JP6020865B2 - 核酸リンカー - Google Patents
核酸リンカー Download PDFInfo
- Publication number
- JP6020865B2 JP6020865B2 JP2015505439A JP2015505439A JP6020865B2 JP 6020865 B2 JP6020865 B2 JP 6020865B2 JP 2015505439 A JP2015505439 A JP 2015505439A JP 2015505439 A JP2015505439 A JP 2015505439A JP 6020865 B2 JP6020865 B2 JP 6020865B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nucleic acid
- mrna
- acid linker
- protein
- reverse transcription
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/10—Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
- C12N15/1034—Isolating an individual clone by screening libraries
- C12N15/1062—Isolating an individual clone by screening libraries mRNA-Display, e.g. polypeptide and encoding template are connected covalently
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/10—Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
- C12N15/1034—Isolating an individual clone by screening libraries
- C12N15/1093—General methods of preparing gene libraries, not provided for in other subgroups
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/68—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
- C12Q1/6844—Nucleic acid amplification reactions
- C12Q1/6853—Nucleic acid amplification reactions using modified primers or templates
Landscapes
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Zoology (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Bioinformatics & Computational Biology (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Plant Pathology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Immunology (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
Description
本願は、2013年3月13日に、日本に出願された特願2013−050936号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
ピューロマイシンは、アミノアシル−tRNAの3’末端と類似する構造を有するタンパク質合成阻害剤であり、所定の条件下ではリボソーム上で伸長中のタンパク質のC末端に特異的に共有結合する。
先ず、ピューロマイシンを有する核酸リンカーとmRNAとを連結させ、無細胞翻訳系を用いてmRNAからタンパク質を合成し、合成されたタンパク質とこれをコードするmRNAとがピューロマイシンを介して結合している複合体(mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体)が生じる(非特許文献1参照)。
次いで、このmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体のライブラリーを製造した後、製造したmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体を逆転写酵素により逆転写し、cDNAを合成することにより、mRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体のライブラリーを製造する。
次いで、このmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体のライブラリーを用いて、所望の機能をもつタンパク質を選択し、選択したmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質複合体中のcDNAの塩基配列を解析することによりタンパク質を同定する。逆転写のタイミングは、タンパク質を選択した後でもよい(非特許文献2参照)。
(1)本発明の一実施態様における核酸リンカーは、mRNAと、該mRNAによりコードされるタンパク質又はペプチドとの複合体を製造するための核酸リンカーであって、5’末端にスペーサー部分と、前記mRNAの少なくとも一部の配列とハイブリダイズし得るポリヌクレオチド部分と、前記タンパク質又はペプチドとの連結部分を3’末端に有するアーム部分とを備え、前記スペーサー部分と前記ポリヌクレオチド部分と前記アーム部分とが一本鎖を形成してなり、前記ポリヌクレオチド部分が光反応性塩基誘導体を含み、前記スペーサー部分は50塩基以上のオリゴヌクレオチドを有し、前記光反応性塩基誘導体は3−Cyanovinylcarbazole Nucleosideであることを特徴とする。
(4)本発明の一実施態様におけるmRNA−核酸リンカー−逆転写プライマー複合体は、先に記載の核酸リンカーと、前記mRNAと、該mRNAの逆転写プライマーと、からなるmRNA−核酸リンカー−逆転写プライマー複合体であって、前記逆転写プライマーは、前記核酸リンカーのアーム部分の少なくとも一部の配列とハイブリダイズし得る配列を有する5’末端領域部分と、前記mRNAの少なくとも一部の配列とハイブリダイズし得る配列を有する3’末端領域部分と、からなることを特徴とする。
(6)本発明の一実施態様における核酸リンカー−逆転写プライマー複合体固定化固相は、先に記載の核酸リンカー−逆転写プライマー複合体が、固相上に固定化されてなることを特徴とする。
(7)本発明の一実施態様におけるタンパク質又はペプチド固定化固相は、mRNAと、先に記載の核酸リンカーと、前記mRNAによりコードされるタンパク質又はペプチドとの複合体が、固相上に固定化されてなることを特徴とする。
(8)本発明の一実施態様におけるタンパク質又はペプチド固定化固相は、先に記載のmRNA−核酸リンカー−逆転写プライマー複合体と、前記mRNAによりコードされるタンパク質又はペプチドとの複合体であるmRNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド−逆転写プライマー複合体が、固相上に固定化されてなることを特徴とする。
(10)本発明の一実施態様におけるマイクロアレイは、複数の核酸リンカー−逆転写プライマー複合体が固定化されたマイクロアレイであって、前記核酸リンカー−逆転写プライマー複合体は先に記載の核酸リンカー−逆転写プライマー複合体であることを特徴とする。
(11)本発明の一実施態様におけるマイクロアレイは、複数のmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体が固定化されたマイクロアレイであって、前記mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体は、先に記載の核酸リンカーと、前記mRNAによりコードされるタンパク質又はペプチドとの複合体であることを特徴とする。
(12)本発明の一実施態様における核酸回収方法は、先に記載の核酸リンカーが固定化された固相を用いて核酸を回収する核酸回収方法であって、前記mRNAと前記核酸リンカーとを光反応性塩基誘導体によって光架橋する工程A1と、前記mRNAと前記核酸リンカーとの前記光架橋を光照射によって解離させる工程B1と、
を含むことを特徴とする。
(13)本発明の一実施形態における核酸回収方法は、先に記載のmRNA−核酸リンカー−逆転写プライマー複合体が固定化された固相を用いて核酸を回収する核酸回収方法であって、前記mRNAの逆転写プライマーと前記核酸リンカーとを光反応性塩基誘導体によって光架橋する工程A2と、前記逆転写プライマーと前記核酸リンカーとの前記光架橋を光照射によって解離させる工程B2と、を含むことを特徴とする。
本実施形態の核酸リンカーは、mRNAと、該mRNAによりコードされるタンパク質又はペプチドとの複合体を製造するための核酸リンカーである。本実施形態の核酸リンカーの構造について、図1を用いて説明する。
図1中、Puはピューロマイシン、ATCGはDNA配列を示している。また、Spc18はアーム部を構成するスペーサー(第1のスペーサー)を示している。
