JP5763852B2 - 磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスク - Google Patents

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    • G11B5/8404Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers manufacturing base layers

Description

本発明は、磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクに関する。
今日、パーソナルコンピュータ、あるいはDVD(Digital Versatile Disc)記録装置等には、データ記録のためにハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)が内蔵されている。特に、ノート型パーソナルコンピュータ等の可搬性を前提とした機器に用いられるハードディスク装置では、ガラス基板に磁性層が設けられた磁気ディスクが用いられ、磁気ディスクの面上を僅かに浮上させた磁気ヘッドで磁性層に磁気記録情報が記録され、あるいは読み取られる。この磁気ディスクの基板として、金属基板(アルミニウム基板)等に比べて塑性変形し難い性質を持つことから、ガラス基板が好適に用いられる。
また、ハードディスク装置における記憶容量の増大の要請を受けて、磁気記録の高密度化が図られている。例えば、磁性層における磁化方向を基板の面に対して垂直方向にする垂直磁気記録方式を用いて、磁気記録情報エリアの微細化が行われている。これにより、1枚のディスク基板における記憶容量を増大させることができる。このようなディスク基板においては、磁性層の磁化方向が基板面に対して略垂直方向に向くように、基板表面を出来る限り平らにして磁性粒の成長方向を垂直方向に揃えることが好ましい。
さらに、記憶容量の一層の増大化のために、DFH(Dynamic Flying Height)機構を搭載した磁気ヘッドを用いて磁気記録面からの浮上距離を極めて短くすることにより、磁気ヘッドの記録再生素子と磁気ディスクの磁気記録層との間の磁気的スペーシングを低減して情報の記録再生の精度をより高める(S/N比を向上させる)ことも行われている。この場合においても、磁気ヘッドによる磁気記録情報の読み書きを長期に亘って安定して行うために、磁気ディスクの基板の表面凹凸は可能な限り小さくすることが求められる。
磁気ディスクには、磁気ヘッドをデータトラックに位置決めするために用いられるサーボ情報が記録されている。従来、磁気ディスクの外周側の端面(以下、外周端面ともいう)の真円度を低減させると、磁気ヘッドの浮上が安定して、サーボ情報の読み取りが良好に行われ、磁気ヘッドによる読み書きが安定すること知られている。例えば、特許文献1に記載の技術では、外周端面の真円度が4μm以下である磁気ディスク用ガラス基板が開示されている。このガラス基板によれば、外周端面の真円度を低減することで、LUL(load unload)試験耐久性が向上する、とされている。
特開2008−217918号公報
ところで、近年、隣接するトラックが一部重なるようにして記録を行うシングルライト(shingle write)方式を採用したHDDが知られている。シングルライト方式では、隣接するトラックへの記録に伴う信号劣化が極めて小さいため、トラック記録密度を飛躍的に向上でき、例えば、500kTPI(track per inch)以上の極めて高いトラック記録密度を実現できる。一方で、TPIの向上により、サーボ信号に対する磁気ヘッドの追従性は、従来よりもシビアに要求されている。
例えば、シングルライト方式を採用するなどして500kTPI以上としたHDDにおいて、磁気ディスクの外周端面の真円度を1.5μm以下に低減しても、磁気ディスクの外周側の端部ではサーボ信号の読み取りが不安定となる現象が生じていた。この現象は、磁気ディスクの外周側端部の最外周側では気流が乱れ、フラッタリングとよばれる磁気ディスクのばたつきが起きるために、安定した読み取りに影響が及ぶことが原因で生じると考えられる。磁気ディスクの主表面上の外周側端部は、それより内周側の領域と比べ、特にフラッタリングの影響をうけやすく、安定した読み取りが困難になる。
本発明は、磁気ディスクの外周側端部の付近で気流が乱れるのを抑え、フラッタリングを抑制できる磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクを提供することを目的とする。
本発明者は、磁気ディスクの外周側端部付近での気流の乱れを抑制するため、磁気ディスクのクランプによる影響を排除するために、磁気ディスクの中心とスピンドルの中心とを、遊び(磁気ディスクの内孔とスピンドルとの間の隙間)をなくすことで精密に合わせて、HDDを組み立てた。これにより、磁気ディスクの外周端面のディスク半径方向のブレを外周端面の真円度以下の大きさにし、磁気ディスクの内周側の端面の真円度や、内周端面と外周端面の同心度の影響が及ばないようにしたが、フラッタリングは改善されなかった。
従来、磁気ディスクの真円度を小さくするとフラッタリングは少なくなり、真円度とフラッタリングの間には相関性があると考えられていた。しかし、本発明者の研究によれば、真円度を1.5μm以下にしても、フラッタリングは少なくならず、真円度が極めて小さい場合には、真円度とフラッタリングの間には相関性が見られないことが明らかとなった。
その理由は以下のように考えられた。すなわち、従来は、ガラス基板の板厚よりも長い板状のプローブをガラス基板の主表面に対して垂直方向に立てて外周端部に当てることで外周端部の真円度を測定していた。このとき、プローブは、板厚方向において最も基板の外側へ突出した位置で接する。したがって、真円度測定の基礎となる外周端部の輪郭線には、外周端部の板厚方向の形状とは無関係に、基板の外側へ最も突出した形状が反映されることになる。そのため、従来の真円度の測定方法では、外周端部の側壁面の板厚方向での3次元形状を反映したものとはなっていなかった。そして、従来の真円度の測定方法で磁気ディスクの外周端部の真円度を十分に良好にした場合には、真円度以外の別の要因がフラッタリングに及ぼす影響が相対的に大きくなり、それによって真円度とフラッタリングの間には相関性が見られなくなったと考えられた。
そこで、本発明者は、真円度のような磁気ディスクの主表面と平行な方向のパラメータに加え、磁気ディスクの板厚方向の形状に目を向け、まず、磁気ディスクの外周側端部における板厚のバラつきを調べたが、バラつきは極めて小さく、問題は見出だせなかった。そこで、磁気ディスクの外周端面の側壁面(主表面と直交する方向に延びる面)や面取面(側壁面と主表面の間に介在する面)の傾きや凹凸が、磁気ディスクの最外周部のフラッタリングに影響を与えていることを明らかにした。つまり、磁気ディスクの外周端面の真円度を極めて小さくしたことによって、外周端面の板厚方向の形状がフラッタリングに影響を与えることが、明らかにされた。
さらに研究を行った結果、磁気ディスクの外周側の側壁面の中心軸と2つの面取面の中心との距離がフラッタリングの大きさに影響を与えていることを突き止めた。つまり、この距離が大きくなると、フラッタリングが大きくなる傾向があることが分かった。この距離は、磁気ディスクを、一つの軸を有する第一の円筒と、その軸方向の両側に存在する径の小さい第二、第三の円筒とを有する構造体としてみた場合に、これら3つの円筒の軸のズレの大きさに相当すると考えることができる。この軸ズレにより偏心量が変化してフラッタリングが変化すると考えられる。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板は、
