JP5751823B2 - 改質製鋼スラグの製造方法 - Google Patents
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Description
CaO+H2O→Ca(OH)2 …(2)
Ca(OH)2→Ca2++2OH- …(3)
Mg2++2OH-→Mg(OH)2↓ …(4)
すなわち、製鋼スラグを海水に浸漬すると、(2)式のようにCaO(フリーライム)が水と反応してCa(OH)2を生成する。このCa(OH)2は(3)式のように電離して水中のOH-イオン濃度を増大させる。その結果、海水のpHが上昇する。一方、海水中にはMg2+イオンが存在する。海水のpHが高い場合には(4)式の反応が進行し、不溶性のMg(OH)2が生成する。このMg(OH)2が白濁の原因となる。
下記(1)式を満たす量の粒状製鋼スラグを閉鎖系内の水中に浸漬して、製鋼スラグ粒子と接触する水を流動させ、
閉鎖系内の水中にCO2含有ガスを吹き込んでCO2を溶解させるとともに、前記気相空間のCO2分圧を0.05MPa以上に維持した状態とし、この状態下で前記流動を0.5h以上継続することにより、製鋼スラグ粒子表層に炭酸化層を形成させる海水浸漬用の改質製鋼スラグの製造方法によって達成される。
MS/MW≦1.0 …(1)
ただし、MSは水中に浸漬させる製鋼スラグの初期質量(kg)、MWは閉鎖系内の水の質量(kg)
(a)圧力容器によって閉鎖系を構成し、圧力容器内に収容された粒状製鋼スラグの下から水中にCO2含有ガスを吹き込む。
(b)圧力容器によって閉鎖系を構成し、圧力容器の底より上の位置に通水可能な仕切り体を設けるとともに、容器の底と仕切り体の間に機械的撹拌装置を設け、粒状製鋼スラグを仕切り体の上の水中に保持して前記機械的撹拌装置を駆動する。
(c)圧力容器と、その圧力容器に接続された水の循環流路によって閉鎖系を構成し、気相空間を前記圧力容器内に設け、粒状製鋼スラグを前記圧力容器内の水中に保持し、圧力容器内の製鋼スラグ収容領域より下の位置および上の位置にそれぞれ開口部を有するように前記循環流路に繋がる管を設け、それらの管を通じて圧力容器内の水を循環させる。
(d)圧力容器と、その圧力容器に接続された水の循環流路によって閉鎖系を構成し、気相空間を前記圧力容器内に設け、粒状製鋼スラグを前記循環流路の途中に設けた第2の圧力容器内に保持し、当該循環流路に水を循環させる。
なお、本明細書において「圧力容器」とは、内部空間が外気から遮蔽され、内部の圧力をコントロールすることができる容器を意味する。
(i)水中にCO2含有ガスを吹き込むこと。水中に吹き込まれたガスは気泡状となって水中に分散し、高い比表面積を有する気泡から水中へのCO2の溶解が活発に起こる。それによりCO2が溶解した水(以下「CO2溶解水」という)を迅速に生成させることができる。
すなわち、水中に吹き込まれたCO2の一部は下記(5)式のように炭酸イオンとなって溶解する。製鋼スラグ粒子の表面付近に存在するf−CaO由来のカルシウムイオン(Ca2+)が(6)式のように炭酸イオン(CO3 2-)と反応し、製鋼スラグ粒子の表層に炭酸カルシウム(CaCO3)が形成される。
CO2+H2O→2H++CO3 2- …(5)
Ca2++CO3 2-→CaCO3 …(6)
本明細書では、この炭酸カルシウムを主体とする表層を「炭酸化層」と呼んでいる。また、(6)式の反応を「炭酸化反応」、水中で炭酸化反応を進行させるための処理を「炭酸化処理」ということがある。
ガスA; 純CO2ガス
ガスB; CO2:10体積%、残部:空気
2 水
3 製鋼スラグ粒子
4 CO2含有ガス
5 気相空間
6 排気弁
7 機械的撹拌装置
8 第2の圧力容器
10 仕切り体
11 水空間
12 ガス導入管
20 底部
31 管路
32 ポンプ
33 ガス混合器
40 製鋼スラグ収容領域
Claims (8)
- 外気から遮蔽された閉鎖系内に、80℃以下の水を収容するとともに当該水が水面を形成して接する気相空間を設け、
下記(1)式を満たす量の粒状製鋼スラグを閉鎖系内の水中に浸漬して、製鋼スラグ粒子と接触する水を流動させ、
閉鎖系内の水中にCO2含有ガスを吹き込んでCO2を溶解させるとともに、前記気相空間のCO2分圧を0.05MPa以上に維持した状態とし、この状態下で前記流動を0.5h以上継続することにより、製鋼スラグ粒子表層に炭酸化層を形成させる海水浸漬用の改質製鋼スラグの製造方法。
MS/MW≦1.0 …(1)
ただし、MSは水中に浸漬させる製鋼スラグの初期質量(kg)、MWは閉鎖系内の水の質量(kg) - 圧力容器によって閉鎖系を構成し、圧力容器内に収容された粒状製鋼スラグの下から水中にCO2含有ガスを吹き込むことにより、製鋼スラグ粒子と接触する水を流動させる請求項1に記載の改質製鋼スラグの製造方法。
- 圧力容器によって閉鎖系を構成し、圧力容器の底より上の位置に通水可能な仕切り体を設けるとともに、容器の底と仕切り体の間に機械的撹拌装置を設け、粒状製鋼スラグを仕切り体の上の水中に保持して前記機械的撹拌装置を駆動することにより、製鋼スラグ粒子と接触する水を流動させる請求項1に記載の改質製鋼スラグの製造方法。
- 圧力容器と、その圧力容器に接続された水の循環流路によって閉鎖系を構成し、気相空間を前記圧力容器内に設け、粒状製鋼スラグを前記圧力容器内の水中に保持し、圧力容器内の製鋼スラグ収容領域より下の位置および上の位置にそれぞれ開口部を有するように前記循環流路に繋がる管を設け、それらの管を通じて圧力容器内の水を循環させることにより、製鋼スラグ粒子と接触する水を流動させる請求項1に記載の改質製鋼スラグの製造方法。
- 圧力容器と、その圧力容器に接続された水の循環流路によって閉鎖系を構成し、気相空間を前記圧力容器内に設け、粒状製鋼スラグを前記循環流路の途中に設けた第2の圧力容器内に保持し、当該循環流路に水を循環させることにより、製鋼スラグ粒子と接触する水を流動させる請求項1に記載の改質製鋼スラグの製造方法。
- 粒状製鋼スラグは平均粒径が1〜25mmである請求項1〜5のいずれかに記載の改質製鋼スラグの製造方法。
- 製鋼スラグ粒子表層に平均厚さ30μm以上の炭酸化層を形成させる請求項1〜6のいずれかに記載の改質製鋼スラグの製造方法。
- 前記水中に浸漬された粒状製鋼スラグには、撹拌体の直接衝突による衝撃および超音波振動による衝撃を付与しない請求項1〜7のいずれかに記載の改質製鋼スラグの製造方法。
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