JP5748396B2 - 洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は、精密機器類の被洗浄物を洗浄剤によって洗浄する洗浄装置に関するものである。
従来、洗浄装置として、特許文献1に記載のものが知られている。すなわち、この洗浄装置は、内部に溶剤タンク、および、スプレーブースが形成された外枠を備えている。さらに、スプレーブースにて高温高圧の溶剤を被洗浄物に噴射するノズルと、溶剤タンク内の溶剤をノズルへ圧縮して吐出するスプレーポンプと、スプレーポンプにて圧縮された溶剤を加熱する熱交換器と、蒸気となった溶剤を冷却して液化させる冷却蛇管と、溶剤タンク内の溶剤を蒸留精製する蒸留器とを備えている。
チェンコンベアに取り付けられた被洗浄物は、溶剤タンク、スプレーブースの順に移動する。ここで、被洗浄物は、溶剤タンクに貯えられた溶剤中を進むことで被洗浄物に付着する油脂等が溶解されて、スプレーブースに進み、更に、ノズルによって噴射される高温高圧の溶剤によって洗浄される。
このような洗浄装置の洗浄剤は、被洗浄物に付着した油成分を溶解作用にて除去して、被洗浄物を洗浄する為に、油成分を溶解する親油性溶剤、例えば、分子構造上塩素原子を含む塩素系溶剤が使用されている。
特開昭60−12187号公報
しかしながら、特許文献1に記載の洗浄装置に使用されている塩素系溶剤は、油成分を溶解する親油性溶剤である為、溶剤を循環させて再使用する場合には、油成分を分離して除去する蒸留器が別途必要となり、洗浄装置が複雑化してしまうといった問題点がある。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、簡易な構造で洗浄剤を循環させて再使用することが可能な洗浄装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に係る発明は、油成分が付着した被洗浄物(18)に向けて洗浄剤を噴射して、被洗浄物(18)から油成分を除去する除去手段(101)と、除去手段(101)にて噴射された洗浄剤および被洗浄物(18)から除去された油成分の洗浄廃液を回収する回収手段(102)とを有する洗浄装置において、洗浄剤は、油成分よりも比重の大きい油成分を分離する疎油性洗浄剤であるフッ素系化合物より成り、回収手段(102)内に回収された洗浄廃液は、洗浄剤と油成分との比重差により回収手段(102)内で洗浄剤と油成分とが層状に分離しており、層状に分離した洗浄剤を回収手段(102)から除去手段(101)に供給する供給手段(16a)を備え、除去手段(101)は、噴射される洗浄剤を加圧する加圧部(11)と、加圧部(11)にて加圧された洗浄剤を加熱する加熱部(12)と、被洗浄物(18)に向けて洗浄剤を噴射する噴射部(13)とを有しており、回収手段(102)は、噴射部(13)にて噴射されて気化した洗浄剤を液化する液化部(14)と、液化部(14)にて液化された洗浄剤、及び被洗浄物(18)から除去された油成分を貯留する貯留部(10)とを有しており、液化部(14)は、噴射部(13)の上方に位置し、貯留部(10)は、噴射部(13)の下方に位置しており、貯留部(10)には、貯留部(10)の上部に開口し、貯留する油成分を排出し除去する排出口(17)が設けられており、供給手段(16a)は、貯留部(10)に設けられ貯留部(10)の下部に開口している供給口(16a)を有しており、除去手段(101)は、供給口(16a)から油成分を分離した洗浄剤のみを吸引して被洗浄物(18)に向けて洗浄剤を噴射し、除去手段(101)は、洗浄剤が内部を流通する配管(16)を備え、配管(16)には、加圧部(11)及び加熱部(12)が配設され、配管(16)の両端は、供給口(16a)と噴射部(13)とに接続されており、加熱部(12)は、加圧部(11)にて加圧された洗浄剤を、大気圧中において気体状態となる温度であって、加圧部(11)による加圧時における沸点温度以下まで加熱しており、油成分は、排出部から排出され除去される油成分であることを特徴としている。
