陸部38、陸部40、陸部42、ショルダー陸部44を備える。
ショルダー陸部36は、周方向溝16によって区画され、トレッドのショルダー部に位置する。ショルダー陸部44は、周方向溝22によって区画され、トレッドのショルダー部に位置する。
空気入りタイヤ1に車両重量の荷重が掛けられた荷重時において、路面に接地するトレッドの幅をW1と示す。空気入りタイヤ1が装着された車両の制動に伴って、空気入りタイヤ1に荷重時よりも大きい荷重が掛けられた重荷重時において、路面に接地するトレッドの幅をW2と示す。つまり、空気入りタイヤ1のトレッドの幅は、荷重時から重荷重時に変化した場合に、W1からW2へ増える。
(1.3)横溝
陸部には、周方向溝と交差する横溝が形成される。具体的には、空気入りタイヤ1の陸部には、横溝50、横溝52、横溝54、横溝56、横溝58、横溝60、横溝62、横溝64、横溝66、横溝68が形成される。
(1.4)サイプ
空気入りタイヤ1には、陸部にタイヤ幅方向(以下、トレッド幅方向WTR)に延びるサイプが形成される。空気入りタイヤ1は、横溝又は周方向溝に連なるサイプを備える。具体的には、空気入りタイヤ1は、サイプ70、サイプ72、サイプ74、サイプ76、サイプ78、サイプ80、サイプ82、サイプ84、サイプ86、サイプ90、サイプ92、サイプ94を備える。
(2)サイプの詳細構成
ショルダー陸部36及びショルダー陸部44に形成されたサイプ80及びサイプ90の詳細構成について、説明する。具体的には、(2.1)溝底部、(2.2)上げ底部の詳細構成について、図2乃至5を用いて説明する。
(2.1)溝底部
図2は、図1に示す空気入りタイヤ1を構成するトレッドのサイプ80を通る一部断面図である。図3は、図1に示す空気入りタイヤ1を構成するトレッドのサイプ90を通る一部断面図である。図4は、図2に示す空気入りタイヤ1を構成するトレッドの一部拡大断面図である。図5は、図3に示す空気入りタイヤ1を構成するトレッドの一部拡大断面図である。
図2に示すように、サイプ80には、サイプ80の溝深さが最も深い最深溝底部802と、最深溝底部802よりも浅い溝深さを有する上げ底部800、溝底部804とが形成される。
サイプ80の溝深さとは、路面に設置するトレッド面から、サイプ80のタイヤ径方向の溝底部までの距離である。最深溝底部802の溝深さは、例えば、周方向溝10及び周方向溝14の溝深さと同じ深さに設定されている。
図3に示すように、サイプ90には、サイプ90の溝深さが最も深い溝底部902と、溝底部902よりも浅い溝深さを有する上げ底部900、溝底部904とが形成される。サイプ90の溝深さとは、サイプ80の溝深さと同様であるため、詳細の記載は省略する。
(2.2)上げ底部
図2に示すように、サイプ80には、サイプ80のショルダー陸部側端部である側端部80aと、サイプ80のタイヤ赤道線CL側端部である側端部80bとの間のうち、側端部80b側から順に、最深溝底部802、上げ底部800、溝底部804が形成される。上げ底部800は、最深溝底部802及び溝底部804よりも浅い溝深さを有する。
上げ底部800は、側端部80aと、側端部80aとの間のうち、サイプ80の中央部分に形成される。
上げ底部800のトレッド幅方向WTRの幅は、サイプ80のトレッド幅方向WTRの幅の5%以上30%以下に形成される。
上げ底部800は、空気入りタイヤ1に車両重量の荷重が掛けられた荷重時において、トレッドが路面に接地するショルダー陸部側の端部である第1接地端W1aよりもショルダー陸部側に位置する。
具体的には、上げ底部800は、第1接地端W1aの位置から第2接地端W2aの位置まで連続的に形成される。
図4に示すように、上げ底部800の溝深さD800は、サイプ80の溝深さが最も深い最深部の溝深さD80の40%以下である。上げ底部800の溝深さD800とは、路面に設置するショルダー陸部36のトレッド面f36から、上げ底部800までの距離である。また、サイプ80の溝深さが最も深い最深部の溝深さD80とは、路面に設置するトレッド面f36から、サイプ80のタイヤ径方向の最深部までの距離である。
