JP4538788B2 - 異物検査方法および異物検査装置 - Google Patents

異物検査方法および異物検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、被検査物に含まれる異物を検査する異物検査方法および異物検査装置に関する。
内部に流体流路を有する被検査物の場合、内部に残留する異物の検査は重要な工程である。例えば、被検査物として流体噴射弁を適用する場合、内部に金属片などの固形の異物が残留していると、弁部に異物が付着し、閉弁時における弁密度の低下を招くおそれがある。そのため、被検査物の内部に残留する例えば金属片などの固形の異物は高精度に検査する必要がある。
出願人は、上述のような被検査物を検査する場合、被検査物の一方の端部にフィルタを設置し、他方の端部側から液体の洗浄流体が流し込んでフィルタに異物を捕集することを考えている。被検査物を通過した流体はフィルタによりろ過され、被検査物に残留する固形の異物はフィルタに捕集される。そして、異物を捕集したフィルタを例えば顕微鏡などで拡大して検査するものである。例えば、拡大された像を画像処理することにより、フィルタに捕集された異物の数量、大きさおよび種類などが検査することができると考えられる。
しかしながら、例えば油などの半固形状あるいは液状の汚れは、粘度が大きく、被検査物に対する粘着力が大きい。そのため、粘着力の大きな汚れに金属粉などの固形の異物が付着している場合、液体の洗浄流体によってこれらの汚れおよび異物を除去するのは困難であると考えられる。また、液体の洗浄流体を用いると、検査後の被検査物は洗浄流体により濡れてしまう。そのため、固形の異物および汚れが再付着するおそれがあり、洗浄性能および検査精度の低下を招くことが考えられる。
一方、粘着力の大きな汚れの除去能力を高めるために、液体の洗浄流体の流速を高めることが考えられる。しかし、洗浄流体の流速を高めるためには、洗浄流体の圧力を増大させる必要がある。また、洗浄流体の流速を高めると、被検査物における洗浄流体の圧力損失が増大する。そのため、設備の大型化ならびにランニングコストの増大を招く。
さらに、液体の洗浄流体の場合、固形の異物を捕集するフィルタには洗浄流体の液しみならびに被検査物に付着した汚れによるしみが生じる。そのため、異物としみとの判別が困難となり、異物の検査精度が低下することが考えられる。
そこで、本発明の目的は、設備の大型化を招くことなく、異物の検査精度が向上する異物検査方法および異物検査装置を提供することにある。
請求項1記載の発明では、被検査物の内部は気体を含む洗浄流体により洗浄される。洗浄流体は、気体のみに限らず液体を含む二相状態である。洗浄流体は大部分が気体であるため、加圧および加熱が容易であり、洗浄流体のエネルギーは容易に高められる。したがって、設備の大型化を招くことがなく、粘着力の大きな汚れを除去することができる。また、洗浄流体のエネルギーを高めることにより、粘着力の大きな汚れも容易に除去される。気体の洗浄流体で被検査物を洗浄することにより、洗浄された被検査物の内部は濡れず、異物や汚れの再付着が防止される。さらに、気体の洗浄流体で被検査物を洗浄することにより、ろ過手段には洗浄流体による液しみや汚れなどが付着しない。したがって、異物の検査精度を向上することができる。
また、請求項1記載の発明では、洗浄段階では被検査物に供給された加圧され過熱状態となった液体の洗浄流体が大気圧に開放される。これにより、洗浄流体は瞬時に沸騰し、蒸気となって被検査物に流入する。そして、蒸気となった洗浄流体は、例えば油などの粘着力の大きな汚れに付着し凝縮する。高温の洗浄流体が汚れに付着することにより、汚れは軟化する。また、洗浄流体は被検査物と汚れとの間に侵入し、汚れを被検査物から浮かせる。そのため、被検査物に付着した汚れは、容易に除去される。したがって、粘着力の大きな汚れも除去され、被検査物の洗浄精度を向上することができる。
請求項2記載の発明では、洗浄段階では被検査物の内部が減圧されるとともに、被検査物は加熱される。これにより、被検査物に付着している低沸点成分は除去される。したがって、低沸点成分が液しみあるいは汚れとしてろ過手段に付着することがなく、異物の検査精度を向上することができる。
請求項3記載の発明では、被検査物は内部および外部から加熱される。これにより、被検査物はすみやかに所定の温度まで加熱される。そのため、被検査物の内部に低沸点成分が付着しているとき、低沸点成分は容易に気化する。また、被検査物を加熱することにより、気体の洗浄流体が被検査物の内部で凝縮することは防止される。したがって、洗浄された被検査物の内部は濡れず、異物や汚れの再付着を防止することができる。
請求項記載の発明では、洗浄段階ではさらに大気圧で加熱された洗浄流体を供給するとともに、被検査物の内部は減圧される。被検査物の内部を減圧することにより、被検査物に供給された洗浄流体は瞬時に気化し、高速の蒸気となって被洗浄物内を流れる。そのため、洗浄流体により被検査物から浮いた汚れは、高速の洗浄流体の蒸気により分散される。その結果、汚れは洗浄流体の蒸気に分散し、分散した汚れはろ過手段を通過する際にろ過手段に付着しない。したがって、ろ過手段には異物のみが捕集され、異物の検査精度を向上することができる。
