JP5759678B2 - 核酸リンカー - Google Patents
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Description
特に近年では、ファージディスプレイ法に代表される進化分子工学の要素技術である遺伝子型−表現型対応付け技術の進歩により、短期間で機能タンパク質を取得することが可能となった。
この課題を克服するために無細胞翻訳系を利用した遺伝子型−表現型の対応付けの方法が開発された。これらの代表的な例としては、リボソームを介してmRNAと前記mRNAを翻訳したタンパク質を連結する「リボソームディスプレイ」やmRNAと前記mRNAをコードしたタンパク質を連結する「in vitro virus法」が挙げられる。これらを用いることにより、1012/ml以上のライブラリーサイズをもち、ファージディスプレイ法が細胞を利用することから生ずる細胞毒性、膜透過性等の課題が解消することからスクリーニング効率の飛躍的な向上が可能となった。
さらに、核酸リンカーが、タンパク質と、これをコードするmRNAと、逆転写したcDNAと、を結ぶcDNAディスプレイ法が開発された。mRNA/cDNA−タンパク質連結体構造は、非常に安定であるため、様々な環境下でスクリーニングを実施することが可能となった。
ピューロマイシンは、アミノアシル−tRNAの3’末端と類似する構造を有するタンパク質合成阻害剤であり、所定の条件下ではリボソーム上で伸長中のタンパク質の3’末端に特異的に結合する。
以下、cDNAディスプレイ法について説明する。
ピューロマイシンを有する核酸リンカーとmRNAとを結合させ、無細胞翻訳系を用いてmRNAからタンパク質を合成すると、合成されたタンパク質とこれをコードするmRNAとがピューロマイシンを介して結合している複合体(mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体)が生ずる(非特許文献1参照)。
次に、このmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体のライブラリーを作製し、所望の機能をもつタンパク質を選択する。選択したmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を逆転写酵素により逆転写し、cDNAを合成し、cDNAの塩基配列を解析することによりタンパク質を同定する。逆転写のタイミングは、タンパク質を選択する前でもよく、mRNA/cDNA−核酸リンカー−を形成した後にタンパク質を合成してもよい。
また、あらかじめタグ配列が挿入されたmRNAを作製しなければならない点で手間である。
(1)本発明の一実施態様における核酸リンカーは、mRNAと、前記mRNAによりコードされるタンパク質との複合体を製造するための核酸リンカーであって、
前記核酸リンカーは、5’末端側に相互に相補的な配列を有する2本のポリヌクレオチド鎖からなり、
前記2本のポリヌクレオチド鎖は、前記配列を介してハイブリダイズしており、
一方のポリヌクレオチド鎖は、前記mRNAの3’末端側の配列とハイブリダイズしうる1本鎖ポリヌクレオチド部分と、前記1本鎖ポリヌクレオチド部分から枝分かれしている末端に前記タンパク質の連結部を有するアーム部分と、を含み、
他方のポリヌクレオチド鎖は、3’末端に一種類のデオキシヌクレオチドが連続して複数個並んだデオキシヌクレオチド配列を含み、前記デオキシヌクレオチド配列の末端に、ポリヌクレオチド以外の分子である特異的に結合する特定の2分子のうちの一方が結合していることを特徴とする。
(2)本発明の一実施態様における核酸リンカーは、前記他方のポリヌクレオチド鎖の3’末端に、前記デオキシヌクレオチド配列と、前記ポリヌクレオチド以外の分子である特異的に結合する特定の2分子のうちの一方とが、タンデムに連結していることが好ましい。
(3)本発明の一実施態様における核酸リンカーは、前記デオキシヌクレオチド配列が、アデニンが連続して複数個並んだポリdA配列又はチミンが連続して複数個並んだポリdT配列であり、前記ポリdA配列または前記ポリdT配列の末端に、前記ポリヌクレオチド以外の分子である特異的に結合する特定の2分子のうちの一方が結合していることが好ましい。
(4)本発明の一実施態様における核酸リンカーは、前記デオキシヌクレオチド配列の塩基数が20以上40以下であることが好ましい。
(5)本発明の一実施態様における核酸リンカーは、前記2本のポリヌクレオチド鎖が、前記一方のポリヌクレオチド鎖の5’末端に結合している光反応架橋剤により架橋されていることが好ましい。
(6)本発明の一実施態様における核酸リンカーは、前記光反応架橋剤が、ソラレン(Psoralen)であることが好ましい。
(7)本発明の一実施態様における核酸リンカーは、前記タンパク質の連結部が、前記アーム部の末端にピューロマイシン、3’−N−アミノアシルピューロマイシンアミノヌクレオシド、または3’−N−アミノアシルアデノシンアミノヌクレオシドが結合されてなることが好ましい。
(8)本発明の一実施態様における核酸リンカーは、前記アーム部が、前記アーム部を切断するための光切断部位または1本鎖核酸切断酵素部位を含むことが好ましい。
(10)本発明の一実施態様における核酸リンカーは、前記他方のポリヌクレオチド鎖が、5’末端に前記mRNAの末端との結合部位を有することが好ましい。
