JP5750718B2 - 透光性部材、および時計 - Google Patents

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Description

本発明は、透光性部材、および時計に関する。
従来、時刻表示などの視認性を高めるため、カバーガラス(風防)と呼ばれる透光性部材に反射防止層を形成することが知られている。この反射防止層は、屈折率の異なる無機物層が数層〜数十層積層されて構成されることが一般的であり、カバーガラスの表面に高い硬度や耐傷性が求められる場合には、光透過率が高いうえ低屈折率でかつ比較的硬度が高いSiOが反射防止層の最表層に成膜されることが多い。例えば、時計用カバーガラスの表面に、SiOを最表層および最下層とし、SiO膜とSi膜とが交互に積層された反射防止層を形成する技術が開示されている(特許文献1参照)。また、酸化シリコン(SiO)を最表層とし、窒化シリコン膜を時計用カバーガラスの表面に形成してなる時計用風防ガラスも開示されている(特許文献2参照)。
特開2004−271480号公報 特開2006−275526号公報
ところで、SiO膜とSi膜が交互に積層された反射防止層を設けてなる従来の腕時計は、日常生活程度の使用でカバーガラス表面に深い傷が付くことが多かった。しかしながら、その理由は必ずしも明確ではなく、SiO膜とSi膜のように硬さの違う膜の積層が、どのようにカバーガラス表面の硬度や耐傷性に影響するのかは不明であった。そのため、カバーガラスにおける反射防止光学シミュレーションは、SiO膜とSi膜の厚さの比率を考慮することなく行われていた。
そこで、本発明の目的は、反射防止機能を備え、かつ硬度が十分に高く耐傷性が確保された透光性部材、時計、および透光性部材の製造方法を提供することにある。
我々は、反射防止層の耐傷性について研究した結果、最表面から150nmの範囲の平均の硬さが耐傷性に大きく影響することを突き止めた。具体的には、比較的軟らかいSiO膜と、硬いSi膜の厚みを種々変えながら、硬度、耐傷性および光学特性の評価を繰り返し行った。その結果、反射防止層の最表面から150nmまでは、硬度が大きいほど耐傷性は高まるが、150nmより深い位置の硬度の増大は耐傷性にあまり影響しないことがわかった。また、反射防止層の最表面から150nmの範囲でSi膜の割合が30〜50vol%の時に、高耐傷性と低反射率を両立できる条件があることを見出した。
本発明は、透光性を有する基材を備える透光性部材であって、前記基材の表面の少なくとも一部には、窒化ケイ素からなる高屈折率層と、酸化ケイ素からなる低屈折率層とが交互に積層してなる反射防止層が形成され、前記反射防止層は、その最表面から150nmの深さまでの範囲における窒化ケイ素の含有量が30〜50vol%であることを特徴とする。
ここで、透光性部材としては、例えば、時計用カバー部材や計器用カバー部材あるいは眼鏡レンズ等の硬質で透明な部材が挙げられる。透光性部材の基材としては、サファイアガラス、石英ガラス、およびソーダガラス等が挙げられる。
本発明によれば、所定の反射防止層が基材上に形成され、反射防止層の最表面から150nmの深さまでの範囲における窒化ケイ素の含有量が30vol%以上であるので、非常に硬度の高い反射防止層を基材上に形成できる。この所定の深さまでの範囲における窒化ケイ素の含有量が30vol%未満であると、反射防止層の耐傷性が不十分なものとなり、例えば、時計用のカバーガラスとしての実用性に乏しくなる。また、本発明においては、最表面から150nmの深さまでの範囲における窒化ケイ素の含有量が50vol%以下であるので、反射防止効果にも優れている。この所定の深さまでの範囲における窒化ケイ素の含有量が50vol%を超えると、反射防止効果が劣り、例えば、時計用のカバーガラスとしての実用性に乏しくなる。
前記反射防止層の最表面から150nmの深さまでの範囲における窒化ケイ素の含有量が40〜50vol%であると、反射防止効果を維持したまま、反射防止層の耐傷性をさらに向上させることが可能となるので好ましい。
また、酸化ケイ素からなる最表層の層厚は70〜110nmであることが好ましく、さらに好ましくは75〜105nmである。また、最表層に隣接する窒化ケイ素層の層厚は50〜115nmであることが好ましく、より好ましくは55〜110nmである。これらの各層の層厚が前記した範囲をはずれると反射防止層の反射率が高くなる傾向にある。
本発明では、該透光性部材の表面硬度が、24000N/mm以上であることが好ましい。ここで、試験荷重は1.225mNである。
この発明によれば、該透光性部材の表面硬度が、24000N/mm以上であるので、十分な耐傷性を発揮することができ、例えば、時計用のカバーガラスとして優れている。また、該透光性部材の表面硬度が、30000N/mm以上であるとさらに優れた耐傷性を発揮することができる。
