JP5756839B2 - 熱成形装置 - Google Patents

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Description

本発明は、二次元配置の複数の加熱部を備える熱成形装置に関する。
熱成形装置は、例えば、加熱範囲及び成形範囲を含む搬送経路に沿って熱可塑性樹脂シートを搬送し、加熱範囲においてシートを加熱し、成形範囲に搬入された軟化シートを成形する。加熱範囲には、例えば、シートの搬送方向へ並べられたヒーター列がシートの幅方向へ並べられたヒーター群が配置される。
特許文献1には、ヒーターブロックに略八角形状の高速追従型ヒーターがシートの搬送方向及び幅方向へ並べられ、角部に生じる略矩形形状の各間隙に温度センサーが配置されていることが示されている。従って、温度センサーは、ヒーター群が配置される加熱範囲にシートの搬送方向及び幅方向へ並べられている。
特開2001−76842号公報(特に段落0028及び図9)
加熱範囲に温度センサーをシートの搬送方向及び幅方向へ並べると、ヒーター群に対向したシートの温度分布を細かく反映した処理が可能であるものの、多数の温度センサーに高いコストがかかる。
また、加熱範囲に温度センサーを配置することができない場合、シートの温度分布を反映した処理を行うことができない。
以上を鑑み、本発明は、複数の加熱部のそれぞれに対応した温度センサーが無くても加熱部のそれぞれの二次元位置に対応したシート温度の分布を把握又は利用可能な熱成形装置を提供する目的を有している。
本発明は、加熱範囲及び成形範囲を含む搬送経路に沿って成形可能なシート(板及びフィルムを含む)を搬送する搬送手段と、
前記加熱範囲にある前記シートに対向する二次元配置の複数の加熱部と、
前記加熱範囲から前記シートの搬送方向の下流側となる前記成形範囲にある前記シートをショット単位で成形する成形手段とを備える熱成形装置において
前記加熱範囲と前記成形範囲との間において前記シートの幅方向の位置が異なる複数の検出箇所の温度を検出する温度検出手段と、
前記シートの搬送中に前記温度検出手段で順次検出される複数の検出箇所の温度に基づいて、前記加熱範囲から搬送された前記シートの温度であって前記加熱部のそれぞれの二次元位置に対応した温度の分布を含むデータをショット単位で出力する温度分布出力手段とを備えた、態様を有する。
上記態様は、加熱範囲から成形可能なシートの搬送方向の下流側にある複数の検出箇所でシートの搬送中に順次検出される温度に基づいてシートの温度であって加熱部のそれぞれの二次元位置に対応した温度の分布を含むデータがショット単位で出力される。従って、複数の加熱部のそれぞれに対応した温度センサーが無くても加熱部のそれぞれの二次元位置に対応したシート温度の分布を把握することが可能となる。
さらに、本発明は、加熱範囲及び成形範囲を含む搬送経路に沿って成形可能なシート(板及びフィルムを含む)を搬送する搬送手段と、
前記加熱範囲にある前記シートに対向する二次元配置の複数の加熱部と、
前記加熱範囲から前記シートの搬送方向の下流側となる前記成形範囲にある前記シートをショット単位で成形する成形手段とを備える熱成形装置において、
前記加熱範囲と前記成形範囲との間において前記シートの幅方向の位置が異なる複数の検出箇所の温度を検出する温度検出手段と、
前記シートの搬送中に前記温度検出手段で順次検出される複数の検出箇所の温度に基づいて、前記加熱範囲から搬送された前記シートの温度であって前記加熱部のそれぞれの二次元位置に対応した温度の分布を少なくとも取得し、該取得した温度の分布を少なくとも用いて前記シートに対する前記複数の加熱部の加熱を制御する加熱制御手段とを備え、
前記加熱部のそれぞれの二次元位置に対応した温度の分布を含むデータをショット単位で出力する、態様を有する。
この態様は、加熱範囲から成形可能なシートの搬送方向の下流側にある複数の検出箇所でシートの搬送中に順次検出される温度に基づいてシートの温度であって加熱部のそれぞれの二次元位置に対応した温度の分布が少なくとも取得される。この取得された温度の分布が少なくとも用いられてシートに対する複数の加熱部の加熱が制御される。従って、本態様は、複数の加熱部のそれぞれに対応した温度センサーが無くても加熱部のそれぞれの二次元位置に対応したシート温度の分布をシート加熱に反映することが可能となる。
ここで、上述の各加熱部は、例えば、一つのヒーターで構成されてもよいし、複数のヒーターで構成されてもよい。上記二次元配置の加熱部は、シートの搬送方向の異なる複数箇所に加熱部があり、且つ、シートの幅方向の異なる複数箇所に加熱部があればよい。加熱部の並び方向は、シートの搬送方向及び幅方向に限定されない。
上記シートは、シート状物、板状物及びフィルム状物を含み、搬送方向へ連続したシートでもよいし、カットシートでもよい。
上記温度検出手段には、放射温度計といった非接触温度計等が含まれ、また、熱電堆(サーモパイル)赤外線センサーやCCD(Charge Coupled Device)赤外線センサー等が含まれ、非接触の検出手段が好ましいものの、接触式の検出手段でもよい。むろん、検出温度は、デジタル値、アナログ量、等が含まれ、温度値そのものに限定されない。温度検出手段は、一箇所のみ温度を検出してもよいし、複数箇所の温度を検出してもよい。温度検出手段により温度を検出する複数の検出箇所は、シートの幅方向の異なる位置であればよく、シートの搬送方向の同じ位置でもよいし、シートの搬送方向の異なる位置でもよい。
温度検出手段で順次検出される複数の検出箇所の温度に基づいてデータを出力することには、前記検出箇所の温度のみに基づいてデータを出力することの他、前記検出箇所以外の検出箇所の温度など他の情報にも基づいてデータを出力することが含まれる。
