JP5750675B2 - 口腔用組成物 - Google Patents

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本発明は、口腔用組成物に関する。
集中治療室で治療を受ける患者は、呼吸器感染症に一旦陥ると、治療に難渋し、入院日数が長くなることなどが問題としてあげられている。その中でも、気管挿管されている患者は、だ液や滲出液、吐物が徐々に気管挿管チューブのカフの間隙を伝わって下気道内に流れ込み、人工呼吸器関連肺炎を引き起こす。それら人工呼吸器関連肺炎の重要な感染源のひとつは口腔であり、口腔ケアを行うことは、人工呼吸器関連肺炎の発症予防や、感染防御の面で重要な機能となっている。また、治療を受ける患者以外に高齢者や要介護者にとっても、口腔内の汚染や、肺炎による死亡要因が増えていることから口腔ケアは重要である。これら高齢者や要介護者に、摂食、会話、呼吸機能の維持、増進を目的で口腔ケアを施すことにより、生きがいのある長寿を支援すること、すなわちQOL(Quality Of Life)を高めることもまた口腔ケアの重要な役割である。
しかしながら、現在市販されている口腔用組成物、例えば、洗口液は、刺激性の高いポピドンヨード製剤や、多量のアルコールを含む製剤が主流であり、重症患者や高齢者、要介護者が長期にわたり使用することは、逆に口腔粘膜が荒れてしまう要因にもなっている。したがって、病原菌に対する菌の抑制が可能で、尚且つ、刺激が少なく、更に人体に無害で、口腔内の湿潤が保たれる洗口液が求められている。
そこで本発明者らは、抗う蝕、抗歯周病、抗ウイルス、抗菌、消臭等様々な生理活性を有する事が知られている、カテキン類に着目した。従来から、カテキン類を含有した口腔用組成物が提案されているが、カテキン類は化学的に変質しやすい特質を有しているため、安定性を確保した製剤を得ることは難しい。具体的には、保存中に酸化・重合が進んでしまい、カテキン類に起因する生理活性が減少するほか、濁りや沈殿を生じやすいという安定性に対する問題があげられる。洗口液は、口腔内に使用する衛生用品であり、異物を認めない剤形であること、即ち、透明性が求められる。透明性のある製剤は、口腔内に残存しても目立たないことも有利である。また、カテキン類を含有した口腔用組成物は、呈味に関しても苦味や収斂性があり、使用感についても問題であった。
カテキン類配合の口腔用組成物又はカテキン類配合の飲料においてカテキン類を安定化させる方法として、アスコルビン酸やシュウ酸、グルタミン酸などの有機酸を配合し、味への影響を抑え、安定化している方法(例えば、特許文献1〜3)や、デキストリンやキサンタンガムなどの多糖を配合し、味への影響を抑え、安定化している方法(例えば、特許文献4、5)、また、タウリンを配合し、味への影響を抑え、安定化している方法(例えば、特許文献6)が挙げられる。特許文献1、2、6には、各必須成分に加えて、所望により、公知の添加剤、例えば、香料、甘味料、着色剤、界面活性剤などを添加できることが記載されているが、いずれの実施例にも、界面活性剤を含む組成物は開示されていない。
カテキン類と界面活性剤を含む組成物としては、カテキン類及び界面活性剤(カチオン性、両性、又は非イオン性)を含む抗菌性洗浄剤組成物(特許文献7)、カテキン類及び非イオン系界面活性剤を含む洗浄用組成物(特許文献8)、カテキン類に界面活性剤と有機酸を添加した茶エキス配合洗口液(特許文献9)が知られている。特許文献7には、前記抗菌性洗浄剤組成物のpHは、抗菌性の観点から中性領域からアルカリ性領域とすることが好ましく、具体的にはpH7.5〜9.0が好ましいことが開示されている(段落[0023])。特許文献8には、前記洗浄用組成物を、例えば、ペットの皮膚又は体毛の洗浄を目的とするペット用シャンプー、あるいは、食器又は調理器具の洗浄を目的とする食器用洗浄剤に応用することが好ましいことが開示されており(段落[0019])、口腔用としての用途は想定されていない。
特許第4188326号明細書 特開2009−215183号公報 特開2008−11834号公報 特開2008−118873号公報 特開2010−64961号公報 特開2008−22754号公報 特開2008−195917号公報 特開2007−112825号公報 特開平7−258054号公報
本願発明の課題は、従来技術の前記欠点を解消し、透明性、安定性、呈味、使用感に優れたカテキン類配合の口腔用組成物を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決することを目的として鋭意研究を重ねた結果、カテキン類を多く配合しても、非イオン性界面活性剤を所定量配合することによって、カテキン類の苦味、渋味及び収斂味を低減し、更に、長期保管においても、透明性を維持する安定性に優れた、口腔用組成物が得られることを見出した。
本発明は、
[1]カテキン類及び非イオン性界面活性剤を含み、pHが2〜6である、口腔用組成物、