請求項記載の発明では、洗浄段階の前に予備洗浄段階を含んでいる。予備洗浄段階では、被検査物に洗浄段階よりも緩やかな速度の洗浄流体が供給される。被検査物には、例えば樹脂やセルロースなどの非金属の異物と、金属の異物とが付着している。金属の異物でも例えば酸化した金属の場合、非金属との判別が困難なことがある。そのため、検査段階では、金属の異物と非金属の異物とを分離することが望ましい。洗浄段階よりも緩やかな速度の洗浄流体により予備洗浄段階を行うことにより、被検査物に付着している異物のうち比重の小さなものは予備洗浄段階で除去される。樹脂やセルロースなどの非金属の異物は、金属の異物に比較して比重が小さい。その結果、予備洗浄段階を行うことにより、検査段階では異物を金属と非金属とに分離して検査することができる。
請求項記載の発明では、検査段階は第一捕集段階と第二捕集段階とを含んでいる。第一捕集段階では、湿らせたろ過手段により予備洗浄段階において被検査物を通過した洗浄流体をろ過している。予備洗浄段階で除去される異物は比重の小さな非金属の異物が中心となる。また、予備洗浄段階では洗浄流体の流れが緩やかである。ろ過手段を湿らせることにより、比重の小さく緩やかな洗浄流体の流れによって運搬される非金属の異物であっても、ろ過手段は異物を確実に捕集することができる。一方、洗浄段階は、高速の洗浄流体の流れにより比重の大きな金属の異物を捕集する。そのため、ろ過手段は湿らせる必要がない。
請求項または15記載の発明では、洗浄流体は水である。本明細書中で「水」とは、物質名としての「水」を意味し、液体の「水」だけでなく気体の「水蒸気」を含むものとする。水は、粘性が低く、熱量が大きい。そのため、水が気化することにより生じる水蒸気によって、粘着性の高い汚れは低粘度化および低表面張力化される。その結果、汚れの溶解性が向上するとともに、汚れと被検査物との間への水蒸気の浸透性が向上する。これにより、被検査物に対する汚れの付着力が低下する。また、気化した水蒸気を減圧することにより、被検査物の内部には音速に近い水蒸気の流れが形成される。そのため、圧力損失の影響が低減されるとともに、被検査物から浮いた汚れの再付着が防止される。したがって、被検査物の洗浄精度を向上することができる。また、水蒸気は、ろ過手段を通過する。そのため、ろ過手段に液しみあるいは汚れが付着することがない。したがって、異物の検査精度を向上することができる。さらに、洗浄流体として水を用いることにより、例えば石油系の溶剤を用いる場合と比較して環境に与える負荷が低減される。したがって、環境の保護を図ることができる。
請求項または16記載の発明では、加圧過熱流体供給手段から被検査物に供給された加圧され過熱状態となった液体の洗浄流体は大気圧開放手段により被検査物の一方の端部で大気圧に開放される。そのため、洗浄流体は瞬時に沸騰し、被検査物に流入する。そして、蒸気となった洗浄流体は、被検査物に含まれる粘着性の高い汚れに付着し、汚れを被検査物から浮かせる。その後、大気圧加熱流体供給手段により大気圧で加熱された液体の洗浄流体が被検査物に供給される。このとき、被検査物が収容されたチャンバは、第一減圧手段により減圧される。その結果、洗浄流体により浮かされた汚れは、減圧により気化した洗浄流体により分散される。ろ過手段の反被検査物側は第二減圧手段により減圧されているため、被検査物に付着した汚れおよび異物は気化した洗浄流体によりろ過手段へ流れる。洗浄流体に含まれる異物はろ過手段により捕集され、洗浄流体に分散した汚れは洗浄流体の蒸気とともにろ過手段を通過する。そのため、ろ過手段には被検査物の異物のみが捕集され、ろ過手段への汚れの付着は防止される。したがって、設備の大型化を招くことなく、異物の検査精度を向上することができる。
請求項記載の発明では、被検査物を加熱する加熱手段を備えている。これにより、被検査物はすみやかに所定の温度まで加熱される。そのため、被検査物の内部に低沸点成分が付着しているとき、低沸点成分は容易に気化する。また、被検査物を加熱することにより、気体の洗浄流体が被検査物の内部で凝縮することは防止される。したがって、洗浄された被検査物の内部は濡れず、異物や汚れの再付着を防止することができる。
請求項10記載の発明では、加熱手段は被検査物の内部および外部にそれぞれ第一加熱手段または第二加熱手段を有している。これにより、被検査物は、内部および外部から加熱される。そのため、被検査部はすみやかに所定の温度まで加熱される。したがって、異物の汚れや再付着を防止することができる。
請求項11記載の発明では、被検査物は流体噴射弁である。そのため、流体噴射弁に含まれる異物は高精度に洗浄され、検査される。これにより、例えば噴孔近傍への異物の付着による閉弁時の弁密度の低下は防止される。したがって、流体噴射弁の異物検査性能および流体噴射性能を向上することができる。
請求項12記載の発明では、加圧過熱流体供給手段および大気圧加熱流体供給手段は、噴孔側の端部へ洗浄流体を供給する。そのため、高速な洗浄流体が被検査物の内部へ供給される。したがって、洗浄性能を向上することができる。
請求項13記載の発明では、開放手段は流体噴射弁の弁部材である。そのため、加圧され過熱状態となった液体の検査流体は、流体噴射弁の弁部材が開弁することにより、急激に大気圧に開放される。したがって、簡単な構造で加圧され過熱状態となった液体の検査流体を大気圧に開放し、気体の検査流体を被検査物に供給することができる。
請求項14記載の発明では、被検査物の内部に設置されている第一加熱手段は弁部材を駆動するための磁力を発生するコイルである。被検査物である流体噴射弁は、弁部材を駆動するためのコイルを有している。コイルは、通電することにより磁力を発生するとともに、発熱する。そこで、コイルの発熱を利用することにより、被検査物は加熱される。したがって、加熱のための構成を追加することなく、自身の有しているコイルによって被検査物をすみやかに所定の温度まで加熱することができる。また、被検査物を内部および外部から加熱することにより、被検査物を均一に加熱することができる。