本発明では、前記反射防止層の上には、フッ素含有有機ケイ素化合物からなる防汚層が形成されていることが好ましい。
この発明によれば、反射防止層の上には、フッ素含有有機ケイ素化合物からなる防汚層が形成されている。この防汚層は、フッ素含有有機ケイ素化合物からなるため、撥水・撥油作用を発揮するだけでなく、表面の滑り性にも非常に優れる。それ故、透光性部材に外部からの衝撃が加わっても、防汚層表面の滑り性によりその衝撃をやわらげることができるので耐擦傷性に優れる。すなわち、反射防止層の剥離を効果的に防ぐことが可能となる。なお、フッ素含有有機ケイ素化合物としては、撥水性や撥油性があり防汚性を発現できる化合物であればよい。
本発明では、前記フッ素含有有機ケイ素化合物が、アルコキシシラン化合物であることが好ましい。
この発明によれば、フッ素含有有機ケイ素化合物として、アルコキシシラン化合物が用いられるので、撥水性・撥油性が高く、優れた防汚性を発揮する。
アルコキシシラン化合物としては、メトキシシリル基やトリエトキシシリル基のようなアルコキシシリル基と、パーフルオロ基とを有するような有機ケイ素化合物が好ましく用いられる。
本発明では、前記フッ素含有有機ケイ素化合物が、下記式(1)および(2)の少なくともいずれかで示されるパーフルオロエーテル化合物であることが好ましい。
Figure 0005750718

(式中、R 1はパーフルオロアルキル基を示す。Xは臭素、ヨウ素または水素を示す。
Yは水素または低級アルキル基を示し、Zはフッ素またはトリフルオロメチル基を示す。R1は加水分解可能な基を示し、R2は水素または不活性な1価の炭化水素基を示す。a、b、c、d、eは0または1以上の整数で、且つa+b+c+d+eは少なくとも1以上であり、a、b、c、d、eで括られた各繰り返し単位の存在順序は、式中において限定されない。fは0、1または2である。gは1、2または3である。hは1以上の整数である。)
Figure 0005750718

(式中、R 2は式:「−(Ck2k)O−」で示される単位を含み、分岐を有しない直鎖状のパーフルオロポリアルキレンエーテル構造を有する2価の基を示す。なお、式:「−(Ck2k)O−」におけるkは1〜6の整数である。R3は炭素原子数1〜8の1価炭化水素基であり、Wは加水分解性基またはハロゲン原子を示す。pは0、1または2であり、nは1〜5の整数である。mおよびrは、2または3である。)
この発明によれば、前記した式(1)および(2)の少なくともいずれかで示されるフッ素含有有機ケイ素化合物を、前記した反射防止層の上に形成することで、優れた防汚性を有する透光性部材を得ることができる。これらのフッ素含有有機ケイ素化合物は、単独で用いてもよいが混合して用いてもよい。
本発明では、前記防汚層の厚みが0.001〜0.05μmであることが好ましく、0.001〜0.03μmであることがより好ましく、0.001〜0.02μmであることがさらに好ましい。
防汚層の厚みが0.001μm以上であると、十分な撥水・撥油性能を発揮できるとともに、耐擦傷性やさらに耐薬品性にも優れるようになる。また、防汚層の厚みが0.05μm以下であると、透光性部材の表面硬度を低下させてしまうおそれも少ない。さらに、防汚層による表面光散乱もあまり生じないため、基材の透明性も阻害しない。
本発明では、前記透光性部材は、カバー部材とされ、前記反射防止層は、前記カバー部材の内側の部分および外側の部分のうち、少なくとも外側の部分に形成されることが好ましい。
この発明によれば、カバー部材の外側から入射する光の反射を入射側で防止できるため、カバー部材の内側である射出側の部分に反射防止層が形成された場合よりも良好な反射防止効果が得られる。
本発明の時計は、前記透光性部材を備え、前記透光性部材は、時計体を収容するケースに設けられることを特徴とする。
本発明の時計は、前述の透光性部材を備えることにより、前述と同様な作用および効果を享受できる。なお、透光性部材は、例えばカバーガラス(風防)としてケースに設けられる。
本発明の透光性部材の製造方法は、前記反射防止層を構成する高屈折率層および低屈折率層をスパッタリングにより形成するスパッタリング工程を備えることを特徴とする。
この発明によれば、反射防止層をスパッタリングにより形成するので、単なる蒸着により高屈折率層および低屈折率層を形成する場合にくらべて、反射防止層全体の硬度を向上させることができるだけでなく、反射防止層と基材との密着性や、反射防止層内における層間密着性にも優れている。従って、結果として、耐擦傷性の向上に寄与できる。
ここで、前記したスパッタリングを行う際には、基材を100℃以上に加熱しながらスパッタリングを行う加熱工程を備えることが、上述の硬度や密着性の観点より好ましい。
また、反射防止層をスパッタリングにより形成する前に、基材に対して表面の付着物を除去する逆スパッタリング工程を備えると、基材表面を清浄にすることができるので、基材と反射防止層との密着性向上の観点より好ましい。
