JP5751153B2 - 車両用シートのポケット取付け構造 - Google Patents
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シートバックの背面に形成されるポケットは、シートバックの背面に沿ってポケットを形成するように板状のポケット部材が配設されて形成される。この板状のポケット部材はその上部が開口可能に配設され、両側部と下部がシートバックの背面に連接された状態として配設されて取付けられる。詳細には、ポケット部材の下部は回動可能なインテグラルヒンジとして連接されており、上部の開口部の大きさを調節可能としている。ポケット部材の側部はポケットに収納した物品が飛び出さないようにすると共にポケット部材をシートバックの背面側に常時付勢する弾発力が有する連接部材が、上部開口部の開口大きさの変動に伴って伸縮可能に配設されている。これにより後席着座者は前席シートバックの背面に設けられたポケットを利用して適宜物品を収納することが可能とされている。
しかし、ポケット部材が軽量化等の観点から1枚のポケット基材で形成される場合には、表皮の被覆は1枚のポケット基材に対してポケットの外面側から内面側に巻き込んでポケット基材の内面側において止め金具で固定されて取付けられる。この場合、止め金具による固定位置は、通常状態では見えない状態にある。すなわち、ポケットに物品が収納されていなくポケット部材がシートバックの背面に張り付いた状態では外部から通常は視認できなく見栄え上の問題も生じない。ところが、物品を収納するため等によりポケット部材の上部の開口部を大きく開いた状態においては、その上部の開口部から止め金具の固定位置を視認することができて、見栄えを問題視されることがある。
先ず、本発明に係る車両用シートのポケット取付け構造の基本的構成は、シートバックの背面に物品を収納可能に形成されるポケット構造が、シートバックの背面に対し上部が開口し両側部と下部が連接された状態として配設される板状のポケット部材が取付けられて形成される構成である。
そして、かかる構成において、ポケット部材はポケット形状の骨格を形成する板状のポケット基材が表皮で被覆されて形成されており、該表皮の被覆はポケット基材に対してポケットの外面側から内面側に巻き込まれて配置されてポケット基材の両側部の内面側において止め金具で固定される。
そして、前記ポケット部材をシートバックの背面に連接するために両側部位置に配設される連接部材は布又は皮製等の可撓性部材で形成されており、該連接部材とポケット部材との結合は前記ポケット基材の内面側に巻き込まれた表皮に結合手段により結合されており、且つ該結合手段による結合位置は前記止め金具による固定位置よりポケット中心から見て外側位置となっている。
そして、前記連接部材の前記結合手段により結合される端縁部位は前記表皮が固定される止め金具による固定位置を覆って配設されている。
ポケット構造12は、バックボード20の背面に沿って配設されるポケット部材22により形成される。ポケット部材22は常にバックボード20に対して近接する方向の弾発力が付されて配設されており、常時バックボート20に張り付いた状態となっている。このポケット部材22は下端部がインテグラルヒンジ構造で下部バックボード20Aに取付けられており、両側部は蛇腹形状あるいはひだ形状のプリーツの連接部材により伸縮可能状態として下部バックボード20Aの両側位置に取付けられている。そして、上部は図3に示されるようにポケット部材22を後方へ引く操作することにより開口状態となり、この開口を通じてポケット部材22の内部に物品を収納させることができるようになっている。
蛇腹部材24のポケット部材22への取付けは、図7で見て、蛇腹部材24のポケット部材側の端縁部位24bがポケット部材22の表皮28に縫い合せ結合されて取付けられている。この縫い合わせにより結合される縫製線の結合位置Yは表皮28が外面側から内面側に折り曲げられた内面側の位置であって、前述した表皮28がタッカー30により固定して取付けられる直線状の固定位置Xよりポケット部材22のポケット中心位置から見て外側位置となっている。なお、縫製の固定位置は前述の固定位置Xに対して並行に直線状に並んだ状態として行われている。端縁部位24bが縫製により表皮28に結合された状態では、表皮28の固定位置Xは蛇腹部材24の端縁部位24bにより覆われるようになっている。すなわち、端縁部位24bのポケット部材22への結合位置Yよりポケット中心方向への延在部位により固定位置Xが覆われるように配設されている。なお、本実施形態では、固定位置Xを覆うことができる延在部位は結合位置Yを縫製する場合の縫い代幅で形成されている。