(11)本発明の一実施態様における核酸リンカー−タンパク質複合体は、先に記載の核酸リンカーと、前記mRNAによりコードされるタンパク質と、が連結されていることを特徴とする。
(12)本発明の一実施態様におけるmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体は、先に記載の核酸リンカーを介して、前記mRNAと、前記mRNAによりコードされるタンパク質と、が連結されていることを特徴とする。
(13)本発明の一実施態様におけるmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体は、先に記載の核酸リンカーを介して、前記mRNA及び前記mRNAに相補的なcDNAからなるmRNA/cDNA複合体、並びに前記mRNAによりコードされるタンパク質が連結されていることを特徴とする。
(14)本発明の一実施態様におけるタンパク質複合体の製造方法は、先に記載の核酸リンカーを介して、前記mRNAと、前記mRNAによりコードされるタンパク質と、が連結されているmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を製造する方法であって、
(a)前記mRNAと前記核酸リンカーとをアニールさせる工程と、
(b)前記mRNAの3’末端と前記核酸リンカーの5’末端とをライゲーションさせる工程と、
(c)無細胞タンパク質翻訳系を用いて前記mRNAからタンパク質を合成することにより、前記タンパク質のC末端が前記核酸リンカーの前記タンパク質の連結部と結合しているmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を作製する工程と、
(d)前記mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体が有する前記デオキシヌクレオチド配列のデオキシヌクレオチドと、前記デオキシヌクレオチド配列と相補的な、担体上のポリデオキシヌクレオチドと、を結合させることで、前記複合体を前記担体に固定し、固定化された前記複合体を精製する工程と、を有することを特徴とする。
(a)前記mRNAと前記核酸リンカーとをアニールさせる工程と、
(b)前記mRNAの3’末端と前記核酸リンカーの5’末端とをライゲーションさせる工程と、
(c)無細胞タンパク質翻訳系を用いて前記mRNAからタンパク質を合成することにより、前記タンパク質のC末端が前記核酸リンカーの前記タンパク質の連結部と結合しているmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を作製する工程と、
(e)RNA分解酵素を用いて前記mRNAを分解し、核酸リンカー−タンパク質複合体を作製する工程と、
(d)前記核酸リンカー−タンパク質複合体が有する前記デオキシヌクレオチド配列のデオキシヌクレオチドと、前記デオキシヌクレオチド配列と相補的な、担体上のポリデオキシヌクレオチドと、を結合させることで、前記複合体を前記担体に固定し、固定化された前記複合体を精製する工程と、を有することを特徴とする。
(16)本発明の一実施態様におけるタンパク質複合体の製造方法は、先に記載の核酸リンカーを介して、前記mRNA及び前記mRNAに相補的なcDNAからなるmRNA/cDNA複合体、並びに前記mRNAによりコードされるタンパク質が連結されているmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を製造する方法であって、
(a)前記mRNAと前記核酸リンカーとをアニールさせる工程と、
(b)前記mRNAの3’末端と前記核酸リンカーの5’末端とをライゲーションさせる工程と、
(c)無細胞タンパク質翻訳系を用いて前記mRNAからタンパク質を合成することにより、前記タンパク質のC末端が前記核酸リンカーの前記タンパク質の連結部と結合しているmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を作製する工程と、
(f)前記mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を逆転写反応に供して、mRNA/cDNA−核酸リンカー複合体を作製する工程と、
(d)前記mRNA/cDNA−核酸リンカー複合体が有する前記デオキシヌクレオチド配列のデオキシヌクレオチドと、前記デオキシヌクレオチド配列と相補的な、担体上のポリデオキシヌクレオチドと、を結合させることで、前記複合体を前記担体に固定し、固定化された前記複合体を精製する工程と、を有することを特徴とする。
(17)本発明の一実施態様におけるタンパク質複合体の製造方法は、前記デオキシヌクレオチド配列のデオキシヌクレオチドがポリdAであり、前記工程(d)が、前記複合体が有する前記ポリdAと、担体上のポリdTと、を結合させることで、前記複合体を前記担体に固定し、固定化された前記複合体を精製する工程であることが好ましい。
(18)本発明の一実施態様におけるプロテインアレイは、先に記載のタンパク質複合体が基板上に固定化されていることを特徴とする。
(19)本発明の一実施態様における解析方法は、先に記載のプロテインアレイを標的分子と接触させ、前記標的分子とタンパク質複合体との相互作用を解析することを特徴とする。
(20)本発明の一実施態様における標的分子結合タンパク質の同定方法は、標的分子と結合するタンパク質を同定する方法であって、
