JP5749242B2 - 消火栓装置 - Google Patents

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Description

この発明は、消火栓装置に関し、とくに道路トンネル内の監査路に設置されるトンネル向けの消火栓装置に関する。
従来の消火栓装置は、道路トンネルにおいて、トンネル内の路面の側面位置に形成された監査路上に設置されることが多く、監査路の下方において横引きに配設された配水本管から分岐され、分岐配管を介して消火栓装置が接続されている(特許文献1参照)。
このように設置される消火栓装置は、消火栓装置をトンネル壁面に形成された箱抜き部分に備え付ける設置作業と同時に、配水本管からの分岐管を接続する配管作業とを行う必要がある。
特開2001−571号公報
上記のような配管作業は、現場において鋼管の切断や位置合わせに接続の作業が必要になり、監査路に設けられた設置スペース内で行うには非常に面倒である。そのため、もっと簡単な作業で設置できる消火栓装置が望まれている。
この発明は、簡便に設置できる消火栓装置を得ることを目的としている。
この発明は、先端部にノズルを有する消火用ホースと開閉レバーとを筐体内に備え、該筐体がトンネルの側壁凹部に設置されるトンネル向けの消火栓装置において、消火栓弁を内蔵するとともに、継手部と自動排水弁とが配置されて前記消火栓弁の二次側に設けられる自動調圧弁と、フランジ部とを有して一体化された消火栓弁ユニットを備え、前記筐体外で下方の監査路内の設置スペースに設けられる配水本管からの分岐部に、前記継手部が上部側、前記自動排水弁が下部側に配置されるように、前記フランジ部を結合して前記消火栓弁ユニットを設置し、前記消火栓弁ユニットの二次側から前記消火用ホースまでの間を、一方の継手部を前記消火栓弁ユニットの継手部に接続し、他方の継手部を前記筐体内に設けられて前記消火用ホースに接続される継手部に接続することで、フレキシブルな配管部材を用いて接続し、前記消火栓弁ユニットの消火栓弁と前記開閉レバーとの間に、前記消火栓弁と前記開閉レバーとを連動させるワイヤを張設したものであって、前記ノズルからの放水の際には、前記開閉レバーの操作により前記消火栓弁を開放して前記配管部材に、前記自動調圧弁にて所定圧に調圧された消火水を流入させることを特徴とするものである。
さらに、前記配管部材とワイヤとは、前記筐体に設けられた挿通口を通して、前記消火栓弁ユニットまで伸ばされるものである。また、前記消火栓弁ユニットは、継手部と自動排水弁とが、前記消火栓弁の二次側に設けられ、前記自動調圧弁の上部と下部とに配置されるものである。
この発明によれば、消火栓弁ユニットから消火栓装置の筐体までを充水されていないフレキシブルな配管部材で接続するので、保温の作業に加え、配管設置作業まで軽減でき、設置や改修の作業時間を大幅に短縮することができる。
さらに、消火栓弁ユニット以降が所定圧に調圧されているので、配管部材に過度の耐圧性は要求されず、消火用ホースと同等のホースを用いることもできる。また、消火用ホースと同等のホースを用い、着脱部分に同様の継手を用いれば、接続作業が簡便に行える。
この発明を用いる消火栓装置が設置された道路トンネルの一部断面図である。 消火栓装置の正面図である。 消火栓弁ユニットを示す平面図および断面図である。 消火栓弁の開閉機構を示す説明図である。
以下、この発明を利用した消火栓装置の実施の形態について説明する。
図1は、道路トンネル1の一部断面図であり、箱抜きと呼ばれるトンネル1の側壁凹部11に消火栓装置2が設置されている状態を示している。図2は、消火栓装置2の正面図であり、その内部構成が点線で示されている。図3は、消火栓弁ユニット5の内部構成を示す平面図および側面図である。図4は、消火栓弁の開閉機構に関する説明図である。
消火栓装置2は、トンネル1内において、路面12の側方に形成された監査路13内に埋設された配水本管4から分岐管41に分岐されて管継手42を介して消火栓弁ユニット5へ配管され、さらに、この消火栓弁ユニット5から、フレキシブルな配管部材としての接続用ホース6を介して、消火栓本体7内へ接続されている。
なお、フレキシブルな配管には、ホース以外に、いわゆるフレキ管などを用いることができる。
この消火栓装置2の設置は、側壁凹部11に連続して配水本管4からの分岐管41が設けられている部分に設置用のスペース14が形成されていて、そのスペース14内に消火栓弁ユニット5や接続用ホース6を設置すると同時に、側壁凹部11内の床面に消火栓装置本体7が載置される。
消火栓本体7は、前面が開放された箱体71と、その前面を覆う前面パネル72とで筐体が構成され、その内側に、先端に消火用のノズル73を有する消火用ホース74と、その消火用ホース74を内巻式に収納するホースバケット75を備えている。この箱体71は、側壁凹部11の床面に固定されるベース枠76にボルト締め等によって固定されている。