上記温度の分布を含むデータは、温度平均値、温度最大値、温度最小値、温度値そのものを表すデータの集まりに限定されず、温度に対応した色情報といった温度値以外のデータの集まり等でもよい。
上記加熱制御手段は、加熱部のそれぞれの二次元位置に対応した温度の分布のみを取得してもよいし、加熱部間の温度など前記二次元位置に対応していない温度も取得してもよい。加熱部の加熱の制御についても、前記二次元位置に対応した温度の分布のみ用いてもよいし、前記二次元位置に対応していない温度も用いてもよい。
上記熱成形には、圧空成形や真空成形や圧空真空成形といった差圧成形等が含まれる。
さらに、本発明は、シート加熱搬送方法、熱成形方法、シート温度分布出力プログラム、シート加熱搬送プログラム、熱成形プログラム、これらのプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な媒体、等の態様も有する。
請求項1に係る発明によれば、複数の加熱部のそれぞれに対応した温度センサーが無くても加熱部のそれぞれの二次元位置に対応したシート温度の分布を把握可能な熱成形装置を提供することができる。
請求項2に係る発明では、シート温度の分布を把握し易くすることが可能となる。
請求項3に係る発明では、シートの幅が広い場合にシート温度の分布を把握し易くすることが可能となる。
請求項4に係る発明では、複数の加熱部のそれぞれに対応した温度センサーが無くても加熱部のそれぞれの二次元位置に対応したシート温度の分布をシート加熱に反映可能な熱成形装置を提供することができる。
シート温度分布出力装置U10及びシート加熱搬送装置U11を含む熱成形装置SY1を模式的に例示する正面図。 搬送装置U2を例示する平面図。 成形型73が離間位置L11にあるときの成形装置3を模式的に例示する垂直断面図。 シート加熱装置2のヒーター群H0を模式的に例示する図。 シート温度分布出力装置U10及びシート加熱搬送装置U11の構成を模式的に例示するブロック図。 熱成形装置SY1が行う熱成形処理を例示するフローチャート。 (a)〜(f)は温度分布データDA0を取得する様子を模式的に例示する図。 温度分布データDA0を取得して出力する様子を模式的に例示する図。 (a)〜(d)は加熱部U1の変形例を模式的に示す図。 アレイセンサーSE2を模式的に例示する断面図。 (a),(b)はアレイセンサーSE2の第二検出箇所P2を模式的に例示する図。 (a)〜(f)は温度分布データDA0を取得する様子を模式的に例示する図
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下に説明する実施形態は、本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
(1)シート温度分布出力装置及びシート加熱搬送装置を含む熱成形装置の概要:
まず、図1〜3を適宜参照して、熱成形装置の概要を説明する。
図1に例示する熱成形装置SY1は、各部1〜6,U2,U3を制御盤100が制御し、成形可能なシート(被加熱物)SH1からショット毎に所定数の成形品PR1を形成する。この装置SY1は、成形装置(成形手段)3の後にトリミング装置4が配置されたアフタートリムタイプである。むろん、熱成形装置は、成形装置がトリミング機能を有する同時抜きタイプでもよいし、トリミング装置が無く成形装置がトリミング機能を有していないタイプでもよい。熱成形装置SY1の構造物の主要部は、例えば金属で形成することができる。
なお、図1〜3において、左から右へ向かう方向がシートSH1の搬送方向D1であり、左側が搬送方向D1の上流側D1U、右側が搬送方向D1の下流側D1Lである。符号D2はシートSH1の幅方向を示し、符号D3は上下方向を示す。各方向D1,D2,D3は互いに直交するものとするが、互いに交わっていれば誤差等により直交しない場合も本発明に含まれる。分かり易く示すため、各方向D1,D2,D3の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。
図1に示すシート供給装置1は、連続したシートSH1をロールSH0から繰り出す。図1〜3に示すシートSH1は、連続状の樹脂シートとされている。シートSH1には、熱可塑性樹脂シートのような樹脂シート、熱可塑性を示す樹脂以外の熱可塑性シート、紙、等の成形可能なシートを用いることができる。前記樹脂シートは、熱可塑性樹脂等の樹脂のみからなる樹脂シートでも、樹脂に充てん材等の添加剤が添加された材質からなるシートでもよく、単層シートでも、異なる材質をラミネートした積層シートでもよい。シートSH1の素材には、ポリエチレン(Polyethylene)、ポリプロピレン(Polypropylene)、等を利用可能である。また、シートSH1は、シート状ないしフィルム状になっていればよく、ロール状に巻かれていても、所定の長さにカットされていてもよい。シートの厚みは、1〜2mm程度、0.25〜1mm程度、等、様々な厚みとすることが可能であり、3mm程度以上の厚物シートでもよいし、0.25mm程度以下のフィルムでもよい。シートSH1から形成される成形品PR1には、食品容器といった容器、家電製品の内箱や操作パネルといった構成品、等がある。
