JP2018016040A - 造形装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 材料層の過熱による不具合の発生を抑制しつつ材料層を積層する。
【解決手段】 造形装置1は、少なくとも1種類の造形材料を用いて材料層を形成する材料層形成部U2と、材料層形成部U2で形成された前記材料層を支持して、積層位置まで搬送する転写体42(搬送部材)と、を有する。また、造形装置1は、転写体42に支持された前記材料層を加熱するヒータ81(加熱部)と、ヒータ81に電力を供給する電力調整器83(電力供給部)と、を有し、前記材料層を順次積層することで立体物を造形する。造形装置1は、動作温度がそれぞれ異なる複数の過熱保護素子85と、複数の過熱保護素子85の中から、ヒータ81と電力調整器83との間に接続される少なくとも1つの過熱保護素子85を選択する過熱保護素子選択部90と、を有する。
【選択図】 図2
【解決手段】 造形装置1は、少なくとも1種類の造形材料を用いて材料層を形成する材料層形成部U2と、材料層形成部U2で形成された前記材料層を支持して、積層位置まで搬送する転写体42(搬送部材)と、を有する。また、造形装置1は、転写体42に支持された前記材料層を加熱するヒータ81(加熱部)と、ヒータ81に電力を供給する電力調整器83(電力供給部)と、を有し、前記材料層を順次積層することで立体物を造形する。造形装置1は、動作温度がそれぞれ異なる複数の過熱保護素子85と、複数の過熱保護素子85の中から、ヒータ81と電力調整器83との間に接続される少なくとも1つの過熱保護素子85を選択する過熱保護素子選択部90と、を有する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、造形装置に関する。
多数の層を積み上げることで立体物を形成する積層造形システムが注目を集めている。この種の積層造形システムは、アディティブマニュファクチャリング(AM)システム、ラピッドプロトタイピング(RP)システム、3次元プリンタなどとも呼ばれる。
積層造形システムには様々な方式が存在するが、その中の一つに、電子写真技術を利用して材料層を形成し、形成した材料層を順次積層して立体物の造形を行う方式の積層造形システムがある(特許文献1)。特許文献1では、形成した材料層を加熱して材料層を軟化または溶融させ、軟化または溶融した材料層を順次積層する。
材料層を加熱する際には、材料層が軟化する温度または溶融する温度を大幅に上回る温度にまで加熱されること、すなわち材料層が過熱されることを防ぐことが好ましい。これは、材料層が過熱されると材料層の過剰な溶融や熱分解、炭化などが発生し、材料層が接触している部材に材料層が固着してしまうなどの不具合が発生する可能性があるからである。材料層の過熱による不具合の発生を抑制する方法として、過熱保護素子を利用する方法がある。
積層造形システムにおいては、複数種類の造形材料を用いて1つの立体物を形成したり、造形材料の種類を変えて複数の立体物を形成したりする場合がある。積層造形システムにおいて使用される複数種類の造形材料が軟化点や融点などの熱的性質が大きく異なる材料である場合には、材料層を構成する造形材料の種別に応じて、材料層を加熱する温度を変えることが望ましい。
しかしながら、過熱保護素子は予め設定された特定の温度(動作温度)において作動し、ヒータへの電力供給を低減または遮断するものであり、造形の途中で動作温度を変えることはできない。したがって従来は、材料層を構成する造形材料の種別が変化し、材料層を加熱する温度を材料層ごとに大きく変える必要がある場合などには、材料層の過熱による不具合の発生を抑制しつつ材料層を積層することができなかった。
そこで本発明は上記の課題に鑑み、材料層の過熱による不具合の発生を抑制しつつ材料層を積層することを目的とする。
本発明の一側面としての造形装置は、少なくとも1種類の造形材料を用いて材料層を形成する材料層形成部と、前記材料層形成部で形成された前記材料層を支持して、積層位置まで搬送する搬送部材と、前記搬送部材に支持された前記材料層を加熱する加熱部と、前記加熱部に電力を供給する電力供給部と、を有し、前記材料層を順次積層することで立体物を造形する造形装置であって、動作温度がそれぞれ異なる複数の過熱保護素子と、前記複数の過熱保護素子の中から、前記加熱部と前記電力供給部との間に接続される少なくとも1つの前記過熱保護素子を選択する選択手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、材料層の過熱による不具合の発生を抑制しつつ材料層を積層することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている各部材の寸法、材質、形状、その相対配置など、各種制御の手順、制御パラメータ、目標値などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(第1の実施形態)
[造形装置の装置構成]
図1は、第1の実施形態に係る積層造形装置の構成を模式的に示す図である。
[造形装置の装置構成]
図1は、第1の実施形態に係る積層造形装置の構成を模式的に示す図である。
第1の実施形態に係る積層造形装置1(以下、「造形装置1」と称する)は、制御部U1と、材料層形成部U2と、積層部U3と、を有する。
積層造形装置は、積層造形法を用い、多数の薄膜(材料層)を積層することによって造形物(立体物)を作成する装置である。この装置は、AM(Additive Manufacturing)装置、3Dプリンタ、RP(Rapid Prototyping)装置などとも呼ばれる。
<制御部>
制御部U1は、造形装置1の各部を制御する。また、制御部U1は、データ処理装置(不図示)から受け取った造形データが3次元形状データである場合などに、3次元形状データから複数層のスライスデータを生成する処理を行ってもよい。積層造形装置1は、この複数層のスライスデータのそれぞれに応じた材料層を順次積層することによって、立体物を作成することができる。
