JP5759678B2 - 核酸リンカー - Google Patents

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Description

本発明は、核酸リンカー、核酸リンカー−タンパク質複合体、mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体、mRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体、これらタンパク質複合体の製造方法、プロテインアレイ、これを用いたタンパク質間相互作用解析方法、標的分子結合タンパク質同定方法に関する。
新規機能ペプチド・タンパク質の取得に際しては、ペプチド・タンパク質の構造情報から人知によりデザインするタンパク質工学的手法と、膨大な種類の分子が存在するランダムライブラリーから目的の機能を有する分子を取得する進化分子工学的手法とが主流になっている。
特に近年では、ファージディスプレイ法に代表される進化分子工学の要素技術である遺伝子型−表現型対応付け技術の進歩により、短期間で機能タンパク質を取得することが可能となった。
細胞を利用した遺伝子型−表現型対応付け技術としては、ファージディスプレイ法以外に大腸菌や酵母等を用いた細胞ディスプレイ法が挙げられる。これらはいずれも機能ペプチド・タンパク質を取得する上で有益な方法であるが、単位体積あたりの細胞数が制限されるため10/ml以上のライブラリーサイズをもつことは不可能であり、このため、スクリーニング効率が低いという欠点があった。
この課題を克服するために無細胞翻訳系を利用した遺伝子型−表現型の対応付けの方法が開発された。これらの代表的な例としては、リボソームを介してmRNAと前記mRNAを翻訳したタンパク質を連結する「リボソームディスプレイ」やmRNAと前記mRNAをコードしたタンパク質を連結する「in vitro virus法」が挙げられる。これらを用いることにより、1012/ml以上のライブラリーサイズをもち、ファージディスプレイ法が細胞を利用することから生ずる細胞毒性、膜透過性等の課題が解消することからスクリーニング効率の飛躍的な向上が可能となった。
さらに、核酸リンカーが、タンパク質と、これをコードするmRNAと、逆転写したcDNAと、を結ぶcDNAディスプレイ法が開発された。mRNA/cDNA−タンパク質連結体構造は、非常に安定であるため、様々な環境下でスクリーニングを実施することが可能となった。
cDNAディスプレイ法は、タンパク質とこれをコードするポリヌクレオチドとを連結する核酸リンカー中に有するピューロマイシンに特徴を有している(特許文献1参照)。
ピューロマイシンは、アミノアシル−tRNAの3’末端と類似する構造を有するタンパク質合成阻害剤であり、所定の条件下ではリボソーム上で伸長中のタンパク質の3’末端に特異的に結合する。
以下、cDNAディスプレイ法について説明する。
ピューロマイシンを有する核酸リンカーとmRNAとを結合させ、無細胞翻訳系を用いてmRNAからタンパク質を合成すると、合成されたタンパク質とこれをコードするmRNAとがピューロマイシンを介して結合している複合体(mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体)が生ずる(非特許文献1参照)。
次に、このmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体のライブラリーを作製し、所望の機能をもつタンパク質を選択する。選択したmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を逆転写酵素により逆転写し、cDNAを合成し、cDNAの塩基配列を解析することによりタンパク質を同定する。逆転写のタイミングは、タンパク質を選択する前でもよく、mRNA/cDNA−核酸リンカー−を形成した後にタンパク質を合成してもよい。
上記mRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体のライブラリーを基板上に固定したタンパク質チップは、網羅的解析により、短期間で機能タンパク質を取得するためのツールとして重要である。このような網羅的解析をするにあたり、チップを構成する個々のタンパク質が、基板上に適当量固定されている必要がある。さらに、タンパク質相互作用解析や感度を必要とする繊細なアッセイを行う場合には、基板上のタンパク質に高純度が要求される場合がある。
これに対して、His(ヒスチヂン)タグやGST(グルタチオン−S−トランスフェラーゼ)タグといったアミノ酸配列からなるタグ配列を精製すべきタンパク質に挿入し、融合タンパク質をアフィニティー精製により得るという手法が行われている。
特許第4318721号公報
Nemotoら、FEBS Lett、第414巻、第405〜408頁、1997年
しかしながら、このような手法は、精製に用いられるビーズ(担体樹脂)が有する特定のアミノ酸配列との親和性を利用したものであるため、類似するアミノ酸配列を有する夾雑タンパク質を除去することが難しく、精製度の点で難がある。特に合成量の少ない無細胞翻訳系を用いた場合には適していない。
また、あらかじめタグ配列が挿入されたmRNAを作製しなければならない点で手間である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、網羅的なタンパク質相互作用解析等に用いられる、純度の高いタンパク質を精製できる核酸リンカーを提供することを目的とする。
本発明者らは上記の課題を解決するため、鋭意研究を行った結果、核酸リンカーの3’末端にポリdA(ポリデオキシアデニン)を導入することにより課題を解決できることを見出した。本発明の一実施態様は、下記(1)〜(21)を提供するものである。
(1)本発明の一実施態様における核酸リンカーは、mRNAと、前記mRNAによりコードされるタンパク質との複合体を製造するための核酸リンカーであって、
前記核酸リンカーは、5’末端側に相互に相補的な配列を有する2本のポリヌクレオチド鎖からなり、
前記2本のポリヌクレオチド鎖は、前記配列を介してハイブリダイズしており、
一方のポリヌクレオチド鎖は、前記mRNAの3’末端側の配列とハイブリダイズしうる1本鎖ポリヌクレオチド部分と、前記1本鎖ポリヌクレオチド部分から枝分かれしている末端に前記タンパク質の連結部を有するアーム部分と、を含み、
他方のポリヌクレオチド鎖は、3’末端に一種類のデオキシヌクレオチドが連続して複数個並んだデオキシヌクレオチド配列を含み、前記デオキシヌクレオチド配列の末端に、ポリヌクレオチド以外の分子である特異的に結合する特定の2分子のうちの一方が結合していることを特徴とする。
(2)本発明の一実施態様における核酸リンカーは、前記他方のポリヌクレオチド鎖の3’末端に、前記デオキシヌクレオチド配列と、前記ポリヌクレオチド以外の分子である特異的に結合する特定の2分子のうちの一方とが、タンデムに連結していることが好ましい。
(3)本発明の一実施態様における核酸リンカーは、前記デオキシヌクレオチド配列が、アデニンが連続して複数個並んだポリdA配列又はチミンが連続して複数個並んだポリdT配列であり、前記ポリdA配列または前記ポリdT配列の末端に、前記ポリヌクレオチド以外の分子である特異的に結合する特定の2分子のうちの一方が結合していることが好ましい。
)本発明の一実施態様における核酸リンカーは、前記デオキシヌクレオチド配列の塩基数が20以上40以下であることが好ましい。
)本発明の一実施態様における核酸リンカーは、前記2本のポリヌクレオチド鎖が、前記一方のポリヌクレオチド鎖の5’末端に結合している光反応架橋剤により架橋されていることが好ましい。