修飾DNAとしては、ホスホロチオエートなどのヌクレオシド間結合を有するDNA、2’−フルオロ、2’−O−アルキルなどの糖修飾を有するDNAなど,当該技術分野において知られる修飾DNAのいずれを用いてもよい。
そして、ポリヌクレオチド部分51aは、光反応性塩基誘導体2bを含む。光反応性塩基誘導体2bは、所定の波長の光が照射されることにより、反応性が活性化され、核酸リンカー2とmRNA23を架橋可能な塩基誘導体を意味する。
光反応性塩基誘導体2bは、可逆的光連結性塩基を用いることが好ましい。可逆的光連結性塩基は、例えば、異なる波長帯域の光が照射されることによって、核酸リンカー2とmRNA23を可逆的に光連結及び光開裂する塩基を含む。可逆的光連結性塩基は、一例として、ソラーレン(psoralen)を付加した塩基、3−Cyanovinylcarbazole Nucleoside(以下、CNVKともいう。)が挙げられる。
なお、可逆的光連結性塩基は、短時間で効率よく架橋できることが良いため、CNVKが好ましい。
光反応性塩基誘導体2bとしてCNVKを用いる場合、核酸リンカー2とmRNA23との複合体に、光連結する第一の波長帯域の光と光開裂する第二の波長帯域の光とを照射することで可逆的な架橋反応が可能である。第一の波長帯域は340nm以上の光である。一例として、340〜380nmの波長帯域の光を照射することにより、CNVKの5’側 に隣接するプリン塩基と塩基対を形成しているmRNA23中のピリミジン塩基を構成する原子とCNVKを構成する原子とが架橋構造を形成する。第二の波長帯域は350nm未満の光である。一例として、280〜345nmの波長帯域の光を照射することにより、架橋は解除される。第一の波長帯域と第二の波長帯域は、波長帯域の一部が互いに重複していてもよいとする。
CNVKを用いることで、所定の波長帯域の光を短時間(例えば30秒)照射することで高い架橋効率が得られ、照射対象の核酸を損傷するおそれがない。また、CNVKは、効率のよい可逆的な架橋反応が可能であるという点において優れている。
蛍光色素としては、FAM(カルボキシフルオレセイン)、JOE(6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ2’,7’−ジメトキシフルオレセイン)、FITC(フルオレセインイソチオシアネート)、TET(テトラクロロフルオレセイン)、HEX(5'−ヘキサクロロ−フルオレセイン−CEホスホロアミダイト)、Cy3、Cy5、Alexa568、Alexa647等が挙げられる。
ピューロマイシンは、アミノアシル−tRNAの3’末端と類似する構造を有するタンパク質合成阻害剤である。タンパク質33の連結部分2aとしては、伸長中のタンパク質又はペプチド33のC末端に特異的に結合する機能を有する限り、任意の物質を用いることができ、3’−N−アミノアシルピューロマイシンアミノヌクレオシド(PANS−アミノ酸)、または3’−N−アミノアシルアデノシンアミノヌクレオシド(AANS−アミノ酸)などのピューロマイシン誘導体を用いることができる。
PANS−アミノ酸としては、アミノ酸部がグリシンのPANS−Gly、バリンのPANS−Val、アラニンのPANS−Ala、又はアミノ酸部が全ての各アミノ酸に対応するPANS−アミノ酸混合物を挙げることができる。
AANS−アミノ酸としては、アミノ酸部がグリシンのAANS−Gly、バリンのAANS−Val、アラニンのAANS−Ala、又はアミノ酸部が全アミノ酸の各アミノ酸に対応するAANS−アミノ酸混合物を挙げることができる。
ピューロマイシン以外に好適に使用できるアミノアシルtRNA3’末端アナログとしては、リボシチジルピューロマイシン(rCpPur)、デオキシジルピューロマイシン(dCpPur)、デオキシウリジルピューロマイシン(dUpPur)などを挙げることができる。
固相結合部位/固相結合部位を認識する固相上の固相結合部位認識部位の組み合わせとしては、アビジン−ビオチン結合を利用する方法の他、核酸リンカー2をアミノ基、ホルミル基、SH基、などの官能基で修飾し、固相をアミノ基、ホルミル基、エポキシ基などを有するシランカップリング剤で表面処理したものを利用する方法や、金-チオール結合を利用する方法などを用いることができ、金-チオール結合を利用した方法が好ましい。
更に、本実施形態の核酸リンカー2は、スペーサー部分51cを有するため、固相上でのタンパク質又はペプチド33の合成に適している。
更に、本実施形態の核酸リンカー2は、光反応性塩基誘導体2bを含むため、mRNA23との複合体を安定化でき、効率よくタンパク質又はペプチド33を合成できる。
本実施形態の核酸リンカー12の構造について、図2を用いて説明する。
図2において、図1の核酸リンカー2の模式図に示されたものと同じ構成要素には、同一の符号を付して説明を省略する。
分岐鎖51dは、分岐鎖51dの3’末端から数塩基5’側の位置で一本鎖ポリヌクレオチド部51aと結合し、T字型の構造を形成している。逆転写の際に分岐鎖51dの3’末端がプライマーとして機能する。
本実施形態の核酸リンカー12によれば、分岐鎖51dを有するため、第1実施形態の効果に加えて、スクリーニングする目的のタンパク質をコードするmRNAを逆転写して生成されるcDNAが得られる。
本実施形態の核酸リンカー−逆転写プライマー複合体52は、核酸リンカー2と、mRNAの逆転写プライマー44と、からなる複合体である。本実施形態の核酸リンカー−逆転写プライマー複合体52(以下、複合体52ともいう。)の構造について、図3を用いて説明する。図3において、図1の核酸リンカー2の模式図に示されたものと同じ構成要素には、同一の符号を付して説明を省略する。
複合体52を安定化する観点から、逆転写プライマー44は、5’末端領域部分44aが光反応性塩基誘導体44bを含むことが好ましい。光反応性塩基誘導体44bは、可逆的光連結性塩基を用いることが好ましい。本実施形態においては、短時間で効率のよい可逆的な架橋反応が可能である点から、光反応性塩基誘導体44bは、CNVKを用いている。
本実施形態のmRNA−核酸リンカー−逆転写プライマー複合体62は、核酸リンカー2と、mRNA63と、mRNA63の逆転写プライマー54と、からなる複合体である。本実施形態のmRNA−核酸リンカー−逆転写プライマー複合体62(以下、複合体62ともいう。)の構造について、図4を用いて説明する。図4において、図1及び図3の核酸リンカー2の模式図に示されたものと同じ構成要素には、同一の符号を付して説明を省略する。
核酸リンカー2は、ポリヌクレオチド部分51aを介してmRNA63と相補対を形成し、アーム部分51bを介して逆転写プライマー54と相補対を形成している。
このように、本実施形態の複合体62は、逆転写プライマー54、核酸リンカー2、及び、mRNA63の3本の核酸鎖が相互に二本鎖を形成することによって、3つの二本鎖核酸が1ヶ所で交差した構造を形成している。また、本実施形態の複合体62は、逆転写プライマー54、核酸リンカー2、及び、mRNA63の3本の核酸鎖が相互に二本鎖を形成することによって、3つの二本鎖核酸が1つの共通領域を基点に互いに異なる方向に伸びた構造を形成している。
また、本実施形態の複合体62は、上述した核酸リンカーの第2実施形態と同様の効果を奏し、スクリーニングすべきタンパク質をコードするmRNAを逆転写してなるcDNAを得ることができる。
更に、本実施形態の複合体62は、後述するようにスクリーニングすべきタンパク質又はペプチドをコードする核酸を回収する方法に好適に用いられる。
本実施形態の核酸リンカー固定化固相は、上述した実施形態の核酸リンカーが、固相上に固定化されてなるものである。固相としては、基板又は担体が挙げられる。以下、好ましい実施形態について説明する。
本実施形態の核酸リンカー固定化固相は、上述した実施形態の核酸リンカーが、基板上に固定化されてなるものである。
用いられる基板としては、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板、金属基板等が挙げられる。上述したように本実施形態の核酸リンカーは、スペーサー部分を有している。該スペーサー部分が5’末端に固相との結合部位を有することが好ましく、その固相結合部位と、基板に結合させた固相結合部位認識部位との結合を利用して、核酸リンカーが基板上に固定化される。
このような固相結合部位/固相結合部位認識部位の組み合わせとしては、上述したように、金-チオール結合を利用した組合せが好ましい。かかる観点から、基板としては金基板が好ましい。
用いる還元剤としては、6−メルカプト−1−ヘキサノールが好ましい。かかるブロッキング処理により、核酸リンカーが効率よくスポットされた金基板が得られる。
本実施形態の核酸リンカー固定化固相は、上述した実施形態の核酸リンカーが、ビーズ担体上に固定化されてなるものである。
用いられるビーズ担体としては、磁気ビーズ、金ナノ粒子、アガロースビーズ、プラスチックビーズ等が挙げられ、磁性を利用したハンドリングが容易であることから磁気ビーズであることが好ましい。核酸リンカー固定化ビーズを用いて、複数の反応槽が配設されたビーズ配置用基板中の反応槽に配列させることにより、核酸リンカー固定化アレイを構成することができる。核酸リンカーの固定化には、上述した、アビジン−ビオチン結合を利用する方法の他、核酸リンカーをアミノ基、ホルミル基、SH基、などの官能基で修飾し、ビーズ担体をアミノ基、ホルミル基、エポキシ基などを有するシランカップリング剤で表面処理したものを利用する方法が挙げられ、特に、アビジン−ビオチン結合を利用した方法が好ましい。