このような本発明によれば、反射防止機能と耐傷性とを併せ持つ透光性部材、これを備えた時計、および透光性部材の製造方法を提供できる。
本発明の第1実施形態に係るカバーガラスの断面を示す模式図。 本発明の第2実施形態に係るカバーガラスの断面を示す模式図。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る透光性部材は、例えば時計用カバーガラス(以下、単に「カバーガラス」ともいう。)であり、図1には、本実施形態のカバーガラス1の断面図が示されている。カバーガラス1は、透明な基材11と、その上に形成された反射防止層12とを備えている。
〔基材11の材質〕
基材11の材質は無機酸化物であり、例えばサファイアガラス、石英ガラス、ソーダガラス等が挙げられる。時計用カバーガラスの材質としては、硬度や透明性の観点より特にサファイアガラスが好ましい。
〔反射防止層12の構成〕
反射防止層12は、基材11の上に形成され、屈折率の異なる無機薄膜を交互に積層して得られる多層膜である。図1に示すカバー部材1では、反射防止層12は、12A(高屈折率層)、12B(低屈折率層)、12C(高屈折率層)、12D(低屈折率層)の4層から構成されている。
ここで、高屈折率層12A、12Cは、窒化ケイ素(SiNx)により形成され、低屈折率層12B、12Dは酸化ケイ素(SiO)により形成されている。また、反射防止層12の最表面から150nmの深さまでの範囲における窒化ケイ素の含有量が30〜50vol%となっている。
なお、反射防止層12は、4層である必要はなく、5層以上でもよい。反射防止効果を高める観点からは積層数が多い方が好ましい。ただし、あまり積層数が多くなると、生産性の観点より問題が生ずるおそれもあるので、好ましくは9層までの範囲である。
また、酸化ケイ素からなる最表層(低屈折率層12D)の層厚は70〜110nmであることが好ましく、さらに好ましくは75〜105nmである。また、最表層に隣接する窒化ケイ素層(高屈折率層12C)の層厚は50〜115nmであることが好ましく、より好ましくは55〜110nmである。前記した層厚の範囲をはずれると反射防止層の反射率が高くなる傾向にある。
ここで、図1に示すカバー部材1の表面硬度は、ナノインデンターを使用したISO14577準拠の測定値で24000N/mm以上である(試験荷重1.225mN)。
〔反射防止層12の形成工程〕
基材11の表面に上述した反射防止層を形成する際には、スパッタリング法が好適に用いられる。なお、真空蒸着法も適用可能であり、真空蒸着法ではイオンビームアシストなどの手法も適宜併用することができる。ただし、硬度に優れた反射防止層を得るためにはスパッタリング法が最も好ましい。スパッタリング法や真空蒸着法は、無機薄膜形成の際に用いられる通常の方法が適用できる。
また、前記したスパッタリングを行う際には、基材11を100℃以上に加熱する加熱工程を備えることが、上述の硬度や密着性の観点より好ましい。
また、反射防止層12をスパッタリングにより形成する前に、基材11に対して表面の付着物を除去する逆スパッタリング工程を備えると、基材11の表面を清浄にすることができるので、基材11と反射防止層12との密着性向上の観点より好ましい。
以上の実施形態によれば、次のような効果が得られる。
カバーガラス1は、透明な基材11と、反射防止層12とを含んで構成されている。そして、反射防止層12は、高屈折率層12A、12Cと低屈折率層12B、12Dとが交互に積層されて形成されており、反射防止層12の最表面から150nmの深さまでの範囲における窒化ケイ素の含有量が30〜50vol%となっている。従って、反射防止層12の表面が非常に硬度の高い層となる。この所定の深さまでの範囲における窒化ケイ素の含有量が30vol%未満であると、反射防止層の耐傷性が不十分なものとなり、例えば、時計用のカバーガラスとしての実用性に乏しくなる。また、反射防止層12の最表面から150nmの深さまでの範囲における窒化ケイ素の含有量が50vol%以下であるので、反射防止効果にも優れている。この所定の深さまでの範囲における窒化ケイ素の含有量が50vol%を超えると、反射防止効果が劣り、時計用のカバーガラスとしての実用性に乏しくなる。反射防止層12の最表面から150nmの深さまでの範囲における窒化ケイ素の含有量が40vol%以上であると、反射防止効果を維持したまま、反射防止層の耐傷性をさらに向上させることが可能となる。
カバーガラス1の表面硬度は、24000N/mm以上であるので、十分な耐傷性を発揮することができ、腕時計や携帯情報機器などに適用した場合に十分な耐擦傷性が得られる。また、表面硬度が、30000N/mm以上であるとさらに優れた耐傷性を発揮することができる。
[第2実施形態]