図3に示すように、サイプ90には、サイプ90のショルダー陸部側端部である側端部90aと、サイプ90のタイヤ赤道線CL側端部である側端部90bとの間のうち、側端部90b側から順に、溝底部902、上げ底部900、溝底部904が形成される。上げ底部900は、溝底部902及び溝底部904よりも浅い溝深さを有する。
上げ底部900は、側端部90aと、側端部90bとの間のうちサイプ90の中央部分に形成される。
上げ底部900のトレッド幅方向WTRの幅は、サイプ90のトレッド幅方向WTRの幅の5%以上30%以下に形成される。
上げ底部900は、空気入りタイヤ1に車両重量の荷重が掛けられた荷重時において、トレッドが路面に接地するショルダー陸部側の端部である第1接地端W1bよりもショルダー陸部側に位置する。
具体的には、上げ底部900は、第1接地端W1bの位置から第2接地端W2bの位置まで連続的に形成される。
図5に示すように、上げ底部900の溝深さD900は、サイプ90の溝深さが最も深い最深部の溝深さD90の40%以下である。上げ底部900の溝深さD900とは、路面に設置するショルダー陸部44のトレッド面f44から、上げ底部900までの距離である。また、サイプ90の溝深さが最も深い最深部の溝深さD90とは、路面に設置するトレッド面f44から、サイプ90のタイヤ径方向の溝底部までの距離である。
(3)荷重が掛けられた際のタイヤの説明
荷重が掛けられた際の空気入りタイヤ1のトレッドの接地面と上げ底部800及び上げ底部900との関係について、説明する。具体的には、(3.1)軽荷重時のタイヤ及び(3.2)重荷重時のタイヤについて、図2及び図3を用いて説明する。
(3.1)軽荷重時のタイヤ
空気入りタイヤ1に車両重量の荷重が掛けられた荷重時(以下、軽荷重時と示す)において、空気入りタイヤ1は、W1の幅で示されるトレッド部で路面に接地する。具体的には、軽荷重時とは、定常走行時のタイヤに掛かる荷重を指し、車両重量とほぼ同等(約1G)である。
図2に示すように、上げ底部800は、軽荷重時においてトレッドが路面に接地するショルダー陸部側の端部である第1接地端W1aよりもショルダー陸部側に位置する。
図3に示すように、上げ底部900は、軽荷重時において、トレッドが路面に接地するショルダー陸部側の端部である第1接地端W1bよりもショルダー陸部側に位置する。
(3.2)重荷重時のタイヤ
空気入りタイヤ1が装着された車両の制動に伴って、空気入りタイヤ1に荷重時(軽荷重時)よりも大きい荷重が掛けられた重荷重時において、空気入りタイヤ1は、W2の幅で示されるトレッド部で路面に設置する。具体的に、重荷重時とは、少なくとも、空気入りタイヤ1が装着された車両が、時速100km/hで走行している状態からフルブレーキで制動する場合に空気入りタイヤ1に掛かる荷重(約1.3G)である。
図2に示すように、上げ底部800は、重荷重時において、トレッド部が路面に接地するショルダー陸部側の端部である第2接地端W2aよりもタイヤ赤道線CL側に位置する。
図3に示すように、上げ底部900は、重荷重時において、トレッド部が路面に接地するショルダー陸部側側の端部である第2接地端W2bよりもタイヤ赤道線CL側に位置する。
(4)比較評価
次に、本発明の効果を更に明確にするために、以下の比較例及び実施例に係る空気入りタイヤを用いて行った比較評価について説明する。具体的には、(4.1)評価方法、(4.2)評価結果について説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(4.1)評価方法
6種類の空気入りタイヤを用いて、ブロック剛性、ブレーキ性能、及び雪氷上性能について評価を行った。
・ブロック剛性;有限要素法(Finite Element Method, FEM)を用いて、陸部の剛性を評価。
・ブレーキ性能;実車が、時速100km/hから完全停止するまでの制動距離を測定。乾燥した路面と、濡れた路面とで、上記制動距離を測定し、平均値を算出。
・雪氷上性能;ドライバーによるフィーリング評価
ブロック剛性及びブレーキ性能の評価結果は、従来の空気入りタイヤである比較例1及び3に係る空気入りタイヤの評価結果を100としたときの対比指数で表示した。ブロック剛性及びブレーキ性能の評価結果は、大きい数値を示すほど、優れた性能を有することを示す。