制御部U1は、造形装置1の各部を制御する。また、制御部U1は、データ処理装置(不図示)から受け取った造形データが3次元形状データである場合などに、3次元形状データから複数層のスライスデータを生成する処理を行ってもよい。積層造形装置1は、この複数層のスライスデータのそれぞれに応じた材料層を順次積層することによって、立体物を作成することができる。
3次元形状データとしては、3次元CAD、3次元モデラー、3次元スキャナなどで作成されたデータを用いることができる。3次元形状データのフォーマットは問わないが、例えば、STL(StereoLithography)などのポリゴンデータを好ましく用いることができる。また、スライスデータのフォーマットとしては、例えば、多値の画像データ(各値が材料の種類を表す)やマルチプレーンの画像データ(各プレーンが材料の種類に対応する)を用いることができる。
制御部U1は、制御ユニット60、造形コントローラ70、画像生成コントローラ10、複数のモータ(112〜114)、複数のセンサ(44,45,54,55,57)などを有する。
制御ユニット60は、各層のスライスデータを画像生成コントローラ10へ出力する機能、造形装置1における造形工程を管理する機能、などを有する。また、制御ユニット60は、3次元形状データから複数層のスライスデータを生成する機能を有していてもよい。
制御ユニット60は、例えばパーソナルコンピュータや組み込み型コンピュータにこれらの機能を有するプログラムを実装することにより構成することができる。
造形コントローラ70は、材料層形成部U2における材料層形成プロセスの制御、および積層部U3における積層プロセスの制御を行う。具体的には、材料層形成部U2および積層部U3の駆動系、センシング系の制御を行う。
駆動系は、ステージ52をX方向、Y方向、Z方向にそれぞれ移動させるステージ駆動Xモータ112、ステージ駆動Yモータ113、および、ステージ駆動Zモータ114を含む。
センシング系は、材料層検知センサ44,45,54,55を含む。これらのセンサは、メカトロ制御の駆動タイミング決定、画像歪み補正などの目的で使用される。たとえば、材料層位置検知センサ44は、積層部U3において材料層を積層する際の積層位置を相対的に合わせるときに利用される。材料層位置検知センサ45は、画像歪み補正を行うときに利用される。
造形コントローラ70は、MPU、モータドライバ、I/Oポートなどで構成される電子回路であり、ステージ駆動Xモータ112、ステージ駆動Yモータ113、ステージ駆動Zモータ114、材料層検知センサ44,45,54,55等が接続される。
画像生成コントローラ10は、制御ユニット60から入力されるスライスデータ、および、造形コントローラ70から入力される制御信号などに基づき、材料層形成部U2における画像生成プロセスを制御する。具体的には、画像生成コントローラ10は、スライスデータの解像度変換や復号処理、レーザスキャナ20による画像書き出し位置およびタイミングの制御などを行う。その他にも、画像生成コントローラ10は、一般的なレーザプリンタ(2Dプリンタ)に内蔵されるプリンタコントローラと同じような機能を有していてもよい。
なお、本実施形態では、制御ユニット60と造形コントローラ70と画像生成コントローラ10を別々のコンピュータまたは電子回路にて構成したが、これらの機能を1つのコンピュータにより構成しても構わない。
<材料層形成部>
材料層形成部U2は、各層のスライスデータに基づいて、少なくとも1種類の造形材料からなる材料層を形成する。以下、材料層形成部U2として、電子写真プロセスを用いて造形材料からなる材料層を形成する例について説明するが、これに限定はされない。例えば、インクジェット方式、熱溶解積層方式などによって造形材料からなる材料層を形成してもよい。
材料層形成部U2は、各層のスライスデータに基づいて、少なくとも1種類の造形材料からなる材料層を形成する。以下、材料層形成部U2として、電子写真プロセスを用いて造形材料からなる材料層を形成する例について説明するが、これに限定はされない。例えば、インクジェット方式、熱溶解積層方式などによって造形材料からなる材料層を形成してもよい。
電子写真プロセスとは、感光体を帯電し、露光によって静電潜像を形成し、現像剤粒子を静電潜像に付着させて画像を形成するという一連のプロセスによって、所望の画像を形成する手法である。造形装置1では、トナーの代わりに、粒子状の造形材料(造形材粒子)を現像剤として用いるが、電子写真プロセスの基本原理は2Dプリンタのものとほぼ同じである。
感光ドラム34は、有機感光体やアモルファスシリコン感光体などの感光体層を有する像担持体である。一次帯電ローラ33は、感光ドラム34の感光体層を一様に帯電するための帯電装置である。レーザスキャナ20は、画像生成コントローラ10から与えられる画像信号にしたがい、レーザ光で感光ドラム34上をスキャンし、静電潜像を描画する露光装置である。なお、露光装置としてはLEDアレイを用いてもよい。
造形材料供給部31は現像剤としての造形材料(造形材粒子)を収容、供給する装置である。現像ローラ32は、感光ドラム34上の静電潜像に造形材料を供給する現像装置である。
転写ローラ41は、感光ドラム34上に形成された造形材料の画像を転写体(転写ベルト)42に転写する転写装置である。図示しないが、感光ドラム34と転写ローラ41のあいだの転写ニップの下流に、感光ドラム34の表面をクリーニングするためのクリーニング装置を設けてもよい。
本実施形態では、感光ドラム34、一次帯電ローラ33、造形材料供給部31、現像ローラ32が、プロセスカートリッジ30として一体化されている。そして、プロセスカートリッジ30は、造形装置1の装置本体に対して着脱可能に構成され、交換が容易になっている。なお、プロセスカートリッジ30は、造形材料供給部31に収容されている造形材料に関する情報が記憶されたICチップの如き造形材料情報記憶部(不図示)を有することが好ましい。