図2に示すシート搬送装置(搬送手段)U2は、シートSH1〜SH3を挟んで面対称に配置された一対の保持搬送装置10,10を備え、加熱範囲AR1及び成形範囲AR2を含む搬送経路R1に沿ってシートSH1〜SH3を搬送する。各保持搬送装置10は、チェーン11、スプロケット12,13、サーボモーター14、無端材15、を備えている。チェーン11は、複数のリンクを連結した金属製の無端チェーン(エンドレスチェーン)とされ、スプロケット12,13に架けられて、周回動作するように配置されている。下流側のスプロケット13は、無端材15を介してサーボモーター14の駆動力が伝達される。チェーン11には、シートSH1〜SH3の幅方向D2の縁部SH11を解放可能に保持する保持機構が設けられている。シート縁部の保持は、シート縁部のクランプでもよいし、突き刺し部材によりシート縁部を突き刺すことによる保持でもよい。チェーン11は、シートSH1〜SH3側が搬送方向D1へ移動し、シートSH1〜SH3の幅方向外側となる部分が搬送方向D1とは反対の戻り方向へ移動する。従って、搬送装置U2は、加熱装置2の手前となる上流側D1Uからトリミング装置4の後となる下流側D1Lまでシート縁部SH11,SH11を把持してシートSH1〜SH3を搬送方向D1へ搬送する。シート搬送方向D1へ繋がったシートSH1〜SH3は、制御盤100の制御に従って間欠的に搬送される。送り時のシートSH1〜SH3の搬送速度は、例えば、1〜3m/秒程度と高速にすることができる。鋼板製造装置の鋼板の搬送速度は数cm/秒程度であることから、熱成形装置のシートの搬送速度は鋼板の搬送速度と比べて非常に速いことが分かる。送り時間は、例えば、0.3〜1秒程度とすることができる。成形及びトリミングを行うためのシートSH1〜SH3の停止時間は、例えば、2〜6秒程度とすることができる。
なお、搬送手段は、シート搬送方向D1に対して複数に分割されてもよい。また、搬送手段は、ローラー等でもよい。
図1,4に示すシート加熱装置2は、加熱範囲AR1にあるシートSH1に対向するヒーター群(複数の加熱部)H0を有し、例えば、搬送中のシートSH1を溶融しない範囲で軟化する温度以上の成形に適した温度に輻射加熱する。図1に示す加熱装置2はシートSH1の上側にヒーター群H0が配置されているが、下側にもヒーター群が配置されてもよいし、下側のみヒーター群が配置されてもよい。
図4に示すヒーター群H0は、加熱範囲AR1にあるシートSH1に対向する二次元配置の複数のヒーターH1(加熱部U1)を有している。なお、ヒーターH1が二次元配置であることは、搬送方向D1の異なる複数箇所にヒーターH1があり、且つ、幅方向D2の異なる複数箇所にヒーターH1があることを意味する。便宜上、図4に示すように、ヒーター群H0に含まれるヒーターH1の搬送方向D1の位置をxで表し、ヒーターH1の幅方向D2の位置をyで表し、ヒーターH1の二次元位置をH(x,y)で表す。図4に示す複数のヒーターH1は、搬送方向D1へ複数並べられ、且つ、幅方向D2へ複数並べられている。ヒーターには、例えば、定格電圧での昇温レートが60℃/秒以上である急速応答可能な高速追従型ヒーターを用いることができる。
成形装置(成形手段)3は、例えば、図3に示す成形装置を用いることができ、加熱範囲AR1からシート搬送方向の下流側D1Lとなる成形範囲AR2にあるシートSH1を成形する。テーブル71,72は、設定された離間位置と近接位置との間で上下方向に近接及び離間する。これにより、上テーブル71の下に設けられた成形型73が離間位置L11と近接位置L13との間で昇降し、下テーブル72上に設けられたクランプ74が離間位置L12と近接位置L14との間で昇降する。むろん、テーブル71,72の一方のみ昇降してもよい。各型73は、上方へ凹んだ雌型とされているが、下方へ凸とされた雄型や凹凸のある型でもよい。また、型を下側に配置しクランプを上側に配置してもよい。差圧供給機構75は、差圧供給孔73bから成形面73aに差圧を供給する。成形装置3は、型73とクランプ74とが離間した状態で1ショット分の加熱軟化状態のシートSH1が搬入されると、シートSH1が停止している状態で型73とクランプ74とを近接させ、差圧供給機構75により負圧を差圧供給孔73bに作用させてシートSH1を成形面73aに密接させる。成形装置3が型73とクランプ74とを離間させると、成形シートSH2がシートSH1に繋がった状態で成形装置3から搬出され、トリミング装置4に搬入される。このとき、次ショットのシートSH1が成形装置3に搬入される。
なお、シートの成形は、上述した真空成形以外にも、圧空成形や圧空真空成形といった差圧成形、プレス成形、等でもよい。圧空真空成形は、圧空と真空とを併用する差圧成形である。熱成形には、差圧成形やプレス成形が含まれる。
図1に示すトリミング装置4は、型と受け部材とが離間した状態で1ショット分の成形シートSH2が搬入されると、成形シートSH2が停止している状態で型と受け部材とを近接させて各型に成形シートSH2を配置させ、各型の周囲の切刃(例えばトムソン刃)で成形シートSH2を切断する。トリミング装置4が型と受け部材とを離間させると、スクラップシートSH3が成形シートSH2に繋がった状態でトリミング装置4から搬出されてスクラップ回収装置5に搬入され、各成形品PR1が各型上から搬出されて製品取出装置6に搬入される。このとき、次ショットの成形シートSH2がトリミング装置4に搬入される。なお、トリミング装置は、切刃を受け部材に押し当てて成形シートを切断する装置、型の周囲の切刃により成形シートを打ち抜く装置、上刃と下刃とを摺接させる等して成形シートを打ち抜く装置、等が含まれる。
以上説明したようにして、熱成形装置SY1は、シートSH1〜SH3を搬送方向D1へショット単位で間欠的に搬送して停止時にシートSH1を成形し成形シートSH2をトリミングすることを繰り返す。
(2)シート温度分布出力装置及びシート加熱搬送装置の説明:
図1,5に示すシート温度分布出力装置U10は、加熱範囲AR1から搬送装置U2で搬送されるシートSH1のための装置であり、温度検出手段U3と温度分布出力手段U4を備える。図1,5に示すシート加熱搬送装置U11は、ヒーター群H0と搬送装置U2と温度検出手段U3と加熱制御手段U5を備える。