前記した反射防止層12の上には、防汚層を形成することができる。図2には、前記した反射防止層12の上に、さらに防汚層13を形成してなるカバーガラス2を示す。以下、この防汚層13について説明する。
〔防汚層13の構成〕
防汚層13は、いわゆる撥水剤・撥油剤として知られる化合物から構成される。このような化合物としては、アルコキシシラン等のフッ素含有有機ケイ素化合物が好ましい。
例えば、CF(CFSi(OCH、CF(CFSi(OCH、CF(CFSi(OCH、CF(CFSi(OCH、CF(CF10Si(OCH、CF(CF12Si(OCH、CF(CF14Si(OCH、CF(CF16Si(OCH、CF(CF18Si(OCH、CF(CFSi(OC、CF(CFSi(OC、CF(CFSiCl、CF(CFSiCl、CF(CFSi(OCH、CF(CFSi(OCH、CF(CFSi(OC、CF(CFSi(OC、CF(CFSiCl、CF(CFSiCl、CF(CFSi(OCH、CF(CFSi(OCH、CF(CFSi(OC、CF(CFSi(OC、CF(CFSi(CH)(OCH、CF(CFSi(CH)(OCH、CF(CFSi(CH)Cl、CF(CFSi(CH)Cl、CF(CFSi(C)(OC、およびCF(CFSi(C)(OCなどが挙げられる。
フッ素含有有機ケイ素化合物としては、アミノ基を含有する化合物も好適である。
例えば、C19CONH(CHSi(OC、C19CONH(CHSiCl、C19CONH(CHSi(CH)Cl、C19CONH(CH)NH(CH)Si(OC、C19CONH(CHCONH(CH)Si(OC、C17SONH(CHCONH(CH)Si(OC、CO(CF(CF)CFO)−CF(CF)−CONH(CH)Si(OC、およびCO(CF(CF)CFO)m’−CF(CF)−CONH(CH)Si(OCH[ここで、m’は1以上の整数]などが挙げられる。
また、フッ素含有有機ケイ素化合物としては、以下のような化合物も好適である。
例えば、Rf'(CHSiCl、Rf'(CHSi(CH)Cl、(Rf'CHCHSiCl、Rf'(CHSi(OCH、Rf'CONH(CHSi(OC、Rf'CONH(CHNH(CHSi(OC、Rf'SON(CH)(CHCONH(CHSi(OC、Rf'(CHOCO(CHS(CHSi(OCH、Rf'(CHOCONH(CHSi(OC、Rf'COO−Cy(OH)−(CHSi(OCH、Rf'(CHNH(CHSi(OCH、およびRf'(CHNH(CHNH(CHSi(OCHCHOCHなどが挙げられる。上述の各式において、Cyはシクロヘキサン残基であり、Rf’は、炭素数4〜16のポリフルオロアルキル基である。
本発明で用いられるフッ素含有有機ケイ素化合物としては、下記式(1)および(2)の少なくともいずれかで示される化合物が特に好ましい。
Figure 0005750718
式中、R 1はパーフルオロアルキル基を示す。Xは臭素、ヨウ素または水素を示す。
Yは水素または低級アルキル基を示し、Zはフッ素またはトリフルオロメチル基を示す。R1は加水分解可能な基を示し、R2は水素または不活性な1価の炭化水素基を示す。a、b、c、d、eは0または1以上の整数で、且つa+b+c+d+eは少なくとも1以上であり、a、b、c、d、eで括られた各繰り返し単位の存在順序は、式中において限定されない。fは0、1または2である。gは1、2または3である。hは1以上の整数である。
Figure 0005750718
式中、R 2は式:「−(Ck2k)O−」で示される単位を含み、分岐を有しない直鎖状のパーフルオロポリアルキレンエーテル構造を有する2価の基を示す。なお、式:「−(Ck2k)O−」におけるkは1〜6の整数である。R3は炭素原子数1〜8の1価炭化水素基であり、Wは加水分解性基またはハロゲン原子を示す。pは0、1または2であり、nは1〜5の整数である。m及びrは、2または3である。
前記したフッ素含有有機ケイ素化合物を、前記した反射防止層12の上に防汚層13として形成することで、優れた撥水・撥油効果を有し、耐擦傷性に優れたカバーガラスを得ることができる。これらのフッ素含有有機ケイ素化合物は、単独で用いてもよいが混合して用いてもよい。特に前記した式(1)と式(2)の化合物を混合して用いると防汚層の耐久性が向上するので好ましい。
前記したフッ素含有有機ケイ素化合物の具体例としては、GE東芝シリコーン株式会社製TSL8233、TSL8257、ダイキン工業株式会社製オプツールDSX、信越化学工業株式会社製KY−130、KP−801などが挙げられる。
〔防汚層13の形成工程〕
防汚層13を形成する方法として、乾式法と湿式法のいずれも用いることができる。以下に各々について説明する。
(乾式法)
乾式法としては、前記フッ素含有有機ケイ素化合物を真空槽内で蒸発させて基材11(反射防止層12)の表面に付着させる真空蒸着法を採用することができる。例えば、特開平6−340966号公報や特開2005−301208号公報に記載された蒸着装置が好適に利用可能である。具体的には、以下のようにして防汚層13を形成することができる。