)本発明の一実施態様における核酸リンカーは、前記光反応架橋剤が、ソラレン(Psoralen)であることが好ましい。
)本発明の一実施態様における核酸リンカーは、前記タンパク質の連結部が、前記アーム部の末端にピューロマイシン、3’−N−アミノアシルピューロマイシンアミノヌクレオシド、または3’−N−アミノアシルアデノシンアミノヌクレオシドが結合されてなることが好ましい。
)本発明の一実施態様における核酸リンカーは、前記アーム部が、前記アーム部を切断するための光切断部位または1本鎖核酸切断酵素部位を含むことが好ましい。
)本発明の一実施態様における核酸リンカーは、前記一方のポリヌクレオチド鎖が、標識物質を有することが好ましい。
10)本発明の一実施態様における核酸リンカーは、前記他方のポリヌクレオチド鎖が、5’末端に前記mRNAの末端との結合部位を有することが好ましい。
11)本発明の一実施態様における核酸リンカー−タンパク質複合体は、先に記載の核酸リンカーと、前記mRNAによりコードされるタンパク質と、が連結されていることを特徴とする。
12)本発明の一実施態様におけるmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体は、先に記載の核酸リンカーを介して、前記mRNAと、前記mRNAによりコードされるタンパク質と、が連結されていることを特徴とする。
13)本発明の一実施態様におけるmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体は、先に記載の核酸リンカーを介して、前記mRNA及び前記mRNAに相補的なcDNAからなるmRNA/cDNA複合体、並びに前記mRNAによりコードされるタンパク質が連結されていることを特徴とする。
14)本発明の一実施態様におけるタンパク質複合体の製造方法は、先に記載の核酸リンカーを介して、前記mRNAと、前記mRNAによりコードされるタンパク質と、が連結されているmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を製造する方法であって、
(a)前記mRNAと前記核酸リンカーとをアニールさせる工程と、
(b)前記mRNAの3’末端と前記核酸リンカーの5’末端とをライゲーションさせる工程と、
(c)無細胞タンパク質翻訳系を用いて前記mRNAからタンパク質を合成することにより、前記タンパク質のC末端が前記核酸リンカーの前記タンパク質の連結部と結合しているmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を作製する工程と、
(d)前記mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体が有する前記デオキシヌクレオチド配列のデオキシヌクレオチドと、前記デオキシヌクレオチド配列と相補的な、担体上のポリデオキシヌクレオチドと、を結合させることで、前記複合体を前記担体に固定し、固定化された前記複合体を精製する工程と、を有することを特徴とする。
15)本発明の一実施態様におけるタンパク質複合体の製造方法は、先に記載の核酸リンカーと、前記mRNAによりコードされるタンパク質と、が連結されている核酸リンカー−タンパク質複合体を製造する方法であって、
(a)前記mRNAと前記核酸リンカーとをアニールさせる工程と、
(b)前記mRNAの3’末端と前記核酸リンカーの5’末端とをライゲーションさせる工程と、
(c)無細胞タンパク質翻訳系を用いて前記mRNAからタンパク質を合成することにより、前記タンパク質のC末端が前記核酸リンカーの前記タンパク質の連結部と結合しているmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を作製する工程と、
(e)RNA分解酵素を用いて前記mRNAを分解し、核酸リンカー−タンパク質複合体を作製する工程と、
(d)前記核酸リンカー−タンパク質複合体が有する前記デオキシヌクレオチド配列のデオキシヌクレオチドと、前記デオキシヌクレオチド配列と相補的な、担体上のポリデオキシヌクレオチドと、を結合させることで、前記複合体を前記担体に固定し、固定化された前記複合体を精製する工程と、を有することを特徴とする。
16)本発明の一実施態様におけるタンパク質複合体の製造方法は、先に記載の核酸リンカーを介して、前記mRNA及び前記mRNAに相補的なcDNAからなるmRNA/cDNA複合体、並びに前記mRNAによりコードされるタンパク質が連結されているmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を製造する方法であって、
(a)前記mRNAと前記核酸リンカーとをアニールさせる工程と、
(b)前記mRNAの3’末端と前記核酸リンカーの5’末端とをライゲーションさせる工程と、
(c)無細胞タンパク質翻訳系を用いて前記mRNAからタンパク質を合成することにより、前記タンパク質のC末端が前記核酸リンカーの前記タンパク質の連結部と結合しているmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を作製する工程と、
(f)前記mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を逆転写反応に供して、mRNA/cDNA−核酸リンカー複合体を作製する工程と、
(d)前記mRNA/cDNA−核酸リンカー複合体が有する前記デオキシヌクレオチド配列のデオキシヌクレオチドと、前記デオキシヌクレオチド配列と相補的な、担体上のポリデオキシヌクレオチドと、を結合させることで、前記複合体を前記担体に固定し、固定化された前記複合体を精製する工程と、を有することを特徴とする。
(17)本発明の一実施態様におけるタンパク質複合体の製造方法は、前記デオキシヌクレオチド配列のデオキシヌクレオチドがポリdAであり、前記工程(d)が、前記複合体が有する前記ポリdAと、担体上のポリdTと、を結合させることで、前記複合体を前記担体に固定し、固定化された前記複合体を精製する工程であることが好ましい。
18)本発明の一実施態様におけるプロテインアレイは、先に記載のタンパク質複合体が基板上に固定化されていることを特徴とする。
19)本発明の一実施態様における解析方法は、先に記載のプロテインアレイを標的分子と接触させ、前記標的分子とタンパク質複合体との相互作用を解析することを特徴とする。
20)本発明の一実施態様における標的分子結合タンパク質の同定方法は、標的分子と結合するタンパク質を同定する方法であって、
(g)先に記載のタンパク質複合体が基板上に固定化されているプロテインアレイを標的分子と接触させる工程と、
(h)前記標的分子とmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体との相互作用を解析する工程と、
(i)標的分子と結合したmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体から、mRNA/cDNAを回収し、回収されたcDNAの塩基配列を決定する工程と、を有することを特徴とする。
21)本発明の一実施態様における標的分子結合タンパク質の同定方法は、前記工程(h)が、表面プラズモン共鳴法により行われる工程であることが好ましい。
本発明によれば、網羅的なタンパク質相互作用解析等に用いられる、純度の高いタンパク質を精製できる核酸リンカーが得られる。
本発明の核酸リンカーの一態様を示した図である。 実施例における変性アクリルアミドゲルを用いた電気泳動の結果である。 実施例において、ProteinAのB−domainと、核酸リンカーを共有結合させたものの概略図である。 実施例におけるSDS−PAGEを用いた電気泳動の結果である。 実施例におけるセンサーグラムである。