[2]前記カテキン類が、エピガロカテキン、カテキン、エピガロカテキンガレート、エピカテキン、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、又はカテキンガレートである、[1]の口腔用組成物、
[3]非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である、[1]又は[2]の口腔用組成物
に関する。
本発明によれば、カテキン類を高濃度に含有するにもかかわらず、保存安定性及び呈味に優れた口腔用組成物を提供することができる。
本発明による口腔用組成物のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対する静菌効力試験の結果を示すグラフである。 本発明による口腔用組成物の緑膿菌に対する静菌効力試験の結果を示すグラフである。
本発明で用いるカテキン類は、口腔ケアに有用な生理活性、例えば、抗う蝕、抗歯周病、抗ウイルス、抗菌、消臭等を有するものである限り、特に限定されるものではなく、種々のカテキン類、例えば、特開2007−112825号公報に記載のカテキン類を用いることができる。
カテキン類には、単量体状のカテキン、低重合体状のカテキンがあり、例えば、茶、柿、りんご等の多種の植物に含まれている。植物の具体例として、チャ等のツバキ科植物、ブドウ等のブドウ科植物、コーヒー等のアカネ科植物、カカオ等のアオギリ科植物、ソバ等のタデ科植物、グーズベリー、クロフサスグリ、アカスグリ等のユキノシタ科植物、ブルーベリー、ホワートルベリー、ブラックハクルベリー、クランベリー、コケモモ等のツツジ科植物、赤米、ムラサキトウモロコシ等のイネ科植物、マルベリー等のクワ科植物、エルダーベリー、クロミノウグイスカグラ等のスイカズラ科植物、プラム、ヨーロッパブラックベリー、ローガンベリー、サーモンベリー、エゾイチゴ、セイヨウキイチゴ、オオナワシロイチゴ、オランダイチゴ、クロミキイチゴ、モレロチェリー、ソメイヨシノ、セイヨウミザクラ、甜茶、リンゴ等のバラ科植物、エンジュ、小豆、大豆、タマリンド、ミモザ、ペグアセンヤク等のマメ科植物が挙げられ、これらの植物に応じて果実、果皮、花、葉、茎、樹皮、根、塊根、種子、種皮等の部位が任意に選ばれる。
これらより抽出されて得られるカテキン類は、人体や動物に対して安全性が高いため、抗酸化剤や機能性食品、健康食品、加工食品、医薬品、飼料、化粧品等に使用されている。特に限定するものではないが、中でも、ツバキ科であるチャより抽出して得られたカテキン類が好ましい。チャより抽出して得られるカテキン類には、(+)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、(+)−カテキン、(−)−エピガロカテキンガレート、(−)−エピカテキン、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピカテキンガレート、(−)−カテキンガレート、及びこれらの重合体、立体異性体から選ばれる1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
チャよりカテキン類を含有した精製物を得る方法しては、特に限定するものではなく、例えば、チャを粉砕したものを、水又は熱水もしくはグリセリンやエタノール等のアルコールにより抽出した画分、又は、水又は熱水もしくはグリセリンやエタノール等のアルコールにより抽出した画分に酢酸エチルやアセトンを加えて分画したときの酢酸エチルやアセトン画分より得ることができる。あるいは常法により、アルコール類や糖類等とエステル化しても良い。
また、抽出物中のカテキン類の純度についても特に限定するものではなく、好ましくは20重量%以上であり、より好ましくは60重量%以上、更に好ましくは80重量%以上である。その純度については、高速液体クロマトグラフィーで測定することができる。
なお、サンフェノン(太陽化学株式会社製)、テアフラン(株式会社伊藤園製)、ウーロン茶エキスM(丸善製薬株式会社製)、ポリフェノン(三井農林株式会社製)、テアビゴ(DSMニュートリションジャパン株式会社製)等、市販のカテキン類含有素材も使用できる。特に、サンフェノンEGCg(太陽化学株式会社製)は、カテキン類中でも高力価のエピガロカテキンガレートを90%以上含むため、好ましい。
本発明で用いる非イオン性界面活性剤は、口腔用組成物の成分として使用した場合に安全性に問題がなく、好ましくは、苦味や収斂性などの呈味や、使用感に優れているものであれば、特に限定されるものではなく、種々の非イオン性界面活性剤、例えば、特開2008−195917号公報に記載の非イオン性界面活性剤を用いることができる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、
グリセリルモノステアレート、グリセリルモノオレエート等の(モノ,ジ,トリ)グリセリン脂肪酸エステル;