図1,2,5に示す温度検出手段U3は、加熱範囲AR1からシート搬送方向の下流側D1L、且つ、成形範囲AR2からシート搬送方向の上流側D1UにおいてシートSH1の幅方向D2の位置yが異なる複数の検出箇所P1の温度Td(y)を検出する。前記温度検出手段U3は、互いに異なる検出箇所P1の温度Td(y)を検出する複数の温度センサーSE1を有する。これらの温度センサーSE1は、検出素子を一つのみ有して一箇所のみの温度を検出するセンサーであり、検出箇所P1の温度Td(y)を検出するように熱成形装置SY1に固定されている。温度センサーSE1には、熱電堆(サーモパイル)センサーといった熱電対型赤外線センサー、CCDセンサーといった光電素子型赤外線センサー、焦電型赤外線センサー、抵抗変化型(ボロメータ)赤外線センサー、放射温度計(前述のセンサーに含まれる場合がある。)、等を用いることができ、一次元アレイセンサーや二次元アレイセンサー等も用いることができる。温度センサーSE1の出力は、デジタル値でもよいし、アナログ量でもよく、温度値そのものに限定されない。以下、温度センサーSE1がシートSH1の一箇所の表面温度を検出する放射温度計(非接触温度計)であるものとして説明をするが、温度センサーSE1に接触式の検出手段を用いることも可能である。
図5に示すシート加熱搬送装置U11は、制御部21、メモリー22、操作部23、表示部24、操作器25、等を備えている。これらの各部21〜25の全部又は一部は、制御盤100とは別に設けられてもよいし、制御盤100に組み込まれてもよい。
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、タイマー、I/F(インターフェイス)部、I/O(入出力)部、等を備える。制御部21は、シートSH1の搬送中に温度検出手段U3で順次検出される複数の検出箇所P1の温度Td(y)に基づいて、加熱範囲AR1から搬送されたシートSH1の温度であって加熱部U1のそれぞれの二次元位置H(x,y)に対応した温度の分布T(x,y)を取得する。図7(a)〜(f)に示すように、加熱部U1のそれぞれの二次元位置H(x,y)と、シートSH1において表面温度分布T(x,y)を取得した範囲とは、搬送方向D1へずれている。温度分布T(x,y)を取得した範囲が二次元位置H(x,y)に対応しているとは、温度分布T(x,y)を取得した範囲内の相対的な位置関係が加熱部U1の二次元位置H(x,y)の相対的な位置関係と一致していることを意味する。ただし、ヒーターの取り付け位置にずれが生じるなど誤差により位置関係がずれることは、位置関係が一致することに含まれる。温度分布T(x,y)は、間欠的に搬送されるシートSH1のうち搬送前に加熱範囲AR1にあった部分の表面温度分布であり、加熱範囲AR1に温度検出手段を設けたと仮定したときに加熱範囲AR1の二次元位置H(x,y)にある部分のシートSH1の表面温度を検出することにより得られる表面温度分布に近似する。
制御部21は、温度分布出力手段U4として、シートSH1の温度分布T(x,y)を含むデータDA0を出力する。このデータDA0は、表示部24へ出力してもよい。図8に示す例のように、温度分布データDA0は、各二次元位置H(x,y)に対応した温度T(x,y)を表すデータDA1の集まりである。また、制御部21は、加熱制御手段U5として、シートSH1に対するヒーター群H0の加熱制御に温度分布T(x,y)をフィードバックしてもよい。
メモリー22は、設定されたシート温度TSS1等を格納する。メモリー22は、ヒーターH1毎に設定される点火率(ヒーターへの電力供給比率)等を格納してもよい。メモリー22は、設定シート温度TSS1等を例えば操作部23から入力して格納する。メモリー22には、RAMといった揮発性半導体メモリー、フラッシュメモリーといった書き換え可能な不揮発性半導体メモリー、等を用いることができる。設定シート温度等を固定する場合、メモリー22にROM等の書き換え不能なメモリーを用いてもよい。
操作部23は、設定シート温度TSS1の入力操作等の操作を受け付ける操作入力手段であり、設定シート温度TSS1等をメモリー22に記憶させる。表示部24は、温度分布データDA0等の情報を画面に出力する情報出力手段であり、温度分布データDA0等の情報を入手すると該情報を表示する。
制御部21は、メモリー22から設定シート温度TSS1を読み出し、該設定シート温度TSS1と表面温度分布T(x,y)とを比較部21aで比較し、比較結果に応じた電力供給比となるように操作器25をフィードバック制御する。例えば、温度分布T(x,y)(℃)を設定シート温度TSS1(℃)に近付けるようにフィードバック制御値を計算し、該フィードバック制御値に応じた制御量となるように操作器25を制御する。前記フィードバック制御は、P制御(比例制御)とI制御(積分制御)とD制御(微分制御)を組み合わせたPID制御(proportional plus integral plus derivative control)等でもよい。フィードバック制御値は、例えば、交流電源からヒーターH1へ供給する交流電力を位相制御するための値とすることができる。
操作器25は、比較部21aからの制御量となるように各ヒーターH1へ電力を供給する。例えば、ヒーターH1へ供給する交流電力を位相制御する場合、操作器25は、比較部21aからの制御量に応じたオン比に供給電力を位相制御する。むろん、制御は、位相制御に限定されない。なお、操作器25及び制御部21は、温度分布T(x,y)を少なくとも用いてシートSH1に対する複数の加熱部U1の加熱を制御する加熱制御手段U5を構成する。
(3)熱成形装置の動作、作用、及び、効果:
