JP2008275117A - 耐熱ガス配管構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高価な材料を用いる必要がないだけでなく、設置スペースも小さくてすみ、全体として低コストかつ省スペースに実現できるものでありながら、熱膨張や据付け誤差の吸収という本来の機能を確保することができる耐熱ガス配管構造を提供する。
【解決手段】 高温部1側から低温部もしくは常温部2側へのガス流路を形成するFRP製ガス配管3の途中に、ガス流線方向に伸縮可能な蛇腹部4aを有する耐熱材料製管伸縮継手4が介在されており、この管伸縮継手4の蛇腹部4aの内側にFRP製ダクト5が前記蛇腹部4aと接触しないように同芯または略同芯状に挿入してこれらダクト5と管伸縮継手4の蛇腹部4aとの間に環状の断熱空間8が形成され、前記FRP製ダクト5は、その上流側端部がガス配管3に固定され、かつ、下流側端部が管伸縮継手4よりも低温部もしくは常温部2側に突き出る自由端の状態で片持ち支持されている。
【選択図】 図2
【解決手段】 高温部1側から低温部もしくは常温部2側へのガス流路を形成するFRP製ガス配管3の途中に、ガス流線方向に伸縮可能な蛇腹部4aを有する耐熱材料製管伸縮継手4が介在されており、この管伸縮継手4の蛇腹部4aの内側にFRP製ダクト5が前記蛇腹部4aと接触しないように同芯または略同芯状に挿入してこれらダクト5と管伸縮継手4の蛇腹部4aとの間に環状の断熱空間8が形成され、前記FRP製ダクト5は、その上流側端部がガス配管3に固定され、かつ、下流側端部が管伸縮継手4よりも低温部もしくは常温部2側に突き出る自由端の状態で片持ち支持されている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、例えば各種の工業炉等から排出される排ガス中に含まれている塩化水素等の有毒性ガスの回収などに適用されるもので、排ガスを集める塔体等の高温部から前記有毒性ガスを吸収液との接触により吸収し除去処理するスクラバー等の低温部もしくは常温部側への高温ガス流路を形成する耐熱ガス配管構造に関する。
この種の耐熱ガス配管においては、内部を流動するガスの温度変動に伴うガス配管の熱膨張や据付け誤差を吸収できるようにするために、図3に示すように、高温部10と低温部もしくは常温部11との間を接続するFRP等の耐熱材料製ガス配管12の途中に、ガス流線方向に伸縮可能な蛇腹部(ベローズ部)13aを有する耐熱材料製管伸縮継手13をフランジ接合を介して介在させたり、あるいは、図4に示すように、前記高温部10と低温部もしくは常温部11との間を、平面視が略U字形や半円形、略Ω形等に曲げ加工された、所謂、タコベンドと呼称される伸縮曲管14で接続させたりする手段が採られていた(例えば、非特許文献1参照)。
小栗富士雄、外1名著、「標準 機械設計図表便覧」、共立出版、昭和59年4月25日改新増版、p.9a−71,p.9−46〜9−47
しかしながら、図3に示すような蛇腹部(ベローズ部)13aを有する耐熱材料製管伸縮継手13を用いる手段の場合は、耐熱性、さらには腐蝕性ガスにも対応できるだけの耐蝕性を満足させるために、管伸縮継手の蛇腹部構成材料として、例えばチタンやタンタル等の希少金属を選定する必要があり、その結果、材料費及び製作加工費の両面から管伸縮継手13が非常にコスト高になるという難点がある。また、図4に示すような伸縮曲管14を用いる場合は、平面的に大きな水平設置スペースを要するために、周辺部に他の機械装置類や建造物が存在して広い余裕スペースが確保できないような場所では採用することができないという問題があった。
本発明は上記の実情に鑑みてなされたもので、高価な材料を用いる必要がないだけでなく、設置スペースも小さくてすみ、全体として低コストかつ省スペースに実現できるものでありながら、熱膨張や据付け誤差の吸収という本来の機能を確保することができる耐熱ガス配管構造を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る耐熱ガス配管構造は、高温部側から低温部もしくは常温部側へのガス流路を形成する耐熱材料製ガス配管の途中に、ガス流線方向に伸縮可能な蛇腹部を有する耐熱材料製管伸縮継手を介在させてなる耐熱ガス配管構造において、前記管伸縮継手の蛇腹部の内側に耐熱材料製ダクトが前記蛇腹部と接触しないように同芯または略同芯状に挿入して、管伸縮継手の蛇腹部と前記ダクトとの間に環状の断熱空間が形成されており、前記耐熱材料製ダクトは、そのガス流れ方向の上流側端部がガス配管に固定され、かつ、下流側端部が前記管伸縮継手よりも低温部もしくは常温部側に突き出る自由端の状態で片持ち支持されていることを特徴としている。
