JP5747647B2 - バレル型気相成長装置 - Google Patents
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Description
この装置とは、バッチ式のバレル炉(ベルジャ)の反応室に、多角錐台のサセプタが、垂直な回転軸を中心として回転可能に配設している。サセプタの各側面には、ウェーハ収納用のザグリが上下に併設されている。また、反応室の外周りには、加熱手段としてのハロゲンランプが設けられている。
気相成長時には、ハロゲンランプにより加熱された反応室に、上方のガス供給管から気相成長ガス(反応ガス、キャリアガス)を供給する。これにより、気相成長ガスが回転中のサセプタの外周面に沿って流れ、各シリコンウェーハの表面にエピタキシャル膜を気相成長させる。未使用の気相成長ガスは、反応室の下部のガス排気管から外部へ排出される。
特に、気相成長条件が減圧下(80Torr以上760Torr未満)の場合、圧力変動が発生するため、バレル型気相成長装置の排気経路からのパーティクルの流入が生じ易い。
この発明は、蛇腹配管の内周面から剥がれた反応生成物を原因とするパーティクルの発生量を低減することができ、その結果、排気経路から反応室へのパーティクルの導入量を抑制することができるバレル型気相成長装置を提供することを目的としている。
サセプタの形状としては、例えば四角錐台、五角錐台、六角錐台などを採用することができる。サセプタの各側面には、半導体ウェーハを納めるザグリが形成されている。
バレル型の反応室としては、例えば石英からなるペルジャを採用することができる。
気相成長ガスとは、例えば、水素ガスなどのキャリアガスと、シリコンなどのエピタキシャル膜(気相成長膜)を成長させる反応ガスとの混合ガスである。反応ガスとしては、例えばエピタキシャル膜がシリコンの場合には、SiH4ガス、SiH2Cl2ガス、SiCl4ガス、SiHCl3ガスなどを採用することができる。また、気相成長ガス中には、所定のドーパントガス(PH3ガス、B2H6ガスなど)を混入してもよい。
上流側配管部と蛇腹配管との連結(連通)形態および蛇腹配管と下流側配管との連結形態としては、例えば、フランジ同士の連結を採用することができる。
蛇腹配管も含め各配管は、剛性および耐酸性に優れるステンレスなどで構成することが望ましく、蛇腹配管はフレキシブルな可動が行えるようにその厚みが薄く構成されている。
スリーブの外径は、蛇腹配管を最も短縮した際の内径より小さい方が望ましい。また、スリーブの長さは、例えば上流側配管部と下流側配管部との連通状態における蛇腹配管の長さと同一か、それより若干長い方が好ましい。これは、スリーブの下流側の開口(排気口)から蛇腹配管の内周面へ回り込む気相成長ガスの流量をさらに低減し、蛇腹配管の内周面への反応生成物の付着量をより少なくできるためである。
図1において、10はこの発明の実施例1に係るバレル型気相成長装置である。バレル型気相成長装置10は、シリコンウェーハ(半導体ウェーハ)Wの表面にシリコンエピタキシャル膜を気相成長するベルジャ11の反応室12と、反応室12に配置され、シリコンウェーハWを保持するサセプタ13と、ベルジャ11の上端部に設けられて反応室12に気相成長ガスを導入するガス導入管14と、ベルジャ11の周囲に設けられて反応室12を加熱する多数のハロゲンランプ15と、ベルジャ11の下端部に設けられて反応室12内の気相成長ガスを排気するガス排気管16とを備えている。
ガス導入管14は、蓋体17の外周部の一部に形成され、蓋体17の下部の内周面と外周面とを連通するガス導入口17aに装着されている。
また、ベルジャ11の胴部の外周の全域には、前記多数のハロゲンランプ15が配設されている。
サセプタ13は、反応室12の内部空間に、回転軸18を中心にして回転自在に吊下されている。