これによれば、除去手段(101)によって油成分が付着した被洗浄物(18)を洗浄剤を用いて洗浄することができるとともに、回収手段(102)及び供給手段(16a)によって洗浄剤を再使用するサイクルを構成することができる。ここで、洗浄剤は、油成分を分離する疎油性洗浄剤である為、回収手段(102)内にて、洗浄剤と油成分とが混ざった状態である洗浄廃液は、洗浄剤と油成分との比重差により回収手段(102)内で洗浄剤と油成分とが層状に分離される。そして、供給手段(16a)は、回収手段(102)内に回収された洗浄廃液のうち、油成分を分離した洗浄剤を、除去手段(101)に供給する為、簡易な構造で洗浄剤を再使用するサイクルを構成することが可能となる。
これによれば、噴射部(13)の噴射による衝突力と、洗浄剤の突沸による衝突力との両者の洗浄作用を用いて、被洗浄物(18)を洗浄することができる。これによれば、油成分を溶解しにくい洗浄剤を用いることができる。
これによれば、噴射部(13)が噴射する洗浄剤を、加圧部(11)にて加圧し、加熱部(12)にて加熱する為、除去手段(101)は、高温・高圧の洗浄剤を噴射することができる。また、高温・高圧の為、噴射部(13)にて噴射されて気化した洗浄剤を液化部(14)にて液化し、液化した洗浄剤、及び被洗浄物(18)から除去された油成分を貯留部(10)にて貯留する為、回収手段(102)は、気化した洗浄剤を外部に放出すること無く、洗浄剤及び油成分を回収することができる。そして、貯留部(10)に供給口(16a)が設けられ、除去手段(101)は、供給口(16a)から油成分を分離した洗浄剤を吸引する為、供給手段(16a)は、供給口(16a)を有するという簡易な構造で洗浄剤を供給することができる。
これによれば、油成分よりも比重の大きい洗浄剤を用いることで、貯留部(10)に貯留する洗浄廃液のうち、油成分を分離した洗浄剤は、貯留部(10)における洗浄廃液の底側の下部に溜まる為、貯留部(10)の下部に開口する供給口(16a)によって、容易に油成分を分離した洗浄剤を除去手段(101)に供給することが可能となる。
これによれば、貯留部(10)にて貯留する油成分を、排出口(17)を設けるという簡易な構造で油成分を排出することができる。
これによれば、油成分よりも比重の大きい洗浄剤を用いることで、貯留部(10)に貯留する洗浄廃液のうち、洗浄剤に分離された油成分は、貯留部(10)における洗浄廃液の液面側の上部に溜まる為、貯留部(10)の上部に開口する排出口(17)によって、容易に洗浄剤に分離された油成分を貯留部(10)から排出することが可能となる。
これによれば、液化部(14)は、噴射部(13)から噴射されて気化した洗浄剤を容易に液化することができる。また、貯留部(10)は、噴射部(13)から噴射された洗浄剤の流速によって洗い流される油成分を容易に貯留することができる。
これによれば、除去手段(101)は、供給口(16a)から吸引した洗浄剤を、加圧部(11)にて加圧し、加熱部(12)にて加熱した状態で、噴射部(13)から噴射することができる。
また、請求項2に係る発明では、噴射部(13)は、被洗浄物(18)に向けて洗浄剤を連続的に噴射可能とすることを特徴としている。
これによれば、間欠的に噴射させるような噴射制御を必要とせず、洗浄手段(13)における噴射制御の簡素化を図ることが可能となる。
また、請求項3に係る発明では、洗浄剤は、大気圧中において液体状態となることを特徴としている。
これによれば、洗浄剤が大気圧中で液体状態となるので、貯留部(10)は、容易に洗浄剤を貯留することが可能となる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態における洗浄装置の構成を示す概略構成図である。 他実施形態における洗浄装置の構成を示す概略構成図である。
(第一実施形態)
以下、本発明の第1実施形態における洗浄装置100の構造について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態における洗浄装置100の構成を示す概略構成図である。