(g)先に記載のタンパク質複合体が基板上に固定化されているプロテインアレイを標的分子と接触させる工程と、
(h)前記標的分子とmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体との相互作用を解析する工程と、
(i)標的分子と結合したmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体から、mRNA/cDNAを回収し、回収されたcDNAの塩基配列を決定する工程と、を有することを特徴とする。
(21)本発明の一実施態様における標的分子結合タンパク質の同定方法は、前記工程(h)が、表面プラズモン共鳴法により行われる工程であることが好ましい。
本実施形態の核酸リンカーは、mRNAまたはmRNA/cDNAと、これらがコードするタンパク質とを連結するためのリンカーである。本実施形態の核酸リンカーの構造について、図1を用いて説明する。
図1中、Puはピューロマイシン、Fはfluorescein、ATCGはDNAシーケンスを示している。また、Spc18はアーム部を構成するスペーサーを示し、dAはデオキシアデニンを示している。
前記1本鎖ポリヌクレオチド部分は、5’末端側にPolyA sideの5’末端側と相補する配列を有し、3’側の領域にスクリーニングすべきmRNAの3’末端側の配列とハイブリダイズしうる配列を有している。
また、前記1本鎖ポリヌクレオチド部分は、5’末端に光反応架橋剤を有し、前記2本のポリヌクレオチド鎖が、前記光反応架橋剤により架橋されていることが好ましい。これにより、Puro side及びPolyA side間の結合を強固なものとすることができる。
光反応架橋剤としては、芳香族アジド系化合物(例、多環芳香族アジド系化合物、等)やベンゾフラン系化合物等が挙げられ、ベンゾフラン系化合物としては、ソラレン(Psoralen)が好適に用いられる。ソラレンは、前記2本のポリヌクレオチド鎖が有する相補的な5’- TA配列に特異的にインターカレーションし、UV光(350nm)照射によりチミン残基同士に共有結合をつくり2本鎖を架橋する。
後述するようにスクリーニングすべきmRNAを逆転写させる必要がある場合には、アーム部分の5’末端は、1本鎖ポリヌクレオチド部分の3’末端から数塩基上流の位置で1本鎖ポリヌクレオチド部分と結合し、T字型の構造を形成していることが好ましい。逆転写の際に1本鎖ポリヌクレオチド部分の3’末端がプライマーとして機能するからである。
ピューロマイシンは、アミノアシル−tRNAの3’末端と類似する構造を有するタンパク質合成阻害剤である。タンパク質の連結部としては,伸張中のタンパク質の3’末端に特異的に結合する機能を有する限り、任意の物質を用いることができ、3’−N−アミノアシルピューロマイシンアミノヌクレオシド、または3’−N−アミノアシルアデノシンアミノヌクレオシドなどのピューロマイシン誘導体を用いることができる。
アーム部分は、スペーサーとして機能するものであれば、核酸や核酸誘導体から構成されていてもよく、ポリエチレングリコールなどの高分子から構成されていてもよい。アーム部分にはさらに、ピューロマイシンの安定性を高めるための修飾や,複合体の検出のための標識が付加されていてもよい。
このことにより、タンパク質と標的物質との結合を解離させることなく、タンパク質と対応づけられるmRNA(またはcDNA)を回収することができる。
光切断性部位とは,紫外線などの光を照射すると切断される性質を有する基をいい、例えば、PC Linker Phosphoramidite(Glen research社)、フラーレンを含有してなる核酸の光切断用組成物(核酸の光切断用組成物:特開2005−245223)、光分解(SBIP)手法による鎖切断などが挙げられる。
光切断性部位としては、当該技術分野において市販されているか、または知られているいずれの基を用いてもよい。また,1本鎖核酸切断酵素切断部位とは,デオキシリボヌクレアーゼ、リボヌクレアーゼなどの1本鎖核酸切断酵素により切断されることができる核酸基をいい、ヌクレオチドおよびその誘導体が含まれる。
cDNAディスプレイ法においては、無細胞翻訳系でmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を合成した後、mRNAから逆転写によりcDNAを合成する際に、無細胞翻訳系に由来する夾雑物質が存在すると逆転写の効率が低くなるため、逆転写反応の前にmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を精製することもできる。
前記複合体は、PolyA sideの3’末端にポリdA配列が結合しているので、無細胞翻訳系でmRNAからタンパク質を合成した後に、mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体をポリdA配列を介してOligo dTカラムに結合させて回収し、溶出し、逆転写することにより、mRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を無細胞翻訳系から容易に精製することができる。