造形材料としては、作成する造形物(立体物)の用途や機能、目的などに応じてさまざまな材料を選択することができる。本明細書では、造形対象物本体を構成する材料を「構造材料」と呼び、構造材料で構成される部分を「構造部」と呼ぶ。また、造形動作時に造形途中の構造部を支持するための構造(例えば、オーバーハング部を下から支える柱)を「サポート部」と呼び、サポート部を構成する材料を「サポート材料」と呼ぶ。また、両者を特に区別する必要がない場合には、単に「造形材料」という用語を用いる。このように、造形物は構造部とサポート部で構成されるものであるが、サポート部は作成する造形物の形状に応じて適宜設けられるものであり、作成する造形物の形状によっては、サポート部を必要としない場合もある。
構造材料としては、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、ABS(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン)、PMMA(アクリル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、POM(ポリアセタール)、PA(ポリアミド/ナイロン)、PC(ポリカーボネート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、LCP(液晶ポリマー)、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、エラストマーなどの熱可塑性の樹脂を用いることができる。また、サポート材料としては、造形対象物本体からの除去を簡単にするため、熱可塑性と水溶性を有する材料を用いることができる。サポート材料としては、例えば、水溶性糖類などの水溶性炭水化物、PLA(ポリ乳酸)、PVA(ポリビニルアルコール)、PEG(ポリエチレングリコール)などを含む材料を用いることができる。
<積層部>
積層部U3は、材料層形成部U2で形成された複数の材料層を順次積層することによって、3次元構造をもつ造形物を造形する。積層部U3は、転写体42、ヒータローラ43、ステージ52、ステージガイド53などを有する。
積層部U3は、材料層形成部U2で形成された複数の材料層を順次積層することによって、3次元構造をもつ造形物を造形する。積層部U3は、転写体42、ヒータローラ43、ステージ52、ステージガイド53などを有する。
転写体42は、材料層形成部U2で形成された材料層を支持し、支持した材料層をステージ52上(またはステージ52上に形成されている造形途中の造形物上)への積層が行われる積層位置まで搬送する搬送部材である。本実施形態では、転写体42は、転写体42とステージ52(またはステージ52上に形成されている造形途中の造形物)との間に形成される積層ニップまで材料層を搬送する。転写体42は、例えば、表面にコーティングが施されていてもよい、樹脂、ポリイミド、金属などの無端ベルトであってもよい。
ヒータローラ43は、ヒータ81を内蔵しており、転写体42に支持された材料層を加熱することで溶融または軟化させ、ステージ52(またはステージ52上に形成されている造形途中の造形物)の上端面に積層する加熱積層部材である。ヒータローラ43にはさらに、熱電対80が内蔵されている。後述するように、ヒータローラ43の内蔵するヒータ81は、温度調節器82、電力調整器83などにより、所定の温度となるよう制御される。なお、ここでは加熱積層部材としてローラ状のヒータローラを用いる構成について説明するが、本発明はこれに限定はされず、たとえば板状のヒータを用いる場合についても本発明を適用できる。また、ここではヒータローラ43によって材料層を加熱加圧する構成としたが、本発明はこれに限定はされず、搬送部材に支持された材料層を加熱する加熱部と、加熱された材料層を加圧して積層する加圧部と、をそれぞれ用いてもよい。
ステージ52は、造形途中の造形物を保持する部材であり、ステージガイド53およびステージ駆動Xモータ112、ステージ駆動Yモータ113、およびステージ駆動Zモータ114によりXYZの3軸方向に移動可能である。
なお、ここでは材料層をステージ52上、またはステージ52上に形成されている造形途中の造形物上に積層していく場合、すなわち、材料層を下から順に積層する場合について説明したが、本発明はこれに限定はされない。すなわち、材料層を積層する方向は限定されず、積層部U3は、ステージ52の表面またはステージ52に保持された造形途中の造形物の表面(本明細書では、このような面を「積層面」と呼ぶ)に材料層を順次積層する。
[積層造形装置の動作]
次に、造形装置1によって造形物を造形する際の、基本的な動作について説明する。
次に、造形装置1によって造形物を造形する際の、基本的な動作について説明する。
制御ユニット60は、造形対象物を表現した造形データである3次元形状データを取得する。制御ユニット60は、3次元形状データを取得した後、造形対象物を所定のピッチ(例えば数ミクロンから十数ミクロンの厚さ)でスライスして各層の断面形状を計算し、各層のスライスデータを生成する。なお、制御ユニット60がコンピュータ(不図示)から3次元形状データの代わりにスライスデータを受信した場合には、スライスデータの生成工程は省略される。
生成または受信した複数のスライスデータは、最下層のスライスデータから順に画像生成コントローラ10に入力される。画像生成コントローラ10は、入力されたスライスデータにしたがって、レーザスキャナ20のレーザ発光およびレーザスキャンを制御する。