以下、本発明による異物検査装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の一実施形態による異物検査装置を図1に示す。図1に示す異物検査装置10は、被検査物である流体噴射弁(以下、流体噴射弁を「インジェクタ」という。)50に含まれる異物を検査する。
異物検査装置10は、インジェクタ50を収容するチャンバ11を備えている。インジェクタ50は、例えばエンジンの燃料噴射弁として使用される。インジェクタ50は、チャンバ11の内部に倒立して収容される。すなわち、本実施形態の場合、インジェクタ50は、図1の上方に燃料を噴射する噴射側が位置し、図1の下方に導入側が位置する。チャンバ11は、箱状の密閉容器である。
インジェクタ50は、ボディ51、ニードル52およびコイル53を有している。ボディ51は、筒状に形成され、内部をニードル52が軸方向へ往復移動可能である。ボディ51の周囲は、モールド樹脂54により被覆されている。ニードル52は、軸方向においてボディ51の一方の端部に形成される噴孔55を開閉する。コイル53は、チャンバ11の外部の制御部60に接続されている。コイル53には、制御部60から所定の時期に所定の電力が供給される。制御部60は、図示しない電源からコイル53に供給する電力を制御する。
ニードル52は、付勢手段56により噴孔55を閉塞する方向へ付勢されている。付勢手段56としては、例えばコイルスプリングなどが用いられる。一方、ニードル52は、コイル53に通電することにより形成される磁気回路によって付勢手段56に付勢される方向とは逆方向へ駆動される。すなわち、ニードル52は、コイル53への通電または非通電を切り換えることにより、軸方向へ往復移動する。ニードル52は、コイル53へ所定の電力を供給すると、発生する磁気吸引力により付勢手段56の付勢力に抗して図1の下方へ移動し、噴孔55を開放する。また、ニードル52は、コイル53への通電を停止すると、付勢手段56の付勢力により図1の上方へ移動し、噴孔55を閉塞する。ボディ51の他方の端部には、導入口57が形成されている。
ニードル52は、制御部60からコイル53へ供給される電力が所定値よりも大きくなると、付勢手段56の付勢力に抗してニードル52を駆動する。また、コイル53は、制御部60から供給される電力によって発熱する。そのため、制御部60からコイル53へ供給する電力が所定値以下であれば、コイル53はニードル52を駆動することなく発熱する。コイル53は、ニードル52を駆動するとともに、インジェクタ50を内部から加熱する第一加熱手段である。
異物検査装置10は、加圧過熱水供給部20および温水供給部30を備えている。チャンバ11に収容されているインジェクタ50の噴孔55側はノズル12に取り付けられる。ノズル12は、加圧過熱水供給部20および温水供給部30に接続されている。加圧過熱水供給部20は、洗浄流体としての水を加圧および加熱して加圧過熱水を生成する。加圧過熱水供給部20は、生成した加圧過熱水を、ノズル12を経由してインジェクタ50に供給する。加圧過熱水供給部20で生成される加圧過熱水は、大気圧以上に加圧され、沸点である100℃以上に過熱されている。本実施形態の場合、加圧過熱水は、160kPa、110℃に加圧および過熱されている。温水供給部30は、洗浄流体としての水を加熱して温水を生成する。温水供給部30は、生成した温水を、ノズル12を経由してインジェクタ50に供給する。温水供給部30で生成される温水は、大気圧に保持され、沸点以下まで加熱されている。本実施形態の場合、温水は70℃から90℃に加熱されている。
加圧過熱水供給部20とノズル12とを接続する加圧配管21には、バルブ22が設置されている。バルブ22を開閉することにより、加圧過熱水供給部20からノズル12への加圧過熱水の供給が制御される。同様に、温水供給部30とノズル12とを接続する温水配管31には、バルブ32が設置されている。バルブ32を開閉することにより、温水供給部30からノズル12への温水の供給が制御される。加圧過熱水供給部20、加圧配管21、バルブ22およびノズル12により、特許請求の範囲に記載の加圧過熱流体供給手段が構成されている。また、温水供給部30、温水配管31、バルブ32およびノズル12により、特許請求の範囲に記載の大気圧加熱流体供給手段が構成されている。
加圧過熱水供給部20で生成された加圧過熱水は、過熱状態の液体のままノズル12を経由してインジェクタ50の噴孔55側に供給される。インジェクタ50に供給された加圧過熱水は、インジェクタ50のニードル52が開弁することにより、大気圧に開放される。そのため、加圧過熱水は、瞬時に沸騰して水蒸気へ気化し、インジェクタ50に流入する。これにより、インジェクタ50のニードル52は、加圧過熱水をインジェクタ50の一方の端部側で大気圧に開放する開放手段として機能する。
異物検査装置10は、第一減圧手段としての吸引ポンプ41を備えている。吸引ポンプ41は、チャンバ11に接続されている。吸引ポンプ41とチャンバ11との間にはバルブ42が設置されている。バルブ42を開放することにより、チャンバ11の内部は大気圧以下に減圧される。