≪核酸リンカー≫
本実施形態の核酸リンカーは、mRNAまたはmRNA/cDNAと、これらがコードするタンパク質とを連結するためのリンカーである。本実施形態の核酸リンカーの構造について、図1を用いて説明する。
図1中、Puはピューロマイシン、Fはfluorescein、ATCGはDNAシーケンスを示している。また、Spc18はアーム部を構成するスペーサーを示し、dAはデオキシアデニンを示している。
本実施形態の核酸リンカーは、5’末端側に相互に相補的な配列を有する2本のポリヌクレオチド鎖(Puro side及びPolyA side)からなり、前記2本のポリヌクレオチド鎖は、前記配列を介してハイブリダイズし、2本鎖を形成している。
2本のポリヌクレオチド鎖は,DNAであってもPNA(ポリヌクレオペプチド)などの核酸誘導体であってもよく、ヌクレアーゼ耐性が付与された修飾DNAが好ましい。修飾DNAとしては、ホスホルアミダイト、ホスホロチオエートなどのヌクレオシド間結合を有するDNA、2’−フルオロ、2’−O−アルキルなどの糖修飾を有するDNAなど,当該技術分野において知られる修飾DNAのいずれを用いてもよい。
本実施形態の核酸リンカーを構成する一方のポリヌクレオチド鎖Puro sideは、1本鎖ポリヌクレオチド部分と、前記1本鎖ポリヌクレオチド部分に結合している末端にタンパク質の連結部を有するアーム部分と、を含む。
前記1本鎖ポリヌクレオチド部分は、5’末端側にPolyA sideの5’末端側と相補する配列を有し、3’側の領域にスクリーニングすべきmRNAの3’末端側の配列とハイブリダイズしうる配列を有している。
また、前記1本鎖ポリヌクレオチド部分は、5’末端に光反応架橋剤を有し、前記2本のポリヌクレオチド鎖が、前記光反応架橋剤により架橋されていることが好ましい。これにより、Puro side及びPolyA side間の結合を強固なものとすることができる。
架橋とは、例えば塩基同士を共有結合で結ぶことを意味する。
光反応架橋剤としては、芳香族アジド系化合物(例、多環芳香族アジド系化合物、等)やベンゾフラン系化合物等が挙げられ、ベンゾフラン系化合物としては、ソラレン(Psoralen)が好適に用いられる。ソラレンは、前記2本のポリヌクレオチド鎖が有する相補的な5’- TA配列に特異的にインターカレーションし、UV光(350nm)照射によりチミン残基同士に共有結合をつくり2本鎖を架橋する。
Puro sideのアーム部分は、mRNAとタンパク質連結部分とを所望の距離に保持するスペーサーとして機能する。アーム部分の5’末端は、1本鎖ポリヌクレオチド部分の3’末端側の箇所で1本鎖ポリヌクレオチド部分と結合し、アーム部分の3’末端はタンパク質連結部分を有する。
1本鎖ポリヌクレオチド部分とアーム部分との連結は、1本鎖ポリヌクレオチド部分上の連結箇所に存在する修飾ヌクレオチド(例えばアミノ基がスペーサを介して塩基部分に導入されたヌクレオチド)と、アーム部分の末端に存在する修飾ヌクレオチド(例えばチオールを5’末端にもつヌクレオチド)とを二官能性試薬を用いて架橋することにより行うことができる。
後述するようにスクリーニングすべきmRNAを逆転写させる必要がある場合には、アーム部分の5’末端は、1本鎖ポリヌクレオチド部分の3’末端から数塩基上流の位置で1本鎖ポリヌクレオチド部分と結合し、T字型の構造を形成していることが好ましい。逆転写の際に1本鎖ポリヌクレオチド部分の3’末端がプライマーとして機能するからである。
また、スクリーニングすべきmRNAを逆転写させる必要がない場合には、1本鎖ポリヌクレオチド部分の3’末端が標識物質を用いて標識されてもよい。標識物質は、蛍光色素や放射性物質等から適宜選択される。蛍光色素としては、フルオロセインが代表的である。これにより核酸リンカーが蛍光標識され、mRNA−核酸リンカー複合体及びmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を容易に検出することができる。
アーム部分の3’末端にはタンパク質の連結部が存在する。タンパク質連結部分とは,所定の条件下でリボソーム上の伸張中のタンパク質の3’末端に特異的に結合する性質を有する構造を意味し、ピューロマイシンが代表的である。
ピューロマイシンは、アミノアシル−tRNAの3’末端と類似する構造を有するタンパク質合成阻害剤である。タンパク質の連結部としては,伸張中のタンパク質の3’末端に特異的に結合する機能を有する限り、任意の物質を用いることができ、3’−N−アミノアシルピューロマイシンアミノヌクレオシド、または3’−N−アミノアシルアデノシンアミノヌクレオシドなどのピューロマイシン誘導体を用いることができる。
アーム部分は、スペーサーとして機能するものであれば、核酸や核酸誘導体から構成されていてもよく、ポリエチレングリコールなどの高分子から構成されていてもよい。アーム部分にはさらに、ピューロマイシンの安定性を高めるための修飾や,複合体の検出のための標識が付加されていてもよい。
本実施形態の核酸リンカーのアーム部は、前記アーム部を切断するための光切断性部位または1本鎖核酸切断酵素切断部位を含んでいてもよい。
このことにより、タンパク質と標的物質との結合を解離させることなく、タンパク質と対応づけられるmRNA(またはcDNA)を回収することができる。
光切断性部位とは,紫外線などの光を照射すると切断される性質を有する基をいい、例えば、PC Linker Phosphoramidite(Glen research社)、フラーレンを含有してなる核酸の光切断用組成物(核酸の光切断用組成物:特開2005−245223)、光分解(SBIP)手法による鎖切断などが挙げられる。
光切断性部位としては、当該技術分野において市販されているか、または知られているいずれの基を用いてもよい。また,1本鎖核酸切断酵素切断部位とは,デオキシリボヌクレアーゼ、リボヌクレアーゼなどの1本鎖核酸切断酵素により切断されることができる核酸基をいい、ヌクレオチドおよびその誘導体が含まれる。
本実施形態の核酸リンカーを構成する他方のポリヌクレオチド鎖PolyA sideは、5’末端側にPuro sideの5’末端側と相補する配列を有し、3’末端にポリdA配列を有する。
cDNAディスプレイ法においては、無細胞翻訳系でmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を合成した後、mRNAから逆転写によりcDNAを合成する際に、無細胞翻訳系に由来する夾雑物質が存在すると逆転写の効率が低くなるため、逆転写反応の前にmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を精製することもできる。
前記複合体は、PolyA sideの3’末端にポリdA配列が結合しているので、無細胞翻訳系でmRNAからタンパク質を合成した後に、mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体をポリdA配列を介してOligo dTカラムに結合させて回収し、溶出し、逆転写することにより、mRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を無細胞翻訳系から容易に精製することができる。
本実施形態の核酸リンカーが有するポリdA配列の塩基数は、精製に用いられるOligo dTカラムとの適度な親和性(結合及び解離)の観点から、20以上、40以下であることが好ましく、25以上、35以下であることがより好ましい。
本実施形態の核酸リンカーを構成する他方のポリヌクレオチド鎖PolyA sideは、ポリdA配列の末端に、特異的に結合する特定の2分子のうちの一方(以下、親和性物質)が結合している。親和性物質を導入することにより、各種タンパク質複合体を固相(支持体)に容易に結合させることができる。