材料層形成部U2では、一次帯電ローラ33によって感光ドラム34の表面が均一に帯電される。レーザスキャナ20からのレーザ光により感光ドラム34の表面が露光されると、その露光部分が除電される。現像バイアスで帯電された造形材料(造形材粒子)が現像ローラ32によって除電部分に供給され、造形材料からなる画像(以下、「材料画像」または「材料層」と称する)が感光ドラム34の表面に形成される。この材料層は、転写ローラ41により転写体42上に転写される。
転写体42は材料層を保持しつつ回転し、材料層を積層位置へと搬送する。一方、造形コントローラ70は、ステージ52(またはステージ52上の造形物)が材料層と同じタイミングかつ同じ速度(材料層の搬送方向の速度)で積層位置へと進入するように、ステージ52を制御する。そして、ステージ52と転写体42を同期して移動させつつ、ヒータローラ43により熱を与えることで、材料層がステージ52上(またはステージ52上の造形物の上面)に熱溶着される。
本実施形態では、ステージ52上に積層される材料層の1層分の厚みは層ごとに一定としている。このため、材料層が積層されるたびに、造形コントローラ70はステージ52をZ方向に材料層の1層の厚み分だけ下降させ、次の層の積層に備える。
なお、本実施形態では材料層を移動させつつ、ステージ52を材料層の搬送と同期させて移動させながら積層を行う例について説明した。しかし、本発明はこれに限定はされず、たとえば転写体42によって材料層を積層位置まで搬送したら転写体42による材料層の搬送を一旦停止し、その後でステージ52を移動させて積層を行ってもよい。
材料層を形成する材料層形成工程、および、材料層を積層する積層工程を、スライスデータの枚数分繰り返すことで、ステージ52上に目的の造形物(立体物)が形成される。
[過熱防止機構の構成]
次に、図2、3を用いて本実施形態に係る過熱防止機構について説明する。図2は、第1の実施形態に係る過熱防止機構の構成を模式的に示す図である。
次に、図2、3を用いて本実施形態に係る過熱防止機構について説明する。図2は、第1の実施形態に係る過熱防止機構の構成を模式的に示す図である。
本実施形態に係る造形装置1は、図2に示す過熱防止機構を有する。すなわち、造形装置1は、図2に示すように、加熱部であるヒータ81に電力供給する電力供給部(電力調整器83)と、動作温度がそれぞれ異なる複数の過熱保護素子(85a,85b,85c)と、を有する。造形装置1はさらに、動作温度のそれぞれ異なる複数の過熱保護素子85a〜cの中から、加熱部(ヒータ81)と電力供給部(電力調整器83)との間に接続される過熱保護素子を選択する選択手段(過熱保護素子選択部90)を有する。これにより、造形装置1は過熱保護素子を適宜選択することができ、例えば材料層ごとに適切な過熱保護素子を使用することができる。そのため、ヒータ81による材料層の過熱の発生を抑制し、材料層の過熱による不具合の発生を抑制しつつ、材料層を積層することができる。以下、過熱防止機構を構成する各部について詳細に説明する。
過熱防止機構は、図2に示すように、複数の過熱保護素子85と、過熱保護素子選択部90と、を有する。過熱防止機構はさらに、温度調節器82、電力調整器83、および、電力遮断器84を有する。
温度調節器82は、ヒータローラ43に内蔵された熱電対80の出力に基づいて、所定の制御アルゴリズム(PID制御、比例制御、ON/OFF制御など)により、ヒータローラ43が所望の温度となるように制御信号を出力する。温度調節器82と造形コントローラ70は双方向の制御信号で接続されており、造形コントローラ70において、温調制御の開始/停止の指示や、ヒータローラ43の温度監視ができるようになっている。
電力調整器83は、交流電源に接続されており、ヒータ81への投入電力を調整する。電力調整器83による投入電力の調整は、温度調節器82からの制御信号に基づいて、所定の制御方式(位相制御、サイクル制御など)によって行うことが好ましい。
電力遮断器84は、交流電源からヒータ81までの電路を開閉する。本実施形態に係る過熱防止機構は、過熱防止機構の有する複数の過熱保護素子85ごとに、電力遮断器84をそれぞれ有する。すなわち、本実施形態においては、過熱防止機構は過熱保護素子85a,85b,85cのそれぞれに対応して、電力遮断器84a,84b,84cを有する。
電力遮断器84は、後述する過熱保護素子選択部90からの選択信号に基づいて、動作温度のそれぞれ異なる複数の過熱保護素子85のそれぞれを経由して、ヒータ81への交流電源出力、すなわち電力供給を遮断または通電する。電力遮断器84としては、電磁式遮断器や電磁継電器などを用いることができる。
過熱保護素子85は、動作温度以上の温度となったときに、動作温度未満の温度のときに比べて、過熱保護素子を流れる電流を低減または遮断する素子である。過熱保護素子85はヒータ81の近傍に配置されていることが好ましい。過熱保護素子85を使用することで、温度調節器82や電力調整器83が故障するなどしてヒータ81が所望の温度以上の温度に昇温された場合であっても、過熱保護素子85の動作温度を超えて昇温されることを抑制することができる。
過熱保護素子85としては、温度ヒューズやPTCサーミスタ、バイメタルなどを用いることができるが、好ましくは、PTCサーミスタやバイメタルなどのリセッタブル保護素子であることが好ましい。なお、温度ヒューズは一度動作温度以上の温度となると溶断し、温度が低下しても電流が流れなくなる。そのため、過熱保護素子85として温度ヒューズを用いる場合には、後述する過熱保護素子選択部90によって選択されなかった過熱保護素子85はヒータ81によって加熱されないように移動または断熱することが好ましい。
本実施形態に係る過熱防止機構は、過熱保護素子85を複数有しており、これらの過熱保護素子85の動作温度は個々に異なる。本実施形態では、過熱防止機構は過熱保護素子85a,85b,85cの3つの過熱保護素子を有している。これらの過熱保護素子85の動作温度は、造形装置1が造形に使用する、すなわち材料層を形成する際に使用する複数種類の造形材料のそれぞれの温度特性にそれぞれ対応している。ここでは、過熱保護素子85a〜cはそれぞれ、高温、中温、低温の各温度で作動する。なお、本実施形態では過熱防止機構の有する過熱保護素子85が3つである場合について説明するが、これに限定はされない。