サセプタ13は六角錐台型の筒体で、6つの周側面には上下2段(合計12箇所)にザグリ19がそれぞれ形成されている。各ザグリ19は、シリコンウェーハWを載置する正面視して円形の浅い凹部である。
ガス排気管16は、ベルジャ11の下端部の排気口にフランジ20aを介して連通された上流側配管部20と、真空発生装置の吸気部に下流側の開口部が連通され、かつ途中部分に水冷式排気ライン、熱交換器などが連通された下流側配管部21と、これらの上,下流側配管部20、21をフレキシブルに連通する蛇腹配管22と、蛇腹配管22の内部に収納されるスリーブ23とを有している(図2および図4)。
スリーブ23は、ステンレスからなる円柱体に中グリ加工などを行って作製したもので(図1および図2)、スリーブ23の外径は、通常時の使用状態における蛇腹配管22の内径より短い(図2および図4)。また、スリーブ23の上流側の開口部には、段差状に大径化した拡径部23aが、スリーブ23と同一素材で一体形成されている。拡径部23aの厚さは、スリーブ23の通常部分の厚さと同一である。
拡径部23aの外周面には、両フランジ20a、22aに比べて突出幅が短い短幅フランジ26が、スリーブ23と同一素材で一体的に形成されている。短幅フランジ26の外周面には、Oリング25を掛止する環状のシール溝26aが周設されている。Oリング25の太さ(直径)は、両フランジ20a、22a間の隙間を密封するため、短幅フランジ26の厚さより長い(大きい)。上流側配管部20および蛇腹配管22は、図示しないものの、互いのフランジ20a、22a間にOリング25を介在した状態で、所定形状のクランパによる挟持力で堅固に連結されている。
まず、蓋体17を外してベルジャ11の上側の開口部から、サセプタ13の各ザグリ19に合計12枚のシリコンウェーハWを、各ウェーハ表面が外向きになるように立てかけて収納する。次に、蓋体17によりベルジャ11の上側の開口部を密閉し、真空発生装置により反応室12を80Torrの減圧状態とする。この状態で、反応室12において、窒素ガスによる空気の置換を行い、その後、水素ガスを導入して窒素ガスの置換を行う。
その後、未反応の気相成長ガスは、ベルジャ11の下側の開口部から上流側配管部20へ流れ込み、蛇腹配管22に収納されたスリーブ23と下流側配管部21とを順次通過して、最終的にはガス中の有害物質が除去されて大気解放される。
このとき、実施例1では、80Torrの減圧状態で気相成長されていることから、炉内圧力は変動し易く、その変動に伴い、ガス排気管16の蛇腹配管22がフレキシブルに変形(伸縮)する(図5)。
12 反応室、
13 サセプタ、
16 ガス排気管、
20 上流側配管部、
21 下流側配管部、
22 蛇腹配管、
23 スリーブ、
W 半導体ウェーハ。
Claims (2)
- 半導体ウェーハ用のサセプタを収納したバレル型の反応室と、
該反応室に供給した気相成長ガスを排出し、かつ下流側に上流側配管フランジが形成された上流側配管部と、下流側配管部と、これらをフレキシブルに連通するための蛇腹配管とを有するガス排気管とを備えたバレル型気相成長装置において、
前記蛇腹配管の上流側の開口部に、環状溝を有する蛇腹配管フランジを有し、
前記蛇腹配管の内径より外径が小さいスリーブの上流側の開口部に形成された短幅フランジとOリングとが前記上流側配管フランジと上記蛇腹配管フランジとの間に挟持されることにより、該蛇腹配管の内部に、該スリーブが片持ち状態で挿入されるとともに、前記スリーブの内周面の全部を、前記上流側配管部の内周面と面一状態とし、
前記短幅フランジの下流側面の元部のみに、前記環状溝の高さと同一高さの部分段差部を形成し、該部分段差部が該環状溝に嵌合されたバレル型気相成長装置。 - 前記短幅フランジの外周面には、前記Oリングを掛止する環状のシール溝が周設された請求項1に記載のバレル型気相成長装置。
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