以下、図1〜8の具体例を参照して、シート温度分布出力装置U10を含むシート加熱搬送装置U11を有する熱成形装置SY1の動作、作用、及び、効果を説明する。以下の説明には、シート温度分布出力方法、シート加熱搬送方法、熱成形方法、シート温度分布出力プログラム、シート加熱搬送プログラム、及び、熱成形プログラムも含まれる。これらのプログラムを記録した制御部21と制御盤100の少なくとも一方は、該プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な媒体である。
図6は、熱成形装置SY1が行う熱成形処理をフローチャートにより示している。この処理は、制御盤100及び制御部21が主体となって行い、マルチタスクにより他の処理と並列して行われる。なお、ステップS106〜S112の処理を行う制御部21は、温度分布出力手段U4を構成し、操作器25とともに加熱制御手段U5を構成する。以下、「ステップ」の記載を省略する。
図5に示す各温度センサーSE1は、ヒーターH1のシート幅方向D2の位置に合わせた位置に設けられている。これにより、各温度センサーSE1の検出温度Td(y)から容易にシート幅方向D2の表面温度分布を取得することができる。また、図6に示す加熱制御手段U5は、シートSH1の搬送中に各温度センサーSE1で検出される検出箇所P1の温度Td(y)であってヒーターH1(加熱部U1)の搬送方向D1の位置xに合わせた時点の温度Td(y)を取得する。これにより、各タイミングの検出温度Td(y)から容易にシート搬送方向D1の表面温度分布を取得することができる。なお、ヒーターH1の搬送方向D1の位置xに合わせた時点とは、シートSH1の移動停止時(例えば成形時)にシートSH1においてx位置にあるヒーターH1に対向していた箇所が検出箇所P1まで搬送方向D1へ移動した時点を意味する。
制御盤100の電源をオンにする等して熱成形処理を開始させると、制御盤100は、ヒーター群H0への通電や成形処理を伴わないシート搬送処理等の初期処理を行う(S102)。S104では、搬送装置U2を駆動してシートSH1を搬送方向D1へ1ショット分搬送する処理を開始する。このときのシートSH1の様子を図7(a)に示している。図7(a)には、各ヒーターH1の二次元位置H(x,y)も示している。
シートSH1の送りが開始されると、制御部21は、各温度センサーSE1で検出される検出箇所P1の温度を取得し、ヒーターH1(加熱部U1)のシート搬送方向D1の位置xに対応した温度Td(y)を例えば内部メモリーに格納する(S108)。ヒーターH1の位置xに対応した温度Td(y)を取得するため、S106の判断処理を行ってもよい。このS106では、温度センサーSE1から検出温度Td(y)を取得するタイミングであるか否かを判断している。このタイミングは、例えば、ヒーターH1(加熱部U1)のシート搬送方向D1の位置xに合わせたタイミングとすることができる。検出温度の取得タイミングでなければ、制御部21は、シートSH1の1ショット分の送りが終了したか否かを判断する(S110)。この送りが終了していなければ、制御部21は、再びS106の判断処理を行う。このS106において検出温度の取得タイミングとなった場合、制御部21は、各温度センサーSE1で検出される検出箇所P1の温度Td(y)を取得する(S108)。図7(b)は、シート移動停止時にシートSH1においてx=4の位置にあった箇所が検出箇所P1まで移動した様子を示している。このタイミングがS108の検出温度の取得タイミングである。このタイミングにおいて、各温度センサーSE1がシートSH1の表面温度Td(y)を検出し、制御部21が各温度センサーSE1から検出温度Td(y)を取得して例えば内部メモリーに格納する。図7(c)には、内部メモリーに温度分布T(4,y)=Td(y)が格納された様子が示されている。また、図7(c),(d),(e)は、それぞれ、シート移動停止時にシートSH1においてx=3,2,1の位置にあった箇所が検出箇所P1まで移動した様子を示している。図7(d),(e),(f)には、それぞれ、内部メモリーに温度分布T(3,y)=Td(y)、温度分布T(2,y)=Td(y)、温度分布T(1,y)=Td(y)が格納された様子が示されている。
S106〜S110の処理は、シートSH1が1ショット分搬送される間、繰り返される。S106〜S110の処理の繰り返しにより、シートSH1の搬送中に温度検出手段U3で順次検出される複数の検出箇所P1の温度Td(y)に基づいて、加熱範囲AR1から搬送されたシートSH1の温度であって加熱部U1のそれぞれの二次元位置H(x,y)に対応した温度の分布T(x,y)を取得することができる。
シートSH1の1ショット分の送りが終了した場合、制御部21は、シートSH1の表面温度分布T(x,y)を含むデータDA0を出力する(S112)。温度分布データDA0を表示部24へ出力する場合、表示部24は、温度分布データDA0を入手して温度分布T(x,y)を表示する。従って、オペレーターは、ヒーターH1のそれぞれの二次元位置H(x,y)に対応したシート温度の分布T(x,y)を把握することができる。なお、温度分布T(x,y)を表すデータDA0の表示は、温度平均値、温度最大値、温度最小値、等でもよいし、各温度T(x,y)に応じた色情報などの温度値とは異なる情報の表示でもよい。
また、制御部21が表面温度分布データDA0を内部の比較部21aへ出力する場合、比較部21aは、設定シート温度TSS1と温度分布T(x,y)とを比較し、比較結果に基づいてシートSH1の表面温度を設定シート温度TSS1に近付けるように操作器25の動作を制御する。これにより、シートSH1の表面温度が設定シート温度TSS1に近付くように複数のヒーターH1の加熱が制御される。従って、ヒーターH1のそれぞれの二次元位置H(x,y)に対応したシート温度の分布T(x,y)がシート加熱に反映される。