過熱保護素子選択部90は、過熱防止機構の有する複数の過熱保護素子85の中から、加熱部(ヒータ81)と電力供給部(電力調整器83)との間に接続される少なくとも1つの過熱保護素子85を選択する選択手段である。過熱保護素子選択部90は、加熱部(ヒータ81)によって加熱される材料層を構成する造形材料の種別に応じて、適切な過熱保護素子85を選択することが好ましい。
過熱保護素子選択部90は、電力遮断器84a〜cをON/OFF制御することによって、それぞれの電力遮断器に対応する過熱保護素子85a〜cを選択し、ヒータ81に通電する。電力遮断器のON/OFF制御は、小電力トランジスタのドライブ回路により制御してもよい。
種別情報取得部94は、材料層形成部U2が材料層の形成に使用している造形材料の種別を判定し、種別情報を取得する。本実施形態では、種別情報取得部94は、プロセスカートリッジ30が備える造形材料情報記憶部(不図示)から、造形材料供給部31に収容されている造形材料の種別情報を取得する。そして種別情報取得部94は、造形材料供給部31に収容されている造形材料の種別情報およびスライスデータから、材料層形成部U2が材料層の形成に使用している造形材料の種別情報を取得する。
本実施形態では、過熱保護素子選択部90は種別情報取得部94によって判定された、材料層を構成する造形材料の種別に応じて、適切な過熱保護素子85を選択することが好ましい。過熱保護素子選択部90は、材料層を構成する少なくとも1種類の造形材料のそれぞれの耐熱温度のいずれよりも低い動作温度を有する過熱保護素子85を選択することが好ましい。これにより、材料層の過熱による不具合の発生を抑制することができる。
なお、過熱保護素子選択部90は、ユーザーの操作に応じて過熱保護素子85を選択してもよい。例えば、種別情報取得部94によって材料層の形成に使用する造形材料の種別を判定し、その判定結果を造形装置1に内蔵または接続された表示部(不図示)によって表示する。そして、ユーザーが造形材料の種別を確認し、造形材料の耐熱温度などの熱的性質に応じて過熱保護素子85を選択し、過熱保護素子選択部90に対して造形装置1のUIを介して指示を送ってもよい。
[過熱防止機構の動作]
図3は、第1の実施形態に係る過熱防止機構の動作を示すフローチャートである。
図3は、第1の実施形態に係る過熱防止機構の動作を示すフローチャートである。
まず、造形装置1の主電源がONになった後、種別情報取得部94は、材料層形成部U2が材料層を形成する際に使用する造形材料の種別情報を取得する(S301)。本実施形態では、種別情報取得部94が、プロセスカートリッジ30の有する造形材料情報記憶部(不図示)から取得される造形材料に関する情報、および、スライスデータの少なくともいずれかから、造形材料の種別情報を取得する。
次に、過熱保護素子選択部90が、S301で取得した造形材料の種別情報に基づいて、加熱部(ヒータ81)と電力供給部(電力調整器83)との間に接続される少なくとも1つの過熱保護素子85を選択する(S302)。
ステップS302においては、過熱保護素子選択部90が種別情報取得部94から造形材料の種別情報を取得する。そして、制御部U1が予め記憶している温度特性テーブルを参照して、取得した造形材料の種別情報から、その造形材料の熱的性質データを取得する。制御部U1が予め記憶している温度特性テーブルは、造形材料の種別と熱的性質とを対応付けたテーブルである。なお、ここでいう熱的性質としては、耐熱温度、具体的には、造形材料が熱分解する温度や、炭化する温度、貯蔵弾性率が著しく低下する温度などが好ましく用いられる。そして過熱保護素子選択部90は、過熱防止機構の有する複数の過熱保護素子85の中から、取得した温度(熱的性質)よりも低い動作温度を有する過熱保護素子85を選択することが好ましい。これにより、造形材料が耐熱温度を超える温度にまで加熱されてしまうことを防ぐことができる。
なお、ステップS302においては、過熱保護素子選択部90が、ユーザーからの指示に応じて過熱保護素子85を選択してもよい。この場合には、制御部U1は、ステップS301で取得した材料層を構成する造形材料の種別情報を表示部(不図示)によってユーザーに提示する。そして、ユーザーが造形材料の種別を確認し、適切な過熱保護素子85を選択して、造形装置1のUIを介して過熱保護素子選択部90に指示を送ればよい。なおこのときも、制御部U1に予め記憶された温度特性テーブルを参照して熱的性質データを取得し、造形材料の種別情報と併せて表示部(不図示)によってユーザーに提示してもよい。
その後、造形コントローラ70は積層部U3を制御し、ヒータ81によって材料層を加熱して積層面に積層する(S303)。なおこのとき、材料層を積層面に接触させた状態で材料層を加熱して積層してもよいし、材料層を予め加熱しておき、加熱した材料層を積層面に接触させて積層してもよい。
ヒータ81に電力が供給されて加熱が行われている間に、ステップS302で選択されてヒータ81と電力調整期83との間に接続された過熱保護素子85の温度が動作温度を超えた場合には(S304でYes)、電力の供給が低減または遮断される(S310)。ステップS310において電力の供給が低減または遮断された場合には、造形装置1は過熱が発生したことを表示部(不図示)等を介してユーザーに知らせる(S311)。その際には造形装置1は積層動作を中断することが好ましい。例えばユーザーが点検を行うなどして問題がないことが確認されたら、積層動作を再開し、ステップS301に戻ってもよい。
ステップS302でヒータ81と電力調整期83との間に接続された過熱保護素子85の温度が動作温度を超えずに(S304でNo)1層分の材料層の積層が完了すると、次の材料層を積層する場合(S305でYes)にはステップS301に戻る。そして、ステップS301〜ステップS305をスライスデータの枚数分繰り返すことで、ステージ52上に目的の造形物(立体物)が形成される。
本実施形態では1層分の材料層を積層するたびに材料層を構成する造形材料の種別情報を取得して過熱保護素子85を選択したが、本発明はこれに限定はされない。すなわち、数層分の材料層を積層するごとに材料層を構成する造形材料の種別情報を取得して過熱保護素子85を選択してもよい。あるいは、材料層の積層を開始する前に、各材料層を構成する造形材料の種別情報を予め取得しておき、過熱保護素子選択部90が造形の途中で過熱保護素子85を切り替えるタイミングを予め決めておいてもよい。
以上、本実施形態によれば、種別情報取得部94によって材料層を構成している造形材料の種別情報を取得することができる。そして、取得した造形材料の種別情報に基づいて適切な過熱保護素子85を選択することにより、材料層の過熱による不具合の発生を抑制しつつ材料層を積層することができる。
(第2の実施形態)
[造形装置の装置構成]
図4は、第2の実施形態に係る積層造形装置の構成を模式的に示す図である。第2の実施形態に係る積層造形装置2(以下、「造形装置2」と称する)は、分光分析ユニット46を有する点以外は造形装置1の構成と同様であるので、これ以外についての説明は省略する。
[造形装置の装置構成]
図4は、第2の実施形態に係る積層造形装置の構成を模式的に示す図である。第2の実施形態に係る積層造形装置2(以下、「造形装置2」と称する)は、分光分析ユニット46を有する点以外は造形装置1の構成と同様であるので、これ以外についての説明は省略する。
分光分析ユニット46は、転写体42に保持された材料層を分光分析するユニットである。分光分析ユニット46は、転写体42に保持された材料層に光を照射し、材料層を透過した透過光、材料層によって散乱された散乱光、および、材料層によって反射された反射光の少なくとも1つを検出する。これにより、分光分析ユニット46は、材料層の材料特性データである、吸光度、反射率、透過率などの分光データを取得する。すなわち、分光分析ユニット46は、分光情報取得部である。分光分析ユニット46が照射する光は、可視光から近赤外の波長帯域(0.3μm〜2.5μm)の単色光であることが好ましい。また、分光分析ユニット46は、照射した光の波長における吸光度、反射率、および、透過率の少なくとも1つを測定することが好ましい。分光分析ユニット46は異なる複数の波長に対する吸光度、反射率、透過率等の分光データがそれぞれ格納された、分光スペクトルデータを取得することが好ましい。
制御部U1は、造形材料の種別と材料特性データとを対応付けた材料特性テーブルを予め記憶しておく。そして、制御部U1がこの材料特性テーブルを参照することで、分光分析ユニット46が取得した材料特性データに基づいて、材料層を構成する造形材料の種別情報を取得することができる。
[過熱防止機構の構成]
次に、図5、6を用いて本実施形態に係る過熱防止機構について説明する。図5は、第2の実施形態に係る過熱防止機構の構成を模式的に示す図である。
次に、図5、6を用いて本実施形態に係る過熱防止機構について説明する。図5は、第2の実施形態に係る過熱防止機構の構成を模式的に示す図である。
本実施形態に係る造形装置2は、図5に示す過熱防止機構を有する。ここでは、造形装置1の有する過熱防止機構と異なる点について詳細に説明し、それ以外の部分については説明を省略する。
造形装置2は、図5に示すように、造形装置1の有する各部に加えて、材料特性データ取得部91と、材料特性データ比較部92と、材料特性データ記憶部93と、を有する。以下、過熱防止機構を構成する各部について詳細に説明する。
材料特性データ取得部91は、材料層から、材料層を構成する造形材料の材料特性データを取得する。本実施形態では、材料特性データ取得部91として分光分析ユニット46を有する。すなわち、本実施形態に係る材料特性データ取得部91が取得する材料特性データは、吸光度、反射率、透過率等の分光データである。材料特性データ取得部91が取得する材料特性データは、異なる複数の波長の光に対する分光データが、波長に対応付けられてそれぞれ格納された分光スペクトルデータであることが好ましい。
材料特性データ取得部91が材料層から材料特性データを取得する位置やタイミングは特に限定はされず、材料層形成部U2によって形成された材料層が搬送され、ヒータ81によって加熱されるまでの間に取得すればよい。本実施形態では、材料特性データ取得部91である分光分析ユニット46は図4に示すように材料層形成部U2の下流であってヒータローラ43の上流に配置されている。
材料特性データ記憶部93は、造形材料の材料特性データ(標準材料特性データ)を予め記憶する。標準材料特性データは、造形装置2が使用可能な造形材料の標準物質から、材料特性データ91と同様の方法によって取得される材料特性データである。なお、材料特性データ記憶部93は、標準材料特性データと造形材料の種別情報とが対応付けられた材料特性テーブルを予め記憶していることが好ましい。
材料特性データ比較部92は、材料特性データ取得部91で取得した材料特性データと、材料特性データ記憶部93で記憶されている材料特性テーブルと、を比較する。種別情報取得部94は、材料特性データ比較部92から比較結果を受け取り、材料層を構成している造形材料の種別を判定する。これにより、種別情報取得部94は、材料層を構成している造形材料の種別情報を取得する。本実施形態では材料層形成部U2によって形成された材料層から材料特性データを取得して、材料層を構成している造形材料の種別情報を取得するので、現に使用されている造形材料の種別情報を取得することができる。そのため、例えば造形材料供給部31に誤った種類の造形材料が収容されていたような場合であっても、実際に使用されている造形材料の種別情報を取得することができる。その結果、より確実に材料層の過熱による不具合の発生を抑制しつつ材料層を積層することができる。