また、消火栓本体7内には、消火用ホース74が接続されるとともに、接続用ホース6が接続される継ぎ部材65を有し、その一端には消防機器用の受け側の継手に構成された継手部67が設けられている。接続用ホース6の両端は、同じ消防機器用の差込側の継手に構成されているので、継ぎ部材65への接続が簡便に行える。また、継ぎ部材65は箱体71に形成された支持部に支持されていて、継ぎ部材65には、メンテナンス弁68が設けられていて、放水試験時に消火用ホース74に通水せずに十分な消火水の供給を確認できるようになっている。なお、メンテナンス弁68はなくてもよい。
前面パネル72は、扉が設けられる開口を2箇所備え、各開口にはそれぞれ前に倒れる前倒式の消火栓扉77と横開きの消火器扉78とが設けられている。この前面パネル72は左右分割型になっていて双方の上下左右8箇所において、箱体71の固定部に相当する部分でボルト締めされている。
消火栓扉77は、前面パネル72に対して下方を蝶番で結合した手前に回動する扉であり、この消火栓扉77の開放の際には扉左右のハンドル79を手前に引くことで、マグネット式の閉状態を維持している磁力による結合をとき、前傾方向に回動して垂れ下がり開口部を開放する。この消火栓扉77は扉としての機能のみで、軽量かつ簡素である。
この消火栓扉77を開放すると、その開口部からノズル73と開閉レバー83が露出し、使用者は、開閉レバー83を開操作してノズル73を持って消火用ホース74を引き出しながら火災の発生現場へ向うことにより、ノズル73から放水して消火活動を行うことができる。
消火器扉78は、左側に回転軸が形成され横開きに開放し、消火栓扉77と同様にマグネット式で、右側のハンドル80を手前に引くことで開放でき、その内側に図示しない消火器が設置される。消火器扉78の上方には、電気機器取付部が構成され、表示灯81、発信機82などの電気機器が取り付けられている。このような消火器部分は別体で構成してもよく、消火栓部分の使用には関係しないので、この発明としてはなくてもよい。
消火栓弁ユニット5は、図3に示すような配管系統が構成され、ボール型の開閉弁である消火栓弁52と、その消火栓弁52の二次側に配置されて所定圧の消火水を供給する自動調圧弁53と、同様に消火栓弁52の二次側に配置されて、詳細に示さないが、放水時でない無加圧の消火水を排出する自動排水弁58と、分岐管41に結合されるフランジ部54と、接続用ホース6が接続される消防機器用の受け側の継手に構成された継手部55とが一体化されている。
消火栓弁52の弁体は、ボックス56内に配置された連動プーリ57に連動し、消火栓本体7側で消火栓扉77の背面側に設けられている開閉レバー83の操作によって開閉動作される。この開閉レバー83による消火栓弁52の開閉機構は、図4に示すように、開閉レバー83が対向プーリ84と結合されていて、対向プーリ84の回転の中心と同軸で、開閉レバー83が前後に回動するようになっている。そして、開閉レバー83を引くことによって、同時に対向プーリ84が回転することになる。この対向プーリ84にはワイヤ61が掛けられているとともに、ワイヤ61は対向プーリ84に対して一点に係合固定されている。他方、ワイヤ61は両端を固定されたチューブ62内を通して消火栓弁52の連動プーリ57に掛けられ、このワイヤ61は連動プーリ57と対向プーリ84との間に張設されている。この連動プーリ57もワイヤ61と一点において係合固定され、ワイヤ61の移動と同じ量に連動プーリ57が回動させられる。この連動プーリ57の回動とともに、同軸で連動する弁体が消火栓弁52の開放動作を行うので、消火栓扉77を開放して、開閉レバー83を手前に引くことで、消火栓弁ユニット5内の消火栓弁52を開放することができる。
ワイヤ61は、チューブ62内に通されて、接続用ホース6と同様に、消火栓本体7内から消火栓弁ユニット5内に渡されている。チューブ62は、余裕のある長さで用意されるが、ワイヤ61を連動プーリ57から対向プーリ84まで張設するには、ワイヤ61とチューブ62との長さの関係で決まり、チューブ62の両端を所定位置に設置すればよい。
このような構成を有する消火栓装置2の設置作業について、以下に説明するが、トンネル1内において、監査路13内の配水本管4と分岐管41が予め設置されていて、壁面凹部11につながる設置用のスペース14も予め形成されている。
まず、壁面凹部11の床面にベース枠76をアンカーで固定して、その上に消火栓本体7を載置し、ボルト締めによって本体7をベース枠76に固定する。
また、配水本管4から分岐された分岐管41の管継手42に消火栓弁ユニット5のフランジ部54を接続する。