雪氷上性能の評価結果は、ドライバーによるフィーリングの満点を10としたときの対比指数で表示した。雪氷上性能の評価結果は、大きい数値を示すほど、優れた性能を有することを示す。
実施例1及び2の空気入りタイヤは、図1乃至5に示す空気入りタイヤ1を用いて評価した。
比較例1及び2の空気入りタイヤは、実施例1の空気入りタイヤと比較して、トレッドのショルダー陸部の構成が異なる。具体的には、比較例1の空気入りタイヤは、ショルダー陸部にサイプが形成されていない点で実施例1の空気入りタイヤと異なる。比較例2の空気入りタイヤは、ショルダー陸部のサイプに上げ底部が形成されていない点で実施例1の空気入りタイヤと異なる。
比較例3及び4の空気入りタイヤは、実施例2の空気入りタイヤと比較して、トレッドのショルダー陸部の構成が異なる。具体的には、比較例3の空気入りタイヤは、ショルダー陸部にサイプが形成されていない点で実施例2の空気入りタイヤと異なる。比較例4の空気入りタイヤは、ショルダー陸部のサイプに上げ底部が形成されていない点で実施例2の空気入りタイヤと異なる。
(4.2)評価結果
各空気入りタイヤの評価結果について、表1を参照しながら説明する。
Figure 2010125901
比較例2に係る空気入りタイヤは、比較例1に係る空気入りタイヤと比べて、優れた雪氷上性能を備えているが、ブロック剛性及びブレーキ性能が低下していることが分かる。
実施例1に係る空気入りタイヤは、比較例1に係る空気入りタイヤと比べて、ブロック剛性及びブレーキ性能で同等の性能を確保しつつ、優れた雪氷上性能を備えていることが分かる。
比較例4に係る空気入りタイヤは、比較例3に係る空気入りタイヤと比べて、優れた雪氷上性能を備えているが、ブロック剛性及びブレーキ性能が低下していることが分かる。
実施例4に係る空気入りタイヤは、比較例3に係る空気入りタイヤと比べて、ブロック剛性及びブレーキ性能で同等の性能を確保しつつ、優れた雪氷上性能を備えていることが分かる。
この結果、ショルダー陸部のサイプに上げ底部が形成されている実施例1及び2に係る空気入りタイヤは、比較例1乃至4に係る空気入りタイヤと比べて、ブロック剛性及びブレーキ性能で同等の性能を確保しつつ、優れた雪氷上性能を備えていることが分かる。
(5)作用・効果
以上説明したように、本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、サイプ80に形成された上げ底部800は、第1接地端W1aよりもショルダー陸部側に位置するため、サイプ80は、荷重時において、上げ底部800の影響を受けること無く、サイプ80に入った雪に働く雪柱せん断力や、サイプ80やトレッドパターンのエッジに働くエッジ効果を発揮できる。
また、上げ底部800は、最深溝底部802及び溝底部804よりも浅い溝深さを有し、第2接地端W2aよりもタイヤ赤道線CL側に位置するため、重荷重時において、サイプ80が形成されるショルダー陸部36の変形を抑制し、ショルダー陸部36の剛性が低下することを抑制できる。
つまり、空気入りタイヤ1は、荷重時において、サイプ80により雪氷上性能を向上し、重荷重時において、ブレーキ性能等の所望の制動性能を確保できる。従って、空気入りタイヤ1は、上げ底部800が形成されたサイプ80(比較的簡素な形状のサイプ)を用いて所望の制動性能を確保しつつ、雪氷上性能を更に向上できる。
本実施形態では、上げ底部800は、第1接地端W1aの位置から第2接地端W2aの位置まで形成されるため、重荷重時において、ショルダー陸部36の変形を抑制し、ショルダー陸部36の剛性が低下することを更に抑制できる。
本実施形態では、上げ底部800は、サイプ80のショルダー陸部側端部と、サイプ80のタイヤ赤道線側端部との間のうち、サイプ80の中央部分に形成されるため、重荷重時において、効果的にショルダー陸部36の変形を抑制し、ショルダー陸部36の剛性が低下することを更に抑制できる。
本実施形態では、上げ底部800の溝深さD800は、サイプ80の溝深さが最も深い最深部の溝深さD80の40%以下であるため、重荷重時において、上げ底部800は、路面に接地する。従って、上げ底部800は、ショルダー陸部36の変形を更に抑制できる。