中心に円孔を有し、一対の主表面と端面とを備える磁気ディスク用ガラス基板であって、
前記端面は、側壁面と、前記側壁面と前記主表面の間に介在する面取面と、を有し、
外周側の端面の真円度が1.5μm以下であり、
外周側の側壁面上の板厚方向に200μm離れた2点の位置における円周方向の輪郭線をそれぞれ取得し、これら輪郭線からそれぞれ求められる2つの最小二乗円の中心間の中点を中点Aとし、
外周側の2つの面取面上の板厚方向長さの中心の位置において円周方向の輪郭線をそれぞれ取得し、これら輪郭線から求められる最小二乗円の中心のうち、一方の面取面から求められる中心を中心B、他方の面取面から求められる中心を中心Cとしたとき、
中点Aおよび中心B間の距離と、中点Aおよび中心C間の距離との合計が1μm以下であることを特徴とする。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板は、前記合計が0.5μm以下であることが好ましい。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板は、前記外周側の側壁面の表面粗さに関し、板厚方向における最大高さをRz(t)とし、円周方向における最大高さをRz(c)とした場合に、Rz(t)/Rz(c)が1.2以下であることが好ましい。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板は、前記ガラス基板の中心を基準として周方向に30度ごとに測定点を設け、前記外周側の側壁面と面取面との間の部分の形状の前記測定点における曲率半径をもとめたときに、隣接する測定点間の前記曲率半径の差が0.01mm以下であることが好ましい。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板は、前記外周側の側壁面において板厚方向に100μm間隔で離れた少なくとも3点の位置を含む板厚方向で異なる複数の位置における前記側壁面の円周方向の輪郭線をそれぞれ取得し、それぞれの輪郭線における内接円と外接円とを取得し、最も小さい内接円の半径と、最も大きな外接円の半径との差が5μm以下であることが好ましい。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板は、板厚が0.5mm以下である場合に好適に用いられる。
本発明の磁気ディスクは、上記磁気ディスク用ガラス基板に磁性層を形成した磁気ディスクである。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の平面図。 本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の板厚方向の断面図。 本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の外周端面の形状評価値の測定方法を説明する図。 本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の外周端面の形状評価値の測定方法を説明する図。 本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の側壁面の円筒度の測定方法を説明する図。 本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の側壁面の円筒度の測定方法を説明する図。 本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の外周側の断面の一部を拡大して示す図。
以下、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板について詳細に説明する。
[磁気ディスク用ガラス基板]
本実施形態における磁気ディスク用ガラス基板の材料として、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどを用いることができる。特に、化学強化を施すことができ、また主表面の平坦度及び基板の強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を作製することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好適に用いることができる。アモルファスのアルミノシリケートガラスとすると表面の粗さなど平滑性を高めやすくより好ましい。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の組成を限定するものではないが、本実施形態のガラス基板は好ましくは、酸化物基準に換算し、モル%表示で、SiOを50〜75%、Alを1〜15%、LiO、NaO及びKOから選択される少なくとも1種の成分を合計で5〜35%、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOから選択される少なくとも1種の成分を合計で0〜20%、ならびにZrO、TiO、La、Y、Ta、Nb及びHfOから選択される少なくとも1種の成分を合計で0〜10%、有する組成からなるアモルファスのアルミノシリケートガラスである。
本実施形態のガラス基板は好ましくは、例えば、質量%表示にて、SiOを57〜75%、Alを5〜20%、(ただし、SiOとAlの合計量が74%以上)、ZrO、HfO、Nb、Ta、La、YおよびTiOを合計で0%を超え、6%以下、LiOを1%を超え、9%以下、NaOを5〜28%(ただし、質量比LiO/NaOが0.5以下)、KOを0〜6%、MgOを0〜4%、CaOを0%を超え、5%以下(ただし、MgOとCaOの合計量は5%以下であり、かつCaOの含有量はMgOの含有量よりも多い)、SrO+BaOを0〜3%、有する組成からなるアモルファスのアルミノシリケートガラスであってもよい。
本実施形態のガラス基板は、例えば、酸化物基準の質量%で、SiO:45.60〜60%、およびAl:7〜20%、およびB:1.00〜8%未満、およびP:0.50〜7%、およびTiO:1〜15%、およびROの合計量:5〜35%(ただしRはZn及びMg)の各成分を含有し、CaOの含有量が3.00%以下、BaOの含有量が4%以下であり、PbO成分、As成分およびSb成分およびCl、NO、SO2−、F成分を含有せず、主結晶相としてRAl、RTiO、(ただしRはZn、Mgから選択される1種類以上)から選ばれる一種以上を含有し、主結晶相の結晶粒径が0.5nm〜20nmの範囲であり、結晶化度が15%以下であり、比重が2.95以下であることを特徴とする結晶化ガラスであってもよい。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の組成は、必須成分として、SiO、LiO、NaO、ならびに、MgO、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる一種以上のアルカリ土類金属酸化物を含み、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量に対するCaOの含有量のモル比(CaO/(MgO+CaO+SrO+BaO))が0.20以下であって、ガラス転移温度が650℃以上であってもよい。このような組成の磁気ディスク用ガラス基板は、エネルギーアシスト磁気記録用磁気ディスクに使用される磁気ディスク用ガラス基板に好適である。
本実施形態における磁気ディスク用ガラス基板は、円環状の薄板のガラス基板である。磁気ディスク用ガラス基板のサイズは問わないが、例えば、公称直径2.5インチや3.5インチの磁気ディスク用ガラス基板として好適である。なお、以下の説明で言及する磁気ディスク用ガラス基板の板厚(0.635mm、0.8mm、1mm、1.27mm等)は公称値であり、実際の測定値はそれよりも多少厚く、あるいは薄い場合がある。