親和性物質としては、ビオチン、スクシンイミジル基等の活性エステル基、マレイミド基、ヨウ化アセチル基、各種の抗原又は抗体、FLAGタグ、Hisタグ等が挙げられ、ビオチンが好ましく用いられる。これにより、後述するmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体をストレプトアビジンが結合されている基板上に固定することができる。
本実施形態のmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体は、本実施形態のmRNA−核酸リンカーを用いて製造される。
本実施形態のmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体の製造方法は、
(a)前記mRNAと前記核酸リンカーとをアニールさせる工程と、
(b)前記mRNAの3’末端と前記核酸リンカーの5’末端とをライゲーションさせる工程と、
(c)無細胞タンパク質翻訳系を用いて前記mRNAからタンパク質を合成することにより、前記タンパク質のC末端が前記核酸リンカーの前記タンパク質の連結部と結合しているmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を作製する工程と、
(d)前記mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体が有するオリゴdAと、担体上のオリゴdTと、を結合させることで、前記複合体を前記担体に固定し、固定化された前記複合体を精製する工程と、を有することを特徴とする。
以下、各工程について説明する。
mRNAは、スクリーニングすべきタンパク質をコードするDNAを調製し、RNAポリメラーゼにより転写させることにより得られる。RNAポリメラーゼとしては、例えばT7RNAポリメラーゼが挙げられる。
前記DNAとしては、標的分子との結合に関して調べたい任意のDNAまたはDNAライブラリーを利用することができる。例えば、サンプル組織から得たcDNAライブラリー、配列をランダムに合成したDNAライブラリー、配列の一部を変異させたDNAライブラリーなどを用いることができる。
転写前のDNAの3’末端に共通のタグ配列を挿入し、転写後のmRNAの3’側が、本実施形態の核酸リンカーのPuro sideの3’側の領域とハイブリダイズするように設計しておく。
このような系を用いることにより、mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体が製造される。
本実施形態においては、核酸の精製方法に用いられる手法をタンパク質の精製方法に利用している。そのため、担体上のオリゴdTは、オリゴdAを有するmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体に特異的に結合する。工程(d)を用いることによって純度の高いタンパク質複合体を精製することができる。このようにして製造されたタンパク質複合体は、繊細な評価系、例えばビアコアを用いたタンパク質相互作用解析や、コンタミタンパク質の存在によってS/N比(シグナル/ノイズ比)を充分に得られなくなってしまうようなアッセイ系に好適に用いられる。
本実施形態のmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体の製造方法は、上述したmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体の製造方法に加えて工程(f)を有する。工程(f)において、上述したmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体から逆転写によりcDNAを合成する。逆転写に用いられる逆転写酵素としては、従来公知のものが用いられ、例えば、Moloney Murine Leukemia Virus由来の逆転写酵素等が挙げられる。
逆転写されたcDNAはmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体のmRNAとハイブリッドを形成する。mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体中のmRNAは、アプタマーとして非特異的相互作用する可能性が高いため、タンパク質間相互作用解析を行う場合には、このようなmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を作製しておくことが好ましい。
また、標的タンパク質と相互作用の確認されたタンパク質をコードするcDNAを解析するためには、この複合体の作製が必須である。
本実施形態の核酸リンカー−タンパク質複合体の製造方法は、上述したmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体の製造方法に加えて工程(e)を有する。工程(e)において、RNA分解酵素(RNase)を用いて前記mRNAを分解し、核酸リンカー−タンパク質複合体を生成する。
タンパク質間相互作用解析を行うためには、上述したmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体の場合と同様、mRNAとcDNAとのハイブリッドを形成させておくか、RNaseを用いてmRNAを分解させておくことが好ましい。mRNAを分解した核酸リンカー−タンパク質複合体は、タンパク質間相互作用解析に好適に用いられる。