ポリグリセリルモノステアレート、ポリグリセリルモノラウレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル;
ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル;
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル;
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;
ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;
アルキルアルカノールアミド;
等が挙げられる。これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用しても良い。
これらの非イオン性界面活性剤の内、好ましくは安全性の高いオリゴマー型非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、エチレンオキサイドの平均付加モル数が5〜100モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましく、エチレンオキサイドの平均付加モル数が40〜80モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がより好ましく、例えばNIKKOL HCO−60(日光ケミカルズ株式会社/日本サーファクタント工業株式会社製)が特に好ましい。
本発明の口腔用組成物のpHは2〜6であり、3〜5であることが好ましく、4.0〜4.9であることがより好ましい。pHが6を超えると、本発明の口腔用組成物を保存した場合、カテキン類の安定性が急激に低下する。
本発明の口腔用組成物に含まれるカテキン類の含量は、溶解直後、あるいは、口腔用組成物として保存している間に、沈殿を生じることがない量であれば、特に限定されるものではないが、例えば、0.01〜3重量%であることができ、好ましくは0.05〜2重量%であり、より好ましくは0.1〜1重量%であり、更に好ましくは0.2〜0.8重量%であり、特に好ましくは0.4〜0.6重量%である。
本発明の口腔用組成物に含まれる非イオン性界面活性剤の含量は、溶解直後、あるいは、口腔用組成物として保存している間に、沈殿を生じることがない量であれば、特に限定されるものではないが、例えば、0.1〜60重量%であることができ、好ましくは0.4〜40重量%であり、より好ましくは0.5〜30重量%であり、更に好ましくは2〜20重量%であり、特に好ましくは3.2〜12重量%である。
本発明の口腔用組成物において、カテキン類に対する非イオン性界面活性剤の配合比は、例えば、5〜30倍であることができ、好ましくは8〜20倍であり、より好ましくは10〜14倍である。8倍未満であると、沈殿を生じることがあり、20倍を超えると、呈味やコストの点で好ましくない。
本発明の口腔用組成物は、そのまま使用するタイプだけでなく、使用時に希釈するタイプのもの、ゲル状の口腔内に塗布するもの、スプレータイプの噴霧するもの、歯磨き剤に混合されたものでもよい。本発明の口腔用組成物は、例えば、洗口液、マウスウォッシュ、口腔ゲル、口腔リンス、口腔スプレー、歯磨き剤等の様々な剤形で提供することができる。
本発明の口腔用組成物は、必須成分としてのカテキン類および非イオン性界面活性剤に加えて、口腔用組成物に一般的に使用できる添加剤、例えば、増粘剤、保湿剤、pH調整剤、安定化剤、防腐剤、香料、甘味剤、水、アルコール等溶媒を製剤の安定性を損なわない範囲で配合し得る。以下に具体例を示すが、本発明の洗口液に配合可能な成分はこれらに制限されるものではない。増粘剤としては、例えば、ゼラチン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、プルラン、シクロデキストリン、キサンタンガム、アラビアガム、トラガカントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、コンニャクマンナン、デキストリン、カラギーナン、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等があげられる。保湿剤としては、グリセリン、ジグリセリン、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、キトサン、コラーゲン、ベタイン、アロエエキスなどの植物抽出エキス等があげられる。pH調整剤としては、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウムなど)、リン酸又はその塩(リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなど)、リンゴ酸又はその塩、グルコン酸又はその塩、乳酸又はその塩、塩酸、酢酸、硝酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等があげられる。