異物検査装置10は、第二減圧手段としての吸引ポンプ43を備えている。吸引ポンプ43は、チャンバ11に設置されている排出部13に接続されている。排出部13は、チャンバ11に収容されているインジェクタ50の反ノズル側に設置されている。排出部13には排出通路14が形成されている。インジェクタ50を通過した水蒸気は、排出部13の排出通路14を流れる。吸引ポンプ43と排出部13との間には、バルブ44が設置されている。バルブ44を開放することにより、排出通路14は大気圧以下に減圧される。
異物検査装置10は、ろ過手段としてのフィルタ15を備えている。フィルタ15は、排出部13に設置されている。フィルタ15は、インジェクタ50から排出通路14へ排出される水蒸気に含まれる異物を捕集する。また、異物検査装置10は、検出手段としての検出部16を備えている。検出部16は、フィルタ15に捕集された異物を検出する。検出部16は、フィルタ15に捕集された異物を拡大する例えば拡大鏡などの図示しない拡大手段を有している。また、検出部16は、拡大手段で撮影された異物の画像を処理する図示しない処理部を有している。処理部では、撮影されたフィルタ15の画像について画像処理が実行され、異物の種類、大きさおよび数などが検出される。
異物検査装置10は、洗浄蒸気供給部70を備えている。洗浄蒸気供給部70は、インジェクタ50の噴孔55側に取り付けられているノズル12に接続されている。洗浄蒸気供給部70は、洗浄流体として水を加熱して水蒸気を生成する。洗浄蒸気供給部70は、生成した水蒸気を、ノズル12を経由してインジェクタ50に供給する。洗浄蒸気供給部70で生成される水蒸気は大気圧または大気圧よりもやや高い圧力に設定されている。洗浄蒸気供給部70とノズル12とを接続する蒸気配管71には、バルブ72が設置されている。バルブ72を開閉することにより、洗浄蒸気供給部70からノズル12へ洗浄用の水蒸気の供給が制御される。
異物検査装置10は、第二加熱手段としての電気ヒータ61を備えている。電気ヒータ61は、インジェクタ50の径方向外側の外部にインジェクタ50を覆って設置されている。インジェクタ50と電気ヒータ61とは、互いに接してまたは所定の間隔を形成して設置されている。電気ヒータ61は制御部60に接続されており、制御部60から供給される電力により加熱される。また、異物検査装置10は、インジェクタ50の温度を検出する温度検出部62を備えている。制御部60は、温度検出部62で検出したインジェクタ50の温度に基づいてコイル53および電気ヒータ61に供給する電力を調整し、インジェクタ50を所定の温度に制御する。
次に、上記の構成による異物検査装置10による異物検査方法について図2に基づいて説明する。
異物の検査は、大きくインジェクタ50の内部の予備洗浄と、インジェクタ50の内部の本洗浄と、インジェクタ50に含まれる異物の検出との三つの段階に区分される。
(インジェクタのセット)
異物検査の対象となるインジェクタ50をチャンバ11の内部に設置する(S100)。このとき、チャンバ11の内部は大気圧である。インジェクタ50は、噴孔55側の端部がノズル12に接続される。また、インジェクタ50の径方向外側には、電気ヒータ61が設置される。電気ヒータ61は、インジェクタ50の径方向外側を周方向へ連続あるいは不連続に包囲して設置される。なお、インジェクタ50は、図示しない支持部によりチャンバ11に支持してもよい。
(予備洗浄)
チャンバ11の内部へのインジェクタ50の設置が完了すると、チャンバ11は密閉される。そして、バルブ72が開放されるとともに、インジェクタ50のコイル53に通電される。このとき、コイル53に供給される電力は、ニードル52を駆動するために必要な電力であるため、ニードル52はコイル側53に吸引される。これにより、ニードル52は噴孔55を開放し、洗浄蒸気供給部70からノズル12に供給された水蒸気はインジェクタ50の内部へ供給される。
チャンバ11およびインジェクタ50の内部は吸引ポンプ43によって緩く吸引されている。そのため、洗浄蒸気供給部70から供給された水蒸気は、インジェクタ50の内部を通過する。洗浄蒸気供給部70では水蒸気が大気圧または大気圧よりもやや高い圧力に加圧されており、かつインジェクタ50の内部は吸引ポンプ43によって緩く吸引されている。そのため、予備洗浄工程では、水蒸気は後続する洗浄工程に比較して極めて低速でインジェクタ50の内部を通過する。これにより、インジェクタ50の内部に付着している比重の小さな非金属の異物を中心とする異物は蒸気とともに排出部13へ流入する。これにより、予備洗浄工程が実行される(S110)。ここで除去される非金属の異物としては、例えばセルロースや樹脂などの繊維などである。インジェクタ50の内部を通過した水蒸気が排出部13の排出通路14を流れることにより、水蒸気により除去された異物はフィルタ15に捕集される。
予備洗浄工程では、フィルタ15は例えば水などにより湿らされている。上述のように、予備洗浄工程では、インジェクタ50の内部に付着した非金属の異物を主に除去する。非金属の異物は、後続する洗浄工程で除去される金属の異物に比較して比重が小さい。そのため、非金属の異物はフィルタ15への付着性能が低い。また、インジェクタ50の内部を通過する水蒸気の速度が後続する洗浄工程における水蒸気の速度よりも小さい。そのため、フィルタ15による異物の捕集性能は低下するおそれがある。そこで、予備洗浄工程ではフィルタ15を湿らせ、異物の捕集性能を高めている。したがって、予備洗浄工程において除去された異物を捕集する第一捕集段階では、湿らされたフィルタ15を用いて洗浄流体をろ過している。