本実施形態の核酸リンカー−逆転写プライマー複合体固定化固相は、上述した第1実施形態の核酸リンカー−逆転写プライマー−複合体が、固相上に固定化されてなるものである。固相としては、≪核酸リンカー固定化固相≫と同様に、基板又は担体が挙げられる。
本実施形態のタンパク質又はペプチド固定化固相は、mRNA23と、上述した第1実施形態の核酸リンカー2と、前記mRNA23によりコードされるタンパク質又はペプチド33との複合体が、固相上に固定化されてなる(図1参照)。固相としては、≪核酸リンカー固定化固相≫と同様に、基板又は担体が挙げられる。
即ち、本実施形態のタンパク質又はペプチド固定化固相の製造方法は、(a)本実施形態の核酸リンカー固定化固相に、mRNA23を接触させ、mRNA23を核酸リンカー2にハイブリダイズさせて固相上にmRNA23−核酸リンカー2複合体を形成させる工程と、(b)前記工程(a)の後、固相上のmRNA23−核酸リンカー2複合体に第一の波長帯域の光を照射して、核酸リンカー2とmRNA23を架橋する工程と、(c)前記工程(b)の後、無細胞タンパク質翻訳系を用いてmRNA23からタンパク質又はペプチド33を合成し、タンパク質又はペプチド33のC末端と核酸リンカー2のタンパク質又はペプチドとの連結部分2aとを結合させて、mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体又はmRNA−核酸リンカー−ペプチド複合体を固相上に作製する工程と、を有する。
以下、各工程について説明する。
mRNA23は、スクリーニングすべきタンパク質又はペプチドをコードするDNAを調製し、RNAポリメラーゼにより転写させることにより得られる。RNAポリメラーゼとしては、例えばT7RNAポリメラーゼが挙げられる。
前記DNAとしては、任意のDNAまたはDNAライブラリーを利用することができる。例えば、サンプル組織から得たcDNAライブラリー、配列をランダムに合成したDNAライブラリー、配列の一部を変異させたDNAライブラリーなどを用いることができる。
作製されるタンパク質又はペプチドを精製しやすいように、PCR等で予めDNAの末端に該ポリヒスチジンやFLAG等のタグをコードする塩基配列を付加しておくことが好ましい。また、転写効率を高めるために、PCR等で予めDNAの5’末端にT7プロモーター配列を付加しておくことが好ましく、翻訳効率を高めるために、PCR等で予めDNAの5’末端にオメガ配列を付加しておくことが好ましい。
第一の波長帯域は、340nm以上の光である。一例として、340〜380nmの波長帯域の光を照射する。照射時間は、照射されることによる核酸の損傷を抑制する観点から短い時間がよく、5秒〜60秒が好ましい。また、照射時間は、10秒〜50秒がより好ましく、20秒〜40秒が特に好ましい。例えば、365nmの光を30秒間照射することにより、mRNA23と核酸リンカー2の全モル数中、60%以上のmRNA23−核酸リンカー2複合体の形成率が得られる。
架橋反応を行う際に用いるバッファーとしては、特に限定されず、Tris−HClバッファー等が挙げられる。該バッファー中の塩としては、100mM〜1MのNaClが好ましく、200mM〜600mMのNaClがより好ましい。また、例えば、バッファー中の塩が200mMのNaClであることにより、80%以上のmRNA23−核酸リンカー2複合体の形成率が得られる。
更に、翻訳に必要な要素が独立に精製された因子のみからなる再構成型無細胞タンパク質合成系が挙げられる。再構成型無細胞タンパク質合成系は、従来の細胞抽出液を使用する場合よりもヌクレアーゼやプロテアーゼの混入を容易に防ぐことができるため、翻訳効率を高めることができる。
本実施形態のタンパク質又はペプチド固定化固相は、mRNA23と、上述した核酸リンカー12と、mRNA23によりコードされるタンパク質又はペプチド33との複合体が、固相上に固定化されてなる(図2参照)。固相としては、≪核酸リンカー固定化固相≫と同様に、基板又は担体が挙げられる。
本実施形態のタンパク質又はペプチド固定化固相は、核酸リンカー12を用いる以外は、第1実施形態のタンパク質又はペプチド固定化固相と同様であるため、その説明を省略する。
本実施形態のタンパク質又はペプチド固定化固相は、上述したmRNA63−核酸リンカー2−逆転写プライマー54−複合体と、mRNA63によりコードされるタンパク質又はペプチド73との複合体であるmRNA23−核酸リンカー2−タンパク質又はペプチド73−逆転写プライマー54−複合体が、固相上に固定化されてなる(図4参照)。
固相としては、≪核酸リンカー固定化固相≫と同様に、基板又は担体が挙げられる。
複合体62を安定化する観点から、逆転写プライマー54は、5’末端領域部分54aが光反応性塩基誘導体54cを含むことが好ましい。光反応性塩基誘導体54cは、可逆的光連結性塩基を用いることが好ましい。本実施形態においては、短時間で効率のよい可逆的な架橋反応が可能である点から、光反応性塩基誘導体54cは、CNVKを用いている。本実施形態のタンパク質又はペプチド固定化固相の製造方法は、(a’)本実施形態の核酸リンカー固定化固相に、mRNA63及び逆転写プライマー54を接触させて逆転写プライマー54、核酸リンカー2、及び、mRNA63の3本の核酸鎖が相互に二本鎖を形成することにより、固相上にmRNA63−核酸リンカー2−逆転写プライマー54複合体を形成させる工程と、(b’) 前記工程(a’)の後、固相上のmRNA63−核酸リンカー2−逆転写プライマー54複合体に第一の波長帯域の光を照射して、核酸リンカー2とmRNA63を架橋するとともに、核酸リンカー2と逆転写プライマー54を架橋する工程と、(c’)前記工程(b’)の後、無細胞タンパク質翻訳系を用いてmRNA63からタンパク質又はペプチド73を合成し、タンパク質又はペプチド73のC末端と核酸リンカー2のタンパク質又はペプチドとの連結部分2aとを結合させて、mRNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド−逆転写プライマー複合体を固相上に作製する工程と、を有する。
以下、各工程について説明する。
本実施形態のマイクロアレイは、複数の核酸リンカー、複数の核酸リンカー−逆転写プライマー複合体、又は複数のmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体が固定化されたものである。核酸リンカー、核酸リンカー−逆転写プライマー複合体、及びmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体については、各実施形態において上述しているため、その説明を省略する。
本実施形態の核酸回収方法は、本実施形態の核酸リンカーが固定化された固相を用いて核酸を回収する核酸回収方法であって、前記mRNAと前記核酸リンカーとを光反応性塩基誘導体によって光架橋する工程A1と、前記mRNAと前記核酸リンカーとの前記光架橋を光照射によって解離させる工程B1と、を含む。
前記工程A1は第一の波長帯域の光を照射することによって、核酸リンカーとmRNAを架橋する工程を有することが好ましい。
また、前記工程B1は第二の波長帯域の光を照射して核酸リンカーからmRNAを解離する工程を有することが好ましい。
以下、好ましい実施形態について説明する。
本実施形態の核酸回収方法は、
第1実施形態又は第2実施形態の核酸リンカーが固定化された固相上の全てのスポットに第一の波長帯域の光を照射して、全てのスポット中の核酸リンカーとmRNAを架橋する工程A1aと、
固相上の特定のスポットに第二の波長帯域帯の光を照射して、特定のスポット中の核酸リンカーからmRNAを解離させる工程B1aと、を有する(図5参照。)。
また、工程B1aにおいて、第二の波長帯域の光を固相上の特定のスポットに選択的に照射する。光を選択的に照射する方法としては、マスクを用いる方法等、アレイ作製において用いられる方法が適用される。架橋を解除されたmRNAは、熱処理や尿素含有バッファーによる溶出等、定法により核酸リンカーから解離する。本実施形態の核酸回収方法によれば、第二の波長帯域の光照射によって解離したmRNAを選択的に回収することができる。
本実施形態の核酸回収方法は、
第1実施形態又は第2実施形態の核酸リンカーが固定化された固相上の特定のスポット以外のスポットに第一の波長帯域(340nm以上。一例として、340〜380nm)の光を照射して、特定のスポット以外のスポット中の核酸リンカーとmRNAを架橋する工程A1bと、
固相上の特定のスポット中の核酸リンカーからmRNAを解離させる工程B1bと、を有する(図6参照。)。
本実施形態の核酸回収方法は、第1実施形態のmRNA−核酸リンカー−逆転写プライマー複合体が固定化された固相を用いて核酸を回収する核酸回収方法であって、
前記mRNAの逆転写プライマーと前記核酸リンカーとを光反応性塩基誘導体によって光架橋する工程A2と、
前記逆転写プライマーと前記核酸リンカーとの前記光架橋を光照射によって解離させる工程B2と、を含む。
逆転写されたcDNAはmRNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体中のmRNAとハイブリッドを形成する。mRNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体中のmRNAは、アプタマーとして、他の分子と非特異的に相互作用する可能性が高いため、このようなmRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体を作製しておくことが好ましい。