フッ素含有有機ケイ素化合物を適当なフッ素系溶剤に溶解して希釈して得た処理剤を繊維状あるいは多孔質の媒体に付着させ、それを真空槽内で、1〜0.0001Paの圧力下で加熱することにより、真空槽内に載置したカバーガラス1の反射防止層12の上に付着させて防汚層13を形成する。使用するフッ素系溶剤としては、後述する湿式法で用いるものと同じものを使用可能である。なお、溶剤の使用量はわずかであり、環境負荷はほとんどない。
このような媒体としては、熱伝導性および加熱効率の観点より導電性繊維や多孔性の焼結金属が好ましく、材料としては銅やステンレスが好適である。ここで、燒結金属のような多孔質の媒体としては、適度な蒸着速度を得るという観点より、その孔径が40〜200μmであることが好ましく、より好ましくは80〜120μmである。
防汚層13形成時に、上記媒体に付着させたフッ素含有有機ケイ素化合物を加熱する際の温度は、真空槽内の圧力によっても異なるが、該有機ケイ素化合物の分解温度を超えない範囲に設定することが好ましい。
防汚層13形成時の圧力として好ましくは0.5〜0.005Paであり、より好ましくは0.1〜0.001Paである。防汚層13形成時の圧力が1Paより高いと、蒸発分子の平均自由工程が短く、防汚層13の形成速度が遅くなってしまう。一方、圧力が0.0001Paより低いと、防汚層13の形成速度は速くなるもののそのような真空状態を得るための時間がかかり過ぎるのでやはり好ましくない。
防汚層13の形成速度(蒸着速度)は、0.05〜5.0Å/sが好ましく、0.1〜2.0Å/sがより好ましい。0.05Å/s未満では、生産性が低いため製造コストが過大となる。また、2.0Å/sを超えると防汚層13の層厚分布が不均一となり、表面の滑り性が悪化する。ここで、防汚層13の形成速度は、真空槽内の圧力と加熱温度を調節することにより制御可能である。
なお、真空蒸着法では、フッ素含有有機ケイ素化合物は高濃度、または希釈溶剤なしに使用することもできる。
(湿式法)
<処理剤の調製>
湿式法により、防汚層13を、基材11(反射防止層12)の上に形成するには、前記したいずれかのフッ素含有有機ケイ素化合物を有機溶剤に溶解させ、所定の濃度となるように調整し、基材11表面に塗布する方法を採用することができる。有機溶剤としては、フッ素含有有機ケイ素化合物の溶解性に優れるパーフルオロ基を有し、炭素数が4以上の有機化合物が好ましく、例えば、パーフルオロヘキサン、パーフルオロシクロブタン、パーフルオロオクタン、パーフルオロデカン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン、パーフルオロ−4−メトキシブタン、パーフルオロ−4−エトキシブタン、メタキシレンヘキサフロライドを挙げることができる。また、パーフルオロエーテル油、クロロトリフルオロエチレンオリゴマー油を使用することができる。その他に、フロン225(CF3CF2CHCl2とCClF2CF2CHClFの混合物)を例示することができる。これらの有機溶剤の1種を単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
有機溶剤で希釈するときの濃度は、0.03〜1質量%の範囲が好ましい。0.03質量%より低すぎると十分な厚さを有する防汚層13の形成が困難であり、十分な撥水・撥油効果さらには十分な滑り性が得られない場合がある。一方、1質量%より濃すぎると防汚層13が厚くなり過ぎるおそれがあり、塗布後に塗りむらをなくすためのリンス作業の負担が増すおそれがある。
<塗布工程>
塗布方法としては、ディッピング(浸漬)法、スピンコート法、スプレー法、フロー法、ドクターブレード法、ロールコート塗装、グラビアコート塗装、カーテンフロー塗装、刷毛塗り等が用いられる。防汚層13の層厚は、特に限定されないが、0.001〜0.05μmが好ましく、0.001〜0.03μmであることがより好ましく、0.001〜0.02μmであることがさらに好ましい。
防汚層13の厚みが0.001μm未満であると、十分な撥水・撥油性能を発揮できず、滑り性にも劣るので、耐擦傷性や耐薬品性が低下するおそれがある。また、防汚層の厚みが0.05μmを超えると、カバー部材2の表面硬度を低下させるおそれがあり、さらに防汚層13による表面光散乱が大きくなるため、基材11の透明性を阻害するおそれがある。
ディッピング法の場合、上記した有機溶剤を用いて所定濃度に調整した処理液中に基材11を浸漬し、一定時間経過後、一定速度で基材11を引き上げる。この際、浸漬時間としては0.5分から3分程度が望ましい。0.5分未満であると、基材11表面へのフッ素含有有機ケイ素化合物の吸着が充分でないため、所定の撥水・撥油性能や滑り性を得ることができない。3分を超える場合は、サイクルタイムの増加を招き好ましくない。引き上げ速度は、100mm/分〜300mm/分が望ましい。これは、処理液濃度との兼ね合いで決められるものであるが、100mm/分未満では、防汚層13が薄くなりすぎて所定の性能が得られず、300mm/分を超えると、防汚層13が厚くなりすぎ、塗布後塗りむらをなくすためのリンス作業の負担が増すおそれがある。