本実施形態のプロテインアレイ(プロテインチップ)は、上述したタンパク質複合体をマイクロアレイ基板上に固定化されてなるものである。用いられる基板としては、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板、金属基板等が挙げられる。本実施形態のタンパク質複合体には、固相結合部位が設けられており、その固相結合部位と、基板に結合させた固相結合部位認識部位との結合を利用して、タンパク質複合体をマイクロアレイ基板上に固定化する。
このような固相結合部位/固相結合部位認識部位の組み合わせとしては、アビジン及びストレプトアビジン等のビオチン結合タンパク質/ビオチン、スクシンイミジル基等の活性エステル基/アミノ基、ヨウ化アセチル基/アミノ基、マレイミド基/チオール基(‐SH)、マルトース結合タンパク質/マルトース、Gタンパク質/グアニンヌクレオチド、ポリヒスチジンペプチド/ニッケルあるいはコバルト等の金属イオン、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ/グルタチオン、DNA結合タンパク質/DNA、抗体/抗原分子(エピトープ)、カルモジュリン/カルモジュリン結合ペプチド、ATP結合タンパク質/ATP、あるいはエストラジオール受容体タンパク質/エストラジオールなどの、各種受容体タンパク質/そのリガンドなどが挙げられる。
これらの中で、固相結合部位/固相結合部位認識部位の組合せとしては、アビジン及びストレプトアビジンなどのビオチン結合タンパク質、マルトース結合タンパク質/マルトース、ポリヒスチジンペプチド/ニッケルあるいはコバルト等の金属イオン、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ/グルタチオン、抗体/抗原分子(エピトープ)などが好ましく、使い勝手の良さからストレプトアビジン/ビオチンの組合せが最も好ましい。
本実施形態のプロテインアレイを用いて、例えば、配列既知のタンパク質と標的分子との相互作用を解析することができる。「標的分子」とは、本実施形態において合成されるタンパク質と相互作用するか否かを調べるための物質を意味し、有機化合物、無機化合物、あるいはこれらの複合体を示し、一例として、タンパク質、ペプチド、核酸、低分子化合物等が挙げられる。
解析方法としては、オーファンレセプター等の配列既知のタンパク質複合体からなるプロテインアレイを作製し、これに作用するリガンドや低分子化合物等をスクリーニングする方法が例示される。
また、表面プラズモン共鳴法は、標識を必要としない測定法であり、分子間の相互作用を微量のサンプルで迅速に解析できる優れた方法である。しかしながら、この測定方法を用いるためには高純度で夾雑物のないタンパク質が必要とされる。
本実施形態のプロテインアレイは、上述したような純度の高いタンパク質からなるため、表面プラズモン共鳴法のような感度の高い系において好適に用いられる。
本実施形態の標的分子結合タンパク質の同定方法は、
(g)上述したmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体が基板上に固定化されているタンパク質複合体アレイを標的分子と接触させる工程と、
(h)前記標的分子とmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体との相互作用を解析する工程と、
(i)標的分子と結合したmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体から、mRNA/cDNAを回収し、回収されたcDNAの塩基配列を決定する工程と、を有することを特徴とする。
以下、各工程について説明する。
1−1 材料
以下に示す材料をジーンワールド社より購入した。
(1)Puro side
[配列:5’−(PS)−X−(F)−(Spc18)−(Spc18)−(Spc18)−CC−(Puro)−3’]
ここで、Xは以下の配列を表す。
TACGACGATCTCGAACGAACCACCCCCCCCGCCGCCCCCCGTCC(配列番号1:44mer)
(2)PolyA side
[配列:5’−Z−(B)−3’]
ここで、Zは以下の配列を表す。
CCCGTGGTTCGTTCGACATCGTCGTAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA(配列番号2:56mer)
また、(PS)はPsoralen、(F)はFluorescent−dT、(Puro)はPuromycin CPG、(B)は、BiotinTEG、(Spc18)は(18−O−Dimethoxytritylhexaethyleneglycol,1−[(2−cyanoethyl)−(N,N−diisopropyl)]−phosphoramidite)である。これらは、いずれもGlen Research社製である。
Puro side(100pmol/μl)20μl及びPolyA side(100pmol/μl)5μlを50mM Tris−HClバッファー(pH6.8、200mM NaClを含む)25μlに溶かした反応溶液を、T3 Thermocycler(Biometra社)を用いて、90℃に加熱後、1時間かけて25℃まで冷却した。
その後、Model UVL−56 Blak−ray Lampを用いて反応溶液をUV照射し(λ=365nm、15分)、Puro sideとPolyA sideを架橋により結合させた。