洗浄装置100は、上下方向に延びる箱形状の枠体20を有している。枠体20の上側に位置する天面には、コンベア19に取り付けられた被洗浄物18が、コンベア19に取り付けれた状態で枠体20の外部から内部へ移動する為に開口する入口21と、枠体20の内部から外部へ移動する為に開口する出口22とが形成されている。コンベア19は、被洗浄物18を運搬するベルト状の運搬装置であり、枠体20の内部でUの字に曲がって配設されている。被洗浄物18は、加工精度が精密な精密加工部品や、電子部品などが好適であり、例えば、インジェクタ、ポンプ、センサなどが挙げられる。
枠体20の下部には、被洗浄物を洗浄する洗浄剤を貯留するタンク10が形成されている。タンク10は、枠体20の内部における底側にて、予め設定された所定量の洗浄剤を液状態で貯える容器体である。つまり、タンク10に貯留する洗浄剤の液面10aの位置は、一定の高さに維持されている。本実施形態におけるタンク10は、本発明における貯留部に相当する。
さらに、洗浄装置100は、被洗浄物18に向けて洗浄剤を噴射して被洗浄物18から油成分を除去する除去手段101として、ポンプ11、加熱器12、ノズル13、および、配管16を有している。そして、除去手段101にて噴射された洗浄剤と被洗浄物18から除去された油成分を回収する回収手段102として、上述のタンク10、冷却器14、および、水分分離器15を備えている。
配管16は、タンク10の内部とノズル13とを接続する管部材である。配管16の中間部は、枠体20の外部に露出する一方、配管16の両端部は、枠体20の内部に配置されている。配管16の内部では、洗浄剤が下方から上方へ向かって流通している。配管16の洗浄剤流れ上流側の端部は、タンク10における底側に接続されており、配管16の洗浄剤流れ下流側の端部は、枠体20における上下方向中央に接続されている。
ポンプ11は、配管16の中間部における洗浄剤流れ上流側に配設されている。ポンプ11は、タンク10に貯留された洗浄剤のうち底側の洗浄剤を、ノズル13へ圧縮して吐出する流体装置である。本実施形態におけるポンプ11は、本発明の加圧部に相当する。
加熱器12は、配管16の中間部のうち、ポンプ11より洗浄剤流れ下流側に配設されている。加熱器12は、ポンプ11によって加圧された洗浄剤と、発熱体であるヒータ12aとを熱交換して、ポンプ11によって加圧された洗浄剤を加熱する熱交換器である。本実施形態における加熱器12は、本発明の加熱部に相当する。
ノズル13は、配管16のうち、洗浄剤流れ下流側の端部に配設されており、枠体20の内部における上下方向中央であって、タンク10に貯留された洗浄剤の液面10aの上方に位置している。ノズル13は、ポンプ11によって加圧され、加熱器12によって加熱された洗浄剤を、被洗浄物18に向けて連続的に噴射する噴射装置である。ノズル13は、Uの字に曲がるコンベア19の先端に対応する位置に配設されており、コンベア19のUの字先端においてコンベア19の上側に取り付けられている被洗浄物18に向かって上方から下方へ洗浄剤を噴射可能に配置されている。本実施形態のおけるノズル13は、本発明における噴射部に相当する。
また、配管16には、図示しないフィルタが配設されている。フィルタは、被洗浄物18に付着した塵などを堰き止めて洗浄剤のみを通過させる網目構造の部材である。
ノズル13は、洗浄剤を噴射して、枠体20の内部における上下方向中央に、飽和洗浄剤気体層Aを形成している。飽和洗浄剤気体層Aは、洗浄剤が飽和蒸気の状態で存在する空間であり、タンク10に貯えられる洗浄剤の水面から上方へ、ノズル13よりも上方まで層状に広がっている。
冷却器14は、枠体20の内部における上側であって、ノズル13よりも上方に配設されており、飽和洗浄剤気体層Aの最も上側に位置している。冷却器14は、枠体20の内部の空気と、冷却器14内部を流通する冷却流体とを熱交換して、枠体20の内部の空気を冷却する熱交換器である。冷却器14は、内部に冷却流体が流通する管部材を枠体20の内壁面に沿って環状に巻いた構造を有している。冷却器14は、冷却器14の内部に冷却流体が流通すると、枠体20の内部空気を冷却して枠体20の内部空気中に含まれている水蒸気を冷却して液化させるとともに、飽和洗浄剤気体層A中のノズル13から噴射されて蒸気となった洗浄剤も冷却して液化させて、洗浄剤をタンク10に回収する。本実施形態における冷却器14は、本発明の液化部に相当する。