また、タンパク質又はペプチドをコードするcDNAを解析するためには、この複合体の作製が必須である。
以下、核酸回収方法の好ましい実施形態について説明する。
前記工程A2は固相上の全てのスポットに光照射し、全てのスポット中の核酸リンカーとmRNAを架橋する工程を有し、 前記工程B2は固相上の特定のスポット中の核酸リンカーから逆転写プライマーを解離させる工程を有する。
mRNA−核酸リンカー−逆転写プライマー複合体固定化固相上の全てのスポットに第一の波長帯域の光を照射して、核酸リンカーとmRNAを架橋し、核酸リンカーと逆転写プライマーを架橋する工程A3と、
前記mRNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド−逆転写プライマー複合体を逆転写反応に供して、前記逆転写プライマーの3’末端から相補鎖が伸長してなるcDNAを合成して、mRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体を製造する工程B3と、
前記mRNAを前記mRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体から解離させ、cDNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体を製造する工程C3と、
タンパク質又はペプチド固定化固相上の特定のスポットに第二の波長帯域の光を照射して、特定のスポット中のcDNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体からcDNAを解離させる工程D3と、を有する。
工程A3と工程B3の順序は特に限定されず、架橋反応→逆転写反応の順でも、逆転写反応→架橋反応の順でもよい。
また、工程D3において、第二の波長帯域の光を固相上の特定のスポットに選択的に照射する。光を選択的に照射する方法としては、マスクを用いる方法等、アレイ作製において用いられる方法が適用される。架橋を解除されたcDNAは、熱処理や尿素含有バッファーによる溶出等、定法により核酸リンカーから解離する。本実施形態の核酸回収方法によれば、第二の波長帯域の光照射によって解離したcDNAを選択的に回収することができる。
前記工程A2は固相上の特定のスポット以外のスポットに光照射し、特定のスポット以外のスポット中の核酸リンカーと逆転写プライマーを架橋する工程を有し、
前記工程B2は固相上の特定のスポット中の核酸リンカーから逆転写プライマーを解離させる工程を有する。
mRNA−核酸リンカー−逆転写プライマー複合体を逆転写反応に供して、前記逆転写プライマーの3’末端から相補鎖が伸長してなるcDNAを合成して、mRNA/cDNA−核酸リンカー複合体を製造する工程A5と、
mRNA/cDNA−核酸リンカー複合体中の前記mRNAを前記mRNA/cDNA−核酸リンカー複合体から解離させ、cDNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体を製造する工程B5と、
固相上の特定のスポット以外のスポットに第一の波長帯域の光を照射して、特定のスポット以外のスポット中の核酸リンカーとcDNAを架橋する工程C5と、
特定のスポット中のcDNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体からcDNAを解離させる工程D5と、を有する。
本実施形態においては、工程C5において、第一の波長帯域の光を固相上の特定のスポット以外のスポットに選択的に照射して、核酸リンカーとcDNAを架橋する。次いで、工程D5において、第一の波長帯域の光が照射されていないスポット中の核酸リンカーからcDNAを解離させる。解離方法は、第1実施形態と同様である。本実施形態の核酸回収方法によれば、第一の波長帯域の光照射がされなかったmRNAを選択的に回収することができる。
図9に示すように、本実施形態の機能性タンパク質の同定方法は、
本実施形態の核酸リンカー固定化固相に、mRNAを接触させ、前記mRNAを前記核酸リンカーにハイブリダイズさせて固相上にmRNA−核酸リンカー複合体を形成させる工程A6と、
無細胞タンパク質翻訳系を用いて前記mRNAからタンパク質又はペプチドを合成し、前記タンパク質又はペプチドのC末端を、前記タンパク質又はペプチドとの連結部分に結合させてmRNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体を形成させる工程B6と、
更に、前記核酸リンカーのアーム部分の少なくとも一部の配列とハイブリダイズし得る配列を有し、3−Cyanovinylcarbazole Nucleosideを含む5’末端領域部分と、前記mRNAの少なくとも一部の配列とハイブリダイズし得る配列を有する3’末端領域部分と、からなる逆転写プライマーを前記固相に接触させてmRNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド−逆転写プライマー複合体を形成させる工程C6と、
前記固相上の全てのスポットに第一の波長帯域の光を照射して、核酸リンカーとmRNAを架橋するとともに、核酸リンカーと逆転写プライマーを架橋する工程D6と、
前記mRNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド−逆転写プライマー複合体を逆転写反応に供して、前記逆転写プライマーの3’末端から相補鎖を伸長してなるcDNAを合成して、mRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体を製造する工程E6と、
前記mRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体が固定された固相を機能性スクリーニングに供し、該固相上のスポットを特定する工程F6と、
機能性スクリーニングにより特定されたスポットに第二の波長帯域の光を照射して、特定されたスポット中のcDNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体からcDNAを解離させる工程G6と、
解離したcDNAを回収してその塩基配列を解析する工程H6と、を有する。
以下、本実施形態の機能性タンパク質の同定方法について詳細に説明するが、上述した工程と同様の工程については、その記載を省略する。
例えば、スクリーニング対象のタンパク質が酵素である場合、機能性スクリーニングとしては、酵素活性測定系が挙げられる。具体的な手法としては、固相上のスポット位置に対応するような微小凹部を有するマイクロ凹版を用意し、マイクロ凹版の微小凹部内にタンパク質の活性を測定するために必要な溶液(酵素活性測定系)を予め充填し、固相とマイクロ凹版を重ね合わせて酵素反応を生じさせることで、固相上のタンパク質の活性を測定する手法が挙げられる。
工程H6において、解離したcDNAを回収する。回収方法としては特に限定されず、熱処理や尿素含有バッファーによる溶出等、従来公知の方法が挙げられる。次いで、回収されたcDNAの塩基配列を解析することにより、所望の機能を有するタンパク質又はペプチドをコードするDNAを同定することができる。
図10に示すように、本実施形態の機能性タンパク質の同定方法は、
本実施形態の核酸リンカー固定化固相に、mRNAを接触させ、前記mRNAを前記核酸リンカーにハイブリダイズさせて固相上にmRNA−核酸リンカー複合体を形成させる工程A7と、
無細胞タンパク質翻訳系を用いて前記mRNAからタンパク質又はペプチドを合成し、前記タンパク質又はペプチドのC末端を、前記タンパク質又はペプチドとの連結部分に結合させてmRNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体を形成させる工程B7と、
更に、前記核酸リンカーのアーム部分の少なくとも一部の配列とハイブリダイズし得る配列を有し、3−Cyanovinylcarbazole Nucleosideを含む5’末端領域部分と、前記mRNAの少なくとも一部の配列とハイブリダイズし得る配列を有する3’末端領域部分と、からなる逆転写プライマーを前記固相に接触させてmRNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド−逆転写プライマー複合体を形成させる工程C7と、
前記mRNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド−逆転写プライマー複合体を逆転写反応に供して、前記逆転写プライマーの3’末端から相補鎖が伸長してなるcDNAを合成して、mRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体を製造する工程D7と、
前記mRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体が固定された固相を機能性スクリーニングに供し、該固相上のスポットを特定する工程E7と、
機能性スクリーニングにより特定されたスポット以外のスポットに第一の波長帯域の光を照射して、核酸リンカーとcDNAを架橋する工程F7と、
特定されたスポット中のcDNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体からcDNAを解離させる工程G7と、
解離したcDNAを回収してその塩基配列を解析する工程H7と、を有する
以下、本実施形態の機能性タンパク質の同定方法について詳細に説明するが、上述した工程と同様の工程については、その記載を省略する。
以下に示す材料をつくばオリゴサービス株式会社に委託し、自動核酸合成装置を使用して、ホスホロアミダイト法に従って合成した。