(低沸点成分の除去)
予備洗浄工程が完了すると、洗浄工程へ移行する。このとき、排出部13のフィルタ15は交換されるとともに、チャンバ11は密閉される。そして、バルブ42が開放され、チャンバ11の内部は吸引ポンプ41により減圧される。これにより、チャンバ11の内部およびインジェクタ50の内部は大気圧以下に減圧される。また、チャンバ11の内部の減圧とともに、インジェクタ50のボディ51は加熱される。
加熱方法は次の通りである。制御部60は、コイル53に所定の電力を供給する。これにより、コイル53は発熱し、インジェクタ50の全体を急速に加熱しする。あらかじめ設定されている温度まで上昇すると、制御部60はコイル53への通電を停止する。そして、制御部60は、電気ヒータ61に電力を供給し、表面の温度を低めに設定した電気ヒータ61によってインジェクタ50のボディ51全体を所定の温度に保持する。すなわち、インジェクタ50は、電気ヒータ61によって保温される。このとき、コイル53に供給される電力は、ニードル52を駆動するために必要となる電力よりも小さい。そのため、ニードル52は、駆動されず、噴孔55は開放されない。
チャンバ11およびインジェクタ50の内部を減圧するとともに、電気ヒータ61によってボディ51を加熱することにより、ボディ51の内壁ならびにニードル52の外壁などインジェクタ50に付着した低沸点成分は蒸発する。蒸発した低沸点成分は、吸引ポンプ41により吸引され、チャンバ11の外部へ排出される。これにより、インジェクタ50に付着した異物のうち低沸点成分は除去される(S120)。このとき、除去される低沸点成分としては、例えば低沸点の油分あるいは水分などである。低沸点成分の除去が完了すると、チャンバ11の内部は一旦大気圧に昇圧される。また、コイル53への通電は停止され、ボディ51の加熱は停止される。
(加圧過熱水の供給)
低沸点成分の除去が完了すると、加圧配管21のバルブ22が開放され、加圧過熱水供給部20からノズル12へ加圧過熱水が供給される(S130)。このとき、制御部60は、コイル53への通電を停止するとともに、電気ヒータ61へ所定の電力を供給する。これにより、インジェクタ50は一定の温度で保温されている。コイル53への通電は停止されているため、ニードル52は噴孔55を閉塞している。そのため、加圧過熱水は加圧過熱状態でノズル12に蓄えられる。ノズル12に蓄えられている加圧過熱水は、図3に示すように160kPa、110℃の状態S1である。図3に示す曲線は、温度に対する水の蒸気圧を示す蒸気圧曲線である。
(大気圧への開放)
ノズル12に加圧過熱水が供給されると、制御部60からコイル53へ所定の電力が供給される。このとき、コイル53に供給される所定の電力は、S120における低沸点成分の除去の際にコイル53へ供給された電力よりも大きい。すなわち、コイル53に供給される電力は、ニードル52を駆動するために必要となる電力である。コイル53に所定の電力を供給することにより、ニードル52はコイル53側へ吸引され、図1の下方へ駆動される。これにより、ニードル52は噴孔55を開放する。コイル53に電力が供給されることにより、コイル53は発熱する。そのため、制御部60は、電気ヒータ61に供給する電力を調整し、インジェクタ50を一定の温度で保温する。
ニードル52が噴孔55を開放することにより、インジェクタ50の噴孔55側であるノズル12に供給されている加圧過熱水は、大気圧に開放される(S140)。その結果、ノズル12に供給されている加圧過熱水は、瞬時に沸騰して気化し、水蒸気となってインジェクタ50の内部へ供給される。すなわち、加圧過熱水は、図3に示すように状態S1から大気圧(101kPa)、110℃の状態S2へ移行する。
発生した水蒸気は、図4(A)に示すように粘着性の高い汚れ81とともにボディ51の内壁に付着している異物82の周囲に流入する。なお、図4には、ボディ51の内壁に付着した汚れ81および異物82について示しているが、ニードル52の外壁にも汚れおよび異物も同様に付着している場合がある。ここでは、ボディ51の内壁に付着した汚れ81および異物82の除去を中心に説明する。
粘着性の高い汚れ81とは、例えばタール状の高沸点成分の油など半固形状あるいは液状の汚れである。汚れ81および異物82の周囲に流入した水蒸気は、大きな熱量を有しているため、ボディ51の内壁に付着している汚れ81を軟化させる。そして、水蒸気は、図4(B)に示すように汚れ81および異物82の周囲において凝縮し、水滴83を形成する。その結果、汚れ81および異物82は、水滴83によって包囲される。これにより、水滴83の水分は、ボディ51と汚れ81との間に浸透する。また、凝縮した水の温度は、約70℃程度となる。これにより、図3に示すように水の状態は、状態S2から状態S3へ移行する。
(チャンバ内の減圧)
加圧過熱水の大気圧への開放が完了すると、制御部60からコイル53への電力供給は停止される。これにより、ニードル52は噴孔55を閉塞する。ニードル52が噴孔55を開放している期間は、例えば数ミリ秒から数秒程度の短期間である。ニードル52が噴孔55を閉塞すると、吸引ポンプ41によりチャンバ11の内部が減圧される(S150)。このとき、バルブ42を開放することにより、チャンバ11の内部は急激に減圧される。また、制御部60からコイル53への電力の供給が停止されているため、制御部60は電気ヒータ61に供給する電力を調整してインジェクタ50を所定の温度で保温する。チャンバ11の内部は、凝縮して約70℃となった水が沸騰する15kPa程度まで減圧される。すなわち、図3に示すように水の状態は、状態S3から状態S4へ移行する。これにより、ボディ51に付着した汚れ81および異物82の周囲の水滴83は瞬間的に沸騰する。そのため、水滴83には、図4(C)に示すように内側から外側への力が加わる。その結果、図4(D)に示すようにボディ51の内壁と異物82との間に存在する汚れ81は、水蒸気とともに分散される。また、図4(E)に示すようにボディ51と汚れ81との間に浸透した水は、汚れ81を浮かせ、ボディ51の内壁と汚れ81との付着力を低減する。