上記のような特徴構成を有する本発明によれば、耐熱材料製ガス配管の途中に、管伸縮継手の蛇腹部とその内側に挿入配置された耐熱材料製ダクトとの内外二重管構造でその両者間に環状の断熱空間が形成されて管伸縮継手の蛇腹部に高温ガスが直接に接触することをなくすることができる。そのため、管伸縮継手の蛇腹部として要求される耐熱温度は、流動する高温ガスの最高温度よりも遥かに低いものでよく、耐熱性以外に腐蝕性ガスに対応できるだけの耐蝕性が要求される場合であっても、その蛇腹部構成材料としてチタンやタンタル等の高コスト材料を用いる必要はなく、例えばゴムシートにPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)をラミネートしたもの等の低コスト材料を用いて要求される耐熱性、さらには耐蝕性を十分に満足させることができる。しかも、管伸縮継手の蛇腹部の内側に耐熱材料製ダクトを挿入した内外二重管構造とすればよいので、タコベンドと呼称される伸縮曲管のような平面的に大きな水平設置スペースが不要であり、狭隘なスペース条件下でも採用することができる。したがって、耐熱配管全体の低コスト化及び省スペース化を実現しながら、熱膨張や据付け誤差の吸収という本来の機能を確保することができるという効果を奏する。
特に、請求項2に記載のように、前記管伸縮継手としては耐熱材料製ガス配管の口径よりも大きいものを用い、かつ、前記耐熱材料製ダクトとしては耐熱材料製ガス配管の口径と等しい口径のものを用いることによって、上記したような効果を齎す二重管の存在にかかわらず高温ガスを淀みや抵抗なく、確実、円滑に流動させることができる。
また、本発明に係る耐熱ガス配管構造においては、請求項3に記載のように、前記耐熱材料製ガス配管の外周部に、前記管伸縮継手の伸縮に伴う該ガス配管の軸線方向移動を摺接案内する支持サポート、例えばローラサポート等を設けることが好ましい。この場合は、耐熱材料製ガス配管及びこれに固定の耐熱材料製ダクトの全長が長いものであっても、耐熱材料製ダクトの下流側自由端部が自重によって垂れ下がることを防いで、管伸縮継手の伸縮に伴うガス配管の軸線方向移動をサポートにて摺接案内させることが可能であり、これによって、管伸縮継手による熱膨張吸収という本来機能を応答性よく確実に発揮させることができるとともに、管伸縮継手の蛇腹部とダクトとの間に形成される環状断熱空間を確実に維持することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
図1は本発明に係る耐熱耐蝕ガス配管構造の実施の形態を示す要部の概略横断面図、図2は要部の拡大概略縦断面図である。これら図1及び図2において、1は塩化水素などの有毒性ガスを含む排気ガス等の被処理ガスを集める塔体等の高温部、2はスクラバー等の低温部もしくは常温部(以下、低温部等と称する)であり、これら高温部1のガス排出口1Aと低温部等2のガス導入口2Aとの間には、高温部1から低温部等2へ向かって流動する被処理ガスの流路を形成する耐熱耐蝕材料、例えばFRP製ガス配管3とガス流線方向に伸縮可能な蛇腹部4aを有する管伸縮継手4が三つのフランジ接合部6a,6b,6cを介して直列に接続されている。
図1は本発明に係る耐熱耐蝕ガス配管構造の実施の形態を示す要部の概略横断面図、図2は要部の拡大概略縦断面図である。これら図1及び図2において、1は塩化水素などの有毒性ガスを含む排気ガス等の被処理ガスを集める塔体等の高温部、2はスクラバー等の低温部もしくは常温部(以下、低温部等と称する)であり、これら高温部1のガス排出口1Aと低温部等2のガス導入口2Aとの間には、高温部1から低温部等2へ向かって流動する被処理ガスの流路を形成する耐熱耐蝕材料、例えばFRP製ガス配管3とガス流線方向に伸縮可能な蛇腹部4aを有する管伸縮継手4が三つのフランジ接合部6a,6b,6cを介して直列に接続されている。
前記管伸縮継手4としては、前記FRP製ガス配管3の必要口径の外径D1よりも約1割程度大きい外径D2のものが使用されているとともに、その蛇腹部4aは、例えばゴムシートにPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シートをラミネートしてなる耐熱温度90℃程度で、かつ、耐蝕性に優れた材料から構成されている。