親和性物質としては、ビオチン、スクシンイミジル基等の活性エステル基、マレイミド基、ヨウ化アセチル基、各種の抗原又は抗体、FLAGタグ、Hisタグ等が挙げられ、ビオチンが好ましく用いられる。これにより、後述するmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体をストレプトアビジンが結合されている基板上に固定することができる。
本実施形態の核酸リンカーによれば、その3’末端にポリdAと親和性物質(例えば、ビオチン)がタンデムに連結していることにより、後述するタンパク質複合体の精製にポリdAを用いることができ、かつ基板への固定化に前記親和性物質を用いることができる。ポリdA又は親和性物質のどちらか一方のみを有する核酸リンカーを用いた場合には、基板上にタンパク質複合体を固定した後に、夾雑タンパク質を除去するための洗浄をする必要がある。しかしながら、本実施形態に用いられるようなタンパク質間相互作用を解析する装置においては、フローセルに夾雑タンパク質を含むタンパク質複合体をインジェクションする段階で、流路が詰まり適切な解析を行うことができない。本実施形態は、上記構成を有するためこのような問題点を解決することができる。
≪mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体及びその製造方法≫
本実施形態のmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体は、本実施形態のmRNA−核酸リンカーを用いて製造される。
本実施形態のmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体の製造方法は、
(a)前記mRNAと前記核酸リンカーとをアニールさせる工程と、
(b)前記mRNAの3’末端と前記核酸リンカーの5’末端とをライゲーションさせる工程と、
(c)無細胞タンパク質翻訳系を用いて前記mRNAからタンパク質を合成することにより、前記タンパク質のC末端が前記核酸リンカーの前記タンパク質の連結部と結合しているmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を作製する工程と、
(d)前記mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体が有するオリゴdAと、担体上のオリゴdTと、を結合させることで、前記複合体を前記担体に固定し、固定化された前記複合体を精製する工程と、を有することを特徴とする。
以下、各工程について説明する。
工程(a)において、mRNAと核酸リンカーとをアニールさせる。まず、工程(a)に用いられるmRNAの調製について説明する。
mRNAは、スクリーニングすべきタンパク質をコードするDNAを調製し、RNAポリメラーゼにより転写させることにより得られる。RNAポリメラーゼとしては、例えばT7RNAポリメラーゼが挙げられる。
前記DNAとしては、標的分子との結合に関して調べたい任意のDNAまたはDNAライブラリーを利用することができる。例えば、サンプル組織から得たcDNAライブラリー、配列をランダムに合成したDNAライブラリー、配列の一部を変異させたDNAライブラリーなどを用いることができる。
転写前のDNAの3’末端に共通のタグ配列を挿入し、転写後のmRNAの3’側が、本実施形態の核酸リンカーのPuro sideの3’側の領域とハイブリダイズするように設計しておく。
次にmRNAの3’末端領域と本実施形態の核酸リンカーのPuro sideの3’側の領域とをアニールさせる。例えば、90℃まで加熱し、mRNAを変性させた後、1時間かけて25℃まで冷却することによりmRNAが核酸リンカーに確実にハイブリダイズされる。
次に工程(b)において、前記mRNAの3’末端と前記核酸リンカーのPolyA sideの5’末端とをライゲーションさせる。ライゲーションに際し、前記mRNAの3’末端を、T4ポリヌクレオチドキナーゼ等の酵素を用いて、リン酸化させておく必要がある。ライゲーションに用いる酵素としては、RNAリガーゼが好ましく、例えばT4RNAリガーゼが挙げられる。
次に工程(c)において、無細胞タンパク質翻訳系を用いて前記mRNAからタンパク質を合成することにより、前記タンパク質のC末端が前記核酸リンカーのタンパク質連結部と結合しているmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を作製する。
無細胞翻訳系とは、適当な細胞から抽出されたタンパク質合成能を有する成分からなるタンパク質翻訳系であり、この系にはリボゾーム、翻訳開始因子、翻訳伸長因子等、翻訳に必要な要素が含まれている。このような無細胞翻訳系として、大腸菌抽出、ウサギ網状赤血球抽出液、小麦胚芽抽出液等が一般的に用いられる。
このような系を用いることにより、mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体が製造される。
次に工程(d)において、前記mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体が有するオリゴdAと、担体上のオリゴdTと、を結合させることで、前記複合体を前記担体に固定し、固定化された前記複合体を精製する。担体としては、核酸やタンパク質の精製に用いられるものであれば特に限定されないが、粒子状のものが好ましく、ビーズや磁気ビーズがより好ましい、タンパク質の純度を上げるためには前記ビーズが詰められたカラムが特に好ましい。
本実施形態においては、核酸の精製方法に用いられる手法をタンパク質の精製方法に利用している。そのため、担体上のオリゴdTは、オリゴdAを有するmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体に特異的に結合する。工程(d)を用いることによって純度の高いタンパク質複合体を精製することができる。このようにして製造されたタンパク質複合体は、繊細な評価系、例えばビアコアを用いたタンパク質相互作用解析や、コンタミタンパク質の存在によってS/N比(シグナル/ノイズ比)を充分に得られなくなってしまうようなアッセイ系に好適に用いられる。
≪mRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体及びその製造方法≫
本実施形態のmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体の製造方法は、上述したmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体の製造方法に加えて工程(f)を有する。工程(f)において、上述したmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体から逆転写によりcDNAを合成する。逆転写に用いられる逆転写酵素としては、従来公知のものが用いられ、例えば、Moloney Murine Leukemia Virus由来の逆転写酵素等が挙げられる。
逆転写されたcDNAはmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体のmRNAとハイブリッドを形成する。mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体中のmRNAは、アプタマーとして非特異的相互作用する可能性が高いため、タンパク質間相互作用解析を行う場合には、このようなmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を作製しておくことが好ましい。