(温水の供給)
チャンバ11の内部が減圧されると、温水配管31のバルブ32が開放され、温水供給部30からノズル12へ温水が供給される(S160)。このとき、コイル53への通電は停止されているため、温水はノズル12に蓄えられる。ノズル12に蓄えられている温水は、図5に示すように大気圧、70℃の状態S5である。
(異物の除去および捕集)
ノズル12に温水が供給されると、制御部60からコイル53へ電力が供給される。このとき、コイル53に供給される所定の電圧は、S140における大気圧への開放の際にコイル53へ供給された電力と同一である。そのため、ニードル52は、コイル53に吸引され、噴孔55を開放する。
このとき、インジェクタ50は保温され、かつS150においてチャンバ11の内部は減圧されているため、インジェクタ50の内部で凝縮した水は沸騰し気化する。そのため、チャンバ11の内部の圧力はやや上昇しており、約25kPa程度となっている。これにより、ニードル52が噴孔55を開放すると、ノズル12に蓄えられている温水はインジェクタ50の内部に流入するとともに瞬間的に沸騰する。すなわち、水は図5に示すように状態S5から状態S6へ移行する。
また、制御部60からコイル53への通電によるニードル52の開弁と概ね同時に、バルブ44は開放される。これにより、インジェクタ50の内部は、15kPa程度までさらに減圧され、図5に示すように状態S6から状態S7へ移行する。そのため、インジェクタ50内部で発生した水蒸気は、音速に近い速度でインジェクタ50の内部を噴孔55側から導入口57側まで流れる。高速の水蒸気がインジェクタ50のボディ51の内部を流れることにより、図4(F)に示すようにS150においてボディ51との付着力が低減した汚れ81は水蒸気とともに分散される。これとともに、汚れ81とともにボディ51の内壁に付着していた異物82は、高速の水蒸気の流れによって吹き飛ばされ、除去される。同様に、ニードル52の外壁に付着している異物も除去される。
チャンバ11およびインジェクタ50の内部は吸引ポンプ43によって吸引されている。そのため、インジェクタ50の内部を通過した水蒸気は、排出部13へ流入する。インジェクタ50の内部を通過した水蒸気が排出部13の排出通路14を流れることにより、水蒸気により吹き飛ばされた異物82はフィルタ15に捕集される(S170)。上述の手順により、インジェクタ50の洗浄工程が実行される。上述の洗浄工程の間、電気ヒータ61には制御部60から常時電力の供給が断続され、インジェクタ50は一定の温度で保温されている。
洗浄工程では、予備洗浄工程とはフィルタ15が交換されている。洗浄工程では、乾燥したフィルタ15が用いられる。洗浄工程では、インジェクタ50の内部に付着した金属の異物を主に除去する。金属の異物は、予備洗浄工程で除去される非金属の異物に比較して比重が大きい。そのため、金属の異物はフィルタ15の付着性能が高い。また、インジェクタ50の内部は、突沸により極めて高速の水蒸気が通過する。そのため、フィルタ15には異物がくい込み、フィルタ15は確実に異物を捕集する。したがって、洗浄工程で除去された異物を捕集する第二捕集段階では、乾燥したフィルタ15を用いて洗浄流体をろ過している。
(異物の検出)
インジェクタ50の内部の洗浄が完了すると、異物の検出工程が実行される。検出工程では、異物を捕集したフィルタ15が排出部13から取り外される。取り外されたフィルタ15は、検出部16に送られる。検出部16では、予備洗浄工程および洗浄工程においてフィルタ15に付着した異物を観察し、金属か非金属であるかなどの異物の種類、ならびに捕集された異物の大きさおよび数などが検出される(S180)。検出された異物から、インジェクタ50の性能や洗浄度などが評価される。予備洗浄工程および洗浄工程では、非金属の異物と金属の異物を完全に分離するのではなく、予備洗浄工程では主に非金属の異物を除去し、洗浄工程では主に金属の異物を除去している。そのため、予備洗浄工程に適用したフィルタ15および洗浄工程に適用したフィルタ15には、いずれも金属の異物と非金属の異物とが混在している。したがって、検出工程では、異物の種類についても検出される。
上述した本発明の一実施形態では、インジェクタ50の内部は高温および高圧の水蒸気によって洗浄される。高温高圧の水蒸気は、加圧され過熱状態の水を瞬間的に大気圧に開放することにより生成される。そのため、インジェクタ50の内部を洗浄する水蒸気のエネルギーを容易に高められる。また、温水をインジェクタ50の内部で減圧することにより、瞬間的に沸騰させている。これにより、インジェクタ50の内部は音速に近い速度の水蒸気が流れる。そのため、インジェクタ50の内部における圧力損失が低減される。したがって、洗浄流体である水および水蒸気の流速を高めるための設備を必要とせず、設備の大型化、ならびにランニングコストの上昇を抑制することができる。