5’側にT7、Cap、オメガ配列、Kozak配列、3’末端にリンカーのDNA部分と相補な配列をもち、終止コドンを削ったProteinAのB−domain(配列番号3:372bp)をPCRにより増幅した。反応液を表1に記載の組成となるように調製し、95℃で2分間保持した後、95℃30秒、69℃25秒、72℃40秒の3ステップPCRを30サイクル行い、72℃で2分間保持した後、4℃で冷却した。尚、用いたプライマーの配列を以下に示す。
(1) Primer New Y−tag (22mer、20pmol/μl)
[配列:5’− TTTCCCCGCCGCCCCCCGTCCT−3’](配列番号4)
(2)Primer New left (33mer、20pmol/μl)
[配列:5’− TTTCCCCGCCGCCCCCCGTCCT−3’](配列番号5)
5’キャップ及び3’にタグ配列を持ったmRNA 20pmolに、核酸リンカーを20pmol、10xT4 Ligation Buffer(TaKaRa)2μl、を加え20μlになるようDEPC処理水を加えた。調製した反応溶液をT3 Thermocycler(Biometra社)を用いて、90℃に加熱後、1時間かけて25℃まで冷却した。その後、15unit T4 Plynucleotide Kinase(TaKaRa、1.0μl)、100unit T4 RNA Ligase(TaKaRa、1.0μl)を加え、25℃、30分反応させた。サンプルをRNeasy Mini Elute Cleanup Kit(Qiagen社)で精製した。
上記に従って反応した産物を8M Ureaの8%変性アクリルアミドゲルで電気泳動を行った。泳動後、SYBR Goldを用いて核酸を染色した。結果を図2に示す。
レーン3において、矢印はライゲーション産物(mRNA−Linker fusion)を示す。未反応のProteinAのB−domainの量が少ないことから、本実施形態の核酸リンカーを用いた場合のライゲーション効率は高いことが分かる。
上記のように合成した、核酸リンカーとmRNAの複合体に無細胞翻訳系(Wheat Germ Extract Plus、Promega社)を30μl加え、30℃、30分翻訳反応を行った。その後、3M KClを10μl、1M MgCl2を3μl加えて37℃で40分間放置し、0.4M EDTAを10μl加え、mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を合成した。
Oligo dT Beads(Dyanal社)を使用量チューブに取り、添付のマニュアルに従い洗浄を行った。上記のように合成したmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体に等量のBinding Buffer(20mM Tris−HCl pH7.5、1M LiCl、2mM EDTA)を加え、室温に置いた後、上記mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体をBinding Bufferに懸濁した洗浄済みOligo dT Beads液に加えた。室温で1時間THERMO BLOCK ROTATER(NISSIN社)を用い、転倒混和した後、チューブを氷上に5分放置した。mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体及びBinding Bufferの総量と等量のWashing Buffer(10mM Tris−HCl pH7.5、150mM LiCl、1mM EDTA)を加え、転倒混和し、チューブをマグネット上に2〜3分置いた後、上清を取り除き、マグネットからチューブを外した。この洗浄操作をもう一度繰り返した後、DEPC treated waterを加え、混和させ、室温で5分放置し、溶出させた。
上記に従って精製したmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体をSDS−PAGEを用いて電気泳動を行った。泳動後、SYPRO Rubyを用いてタンパク質を染色した。また、上述したように核酸リンカーには、Puro sideの3’末端がFITCにより蛍光標識されているため、蛍光イメージを取得した。
結果を図4に示す。
上段のレーン2及びレーン3において、mRNA−Linker−protein fusionの蛍光強度は同程度である。その一方、下段のレーン2において検出される無細胞翻訳系に含まれる夾雑物が、レーン3においては全く検出されていない。これらのことから、Oligo dT Beads用いて精製されたmRNA−Linker−protein fusionの純度は非常に高いことが確認された。
BiacoreJ(GE Healthcare社)を用いて、Sensorchip SA上にmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体の固定化を行った。Sensorchip SAは、基板上にデキストランを介してストレプトアビジンが結合しているSPR(Surface Plasmon Resonance、表面プラズモン共鳴)用のセンサーチップである。これに対し、核酸リンカーにはPolyA sideの3’末端にビオチンが付されているため、ストレプトアビジンとビオチンの強い親和性を利用することができる。