(1)光架橋核酸リンカー1[配列:5’ − (HO−C6H12−SS−C6H12)−X1−(CNVK)−X2−(spc18)−(spc18)−(spc18)−CC−(Puromycin)−3’]
X1は以下の配列を表す。
TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTGCA(配列番号1:54mer)
X2は以下の配列を表す。
CCGTGTAGTAGTCGC(配列番号2:15mer)
X3は以下の配列を表す。
TTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTCAGATCACTCGGTCGA(配列番号3:67mer)
X4は以下の配列を表す。
GTAGACCGGTCTCG(配列番号4:14mer)
X5は以下の配列を表す。
CGAGA(配列番号5:5mer)
X6は以下の配列を表す。
CGGTGACGATGCCT(配列番号6:14mer)
(CNVK)は、(3−Cyanovinylcarbazole nucleoside,1’−[(2−cyanoethyl)−(N,N−diisopropyl)]−phosphoramidite)を用いて合成したものを表す。
(spc18)は、18−O−Dimethoxytritylhexaethyleneglycol,1−[(2−cyanoethyl)−(N,N−diisopropyl)]−phosphoramiditeを用いて合成したものを表す(Glen Research社製、商品名:Spacer Phosphoramidite 18)。
(Puromycin)は、5'-Dimethoxytrityl−N-trifluoroacetyl−puromycin,2'-succinoyl−long chain alkylamino−CPG用いて合成したものを表す(Glen Research社製、商品名:Puromycin−CPG)。
5’上流からT7プロモーター配列と翻訳促進配列、Oct1 POU特異的ドメインをコードする配列(以下、PDOとよぶ)、スペーサー領域及び光架橋リンカー1との相補鎖領域を有する2本鎖DNA配列(DNA1、配列番号7:389bp)、もしくは光架橋リンカー2、3との相補鎖領域を有する2本鎖DNA配列(DNA2、配列番号8:401bp)をPCRにより増幅した。
PCRにより得られたDNAからT7 RiboMAX Express Large Scale RNA Production System(プロメガ社製)を用いて、添付のプロトコールに従って5−30pmol/μlのmRNAを合成した(RNA1、配列番号9:359mer、RNA2、配列番号10:371mer)。なお、mRNA合成反応中にCy3−UTPもしくはCy5−UTP(どちらもGEヘルスケア社製)を添加することで、Cy3もしくはCy5修飾したmRNAを作製した。
100μMの光架橋リンカー1 2μlを1Mリン酸バッファー(pH 9.0)38μlと混合し、1MDTTを10μl加え、室温で1時間反応させ、前記光架橋リンカー1の5’側にあるジスルフィド基をチオール基に還元した。その後、20mMリン酸バッファー(pH 7.2)で平衡化したマイクロバイオスピン6カラム(バイオラッド社製)を用いて、過剰なDTTを除去した。
紫外線照射サンプルおよび照射前サンプルを8M尿素5%ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離し、蛍光イメージャー(Typhoon9410、GEヘルスケア社製)でテトラメチルローダミンの蛍光を観察(励起波長:533nm、蛍光フィルター:580BP30)した後、SybrGold(Invitrogen社製)で染色し、蛍光イメージャーで観察した(励起波長:488nm、蛍光フィルター:520BP40)。
結果を図11に示す。レーン1は 100bp DNA ladder(プロメガ社製)、レーン2は紫外線照射前のサンプル、レーン3は紫外線照射後のサンプルである。左図はSybrGold染色の蛍光、右図はテトラメチルローダミン蛍光を観察したものである。レーン2、3より、紫外線照射によってmRNAにテトラメチルローダミン修飾光架橋リンカー1が光架橋して分子量が増加していることが確認された。
この混合液を30℃にて20分間反応させた後、5μlの3M 塩化カリウム溶液と1.5μlの1M 塩化マグネシウム溶液を加え、混合した。この混合液を更に37℃で30分間反応させ、PDO遺伝子のポリペプチド鎖を合成し、光架橋物1−タンパク質複合体を形成させた。反応産物を8M尿素含有SDS−6%ポリアクリルアミドゲル電気泳動にて分離し、光架橋物1のテトラメチルローダミンの蛍光シグナルと、タンパク質中に取り込まれたFluorotectの蛍光シグナルを蛍光イメージャーを用いて検出した。
この混合液を25℃にて20分間反応させ、PDO遺伝子のポリペプチド鎖を合成し、光架橋物1−タンパク質複合体を形成させた。反応産物を8M尿素含有SDS−6%ポリアクリルアミドゲル電気泳動にて分離し、光架橋物1のテトラメチルローダミンの蛍光シグナルと、タンパク質中に取り込まれたFluorotectの蛍光シグナルを蛍光イメージャーを用いて検出した。
この泳動結果より、ウサギ網状赤血球由来無細胞翻訳系を用いた反応では、光架橋物1より高分子量側に、テトラメチルローダミンおよびFluorotectの蛍光シグナルを示す光架橋物1−タンパク質複合体のバンドを確認できた。また、小麦胚芽由来無細胞翻訳系を用いた反応では、反応過程においてmRNAの分解が確認され、複合体の形成が僅かであった。この結果から、光架橋核酸リンカー1を用いたmRNA−タンパク質複合体形成反応ではウサギ網状赤血球由来の無細胞翻訳系を用いることが好ましいことが確認された。
その後、1×PBSに溶解した1μMの還元済み光架橋リンカー1を金薄膜基板上に滴下し、室温で24時間、密閉反応溶液中で反応させた。
その後、金薄膜基板を10mlの1×PBSに溶解した1mMの6−mercapto−1−hexanol溶液に浸漬し、室温で1時間反応させた後、1×PBS/0.2%(v/v)Tween20溶液中で30分間超音波洗浄し、1000rpmで3秒間、3000rpmで20秒間の条件でスピンドライヤーを用いて乾燥した。
その後、金薄膜基板上に365nmの紫外線(210mW/cm2)を1、5、10、20、30、45、60、90秒間スポット照射した。
その後、8M尿素溶液で洗浄することにより光架橋リンカー1とmRNA1のハイブリダイズを剥がし、光架橋していないmRNAを洗い流し、金薄膜基板上に残留している光架橋されたCy3修飾mRNAを蛍光イメージャーで観察した(励起波長:532nm、蛍光フィルター:580BP30)。
結果を図13に示す。左から、紫外線照射スポット・照射時間対応図、紫外線照射前、紫外線照射後、尿素洗浄後のCy3蛍光像である。この結果より、紫外線を照射したスポットのみCy3修飾mRNAが残留し、光架橋が行われていることを確認した。また、残留Cy3修飾mRNA量を定量したところ、照射時間に応じて光架橋度が上がることが確認できた(図14)。
次に、洗浄液(80mM酢酸カリウム、0.5mM酢酸マグネシウム)で洗浄した後、Fluorotect(プロメガ社製)を添加した50μlのウサギ網状赤血球由来無細胞翻訳系(ライフテクノロジーズ社製)を滴下し、30℃で20分間、密閉容器中で反応させた。その後、25μlの高塩濃度溶液(3M塩化カリウム、1M塩化マグネシウム)を添加し、37℃で90分間、密閉容器中で反応させた後、洗浄液(790mM塩化カリウム、79mM塩化マグネシウム、52mM酢酸カリウム、0.32M酢酸マグネシウム)で洗浄し、金薄膜基板を蛍光イメージャー(Typhoon9410、GEヘルスケア社製)で観察しCy5修飾mRNA1の蛍光(励起波長:633nm、蛍光フィルター:670BP30)、およびタンパク質に取り込まれたFluorotectの蛍光を確認した。
その後、マグネシウム非含有洗浄液(790mM塩化カリウム、52mM酢酸カリウム、)で洗浄し、上記と同様に金薄膜基板を蛍光イメージャー(Typhoon9410、GEヘルスケア社製)で観察した。
結果を図15に示す。この結果より、翻訳後、Fluorotectが取り込まれたタンパク質がmRNA1と同じスポット上に存在していることが分かる。また、マグネシウム非含有洗浄液で洗浄すると、Fluorotectの蛍光強度が大幅に減少するが、これは、mRNA上に存在するポリソームを介して結合していたタンパク質が、マグネシウム非含有洗浄液によってポリソームが洗い流された結果、Fluorotectを取り込んだタンパク質も同時に洗い流された為と考えられる。そして、マグネシウム非含有洗浄液による洗浄後も金薄膜基板上に残留しているFluorotect修飾タンパク質が、光架橋リンカー1を介してmRNA1に結合しているタンパク質であると考えられ、光架橋リンカー1を用いて、タンパク質を基板上に固定化できることが確認できた。
次に、金薄膜基板全面に365nmの紫外線(210mW/cm2)を30秒間照射した後、Cy3−dCTP(GEヘルスケア社製)を添加したSuperScriptIII逆転写反応液(インビトロジェン社製)を金薄膜基板上全面に50μl滴下し、42℃で1時間、密閉容器中で反応させた後、3×SSC溶液で5分間、0.1×SSC/0.1%SDS溶液で5分間、および0.1×SSC溶液で5分間洗浄し、金薄膜基板を蛍光イメージャー(Typhoon9410、GEヘルスケア社製)で観察し、Cy5修飾mRNA2および、逆転写反応中にcDNAに取り込まれたCy3の蛍光を確認した。
結果を図16に示す。この結果より、逆転写反応後に、Cy3修飾されたcDNAが基板上で合成されていることが確認できる。