図1Aおよび図1Bに、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板Gを示す。図1Aは、磁気ディスク用ガラス基板Gの平面図であり、図1Bは、磁気ディスク用ガラス基板Gの板厚方向の断面図である。
磁気ディスク用ガラス基板G(以下、適宜「ガラス基板G」ともいう。)は、中心に円孔を有し、一対の主表面11p,12pと端面とを備える。端面は、側壁面11w、及び、側壁面11wと主表面11p,12pの間に介在する面取面11c,12cを有する。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板Gは、外周端面の真円度が1.5μm以下であり、形状評価値(後述する)が1μm以下である。
真円度の測定方法は、公知の方法でよい。例えば、ガラス基板の板厚よりも長い板状のプローブをガラス基板の主表面に対して垂直方向に、外周端面と対向するように配置し、ガラス基板を円周方向に回転させることで輪郭線を取得し、この輪郭線の内接円と外接円との半径の差をガラス基板の真円度として算出することができる。なお、真円度の測定には、例えば、真円度・円筒形状測定装置を用いることができる。
図2及び図3を参照して、ガラス基板Gの形状評価値について説明する。図2及び図3は、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板Gの外周端面の形状評価値の測定方法を説明する図である。図2は、ガラス基板Gの外周端面の板厚方向の断面を示す。側壁面11wの傾斜角度は、特に制限されず、例えば40°〜70°である。また、側壁面11w及び面取面11c,12cの境界は、図示されるようなエッジを有する形状に限定されるものではなく、滑らかに連続する曲面状であってもよい。
形状評価値は、側壁面11w上の板厚方向に200μm離れた2点の位置37,38における円周方向の輪郭線をそれぞれ取得し、これら輪郭線からそれぞれ求められる2つの最小二乗円37c,38cの中心37o,38o間の中点を中点Aとするとともに、さらに、2つの面取面11c,12c上の板厚方向長さの中心の位置34,35において円周方向の輪郭線をそれぞれ取得し、これら輪郭線から求められる最小二乗円34c,35cの中心34o,35oのうち、一方の面取面11cから求められる中心34oを中心B、他方の面取面12cから求められる中心35oを中心Cとしたとき、中点Aおよび中心B間の距離aと、中点Aおよび中心C間の距離bとの合計である。ガラス基板Gの形状評価値は、1.0μm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.5μm以下である。
側壁面11w上の2つの位置37,38は、例えば、ガラス基板Gの板厚方向の中心位置から100μmずつ主表面11p,12p側に離れた位置である。面取面11c,12cの輪郭線を取得するための測定位置34,35は、例えば、主表面11p,12pからそれぞれ板厚方向の中心位置側に等距離近づく位置(例えば、ガラス基板Gの面取面の板厚方向長さが0.15mmの場合、ガラス基板Gの主表面11p,12pから中心位置に0.075mmずつ近づく位置)である。
各測定位置37,38,34,35において外周端面の形状を測定するための測定装置として、例えば、真円度・円筒形状測定装置を用いることができる。真円度・円筒形状測定装置のスタイラス3は、上下方向(板厚方向)にミクロン単位での移動が可能である。
なお、測定に先立って、マイクロメータで予めガラス基板Gの板厚が測定される。また、輪郭形状測定機により、半径方向の断面における面取面の、形状、板厚方向および半径方向の各長さ、主表面に対する角度、さらに、側壁面の長さ、が予め測定される。面取面と側壁面との境界の位置は、いずれの外形線も直線状である場合は、側壁面の延長線と面取面の延長線との交点によって定めることができる。面取面や側壁面の外形線が円弧状である場合は、例えば、当該外形線と最もよく重なる1つの円で近似し、求めた円との交点によって定めることができる。面取面や側壁面の外形線が直線と円弧を組み合わせたような場合は、適宜上記方法を組み合わせて境界の位置を定めればよい。
測定の際には、ガラス基板Gの主表面が真円度・円筒形状測定装置の基準面と水平になるように、さらには、ガラス基板Gの中心が測定装置の回転中心と合うように、ガラス基板Gが測定装置にセットされる。そして、スタイラス3の先端の、測定時にガラス基板Gと接触する位置が、測定装置にセットされたガラス基板Gの上側の主表面の高さと合わせられる。この状態で、スタイラス3を、板厚の半分の距離を板厚方向に下げると、スタイラス3は、ガラス基板Gの板厚の中央の高さに配される。そして、スタイラス3を板厚の中央から100μm上げた点37、および、板厚の中央から100μm下げた点38において、ガラス基板Gの外周端部の輪郭線が測定される。これらの輪郭線から、側壁面11wの2つの最小二乗円37c,38cの中心37o,38oが決められ、さらに、これら2つの中心37o,38o間の中点Aが決められる。
また、スタイラス3の位置が、2つの面取面の、それぞれの板厚方向における中間の高さとなるよう設定され、それぞれの位置34,35でガラス基板Gの外周端部の輪郭線が測定される。これらの輪郭線に基づいて、面取面11c,12cの最小二乗円34c,35cの中心B,Cが決められる。次いで、中点Aおよび中心B間の距離aと、中点Aおよび中心C間の距離bとを合計することで、形状評価値が求められる。
なお、面取面の板厚方向の高さの中間の位置34,35は、前述の径の異なる3つの円筒を有する構造体を考えた場合に、面取面部分に相当する円筒の偏心の程度を最もよく表す点と考えられる。また、当該位置は、面取面近傍の空気の流れに最も多く影響を与える点であると考えられる。これらの理由から、当該位置で輪郭線を測定することが好ましい。
側壁面11wと面取面11c,12cの形状評価値は、例えば、後述する、総形砥石を用いた面取り加工、端面研削加工、およびブラシ研磨によって調節される。
本実施形態のガラス基板Gは、側壁面11wの円筒度が5μm以下であるのが好ましい。側壁面11wの円筒度が5μm以下とすることで、HDD内壁と側壁面との間の空気の流れが乱されにくくなるため、フラッタリングをさらに抑制してサーボエラー数を低減することができる。
図4及び図5を参照して、ガラス基板Gの円筒度について説明する。図4及び図5は、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板Gの外周側の側壁面の円筒度の測定方法を説明する図である。円筒度は、側壁面11wにおいて板厚方向に100μm間隔で離れた少なくとも3点の位置31,32,33を含む板厚方向で異なる複数の位置における側壁面11wの円周方向の輪郭線31a,32a,33aをそれぞれ取得し、それぞれの輪郭線における内接円と外接円とを取得し、最も小さい内接円C1の半径と、最も大きな外接円C2の半径との差Rをいう。なお、このような半径の差Rという評価指標がゼロに近いほど、外周端面の形状が幾何学的円筒に近いということが言えるため、この明細書では上記評価指標を「円筒度」という。図5は、ガラス基板Gの外周端面の円筒度の測定方法を説明する図である。