また、標的タンパク質と相互作用の確認されたタンパク質をコードするcDNAを解析するためには、この複合体の作製が必須である。
≪核酸リンカー−タンパク質複合体及びその製造方法≫
本実施形態の核酸リンカー−タンパク質複合体の製造方法は、上述したmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体の製造方法に加えて工程(e)を有する。工程(e)において、RNA分解酵素(RNase)を用いて前記mRNAを分解し、核酸リンカー−タンパク質複合体を生成する。
タンパク質間相互作用解析を行うためには、上述したmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体の場合と同様、mRNAとcDNAとのハイブリッドを形成させておくか、RNaseを用いてmRNAを分解させておくことが好ましい。mRNAを分解した核酸リンカー−タンパク質複合体は、タンパク質間相互作用解析に好適に用いられる。
≪プロテインアレイ≫
本実施形態のプロテインアレイ(プロテインチップ)は、上述したタンパク質複合体をマイクロアレイ基板上に固定化されてなるものである。用いられる基板としては、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板、金属基板等が挙げられる。本実施形態のタンパク質複合体には、固相結合部位が設けられており、その固相結合部位と、基板に結合させた固相結合部位認識部位との結合を利用して、タンパク質複合体をマイクロアレイ基板上に固定化する。
このような固相結合部位/固相結合部位認識部位の組み合わせとしては、アビジン及びストレプトアビジン等のビオチン結合タンパク質/ビオチン、スクシンイミジル基等の活性エステル基/アミノ基、ヨウ化アセチル基/アミノ基、マレイミド基/チオール基(‐SH)、マルトース結合タンパク質/マルトース、Gタンパク質/グアニンヌクレオチド、ポリヒスチジンペプチド/ニッケルあるいはコバルト等の金属イオン、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ/グルタチオン、DNA結合タンパク質/DNA、抗体/抗原分子(エピトープ)、カルモジュリン/カルモジュリン結合ペプチド、ATP結合タンパク質/ATP、あるいはエストラジオール受容体タンパク質/エストラジオールなどの、各種受容体タンパク質/そのリガンドなどが挙げられる。
これらの中で、固相結合部位/固相結合部位認識部位の組合せとしては、アビジン及びストレプトアビジンなどのビオチン結合タンパク質、マルトース結合タンパク質/マルトース、ポリヒスチジンペプチド/ニッケルあるいはコバルト等の金属イオン、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ/グルタチオン、抗体/抗原分子(エピトープ)などが好ましく、使い勝手の良さからストレプトアビジン/ビオチンの組合せが最も好ましい。
なお、上記組合せは、固相結合部位と固相結合部位認識部位とを逆転させて用いることもできる。上記の固定化手段は、2つの相互に親和性を有する物質を利用した固定化方法であるが、固相がスチレン基板などのプラスチック材料であれば、必要に応じて、公知の手法を用いてリンカーの一部を直接それらの固相に共有結合させることもできる(Qiagen社、LiquiChip Applications Handbook等参照)。
≪プロテインアレイを用いたタンパク質間相互作用解析方法≫
本実施形態のプロテインアレイを用いて、例えば、配列既知のタンパク質と標的分子との相互作用を解析することができる。「標的分子」とは、本実施形態において合成されるタンパク質と相互作用するか否かを調べるための物質を意味し、有機化合物、無機化合物、あるいはこれらの複合体を示し、一例として、タンパク質、ペプチド、核酸、低分子化合物等が挙げられる。
解析方法としては、オーファンレセプター等の配列既知のタンパク質複合体からなるプロテインアレイを作製し、これに作用するリガンドや低分子化合物等をスクリーニングする方法が例示される。
ここで用いられる標的分子は、標識物質により標識されてもよい。標識物質としては、蛍光色素や放射性物質等が挙げられ、標的分子と固定化されたタンパク質との間の相互作用に基づいて発生する信号の変化の測定、又は解析方法に適したものが適宜選択される。またこのような信号の変化を測定する手法としては、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET法)、エバネッセント場分子イメージング法、蛍光イメージングアナライズ法、固相酵素免疫検定法(Enzyme Linked Immunosorbent Assay(ELISA))、蛍光偏光解消法、及び蛍光相関分光法等が挙げられる。
また、表面プラズモン共鳴法は、標識を必要としない測定法であり、分子間の相互作用を微量のサンプルで迅速に解析できる優れた方法である。しかしながら、この測定方法を用いるためには高純度で夾雑物のないタンパク質が必要とされる。
本実施形態のプロテインアレイは、上述したような純度の高いタンパク質からなるため、表面プラズモン共鳴法のような感度の高い系において好適に用いられる。
≪標的分子結合タンパク質の同定方法≫
本実施形態の標的分子結合タンパク質の同定方法は、
(g)上述したmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体が基板上に固定化されているタンパク質複合体アレイを標的分子と接触させる工程と、
(h)前記標的分子とmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体との相互作用を解析する工程と、
(i)標的分子と結合したmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体から、mRNA/cDNAを回収し、回収されたcDNAの塩基配列を決定する工程と、を有することを特徴とする。
以下、各工程について説明する。
工程(g)において、上述したmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体が基板上に固定化されているタンパク質複合体アレイを標的分子と接触させる。本実施形態の標的分子結合タンパク質の同定方法によれば、前述したプロテインアレイを用いたタンパク質間相互作用解析方法に加えて、配列未知のタンパク質と標的分子との相互作用を解析することができる。よって、工程(g)で好適に用いられるタンパク質複合体はそのアミノ酸配列が未知のものである。また、標的分子としては上述したようなタンパク質、ペプチド、核酸、低分子化合物等が挙げられる。
次に、工程(h)において、前記標的分子とmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体との相互作用を解析する。この工程(h)で用いられる測定方法としては、表面プラズモン共鳴法、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET法)、エバネッセント場分子イメージング法、蛍光イメージングアナライズ法、固相酵素免疫検定法(Enzyme Linked Immunosorbent Assay(ELISA))、蛍光偏光解消法、及び蛍光相関分光法等が挙げられ、上述した理由から表面プラズモン共鳴法が好ましい。
次に、工程(i)において、標的分子と結合したmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体から、mRNA/cDNAを回収し、回収されたcDNAの塩基配列を決定する。核酸リンカーのアーム部が、上述した光切断性部位または1本鎖核酸切断酵素切断部位を含んでいる場合には、光照射や、酵素処理によりmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体から切断されたcDNAを回収することにより、効率よくcDNAの塩基配列を解析することができる。