結果を図17に示す。この結果より、Cy3修飾されたcDNAは残留しているが、Cy5修飾されたmRNAが分解され消失していることが確認できる。
次に、基板上全面に50μlの8M尿素溶液を滴下し、Cy3修飾cDNA固定化スポットのうち2箇所に312nmの紫外線(10mW/cm2)を180秒間照射した後、基板上の溶液を全て回収した。
溶液回収後の金薄膜基板を蛍光イメージャーで観察し、312nmの紫外線を照射したスポットからCy3修飾cDNAが遊離していることを確認した。
光開裂によって遊離したCy3修飾cDNAが溶解していると考えられる回収溶液をエタノール沈殿で濃縮後、回収溶液中に含まれるcDNA量を、リアルタイムPCRを用いて解析した結果、回収DNA量は、約16000分子であった。なお、312nmの紫外線を照射せずに回収したサンプルも同様に定量したところ、DNAの増幅は見られたがSYBR Green IによるリアルタイムPCR実験系での定量範囲未満であった。(図18参照。)。以上のことから、312nmの紫外線照射に依存した基板上からのDNA回収を確認できた。リアルタイムPCR装置としてライトサイクラー480(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)、リアルタイムPCR試薬としてライトサイクラー480SYBR GreenI マスター(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)、プライマーとして、(5’−GACCTTGAGGAGCTTGAGCAG−3’)、および(5’−ATAGCGAGCCCAACATCACC−3’)を用いた。
次に、50μlの2μMの光架橋リンカー3とCy3−dCTP(GEヘルスケア社製)を添加したSuperScriptIII逆転写反応液(インビトロジェン社製)を金薄膜基板上全面に50μl滴下し、30℃で30分、42℃で1時間、密閉容器中で反応させた後、3×SSC溶液で5分間、0.1×SSC/0.1%SDS溶液で5分間、および0.1×SSC溶液で5分間洗浄し、金薄膜基板を蛍光イメージャーで観察し、Cy5修飾mRNAおよび、逆転写反応中にcDNAに取り込まれたCy3の蛍光を確認した(図19参照。)。その後、金薄膜基板の一部に365nmの紫外線(210mW/cm2)を30秒間照射した。
次に、逆転写反応を行った金薄膜基板上に、50μlの4mMの塩化マグネシウムを含む1×PBSに溶解した100unitのリボヌクレアーゼH(タカラバイオ社製)を滴下し、30℃で15分間、40℃で5分間密閉容器中で反応させた後、基板上の溶液を全て回収した。リボヌクレアーゼHによるmRNAの分解とcDNAの遊離を蛍光イメージャーで確認した(図19参照。)。
溶液回収後の金薄膜基板を蛍光イメージャーで観察し、2回目の365nmの紫外線を照射していないスポットからCy3修飾cDNAが遊離していることを確認した。
また、本実施形態の核酸回収方法によれば、固相上の特定領域から核酸回収を効率よく行うことができることが明らかである。
2a 連結部分
23,63 mRNA
33,73 タンパク質又はペプチド
44,54 逆転写プライマー
44a, 54a 5’末端領域部分
44b,54c 光反応性塩基誘導体
51a ポリヌクレオチド部分
51b アーム部分
51c スペーサー部分
51d 分岐鎖
54b 3’末端領域部分
62 複合体
Claims (30)
- mRNAと、該mRNAによりコードされるタンパク質又はペプチドとの複合体を製造するための核酸リンカーであって、
5’末端にスペーサー部分と、
前記mRNAの少なくとも一部の配列とハイブリダイズし得るポリヌクレオチド部分と、
前記タンパク質又はペプチドとの連結部分を3’末端に有するアーム部分とを備え、
前記スペーサー部分と前記ポリヌクレオチド部分と前記アーム部分とが一本鎖を形成してなり、
前記ポリヌクレオチド部分が光反応性塩基誘導体を含み、
前記スペーサー部分は50塩基以上のオリゴヌクレオチドを有し、
前記光反応性塩基誘導体は3−Cyanovinylcarbazole Nucleosideであることを特徴とする核酸リンカー。 - 前記スペーサー部分が5’末端に固相との結合部位を有する請求項1に記載の核酸リンカー。
- 前記タンパク質又はペプチドとの連結部分は、前記アーム部分の末端にピューロマイシン、3’−N−アミノアシルピューロマイシンアミノヌクレオシド、又は3’−N−アミノアシルアデノシンアミノヌクレオシドが結合されてなる請求項1又は2に記載の核酸リンカー。
- 更に、前記ポリヌクレオチド部分と、前記アーム部分の間から突出した3’末端を有する分岐鎖を有し、
該分岐鎖は、前記mRNAの一部の配列とハイブリダイズして、該mRNAを逆転写するプライマー配列を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の核酸リンカー。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の核酸リンカーと、
該mRNAの逆転写プライマーと、からなる核酸リンカー−逆転写プライマー複合体であって、
前記逆転写プライマーは、前記核酸リンカーのアーム部分の少なくとも一部の配列とハイブリダイズし得る配列を有する5’末端領域部分を含むことを特徴とする核酸リンカー−逆転写プライマー複合体。 - 前記逆転写プライマーは、前記5’末端領域部分に3−Cyanovinylcarbazole Nucleosideを含む請求項5に記載の核酸リンカー−逆転写プライマー複合体。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の核酸リンカーと、
前記mRNAと、
該mRNAの逆転写プライマーと、からなるmRNA−核酸リンカー−逆転写プライマー複合体であって、
前記逆転写プライマーは、前記核酸リンカーのアーム部分の少なくとも一部の配列とハイブリダイズし得る配列を有する5’末端領域部分と、前記mRNAの少なくとも一部の配列とハイブリダイズし得る配列を有する3’末端領域部分と、からなることを特徴とするmRNA−核酸リンカー−逆転写プライマー複合体。 - 前記逆転写プライマーは、前記5’末端領域部分に3−Cyanovinylcarbazole Nucleosideを含む請求項7に記載のmRNA−核酸リンカー−逆転写プライマー複合体。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の核酸リンカーが、固相上に固定化されてなることを特徴とする核酸リンカー固定化固相。
- 請求項5又は6に記載の核酸リンカー−逆転写プライマー複合体が、固相上に固定化されてなることを特徴とする核酸リンカー−逆転写プライマー複合体固定化固相。
- mRNAと、請求項1〜4のいずれか一項に記載の核酸リンカーと、前記mRNAによりコードされるタンパク質又はペプチドとの複合体が、固相上に固定化されてなることを特徴とするタンパク質又はペプチド固定化固相。
- 請求項7に記載のmRNA−核酸リンカー−逆転写プライマー複合体と、前記mRNAによりコードされるタンパク質又はペプチドとの複合体であるmRNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド−逆転写プライマー複合体が、固相上に固定化されてなることを特徴とするタンパク質又はペプチド固定化固相。
- 請求項8に記載のmRNA−核酸リンカー−逆転写プライマー複合体と、前記mRNAによりコードされるタンパク質又はペプチドとの複合体であるmRNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド−逆転写プライマー複合体が、固相上に固定化されてなることを特徴とするタンパク質又はペプチド固定化固相。
- 複数の核酸リンカーが固定化されたマイクロアレイであって、
前記核酸リンカーは請求項1〜4のいずれか一項に記載の核酸リンカーであることを特徴とするマイクロアレイ。 - 複数の核酸リンカー−逆転写プライマー複合体が固定化されたマイクロアレイであって、
前記核酸リンカー−逆転写プライマー複合体は請求項5又は6一項に記載の核酸リンカー−逆転写プライマー複合体であることを特徴とするマイクロアレイ。 - 複数のmRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体が固定化されたマイクロアレイであって、
前記mRNA−核酸リンカー−タンパク質複合体は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の核酸リンカーと、前記mRNAによりコードされるタンパク質又はペプチドとの複合体であることを特徴とするマイクロアレイ。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の核酸リンカーが固定化された固相を用いて核酸を回収する核酸回収方法であって、
前記mRNAと前記核酸リンカーとを光反応性塩基誘導体によって光架橋する工程A1と、
前記mRNAと前記核酸リンカーとの前記光架橋を光照射によって解離させる工程B1と、
を含むことを特徴とする核酸回収方法。 - 前記工程A1は第一の波長帯域の光を照射することによって、核酸リンカーとmRNAを架橋する工程を有し、
前記工程B1は第二の波長帯域の光を照射して核酸リンカーからmRNAを解離する工程を有する請求項17記載の核酸回収方法。 - 前記工程A1は固相上の全てのスポットに光照射し、全てのスポット中の核酸リンカーとmRNAを架橋する工程を有し、