つぎに、固定された消火栓本体7内において、箱体71に設けられた挿通口を通して、接続用ホース6の差込み側の継手部68を継ぎ部材65の継手部66に接続して、箱体71外の接続用ホース6を設置用のスペース14を介して消火栓弁ユニット5まで伸ばし、その継手部55に、接続用ホース6の図示しない差込み側の継手部を接続する。この作業によって簡単に配水本管4と消火栓本体7内の消火用ホース74を接続することができ、従来のような、鋼管を長さ調整して切断、ねじ切りして、エルボ等を用いて引き回し、ボルト締め等による配管接続等の作業を全く行う必要がなく、接続用ホース6の両端をそれぞれ継手部に接続するだけで配管作業が終わる。
なお、接続用ホース6の長さについては、余裕のある長さが好ましいが、あまり長すぎるとたわみ部が発生して、ホース6内の自然排水が期待できなくなってしまう。そのため、接続用ホース6の長さは消火栓本体7から消火栓弁ユニット5までの間に近い長さにされている。また、接続用ホース6の長さに大きな余裕を持たせた場合、例えば、円筒状の軸体を用意して、螺旋式に巻き取る工夫をすることによって、全体として一方向に傾斜をつけ、たわみ部を発生させずに接続用ホース6内の水を自然排水させることを可能とできる。
また、接続用ホース6と同様に、箱体71に設けられた挿通口を通して、開閉レバー83から引き出されるワイヤ61が通されたチューブ62を設置用のスペース14を介して消火栓弁ユニット5まで伸ばし、消火栓弁52のボックス56内の連動プーリ57に接続する。この作業によって簡単に消火栓弁52の連動プーリ57と開閉レバー83の対向プーリ84を連動させることができ、離れた開閉レバー83でも消火栓弁52の開閉操作を行うことができる。
このように設置された消火栓装置2は、消火栓弁ユニット5側に自動調圧弁53を有しているので、自動調圧弁53の二次側の部分は所定圧以下の圧力しかかからず、鋼管を用いる必要がなく、消火用ホース74と同等の接続用ホース6を用いることができる。
以上のように、この実施の形態の消火栓装置2では、先端部にノズル73を有する消火用ホース74を筐体内に備え、筐体外に設けられる配水本管4からの分岐部に消火栓弁52を内蔵した消火栓弁ユニット5を設置し、消火栓弁52の二次側から消火用ホース74までの間で接続用ホース6を用いて接続したものであって、ノズル73からの放水の際には、消火栓弁52を開放して接続用ホース6に消火水を流入させるものであり、内部に充水されない接続用ホース6で接続するので、保温の作業に加え、配管設置作業まで軽減でき、設置や改修の作業時間を大幅に短縮することができる。
さらに、消火栓弁ユニット5は、消火栓弁52とともに自動排水弁58および自動調圧弁53が一体化されていて、また、消火栓本体7内に、両ホース6、74の継手部を受ける受け部材65が設けられているものであり、消火栓弁ユニット5以降が所定圧に調圧されているので、接続用ホース6に過度の耐圧性は要求されず、消火用ホース74と同等のホースを用いることもでき、また、消火用ホース74と同等のホースを用い、着脱部分に同様の継手を用いれば、接続作業が簡便に行える。
2 消火栓装置、4 配水本管、5 消火栓弁ユニット、52 消火栓弁、 53、自動調圧弁、58 自動排水弁、6 接続用ホース(配管部材)、65 受け部材、7 消火栓本体、73 ノズル、74 消火用ホース。

Claims (3)

  1. 先端部にノズルを有する消火用ホースと開閉レバーとを筐体内に備え、該筐体がトンネルの側壁凹部に設置されるトンネル向けの消火栓装置において、
    消火栓弁を内蔵するとともに、継手部と自動排水弁とが配置されて前記消火栓弁の二次側に設けられる自動調圧弁と、フランジ部とを有して一体化された消火栓弁ユニットを備え、
    前記筐体外で下方の監査路内の設置スペースに設けられる配水本管からの分岐部に、前記継手部が上部側、前記自動排水弁が下部側に配置されるように、前記フランジ部を結合して前記消火栓弁ユニットを設置し、
    前記消火栓弁ユニットの二次側から前記消火用ホースまでの間を、一方の継手部を前記消火栓弁ユニットの継手部に接続し、他方の継手部を前記筐体内に設けられて前記消火用ホースに接続される継手部に接続することで、フレキシブルな配管部材を用いて接続し、
    前記消火栓弁ユニットの消火栓弁と前記開閉レバーとの間に、前記消火栓弁と前記開閉レバーとを連動させるワイヤを張設したものであって、
    前記ノズルからの放水の際には、前記開閉レバーの操作により前記消火栓弁を開放して前記配管部材に、前記自動調圧弁にて所定圧に調圧された消火水を流入させることを特徴とする消火栓装置。
  2. 前記配管部材とワイヤとは、前記筐体に設けられた挿通口を通して、前記消火栓弁ユニットまで伸ばされる請求項1記載の消火栓装置。
  3. 前記消火栓弁ユニットは、継手部と自動排水弁とが、前記消火栓弁の二次側に設けられ、前記自動調圧弁の上部と下部とに配置される請求項1又は2記載の消火栓装置。
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