本実施形態の標的分子結合タンパク質の同定方法によれば、配列未知のタンパク質からなるプロテインアレイから新規機能タンパク質を同定することができる。例えば、特定のリガンドに作用するレセプターの同定やがん細胞が細胞表面に有する特異的な抗原に作用する抗体の同定等に好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(核酸リンカーの合成)
1−1 材料
以下に示す材料をジーンワールド社より購入した。
(1)Puro side
[配列:5’−(PS)−X−(F)−(Spc18)−(Spc18)−(Spc18)−CC−(Puro)−3’]
ここで、Xは以下の配列を表す。
TACGACGATCTCGAACGAACCACCCCCCCCGCCGCCCCCCGTCC(配列番号1:44mer)
(2)PolyA side
[配列:5’−Z−(B)−3’]
ここで、Zは以下の配列を表す。
CCCGTGGTTCGTTCGACATCGTCGTAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA(配列番号2:56mer)
また、(PS)はPsoralen、(F)はFluorescent−dT、(Puro)はPuromycin CPG、(B)は、BiotinTEG、(Spc18)は(18−O−Dimethoxytritylhexaethyleneglycol,1−[(2−cyanoethyl)−(N,N−diisopropyl)]−phosphoramidite)である。これらは、いずれもGlen Research社製である。
1−2 合成、精製方法
Puro side(100pmol/μl)20μl及びPolyA side(100pmol/μl)5μlを50mM Tris−HClバッファー(pH6.8、200mM NaClを含む)25μlに溶かした反応溶液を、T3 Thermocycler(Biometra社)を用いて、90℃に加熱後、1時間かけて25℃まで冷却した。
その後、Model UVL−56 Blak−ray Lampを用いて反応溶液をUV照射し(λ=365nm、15分)、Puro sideとPolyA sideを架橋により結合させた。
(mRNAの合成)
5’側にT7、Cap、オメガ配列、Kozak配列、3’末端にリンカーのDNA部分と相補な配列をもち、終止コドンを削ったProteinAのB−domain(配列番号3:372bp)をPCRにより増幅した。反応液を表1に記載の組成となるように調製し、95℃で2分間保持した後、95℃30秒、69℃25秒、72℃40秒の3ステップPCRを30サイクル行い、72℃で2分間保持した後、4℃で冷却した。尚、用いたプライマーの配列を以下に示す。
(1) Primer New Y−tag (22mer、20pmol/μl)
[配列:5’− TTTCCCCGCCGCCCCCCGTCCT−3’](配列番号4)
(2)Primer New left (33mer、20pmol/μl)
[配列:5’− TTTCCCCGCCGCCCCCCGTCCT−3’](配列番号5)
PCRにより得られたDNAをRiboMax Large Scale RNA production Systems(Promega社)を用いて転写し、mRNAを合成した。反応液を表2に記載の組成となるように調製し、37℃で4時間インキュベーションした後、RQ1 RNase−Free DNase(Promega社)を1μl添加し、37℃15分間インキュベーションした。インキュベーション終了後、RNeasy Mini Elute Cleanup Kit(Qiagen社)を用いて精製を行った。
(mRNAと核酸リンカーの結合)
5’キャップ及び3’にタグ配列を持ったmRNA 20pmolに、核酸リンカーを20pmol、10xT4 Ligation Buffer(TaKaRa)2μl、を加え20μlになるようDEPC処理水を加えた。調製した反応溶液をT3 Thermocycler(Biometra社)を用いて、90℃に加熱後、1時間かけて25℃まで冷却した。その後、15unit T4 Plynucleotide Kinase(TaKaRa、1.0μl)、100unit T4 RNA Ligase(TaKaRa、1.0μl)を加え、25℃、30分反応させた。サンプルをRNeasy Mini Elute Cleanup Kit(Qiagen社)で精製した。
上記に従って反応した産物を8M Ureaの8%変性アクリルアミドゲルで電気泳動を行った。泳動後、SYBR Goldを用いて核酸を染色した。結果を図2に示す。
図2中、レーン1はProteinAのB−domainのDNA、レーン2はProteinAのB−domainのmRNA、レーン3はProteinAのB−domainのmRNAと核酸リンカーをライゲーションしたもの(mRNA−Linker fusion)、レーン4はリンカーのみを電気泳動したものを示す。
レーン3において、矢印はライゲーション産物(mRNA−Linker fusion)を示す。未反応のProteinAのB−domainの量が少ないことから、本実施形態の核酸リンカーを用いた場合のライゲーション効率は高いことが分かる。
図3に、ProteinAのB−domainへ、核酸リンカーを共有結合させたものの概略図を示す。図3中、Puはピューロマイシン、FはFITC、ATCGuはDNA、RNAシーケンスを示している。大文字で示した部分はDNA部分、小文字で示した部分はmRNAを示す。RNAの3’末端とDNAの5’末端は“T4 RNA Ligase”と示した部分でライゲートされている。
(無細胞翻訳系による翻訳)
上記のように合成した、核酸リンカーとmRNAの複合体に無細胞翻訳系(Wheat Germ Extract Plus、Promega社)を30μl加え、30℃、30分翻訳反応を行った。その後、3M KClを10μl、1M MgClを3μl加えて37℃で40分間放置し、0.4M EDTAを10μl加え、mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を合成した。
(Oligo dT BeadsによるmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体の精製)
Oligo dT Beads(Dyanal社)を使用量チューブに取り、添付のマニュアルに従い洗浄を行った。上記のように合成したmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体に等量のBinding Buffer(20mM Tris−HCl pH7.5、1M LiCl、2mM EDTA)を加え、室温に置いた後、上記mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体をBinding Bufferに懸濁した洗浄済みOligo dT Beads液に加えた。室温で1時間THERMO BLOCK ROTATER(NISSIN社)を用い、転倒混和した後、チューブを氷上に5分放置した。mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体及びBinding Bufferの総量と等量のWashing Buffer(10mM Tris−HCl pH7.5、150mM LiCl、1mM EDTA)を加え、転倒混和し、チューブをマグネット上に2〜3分置いた後、上清を取り除き、マグネットからチューブを外した。この洗浄操作をもう一度繰り返した後、DEPC treated waterを加え、混和させ、室温で5分放置し、溶出させた。