本発明の一実施形態では、インジェクタ50の内部に供給された水蒸気は、インジェクタ50に付着した汚れ81および異物82を軟化させ、付着力を低減させる。そのため、粘着力の大きな例えば高沸点の油など汚れも容易に除去される。水蒸気でインジェクタ50を洗浄することにより、インジェクタ50の内部は濡れることがない。これにより、洗浄されたインジェクタ50の内部に汚れ81や異物82が再付着することがない。また、汚れ81は水蒸気によって分散されるため、分散された汚れ81はフィルタ15を通過する。そのため、フィルタ15には、液しみや汚れなどが付着しない。したがって、検出部16による異物の検出精度を高めることができる。
本発明の一実施形態では、水蒸気によるインジェクタ50の内部の洗浄に先立って、チャンバ11の内部の減圧ならびにインジェクタ50の加熱によって低沸点成分を除去している。したがって、低沸点成分のフィルタ15への付着を防止でき、異物82の検出精度を高めることができる。
本発明の一実施形態では、インジェクタ50の噴孔55側から洗浄流体である水蒸気が流入する。そのため、ニードル52の開弁によって加圧過熱水が大気圧に開放される。これにより、水蒸気は、ニードル52とボディ51との間に形成される隙間を経由してボディ51の内部に流入する。その結果、水蒸気は音速に近い高速でボディ51の内部を流れる。したがって、ボディ51の内部における圧力損失を低減することができる。
本発明の一実施形態では、洗浄流体として水を利用している。そのため、水が気化することにより生じる水蒸気によって、粘着性の高い汚れ81は粘度および表面張力が低減される。その結果、粘着性の高い汚れの溶解性が向上するとともに、汚れ81とボディ51の内壁との間への水蒸気の浸透性が向上する。したがって、インジェクタ50の内部の洗浄精度を向上することができる。また、汚れ81を含む水蒸気は、フィルタ15に捕集されることなく通過する。そのため、フィルタ15に液しみあるいは汚れ81が付着することがない。したがって、異物82の検査精度を向上することができる。さらに、洗浄流体として水を用いることにより、例えば石油系の溶剤を用いる場合と比較して環境に与える負荷が低減される。したがって、環境の保護を図ることができる。
本発明の一実施形態では、洗浄工程に先立って予備洗浄工程を行っている。これにより、インジェクタ50に付着している異物のうち非金属の異物は主に予備洗浄工程において除去される。また、予備洗浄工程では、フィルタ15は例えば水などにより湿らされている。そのため、洗浄工程に比較して水蒸気の速度が小さな場合でも、比重の小さな非金属の異物は確実にフィルタ15に捕集される。これにより、予備洗浄工程では非金属の異物が中心に除去され、洗浄工程では金属の異物が中心に除去される。
例えば、フィルタ15を撮影した画像を処理して異物の検出を行う場合、画像を二値化すると、酸化した金属は非金属と同様に輝度が低くなる。そのため、金属の異物と非金属の異物とが混在しているフィルタ15を観察すると、金属と非金属との判別精度が低下する。そこで、金属の異物と非金属の異物とは分離して観察することが望ましい。本発明の一実施形態では、金属の異物と非金属の異物を完全に分離することは困難であるものの、予備洗浄段階で非金属の異物が中心に除去され、洗浄段階で金属の異物が中心に除去される。そのため、異物の検出時における金属の異物と非金属の異物との判別が容易となる。したがって、検査精度を向上することができる。
上述した本発明の一実施形態では、インジェクタ50は電気ヒータ61からだけでなく自身が有するコイル53によっても加熱される。そのため、インジェクタ50は、電気ヒータ61のみで加熱される場合と比較して、短期間に所定の温度まで加熱され、所定の温度で安定する。したがって、インジェクタ50の加熱に要する工数を低減することができる。また、インジェクタ50は自身が有しているコイル53で加熱される。そのため、熱源からインジェクタ50への熱伝導の経路は確保される。これにより、インジェクタ50と電気ヒータ61との間に隙間が形成され、チャンバ11の内部の減圧にともなってインジェクタ50と電気ヒータ61との間の熱伝導が低減しても、インジェクタ50は十分に加熱される。したがって、加熱に要する工数を低減することができる。
本発明の一実施形態では、インジェクタ50をコイル53で加熱することにより、電気ヒータ61の表面温度は低減される。また、制御部60はコイル53および電気ヒータ61へ供給する電力を調整することにより、インジェクタ50の温度を制御している。インジェクタ50は自身でコイル53を有しているため、インジェクタ50の温度はコイル53へ供給する電力を調整することにより迅速に制御される。したがって、インジェクタ50は必要以上の期間ならびに必要以上の温度まで加熱されず、インジェクタ50の変形および歪みを防止することができる。
以上説明した本発明の一実施形態では、被検査物としてエンジンのインジェクタを適用する例について説明した。しかし、被検査物はインジェクタに限らず、筒状の被検査物であればよい。また、一実施形態では、第一減圧手段および第二減圧手段として、吸引ポンプを適用する例について説明した。しかし、例えば所定の圧力に減圧されている配管あるいはタンクにチャンバまたは排出部を接続し、バルブの開閉によってチャンバおよび排出部を所定の圧力に減圧する構成としてもよい。