側壁面11w上の複数の測定位置は、本実施形態では3箇所ある。3つの測定位置31,32,33のうち、測定位置32は、例えば、ガラス基板Gの板厚方向の中心位置である。測定位置31,33は、測定位置32から板厚方向に100μm離れた位置である。なお、測定位置32から板厚方向に100μm離れた位置に測定位置31,32を設けるのは、0.635mmの板厚の磁気ディスク用ガラス基板の場合である。板厚が異なる場合には、測定位置32から測定位置31,32までの板厚方向の距離を変更してもよい。例えば、板厚がT(mm)の磁気ディスク用ガラス基板の場合には、当該距離を100(μm)×(L/0.635)としてもよい。
各測定位置31〜33でのガラス基板Gの外周端面の形状を測定するための測定装置としては、側壁面11wの測定位置31〜33において各輪郭線31a,32a,33aを区別して取得できるものが用いられる。この点から、測定装置のスタイラス3は、曲率半径が0.4mm以下の球面を有することが好ましい。測定の際には、スタイラス3は、ガラス基板Gの測定壁11wの各測定位置31〜33に対向するよう配置され、一箇所ずつ順に測定を行う。
各測定位置31〜33の輪郭線31a〜33aは、スタイラス3を各測定位置31〜33に対向して配置した状態で、ガラス基板Gを一周回転させることで取得される。そして、取得された3つの輪郭線31a〜33aのそれぞれについて、最小二乗法で求めた中心に基づいて内接円と外接円が取得され、最も外側に接する外接円C2及び最も内側に接する内接円C1が決められる。これら外接円C2及び内接円C1の半径の差Rが、側壁面11wの円筒度として求められる。
側壁面11wの円筒度は、例えば、総形砥石を用いた面取り加工、端面研削加工、およびブラシ研磨によって調節される。
外周側の側壁面11wの表面粗さに関し、板厚方向における最大高さをRz(t)とし、円周方向における最大高さをRz(c)とした場合に、Rz(t)/Rz(c)は1.2以下であることが好ましく、1.1以下とするとさらに好ましい。Rz(t)/Rz(c)が上記範囲を超えると、量産時に基板毎の前記形状評価値のばらつきが大きくなる場合がある。上記範囲内とすることで形状評価値のばらつきを小さくすることができる。
なお、表面粗さの値は、例えばレーザ顕微鏡を用いて測定する波長帯域を0.25μmから80μmに設定して側壁面11wを測定し、測定した範囲の中で50μm角の領域を選択して解析して得ることができる。板厚方向や円周方向の表面粗さは、例えば、50μm角の領域について、板厚方向や円周方向の各々の方向に対応する複数の断面から線粗さを測定し、得られたデータの平均値を取ればよい。例えば、5つのデータを取得し、その平均値とすればよい。
外周側の側壁面11wの表面粗さは、最大高さRzで0.2μm以下であることが好ましく、0.1μm以下であるとさらに好ましい。また、算術平均粗さRaで0.02μm以下であることが好ましい。この範囲内とすることで、異物の付着や噛み込みによるサーマルアスペリティ障害の発生の防止や、ナトリウムやカリウム等のイオンの析出によるコロージョンの発生を防止することができる。また、一対の面取面11c,12cの表面粗さについても上記範囲内であると、上記と同様の理由でより好ましい。上述したRzとは、JIS B0601:2001で規定される最大高さのことである。Raとは、JIS B0601:2001で規定される算術平均粗さのことである。
本実施形態では、ガラス基板Gの中心を基準として周方向に30度ごとに測定点を設け、側壁面11wと面取面11c,12cとの間の部分の形状の前記測定点における曲率半径をもとめたときに、隣接する測定点間の前記曲率半径の差が0.01mm以下に設定されていることが好ましい。測定点の数は12である。これにより、磁気ディスク用ガラス基板Gの周方向における外周端面の形状の変化を小さくすることができ、外周端部の形状評価値のばらつきを小さくすることができる。なお、隣接する測定点間の曲率半径の差が0.005mm以下の場合には、外周端部の形状評価値のばらつきをさらに小さくすることができるのでさらに好ましい。
側壁面11wと面取面11cとの間の部分の形状の曲率半径は、図6を参照すると、例えば以下のようにしてもとめられる。図6は、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板Gの外周側の断面の一部を拡大して示す図である。
先ず、一の測定点におけるガラス基板の板厚方向断面において、面取面11cの直線部を延ばした第1の仮想線L1と、側壁面11wの直線部を延ばした第2の仮想線L2との交点を第1の交点P1とする。次に、この第1の交点P1を通り、且つ、面取面11cの直線部に対して垂直に延びる第3の仮想線L3を設定する。次いで、側壁面11wと面取面11cとの間の部分と、第3の仮想線L3との交点を第2の交点P2とする。また、磁気ディスク用ガラス基板Gの断面において、第2の交点P2を中心として所定の半径(例えば50μm)を有する第1の円C1を設定する。また、側壁面11wと面取面11cとの間の部分と、第1の円C1の外周との2つの交点をそれぞれ第3の交点P3、第4の交点P4とする。さらに、第2、第3、第4の各交点P2,P3,P4のそれぞれを通る第2の円C2を設定する。そして、第2の円C2の半径Rをもとめることによって、側壁面11wと面取面11cとの間の部分の形状の前記曲率半径がもとめられる。
なお、側壁面と一方の主表面に隣接する面取面との間、及び、側壁面と他方の主表面に隣接する面取面との間の両方の部分の形状の曲率半径について、上述したようにしてもとめることができる。
以上の磁気ディスク用ガラス基板Gは、真円度および形状評価値が極めて小さい。そのため、外周側端部での気流の乱れが生じにくく、フラッタリングが抑制される。これにより、外周側端部でのサーボ情報への追従性が良好になる。特に、シングルライト方式が採用された磁気ディスクのようにトラック記録密度の高いものでは、サーボ情報に対する追従性がシビアに要求されるが、このガラス基板Gを磁気ディスクに好適に用いることができる。
形状評価値が小さいことによりフラッタリングが抑制される理由は、次のように考えられる。ガラス基板Gの外周端部の真円度が大きい場合は、磁気ディスクの外周端面が水平方向(半径方向)に押し出す空気の量が変動するため、大きな気流の乱れが起きやすい。しかし、外周端面の真円度が極めて小さいと、そのような大きな気流の乱れは生じにくい。外周端面の真円度が極めて小さい状況では、水平方向の気流の代わりに、ガラス基板Gの外周端部とHDD内壁との隙間を、いかに空気が磁気ディスクを跨ぐように板厚方向にスムーズに流れるかが重要である。
本発明者の研究によれば、HDDの内部において、HDD内壁と磁気ディスクの外周端面との間の隙間には、定常的に板厚方向の空気の流れが存在しており、この流れを乱し不規則になる現象が生じると、フラッタリングのレベルが大きくなり磁気ヘッドの浮上が不安定となることが分かった。逆に、ガラス基板Gの外周端面の形状評価値が小さいと、HDD内壁と磁気ディスクの外周端面との間の隙間において、板厚方向の空気は定常的にスムーズに流れ、フラッタリングのレベルが大きくなり難い。
上述の通り、極めて高いトラック記録密度のHDDでは、HDDの内部の空気の流れの乱れが、磁気ヘッドのサーボ情報への追従性を改善する上で重要である。このような空気の乱れによって、フラッタリングは大きくなる。この空気の乱れには、周期的(定常的)に発生する乱れと、突発的に発生する乱れとの2種類がある。このうち、周期的に発生する乱れについては、HDDの設計を変えることで解消できる場合が多いが、突発的に発生する乱れについては、HDDの設計を変えることでは改善できないため、他の手段によって低減を図ることが求められる。本発明者は、ガラス基板Gの外周端面が、HDDの設計の変更によっては解決できない空気の流れの乱れを引き起こすことを見出して、外周端面の形状評価値が極めて小さいガラス基板Gをなすに至った。