上記に従って精製したmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体をSDS−PAGEを用いて電気泳動を行った。泳動後、SYPRO Rubyを用いてタンパク質を染色した。また、上述したように核酸リンカーには、Puro sideの3’末端がFITCにより蛍光標識されているため、蛍光イメージを取得した。
結果を図4に示す。
図4中、レーン1は翻訳反応前のmRNA−Linker fusion、レーン2は翻訳反応後のmRNA−Linker−protein fusion、レーン3は精製後のmRNA−Linker−protein fusionである。矢印はmRNA−Linker fusion、またはmRNA−Linker−protein fusionを示す。上段及び下段の電気泳動結果は、同一のゲルを異なるイメージング法を用いて解析したものである。上段は、FITCによる蛍光イメージを取得した結果であり、下段は、SYPRO Rubyを用いてタンパク質を染色した結果である。
上段のレーン2及びレーン3において、mRNA−Linker−protein fusionの蛍光強度は同程度である。その一方、下段のレーン2において検出される無細胞翻訳系に含まれる夾雑物が、レーン3においては全く検出されていない。これらのことから、Oligo dT Beads用いて精製されたmRNA−Linker−protein fusionの純度は非常に高いことが確認された。
(mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体のセンサーチップ上への固定化)
BiacoreJ(GE Healthcare社)を用いて、Sensorchip SA上にmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体の固定化を行った。Sensorchip SAは、基板上にデキストランを介してストレプトアビジンが結合しているSPR(Surface Plasmon Resonance、表面プラズモン共鳴)用のセンサーチップである。これに対し、核酸リンカーにはPolyA sideの3’末端にビオチンが付されているため、ストレプトアビジンとビオチンの強い親和性を利用することができる。
まず、Sensorchip SAに共有結合によらず吸着したストレプトアビジン分子を洗い流し、ベースラインの安定化を図るため、1M NaClを含有した50mM NaOHを用いてSensorchip SA表面の洗浄を1分間、3回行った。
次に100mM NaClを含むmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体をフローセルにインジェクションし、固定化を行った。Running BufferとしてHBS−EP Bufferを用いた。
(IgGインジェクションによるmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体とIgG間の相互作用解析)
ProteinAのB−domainと強い相互作用を示すことが知られているIgGをフローセルにインジェクションし、ProteinAのB−domainとの相互作用解析を行った。PBSに溶解させたラビット血清由来のIgGを3つの濃度(2.5μg/ml、10μg/ml、20μg/ml)インジェクションし、相互作用解析を行った。結果を図102に示す。
図5中、縦軸はSensorchip SA上の質量変化(レスポンス)を示し、横軸は経過時間を示す。IgGをインジェクションすることにより、レスポンスは上昇し、結合反応が起きていることが確認された。一方、インジェクションをやめRunning Bufferに切り替えると、解離反応により、レスポンスが徐々に減少することが確認された。更に、結合曲線の傾き及びIgGの最大結合量が、IgGの濃度依存的であることから、IgGとProteinAのB−domainの特異的結合が確認された。このようなセンサーグラムからデータ解析ソフトウエア BIAevaluation を用いka(結合速度定数)、kd(解離速度定数)を算出したところ、kaは2.99x10、kdは5.65x10−2であった。kaとkdより算出した解離定数Kは189nMであり、文献上報告されているK(100nM)とほぼ一致していることが確認された。
以上の結果から、本実施形態の核酸リンカーによれば、無細胞翻訳系を用いて合成される少量のタンパク質を迅速に、かつ高純度で精製することができる。よって、本実施形態の核酸リンカーを用いて得られたタンパク質を用いてプロテインアレイを作製し、網羅的なタンパク質相互作用解析を行うことができることが明らかである。また、タンパク質間相互作用解析装置は、解析に用いるタンパク質に高い純度を要求するが、本実施形態の核酸リンカーを用いて作製したタンパク質は、このような要求を満たすものである。
また、本実施形態のタンパク質複合体の製造方法は、高純度なタンパク質を得るための画期的な方法であるため、アッセイ系においてコンタミタンパク質の混入を嫌うような系においても好適に用いられる。さらに、本実施形態のタンパク質複合体の製造方法を、近年改良されている無細胞翻訳系を用いたタンパク質の大量合成系と組み合わせることで、高純度なタンパク質を必要とするタンパク質の結晶化及びそれを用いた立体構造解析にも好適に用いられる。

Claims (21)

  1. mRNAと、前記mRNAによりコードされるタンパク質との複合体を製造するための核酸リンカーであって、
    前記核酸リンカーは、5’末端側に相互に相補的な配列を有する2本のポリヌクレオチド鎖からなり、
    前記2本のポリヌクレオチド鎖は、前記配列を介してハイブリダイズしており、
    一方のポリヌクレオチド鎖は、前記mRNAの3’末端側の配列とハイブリダイズしうる1本鎖ポリヌクレオチド部分と、前記1本鎖ポリヌクレオチド部分から枝分かれしている末端に前記タンパク質の連結部を有するアーム部分と、を含み、
    他方のポリヌクレオチド鎖は、3’末端に一種類のデオキシヌクレオチドが連続して複数個並んだデオキシヌクレオチド配列を含み、前記デオキシヌクレオチド配列の末端に、ポリヌクレオチド以外の分子である特異的に結合する特定の2分子のうちの一方が結合していることを特徴とする核酸リンカー。
  2. 前記他方のポリヌクレオチド鎖の3’末端に、前記デオキシヌクレオチド配列と、前記ポリヌクレオチド以外の分子である特異的に結合する特定の2分子のうちの一方とが、タンデムに連結している請求項1に記載の核酸リンカー。
  3. 前記デオキシヌクレオチド配列は、アデニンが連続して複数個並んだポリdA配列又はチミンが連続して複数個並んだポリdT配列であり、前記ポリdA配列または前記ポリdT配列の末端に、前記ポリヌクレオチド以外の分子である特異的に結合する特定の2分子のうちの一方が結合していることを特徴とする請求項1又は2に記載の核酸リンカー。
  4. 前記デオキシヌクレオチド配列は、塩基数が20以上40以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の核酸リンカー。
  5. 前記2本のポリヌクレオチド鎖は、前記一方のポリヌクレオチド鎖の5’末端に結合している光反応架橋剤により架橋されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の核酸リンカー。
  6. 前記光反応架橋剤は、ソラレン(Psoralen)である請求項に記載の核酸リンカー。