前記工程B1は固相上の特定のスポット中の核酸リンカーからmRNAを解離させる工程を有する請求項17又は18に記載の核酸回収方法。 - 前記工程A1は固相上の特定のスポット以外のスポットに光照射し、特定のスポット以外のスポット中の核酸リンカーとmRNAを架橋する工程を有し、
工程B1は、固相上の特定のスポット中の核酸リンカーからmRNAを解離させる工程を有する請求項17又は18に記載の核酸回収方法。 - 第一の波長帯域は340nm〜380nmであり、第二の波長帯域は280nm〜345nmである請求項18〜20のいずれか一項に記載の核酸回収方法。
- 請求項7に記載のmRNA−核酸リンカー−逆転写プライマー複合体が固定化された固相を用いて核酸を回収する核酸回収方法であって、
前記mRNAの逆転写プライマーと前記核酸リンカーとを光反応性塩基誘導体によって光架橋する工程A2と、
前記逆転写プライマーと前記核酸リンカーとの前記光架橋を光照射によって解離させる工程B2と、
を含むことを特徴とする核酸回収方法。 - 前記工程A2は前記mRNA−核酸リンカー−逆転写プライマー複合体を逆転写反応に供して前記逆転写プライマーの3’末端から前記mRNAの相補鎖が伸長してなるcDNAを合成する工程を含む請求項22に記載の核酸回収方法。
- 前記工程A2は第一の波長帯域の光を照射することによって、核酸リンカーと逆転写プライマーを架橋する工程を有し、
前記工程B2は第二の波長帯域の光を照射して核酸リンカーからcDNAを解離する請求項23に記載の核酸回収方法。 - 前記工程A2は固相上の全てのスポットに光照射し、全てのスポット中の核酸リンカーとmRNAを架橋する工程を有し、
前記工程B2は固相上の特定のスポット中の核酸リンカーから逆転写プライマーを解離させる工程を有する請求項22〜24のいずれか一項に記載の核酸回収方法。 - 前記工程A2は固相上の特定のスポット以外のスポットに光照射し、特定のスポット以外のスポット中の核酸リンカーと逆転写プライマーを架橋する工程を有し、
前記工程B2は固相上の特定のスポット中の核酸リンカーから逆転写プライマーを解離させる工程を有する請求項22〜24のいずれか一項に記載の核酸回収方法。 - 第一の波長帯域は340nm〜380nmであり、第二の波長帯域は280nm〜345nmである請求項23〜26のいずれか一項に記載の核酸回収方法。
- 請求項9に記載の核酸リンカー固定化固相に、mRNAを接触させ、前記mRNAを前記核酸リンカーにハイブリダイズさせて固相上にmRNA−核酸リンカー複合体を形成させる工程A6と、
無細胞タンパク質翻訳系を用いて前記mRNAからタンパク質又はペプチドを合成し、前記タンパク質又はペプチドのC末端を、前記タンパク質又はペプチドとの連結部分に結合させてmRNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体を形成させる工程B6と、
更に、前記核酸リンカーのアーム部分の少なくとも一部の配列とハイブリダイズし得る配列を有し、3−Cyanovinylcarbazole Nucleosideを含む5’末端領域部分と、前記mRNAの少なくとも一部の配列とハイブリダイズし得る配列を有する3’末端領域部分と、からなる逆転写プライマーを前記固相に接触させてmRNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド−逆転写プライマー複合体を形成させる工程C6と、
前記固相上の全てのスポットに第一の波長帯域の光を照射して、核酸リンカーとmRNAを架橋するとともに、核酸リンカーと逆転写プライマーを架橋する工程D6と、
前記mRNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド−逆転写プライマー複合体を逆転写反応に供して、前記逆転写プライマーの3’末端から相補鎖を伸長してなるcDNAを合成して、mRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体を製造する工程E6と、
前記mRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体が固定された固相を機能性スクリーニングに供し、該固相上のスポットを特定する工程F6と、
機能性スクリーニングにより特定されたスポットに第二の波長帯域の光を照射して、特定されたスポット中のcDNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体からcDNAを解離させる工程G6と、
解離したcDNAを回収してその塩基配列を解析する工程H6と、
を有することを特徴とする機能性タンパク質又は機能性ペプチドの同定方法。 - 請求項9に記載の核酸リンカー固定化固相に、mRNAを接触させ、前記mRNAを前記核酸リンカーにハイブリダイズさせて固相上にmRNA−核酸リンカー複合体を形成させる工程A7と、
無細胞タンパク質翻訳系を用いて前記mRNAからタンパク質又はペプチドを合成し、前記タンパク質又はペプチドのC末端を、前記タンパク質又はペプチドとの連結部分に結合させてmRNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体を形成させる工程B7と、
更に、前記核酸リンカーのアーム部分の少なくとも一部の配列とハイブリダイズし得る配列を有し、3−Cyanovinylcarbazole Nucleosideを含む5’末端領域部分と、前記mRNAの少なくとも一部の配列とハイブリダイズし得る配列を有する3’末端領域部分と、からなる逆転写プライマーを前記固相に接触させてmRNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド−逆転写プライマー複合体を形成させる工程C7と、
前記mRNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド−逆転写プライマー複合体を逆転写反応に供して、前記逆転写プライマーの3’末端から相補鎖が伸長してなるcDNAを合成して、mRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体を製造する工程D7と、
前記mRNA/cDNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体が固定された固相を機能性スクリーニングに供し、該固相上のスポットを特定する工程E7と、
機能性スクリーニングにより特定されたスポット以外のスポットに第一の波長帯域の光を照射して、核酸リンカーとcDNAを架橋する工程F7と、
特定されたスポット中のcDNA−核酸リンカー−タンパク質又はペプチド複合体からcDNAを解離させる工程G7と、
解離したcDNAを回収してその塩基配列を解析する工程H7と、
を有することを特徴とする機能性タンパク質又は機能性ペプチドの同定方法。 - 第一の波長帯域は340nm〜380nmであり、第二の波長帯域は280nm〜345nmである請求項28又は29に記載の機能性タンパク質又は機能性ペプチドの同定方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013050936 | 2013-03-13 | ||
JP2013050936 | 2013-03-13 | ||
PCT/JP2014/055943 WO2014142020A1 (ja) | 2013-03-13 | 2014-03-07 | 核酸リンカー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP6020865B2 true JP6020865B2 (ja) | 2016-11-02 |
JPWO2014142020A1 JPWO2014142020A1 (ja) | 2017-02-16 |
Family
ID=51536681
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015505439A Expired - Fee Related JP6020865B2 (ja) | 2013-03-13 | 2014-03-07 | 核酸リンカー |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US10294472B2 (ja) |
EP (1) | EP2975121A4 (ja) |
JP (1) | JP6020865B2 (ja) |
WO (1) | WO2014142020A1 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6478392B2 (ja) * | 2014-12-26 | 2019-03-06 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 核酸リンカー |
JP6506838B2 (ja) * | 2015-03-31 | 2019-05-08 | 国立大学法人埼玉大学 | 試験管内淘汰及び分子間相互作用解析用高速光架橋型共用リンカー、そのリンカーを用いた試験管内淘汰方法 |
WO2017189409A1 (en) * | 2016-04-25 | 2017-11-02 | Evorx Technologies, Inc. | Beta-catenin barcoded peptides |
CN114585736B (zh) * | 2020-10-27 | 2023-05-02 | 北京寻因生物科技有限公司 | 一种嘌呤霉素连接子及其在体外核酸展示肽合成中的应用 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003505094A (ja) * | 1999-07-27 | 2003-02-12 | フィロス インク. | ペプチドアクセプターの連結法 |