<熟成工程>
前記塗布工程の後に、温度10〜60℃および相対湿度10〜90%の雰囲気下で0.5時間以上放置する。温度は好ましくは20〜50℃であり、相対湿度は好ましくは、20〜80%である。放置時間(熟成時間)は、好ましくは1〜10時間である。雰囲気温度が低すぎると有機ケイ素化合物の反応性が低いため防汚層13の形成が不十分となる。逆に雰囲気温度が高すぎると防汚層13にクラックが入ってカバーガラス1の外観が不良となるおそれがある。また、雰囲気湿度が低すぎると温度の場合と同様に有機ケイ素化合物の反応性が低いため防汚層13の形成が不十分となる。雰囲気湿度が高すぎると反応が速すぎ防汚層13にクラックが入ってカバーガラス1の外観が不良となるおそれがある。また、熟成時間が短すぎると有機ケイ素化合物の反応が不十分となり、防汚層13の形成が不十分となる。熟成時間としては、0.5時間以上が必要であり、例えば、25℃、相対湿度40%なら24時間程度、60℃、相対湿度80%なら2時間程度が好ましい。
なお、上述の乾式法、湿式法のいずれにおいても、事前に反射防止層12表面に対してプラズマ処理(アルゴン、酸素等)を施しておくことが好ましい。プラズマ処理を、例えば、反射防止層12(低屈折率層12D、SiO層)に対して施しておくと、反射防止層12と防汚層13との密着性(接着性)が非常に向上する。
最終的に防汚層13が形成されたカバーガラス2の表面硬度は、ナノインデンターを使用したISO14577準拠の測定値で24000N/mm以上である(試験荷重1.225mN)。
以上の本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
反射防止層12の上には、フッ素含有有機ケイ素化合物からなる防汚層13が形成されている。従って、この防汚層は、撥水・撥油作用を発揮するだけでなく、表面の滑り性に非常に優れる。それ故、カバーガラス2に外部からの衝撃が加わっても、防汚層13表面の滑り性によりその衝撃をやわらげることができるので耐擦傷性に非常に優れる。それ故、カバーガラス2の視認性を長期に渡って維持できる。
防汚層13に用いられるフッ素含有有機ケイ素化合物として、アルコキシシラン化合物や前記した式(1)、(2)のようなパーフルオロエーテル化合物を用いることで、カバーガラス2に高い滑り性を付与することができ、結果として優れた耐擦傷性を発揮することができる。
防汚層13の厚みを0.001〜0.05μmの範囲に設定することで、十分な撥水・撥油性能を発揮できるとともに、耐擦傷性やさらに耐薬品性にも優れたカバーガラス1を提供できる。
カバーガラス1の表面硬度が、24000N/mm以上であるので、腕時計や携帯情報機器などに適用した場合に十分な耐擦傷性が得られる。
防汚層13を上述した所定の湿式法により形成すると、優れた耐擦傷性を有するカバーガラス2を製造できるだけでなく、真空装置等の大型設備が不要となり、製造にかかるコストを低減させることも可能となる
また、防汚層13を上述した所定の乾式法により形成すると、優れた耐擦傷性を有するカバーガラス2を製造できるだけでなく、溶剤を実質的に用いないので環境負荷が低い。また、防汚層13の形成工程における条件を変更することが容易なので防汚層の層厚制御も簡便である。さらに繊維状または多孔質の媒体を用いることでフッ素含有有機ケイ素化合物の加熱効率も高い。
本発明は、以上述べた実施形態には限定されず、本発明の目的を達成できる範囲で種々の改良および変形を行うことが可能である。
前記実施形態では、風防としてのカバーガラス1、2に本発明が適用された例を示したが、本発明の透光性部材は、風防としてのカバーガラスに限定されない。機械式時計などでは、裏蓋が設けられる位置にカバー部材としての透光性部材が設けられ、この透光性部材を介して時計体の内部の機構を視認可能なシースルーバック仕様とされていることがある。このような場合、この透光性部材に本発明を適用できる。
なお、透光性部材の基材としては、高硬度のサファイアガラスが好適であるが、このほか、石英ガラス、ソーダガラス等の使用も検討してよい。
本発明の透光性部材は、時計に使用されるカバー部材に限らず、携帯電話、携帯情報機器、計測機器、デジタルカメラ、プリンタ、ダイビングコンピュータ、脈拍計等の各種機器における情報表示部のカバー部材として好適に使用できる。
なお、本発明の透光性部材は、カバー部材には限定されない。本発明に係る反射防止層、防汚層は、透光性部材の基材において硬度確保、反射防止機能および耐擦傷性が要求される任意の箇所に形成される。
