JP6044565B2 - 酸性土壌改良材 - Google Patents
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したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、過剰なアルカリを供給することがなく、しかも、土質が変化した場合でも、それに応じて自律的にアルカリ供給ができ、これにより、長期的に土壌のpHをある一定の幅に安定的に保持することができる酸性土壌改良材を提供することにある。
従来、鉄鋼スラグの被覆技術が幾つか提案されている。例えば、特開2004−313818号公報には、製鋼スラグをセメント系化合物で被覆する方法が開示されており、製鋼スラグに比べてpH上昇が抑制されるような傾向が示されているが、セメントそのものが強アルカリ性の材料であり、常に過剰のアルカリを供給することとなるため、本発明の課題を解決する方法としては適していない。
[1]粉粒状又は塊状のアルカリ資材の表面にキトサン皮膜を有することを特徴とする酸性土壌改良材。
[2]上記[1]の酸性土壌改良材において、アルカリ資材表面におけるキトサン皮膜の非形成部位に、アルカリ資材成分の炭酸化により生成した炭酸化皮膜が形成されていることを特徴とする酸性土壌改良材。
[3]上記[1]の酸性土壌改良材において、炭酸化処理したアルカリ資材の表面にキトサン皮膜を有することを特徴とする酸性土壌改良材。
[5]上記[4]の酸性土壌改良材において、鉄鋼スラグが、溶銑予備処理スラグ、脱炭炉スラグの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする酸性土壌改良材。
[6]粉粒状又は塊状のアルカリ資材にキトサン溶液を付着させることにより、アルカリ資材の表面にキトサン皮膜を形成させることを特徴とする酸性土壌改良材の製造方法。
[7]上記[6]の製造方法において、キトサン溶液を付着させたアルカリ資材又は表面にキトサン皮膜を形成させたアルカリ資材を炭酸化処理することを特徴とする酸性土壌改良材の製造方法。
[9]上記[6]の製造方法において、事前に炭酸化処理したアルカリ資材にキトサン溶液を付着させることを特徴とする酸性土壌改良材の製造方法。
[10]上記[6]〜[9]のいずれかの製造方法において、アルカリ資材が鉄鋼スラグであることを特徴とする酸性土壌改良材の製造方法。
[11]上記[10]の製造方法において、鉄鋼スラグが、溶銑予備処理スラグ、脱炭炉スラグの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする酸性土壌改良材の製造方法。
また、事前に炭酸化処理したアルカリ資材の表面にキトサン皮膜を形成させた酸性土壌改良材も、アルカリ資材表面におけるキトサン皮膜の非形成部位(皮膜欠陥部)に、アルカリ資材成分の炭酸化により生成した炭酸化皮膜が形成されたものとなり、キトサン皮膜の形成ムラによる脆弱部が強化されるため、アルカリ供給がより適切に制御されるものとなる。
以下、アルカリ資材が鉄鋼スラグである場合を例に説明する。
鉄鋼スラグは、CaO成分、MgO成分を多量に含んでおり、その表面と水が接触した際、これらの成分が水と反応してOH−イオンを生成し、これが周辺のpHを上昇させる。したがって、鉄鋼スラグ粒子の表面を、アルカリ環境では安定した固体の状態を維持し、酸性環境において溶解する材料により安定的に被覆できれば、酸性環境でのみアルカリを供給するような、土質に応じて自律的にアルカリ供給できる土壌改良材とすることができる。
鉄鋼スラグは、アルカリ供給ができるものであればよいので、高炉スラグ、製鋼スラグともに対象となる。但し、土壌のアルカリ改善効果を考えた場合、より塩基度(CaO/SiO2)が高い製鋼スラグが望ましい。
製鋼スラグは、粉粒状、塊状のいずれでもよいが、土壌改良材はそのまま土壌の一部となることを考えると、粒径は30mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましい。また、他のアルカリ資材についても同様である。
鉄鋼スラグにキトサン溶液を供給し、スラグ表面に付着させる(スラグ表面を濡らす)方法は任意であるが、通常は、鉄鋼スラグにキトサン溶液を散布し又は鉄鋼スラグをキトサン溶液に浸漬する方法が採られる。キトサン溶液のキトサン濃度については、濃度が低すぎると皮膜の被覆度が十分に確保できない。この観点から、キトサン濃度は0.1mass%以上が好ましい。一方、溶液のキトサン濃度が高いほど皮膜厚を確保できるが、濃度が高すぎると粘性が高まり、皮膜を効率よく形成することが難しくなる。この観点からは、キトサン濃度は3mass%以下が好ましく、1mass%以下がより好ましい。
また、鉄鋼スラグにキトサン溶液を散布する方法では、キトサン溶液がスラグ全体に行き渡るようにするため、溶液散布後の鉄鋼スラグをミキサーや撹拌機などで撹拌してもよい。