冷却器14は、枠体20の内壁面から枠体20の内側に延出する受け皿14aを有している。受け皿14aは、環状の器形状を有しており、冷却器14の下方に配設されている。冷却器14にて液化した洗浄剤は、その自重によって、枠体20の内壁面や冷却器14の外周面を伝い、冷却器14の下方の受け皿14aへ集合する。
水分分離器15は、枠体20の外側に配設されている。水分分離器15は、受け皿14aに集合した洗浄剤と水分とを比重によって分離して、水分を除去した洗浄剤をタンク10へ供給する分離器である。
本実施形態における洗浄剤は、大気圧とポンプ11による加圧時との間で沸点が顕著に変化する洗浄剤であって、分子構造上塩素原子を含んでおらず、油成分を分離させる疎油性の不活性洗浄剤が用いられている。具体的に洗浄剤は、フッ素化合物のハイドロフルオロカーボン(HFC)が用いられている。ここで、大気圧とポンプ11による加圧時との間で沸点が顕著に変化するとは、0.1MPa(メガパスカル)加圧すると沸点が10度以上上昇する程度の変化のことである。
枠体20の内部は大気圧であり、ハイドロフルオロカーボンの洗浄剤は、液体状態でタンク10に貯留されている。また、ポンプ11にて加圧され、加熱器12にて加熱され、ノズル13から噴射されるハイドロフルオロカーボンの洗浄剤は、高温・高圧の液体状態の加圧過加熱液状態である。
また、ハイドロフルオロカーボンの洗浄剤は、疎油性の洗浄剤である為に、洗浄剤よりも比重の小さい分離された油成分をタンク10に貯留する洗浄廃液内を浮上させて、タンク10の液面10aに油成分層10bを形成している。そこで、本実施形態におけるタンク10は、タンク10に貯留される洗浄剤から分離されて洗浄剤の液面10aに層状に広がる油成分層10bから油成分を排出する排出口17を備えている。
排出口17には、管部材である排出管17aが挿入されている。排出管17aの一端は、タンク10の内壁面から離れた位置まで延出しており、油成分層10b中に開口している。また、排出管17aには、排出管17a内を流通する油成分の流路を開閉するバルブ17bが配設されている。
一方、タンク10の底側には、油成分を含まない洗浄剤が貯留されている。そこで、本実施形態では、タンク10の底側における下部には、底側に貯留された洗浄剤中に開口する供給口16aが設けられている。供給口16aには、配管16の洗浄剤流れ方向上流側の端部が接続されている。供給口16aは、例えば、タンク10の底面に開口するように設けられている。本実施形態における供給口16は、本発明のおける供給手段に相当する。
次に、本実施形態における洗浄装置100の作動について説明する。コンベア19に取り付けられた被洗浄物18は、まず、枠体20に形成された入口21を通過した後、枠体20の上側の空間を介して枠体20における上下方向中央に位置する飽和洗浄剤気体層A内に進入する。そして、Uの字に曲がるコンベア19の先端にて、ノズル13から高温・高圧の加圧過加熱液状態の洗浄剤が、被洗浄物18に向かって噴射される。ノズル13から洗浄剤が噴射される被洗浄物18は、ノズル13の噴射による衝突力と洗浄剤の突沸による衝突力とによって、被洗浄物18に付着していた油成分が溶解されること無く、短時間で除去される。
ここで、ノズル13の噴射による衝突力とは、ノズル13から高速で噴射されて被洗浄物18に衝突する洗浄剤の運動エネルギーのことであり、被洗浄物18に付着していた油成分は、高速で噴射される洗浄剤とともに洗い流される。また、洗浄剤の突沸による衝突力とは、高温・高圧の加圧過加熱液状態の洗浄剤が大気圧中に噴射されて突沸する状態変化による物理的なエネルギーのことであり、突沸した洗浄剤蒸気の動きにより微細な隙間内の油成分は、突沸した洗浄剤蒸気とともに洗い流される。従って、本実施形態における洗浄装置100は、洗浄作用において化学的な洗浄作用を用いていない。科学的な洗浄作用とは、例えば、油成分を洗浄剤中に溶解させて洗浄する作用のことである。