JP2011217708A (ja) * | 2010-04-14 | 2011-11-04 | Saitama Univ | 核酸リンカー |
JP2011528912A (ja) * | 2008-07-25 | 2011-12-01 | リチャード ダブリュ. ワグナー | タンパク質スクリーニング法 |
JP2012504415A (ja) * | 2008-09-30 | 2012-02-23 | アボット・ラボラトリーズ | 改良rnaディスプレイ法 |
WO2013065827A1 (ja) * | 2011-11-04 | 2013-05-10 | 国立大学法人埼玉大学 | 核酸リンカー |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6416950B1 (en) | 1998-12-02 | 2002-07-09 | Phylos, Inc. | DNA-protein fusions and uses thereof |
EP1816192B1 (en) | 2004-10-15 | 2012-12-12 | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology | LINKER FOR CONSTRUCTING mRNA-PUROMYCIN-PROTEIN CONJUGATE |
JP4803155B2 (ja) | 2007-10-15 | 2011-10-26 | セイコーエプソン株式会社 | 複数の画像データのパノラマ合成 |
JP5733784B2 (ja) * | 2009-09-24 | 2015-06-10 | 国立大学法人埼玉大学 | cDNA/mRNA−タンパク質連結体の効率的合成法 |
JP6048975B2 (ja) * | 2011-11-04 | 2016-12-21 | 国立大学法人 東京大学 | タンパク質固定化固相、及びポリヌクレオチド固定化固相、並びに、核酸回収方法 |
-
2014
- 2014-03-07 JP JP2015505439A patent/JP6020865B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2014-03-07 WO PCT/JP2014/055943 patent/WO2014142020A1/ja active Application Filing
- 2014-03-07 EP EP14762773.1A patent/EP2975121A4/en not_active Withdrawn
-
2015
- 2015-09-10 US US14/849,992 patent/US10294472B2/en not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003505094A (ja) * | 1999-07-27 | 2003-02-12 | フィロス インク. | ペプチドアクセプターの連結法 |
JP2011528912A (ja) * | 2008-07-25 | 2011-12-01 | リチャード ダブリュ. ワグナー | タンパク質スクリーニング法 |
JP2012504415A (ja) * | 2008-09-30 | 2012-02-23 | アボット・ラボラトリーズ | 改良rnaディスプレイ法 |
JP2011217708A (ja) * | 2010-04-14 | 2011-11-04 | Saitama Univ | 核酸リンカー |
WO2013065827A1 (ja) * | 2011-11-04 | 2013-05-10 | 国立大学法人埼玉大学 | 核酸リンカー |
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
JPN6014023098; Kore and Srinivasan: 'Efficient synthesis of 3-cyanovinylcarbazole-1'-beta-deoxyriboside-5-triphosphate:a reversible photo-c' Tetrahedron Letters Vol.53, 2012, p.4012-4014 * |
JPN6014023099; Yamaguchi et al.: 'cDNA display:a novel screening method for functional disulfide-rich peptides by solid-phase synthesi' Nucleic Acids Research Vol.37, No.16, 2009, p.e108 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20160076022A1 (en) | 2016-03-17 |
US10294472B2 (en) | 2019-05-21 |
EP2975121A4 (en) | 2016-07-20 |
JPWO2014142020A1 (ja) | 2017-02-16 |
WO2014142020A1 (ja) | 2014-09-18 |
EP2975121A1 (en) | 2016-01-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7097627B2 (ja) | 核酸エンコーディングを使用した巨大分子解析 | |
EP1816192B1 (en) | LINKER FOR CONSTRUCTING mRNA-PUROMYCIN-PROTEIN CONJUGATE | |
CN116829733A (zh) | 用于将分析物结合至捕获探针的组合物和方法 | |
CN110637086B (zh) | Rna分子与肽的复合体的制造方法及其利用 | |
CA3081441A1 (en) | Kits for analysis using nucleic acid encoding and/or label | |
JP6057185B2 (ja) | 核酸リンカー | |
JP6020865B2 (ja) | 核酸リンカー | |
WO2006095550A1 (ja) | Pcrプライマー、それを利用したpcr法及びpcr増幅産物、並びにpcr増幅産物を利用するデバイス及びdna-タンパク複合体 | |
JP5733784B2 (ja) | cDNA/mRNA−タンパク質連結体の効率的合成法 | |
EP2090888B1 (en) | Method for producing a biomolecule assay chip | |
JP2008253176A (ja) | 高親和性分子取得のためのリンカー | |
US9334492B2 (en) | Protein-immobilizing solid phase, polynucleotide-immobilizing solid phase, and nucleic acid recovery method | |
JP5759678B2 (ja) | 核酸リンカー | |
JP2002253240A (ja) | 分子間の相互作用の分析方法 | |
WO2003062417A1 (fr) | Produit de ligation arn-adn, et utilisation correspondante | |
US8501490B2 (en) | Bioassays based on polymeric sequence probe | |
WO2007046520A1 (ja) | 固定化ピューロマイシン・リンカーを用いたタンパク質のスクリーニング方法 | |
JP4747292B2 (ja) | 翻訳テンプレートおよびそのライブラリー、それらから合成される蛋白質および蛋白質のライブラリー、ならびにそれらを構成する要素、ならびにそれらの製造法および利用方法 | |
JP6194894B2 (ja) | 核酸リンカー | |
WO2021182587A1 (ja) | 光架橋塩基を活用した、新規ペプチドアプタマー探索用標的モジュール、新規ペプチドアプタマー探索用リンカー及びそれらを用いる新規ペプチドアプタマーの探索方法 | |
JP2013039060A (ja) | 酵素様活性を有するタンパク進化用リンカー及びそのリンカーを用いた酵素様活性を有するタンパクのスクリーニング方法 | |
JP2002257832A (ja) | タンパク質のラベル化試薬 | |
Winssinger | Translating instructions into function by nucleic acid programmed self-assembly |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160729 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160823 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160920 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6020865 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |