JP2017013493A - 造形システム、造形物の製造方法及びデータ処理方法 - Google Patents

造形システム、造形物の製造方法及びデータ処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】各層の画像を独立に形成しそれらを順に積層して三次元の造形物を得る方式の積層造形システムにおいて、造形物の造形途中で造形動作が中断された場合であっても、造形物の品質及び精度を向上する。【解決手段】スライスデータに基づいて形成した材料層を積層して造形物を作製する造形システムであって、前記造形システムの各部の動作を制御する制御部を有し、前記制御部が、所定のタイミングで、前記マーカを形成して前記マーカサポート体の上面に積層し、前記マーカ位置検出部で検出したマーカの位置から画像歪み情報を取得し、前記スライスデータの補正を行う補正処理を実行させるよう各部を制御することを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は造形システム、造形物の製造方法及びデータ処理方法に関する。
多数の層を積み上げることで三次元造形物を形成する造形システムが注目を集めている。この種の積層造形技術は、アディティブマニファクチャリング(AM)、三次元プリンタ、ラピッドプロトタイピングなどと呼ばれる。積層造形技術にはさまざまな造形方式が提案されている。特許文献1、3には、電子写真プロセスを応用した造形方式が開示され、特許文献2には、レーザ焼結方式が開示されている。
特開平10−224581号公報 米国特許出願公開第2009/0060386号明細書 特開2003−053846号公報
造形システムでは、各層の断面画像の形状精度(画像形成精度)と各層を積み重ねるときの位置精度(積層精度)が、最終的な造形物の品質に大きな影響を与え得る。特に、造形物の造形途中で造形動作が中断された場合、造形動作の再開時に、画像形成精度が低下してしまう懸念がある。特許文献1、3の装置のように、各層の画像を独立に形成しそれらを順に積層するタイプの積層方式では、その問題が大きくなる。しかしながら、特許文献1、3に開示された装置では、画像の歪みや画像位置のばらつきへの対処はなされておらず、画像形成精度及び積層精度を保証することができない。
特許文献2には、レーザ焼結方式の装置において、造形開始前にキャリブレーションプレートをスキャンして画像のセンタ基準を確定する、という位置キャリブレーション方法が開示されている。しかしこの方法は、画像の描画位置をステージのセンタに合わせるというものにすぎず、画像そのものの歪みを補正するものではない。また、この方法は、特許文献1、3のような、各層の画像を独立に形成しそれらを順に積層するタイプの積層方式には適用することができない。
本発明は、上記実情に鑑み、各層の画像を独立に形成しそれらを順に積層して三次元の造形物を得る方式の造形システムにおいて、造形物の造形途中で造形動作が中断された場合であっても、造形物の品質及び精度を向上することを目的とする。
本発明の第一態様は、
スライスデータに基づいて形成した材料層を積層して造形物を作製する造形システムであって、
前記造形システムの各部の動作を制御する制御部と、
マーカのデータを生成するマーカ生成部と、
前記マーカが積層される土台となるマーカサポート体を作製するデータを三次元モデルのデータに付加して前記スライスデータを生成するスライスデータ生成部と、
前記マーカのデータまたは前記スライスデータに基づいて造形材料からなる材料層を形成する材料層形成部と、
前記材料層が積層されるステージと、
前記ステージ上または前記マーカサポート体上に積層された前記マーカの位置を検出するマーカ位置検出部と、
前記マーカ位置検出部の検出結果から前記材料層に生じる画像歪み情報を取得する画像歪取得部と、
前記画像歪取得部で取得された前記画像歪み情報に基づいて、前記スライスデータに対して前記画像歪みを低減する補正部と、
を有し、
前記制御部が、所定のタイミングで、前記マーカを形成して前記マーカサポート体の上面に積層し、前記マーカ位置検出部で検出したマーカの位置から画像歪み情報を取得し、前記スライスデータの補正を行う補正処理を実行させるよう各部を制御する
ことを特徴とする造形システムを提供する。
本発明の第二態様は、
三次元モデルのデータから生成されるスライスデータに基づいて、造形材料からなる材料層を形成する材料層形成工程と、
前記材料層形成工程によって形成される材料層を順に積層する造形工程と、
のセットを複数回繰り返す造形物の製造方法であって、
前記セットの合間に、前記スライスデータの補正を行う補正処理工程を挿入する
ことを特徴とする造形物の製造方法を提供する。
本発明の第三態様は、
スライスデータに基づいて造形材料からなる材料層を形成する工程と、前記材料層を積層する工程とを複数回行って造形物を作製する造形システムに用いられるデータ処理方法であって、
前記スライスデータの補正に用いる情報を取得するためのマーカのデータを生成するステップと、
三次元モデルのデータに、前記マーカが積層される土台となるマーカサポート体を作製するデータを付加して前記スライスデータを生成するステップと、
を含み、
前記材料層を形成する工程の間に前記マーカのデータが挿入されると、前記マーカのデータの挿入に続いて形成される前記材料層のスライスデータに、前記マーカの形状に対応する開口を設けるステップを行う
ことを特徴とするデータ処理方法を提供する。
本発明によれば、各層の画像を独立に形成しそれらを順に積層して三次元の造形物を得る方式の造形システムにおいて、造形物の造形途中で造形動作が中断された場合であっても、造形物の品質及び精度を向上することができる。
実施形態に係る造形システムの構成を模式的に示す図。 造形コントローラの回路ブロック図。 キャリブレーションマーカと画像歪みを説明する図。 キャリブレーション及びレジストレーションに関わる機能ブロック図。 キャリブレーション及び画像歪み補正のフローチャート。 画像歪み補正の概念図。 レジストレーション転写マーカ検出の概念図。 実施形態における画像エリアの定義を行う図。 2つのプロセスカートリッジを有する造形システムの構成を示す図。 再キャリブレーション処理について説明するための図。 再キャリブレーション処理について説明するための図。 再キャリブレーション処理について説明するための図。 再キャリブレーション処理を説明するためのフローチャート。
以下、この発明を実施するための形態を図面を参照して例示的に説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている各部材の寸法、材質、形状、その相対配置など、各種制御の手順、制御パラメータ、目標値などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施形態>
(造形システムの構成)
図1を参照して、本発明の実施形態に係る造形システムの構成を説明する。図1は、実施形態に係る造形システムの構成を模式的に示す図である。
造形システムは、積層造形法を用いた製造方法で多数の薄膜を積層することによって立体造形物を作製するシステムである。このシステムは、AM(Additive Manufacturing)システム、3Dプリンタ、RP(Rapid Prototyping)システムなどとも呼ばれる。
本実施形態の造形システムは、概略、材料層形成ユニット(材料層形成部)100、造形ユニット200、及び、制御ユニット60を有する。材料層形成ユニット100は、各層のスライスデータに基づき、造形材料からなる材料層を形成する構成部分である。
材料層形成ユニット100は、画像生成コントローラ10、レーザスキャナ(露光装置)20、プロセスカートリッジ30、転写ローラ41などで構成される。造形ユニット200は、材料層形成ユニット100で形成された複数層の画像を順に積層し固着することによって、3次元構造をもつ立体造形物を形成する構成部分である。造形ユニット200は、造形コントローラ、転写体42、ヒータローラ43、ステージ52、ステージガイド53、複数のモータ111〜114、複数のセンサ44,45,54,55などで構成される。制御ユニット60は、造形対象物の3次元モデル(三次元モデル)データから複数層のスライスデータ(断面データ)を生成する処理等のデータ処理、立体造形装置の各部の制御、などを担う構成部分である。
(制御ユニット)
制御ユニット60は、造形対象物の3次元モデルデータから造形用のスライスデータを生成するスライスデータ生成部、各層のスライスデータを画像生成コントローラ10への出力や、造形工程の管理など各部の動作を制御する制御部を有する。制御ユニット60は、例えばパーソナルコンピュータや組み込み型コンピュータにこれらの機能を有するプログラムを実装することにより構成することができる。3次元モデルのデータとしては、3次元CAD、3次元モデラー、3次元スキャナなどで作成されたデータを用いることができる。3次元モデルのデータのフォーマットは問わないが、例えば、STL(StereoLithography)などのポリゴンデータを好ましく用いることができる。またスライスデータのフォーマットとしては、例えば、多値の画像データ(各値が材料の種類を表す)やマルチプレーンの画像データ(各プレーンが材料の種類に対応する)を用いることができる。
(材料層形成ユニット)
画像生成コントローラ10は、制御ユニット60から入力されるスライスデータと制御信号及び造形コントローラ70から入力される制御信号などに基づき、材料層形成ユニッ
ト100における材料層形成プロセスを制御する機能を有する。具体的には、画像生成コントローラ10は、スライスデータの解像度変換や復号処理、レーザスキャナ20による画像書き出し位置及びタイミングの制御などを行う。その他にも、画像生成コントローラ10は、一般的なレーザプリンタ(2Dプリンタ)に内蔵されるプリンタコントローラと同じような機能を有していてもよい。
材料層形成ユニット100は、例えば、電子写真プロセスを利用して造形材料からなる1層分の材料層を形成するユニットである。電子写真プロセスとは、感光体を帯電し、露光によって潜像を形成し、現像剤粒子を潜像に付着させて画像を形成するという一連のプロセスによって、所望の画像を形成する手法である。造形システムでは、トナーの代わりに、造形材料からなる粒子を現像剤として用いるが、電子写真プロセスの基本原理は2Dプリンタのものとほぼ同じである。以下、材料層形成ユニット100が電子写真プロセスを利用する例について説明するが、本発明は、インクジェットプロセスなどの他の方法を利用する場合にも適用することができる。
感光ドラム34は、有機感光体やアモルファスシリコン感光体などの感光体層を有する像担持体である。一次帯電ローラ33は、感光ドラム34の感光体層を一様に帯電するための帯電装置である。レーザスキャナ20は、画像生成コントローラ10から与えられる画像信号にしたがい、レーザ光で感光ドラム34上をスキャンし、潜像を描画する露光装置である。造形材料供給部31は現像剤としての造形材料を収容・供給する装置である。現像ローラ32は、感光ドラム34上の静電潜像に造形材料を供給する現像装置である。転写ローラ41は、感光ドラム34上に形成された造形材料の画像を転写体(搬送体)42に転写する転写装置である。図示しないが、感光ドラム34と転写ローラ41のあいだの転写ニップの下流に、感光ドラム34の表面をクリーニングするためのクリーニング装置を設けてもよい。本実施形態では、感光ドラム34、一次帯電ローラ33、造形材料供給部31、現像ローラ32が、プロセスカートリッジ30として一体化されて造形システムのシステム本体に対して着脱可能に構成され、交換が容易になっている。
造形材料としては、作製する造形物の用途・機能・目的などに応じてさまざまな材料を選択することができる。本明細書では、造形物本体を構成する材料を「構造材料」と呼び、構造材料で構成される部分を「構造体」と呼ぶ。造形動作時に造形途中の構造体を支持するための構造を「サポート体」(例えばオーバーハング部を下から支える柱)と呼び、サポート体を構成する材料を「サポート材料」と呼ぶ。また両者を特に区別する必要がない場合には、単に「造形材料」という用語を用いる。構造材料としては、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、ABS、PS(ポリスチレン)など、熱可塑性の樹脂を用いることができる。また、サポート材料としては、造形物本体からの除去を簡単にするため、熱可塑性と水溶性を有する材料を好ましく用いることができる。ザポート体用の材料としては、例えば、糖質、ポリ乳酸(PLA)、PVA(ポリビニルアルコール)、PEG(ポリエチレングリコール)などを例示できる。
(造形ユニット)
造形コントローラ70は、造形装置のメカトロ制御を行う機能を有している。駆動系は、転写ローラ41を回転する転写ローラモータ111、ステージ52の3軸移動を行うステージ駆動Xモータ112,ステージ駆動Yモータ113,及びステージ駆動Zモータ114を含む。センシング系は、オンラインレジストレーションで利用される材料先端検知センサ44、オフラインキャリブレーションで利用される材料先端検知センサ45、材料左先端センサ54、材料右先端センサ55を含む。なお、これらのセンサの役割とオンラインレジストレーション及びオフラインキャリブレーションの詳細については後述する。
図2に、造形コントローラ70の回路ブロックの一例を示す。造形コントローラ70は、CPU71、メモリ72、インタフェース73、UI手段74、モータ駆動回路75、
モータドライバ76、センサ回路77、センサインタフェース78、その他のIO回路79、ヒータ回路80、IOインタフェース81を有する。モータドライバ76には、転写ローラモータ111、ステージ駆動Xモータ112、ステージ駆動Yモータ113、及びステージ駆動Zモータ114が接続される。センサインタフェース78には、材料先端検知センサ44、材料先端検知センサ45、材料左先端センサ54、材料右先端センサ55が接続される。ヒータ回路80には、ヒータローラ43内のヒータ及び熱電対が接続される。IO(入出力)インタフェース81には、図示しないが、立体造形装置のカバーオープン検知スイッチ、ステージ52のホームポジションセンサなどが接続される。
転写体42は、材料層形成ユニット100で形成された材料層を担持し、ステージ52(積層ニップ)まで搬送する搬送部材である。転写体42は、例えば、樹脂、ポリイミドなどの無端ベルトで構成される。ヒータローラ43は、ヒータを内蔵しており、転写体42上の材料層を溶融し、ステージ52上の造形物上に積層(定着)する加熱積層装置である。ステージ52は、造形時に造形物を保持する部材であり、ステージガイド53によりXYZの3軸方向に移動可能である。
(造形システムの動作)
次に、造形システムによる造形物作製の基本動作について説明する。
制御ユニット60は、スライスデータ生成部にて造形に用いるスライスデータを生成する。例えば、造形対象物の3次元モデルデータを所定のピッチ(例えば数ミクロンから十数ミクロンの厚さ)でスライスして各層のスライス像を生成する。そして、各層のスライス像にレジストレーションマーカおよびマーカサポート体のスライス画像(後で詳細に説明する)を付加して各層のスライスデータを生成する。各層のスライス像の生成は必ずしも制御ユニット60で行う必要はなく、制御ユニット60の外で生成したスライス像を、レジストレーションマーカおよびマーカサポート体のスライス像を付加してスライスデータを生成しても良い。つまり、スライスデータ生成部は、造形システム専用のものでなくてもよく、スライスデータを生成して造形システムに送ることのできるものであれば、インターネットを介して接続される外部装置を利用してもよい。最下層のスライスデータから順に画像生成コントローラ10に入力される。画像生成コントローラ10は、入力されたスライスデータにしたがって、レーザスキャナ20のレーザ発光及びスキャンを制御する。
材料層形成ユニット100では、一次帯電ローラ33によって感光ドラム34の表面が均一に帯電される。レーザスキャナ20からのレーザ光により感光ドラム34の表面が露光されると、その露光部分が除電され潜像が生成される。現像バイアスで帯電された造形材料が現像ローラ32によって除電部分に供給され、潜像に応じて造形材料が感光ドラム34の表面に配置される。この画像は、転写ローラ41により転写体42上に転写される。以下、転写体42に転写された造形材料からなる層を材料層と呼ぶ。複数種類の造形材料を用いる場合、材料層形成ユニット100には材料の種類に応じた数のプロセスカートリッジが設けられる。スライスデータに応じて、各プロセスカートリッジでは材料ごとの潜像が生成されて造形材料が配置され、これらを転写体42の上で合わせることにより1スライス分の材料層が形成される。
転写体42は材料層を担持しつつ回転し、材料層を積層位置へと搬送する。一方、造形コントローラ70は、ステージ52(又はステージ52上の造形物)が材料層と同じタイミング且つ同じ速度で積層位置へと進入するように、ステージ52を制御する。そして、ステージ52と転写体42を同期して移動させつつ、ヒータローラ43により熱を与えることで、材料層がステージ52上(又はステージ52上の造形物の上面)に熱溶着される。材料層が積層されるたび、造形コントローラ70はステージ52をZ方向に一層の厚み分だけ下降させ、次の層の積層に備える。
以上の材料層を形成する材料層形成工程及び材料層を積層する造形工程(造形動作)のセットをスライスデータの枚数に応じて複数回繰り返すことで、ステージ52上に造形物が形成される。
なお、本明細書では、造形システムで作製しようとする目的物(つまり造形システムに与えられる3次元モデルデータが表す物体)を「造形対象物」と呼び、造形システムで作製された(出力された)物体を「造形物」と呼ぶ。また、造形物がサポート体を含む場合において、サポート体を除いた部分を特に区別して呼ぶ場合には「構造体」の用語を用いる。また、造形対象物の3次元モデルデータをスライスして得られる1スライス分のデータを含むデータを1層分の「スライスデータ」と呼ぶ。スライスデータに基づき材料層形成ユニットで形成される、造形材料からなる1層分の画像を「材料層」と呼ぶ。
(造形の課題)
本実施形態のように、多数の材料層を積層して造形物を形成するタイプ(積層型)の造形システムでは、材料層の形状精度と積層時の位置精度の2つが、最終造形物の品質を左右する。例えば、露光のスキャン精度、感光ドラムや転写ローラの寸法精度などに起因して、材料層に歪みが生じることがあり、特に、造形物の造形途中(積層途中)で造形動作が中断された後の造形動作の再開時に、材料層に歪みが生ずることがある。このような画像歪みが累積すると、造形物の寸法や形状に無視できない影響が表れる。これは、3桁以上の枚数の材料層を重ねて造形物を作る造形システムに特有の課題といえる。
そこで、本実施形態では、各層の材料層の形状精度を担保するために、材料層形成ユニット100で発生する画像歪みに関する情報を取得し(キャリブレーションと呼ぶ)、材料層形成時には各層のスライスデータに対し画像歪み補正を施す。材料層形成ユニットで発生する画像歪みに関する情報を取得するキャリブレーションとして本実施形態では造形物の形成に先立ち行う(オフラインキャリブレーションと呼ぶ)と共に、造形物の造形途中においても行うことを特徴とする。例えば、造形物の造形途中で造形動作が中断された際の造形動作の再開時や長時間造形を行う場合、複数回行われる材料層形成工程と造形工程のセットの間に、キャリブレーション工程を挿入し、材料層形成時には各層のスライスデータに対し画像歪み補正を施す補正処理を再キャリブレーション処理と呼ぶ。
また、本実施形態では、積層時の位置精度を担保するために、各層の材料層の転写体上の位置を計測し、積層時に材料層とステージ上の造形物のあいだの位置合わせを行う(オンラインレジストレーションと呼ぶ)。これは、各層の材料層を造形物上に積層する際に位置のばらつきがあると、得られる造形物の側面が凹凸になり、滑らかな表面を得ることができないという課題に対する処理である。
以下、オフラインキャリブレーション、画像歪み補正、オンラインレジストレーション、及び再キャリブレーション処理の詳細を説明する。
(オフラインキャリブレーション)
造形物の生成前に行われるオフラインキャリブレーションについて説明する。オフラインキャリブレーションでは、前述した材料層形成及び造形と同じ手順で、キャリブレーションマーカをステージ52上に形成し、そのマーカの位置ずれから画像歪みに関する情報(画像歪み情報)を取得する。なお、オフラインキャリブレーションは、造形物の生成前だけでなく、材料層形成工程と造形工程のセットの繰り返しの合間に挿入することもできる。
以下の説明では、画像生成コントローラ10に与えられるキャリブレーションマーカ用の画像データを「キャリブレーションマーカデータ」と呼ぶ。キャリブレーションマーカデータは、例えば制御ユニット60のメモリ内に記憶されており、オフラインキャリブレ
ーションの際に読み出される。また、キャリブレーションマーカデータに基づき形成された造形材料からなる画像を「キャリブレーションマーカ」又は単に「マーカ」と呼ぶ。さらに、感光ドラム34から転写体42に転写されたマーカ(つまり転写体42上のマーカ)を「キャリブレーション転写マーカ」と呼び、ステージ52上に転写されたマーカを「キャリブレーション積層マーカ」と呼ぶ。場所によってマーカの呼称を変える理由は、マーカが転移していく過程において画像歪みが変化し得ること、及び、場所ごとに異なるセンサを用いてマーカを検出すること等から、マーカがどこにあるかを説明の便宜上区別するほうが好ましいからである。なお、場所を特に区別する必要のない文脈では「キャリブレーションマーカ」又は「マーカ」の用語を用いる。
図3Aは、本実施形態で用いるキャリブレーションマーカ(画像歪みの無い状態)の一例を示す。点線で示した四角形の領域203は、横200mm、縦300mmの画像を形成可能な範囲(画像エリア)を表している。この画像エリア203の大きさは、ステージ52上の造形エリア(造形が可能な最大領域)の大きさに等しい。画像エリア203の四隅に、先左端キャリブレーションマーカAFL、先右端キャリブレーションマーカAFR、後左端キャリブレーションマーカARL、後右端キャリブレーションマーカARRがある。各マーカAFL,AFR,ARL,ARRは、5mm角の正方形画像であり、画像エリア203の四隅の10mm角の領域の中心に生成される。
図3Bは、ステージ52上に転写されたキャリブレーション積層マーカの一例を示す。材料層形成及び/又は造形の過程で発生した画像歪みにより、画像エリア204、四隅のマーカAFL,AFR,ARL,ARRの位置及び、マーカ間の相対位置が変化している様子を示している。
図3Cは、ステージ、キャリブレーション積層マーカ、センサの構成を示す模式図である。ステージ52には、センサの検出基準となる原点O1と原点O2が記されている。原点O1,O2は寸法基準となるもので、高い位置精度が要求される。よってレーザマーキングのような高精度印字か、高精度NC加工による穴開けにより、原点O1,O2を作成することが望ましい。センサの検出精度にも影響を与えるため、本実施形態で用いるような光学センサの場合には、原点とその周囲の間のコントラストが最大となる印字手法または加工手法が望ましい。ここではレーザマーキングにより原点O1,O2を作成する。
ステージ52の上方には、原点O1に対応するY位置に材料左先端センサ54が配置され、原点O2に対応するY位置に材料右先端センサ55が配置されている。材料左先端センサ54は、先左端キャリブレーションマーカAFLと後左端キャリブレーションマーカARLの位置を検出するためのセンサである。材料右先端センサ55は、先右端キャリブレーションマーカAFRと後右端キャリブレーションマーカARRの位置を検出するためのセンサである。図3Cに示すベクトルVFL,VFR,VRL,VRRはそれぞれ、画像歪みがない状態でのマーカAFL,AFR,ARL,ARRの位置に対する、AFL,AFR,ARL,ARRの変位(変形ベクトル)を表している。本実施形態のオフラインキャリブレーションは、キャリブレーションマーカを実際にステージ52上に形成し、材料層形成や造形によって生じる変形ベクトルVFL,VFR,VRL,VRRを実測する処理である。
通常、四隅のマーカの変形ベクトルは同一方向のベクトルとはならない。転写体42の歪みや各ローラ軸のアライメントずれなどの影響で、造形エリア内の位置ごとに変位の方向や程度が相違するからである。したがって、キャリブレーションマーカとしては、造形エリア内の複数点について変形ベクトルを取得できるものであればよい。例えば、ステージ上の造形エリア内の離れた位置に少なくとも2つ以上のマーカを配置し、それぞれの位置における変形ベクトルを検出(計測)するとよく、望ましくは、本実施形態のように矩
形の造形エリア内の四隅にマーカを配置するとよい。キャリブレーションマーカは複数のマーカで構成されるものには限定はされず、AFL,AFR,ARL,ARRを繋いだ枠状の材料層をキャリブレーションマーカとして形成し、枠の角部で変形ベクトルを計測してもよい。これにより、造形エリア内の各マーカ位置に生じる変位を把握することができる。なお、転写体42として硬質のベルト材を用いることにより、造形エリア内の各位置で生じる変位は比較的線形となる。このため、四隅のマーカ以外の位置での変形ベクトルは、四隅のマーカから得られる変形ベクトルをマーカ位置間で線形補間することにより求めることができる。もし転写体42の撓みが部分的に周期を有していたり不連続性が有る場合は、キャリブレーションマーカの数を増やしてもよい。例えば、造形エリアの四辺に沿って複数のマーカを配列することが望ましい。
図4及び図5Aを用いて、オフラインキャリブレーションの詳細を説明する。図4は、オフラインキャリブレーションに関わる機能を示すブロック図であり、図5Aは、オフラインキャリブレーションの処理フローである。
図4に示すように、制御ユニット60は、オフラインキャリブレーションに関わる機能として、キャリブレーションマーカ生成部65を有する。また造形コントローラ70は、オフラインキャリブレーションに関わる機能として、キャリブレーション積層マーカ位置検出部(マーカ検出部)201と画像歪取得部202を有する。キャリブレーション積層マーカ位置検出部201は、材料左先端センサ54と材料右先端センサ55のセンシング結果に基づき、各マーカAFL,AFR,ARL,ARRの位置を検出する機能である。画像歪取得部202は、各マーカの変形ベクトルVFL,VFR,VRL,VRRを求める機能である。
図5Aのフローチャートに沿って、造形コントローラ70によるオフラインキャリブレーションの流れを説明する。
ステップ301では、造形コントローラ70が、ステージ駆動Xモータ112とステージ駆動Yモータ113を制御してステージ52のXY位置を変化させながら、材料左先端センサ54の出力を監視する。造形コントローラ70は、原点O1を検出すると、そのときのステージ52のXY位置をX=0,Y=0として記憶する。ステップ302では、同じように、造形コントローラ70はステージ52のXY位置を変化させながら、材料右先端センサ55の出力を監視する。ステップ303では、造形コントローラ70は、原点O2を検出したときのステージ52のXY位置と原点O1を検出したときのステージ52のXY位置との差を、X=dx、Y=dyとして記憶する。この(dx,dy)は、材料左先端センサ54と材料右先端センサ55の取り付け誤差を表す誤差オフセット量である。なお、2つのセンサ54,55の取り付け誤差を無視できる場合(つまりdx=dy=0とみなせる場合)には、ステップ302と303の処理は省略してもよい。
ステップ304では、制御ユニット60のキャリブレーションマーカ生成部65がキャリブレーションマーカデータを画像生成コントローラ10に出力する。このことで、材料層形成ユニット100及び造形ユニット200にキャリブレーション積層マーカの生成処理を行わせる。具体的には、材料層形成ユニット100は、キャリブレーションマーカデータに基づき、造形物の材料層を形成するのと同じプロセスで、感光ドラム34上に造形材料からなるキャリブレーションマーカを形成する。このマーカは感光ドラム34から転写体42上に転写され、キャリブレーション転写マーカとして造形ユニット200へ搬送される。材料先端検知センサ45によってキャリブレーション転写マーカの先端が検知されると、造形コントローラ70は、ステージ52がキャリブレーション転写マーカと同じタイミングで積層位置へと進入するよう、ステージ52を制御する。そして、ヒータローラ43によりキャリブレーション転写マーカがステージ52上に転写され、キャリブレーション積層マーカが得られる。キャリブレーション積層マーカAFL,AFR,ARL,
ARRには、図3Bに示すように、材料層形成工程から造形工程までのプロセス、具体的には露光、現像、転写、積層といった一連のプロセスの中で発生した画像歪みの情報が含まれている。
ステップ305では、造形コントローラ70が、ステージ駆動Xモータ112とステージ駆動Yモータ113を制御してステージ52のXY位置を変化させながら、材料左先端センサ54及び材料右先端センサ55の出力を監視する。材料左先端センサ54で検出されたマーカAFLのXY位置、及び、材料右先端センサ55で検出されたマーカAFRのXY位置は、キャリブレーション積層マーカ位置検出部201に記憶される。ステップ306では、造形コントローラ70が、ステージ駆動Xモータ112を制御し、ステージ52を後端のキャリブレーション積層マーカARL,ARRの位置まで移動させる。ステップ307では、造形コントローラ70が、ステージ駆動Xモータ112とステージ駆動Yモータ113を制御してステージ52のXY位置を変化させながら、材料左先端センサ54及び材料右先端センサ55の出力を監視する。材料左先端センサ54で検出されたマーカARLのXY位置、及び、材料右先端センサ55で検出されたマーカARRのXY位置は、キャリブレーション積層マーカ位置検出部201に記憶される。
ステップ308では、画像歪取得部202が、原点O1のXY位置に基づき、画像歪みが無い場合の各マーカAFL,AFR,ARL,ARRのXY位置(これを正規位置と呼ぶ)を計算する。そして、画像歪取得部202は、各マーカの正規位置と、ステップ305及び307で検出された各マーカの検出位置との差に基づいて、各マーカの変位量と変位の向きを表す変形ベクトルVFL,VFR,VRL,VRRを計算する。2つのセンサ54と55の間に誤差オフセット量(dx,dy)がある場合は、変形ベクトルVFR,VRRを計算する際に誤差オフセット量(dx,dy)を考慮する。
ステップ309では、造形コントローラ70が、各マークの変形ベクトルを、材料層形成ユニット100で形成されステージ上に積層されるまでの間に材料層に生じる画像歪みに関する画像歪情報として、制御ユニット60に送信する。
(画像歪み補正)
次に、図4及び図5Bを参照して、オフラインキャリブレーションによって予め取得された画像歪情報に基づき、材料層の形成時に実行される画像歪み補正について説明する。
図4に示すように、制御ユニット60は、スライスデータの生成及び画像歪み補正に関わる機能として、3Dデータスライサ61、データ付加部62、画像歪補正部63、プリンタドライバ64を有する。以下、図5Bのフローチャートに沿って、材料層形成時の制御ユニット60の動作を説明する。
ステップ311では、造形コントローラ70から画像歪情報が取得される。ステップ312では、画像歪補正部63が、画像歪情報として得られた四隅のマーカの変形ベクトルから逆ベクトルを算出し、それらを線形補間することによって画素ごとの補正パラメータを算出する。補正パラメータは、例えば、補正前の画像における画素座標と補正後の画像における画素座標の対応を示す情報である。
ステップ313では、造形対象物の3次元モデルのデータが読み込まれる。ステップ314では、3Dデータスライサ61が3次元モデルデータに基づき、当該造形対象物の3次元モデルを所定のピッチ(例えば数ミクロンから十数ミクロンの厚さ)でスライスして各層のスライス画像を生成する。ステップ315では、データ付加部62が、各層のスライス画像に対しレジストレーションマーカを付加し、スライスデータを生成する。レジストレーションマーカの詳細については後述する。ステップ314〜315に変えて、データ付加部62が読み込んだ3次元モデルのデータにレジストレーションマーカの積層体を
付加した後、3Dデータスライサ61がスライスすることにより、各層のスライスデータを生成してもよい。また、後述する再キャリブレーション処理においては、各層のスライスデータに対し、造形物の造形途中でキャリブレーションマーカを積層する際の土台となる積層部分をマーカエリア内に形成するためのデータを付加する。
ステップ316では、画像歪補正部63が、ステップ312で求めた補正パラメータを用いて、スライスデータの歪み補正を行う。ここでの歪み補正は、材料層形成から造形までの過程で発生する画像歪みが低減ないしキャンセルされるように、逆方向の歪みをスライス画像に与える処理となる。なお、3Dデータスライサ61によるスライス後のデータに歪み補正を行う以外に、スライス前の3次元モデルのデータに対して歪み補正を行うことにより、スライスデータの歪み補正を行うもできる。ステップ317では、プリンタドライバ64が、補正後のスライスデータを画像生成コントローラ10に送信する。
以上のように、オフラインキャリブレーションによって得られた画像歪情報に基づきスライスデータを補正することで、ステージ52上に積層したときに画像歪みの無い又は小さい材料層を形成することができ、造形物の寸法精度を向上することができる。
図6A〜図6Cを用いて、画像歪み補正の概念を説明する。図6A〜図6Cでは、説明を簡略化するため、画像の上端辺の画素の補正についてのみ示す(実際の補正では、画像中のすべての画素について同様の補正が行われる)。
図6Aの破線はステージ52上の造形エリアを示し、造形エリアの左右の白四角AFLO,AFROは画像歪みが無い状態でのキャリブレーション積層マーカの正規位置を示している。また、黒四角AFL,AFRは、オフラインキャリブレーションのときに実際にキャリブレーション積層マーカが積層された位置を示している。VFL及びVFRは、それぞれ、マーカAFL及びAFRの変形ベクトルを示す。図6Aの例では、画像が左右に伸び、画像の左側は正規位置より前進し、右側は正規位置より後退していることがわかる。
図6Bは画像歪み補正の概念を模式的に示している。破線はステージ52上の造形エリアを示し、実線は補正後のスライス画像の領域を仮想的に示している。画像の左上端においては、変形ベクトルVFLの逆ベクトル−VFLだけ画素を移動させる。また画像の右上端においては、変形ベクトルVFRの逆ベクトル−VFRだけ画素を移動させる。左上端と右上端のあいだの位置では、逆ベクトル−VFLと−VFRの線形補間により、画素の移動及び間引きを行う。なお、造形に用いるスライス画像は二値画像(材料粒子の有り無し)であるため、各画素は中間階調をもつことができない。したがって、画像歪みの補正(画素の移動)は画素単位となり、補正後の画像のエッジは図6Bのように階段状になる。画素間引きについても、図6Bのように2つの画素の移動先が同じ画素になった場合に、いずれか一方の画素を削除するという単純間引きとなる。
図6Cは、図6Bの実線で示した補正後のスライスデータを用いて材料層形成及び造形を行った場合にステージ52上に形成される画像を示している。キャリブレーション積層マーカAFL,AFRは正規位置に積層され先端は傾きが無い直線となる。これにより、画像歪みの無い積層が実現できる。ここでは厳密には表現されていないが画像の上端エッジは階段状になっており部分的には画素が傾斜している。画素数が少なく実際の升目(一画素)は若干伸びて横幅は正規幅となっている。一画素50ミクロンの粒子であれば1%の伸縮では0.5ミクロンの伸縮となるが全体の画像レベルでは見た目では判断できない差分である。
(オンラインレジストレーション)
次に、材料層の積層時に行われるオンラインレジストレーションについて説明する。オンラインレジストレーションでは、材料層にレジストレーションマーカを挿入し、そのマーカの検出位置に基づき積層時の位置合わせを行う。
以下の説明では、画像生成コントローラ10に与えられるレジストレーションマーカ用の画像データを「レジストレーションマーカデータ」と呼ぶ。また、レジストレーションマーカデータに基づき形成された造形材料からなる画像を「レジストレーションマーカ」又は単に「マーカ」と呼ぶ。さらに、感光ドラム34から転写体42に転写されたマーカ(つまり転写体42上のマーカ)を「レジストレーション転写マーカ」と呼び、ステージ52上に転写されたマーカを「レジストレーション積層マーカ」と呼ぶ。場所によってマーカの呼称を変える理由は、マーカが転移していく過程において画像歪みが変化し得ること、及び、場所ごとに異なるセンサを用いてマーカを検出すること等から、マーカがどこにあるかを説明の便宜上区別するほうが好ましいからである。なお、場所を特に区別する必要のない文脈では「レジストレーションマーカ」又は「マーカ」の用語を用いる。
図4に示すように、造形コントローラ70は、オンラインレジストレーションに関わる機能として、レジストレーション転写マーカ位置検出部211、位置取得部212、積層位置調整部213を有する。
図5Bのステップ315で説明したように、各層のスライスデータには位置合わせ用のレジストレーションマーカの画像が埋め込まれる。本実施形態では、図7に示すように、造形エリア内の所定位置(造形物断面と重ならない位置)に直角三角形のレジストレーションマーカAFが形成されるようにする。
レジストレーション転写マーカ位置検出部211は、材料先端検知センサ44を用いて、転写体42上のレジストレーション転写マーカAFを検出する。そして、位置取得部212が、レジストレーション転写マーカAFの検出結果から、材料層のX方向位置(先端位置)とY方向の位置ずれ量を取得する。ここで、X方向とは転写体42の進行方向であり、Y方向は転写体42の幅方向(進行方向に直交する方向)である。積層位置調整部213は、材料層のX方向位置を基に、ステージ駆動Xモータ112の駆動開始タイミングを制御し、ステージ52上の造形物と転写体42上の材料層の先端合わせを行う。また積層位置調整部213は、材料層のY方向の位置ずれ量を基に、ステージ駆動Yモータ113を制御し、ステージ52上の造形物と転写体42上の材料層の左端の位置合わせを行う。これにより、造形物と材料層のXY面内での積層ばらつきがオンラインで解消され、高品質な造形が可能となる。
図7は、転写体上のレジストレーション転写マーカ検出の概念図である。レジストレーション転写マーカAFは転写体42上の造形エリア先端部の所定位置(造形物断面に重ならない位置)に形成される。本実施形態のレジストレーション転写マーカAFは、転写体42の進行方向(X方向)に対し直交する第1エッジと、X方向に対し斜めの第2エッジを有する、直角三角形状の図形である。
直角三角形の斜辺の変化量を式にあらわすと、
Y=1−aX
となる。ここで、aは斜辺の傾きであり、三角形の一辺の長さは1である。
ズレなく転写された場合のレジストレーション転写マーカAFの左端の辺をY=0とし、Y=0.5を正規位置とすると、ずれ量ΔYは、
ΔY=Y−0.5=(1−aX)−0.5=0.5−aX
と表すことができる。
斜辺の角度が45°であればa=1であり、
X=0.5のときに ΔY=0
X=0のときに ΔY=0.5
X=1のときに ΔY=−0.5となる。0<X<1の範囲とする。
材料先端検知センサ44により、レジストレーション転写マーカAFの第1エッジと第2エッジを検出する。L1は、転写体42上のレジストレーション転写マーカAFが正規位置を通過した場合の材料先端検知センサ44の検出ラインである。つまり、材料先端検知センサ44がラインL1を通過する状態が基準(ずれ量ΔY=0)となる。ラインL1を通過したときの材料先端検知センサ44の出力信号をS1に示す。レジストレーション転写マーカAFの第1エッジを検出すると信号はローレベルからハイレベルに変化する。第2エッジL2を検出すると信号はハイレベルからローレベルに変化する。
ここで仮に転写体42が基準からΔYだけ左にシフトした場合、材料先端検知センサ44はラインL3を通過することになる。ラインL3を通過したときの材料先端検知センサ44の出力信号をS3に示す。レジストレーション転写マーカAFの第1エッジを検出すると信号はローレベルからハイレベルに変化する。第2エッジL4を検出すると信号はハイレベルからローレベルに変化する。
したがって、材料先端検知センサ44の出力信号S3の立ち上がりのタイミングによってX方向位置(先端位置)がわかる。また、出力信号S3のハイレベルの期間(第1エッジの検出タイミングと第2エッジの検出タイミングの差)と式Y=1−aXから、レジストレーション転写マーカの、正規位置に対するY方向の位置ずれ量ΔYを求めることができる。このように1つのレジストレーション転写マーカ及び1つの材料先端検知センサ44により、X、Yの2方向の位置の検出が可能となる。これは構成及び処理が簡易化されるというコストメリットと、2方向の位置合わせを高速に行うことができるというメリットがある。積層時は転写体42及びステージ52が高速に移動するために、本実施形態のような構成が有効である。ただし、Y方向の位置ずれが無視できるほど小さい場合は、X方向の位置さえ検出できればよく、例えば、Y方向に平行な二辺とX方向に平行な二辺とを有する四角形のマーカを用いることができる。
以上述べた構成によれば、オフラインキャリブレーション及び画像歪み補正を行うことにより、材料層形成から造形までの過程で発生する画像のXY面内歪みを可及的に抑えることができる。また、オンラインレジストレーションを行うことにより、積層時の位置ずれを可及的に抑えることができる。したがって、形状精度及び寸法精度の高い、高品質な造形物を形成することが可能となる。
これまでの説明では、説明の便宜上、プロセスカートリッジが1つの場合について示したが、本実施形態では、複数のプロセスカートリッジが設けられている。この構成は、例えば、複数のカートリッジのうち1つのカートリッジにサポート材料を入れることで、造形物本体とは異なる材料(例えば除去性の高い材料)からなるサポート体を有する造形物を簡単に作製する目的に使用できる。この場合、制御部では、造形対象物のスライスデータにサポート材料の情報に関するデータが付加され、造形用のスライスデータが生成される。あるいは、複数のカートリッジのうち2つのカートリッジに同じ材料を入れておき、1つのプロセスカートリッジで材料層形成を行い、材料が空になると自動的に他方のプロセスカートリッジに切り替えて材料層形成を続行する、という目的にも使用できる。あるいは、複数のカートリッジに色や物性がそれぞれ異なる材料を入れておき、カラフルな造形物や、複数種の材料が混ざった造形物を作る目的にも使用できる。
ここで、図8A及び図8Bを用いて、本実施形態における画像エリアの定義を行う。以下に説明する形態では、2つのプロセスカートリッジを有する形態とし、2種類の造形材料を用いるものとする。造形材料としては、構造材料とサポート材料を用いるものとする。
ここでは造形対象物51として、両端に鍔のついた円筒形状の造形物を例にして説明する。図8Aは、円筒形状の造形対象物51の側面図を示す図である。図8Bは、ステージ52上に形成された造形対象物51、キャリブレーションマーカAFL,AFR,ARL,ARR、レジストレーションマーカAFをステージ52の上方から見た図であり、造形対象物51においては、図8AのZ1−Z2断面を示している。
図8Bにおいては、構造体をSLで示し、積層時に鍔の下を支持するサポート体をSPで示している。また図8Bにおいて、キャリブレーションマーカAFL,AFR,ARL,ARRをそれぞれ取り囲む破線部内領域をマーカエリアMAとする。マーカエリアMAには、造形途中でキャリブレーションマーカを積層するためのマーカサポート体MSが形成される。この点については後述するが、マーカエリアMAにマーカサポート体MSが形成される場合には、図8Bにおいて画像エリア203のうち、マーカエリアMAを除いた領域が、造形物の造形が可能な領域となる。
図9は、2つのプロセスカートリッジを有する造形システムの構成を示す図である。図9の例では、感光ドラム34A、転写ローラ41Aを有する第1のカートリッジ30Aと、感光ドラム34B、転写ローラ41Bを有する第2のカートリッジ30Bが設けられている。そして、カートリッジ30Aには構造材料、カートリッジ30Bにはサポート材料がそれぞれの造形材料供給部31(収容部)に収容されている。図9のように、2種類の造形材料を用いて造形を行う場合は、感光ドラム34Aで形成された構造材料からなる層と、感光ドラム34Bで形成されたサポート材料からなる層とを転写体上で合わせてできる層が、1回の積層に用いられる材料層となる。
(再キャリブレーション処理)
以下、本実施形態の特徴である再キャリブレーション処理について説明する。図9に示すような造形システムとして2カートリッジ及び2材料の構成とし、図4に示すように、造形コントローラ70は、残量検出センサ(残量検出部)35A,35Bのセンシング結果に基づき、造形物の造形動作を中断する機能を有する中断部214を有する。
造形物の造形動作の途中で、カートリッジ30A内の構造材料が無くなり、造形動作が中断される場合がある。このような場合には、残量検出センサ35Aが、造形材料供給部31A内の造形材料の残量が閾値未満であることを検知し、材料無し検出信号を造形コントローラ70に送出する。すると、カートリッジ30A内の造形材料が無くなったこと、またはカートリッジ30Aの交換が必要である旨の表示が図2のUI手段74に表示される。ユーザは、その表示により材料が無いことを認識し、カートリッジ30Aの交換を行う。
カートリッジ30Aが交換され、残量検出センサ35Aにより、造形材料供給部31A内の造形材料の残量が閾値以上となったことが検出されると、造形物の造形動作の中断が解除され、造形物の造形動作が再開される。
本実施形態では、このように造形動作の中断後に再開される場合においても、上述した、オフラインキャリブレーション及び画像歪み補正と同様の処理である再キャリブレーション処理を実施することを特徴とする。
図10A〜図12Bは、造形途中に造形材料が無くなりカートリッジを交換した後の再キャリブレーション処理について説明するための図である。なお、図10A〜図12Bに示すキャリブレーションマーカにおいては、説明の便宜上、先端部分のキャリブレーションマーカのみを示すこととする。
図10Aは、造形途中のN層目を積層完了した時点でカートリッジ30Aの造形材料が無くなり、造形コントローラ70が、残量検出センサ35Aにより材料無しを検出し積層動作を停止した状態を示している。
図10Aに示すように、造形エリア内の左端には、三角形のレジストレーションマーカAFが転写体からそのまま造形物として連続積層され、N層目のレジストレーションマーカAF(N)が表面(上面)に位置している。
また、造形動作の再開後に実行される再キャリブレーション処理時に、キャリブレーションマーカを積層する際の土台となるマーカサポート体MSも造形物として形成されている。このマーカサポート体MSは、材料層の一部であるキャリブレーションサポート画像が造形物の一部として連続積層されることで形成される。また、マーカサポート体MSは、図1の制御ユニット60で各層のスライスデータが生成される時に、図4のデータ付加部(マーカエリア付加部)62によってデータが付加されることで形成されるものである。そのデータは、造形物の造形途中でキャリブレーションマーカを積層する際の土台となる積層部分をマーカエリアに形成するためのデータである。
その後、ユーザによりカートリッジ30Aの交換が行われることで、造形動作が再開可能となる。
造形コントローラ70は、カートリッジ30Aが交換され、カートリッジ30A内の造形材料が残量検出センサ35Aにより材料有りと検出されたと判断すると、ステージ上の造形物の造形動作を再開する。このときに、再キャリブレーション処理が制御部により行われる。
また、長時間の造形により、画像形成ユニット100で形成されステージ上に積層されるまでの間に材料層に生じる画像歪みが変化する場合がある。このような場合にも、途中で再キャリブレーション処理を行うとよい。
以下に、再キャリブレーション処理について、より詳しく説明する。
まず、キャリブレーションマーカが、図5Aのステップ304同様にして生成される。生成されたキャリブレーションマーカは、ステージ上の造形物のN+1層目に相当する位置に対して積層される。
図10Bに、先左端キャリブレーションマーカAFL、先右端キャリブレーションマーカAFRがステージ上の造形物のN+1層目に積層された状態を示す。このように、先左端キャリブレーションマーカAFL、先右端キャリブレーションマーカAFRが、N+1層目の材料層として生成され、ステージ上の造形物に積層される。このとき、図10Bに示すように、N層分の材料層が積層された状態の造形物に対して上方に、キャリブレーションマーカが突き出た状態となっている。このキャリブレーションマーカは、図6Cと同様に正規位置から外れて歪んだ位置に積層される可能性があるが、オフラインキャリブレーション同様に、このマーカの位置ずれから画像歪み情報を取得し、画像歪補正を行う。
図11Aは、キャリブレーションマーカの積層直後に行われる造形物の造形動作の概念について説明するための図である。
キャリブレーションマーカの積層直後は、上述のように、ステージ上の造形物の上面は、マーカ部分が突き出ているので、積層を継続するには、この突き出ている部分をなくし、造形物の上面を平らにする必要がある。このため、キャリブレーションマーカの積層直後にマーカサポート体MSに積層されるキャリブレーションサポート画像は、マーカサポート体MSの上面のうちキャリブレーションマーカの配置領域を除いた領域に積層されるように形成している。具体的には、N+1層目のキャリブレーションマーカAFLに対応する開口部を有するキャリブレーションサポート画像が形成される。このとき、N+1層目の構造体の断面画像とレジストレーションマーカAF(N+1)の画像に対して画像歪補正を行うが、N+1層目のキャリブレーションマーカAFLに対応する開口部に対して
は補正を行わない。N+1層目のキャリブレーションマーカの突き出しを平らにするためには、N+1層目のキャリブレーションサポート画像に形成する開口部にもN+1層目のキャリブレーションマーカと同じ画像歪みを含んだ状態とする必要があるためである。したがって、N+1層目のキャリブレーションマーカの積層後に積層されるN+1層目の材料層を形成するためのスライスデータには、N+1層目のキャリブレーションマーカの形状に対応する開口以外の領域に対して画像歪補正が行われる。
このように、造形動作の再開後、N+1層目の材料層として、キャリブレーションマーカの配置領域を除いたキャリブレーションサポート画像、レジストレーションマーカAF(N+1)、及び、構造体の断面に対応する部分が造形物に積層される。N+1層目以降に積層される材料層は、再キャリブレーション処理により処理された状態にある。
造形動作の再開後、N+1層目の材料層が積層された状態を図11Bに示す。図11Bに示すように、N+1層目の材料層が積層されることで、造形物の上面は、再び平らとなり、その後は、通常の積層が実行可能となる。
図12Aは、通常の積層動作がN+2層目から継続される概念を説明するための図である。
N+2層目の材料層として、キャリブレーションサポート画像、レジストレーションマーカAF(N+2)、及び、構造体の断面に対応する部分が、ステージ上の造形物に積層される。
図12Bは、N+2層目の材料層が、通常通り積層された状態を示す図である。構造体の断面に対応する部分は、造形動作が中断されても、間引かれることなく、また重複されることなく、スライスデータにおいて歪補正が継続して行われるので、忠実な精度よい造形物を形成することができる。なお、造形動作の中断時に形成されるキャリブレーションマーカ、及びキャリブレーションマーカが積層されるマーカサポート体MSは、積層が完了した後、廃棄される。
図13は、上記工程をステップごとに順を追って説明するためのフローチャートである。ステップ401:N層目の材料層が積層された後、残量検出センサ35Aがカートリッジ30Aの造形材料無しを検出すると、造形コントローラ70が造形動作を中断する。
ステップ402:造形材料無しが表示された後、ユーザがカートリッジ交換をすると、残量検出センサ35Aがカートリッジ30Aの造形材料有りを検知し、造形コントローラ70が再キャリブレーション処理の実行を指示する。
ステップ403:カートリッジ30Aの造形材料によりキャリブレーションマーカを生成し、材料層を形成し、マーカエリアに形成されたマーカサポート体MS(マーカサポート体上)に積層する(N+1層目)。
ステップ404:マーカサポート体MSに積層されたキャリブレーションマーカの位置情報を材料左先端センサ54,材料右先端センサ55が検出すると、制御ユニット60が画像歪み補正を行う。
ステップ405:N+1層目におけるキャリブレーションマーカの配置領域を除いたキャリブレーションサポート画像及びレジストレーションマーカAF(N+1)、及び、造構造体の断面に対応する部分をステージ上の造形物に積層する(N+1層目)。このとき、キャリブレーションマーカの配置領域を除いたキャリブレーションサポート画像及びレジストレーションマーカAF(N+1)は、マーカサポート体MSに積層される。
ステップ406:N+1層目におけるキャリブレーションマーカの配置領域を含むキャリブレーションサポート画像及びレジストレーションマーカAF(N+2)、及び、構造体の断面に対応する部分をステージ上の造形物に積層する(N+2層目)。このとき、N
+1層目におけるキャリブレーションマーカの配置領域を含むキャリブレーションサポート画像及びレジストレーションマーカAF(N+2)は、マーカサポート体MSに積層される。
ステップ407:造形動作を通常通り継続する。
以上説明したように、本実施形態によれば、造形途中で再キャリブレーション処理が実行可能となり、キャリブレーション結果に従って造形途中での画像歪補正が可能となるので、形状精度の高い造形を実現することができる。
ここで、本実施形態では、カートリッジの交換時に造形動作が中断し、造形動作の再開時に再キャリブレーション処理が実行されるものであったが、これに限るものではない。再キャリブレーション処理は、造形物の造形途中で、必要に応じて造形動作を中断させ、造形動作の再開時に実行されるものであればよい。また、再キャリブレーション処理を、造形動作の合間に挿入し、必要に応じて、造形動作を中断させることなく実行されるものであってもよい。ここで、材料層形成に起因する画像歪みは、例えば、感光ドラム34の歪み、現像ローラ32の歪み、各ローラ軸のアライメントずれ、各部材の摩耗、装置稼働中の装置内部の温度変化に伴う各部材の熱的変化などにより発生する。したがって、再キャリブレーション処理は、カートリッジ30の使用時間が所定値に達したタイミングなど、必要に応じて実行されることが好ましい。
また、本実施形態では、オフラインキャリブレーション及び再キャリブレーション処理が実行される場合について説明したが、これに限らず、再キャリブレーション処理のみが実行可能に構成されるものであってもよい。画像歪みが無視できる場合には、オフラインキャリブレーションを省略しても良い。この場合には、例えば、造形物の造形動作開始後、造形物の形状精度が要求されるタイミング(造形途中)で、再キャリブレーション処理が実行されるものであるとよい。
また、本実施形態では、カートリッジ30A内に構造材料、カートリッジ30B内にサポート材料を収容するものであったが、造形中にサポート体が必要ない場合には、これに限るものではない。すなわち、再キャリブレーション処理時に、マーカサポート体MSに積層されるキャリブレーションマーカが、左先端センサ54,材料右先端センサ55により検出できるものであればよい。したがって、キャリブレーションマーカを構成する材料とマーカサポート体MSを構成する材料は適宜設定されるとよい。
また、再キャリブレーション処理の説明においては、先端部分のキャリブレーションマーカのみを表示して説明したが、オフラインキャリブレーションの項で説明したように、これに限るものではない。後端部分の後左端キャリブレーションマーカARL、後右端キャリブレーションマーカARRを用いても、再キャリブレーション処理における画像歪み情報の取得が可能である。
また、カートリッジ30A内の構造材料ではなく、カートリッジ30B内のサポート材料が無くなった場合においても、上記同様にカートリッジ交換が行われたとき、再キャリブレーション処理が行われる。プロセスカートリッジ(材料配置部)が3つ以上の場合であっても同様であり、マーカをプロセスカートリッジ毎に個別に生成すればよい。
34:感光ドラム、42:転写体、52:ステージ、62:データ付加部、65:キャリブレーションマーカ生成部、54:材料左先端センサ、55:材料右先端センサ、202:画像歪取得部、63:画像歪補正部、MA:マーカエリア、MS:マーカサポート部

Claims (19)

  1. スライスデータに基づいて形成した材料層を積層して造形物を作製する造形システムであって、
    前記造形システムの各部の動作を制御する制御部と、
    マーカのデータを生成するマーカ生成部と、
    前記マーカが積層される土台となるマーカサポート体を作製するデータを三次元モデルのデータに付加して前記スライスデータを生成するスライスデータ生成部と、
    前記マーカのデータまたは前記スライスデータに基づいて造形材料からなる材料層を形成する材料層形成部と、
    前記材料層が積層されるステージと、
    前記ステージ上または前記マーカサポート体上に積層された前記マーカの位置を検出するマーカ位置検出部と、
    前記マーカ位置検出部の検出結果から前記材料層に生じる画像歪み情報を取得する画像歪取得部と、
    前記画像歪取得部で取得された前記画像歪み情報に基づいて、前記スライスデータに対して前記画像歪みを低減する補正部と、
    を有し、
    前記制御部が、所定のタイミングで、前記マーカを形成して前記マーカサポート体の上面に積層し、前記マーカ位置検出部で検出したマーカの位置から画像歪み情報を取得し、前記スライスデータの補正を行う補正処理を実行させるよう各部を制御する
    ことを特徴とする造形システム。
  2. 前記制御部は、前記材料層形成部が前記スライスデータに基づいて造形材料からなる材料層を形成する動作を中断させる中断部を有し、前記中断部による材料層を形成する動作の中断後、前記補正処理を実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の造形システム。
  3. 造形材料の残量を検出する残量検出部を有し、
    前記中断部は、前記残量検出部により検出された造形材料の残量が閾値未満となった場合に、材料層を形成する動作を中断させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の造形システム。
  4. 材料層を形成する動作を中断した後、前記残量検出部が、造形材料の残量を閾値以上と検出した場合に、前記中断部は、造形物の造形動作の中断を解除し、前記制御部により前記補正処理が実行される
    ことを特徴とする請求項3に記載の造形システム。
  5. 造形材料を収容する収容部を、システム本体に対して着脱可能に有し、
    前記残量検出部は、前記収容部に収容された造形材料の残量を検出することを特徴とする請求項3または4に記載の造形システム。
  6. 前記スライスデータ生成部は、前記補正処理が実行された後に積層する材料層のスライスデータとして、前記マーカサポート体の上に積層された前記マーカの形状に対応する開口部を有するデータを生成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の造形システム。
  7. 前記制御部が、前記マーカを、前記三次元モデルを構成する第1造形材料で形成し、前記マーカサポート体を、造形動作時に造形物を支持するサポート体を構成する第2造形材料で形成する
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の造形システム。
  8. 前記画像歪取得部は、前記マーカ位置検出部による前記マーカの検出位置と、画像歪みが無い場合に前記マーカが積層されるべき位置である正規位置との差から、前記ステージ上の造形エリアにおける画像歪み情報または前記ステージ上の造形物における画像歪み情報を取得する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の造形システム。
  9. 前記マーカは、複数の前記マーカサポート体にそれぞれ積層される複数のマーカを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の造形システム。
  10. 前記マーカは、前記ステージ上の矩形の造形エリア内の四隅に配置される前記マーカサポート体にそれぞれ積層される複数のマーカを含む
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の造形システム。
  11. 前記画像歪取得部は、前記ステージ上の造形エリアにおける画像歪み情報を、前記複数のマーカ位置間の線形補間により求める
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の造形システム。
  12. 前記材料層形成部は、電子写真プロセスを用いて材料層を形成する
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の造形システム。
  13. 三次元モデルのデータから生成されるスライスデータに基づいて、造形材料からなる材料層を形成する材料層形成工程と、
    前記材料層形成工程によって形成される材料層を順に積層する造形工程と、
    のセットを複数回繰り返す造形物の製造方法であって、
    前記セットの合間に、前記スライスデータの補正を行う補正処理工程を挿入する
    ことを特徴とする造形物の製造方法。
  14. 前記補正処理工程は、マーカを形成するデータに基づいて造形材料からなるマーカを形成して造形物の上に積層し、
    前記マーカの位置情報を取得して、前記マーカの検出位置と画像歪みが無い場合に前記マーカが積層されるべき位置との差から画像歪み情報を取得し、
    前記画像歪み情報に基づいて前記スライスデータを補正する
    ことを特徴とする請求項13に記載の造形物の製造方法。
  15. 前記スライスデータは、前記マーカが積層される土台となるマーカサポート体を作製するデータを三次元モデルのデータに付加して生成され、
    前記補正処理工程において、前記マーカは前記マーカサポート体の上面に積層される
    ことを特徴とする請求項14に記載の造形物の製造方法。
  16. 前記補正処理工程は、前記マーカの積層後に形成される材料層のスライスデータに対して、前記マーカの積層位置に対応する領域に開口を設ける加工を行う
    ことを特徴とする請求項15に記載の造形物の製造方法。
  17. 前記材料層形成工程は、電子写真プロセスを用いて材料層を形成する
    ことを特徴とする請求項13乃至16のいずれか1項に記載の造形物の製造方法。
  18. スライスデータに基づいて造形材料からなる材料層を形成する工程と、前記材料層を積層する工程とを複数回行って造形物を作製する造形システムに用いられるデータ処理方法
    であって、
    前記スライスデータの補正に用いる情報を取得するためのマーカのデータを生成するステップと、
    三次元モデルのデータに、前記マーカが積層される土台となるマーカサポート体を作製するデータを付加して前記スライスデータを生成するステップと、
    を含み、
    前記材料層を形成する工程の間に前記マーカのデータが挿入されると、前記マーカのデータの挿入に続いて形成される前記材料層のスライスデータに、前記マーカの形状に対応する開口を設けるステップを行う
    ことを特徴とするデータ処理方法。
  19. 前記材料層を形成する工程の間に前記マーカのデータが挿入され、前記マーカを用いて画像歪み情報が取得されると、前記材料層のスライスデータに含まれる前記マーカの形状に対応する開口以外のデータを、前記画像歪み情報に基づいて補正するステップを行うことを特徴とする請求項18に記載のデータ処理方法。
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