以下に、実施例および比較例により、本発明をより詳細に説明する。具体的には、時計用カバーガラスの基材として一般的なサファイアガラスを用い、その表面に所定の反射防止層、さらには防汚層を形成した後、各種の評価を行った。
〔実施例1〜16、比較例1〜12〕
(基材の前処理)
サファイアガラスを120℃の熱濃硫酸に10分間浸漬した後、純水でよく洗浄し、120℃に設定されたオーブンで、大気中30分間乾燥した。次に、このサファイアガラスをスパッタ装置内部に載置した後、120℃に加熱しながら装置内部を10−6Torrの圧力とした。続いて、装置内にArガスを導入し、0.8mTorrで逆スパッタしてサファイアガラス表面をクリーニングした。
(反射防止層の形成)
シリコンをターゲットとし、以下の条件でスパッタリングを行い、高屈折率層と低屈折率層からなる反射防止層(4層〜9層)を、サファイアガラス製基材の表面に形成した。具体的な層構成を表1、2に示す。なお、反射防止層の最表面から150nmの深さまでにおける窒化ケイ素(SiNx)の体積分率をSiNx占有率として示す。
高屈折率層:窒化ケイ素(SiNx)
ガス:10.0sccm
Arガス:10.0sccm
スパッタリングパワー:2.0KW
低屈折率層:酸化ケイ素(SiO
ガス:10.0sccm
Arガス:10.0sccm
スパッタリングパワー:1.5KW
〔評価項目および評価方法〕
前記で得られた基材に対し、以下の評価を行い、結果を表1、2に示した。なお、サファイアガラス単体についても参考例として示した。
(1)反射率(%)
基材表面に対して90°の入射角で入射する標準光の反射率を求め、この反射率と、入射角90°の場合の視感感度とを可視光領域の各波長において掛け合わせた値の積算値に基づいて算出した。
(2)落砂試験前後の光線透過率差(ΔT%)
まず、次のような落砂試験を行う。水平面に対してカバーガラスを45°の傾斜角度で配置する。この際、反射防止層が形成された側が上面側になるようにカバーガラスを配置する。そして、水平面から1mの高さより、防汚層に向かって砂を落下させる。この後、カバーガラスを洗浄し、試験前におけるカバーガラスの光線透過率と、試験後におけるカバーガラスの光線透過率との差ΔT%に基づいて、傷の付きづらさを評価した。
ここで、使用する砂の材質は、黒色炭化ケイ素インゴットおよび緑色炭化ケイ素インゴットを粉砕、分級して製造されたカーボランダムである。この試験では、中心粒径が600〜850μmのカーボランダム#24を800cm使用した。
(3)表面硬度(N/mm
ナノインデンターを使用して、試験荷重1.225mNにおける、基材の反射防止層側
の表面硬度を測定した(ISO14577に準拠)。
Figure 0005750718
Figure 0005750718
〔評価結果〕
表1の結果より、反射防止層の層数によらず、最表面から150nmの深さまでにおけるSiNx占有率を30〜50vol%とすることで、表面硬度を24000N/mm以上に維持することが可能となり、同時に落砂試験前後の透過率差(Δ%)を2%以下にできることがわかる。透過率差が2%以下であれば、時計用カバ−ガラスとして実用上の耐傷性は良好といえる。また、SiNx占有率を40vol%以上とすることで落砂試験前後の透過率差をさらに1.5%以下にできる。透過率差が1.5%以下であれば、実用上の耐傷性は極めて良好といえる。
一方、表2の結果からは、比較例1、3、5、7、9、11に示すように、SiNx占有率が50vol%を超えると、反射率が0.4%を超え、実用上使用困難なレベルとなることがわかる。また、比較例2、4、6、8、10、12に示すように、SiNx占有率が30vol%未満であると、表面硬度が非常に小さくなり、透過率差も大きくなる。すなわち、耐傷性に劣ったものとなる。
〔実施例17〜22〕
前記した実施例1、3、5、8、11、14について、反射防止層の表面にさらに防汚層を形成して同様に評価を行った。
(防汚層の形成)
フッ素含有有機ケイ素化合物(信越化学工業製 KY−130(3))をフッ素系溶剤(信越化学工業製 FRシンナー)で希釈して固形分3質量%となるように調製したものを、スチールウール(日本スチールウール製 #0、線径0.025mm)0.5gが前もって充填された容器(上方が解放された円筒形の銅製容器、内径16mm×内高さ6mm)に、1.0g充填して、120℃で1時間乾燥した。次に、この銅製容器を、反射防止層が形成されたサファイアガラスとともに、真空蒸発装置内に載置し、装置内を0.01Paの圧力とした後、サファイアガラス表面に対して0.6Å/sの膜形成速度(蒸着速度)となるように銅製容器からフッ素含有有機ケイ素化合物を蒸発させた。加熱源としてはモリブデン製抵抗加熱ボートを用いた。
(カバーガラスの特性の評価)
上記の製造条件で製造されたカバーガラスについて、前記した各特性の評価を行った。その結果を表3に示す。
Figure 0005750718
〔評価結果〕