ノズル13から洗浄剤が噴射された被洗浄物18は、洗浄されてUの字に曲がるコンベア19の先端を通過する。洗浄剤がノズル13から噴射後、或いは、被洗浄物18に衝突後に直ちに気化するので、コンベア19の先端を通過した被洗浄物18は、十分に乾燥している。そして、被洗浄物18は、飽和洗浄剤気体層Aから進出し、枠体20の上側の空間を介して、枠体20に形成された出口22を通過して洗浄装置100による洗浄工程が終了する。
一方、気化した洗浄剤は、ノズル13の上方に位置する冷却器14にて、空気中の水蒸気とともに冷却されて液化する。液化した洗浄剤、および、水分は、受け皿14aに集合し、水分分離器15にて洗浄剤と水分とに分離されて、水分が除去された洗浄剤は、タンク10に貯留される。
また、洗浄剤によって被洗浄物18から洗い流された油成分は、洗浄剤からの受熱により気化する油成分と、ノズル13の噴射の衝突力によって洗い流されて、ノズル13の下方に位置するタンク10へ落下する油成分とに分かれるが、気化した油成分も、冷却器14に近づくに連れて温度が低下する為、液化してタンク10へ落下する。その結果、タンク10には、水分が除去された洗浄剤と、被洗浄物18から除去された油成分との洗浄廃液が貯留されることになる。
そして、タンク10に貯留された洗浄廃液は、油成分を分離する洗浄剤を用いている為に、油成分と洗浄剤とに分離する。本実施形態では、油成分よりも比重の大きい洗浄剤を用いている為に、油成分は、洗浄廃液のうち上部に油成分層10bを形成し、洗浄剤は、洗浄廃液のうち、底側の下部に溜まる。そして、タンク10の底側の下部に開口する供給口16aによって、油成分を分離した洗浄剤が配管16に吸引されて再利用されることになる。
本実施形態における洗浄装置100は、洗浄剤として、フッ素化合物のハイドロフルオロカーボンが用いられている。従って、塩素系溶剤と比べて有害性が低いので、その洗浄剤の使用における安全性を確保することができる。
また、本実施形態におけるノズル13から噴射される洗浄剤は、大気圧中での沸点よりも高温の加圧過加熱状態で大気圧中に噴射されている。その結果、ノズル13の噴射による衝突力と、洗浄剤の突沸による衝突との両者の洗浄作用を用いて、被洗浄物18を洗浄することができる。また、ノズル13から噴射される洗浄剤は、直ちに気化するので、被洗浄物18を洗浄する洗浄工程とは別に、被洗浄物18を乾燥させる乾燥工程を必要とせず、洗浄装置100の小型化、簡素化を図ることが可能となる。
また、本実施形態における洗浄剤は、大気圧中で液体状態となる不活性洗浄剤を用いている。その為、タンク10に洗浄剤を容易に貯留させることができる。また。本実施形態における洗浄剤は、疎油性の洗浄剤である。その為、大気圧中のタンク10において、被洗浄物18から除去された油成分は、タンク10内の洗浄剤から分離されて液面10aに油成分層10bを形成するので、排出口17を油成分層10bに開口させることでタンク10から油成分を容易に除去することができる。従って、塩素系溶剤などの親油性溶剤を用いた場合における洗浄剤中に溶解した油成分を除去する蒸留器などの洗浄剤を再使用するための再循環装置を必要とせず、洗浄装置100の小型化、簡素化を図ることが可能となる。
また、本実施形態におけるノズル13は、洗浄剤を連続的に噴射している。従って、塩素系溶剤などの親油性の溶剤を用いた場合における、再循環装置に対する負荷を減らす為に行う、ノズル13から洗浄剤を間欠的に噴射させるような噴射制御を必要とせず、ノズル13における噴射制御の簡素化を図ることが可能となる。
また、洗浄装置の洗浄剤に塩素系溶剤を使用しない場合として、水蒸気を用いる場合が考えられるが、水蒸気を用いた場合には、乾燥が十分に行えない点、多大な加熱エネルギーが必要となる点、電子部品が腐食し易い点、復水処理の為の付帯設備が必要となる点などの問題点がある。しかしながら、本実施形態における洗浄剤は、水よりも気化潜熱が小さいので乾燥性が良い。また、水よりも比熱が小さいので、容易に加熱することができ、加熱エネルギーの消費を低減することができる。また、復水処理の為の付帯設備などの再循環装置を必要としない。その結果、洗浄装置の洗浄剤に水蒸気を用いた場合と比較しても、洗浄装置100の小型化、簡素化を図ることができる。