安定化剤としては、グルコン酸、酒石酸、エデト酸、エデト酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム等があげられる。防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、セチルピリジニウムクロリド等があげられる。香料としては、例えば、ペパーミント油、ローズマリー油、カモミール油、ゼージ油、ラベンダー油、レモン油、オレンジ油等の精油、l−メントール、カルボン、オイゲノール、アネトール、リナロール、ファルネソール、リモネン、シトラール、シネオール、酢酸リナリル、シトロネロール、ワニリン、α−テルピネオール、サリチル酸メチル、チモール等の香料素材があげられる。甘味剤としては、例えば、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、グリチルリチン酸ジカリウム、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール等があげられる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1:静菌効力試験》
本実施例では、集中治療患者の感染症起炎菌として重要なメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) IID 1677株)と緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC 13275株)を用いて、以下の手順に従って、本発明の口腔用組成物の静菌効力試験を行った。本実施例で用いた本発明の口腔用組成物(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油含有のカテキン水溶液;実施例A)の組成と、比較用のカテキン水溶液(非イオン性界面活性剤を含まない;比較例a)の組成を表1に示す。カテキン類としては、エピガロカテキンガレートを90%以上含む緑茶抽出物(サンフェノンEGCg;太陽化学株式会社製)を使用し、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、エチレンオキサイドの平均付加モル数が60であるもの(NIKKOL HCO−60;日光ケミカルズ株式会社/日本サーファクタント工業株式会社製)を使用した。
《表1》
実施例A 比較例a
カテキン類(エピガロカテキンガレート) 0.5% 0.5%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60 6.0% −
濃グリセリン 15.0% −
香料 0.2% −
エデト酸ナトリウム 0.2% −
キシリトール 0.5% −
クエン酸 0.05% −
カラギーナン 0.3% −
メチルパラベン 0.3% −
安息香酸ナトリウム 0.1% −
精製水 76.85% 99.5%
合計 100.0% 100.0%
MRSA及び緑膿菌を、それぞれ、約10CFU(colony forming unit)/mLに調製し、試験菌液とした。また、表1に記載の各カテキン水溶液に、市販の粉末培地(普通ブイヨン培地;栄研化学)を5w/v%添加して、試験液とした。各試験菌液0.1mLと各試験液10mLとをそれぞれ混合した後、36±2℃にて静置し、混合直後、8時間後、24時間後の菌数を測定した。菌数測定のための試験菌液の中和(不活性化)には、SCDLPブイヨン培地(栄研化学)を用いて100倍希釈を行った。なお、対照として、精製水に前記普通ブイヨン培地を5w/v%添加したものを使用して同様の操作を行った。
結果を図1(MRSA)及び図2(緑膿菌)に示す。図1及び図2において、折れ線Aは実施例Aの結果を、折れ線Bは比較例aの結果を、折れ線Cは対照の結果を、それぞれ示す。本発明の口腔用組成物は、単なるカテキン水溶液と比較して、苦味、渋味、及び収斂味が低減され(後述する実施例2参照)、更に、長期保存においても溶液の透明性が維持される(実施例3参照)との顕著な効果を示すにもかかわらず、MRSAに対する静菌効力についてはカテキン水溶液と差異がなく、緑膿菌に対してはカテキン水溶液よりも優れた静菌効力を示すことが判明した。
《実施例2:呈味試験》
本実施例では、表2に示す組成からなる本発明の口腔用組成物(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油含有のカテキン水溶液;実施例B)と、比較用のカテキン水溶液(非イオン性界面活性剤を含まない;比較例b)を調製し、被検者10人による呈味試験を実施した。結果を表2に示す。
《表2》
実施例B 比較例b
カテキン類(エピガロカテキンガレート) 0.5% 0.5%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60 6.0% −