  7. 前記タンパク質の連結部は、前記アーム部の末端にピューロマイシン、3’−N−アミノアシルピューロマイシンアミノヌクレオシド、または3’−N−アミノアシルアデノシンアミノヌクレオシドが結合されてなる請求項1〜のいずれか一項に記載の核酸リンカー。
  8. 前記アーム部が、前記アーム部を切断するための光切断部位または1本鎖核酸切断酵素部位を含む請求項1〜のいずれか一項に記載の核酸リンカー。
  9. 前記一方のポリヌクレオチド鎖が、標識物質を有する請求項1〜のいずれか一項に記載の核酸リンカー。
  10. 前記他方のポリヌクレオチド鎖は、5’末端に前記mRNAの末端との結合部位を有する請求項1〜のいずれか一項に記載の核酸リンカー。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の核酸リンカーと、前記mRNAによりコードされるタンパク質と、が連結されていることを特徴とする核酸リンカー−タンパク質複合体。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の核酸リンカーを介して、前記mRNAと、前記mRNAによりコードされるタンパク質と、が連結されていることを特徴とするmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体。
  13. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の核酸リンカーを介して、前記mRNA及び前記mRNAに相補的なcDNAからなるmRNA/cDNA複合体、並びに前記mRNAによりコードされるタンパク質が連結されていることを特徴とするmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体。
  14. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の核酸リンカーを介して、前記mRNAと、前記mRNAによりコードされるタンパク質と、が連結されているmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を製造する方法であって、
    (a)前記mRNAと前記核酸リンカーとをアニールさせる工程と、
    (b)前記mRNAの3’末端と前記核酸リンカーの5’末端とをライゲーションさせる工程と、
    (c)無細胞タンパク質翻訳系を用いて前記mRNAからタンパク質を合成することにより、前記タンパク質のC末端が前記核酸リンカーの前記タンパク質の連結部と結合しているmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を作製する工程と、
    (d)前記mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体が有する前記デオキシヌクレオチド配列のデオキシヌクレオチドと、前記デオキシヌクレオチド配列と相補的な担体上のポリデオキシヌクレオチドと、を結合させることで、前記複合体を前記担体に固定し、固定化された前記複合体を精製する工程と、を有することを特徴とするタンパク質複合体の製造方法。
  15. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の核酸リンカーと、前記mRNAによりコードされるタンパク質と、が連結されている核酸リンカー−タンパク質複合体を製造する方法であって、
    (a)前記mRNAと前記核酸リンカーとをアニールさせる工程と、
    (b)前記mRNAの3’末端と前記核酸リンカーの5’末端とをライゲーションさせる工程と、
    (c)無細胞タンパク質翻訳系を用いて前記mRNAからタンパク質を合成することにより、前記タンパク質のC末端が前記核酸リンカーの前記タンパク質の連結部と結合しているmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を作製する工程と、
    (e)RNA分解酵素を用いて前記mRNAを分解し、核酸リンカー−タンパク質複合体を作製する工程と、
    (d)前記核酸リンカー−タンパク質複合体が有する前記デオキシヌクレオチド配列のデオキシヌクレオチドと、前記デオキシヌクレオチド配列と相補的な担体上のポリデオキシヌクレオチドと、を結合させることで、前記複合体を前記担体に固定し、固定化された前記複合体を精製する工程と、を有することを特徴とするタンパク質複合体の製造方法。
  16. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の核酸リンカーを介して、前記mRNA及び前記mRNAに相補的なcDNAからなるmRNA/cDNA複合体、並びに前記mRNAによりコードされるタンパク質が連結されているmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を製造する方法であって、
    (a)前記mRNAと前記核酸リンカーとをアニールさせる工程と、
    (b)前記mRNAの3’末端と前記核酸リンカーの5’末端とをライゲーションさせる工程と、
    (c)無細胞タンパク質翻訳系を用いて前記mRNAからタンパク質を合成することにより、前記タンパク質のC末端が前記核酸リンカーの前記タンパク質の連結部と結合しているmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を作製する工程と、
    (f)前記mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を逆転写反応に供して、mRNA/cDNA−核酸リンカー複合体を作製する工程と、
    (d)前記mRNA/cDNA−核酸リンカー複合体が有する前記デオキシヌクレオチド配列のデオキシヌクレオチドと、前記デオキシヌクレオチド配列と相補的な担体上のポリデオキシヌクレオチドと、を結合させることで、前記複合体を前記担体に固定し、固定化された前記複合体を精製する工程と、を有することを特徴とするタンパク質複合体の製造方法。
  17. 前記デオキシヌクレオチド配列のデオキシヌクレオチドがポリdAであり、前記工程(d)が、前記複合体が有する前記ポリdAと、担体上のポリdTと、を結合させることで、前記複合体を前記担体に固定し、固定化された前記複合体を精製する工程である請求項14〜16のいずれか一項に記載のタンパク質複合体の製造方法。
  18. 請求項1113のいずれか一項に記載のタンパク質複合体が基板上に固定化されていることを特徴とするプロテインアレイ。
  19. 請求項18に記載のプロテインアレイを標的分子と接触させ、前記標的分子と前記タンパク質複合体との相互作用を解析することを特徴とする解析方法。
  20. 標的分子と結合するタンパク質を同定する方法であって、
    (g)請求項13に記載のタンパク質複合体が基板上に固定化されているプロテインアレイを標的分子と接触させる工程と、
    (h)前記標的分子とmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体との相互作用を解析する工程と、
    (i)標的分子と結合したmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体から、mRNA/cDNAを回収し、回収されたcDNAの塩基配列を決定する工程と、を有することを特徴とする標的分子結合タンパク質の同定方法。
  21. 前記工程(h)が、表面プラズモン共鳴法により行われる工程である請求項20に記載の標的分子結合タンパク質の同定方法。
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