材料特性データとして近赤外吸収スペクトルを使用する例について説明する。この場合、分光分析ユニット46は、近赤外帯域(たとえば1.4μm〜2.5μm)の光を材料層に照射し、そのときの吸光度を測定する。例えば、造形材料として使用されるABSとPPは、近赤外帯域(1.4〜2.5μm)のスペクトルのうち、1.6μmと2.2μmの波長帯でスペクトル波形に差がある。そのため、この波長帯に着目して比較を行うことで、ABSとPPとを識別することができる。このように、分光分析ユニット46によって取得される分光スペクトルデータによって差が見られる波長帯を予め特定しておき、その波長帯に着目して比較を行うことで、造形材料の種別を判別することができる。
種別情報取得部94は、分光分析ユニット46が取得した分光スペクトルデータと各造形材料の標準材料特性データとを比較し、同値または近似値と検出された波長帯の割合(一致率)が高い造形材料を、材料層を構成する造形材料と判定する。または、分光分析ユニット46が取得した分光スペクトルデータと造形材料の標準材料特性データとの間でスペクトル波形を比較し、スペクトル波形の形状の類似度から造形材料の種別を判定してもよい。これにより、測定された吸光度または反射率または透過率の絶対値にズレがあっても、造形材料を識別することができる。あるいは、分光分析ユニット46が取得した分光スペクトルデータのうち、特定の波長帯域の強度比を、標準材料特性データにおける同じ波長帯域の強度比と比較することで造形材料を識別してもよい。これにより、例えば材料層を構成する造形材料が複数種類ある場合でも、造形材料の種別の判定を行うことができる。
なお、ここでは材料特性データ比較部92が材料特性データを比較するものとしたが、これ限定はされず、種別情報取得部94が材料特性データの比較を行ってもよい。
また、ここでは材料特性データ取得部91が材料特性データとして分光データを取得する例を説明したが、これに限定はされない。材料特性データ取得部91が取得する材料特性データは、誘電率であってもよい。すなわち、材料特性データ取得部91は、誘電率取得部であってもよい。
[過熱防止機構の動作]
図6は、第2の実施形態に係る過熱防止機構の動作を示すフローチャートである。
図6は、第2の実施形態に係る過熱防止機構の動作を示すフローチャートである。
まず、造形装置2の主電源がONになった後、材料特性データ取得部91は、材料層形成部U2によって形成された材料層から、材料特性データを取得する(S601)。本実施形態では、材料特性データ取得部91である分光分析ユニット46が、材料層から分光スペクトルデータを取得する。
材料特性データ比較部92は、ステップS601で取得された材料特性データを取得する。そして、材料特性データ比較部92は、材料特性データ記憶部93から標準材料特性データを取得し、ステップS601で取得された材料特性データと比較する(S602)。
次に、複数の標準特性データの中に、ステップS601で取得された材料特性データと一致または類似するものがあるかどうかを材料特性データ比較部92が判定する(S603)。一致または類似するものがあった場合(S603でYes)には、種別情報取得部94は材料層を構成する造形材料の種別を判定し、種別情報を取得する(S604)。
次に、過熱保護素子選択部90が、S604で取得した造形材料の種別情報に基づいて、加熱部(ヒータ81)と電力供給部(電力調整器83)との間に接続される少なくとも1つの過熱保護素子85を選択する(S605)。造形材料の種別情報に基づく過熱保護素子85の選択方法は、第1の実施形態と同様の方法によって行うことができる。
その後、造形コントローラ70は積層部U3を制御し、ヒータ81によって材料層を加熱して積層面に積層する(S606)。なおこのとき、材料層を積層面に接触させた状態で材料層を加熱して積層してもよいし、材料層を予め加熱しておき、加熱した材料層を積層面に接触させて積層してもよい。
ヒータ81に電力が供給されて加熱が行われている間に、ステップS605で選択されてヒータ81と電力調整期83との間に接続された過熱保護素子85の温度が動作温度を超えた場合には(S607でYes)、電力の供給が低減または遮断される(S612)。ステップS612において電力の供給が低減または遮断された場合には、造形装置2は過熱が発生したことを表示部(不図示)等を介してユーザーに知らせる(S613)。その際には造形装置2は積層動作を中断することが好ましい。例えばユーザーが点検を行うなどして問題がないことが確認されたら、積層動作を再開し、ステップS601に戻ってもよい。
ステップS605でヒータ81と電力調整期83との間に接続された過熱保護素子85の温度が動作温度を超えず(S607でNo)に1層分の材料層の積層が完了すると、次の材料層を積層する場合(S608でYes)にはステップS601に戻る。そして、ステップS601〜ステップS607をスライスデータの枚数分繰り返すことで、ステージ52上に目的の造形物(立体物)が形成される。
一方、複数の標準特性データの中にステップS601で取得された材料特性データと一致または類似するものが無かった場合(S603でNo)には、種別情報取得部94は材料層を構成する造形材料が未知の材料であると判定する(S610)。
材料層を構成する造形材料が未知の材料であると判定された場合には、制御部U1は造形材料の種別情報の入力を受け付ける(S611)。ユーザーが造形装置2のUIを介して種別情報とその熱的性質とを入力すると(S611でYes)、ステップS601に戻る。あるいは、ステップS605に移動し、過熱保護素子選択部90が、入力された種別情報に基づいて過熱保護素子85を選択してもよい。
ステップS611においてユーザーが造形装置2のUIを介して種別情報とその熱的性質とを入力しなかった場合には(S611でNo)、電力の供給が遮断される(S612)。