表3に示すように、実施例17〜22のカバーガラスは、いずれも防汚層を有しているが、それらのベースとなるカバーガラス(実施例1、3、5、8、11、14)と同様に、反射防止効果および耐擦傷性に優れていることがわかる。すなわち、防汚層を形成していても、SiNx占有率の効果が強く反映されていることがわかる。
1、2・・・カバーガラス(透光性部材、カバー部材)、11・・・基材、12・・・反射防止層、12A、12C・・・高屈折率層、12B、12D・・・低屈折率層、13・・・防汚層

Claims (12)

  1. 透光性を有する基材を備える透光性部材であって、
    前記基材の表面の少なくとも一部には、
    窒化ケイ素を含む層と、酸化ケイ素を含む層とを含む反射防止層としての積層を備え、
    前記積層は、その最表面から150nmの深さまでの範囲における窒化ケイ素の含有量が30〜50vol%であり、
    前記積層の表面には、フッ素含有有機ケイ素化合物を含む防汚層を有することを特徴とする透光性部材。
  2. 請求項1に記載の透光性部材において、
    前記積層は、前記窒化ケイ素を含む層と前記酸化ケイ素を含む層とを積層して、積層数が4〜9層であることを特徴とする透光性部材。
  3. 請求項1または請求項2に記載の透光性部材において、
    前記基材がサファイアガラスであることを特徴とする透光性部材。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の透光性部材において、
    該透光性部材の表面硬度が、24000N/mm以上である
    ことを特徴とする透光性部材。
  5. 請求項4に記載の透光性部材において、
    該透光性部材の表面硬度が、30000N/mm以上である
    ことを特徴とする透光性部材。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の透光性部材において、
    前記フッ素含有有機ケイ素化合物が、アルコキシシラン化合物である
    ことを特徴とする透光性部材。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の透光性部材において、
    前記フッ素含有有機ケイ素化合物が、下記式(1)および(2)の少なくともいずれかで示されるパーフルオロエーテル化合物である
    ことを特徴とする透光性部材。
    Figure 0005750718
    (式中、R 1はパーフルオロアルキル基を示す。Xは臭素、ヨウ素または水素を示す。
    Yは水素または低級アルキル基を示し、Zはフッ素またはトリフルオロメチル基を示す。R1は加水分解可能な基を示し、R2は水素または不活性な1価の炭化水素基を示す。a、b、c、d、eは0または1以上の整数で、且つa+b+c+d+eは少なくとも1以上であり、a、b、c、d、eで括られた各繰り返し単位の存在順序は、式中において限定されない。fは0、1または2である。gは1、2または3である。hは1以上の整数である。)
    Figure 0005750718
    (式中、R 2は式:「−(Ck2k)O−」で示される単位を含み、分岐を有しない直鎖状のパーフルオロポリアルキレンエーテル構造を有する2価の基を示す。なお、式:「−(Ck2k)O−」におけるkは1〜6の整数である。R3は炭素原子数1〜8の1価炭化水素基であり、Wは加水分解性基またはハロゲン原子を示す。pは0、1または2であり、nは1〜5の整数である。mおよびrは、2または3である。)
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の透光性部材において、
    前記防汚層の厚みが0.001〜0.05μmであることを特徴とする透光性部材。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の透光性部材において、
    前記積層は、当該透光性部材の内側の部分および外側の部分のうち、少なくとも外側の部分に形成されることを特徴とする透光性部材。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれかに記載の透光性部材において、
    該透光性部材は、時計用カバーガラスであることを特徴とする透光性部材。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれかに記載の透光性部材において、
    前記積層の表面に対しプラズマ処理が施されている
    ことを特徴とする透光性部材。
  12. 請求項1〜請求項11のいずれかに記載の透光性部材を備え、
    前記透光性部材は、時計体を収容するケースに設けられる
    ことを特徴とする時計。
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