本実施形態のガラス基板Gの板厚は、例えば、0.8mm、0.635mmであり、また、例えば、0.5mm以下である。ガラス基板Gは、磁気ディスクに用いられた場合に、板厚が薄くなるほどバタつきやすく、フラッタリングが大きくなりやすい。しかし、ガラス基板Gは、上述のように形状評価値が1μm以下であるため、磁気ディスクに用いられた場合に、外周側端部での気流の乱れが抑えられ、フラッタリングが抑制される。
本実施形態のガラス基板Gは、さらに、形状評価値が極めて小さく、外周端面の形状が気流の乱れを生じにくいものとなっていることが好ましい。形状評価値が小さくなると、磁気ディスクに用いられた場合に、フラッタリングをさらに抑制することが可能となる。これにより、HDD内での磁気ヘッドのサーボ情報への追従性がさらに良好になる。
シングルライト方式やエネルギーアシスト磁気記録用の磁気ディスクなど、特に500kTPI(track per inch)以上のトラック記録密度となる磁性層を形成した磁気ディスクをHDDに組み込んだときには、磁気ディスクのフラッタリングが生じた場合にHDDの磁気ヘッドのサーボ情報への追従性が悪化する場合があるため、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板は、上述した高記録密度を備えた磁気ディスクに好適である。
本実施形態のガラス基板Gは、ダブオフ(Duboff)値とよばれる主表面上における外周端部の評価指標が30nm以下であることが好ましい。また、ダブオフ値は0より大きいことが好ましい。ダブオフ値は、ガラス基板Gの半径方向における主表面の輪郭線において、半径31.2〜32.2mmの2点間の輪郭線を測定し、前記2点を仮想直線で結んだときの、当該仮想直線からガラス基板Gの主表面の輪郭線までの最大距離をいう。なお、ダブオフ値は、仮想直線と主表面の輪郭線を比較したときに、仮想直線の方が板厚方向の中心側になる場合は、プラス値で表す。逆に、主表面の輪郭線の方が板厚の中心側になる場合は、マイナス値で表す。この値が0に近いほど、最外周近傍での主表面の形状が平坦で良好であり、磁気ヘッドが安定して浮上する。したがって、真円度および形状評価値が極めて小さいことと合わせて、基板外周端部における空気の流れの乱れを抑制してフラッタリングのバラツキを低減して大量生産時にHDDの歩留まりを改善することができる。ダブオフ値の測定は、例えば光学式の表面形状測定装置を用いて行うことができる。なお、本件のダブオフ値は、従来の測定範囲よりも外周側の領域を測定している。これにより、従来よりも端部形状の差異を高精度に評価することができる。
本実施形態のガラス基板Gは、主表面の外周側端部の主表面のナノウェービネス(NW−Rq)が0.5Å以下であることが好ましい。ここで、ナノウェービネスは、半径30.5mm〜31.5mmの範囲内の円環状領域における波長帯域50〜200μmの粗さとして算出されるRMS(Rq)値で表すことができ、例えば、光学式表面形状測定機を用いて測定できる。これにより、真円度および形状評価値が極めて小さいことと合わせて、基板外周端部における空気の流れの乱れを抑制してフラッタリングのバラツキを低減して大量生産時にHDDの歩留まりを改善することができる。
[磁気ディスク用ガラス基板の製造方法]
以下、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について、工程毎に説明する。ただし、各工程の順番は適宜入れ替えてもよい。
(1)ガラス基板の形成
例えばプレス成形によってガラス素板を成形し、適宜、内孔と外形を形成する加工を行って所定の板厚の内孔を有する円盤状のガラス基板を得る。なお、ガラス素板は、これらの方法に限らず、フロート法、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法などの公知の製造方法を用いて製造することもできる。
(2)端面研削工程
次に、円環状のガラス基板の端面に対する研削加工が行われる。ガラス基板の端面に対する研削加工は、ガラス基板の外周側端部と内周側端部に対する面取面の形成及びガラス基板の内径、外径を調整するために行われる。ガラス基板の外周側端面に対する研削加工は、例えば、ダイヤモンド砥粒を用いた総形砥石による公知の面取り加工でよい。
本実施形態のガラス基板の外周側端面に対する研削加工は、総形砥石による研削加工に加えて、ガラス基板の端面に当接する砥石の軌跡が一定とならないように、ガラス基板の端面と砥石とを接触させる、追加の研削加工で行う。ガラス基板の外周側端面に対する追加の研削加工について、以下に説明する。
ガラス基板Gの外周側端面の追加の研削加工に用いる研削砥石は、全体が円筒状に形成されているとともに溝を有する。溝は、ガラス基板Gの外周側の側壁面11wと面取面11cとの両方の面を同時に研削加工できるように形成されており、具体的には、溝は、側壁部及びその両側に存在する面取部からなる溝形状を備えている。上記溝の側壁部及び面取部は、ガラス基板Gの研削加工面の仕上がり目標の寸法形状を考慮して、所定の寸法形状に形成されている。
ガラス基板の外周側端面の加工では、研削砥石に形成された溝の溝方向に対してガラス基板Gを傾けた状態、つまり研削砥石の回転軸に対してガラス基板Gの回転軸を角度αだけ傾けた状態で、ガラス基板Gの外周側端面に研削砥石を接触させながら、ガラス基板Gと研削砥石の両方を回転させて研削加工を行う。これによって、ガラス基板Gの外周側端面に当接する研削砥石の軌跡が一定とはならないで、研削砥石の砥粒が基板端面に対してランダムな位置に当接、作用するため、基板へのダメージが少なく、研削加工面の表面粗さやその面内ばらつきも小さくなり、研削加工面をより高平滑に、すなわちより高い品質要求に応えられるレベルの品位に仕上げることができる。さらには砥石寿命の向上効果も有する。
また、研削砥石とガラス基板Gとの接触状態は、研削砥石の溝とガラス基板Gの外径弧との面接触状態となり、研削砥石とガラス基板Gとの接触面積が増加する。そのため、ガラス基板Gに対する研削砥石の接触長さ(切れ刃長さ)を伸ばして、砥粒の切れ味を持続させることができる。したがって、加工面品位にとって有利な微細砥粒砥石を用いて研削加工を行った場合にも安定した研削性を確保でき、塑性モード主体の研削加工による良好な研削面品位(鏡面品位)を安定的に得ることができる。しかも、研削砥石の切れ味を持続させ、塑性モードを実現する研削性を安定的に確保することで、ガラス基板の外周側端面の面取り加工による良好な寸法形状精度を確保することができる。
上述の研削砥石の溝方向に対するガラス基板Gの傾斜角度αは任意に設定することができるが、上述の作用効果をより良く発揮させるためには、例えば2〜8度の範囲内とすることが好ましい。特に、研削後のガラス基板Gの表面品質を向上させ、ブラシ研磨でのガラス基板Gの外周側および内周側端面の取代を減らすことができる点で、傾斜角度αは大きいことが好ましい。研削加工に用いる研削砥石は、ダイヤモンド砥粒をレジン(樹脂)で結合させた砥石(レジンボンド砥石)が好ましい。ダイヤモンド砥石の番手は、#2000〜#3000であることが好ましい。
研削砥石の周速度の好ましい例は、500〜3000m/分、ガラス基板Gの周速度は、1〜30m/分程度である。また、ガラス基板Gの周速度に対する研削砥石の周速度の比(周速度比)は、50〜300の範囲内であることが好ましい。
なお、上記研削工程を2回に分け、1回目の研削を、上述したようにガラス基板Gの回転軸を角度αだけ傾けた状態で行い、2回目の研削を、別の砥石を使用してガラス基板Gの回転軸を−αの角度だけ傾けた状態で行い、2回目の研削の取代を1回目の研削の取代より少なくなるように調整することで、Rz(t)/Rz(c)を1.2以下とすることができる。
上記レジンボンド砥石の砥石表面のバインダー(樹脂)部分を、バーコビッチ圧子を用いて、250mNの押込み荷重の条件でナノインデンテーション試験法によって測定される硬度(以下、「砥石硬度」という。)が、0.4〜1.7GPaの範囲内であることが好ましい。砥石硬度は、レジンボンド砥石の場合にはダイヤモンド砥粒と樹脂との結合強度と相関がある指標である。