なお、図7では、ポケット部材22の両側部に配設される連接部材としての蛇腹部材24を取付けるための構成を分り易く説明するために、ポケット部材22の上端と下端における表皮の処理は省略して図示されている。実際上は、上端も下端も表皮28は外面側から内面側に巻き込まれて配設されており、意匠上問題ないように処理されている。
また、図7では図示が省略されているが、前述したポケット部材22をバックボード20の背面側に張り付いた状態となるように引張るばねシート部材がポケット部材22とバックボード20との間に蛇腹部材24とは別に配設されている。なお、このばねシート部材による引張り機能を蛇腹部材24に持たせて構成することもできる。この場合には別途ばねシート部材を設けなくて済む。
プリーツ部材32が配設される位置には、この具体例の実施形態では、ポケット部材22をバックボード20に張りつける方向に付勢するばねシート部材34が配設されている。ばねシート部材34の一端50はポケット部材22の裏面に取付けられており、他端52は図4に示されるようにバックボード20に穿設された貫通孔36を通じて内面側にまで配設されて引張力が付与された状態で係止片38に係止されている。このように配設されたばねシート部材34の引張力作用によりポケット部材22は常時バックボード20の背面に張り付く付勢力が付与された状態として配設される。なお、ばねシート部材34はプリーツ部材32に空けられた連通孔40を通じて配設されており、プリーツ部材32の伸縮時に案内ガイドの役割をなしている。なお、図4における符号18で示されるものは、バックボード20を補強するための樹脂製の補強リブであり、強度上の観点で所定の形成されている。
なお、連接部材としてのプリーツ部材32のポケット部材22に対する結合が縫製により行われる場合には、表皮28のポケット基材26に対する固定位置Xを覆う部位は縫製における縫い代幅で行うようにすることができ、別途そのための専用部品を設ける必要がない。
例えば、上記実施形態では、シートバック16の背面にはバックボード20が全面に配設される構成の場合であったが、バックボード20はポケット構造が形成される箇所のみであっても良い。
また、上記実施形態はポケット部材22の大きさがシートバック16の横幅とほぼ同じ大きさの場合であったが、その大きさは適宜変更できるものである。また、その配設位置も、シートバック16の下方位置の場合であったが、これも車両の用途等に応じて適宜の位置を設定すればよいものである。
12 ポケット構造
14 シートクッション
16 シートバック
18 補強リブ
20 バックボード
20A 下部バックボード
20B 上部バックボード
22 ポケット部材
24 蛇腹部材(連接部材)
24a,24b 端縁部位
26 ポケット基材
28 表皮
30 タッカー(止め金具)
32 プリーツ部材(連接部材)
34 ばねシート部材
36 貫通孔
38 係止片
40 連通孔
Claims (2)
- シートバックの背面に物品を収納可能に形成されるポケット構造が、シートバックの背面に対し上部が開口し両側部と下部が連接された状態として配設される板状のポケット部材が取付けられて形成される車両用シートのポケット取付け構造であって、
前記ポケット部材はポケット形状の骨格を形成する板状のポケット基材が表皮で被覆されて形成されており、該表皮の被覆はポケット基材に対してポケットの外面側から内面側に巻き込まれて配置されてポケット基材の両側部の内面側において止め金具で固定されており、
前記ポケット部材をシートバックの背面に連接するために両側部位置に配設される連接部材は布又は皮製等の可撓性部材で形成されており、該連接部材とポケット部材との結合は前記ポケット基材の内面側に巻き込まれた表皮に結合手段により結合されており、且つ該結合手段による結合位置は前記止め金具による固定位置よりポケット中心から見て外側位置となっており、
前記連接部材の前記結合手段により結合される端縁部位は前記表皮が固定される止め金具による固定位置を覆って配設されていることを特徴とする車両用シートのポケット取付け構造。 - 請求項1に記載の車両用シートのポケット取付け構造であって、
前記連接部材とポケット部材との結合手段は縫製であり、前記連接部材の端縁部位による止め金具の固定位置の覆いは該縫製の縫い代幅によって形成されていることを特徴とする車両用シートのポケット取付け構造。
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