なお、温度分布データDA0は、表示部24と比較部21aの両方に出力してもよいし、比較部21aに出力しないで表示部24のみに出力してもよいし、表示部24に出力しないで比較部21aのみに出力してもよい。
表面温度分布データDA0の出力後、すなわち、シート停止時、制御盤100は、成形装置3を駆動して成形範囲AR2のシートSH1を成形する(S114)。トリミング装置4がある場合、制御盤100は、トリミング装置4を駆動してトリミング範囲の成形シートSH2をトリミングし成形品PR1を形成する。その後、制御盤100は、成形品PR1の製造を終了するか否かを判断する(S116)。例えば加熱範囲AR1にシートSH1が存在するなど製造を継続する場合、制御盤100は、処理をS104に戻す。S104〜S116の処理が繰り返されることにより、シートSH1が搬送方向D1へショット単位で間欠的に搬送されて停止中にシートSH1が成形され成形シートSH2がトリミングされることが繰り返される。一方、例えば加熱範囲AR1にシートSH1が無くなるなど製造を終了する場合、制御盤100は、熱成形処理を終了させる。
図8は、シートSH1上において、各ヒーターH1の位置H(x,y)と、表面温度分布T(x,y)を取得した位置とを模式的に例示している。符号L1は、1ショット分の搬送距離を示している。図8では、加熱範囲AR1のシートSH1が1ショット後に成形範囲AR2に搬入されることが示されている。移動停止中に二次元位置H(x,y)にある複数のヒーターH1で加熱されたシートSH1は、1ショット分の搬送時に表面温度Td(y)が検出されて温度分布T(x,y)が求められ、温度分布T(x,y)を表すデータDA0が表示部24と比較部21aの少なくとも一方に出力される。このとき、シートSH1において加熱範囲AR1にあった箇所が成形範囲AR2に搬入され、シート停止中に成形される。
なお、加熱範囲AR1のシートSH1は、複数ショット後に成形範囲AR2に搬入されてもよい。加熱範囲AR1のシートSH1がNショット(Nは2以上の整数)後に成形範囲AR2に搬入される場合、温度検出手段U3は、加熱範囲AR1と成形範囲AR2との間にあればよい。従って、成形範囲AR2から上流側へ約N−1ショット離れた位置(加熱範囲AR1の直後)に温度センサーSE1が配置されてもよいし、加熱範囲AR1から下流側へ約N−1ショット離れた位置(成形範囲AR2の直前)に温度センサーSE1が配置されてもよい。
また、加熱範囲は、複数ショット分あってもよい。この場合、最も下流側にある1ショット分の加熱範囲にあるヒーターH1のそれぞれの二次元位置に対応した温度の分布を含むデータを出力すればよい。前述の最も下流側にある1ショット分の加熱範囲は、温度分布データ出力対象の範囲となり、請求項に記載される「二次元配置の複数の加熱部に対向する加熱範囲」となる。
以上説明したように、本技術は、加熱範囲AR1からシート搬送方向の下流側D1Lにある複数の検出箇所P1でシート搬送中に順次検出される温度Td(y)に基づいて加熱部U1のそれぞれの二次元位置H(x,y)に対応した温度分布T(x,y)を含むデータDA0が出力される。従って、本技術は、複数の加熱部U1のそれぞれに対応した温度センサーが無くても加熱部U1のそれぞれの二次元位置H(x,y)に対応したシート温度の分布T(x,y)を把握することが可能となる。
また、本技術は、上記検出温度Td(y)に基づいて加熱部U1のそれぞれの二次元位置H(x,y)に対応した温度分布T(x,y)が少なくとも取得される。この取得された温度分布T(x,y)が少なくとも用いられてシートSH1に対する複数の加熱部U1の加熱が制御される。従って、本技術は、複数の加熱部U1のそれぞれに対応した温度センサーが無くても加熱部U1のそれぞれの二次元位置H(x,y)に対応したシート温度の分布T(x,y)をシート加熱に反映することが可能となる。
なお、鋼板搬送のようにシートの搬送速度が遅ければ、回転ミラーでシートの幅方向へ走査するタイプの赤外線センサーを使用することが考えられる。しかし、熱成形のためにシートを高速度で搬送する場合、回転ミラー式の赤外線センサーでは温度検出間隔が長くなりすぎ、シート表面温度の検出精度が十分に得られない可能性がある。本技術のように、加熱範囲からシート搬送方向の下流側に温度検出手段を配置してシート幅方向の位置が異なる複数の検出箇所の温度を検出し、シートの温度分布を取得することにより、シート温度の検出精度を向上させることができる。
(4)変形例:
本技術は、種々の変形例が考えられる。
例えば、熱成形装置は、製品取出装置が無くてもよく、スクラップ回収装置が無くてもよく、トリミング装置が無くてもよい。また、シートの搬送は、間欠的でなくてもよく、停止しない連続搬送(例えば一定速度の搬送)でもよい。
上述した処理の各ステップの順番は、適宜、変更可能である。例えば、図6の処理において、S114の成形処理の後にS112の温度分布データDA0を出力する処理を行ってもよい。また、S112において、温度分布データDA0を表示部24のみに出力してもよいし、比較部21aのみに出力してもよい。
温度検出手段U3により温度を検出する複数の検出箇所P1は、シート搬送方向D1の同じ位置のみならず、シート搬送方向D1の異なる位置に設けられてもよい。また、温度検出手段U3が検出する温度は、シートの表面温度のみならず、シートの内部の温度でもよい。
加熱部U1のシート幅方向D2の位置と、検出箇所のシート幅方向D2の位置とが1:1に対応していない場合には、検出温度Td(y)を線形補間等により補間して加熱部U1のシート幅方向D2の位置に合わせた温度を求め、この温度を温度分布T(x,y)に使用すればよい。加熱部U1のシート搬送方向D1の位置と、検出箇所のシート搬送方向D1の位置とが1:1に対応していない場合には、検出温度Td(x)を線形補間等により補間して加熱部U1のシート搬送方向D1の位置に合わせた温度を求め、この温度を温度分布T(x,y)に使用すればよい。