(他の実施形態)
上記第1実施形態では、洗浄装置100は、上下方向に延びる箱形状の枠体20を有している。しかし、本発明は、これに限定されることは無く、洗浄装置は、水平方向に広がる箱形状の枠体を有していても、複数の箱形状の枠体を有して洗浄部と貯留部とが別体とされていても良い。
また、上記第1実施形態では、枠体20の天面には、入口21と出口22が形成されている。しかし、本発明は、これに限定されることは無く、例えば、枠体の天面にコンベアに取り付けられた被洗浄物18が、コンベアに取り付けられた状態で枠体の外部から内部、および、内部から外部へ移動する為の出入口が設けられていても良い。
また、上記第1実施形態では、配管16の中間部は、枠体20の外部に露出している。しかし、本発明は、これに限定されることは無く、配管16の中間部は、枠体20の内部に配置され、配管16の中間部に配設されるポンプ、および、加熱器は、枠体の内部に形成されたポンプ室に収容される構成であっても良い。
また、上記第1実施形態では、ノズル13は、洗浄剤を連続的に噴射している。しかし、本発明は、これに限定されることは無く、ノズルは、洗浄剤を間欠的に噴射するように制御されていても良い。
また、上記第1実施形態では、ノズル13は、コンベア19のUの字先端においてコンベア19の上側に取り付けられている被洗浄物18に向かって上方から下方へ洗浄剤を噴射可能な位置に1つ配置されている。しかし、本発明は、これに限定されることは無く、ノズルは、水平方向に洗浄剤を噴射する位置に配置されていても良く、また、洗浄剤を噴射するノズルは、被洗浄物の形状やコンベアの形状に応じて複数備えられていても良い。
また、上記第1実施形態では、洗浄剤として、ハイドロフルオロカーボンが用いられている。しかし、本発明は、これに限定されることは無く、例えば、フッ素系化合物のハイドロフルオロエーテル(HFE)やパーフルオロカーボン(PFC)やパーフルオロアミンであっても良い。大気圧とポンプによる加圧時との間で沸点が顕著に変化する洗浄剤であって、分子構造上塩素原子を含んでおらず、疎油性が高く、大気圧中で液体状態となる不活性洗浄剤が好ましい。
また、上記第1実施形態では、ノズル13から噴射される洗浄剤は、ポンプ11にて加圧され、加熱器12にて加熱された液体状態の洗浄剤である。しかし、本発明は、これに限定されることは無く、ポンプによる加圧時において、加圧時における沸点以上まで加熱器にて更に加熱され、洗浄剤が気体の状態でノズルから噴射されていても良い。
また、上記第1実施形態では、供給口16aは、タンク10の底側の下部に設けられ、排出口17は、タンク10に貯留される洗浄廃液の上層部に位置する高さに設けられている。しかし、本発明は、これに限定されることは無く、例えば、疎油性の洗浄剤であって、油成分よりも比重の軽い洗浄剤を用いた場合、供給口は、タンクに貯留される洗浄廃液の上層部に位置する高さに設けられ、排出口は、タンクの底側の下部に設けられる。
また、上記第1実施形態では、除去手段101は、加熱器12を有し、回収手段102は、冷却器14を有している。しかし、本発明は、これに限定されることは無く、例えば、加熱器と冷却器とを用いずに、液体状態のままノズルから洗浄剤を被洗浄物に噴射しても良い。その場合、洗浄作用としては、ノズルによる噴射の衝突力による洗浄作用であり、噴射後の洗浄剤は、タンクに向けて落下する。
また、上記第1実施形態では、供給口16aは、タンク10の底面に開口するように設けられている。しかし、本発明は、これに限定されることは無く、供給口は、タンクの底面から所定の高さ位置に設けられていても良い。所定高さとは、被洗浄物に付着していた塵がタンクの底面に蓄積する蓄積高さ以上が好ましい。