メチルパラベン 0.3% 0.3%
精製水 93.2% 99.2%
合計 100.0% 100.0%

苦味あり 0人 10人
渋味あり 0人 10人
収斂味あり 0人 10人
《実施例3:安定性試験》
本実施例では、表1に示す実施例A、表3に示す組成からなる本発明の口腔用組成物(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油含有のカテキン水溶液;実施例C、D)、比較用のカテキン水溶液(非イオン性界面活性剤を含まない;比較例c)を調製し、それぞれバイアル瓶に移した後、プラスチック蓋で密封し、室温、5℃、40℃で1か月間静置した後、水溶液の状態を観察した。結果を表4に示す。
《表3》
実施例C 実施例D 比較例c
カテキン類 0.5% 0.5% 0.5%
(エピガロカテキンガレート)
ポリオキシエチレン
硬化ヒマシ油60 4.0% 5.0% −
濃グリセリン 15.0% 15.0% 15.0%
香料 0.2% 0.2% 0.2%
エデト酸ナトリウム 0.2% 0.2% 0.2%
キシリトール 0.5% 0.5% 0.5%
クエン酸 0.05% 0.05% 0.05%
カラギーナン 0.3% 0.3% 0.3%
メチルパラベン 0.3% 0.3% 0.3%
安息香酸ナトリウム 0.1% 0.1% 0.1%
精製水 78.85% 77.85% 82.85%
合計 100.0% 100.0% 100.0%
《表4》
実施例A 実施例D 実施例C 比較例c
カテキン類 0.5% 0.5% 0.5% 0.5%
(エピガロカテキンガレート)
ポリオキシエチレン
硬化ヒマシ油60 6.0% 5.0% 4.0% −

調製直後 透明に溶解 透明に溶解 透明に溶解 透明に溶解
1か月後(室温) 透明のまま 透明のまま 透明のまま 透明のまま
1か月後(5℃) 透明のまま 透明のまま 透明のまま 結晶物の析出
1か月後(40℃) 透明のまま 透明のまま 不透明に変化 褐色に変化
《実施例4:pH安定性試験》
本実施例では、異なるpHにおける安定性を評価するために、表5に示す組成からなる本発明の口腔用組成物(実施例A、E)と、比較用の口腔用組成物(比較例d、e)を調製し、それぞれ、バイアル瓶に移した後、プラスチック蓋で密封し、室温又は50℃で1週間静置した後、水溶液の状態を観察した。結果を表5に示す。
《表5》
実施例E 実施例A 比較例d 比較例e
カテキン類 0.5% 0.5% 0.5% 0.5%
(エピガロカテキンガレート)
ポリオキシエチレン
硬化ヒマシ油60 6.0% 6.0% 6.0% 6.0%
濃グリセリン 15.0% 15.0% 15.0% 15.0%
香料 0.2% 0.2% 0.2% 0.2%
エデト酸ナトリウム 0.2% 0.2% 0.2% 0.2%
キシリトール 0.5% 0.5% 0.5% 0.5%
クエン酸 1.6% 0.05% 0.05% 0.05%
クエン酸ナトリウム − − 6.0% 18.0%
カラギーナン 0.3% 0.3% 0.3% 0.3%
メチルパラベン 0.3% 0.3% 0.3% 0.3%
安息香酸ナトリウム 0.1% 0.1% 0.1% 0.1%
精製水 75.3% 76.85% 70.85% 58.85%
合計 100.0% 100.0% 100.0% 100.0%

pH 2.5 4.5 6.5 6.8
調製直後 透明に溶解 透明に溶解 透明に溶解 浮遊物を確認
1週間後(室温) 透明のまま 透明のまま 透明のまま −
1週間後(50℃)透明のまま 透明のまま 褐色に変化 −
本発明の口腔用組成物は、口腔ケアの用途に使用することができる。

Claims (5)

  1. カテキン類及び非イオン性界面活性剤を含み、口腔用組成物に含まれる非イオン性界面活性剤の含量が2〜60重量%であり、pHが2〜6である、口腔用組成物。
  2. カテキン類に対する非イオン性界面活性剤の配合比が8〜30倍である、請求項1に記載の口腔用組成物。
  3. 口腔用組成物に含まれるカテキン類の含量が0.01〜3重量%である、請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
  4. 前記カテキン類が、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン、エピガロカテキンガレート、エピカテキン、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、又はカテキンガレートである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の口腔用組成物。
  5. 非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の口腔用組成物。
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