本発明の一実施形態による異物検査装置を示す模式図である。 本発明の一実施形態による異物検査装置の異物検査の流れを示す図である。 本発明の一実施形態による異物検査装置において洗浄流体である水の状態変化を示す模式図である。 本発明の一実施形態による異物検査装置において異物が除去される様子を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態による異物検査装置において洗浄流体である水の状態変化を示す模式図である。
符号の説明
10 異物検査装置、11 チャンバ、12 ノズル(加圧過熱流体供給手段、大気圧加熱流体供給手段)、15 フィルタ(ろ過手段)、16 検出部(検出手段)、20 加圧過熱水供給部(加圧過熱流体供給手段)、21 加圧配管(加圧過熱流体供給手段)、22 バルブ(加圧過熱流体供給手段)、30 温水供給部(大気圧加熱流体供給手段)、31 温水配管(大気圧加熱流体供給手段)、32 バルブ(大気圧加熱流体供給手段)、41 吸引ポンプ(第一減圧手段)、43 吸引ポンプ(第二減圧手段)、50 インジェクタ(被検査物)、52 ニードル(大気圧開放手段)、53 コイル(第一加熱手段)、61 電気ヒータ(第二加熱手段)、81 汚れ、82 異物

Claims (16)

  1. 被検査物に含まれる異物を検査する異物検査方法であって、
    気体を含む洗浄流体により前記被検査物の内部を洗浄する洗浄段階と、
    前記被検査物を通過した洗浄流体をろ過手段によりろ過し、前記ろ過手段で捕集された異物を検査する検査段階と、
    を含み、
    前記洗浄段階は、
    加圧され過熱状態となった液体の洗浄流体を前記被検査物の一方の端部に供給する段階と、
    加圧され過熱状態となった液体の洗浄流体を、大気圧に開放し、前記被検査物の一方の端部において気化させて前記被検査物の内部に気体の洗浄流体を供給する段階と、
    を含むことを特徴とする異物検査方法。
  2. 前記洗浄段階は、
    前記被検査物の内部を減圧するとともに前記被検査物を加熱し、前記被検査物に付着している低沸点成分を除去する段階を含むことを特徴とする請求項1記載の異物検査方法。
  3. 前記洗浄段階では、前記被検査物は内部および外部から加熱されることを特徴とする請求項1または2記載の異物検査方法。
  4. 前記洗浄段階は、
    前記被検査物に内部に気体の洗浄流体を供給した後、さらに大気圧で加熱された液体の洗浄流体を前記一方の端部から前記被検査物に供給する段階と、
    前記被検査物の内部を減圧して、大気圧で加熱された洗浄流体を気化させる段階と、
    を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の異物検査方法。
  5. 前記洗浄段階の前に、前記洗浄段階よりも緩やかな速度の洗浄流体で前記被検査物を洗浄する予備洗浄段階をさらに含むことを特徴とする請求項1からのいずれか一項記載の異物検査方法。
  6. 前記検査段階は、
    前記予備洗浄段階において前記被検査物を通過した洗浄流体を、湿らせた前記ろ過手段によりろ過する第一捕集段階と、
    前記洗浄段階において前記被検査物を通過した洗浄流体を、乾燥した前記ろ過手段によりろ過する第二捕集段階と、
    を含むことを特徴とする請求項記載の異物検査方法。
  7. 前記洗浄流体は、水であることを特徴とする請求項1からのいずれか一項記載の異物検査方法。
  8. 被検査物が収容されているチャンバと、
    前記チャンバの内部を減圧する第一減圧手段と、
    加圧され過熱状態となった液体の洗浄流体を前記被検査物に供給する加圧過熱流体供給手段と、
    加圧され過熱状態となった液体の洗浄流体を前記被検査物の一方の端部側で大気圧に開放する開放手段と、
    前記第一減圧手段で減圧された前記チャンバ内の前記被検査物に、大気圧で加熱された液体の洗浄流体を供給する大気圧加熱流体供給手段と、
    前記被検査物の他方の端部側で前記被検査物を通過した洗浄流体をろ過し、この洗浄流体に含まれる異物を捕集するろ過手段と、
    前記大気圧加熱流体供給手段から前記被検査物に大気圧で加熱された洗浄流体が供給されると、前記ろ過手段の反被検査物側を減圧し、前記被検査物を通過した洗浄流体を前記ろ過手段へ導く第二減圧手段と、
    を備えることを特徴とする異物検査装置。
  9. 前記被検査物を加熱する加熱手段をさらに備えることを特徴とする請求項記載の異物検査装置。
  10. 前記加熱手段は、前記被検査物の内部に設置されている第一加熱手段と、前記被検査物の外部に設置されている第二加熱手段とを有することを特徴とする請求項記載の異物検査装置。
  11. 前記被検査物は、流体噴射弁であることを特徴とする請求項または10記載の異物検査装置。
  12. 前記加圧過熱流体供給手段および前記大気圧加熱流体供給手段は噴孔側の端部へ前記洗浄流体を供給することを特徴とする請求項11記載の異物検査装置。
  13. 前記開放手段は、前記噴孔を開閉する弁部材であることを特徴とする請求項11または12記載の異物検査装置。
  14. 前記第一加熱手段は、通電することにより前記弁部材を駆動する磁力を発生するコイルであることを特徴とする請求項13記載の異物検査装置。
  15. 前記洗浄流体は、水であることを特徴とする請求項から14のいずれか一項記載の異物検査装置。
  16. 前記ろ過手段で捕集された異物を検出する検出手段をさらに備えることを特徴とする請求項から15のいずれか一項記載の異物検査装置。
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