まず、Sensorchip SAに共有結合によらず吸着したストレプトアビジン分子を洗い流し、ベースラインの安定化を図るため、1M NaClを含有した50mM NaOHを用いてSensorchip SA表面の洗浄を1分間、3回行った。
次に100mM NaClを含むmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体をフローセルにインジェクションし、固定化を行った。Running BufferとしてHBS−EP Bufferを用いた。
ProteinAのB−domainと強い相互作用を示すことが知られているIgGをフローセルにインジェクションし、ProteinAのB−domainとの相互作用解析を行った。PBSに溶解させたラビット血清由来のIgGを3つの濃度(2.5μg/ml、10μg/ml、20μg/ml)インジェクションし、相互作用解析を行った。結果を図102に示す。
また、本実施形態のタンパク質複合体の製造方法は、高純度なタンパク質を得るための画期的な方法であるため、アッセイ系においてコンタミタンパク質の混入を嫌うような系においても好適に用いられる。さらに、本実施形態のタンパク質複合体の製造方法を、近年改良されている無細胞翻訳系を用いたタンパク質の大量合成系と組み合わせることで、高純度なタンパク質を必要とするタンパク質の結晶化及びそれを用いた立体構造解析にも好適に用いられる。
Claims (21)
- mRNAと、前記mRNAによりコードされるタンパク質との複合体を製造するための核酸リンカーであって、
前記核酸リンカーは、5’末端側に相互に相補的な配列を有する2本のポリヌクレオチド鎖からなり、
前記2本のポリヌクレオチド鎖は、前記配列を介してハイブリダイズしており、
一方のポリヌクレオチド鎖は、前記mRNAの3’末端側の配列とハイブリダイズしうる1本鎖ポリヌクレオチド部分と、前記1本鎖ポリヌクレオチド部分から枝分かれしている末端に前記タンパク質の連結部を有するアーム部分と、を含み、
他方のポリヌクレオチド鎖は、3’末端に一種類のデオキシヌクレオチドが連続して複数個並んだデオキシヌクレオチド配列を含み、前記デオキシヌクレオチド配列の末端に、ポリヌクレオチド以外の分子である特異的に結合する特定の2分子のうちの一方が結合していることを特徴とする核酸リンカー。 - 前記他方のポリヌクレオチド鎖の3’末端に、前記デオキシヌクレオチド配列と、前記ポリヌクレオチド以外の分子である特異的に結合する特定の2分子のうちの一方とが、タンデムに連結している請求項1に記載の核酸リンカー。
- 前記デオキシヌクレオチド配列は、アデニンが連続して複数個並んだポリdA配列又はチミンが連続して複数個並んだポリdT配列であり、前記ポリdA配列または前記ポリdT配列の末端に、前記ポリヌクレオチド以外の分子である特異的に結合する特定の2分子のうちの一方が結合していることを特徴とする請求項1又は2に記載の核酸リンカー。
- 前記デオキシヌクレオチド配列は、塩基数が20以上40以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の核酸リンカー。
- 前記2本のポリヌクレオチド鎖は、前記一方のポリヌクレオチド鎖の5’末端に結合している光反応架橋剤により架橋されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の核酸リンカー。
- 前記光反応架橋剤は、ソラレン(Psoralen)である請求項5に記載の核酸リンカー。
- 前記タンパク質の連結部は、前記アーム部の末端にピューロマイシン、3’−N−アミノアシルピューロマイシンアミノヌクレオシド、または3’−N−アミノアシルアデノシンアミノヌクレオシドが結合されてなる請求項1〜6のいずれか一項に記載の核酸リンカー。
- 前記アーム部が、前記アーム部を切断するための光切断部位または1本鎖核酸切断酵素部位を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の核酸リンカー。
- 前記一方のポリヌクレオチド鎖が、標識物質を有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の核酸リンカー。
- 前記他方のポリヌクレオチド鎖は、5’末端に前記mRNAの末端との結合部位を有する請求項1〜9のいずれか一項に記載の核酸リンカー。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の核酸リンカーと、前記mRNAによりコードされるタンパク質と、が連結されていることを特徴とする核酸リンカー−タンパク質複合体。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の核酸リンカーを介して、前記mRNAと、前記mRNAによりコードされるタンパク質と、が連結されていることを特徴とするmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の核酸リンカーを介して、前記mRNA及び前記mRNAに相補的なcDNAからなるmRNA/cDNA複合体、並びに前記mRNAによりコードされるタンパク質が連結されていることを特徴とするmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の核酸リンカーを介して、前記mRNAと、前記mRNAによりコードされるタンパク質と、が連結されているmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を製造する方法であって、