以上のような溶液処理と養生により、鉄鋼スラグの各スラグ粒子の表面には、キトサン皮膜が形成される。このキトサン皮膜は、この鉄鋼スラグから溶出するアルカリの効果によって、スラグ表面に付着したキトサンが固体化して形成されたものであり、比較的緻密でアルカリ溶出を効果的に抑制できるような安定した皮膜である。また、アルカリ資材が鉄鋼スラグ以外の材料の場合であっても、同様である。
大気エージングは、2ヶ月以上である程度の炭酸化の進行がおこるが、より安定した複合皮膜を形成するためには、6ヶ月以上の大気エージングが好ましい。
以上はアルカリ資材が鉄鋼スラグである場合を例に説明したが、他の材料の場合でも同様である。
製鋼スラグ(脱炭炉スラグ、塩基度(CaO/SiO2):3.5、粒度:0−25mm)にキトサン溶液を散布した後、養生し、本発明の土壌改良材を得た。養生は、炭酸化養生で行った。炭酸化養生は、キトサン処理した後に、容器に入れ、1気圧CO2で6時間処理した。
上記のようにして得られた本発明の土壌改良材を、土(関東ローム)と混合し、充填率が80%程度となるようにφ150mmのモールドに150mm厚みになるように詰め、本発明材の試料とした。ここに硫酸と硝酸を2:1の比率で混合した酸でpH2.5に調整した水溶液を滴下し、透過水のpHを測定した。また、比較として、土(関東ローム)のみの試料、無処理の製鋼スラグのみの試料についても、同様の試験を実施した。
製鋼スラグ(脱炭炉スラグ、塩基度(CaO/SiO2):3.5、粒度:0−25mm)にキトサン溶液を散布した後、養生し、本発明の土壌改良材を得た。養生は、炭酸化養生で行った。炭酸化養生は、キトサン処理した後に、容器に入れ、1気圧CO2で6時間処理した。
上記のようにして得られた本発明の土壌改良材を、土(関東ローム)と混合し、充填率が80%程度となるようにφ150mmのモールドに150mm厚みになるように詰め、本発明材の試料とした。ここにpH6のイオン交換水を滴下し、透過水のpHを測定した。また、比較として、土(関東ローム)のみの試料、無処理の製鋼スラグのみの試料、無処理の製鋼スラグを土(関東ローム)と混合した試料についても、同様の試験を実施した。
Claims (9)
- 粉粒状又は塊状のアルカリ資材の表面にキトサン皮膜を有するとともに、該アルカリ資材表面におけるキトサン皮膜の非形成部位に、アルカリ資材成分の炭酸化により生成した炭酸化皮膜が形成されていることを特徴とする酸性土壌改良材。
- 炭酸化処理したアルカリ資材の表面にキトサン皮膜を有することを特徴とする請求項1に記載の酸性土壌改良材。
- アルカリ資材が鉄鋼スラグであることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸性土壌改良材。
- 鉄鋼スラグが、溶銑予備処理スラグ、脱炭炉スラグの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項3に記載の酸性土壌改良材。
- 粉粒状又は塊状のアルカリ資材にキトサン溶液を付着させることにより、アルカリ資材の表面にキトサン皮膜を形成させるとともに、前記キトサン溶液を付着させたアルカリ資材又は表面に前記キトサン皮膜を形成させたアルカリ資材を炭酸化処理することにより、該アルカリ資材表面におけるキトサン皮膜の非形成部位に、前記炭酸化処理によるアルカリ資材成分の炭酸化により生成した炭酸化皮膜を形成することを特徴とする酸性土壌改良材の製造方法。
- 粉粒状又は塊状のアルカリ資材にキトサン溶液を付着させることにより、アルカリ資材の表面にキトサン皮膜を形成させるとともに、前記キトサン溶液を付着させたアルカリ資材又は表面に前記キトサン皮膜を形成させたアルカリ資材を6ヶ月以上大気エージングすることにより、該アルカリ資材表面におけるキトサン皮膜の非形成部位に、前記大気エージングによるアルカリ資材成分の炭酸化により生成した炭酸化皮膜を形成することを特徴とする酸性土壌改良材の製造方法。
- 事前に炭酸化処理した粉粒状又は塊状のアルカリ資材にキトサン溶液を付着させることにより、アルカリ資材の表面にキトサン皮膜を形成させ、該アルカリ資材表面におけるキトサン皮膜の非形成部位には、前記炭酸化処理によるアルカリ資材成分の炭酸化により生成した炭酸化皮膜が形成されたものとすることを特徴とする酸性土壌改良材の製造方法。
- アルカリ資材が鉄鋼スラグであることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の酸性土壌改良材の製造方法。
- 鉄鋼スラグが、溶銑予備処理スラグ、脱炭炉スラグの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項8に記載の酸性土壌改良材の製造方法。
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