加熱部U1の並び方向は、シート搬送方向D1及びシート幅方向D2に限定されない。例えば、図9(a)〜(c)に示すようにヒーターH1(加熱部U1)が並べられてもよい。最も近いヒーター同士を結ぶ方向を並び方向とみると、図9(a)に示す複数のヒーターH1のように、搬送方向D1、及び、幅方向D2から15〜45°(例えば30°)ずれた方向へ並べられてもよい。図9(b)に示す複数のヒーターH1のように、幅方向D2、及び、搬送方向D1から15〜45°(例えば30°)ずれた方向へ並べられてもよい。図9(c)に示す複数のヒーターH1のように、搬送方向D1及び幅方向D2から30〜60°(例えば45°)ずれた方向へ並べられてもよい。
図9(d)に示すように、温度データ生成対象の加熱部U1が複数のヒーターH1で構成されてもよい。図9(d)に示す各加熱部U1は、搬送方向D1へ2個、且つ、幅方向D2へ2個並んだ4個のヒーターH1で構成されている。むろん、加熱部U1を構成するヒーターH1の数は1個や4個以外でもよく、ある加熱部U1のヒーター数と別の加熱部U1のヒーター数とが違ってもよい。
温度センサーは、複数箇所の温度を検出してもよい。例えば、図10及び図11(a)に示す温度センサー(温度検出手段U3)は、赤外線検出素子列SE3と入射光学系SE5を含むアレイセンサーSE2とされている。赤外線検出素子列SE3は、サーモパイルセンサー素子といった赤外線を検出する赤外線検出素子SE4が所定方向D11へ複数並んでいる。図10,11に示す入射光学系SE5は、複数の検出箇所P1の一部(少なくとも一箇所)を含みシート幅方向D2の位置yが異なる複数の第二検出箇所P2からの赤外線を赤外線検出素子列SE3に集束させる。第二検出箇所P2は、第一検出箇所P1を含み、且つ、第一検出箇所P1に含まれない検出箇所を含む。入射光学系SE5には、凸レンズ、凹面鏡、レンズとミラーの組合せ、等を用いることができる。回転ミラー式の赤外線センサーはミラーの回転機構のために大型化しているが、本アレイセンサーSE2は静的な入射光学系SE5のために小型で済む。従って、シート温度分布出力装置の設計の自由度が高い。図12(a)〜(f)に示すように、温度分布出力手段U4は、シート搬送中に複数のアレイセンサーSE2で順次検出される複数の第二検出箇所P2の温度Td’(y)に基づいて、加熱部U1のそれぞれの二次元位置H(x,y)に対応した温度の分布T(x,y)を含むデータDA0を出力する。加熱制御手段U5は、取得した温度分布T(x,y)を少なくとも用いてシートSH1に対する複数の加熱部U1の加熱を制御する。
熱成形処理は、図6で示した処理と同様にして行うことができる。そこで、図6を参照して熱成形処理を説明する。制御盤100の電源をオンにする等して熱成形処理を開始させると、制御盤100は、初期処理を行い(S102)、シートSH1を1ショット分搬送する処理を開始する(S104)。このときのシートSH1の様子を図12(a)に示している。シート送り開始後、制御部21は、各アレイセンサーSE2で検出される第二検出箇所P2の温度Td’(y)を取得して例えば内部メモリーに格納する(S108)。このため、S106の判断処理を行ってもよい。このS106では、検出温度Td’(y)の取得タイミングであるか否かを判断してもよい。検出温度の取得タイミングとなった場合、制御部21は、各アレイセンサーSE2で検出される第二検出箇所P2の温度Td’(y)を取得して例えば内部メモリーに格納する(S108)。検出温度Td’(y)は、第一検出箇所P1の温度Td(y)を含む。図12(b)は、シート移動停止時にシートSH1においてx=4の位置にあった箇所が第二検出箇所P2まで移動した様子を示している。図12(c)には、内部メモリーに温度分布T’(4,y)=Td’(y)が格納された様子が示されている。また、図12(c),(d),(e)は、それぞれ、シート移動停止時にシートSH1においてx=3,2,1の位置にあった箇所が第二検出箇所P2まで移動した様子を示している。図12(d),(e),(f)には、それぞれ、内部メモリーに温度分布T’(3,y)=Td’(y)、温度分布T’(2,y)=Td’(y)、温度分布T’(1,y)=Td’(y)が格納された様子が示されている。得られる温度分布T’(x,y)は、第一検出箇所P1の温度分布T(x,y)を含む。すなわち、加熱制御手段U5は、二次元位置H(x,y)に対応した温度分布T(x,y)を少なくとも取得することになる。S106〜S108の処理は、シートSH1の1ショット分の送りが終了するまで繰り返される(S110)。
シートSH1の1ショット分の送りが終了した場合、制御部21は、シートSH1の表面温度分布T’(x,y)を含むデータDA0を出力する(S112)。温度分布データDA0を表示部24へ出力する場合、表示部24は、温度分布データDA0を入手して温度分布T’(x,y)を表示する。温度分布T’(x,y)を表すデータDA0を各温度T’(x,y)に応じた色情報として表示すると、加熱範囲AR1に合わせたシートSH1の表面温度分布を感覚的に視認することができる。温度分布データDA0を比較部21aに出力する場合、ヒーターH1の加熱制御の精度が向上する。温度分布T’(x,y)が第一検出箇所P1の温度分布T(x,y)を含んでいるので、加熱制御手段U5は、温度分布T(x,y)を少なくとも用いてシートSH1に対する複数の加熱部U1の加熱を制御することになる。温度分布データDA0の出力後、制御盤100は、成形装置3を駆動してシートSH1を成形し、トリミング装置4がある場合にトリミング装置4を駆動して成形シートSH2をトリミングする(S114)。S104〜S114の処理は、製造を終了するまで繰り返される(S116)。