発明者は、様々な特性のレジンボンド砥石を用いて外周側端面の研削加工を行いガラス基板の端面の加工品質を観察した結果、レジンボンド砥石におけるダイヤモンド砥粒と樹脂との結合強度が、上記研削加工後のガラス基板の内孔の形状評価値に大きく影響を与えることを見出した。すなわち、砥石硬度が高過ぎるレジンボンド砥石を用いて外周側端面の研削加工を行うと、加工レートは良好となるが表面にキズが入り易くなって外周の形状評価値は悪化し、砥石硬度が低過ぎるレジンボンド砥石を用いて外周側端面の研削加工を行うと、外周の形状評価値は良好となるが加工レートが著しく低下することがわかった。換言すると、砥石硬度を変化させることでガラス基板の外周の形状評価値を調節することができる。その結果、砥石硬度の範囲は、上記範囲が好ましいことがわかった。上記範囲内とすることで、研削加工後の外周側端面を準鏡面とすることができるので、その後の端面研磨工程では取代を少なくすることができ、高い表面品質を維持しつつ、外周の形状評価値を含む端部の形状精度を高めることができる。
ナノインデンテーション試験法による砥石硬度の測定方法について説明する。測定対象となる研削砥石表面のバインダー部分を、先端が四角錐形状のバーコビッチ圧子を用いて、1nm/秒で荷重を負荷し、250mNまで昇圧し、そのまま所定時間(例えば10秒間)保持した後、昇圧時と同等の除荷速度にて減圧した際の荷重と変位の関係を得る。ここで得られた曲線は動的硬さ特性を示しており、従来の静的硬さ特性である硬度評価よりも実使用時に近い特性を示している。得られた動的硬さ特性曲線の結果から、下記式(1)によりナノインデンテーション試験法による砥石硬度が得られる。

H=F/Ac …式(1)

ここで、Hは研削砥石の硬度、Fは荷重、Acはくぼみ面積である。
上記くぼみ面積Acは、下記の関係式(2),(3)によって表わされる。

Ac=f(hc) ∝ 24.5・hc …式(2)
hc=hmax−ε・F/S …式(3)

ここで、hc:押込み深さ、hmax:最大荷重時の深さ、hs:除荷開始時の押込み深さ、ho:除荷後の押込み深さ、ε:圧子固有の形状係数(例:バーコビッチ圧子の場合=0.75)、S:荷重と変位の比例係数、m:傾き(dF/dh)。
(3)端面研磨工程
次に、円環状のガラス基板の端面に対する研磨加工が行われる。ガラス基板の端面に対する研磨加工は、ガラス基板の外周側及び内周側端面(側壁面及び面取面)に対する表面性状を良好にするために行われる。端面研磨工程では、ブラシ研磨によりガラス基板の外周側及び内周側端面を研磨する。ブラシ研磨によるガラス基板の取代は、例えば、側壁面11w、面取面11c,12cの表面が鏡面状態となる程度に設定される。
上述した端面研削及び端面研磨を行うことにより、ガラス基板の端面での塵等が付着した汚染、傷等の損傷の除去を行うことができ、サーマルアスペリティ障害の発生の防止や、ナトリウムやカリウム等のコロージョンの原因となるイオン析出の発生を防止することができるだけでなく、表面の粗さやうねりも極めて小さくし、かつガラス基板の外周端面の形状評価値を小さくすることができるため、外周端部の形状精度を高めることができる。
(4)第1研磨(主表面研磨)工程
必要に応じて適宜主表面の研削工程を実施した後、研削されたガラス基板の主表面に第1研磨が施される。第1研磨工程では、遊星歯車機構を備えた両面研磨装置を用いてガラス基板の主表面に対する研磨を行う。両面研磨装置は、上定盤および下定盤を有している。下定盤の上面および上定盤の底面には、平板の研磨パッドが取り付けられている。上定盤および下定盤の間に、キャリアに収容した1又は複数のガラス基板が狭持され、研磨剤を含む遊離砥粒を供給しながら、遊星歯車機構により、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作することにより、ガラス基板と各定盤とを相対的に移動させることで、このガラス基板の両主表面を研磨することができる。
上記相対運動の動作中には、上定盤がガラス基板に対して(つまり、鉛直方向に)所定の荷重で押圧され、ガラス基板に対して研磨パッドが押圧されるとともに、ガラス基板と研磨パッドの間に研磨液が供給される。この研磨液に含まれる研磨剤によってガラス基板の主表面が研磨される。研磨剤は、例えば酸化セリウムや酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素など公知の砥粒を用いることができる。なお、砥粒の種類やサイズを変えて複数の工程に分けて実施してもよい。
(5)化学強化工程
さらに、必要に応じて、第1研磨工程後のガラス基板は化学強化されてもよい。
化学強化液として、例えば硝酸カリウムと硫酸ナトリウムの混合塩の溶融液等を用いることができる。化学強化処理は、例えばガラス基板を化学強化液中に浸漬することによって実施される。
このように、ガラス基板を化学強化液に浸漬することによって、ガラス基板の表層のリチウムイオン及びナトリウムイオンが、化学強化液中のイオン半径が相対的に大きいナトリウムイオン及びカリウムイオンにそれぞれ置換され、ガラス基板が強化される。
(6)第2研磨(最終研磨)工程
次に、ガラス基板に第2研磨が施される。第2研磨では例えば、第1研磨と同様の研磨装置を用いることができる。このとき、第1研磨と異なる点は、遊離砥粒の種類及び粒子サイズが異なることと、樹脂ポリッシャの硬度が異なることである。
第2研磨に用いる遊離砥粒として、例えば、スラリーに混濁させたコロイダルシリカ等の微粒子が用いられる。これにより、ガラス基板の主表面の表面粗さをさらに低減でき、端部形状を好ましい範囲に調整できる。
こうして、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。
[磁気ディスク]
磁気ディスクは、磁気ディスク用ガラス基板を用いて以下のようにして得られる。
磁気ディスクは、例えば磁気ディスク用ガラス基板(以下、単に「基板」という。)の主表面上に、主表面に近いほうから順に、少なくとも付着層、下地層、磁性層(磁気記録層)、保護層、潤滑層が積層された構成になっている。
例えば基板を、真空引きを行った成膜装置内に導入し、DCマグネトロンスパッタリング法にてAr雰囲気中で、基板の主表面上に付着層から磁性層まで順次成膜する。付着層としては例えばCrTi、下地層としては例えばCrRuを用いることができる。磁性層としては、例えばCoPt系合金を用いることができる。また、L10規則構造のCoPt系合金やFePt系合金を形成して熱アシスト磁気記録用の磁性層とすることもできる。上記成膜後、例えばCVD法によりCを用いて保護層を成膜し、続いて表面に窒素を導入する窒化処理を行うことにより、磁気記録媒体を形成することができる。その後、例えばPFPE(パーフルオロポリエーテル)をディップコート法により保護層上に塗布することにより、潤滑層を形成することができる。
作製された磁気ディスクは、好ましくは、DFH(Dynamic Flying Height)コントロール機構を搭載した磁気ヘッドと、磁気ディスクを固定するためのスピンドルとを備えた、磁気記録再生装置としての磁気ディスクドライブ装置(HDD(Hard Disk Drive))に組み込まれる。
[実施例、比較例]
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の効果を確認するために、製造した磁気ディスク用ガラス基板から2.5インチの磁気ディスク(外径65mm、内径20mm、板厚0.635mm、面取面の主表面に対する角度は45度)を作製した。なお、面取面の半径方向断面における形状は直線状であり、主表面に対する角度は45度であり、面取面の板厚方向長さは0.15mm、面取面の半径方向長さ0.15mmであった。作製した磁気ディスク用ガラス基板のガラスの組成は、下記の通りである。