また、上記第1実施形態では、被洗浄物18は、コンベア19に取り付けられて移動している。しかし、本発明は、これに限定されることは無く、図2に示すように、箱形状の洗浄カゴ219に複数の被洗浄物を収容し、枠体220の上方から、枠体220の上側に形成された開口部221から洗浄カゴ219ごと枠体220の内部に進入させて、被洗浄物を洗浄する構成であっても良い。図2は、他の実施形態における洗浄装置200の構成を示す概略構成図である。これによれば、洗浄カゴ219に収容された複数の被洗浄物をまとめて洗浄することができる。
10…タンク(貯留部、回収手段)、10a…液面、10b…油成分層、11…ポンプ(加圧部、除去手段)、12…加熱器(加熱部、除去手段)、13…ノズル(噴射部、除去手段)、14…冷却器(液化部、回収手段)、15…水分分離器、16…配管(除去手段)、16a…供給口(供給手段)、17…排出口、18…被洗浄物、19…コンベア、20、220…枠体。

Claims (3)

  1. 油成分が付着した被洗浄物(18)に向けて洗浄剤を噴射して、前記被洗浄物(18)から前記油成分を除去する除去手段(101)と、
    前記除去手段(101)にて噴射された前記洗浄剤および前記被洗浄物(18)から除去された前記油成分の洗浄廃液を回収する回収手段(102)とを有する洗浄装置において、
    前記洗浄剤は、前記油成分よりも比重の大きい前記油成分を分離する疎油性洗浄剤であるフッ素系化合物より成り、
    前記回収手段(102)内に回収された前記洗浄廃液は、前記洗浄剤と前記油成分との比重差により前記回収手段(102)内で前記洗浄剤と前記油成分とが層状に分離しており、
    層状に分離した前記洗浄剤を前記回収手段(102)から前記除去手段(101)に供給する供給手段(16a)を備え、
    前記除去手段(101)は、
    噴射される前記洗浄剤を加圧する加圧部(11)と、
    前記加圧部(11)にて加圧された前記洗浄剤を加熱する加熱部(12)と、
    前記被洗浄物(18)に向けて前記洗浄剤を噴射する噴射部(13)とを有しており、
    前記回収手段(102)は、
    前記噴射部(13)にて噴射されて気化した前記洗浄剤を液化する液化部(14)と、
    前記液化部(14)にて液化された前記洗浄剤、及び前記被洗浄物(18)から除去された前記油成分を貯留する貯留部(10)とを有しており、
    前記液化部(14)は、前記噴射部(13)の上方に位置し、
    前記貯留部(10)は、前記噴射部(13)の下方に位置しており、
    前記貯留部(10)には、前記貯留部(10)の上部に開口し、貯留する前記油成分を排出し除去する排出口(17)が設けられており、
    前記供給手段(16a)は、
    前記貯留部(10)に設けられ前記貯留部(10)の下部に開口している供給口(16a)を有しており、
    前記除去手段(101)は、
    前記供給口(16a)から前記油成分を分離した前記洗浄剤のみを吸引して前記被洗浄物(18)に向けて前記洗浄剤を噴射し、
    前記除去手段(101)は、前記洗浄剤が内部を流通する配管(16)を備え、前記配管(16)には、前記加圧部(11)及び前記加熱部(12)が配設され、前記配管(16)の両端は、前記供給口(16a)と前記噴射部(13)とに接続されており、
    前記加熱部(12)は、前記加圧部(11)にて加圧された前記洗浄剤を、大気圧中において気体状態となる温度であって、前記加圧部(11)による加圧時における沸点温度以下まで加熱しており、
    前記油成分は、前記排出部から排出され除去される油成分であることを特徴とする洗浄装置。
  2. 前記噴射部(13)は、前記被洗浄物(18)に向けて前記洗浄剤を連続的に噴射可能とすることを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
  3. 前記洗浄剤は、大気圧中において液体状態となることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗浄装置。
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