図12(f)に示すように、得られる温度分布T’(x,y)は、図7(f)で示した温度分布T(x,y)よりも細かい情報である。従って、本変形例は、シート温度の分布を把握し易くすることが可能となる。特に、シート幅方向D2の位置yが異なる複数の第二検出箇所P2の温度を一つの温度センサーで検出することができるので、本変形例は、シートの幅が広い場合にシート温度の分布を把握し易くすることが可能となる。
なお、アレイセンサーは、複数の赤外線検出素子列、例えば、搬送方向D1へ並んだ複数の赤外線検出素子列SE3を有していてもよい。また、全検出箇所P1の温度を一つのアレイセンサーで検出してもよい。
ところで、搬送されるシートは、連続シートのみならず、カットシートでもよい。また、シートは、フィルムと呼ばれる薄いシート状物でもよい。
(5)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、複数の加熱部のそれぞれに対応した温度センサーが無くても加熱部のそれぞれの二次元位置に対応したシート温度の分布を把握可能な技術等を提供することができる。むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
1…シート供給装置、2…シート加熱装置、3…成形装置(成形手段)、
4…トリミング装置、5…スクラップ回収装置、6,106…製品取出装置、
21…制御部、21a…比較部、22…メモリー、24…表示部、25…操作器、
100…制御盤、103…後処理装置、
AR1…加熱範囲、AR2…成形範囲、
D1…搬送方向、D1L…下流側、D1U…上流側、D2…幅方向、D11…所定方向、
DA0,DA1…データ、
H0…ヒーター群(複数の加熱部)、H1…ヒーター、H(x,y)…二次元位置、
P1…検出箇所、P2…第二検出箇所、R1…搬送経路、
SH1…シート、SH2…成形シート、SH3…スクラップシート、
SE1…温度センサー、SE2…アレイセンサー、SE3…赤外線検出素子列、
SE4…赤外線検出素子、SE5…入射光学系、
SY1…熱成形装置
T(x,y),T’(x,y)…温度分布、Td(y),Td’(y)…検出温度、
U1…加熱部、U2…搬送装置(搬送手段)、U3…温度検出手段、
U4…温度分布出力手段、U5…加熱制御手段、
U10…シート温度分布出力装置、U11…シート加熱搬送装置。

Claims (4)

  1. 加熱範囲及び成形範囲を含む搬送経路に沿って成形可能なシート(板及びフィルムを含む)を搬送する搬送手段と、
    前記加熱範囲にある前記シートに対向する二次元配置の複数の加熱部と、
    前記加熱範囲から前記シートの搬送方向の下流側となる前記成形範囲にある前記シートをショット単位で成形する成形手段とを備える熱成形装置において
    前記加熱範囲と前記成形範囲との間において前記シートの幅方向の位置が異なる複数の検出箇所の温度を検出する温度検出手段と、
    前記シートの搬送中に前記温度検出手段で順次検出される複数の検出箇所の温度に基づいて、前記加熱範囲から搬送された前記シートの温度であって前記加熱部のそれぞれの二次元位置に対応した温度の分布を含むデータをショット単位で出力する温度分布出力手段とを備えた、熱成形装置。
  2. 前記温度検出手段は、所定方向へ赤外線検出素子が並んだ赤外線検出素子列と、前記複数の検出箇所の少なくとも一箇所を含み前記幅方向の位置が異なる複数の第二検出箇所からの赤外線を前記赤外線検出素子列に集束させる入射光学系とを有し、
    前記温度分布出力手段は、前記シートの搬送中に前記温度検出手段で順次検出される複数の第二検出箇所の温度に基づいて、前記加熱部のそれぞれの二次元位置に対応した温度の分布を含むデータを出力する、請求項1に記載の熱成形装置。
  3. 前記温度検出手段は、前記赤外線検出素子列と、前記複数の検出箇所の一部を含み前記幅方向の位置が異なる複数の第二検出箇所からの赤外線を前記赤外線検出素子列に集束させる前記入射光学系と、を含むアレイセンサーを複数有し、
    前記複数のアレイセンサーによる前記複数の第二検出箇所は、前記複数の検出箇所を含み、
    前記温度分布出力手段は、前記シートの搬送中に前記複数のアレイセンサーで順次検出される複数の第二検出箇所の温度に基づいて、前記加熱部のそれぞれの二次元位置に対応した温度の分布を含むデータを出力する、請求項2に記載の熱成形装置。
  4. 加熱範囲及び成形範囲を含む搬送経路に沿って成形可能なシート(板及びフィルムを含む)を搬送する搬送手段と、
    前記加熱範囲にある前記シートに対向する二次元配置の複数の加熱部と、
    前記加熱範囲から前記シートの搬送方向の下流側となる前記成形範囲にある前記シートをショット単位で成形する成形手段とを備える熱成形装置において、
    前記加熱範囲と前記成形範囲との間において前記シートの幅方向の位置が異なる複数の検出箇所の温度を検出する温度検出手段と、
    前記シートの搬送中に前記温度検出手段で順次検出される複数の検出箇所の温度に基づいて、前記加熱範囲から搬送された前記シートの温度であって前記加熱部のそれぞれの二次元位置に対応した温度の分布を少なくとも取得し、該取得した温度の分布を少なくとも用いて前記シートに対する前記複数の加熱部の加熱を制御する加熱制御手段とを備え、
    前記加熱部のそれぞれの二次元位置に対応した温度の分布を含むデータをショット単位で出力する、熱成形装置。
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