(ガラスの組成)
SiOを63モル%、Alを10モル%、LiOを1モル%、NaOを6モル%、MgOを19モル%、CaOを0モル%、SrOを0モル%、BaOを0モル%、ZrOを1モル%
なお、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量に対するCaOの含有量のモル比(CaO/(MgO+CaO+SrO+BaO))は0であり、ガラス転移温度が703℃のアモルファスのアルミノシリケートガラスである。
[実施例、比較例の磁気ディスク用ガラス基板の作製]
実施例の磁気ディスク用ガラス基板については、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の各工程を順序通りに行うことで作製した。
ここで、ガラス基板の成形は、プレス成形方法を用い、公知の方法で内孔、外形を形成し、板厚を調整した。
端面研削工程では、ガラス基板の内周及び外周側端面に対して、ダイヤモンド砥粒を用いた総形砥石による面取り及び側壁面加工を行い、面取面と側壁面を形成した。さらに、ガラス基板の外周側端面については、ガラス基板の端面に当接する砥石の軌跡が一定とならないように、ガラス基板の端面と砥石とを傾けて接触させる研削加工を追加することにより、面取面及び側壁面の形状精度をさらに高めつつ表面品質をもさらに向上させた。
ガラス基板の外周側端面に対する追加の研削加工では、#2500のダイヤモンド砥粒のレジンボンド砥石を用いて以下の研削条件で行った。このとき、研削砥石の溝方向に対するガラス基板の傾斜角度(前述のα)を5度とし、その他の条件については適宜調整しておこなった。このとき、傾斜角度(前述のα)及びその他のファクタ(砥石の番手、砥石やガラス基板の周速度)を前記した範囲において適宜調整していくことによって、外周端面の形状評価値が異なるガラス基板を作り分けた。なお、表1の実施例1の場合にはα=5度としたが、傾斜角度をさらに大きくすることで研削後の表面品質が向上し、この後のブラシ研磨の取代を低減することができるので、形状評価値をさらに改善することができる。
端面研磨工程では、ガラス基板の内周側端面及び外周側端面について、研磨砥粒として酸化セリウム砥粒を含むスラリーを用いてブラシ研磨を行った。なお、端面研磨工程における面取面の取り代は、端面研削工程後の表面品質に応じて適宜調節した。
その後、主表面について、公知の方法を用いて研削した後、2段階の研磨と化学強化を実施した。第1研磨では、酸化セリウム砥粒を含む研磨液を使用し、第2研磨では、コロイダルシリカの研磨砥粒を含む研磨液を使用した。化学強化は第2研磨の前に実施した。研磨後のガラス基板は、公知の洗浄方法を適宜用いて洗浄した。
以上の工程を経て、表1に示すように比較例と実施例の磁気ディスク用ガラス基板を作製した。
磁気ディスク用ガラス基板の側壁面の真円度は、上述の方法によって測定した。形状評価値は、図2に示したようにして算出した。つまり、側壁面の板厚方向の中心位置から上下に100μm離れた側壁面上の位置と、上下の主表面から75μm板厚の中心方向に離れた面取面上の位置において輪郭線を取得し、側壁面上の2箇所の位置に基づいて測定した輪郭線の各最小二乗円の中心を決め、これら2つの中心から求めた中点(A)と、面取り面の輪郭線の最小二乗円の中心(B、Cの2つ)とを、板厚方向から平面視し、AとBの距離と、AとCの距離とを求め、それらを足した値を外周端部の形状評価値とした。いずれの測定も真円度・円筒形状測定機を用いて行った。
[評価方法]
磁気ディスク用ガラス基板に対して上述したように成膜して、比較例及び実施例の磁気ディスクを作製した。この比較例及び実施例の磁気ディスクのサンプルについて、レーザドップラー振動計を用いてフラッタリング特性値を測定することにより、フラッタリングを評価した。フラッタリング特性値の測定では、磁気ディスクを2.5インチ型HDDのスピンドルに装着して磁気ディスクを回転させ、回転中の磁気ディスクの主表面に対してレーザドップラー振動計からレーザ光を照射する。なお、HDDのカバーにはレーザ照射用の穴を開けてある。次に、磁気ディスクで反射したレーザ光をレーザドップラー振動計が受光することにより、磁気ディスクの板厚方向の振れ量をフラッタリング特性値として測定する。このとき、以下の条件でフラッタリング特性値を測定した。
・HDD及び測定システムの環境:恒温恒湿チャンバー内で温度を25℃に維持
・磁気ディスクの回転数:7200rpm
・レーザ光の照射位置:磁気ディスクの中心から半径方向に31mm(外周端から1.5mm)の位置
・HDDの筐体のディスク装着部の内壁直径の最小値:65.880mm
[評価基準]
測定されたフラッタリング特性値に対する評価結果を、下記のとおり良好な順に(つまり、フラッタリング特性値が小さい順に)4つのレベル1〜4に分けた。レベル1、2であれば500kTPIのHDD向けとして実用上合格である。
レベル1:20nm以下
レベル2:20nmより大きく、30nm以下
レベル3:30nmより大きく、40nm以下
レベル4:40nmより大きい
Figure 0005763852
表1の評価結果により、真円度が1.5μmを超える場合(比較例2)は、フラッタリング特性が大きく不合格であることが確認された。また、形状評価値が1μmを超える場合(比較例2)は、真円度が1.5μm以下であっても、フラッタリング特性が良好とならなかった。一方、真円度が1.5μm以下であって、かつ形状評価値が1μm以下である場合(実施例1〜4)は、フラッタリング特性が良好となった。なお、実施例3、4に示すように、形状評価値を0.5μm以下とした場合には、フラッタリング特性が特に良好であることが確認された。実施例1〜4に示すように、フラッタリング特性が良好である場合には、HDDにおいて磁気ディスクに対する磁気信号の書き込みや磁気ディスクからの磁気信号の読み出し時にエラーが生じ難く、HDDのサーボによる位置決め精度が良好となると考えられる。
なお、真円度が1.7μmであって形状評価値が0.5μmの磁気ディスク用ガラス基板(比較例3)を用意し、当該ガラス基板を用いてフラッタリング特性値を測定したところ、レベル4であった。これによって、形状評価値が1.0μm以下であっても真円度が1.5μmを超える場合には、フラッタリングのレベルが良くならないことがわかる。
次に、上記実施例1の磁気ディスク用ガラス基板を10枚作製し、実施例5、6の磁気ディスク用ガラス基板を10枚作製して、Rzと、Raと、Rz(t)/Rz(c)の平均値と、形状評価値のばらつきとをもとめた。Rzの値はいずれのガラス基板も0.2μm以下であった。なお、Raの値はいずれのガラス基板も0.02μm以下であった。実施例5、6の磁気ディスク用ガラス基板は、実施例1の作製条件に対して端面研削工程のみが異なるようにして作製した。具体的には、実施例5、6では、端面研削工程において外周側端面の研削を行うに当たって、研削砥石の溝方向に対するガラス基板の傾斜角度(前述のα)を5度となるようにして1回目の研削を行った後に、別の砥石を用いてガラス基板の傾斜角度が−5度となるようにして2回目の研削を行い、2回目の研削の取代を1回目の研削の取代より少なくなるように調整した。実施例1、5、6の評価結果を表2に示す。表2において、Rz(t)/Rz(c)の平均値とは、10枚のRz(t)/Rz(c)の値の平均値であり、「形状評価値のばらつき」とは、10枚の形状評価値の最大値と最小値の差である。