以上、本実施形態によれば、材料特性データ取得部91によって材料層から直接情報を取得することで、実際に材料層を構成している造形材料の種別情報を取得することができる。そして、取得した造形材料の種別情報に基づいて適切な過熱保護素子85を選択することにより、材料層の過熱による不具合の発生を抑制しつつ材料層を積層することができる。
U2 材料層形成部
42 転写体(搬送部材)
81 ヒータ(加熱部)
83 電力調整器(電力供給部)
85a〜c 過熱保護素子
90 過熱保護素子選択部(選択部)
42 転写体(搬送部材)
81 ヒータ(加熱部)
83 電力調整器(電力供給部)
85a〜c 過熱保護素子
90 過熱保護素子選択部(選択部)
Claims (11)
- 少なくとも1種類の造形材料を用いて材料層を形成する材料層形成部と、
前記材料層形成部で形成された前記材料層を支持して、積層位置まで搬送する搬送部材と、
前記搬送部材に支持された前記材料層を加熱する加熱部と、
前記加熱部に電力を供給する電力供給部と、を有し、前記材料層を順次積層することで立体物を造形する造形装置であって、
動作温度がそれぞれ異なる複数の過熱保護素子と、
前記複数の過熱保護素子の中から、前記加熱部と前記電力供給部との間に接続される少なくとも1つの前記過熱保護素子を選択する選択部と、を有することを特徴とする造形装置。 - 前記選択部が、前記材料層を構成する前記造形材料の種別に応じて、前記複数の過熱保護素子の中から、前記加熱部と前記電力供給部との間に接続される少なくとも1つの前記過熱保護素子を選択することを特徴とする請求項1に記載の造形装置。
- 前記過熱保護素子が、前記過熱保護素子の温度が前記動作温度以上となったときに、前記過熱保護素子の温度が前記動作温度未満のときに比べて前記過熱保護素子を流れる電流を低減または遮断する素子であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の造形装置。
- 前記過熱保護素子が、PTCサーミスタまたはバイメタルを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の造形装置。
- 前記過熱保護素子が、温度ヒューズを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の造形装置。
- 前記選択部によって選択される前記過熱保護素子の動作温度が、前記材料層を構成する前記少なくとも1種類の造形材料のそれぞれの耐熱温度のいずれよりも低い温度であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の造形装置。
- 前記材料層を構成する前記造形材料の種別情報を取得する種別情報取得部をさらに有し、
前記選択部は、前記種別情報取得部が取得した前記種別情報に応じて、前記複数の過熱保護素子の中から、前記加熱部と前記電力供給部との間に接続される少なくとも1つの前記過熱保護素子を選択することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の造形装置。 - 前記種別情報取得部は、
前記材料層から材料特性データを取得する材料特性データ取得部と、
前記造形装置が使用可能な複数の前記造形材料のそれぞれの標準材料特性データが予め記憶する材料特性データ記憶部と、を有し、
前記材料特性データ取得部で取得した前記材料特性データと、前記材料特性データ記憶部に予め記憶された前記標準材料特性データと、に基づいて、前記材料層を構成する前記造形材料の種別を判別して、前記種別情報を取得することを特徴とする請求項7に記載の造形装置。 - 前記材料特性データ取得部が、前記材料層の分光情報を取得する分光情報取得部であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の造形装置。
- 前記材料特性データ取得部が、前記材料層の誘電率を取得する誘電率取得部であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の造形装置。
- 少なくとも1種類の造形材料を用いて前記材料層を形成する材料層形成工程と、
前記材料層を搬送部材に支持させて積層位置まで搬送する搬送工程と、
前記搬送部材に支持された前記材料層を加熱する加熱工程と、
複数の前記材料層を順次積層する積層工程と、を有する立体物の製造方法であって、
前記加熱工程において前記材料層を加熱するための加熱部と、前記加熱部に電力を供給する電力供給部と、の間に接続される過熱保護素子を、動作温度がそれぞれ異なる複数の前記過熱保護素子の中から選択する選択工程を有することを特徴とする立体物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016150332A JP2018016040A (ja) | 2016-07-29 | 2016-07-29 | 造形装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016150332A JP2018016040A (ja) | 2016-07-29 | 2016-07-29 | 造形装置 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016150332A Pending JP2018016040A (ja) | 2016-07-29 | 2016-07-29 | 造形装置 |
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-
2016
- 2016-07-29 JP JP2016150332A patent/JP2018016040A/ja active Pending
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