(a)前記mRNAと前記核酸リンカーとをアニールさせる工程と、
(b)前記mRNAの3’末端と前記核酸リンカーの5’末端とをライゲーションさせる工程と、
(c)無細胞タンパク質翻訳系を用いて前記mRNAからタンパク質を合成することにより、前記タンパク質のC末端が前記核酸リンカーの前記タンパク質の連結部と結合しているmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を作製する工程と、
(d)前記mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体が有する前記デオキシヌクレオチド配列のデオキシヌクレオチドと、前記デオキシヌクレオチド配列と相補的な担体上のポリデオキシヌクレオチドと、を結合させることで、前記複合体を前記担体に固定し、固定化された前記複合体を精製する工程と、を有することを特徴とするタンパク質複合体の製造方法。 - 請求項1〜10のいずれか一項に記載の核酸リンカーと、前記mRNAによりコードされるタンパク質と、が連結されている核酸リンカー−タンパク質複合体を製造する方法であって、
(a)前記mRNAと前記核酸リンカーとをアニールさせる工程と、
(b)前記mRNAの3’末端と前記核酸リンカーの5’末端とをライゲーションさせる工程と、
(c)無細胞タンパク質翻訳系を用いて前記mRNAからタンパク質を合成することにより、前記タンパク質のC末端が前記核酸リンカーの前記タンパク質の連結部と結合しているmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を作製する工程と、
(e)RNA分解酵素を用いて前記mRNAを分解し、核酸リンカー−タンパク質複合体を作製する工程と、
(d)前記核酸リンカー−タンパク質複合体が有する前記デオキシヌクレオチド配列のデオキシヌクレオチドと、前記デオキシヌクレオチド配列と相補的な担体上のポリデオキシヌクレオチドと、を結合させることで、前記複合体を前記担体に固定し、固定化された前記複合体を精製する工程と、を有することを特徴とするタンパク質複合体の製造方法。 - 請求項1〜10のいずれか一項に記載の核酸リンカーを介して、前記mRNA及び前記mRNAに相補的なcDNAからなるmRNA/cDNA複合体、並びに前記mRNAによりコードされるタンパク質が連結されているmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を製造する方法であって、
(a)前記mRNAと前記核酸リンカーとをアニールさせる工程と、
(b)前記mRNAの3’末端と前記核酸リンカーの5’末端とをライゲーションさせる工程と、
(c)無細胞タンパク質翻訳系を用いて前記mRNAからタンパク質を合成することにより、前記タンパク質のC末端が前記核酸リンカーの前記タンパク質の連結部と結合しているmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を作製する工程と、
(f)前記mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を逆転写反応に供して、mRNA/cDNA−核酸リンカー複合体を作製する工程と、
(d)前記mRNA/cDNA−核酸リンカー複合体が有する前記デオキシヌクレオチド配列のデオキシヌクレオチドと、前記デオキシヌクレオチド配列と相補的な担体上のポリデオキシヌクレオチドと、を結合させることで、前記複合体を前記担体に固定し、固定化された前記複合体を精製する工程と、を有することを特徴とするタンパク質複合体の製造方法。 - 前記デオキシヌクレオチド配列のデオキシヌクレオチドがポリdAであり、前記工程(d)が、前記複合体が有する前記ポリdAと、担体上のポリdTと、を結合させることで、前記複合体を前記担体に固定し、固定化された前記複合体を精製する工程である請求項14〜16のいずれか一項に記載のタンパク質複合体の製造方法。
- 請求項11〜13のいずれか一項に記載のタンパク質複合体が基板上に固定化されていることを特徴とするプロテインアレイ。
- 請求項18に記載のプロテインアレイを標的分子と接触させ、前記標的分子と前記タンパク質複合体との相互作用を解析することを特徴とする解析方法。
- 標的分子と結合するタンパク質を同定する方法であって、
(g)請求項13に記載のタンパク質複合体が基板上に固定化されているプロテインアレイを標的分子と接触させる工程と、
(h)前記標的分子とmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体との相互作用を解析する工程と、
(i)標的分子と結合したmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体から、mRNA/cDNAを回収し、回収されたcDNAの塩基配列を決定する工程と、を有することを特徴とする標的分子結合タンパク質の同定方法。 - 前記工程(h)が、表面プラズモン共鳴法により行われる工程である請求項20に記載の標的分子結合タンパク質の同定方法。
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