表2から、Rz(t)/Rz(c)が1.2以下となることで、形状評価値のばらつきが小さくなることがわかる。また、Rz(t)/Rz(c)が1.1以下となると、形状評価値のばらつきがさらに小さくなることがわかる。
Figure 0005763852
次に、実施例1の作製条件に対して端面研磨の取代を変えたサンプル(実施例7、8)を10枚ずつ作製し、実施例7、8の形状評価値のばらつきをもとめた。形状評価値のばらつきは、表2で示したものと同様に、10枚の形状評価値の最大値と最小値の差である。
また、実施例1、7、8について、外周端部における側壁面と面取面の間の部分の曲率半径をもとめた。なお、端面研磨の取代が小さいほど研削工程で整えた形状が維持されるため、形状精度が高めることができる。すなわち、外周端部の周方向において隣接する測定位置での曲率半径の差を小さくすることができる。
ガラス基板1枚についての曲率半径は、以下の通りもとめた。すなわち、外周端部における表面側12点及び裏面側の12点の合計24点測定した。そして、表面側12点における隣接する測定点間の曲率半径の差(12個のデータ)と、裏面側12点における隣接する測定点間の曲率半径の差(12個のデータ)とを求め、合計24個のデータのうち最大の値を、そのガラス基板の曲率半径の最大値とした。測定データの例を、表3に示す。表3において、測定対象となるガラス基板の表面、裏面をそれぞれ、A面、B面として表記している。また、表3において、例えば「0〜30度」のときの曲率半径の差とは、0度の測定点における曲率半径と、30度の測定点における曲率半径の差の絶対値を意味する。また、例えば、A面の30度の位置の裏側をB面の30度の位置となるようにした。
実施例1、7、8の各10枚のサンプルについて曲率半径の差の最大値をもとめたところ、実施例1の10枚のサンプルについてはいずれも0.010mm以下であり、実施例7の10枚のサンプルについてはいずれも0.005mm以下であり、実施例8の10枚のサンプルについてはいずれも0.012mm以下であった。表3に示す測定データの例は、各実施例について曲率半径の差の最大値が最も大きかった1枚のサンプルのデータである。
表4に、実施例1、7、8について、曲率半径の差の最大値(表3に示す値と同じ;10枚のうち最も大きい値)と、形状評価値のばらつきとを示す。
表4から、曲率半径の差の最大値を0.01mm以下とすることで、形状評価値のばらつきを大きく低下させることができることがわかる。
Figure 0005763852
Figure 0005763852
次に、実施例1の作製条件に対して砥石硬度の異なるレジンボンド砥石を用いて端面研削を行うことによって円筒度の異なるサンプル(実施例9〜11)を作り分けた。なお、砥石硬度を低くするほど円筒度を小さくすることができる。円筒度の測定は、図4および図5に示したようにして算出した。つまり、側壁面の板厚方向の中心位置、及び中心位置から上下に100μm離れた位置の輪郭線を取得し、それぞれの輪郭線における内接円と外接円とを取得し、最も小さい内接円の半径と、最も大きな外接円の半径との差をもとめ、その半径の差を側壁面の円筒度とした。いずれの測定も真円度・円筒形状測定機を用いて行った。
実施例9〜11の磁気ディスク用ガラス基板を元に、磁性層他を形成して磁気ディスクを作製した。その磁気ディスクをディスク回転数が7200rpmの2.5インチ型HDDにDFHヘッドと共に組み込み、500kTPIのトラック密度で磁気信号を記録した後、半径位置30.4〜31.4mmの領域においてサーボ信号の読み取り試験を行った。
[評価基準]
HDDのサーボ信号の読み取りエラー回数を評価した。結果を、表5に示す。エラー回数が30以下であれば実用上合格である。
Figure 0005763852
表5の評価結果により、円筒度が5μmを超える場合(比較例9)、実用上は問題ないが、円筒度が5μm以下の場合(実施例10、11)と比較して、サーボ信号の読み取りエラー回数が多くなることが確認された。
次いで、上述の加工条件を適宜変更して、板厚0.5mm(外周側の側壁面の長さ0.3mm)の2種類のガラス基板を作成した(それぞれ比較例1A、実施例1A)。比較例1A、実施例1Aの真円度、形状評価値はそれぞれ、比較例1と実施例1と同じとなるように作成した。それらについてフラッタリングを評価し、形状評価値を低減することによる改善幅を比較したところ、比較例1から実施例1への改善幅よりも、比較例1Aから実施例1Aへの改善幅の方が大きかった。したがって、特に0.5mm以下の板厚の薄いガラス基板において本願発明の効果が高いことが確かめられた。
以上、本発明の磁気ディスク用ガラス基板について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。
11c,12c 面取面
11p,12p 主表面
11w 側壁面
31,33 側壁面上の測定位置
32 ガラス基板の板厚方向の中心位置
32o 側壁面の最小二乗円の中心
34,35 面取面上の測定位置
34o,35o 面取面の最小二乗円の中心
C1 輪郭線の内接円
C2 輪郭線の外接円
G 磁気ディスク用ガラス基板
R 円筒度

Claims (7)

  1. 中心に円孔を有し、一対の主表面と端面とを備える磁気ディスク用ガラス基板であって、
    前記端面は、側壁面と、前記側壁面と前記主表面との間に介在する面取面と、を有し、
    外周側の端面の真円度が1.5μm以下であり、
    外周側の側壁面上の板厚方向に200μm離れた2点の位置における円周方向の輪郭線をそれぞれ取得し、これら輪郭線からそれぞれ求められる2つの最小二乗円の中心間の中点を中点Aとし、
    外周側の2つの面取面上の板厚方向長さの中心の位置において円周方向の輪郭線をそれぞれ取得し、これら輪郭線から求められる最小二乗円の中心のうち、一方の面取面から求められる中心を中心B、他方の面取面から求められる中心を中心Cとしたとき、
    中点Aおよび中心B間の距離と、中点Aおよび中心C間の距離との合計が1μm以下であることを特徴とする、
    磁気ディスク用ガラス基板。
  2. 前記合計が0.5μm以下であることを特徴とする、
    請求項1に記載の磁気ディスク用ガラス基板。
  3. 前記外周側の側壁面の表面粗さに関し、板厚方向における最大高さをRz(t)とし、円周方向における最大高さをRz(c)とした場合に、Rz(t)/Rz(c)が1.2以下であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載された磁気ディスク用ガラス基板。
  4. 前記ガラス基板の中心を基準として周方向に30度ごとに測定点を設け、前記外周側の側壁面と面取面との間の部分の形状の前記測定点における曲率半径をもとめたときに、隣接する測定点間の前記曲率半径の差が0.01mm以下であることを特徴とする、
    請求項1から3のいずれかに記載された磁気ディスク用ガラス基板。
  5. 前記外周側の側壁面において板厚方向に100μm間隔で離れた少なくとも3点の位置を含む板厚方向で異なる複数の位置における前記側壁面の円周方向の輪郭線をそれぞれ取得し、それぞれの輪郭線における内接円と外接円とを取得し、最も小さい内接円の半径と、最も大きな外接円の半径との差が5μm以下であることを特徴とする、
    請求項1から4のいずれかに記載された磁気ディスク用ガラス基板。
  6. 板厚が0.5mm以下であることを特徴とする、
    請求項1から5のいずれかに記載された磁気ディスク用ガラス基板。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載された磁気ディスク用ガラス基板の主表面上に磁性層を形成したことを特徴とする、
    磁気ディスク。
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