本実施形態では、上げ底部800のトレッド幅方向WTRの幅は、サイプ80のトレッド幅方向WTRの幅の5%以上30%以下に形成されるため、重荷重時において、上げ底部800は、ショルダー陸部36の変形を更に抑制できる。
なお、上記記載においては、上げ底部800についてのみ作用・効果を記載しているが、上げ底部800が形成されているショルダー部と、反対側のショルダー部に形成されている上げ底部900についても、同様の作用・効果を得ることができる。
本実施形態では、空気入りタイヤ1は、自動四輪車に装着されており、特に、フロント輪に装着されることで、ブレーキ時等のフロント輪に荷重が集中する場合に好適な効果を得ることができる。
(6)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
上述した実施形態では、上げ底部及び最深溝底部は、サイプ80において、一定の溝深さに形成されているが、上げ底部及び最深溝底部の境目が分からないような形状に形成されていてもよい。例えば、空気入りタイヤ1を構成するトレッドのサイプ80に沿った断面において、上げ底部及び最深溝底部の境目は、上げ底部を頂点として湾曲していてもよい。
上述した実施形態では、上げ底部は、サイプ80において、一つ(上げ底部800)のみ形成されているが、複数の上げ底部が形成されていてもよい。
上述した実施形態では、上げ底部は、空気入りタイヤ1に形成されているが、タイヤは、空気入りタイヤに限られず、空気以外の流体が充填されたタイヤや、流体の充填が不要な中実構造のソリッドタイヤ等であってもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ1を構成するトレッドの展開図である。 本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ1を構成するトレッドの一部断面図である。 本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ1を構成するトレッドの一部断面図である。 本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ1を構成するトレッドの一部拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ1を構成するトレッドの一部拡大断面図である。
符号の説明
1…空気入りタイヤ 10〜22…周方向溝、 30〜44…陸部、50〜68…横溝、
70〜80、82〜90、92、94…サイプ、 80a、80b、90a、90b…側端部、
800、900…底部、 802、902…最深溝底部、 804、904…溝底部

Claims (4)

  1. トレッドのショルダー陸部に溝と、前記ショルダー陸部にタイヤ幅方向に延びるサイプと、が形成されたタイヤであって、
    前記サイプには、
    前記サイプの溝深さが最も深い最深溝底部よりも浅い溝深さを有する上げ底部とが形成され、
    前記上げ底部は、
    前記タイヤに車両重量の荷重が掛けられた荷重時において、前記トレッドが路面に接地する前記ショルダー陸部側の端部である第1接地端よりも前記ショルダー陸部側に位置し、
    前記タイヤが装着された車両の制動に伴って、前記タイヤに前記車両重量の荷重が掛けられた前記荷重時よりも大きい荷重が掛けられた重荷重時において、前記トレッドが路面に接地する前記ショルダー陸部側の端部である第2接地端よりもタイヤ赤道線側に位置するタイヤ。
  2. 前記上げ底部は、前記第1接地端の位置から前記第2接地端の位置まで形成される請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記上げ底部は、前記サイプのショルダー陸部側端部と、前記サイプのタイヤ赤道線側端部との間のうち、前記サイプの中央部分に形成される請求項1または2に記載のタイヤ。
  4. 前記上げ底部の溝深さは、前記サイプの溝深さが最も深い最深部の溝深さの40%以下である請求項1乃至3の何れか一項に記載のタイヤ。
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