そして、前記管伸縮継手4の蛇腹部4aの内側には、前記ガス配管3と同様に耐熱耐蝕材料であるFRP製ダクト5が同芯状に挿入配置されており、これによって、前記管伸縮継手4の蛇腹部4aとその内側のFRP製ダクト5とが内外二重管構造で両者4a,5間に環状の断熱空間8が形成されている。前記FRP製ダクト5は、前記ガス配管3の必要口径と等しい口径を有し、その上流側端部5aが前記フランジ接合部6bへの共締めによりガス配管3に固定されているとともに、その下流側端部5bが前記管伸縮継手4の下流端よりも低温部等2のガス導入口2A側に突き出る自由端の状態で片持ち支持されている。
なお、前記FRP製ガス配管3の外周部には、前記管伸縮継手4の伸縮に伴うガス配管3の軸線方向移動を摺接案内する支持サポートとして、ガス配管3の外周面下部に接するローラサポート7が設けられている。
上記のように構成された耐熱耐蝕ガス配管構造においては、管伸縮継手4の蛇腹部4aとその内側に挿入配置されたFRP製ダクト5との内外二重管構造で両者4a,5間に環状の断熱空間8が形成されてガス配管3内を流動する高温の被処理ガスが管伸縮継手4の蛇腹部4aに直接に接触することがなくなる。そのため、管伸縮継手4の蛇腹部4aに要求される耐熱温度は、流動する高温被処理ガスの最高温度よりも遥かに低いものでよく、耐蝕性が要求されるとしても、その蛇腹部4aの構成材料としてはチタンやタンタル等の高コスト材料を用いる必要は一切なく、上述したように、ゴムシートにPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)をラミネートしたもの等の低コスト材料を用いるだけで要求される耐熱性、耐蝕性を十分に満足させることができる。
また、管伸縮継手4の蛇腹部4aの内側にFRP製ダクト5を挿入した内外二重管構造とするだけでよいので、タコベンドと呼称される伸縮曲管を用いる場合のように、平面的に大きな水平設置スペースは不要で、狭隘なスペース条件下でも採用することができる。したがって、耐熱耐蝕配管全体の低コスト化及び省スペース化を図りながら、熱膨張や据付け誤差の吸収という本来の機能を確実に達成することができる。
特に、上記実施の形態のように、FRP製ダクト5の口径を、前記ガス配管3の必要口径と等しい口径にすることにより、二重管の存在にかかわらず高温被処理ガスを淀みや抵抗なく、高温部1から低温部等2に向けて確実、円滑に流動させることができる。
また、上記実施の形態のように、ガス配管3の外周面下部に接するローラサポート7を設ける場合は、管伸縮継手4の伸縮に伴うFRP製ガス配管3の軸線方向移動を直線的に摺接案内させることが可能で、ガス3及びFRP製ダクト5の全長が長いものであっても、FRP製ダクト5の下流側自由端部5bが自重によって垂れ下がることを防ぎ、かつ、管伸縮継手4の伸縮に伴うガス配管3の軸線方向移動をローラサポート7にて摺接案内させることが可能であり、これによって、管伸縮継手4による熱膨張吸収という本来機能を応答性よく確実に発揮させることができるとともに、管伸縮継手4の蛇腹部4aとダクト5との間に形成される環状断熱空間8を確実に維持することができる。
なお、ガス配管3が短く、管伸縮継手4の伸縮代が小さい場合は、前記したローラサポート7などの使用を省くことも可能である。
また、上記実施の形態では、高温であるだけでなく、腐蝕性を有する被処理ガスを対象とした場合におけるガス配管3やダクト5の構成材料としてFRPを用いることを説明したが、腐蝕性がなく、単に高温の被処理ガスを対象とするである場合は、それらガス配管3やダクト5の構成材料としてはFRP以外の耐熱製材料を用いればよい。
1 高温部
2 低温部等(低温部もしくは常温部)
3 FRP製ガス配管
4 管伸縮継手
4a 蛇腹部
5 FRP製ダクト
7 ローラサポート(ガス配管支持サポート)
2 低温部等(低温部もしくは常温部)
3 FRP製ガス配管
4 管伸縮継手
4a 蛇腹部
5 FRP製ダクト
7 ローラサポート(ガス配管支持サポート)
Claims (3)
- 高温部側から低温部もしくは常温部側へのガス流路を形成する耐熱材料製ガス配管の途中に、ガス流線方向に伸縮可能な蛇腹部を有する耐熱材料製管伸縮継手を介在させてなる耐熱ガス配管構造において、
前記管伸縮継手の蛇腹部の内側に耐熱材料製ダクトを前記蛇腹部と接触しないように同芯または略同芯状に挿入して、管伸縮継手の蛇腹部と前記ダクトとの間に環状の断熱空間が形成されており、前記耐熱材料製ダクトは、そのガス流れ方向の上流側端部がガス配管に固定され、かつ、下流側端部が前記管伸縮継手よりも低温部もしくは常温部側に突き出る自由端の状態で片持ち支持されていることを特徴とする耐熱ガス配管構造。 - 前記管伸縮継手としては耐熱材料製ガス配管の口径よりも大きいものが用いられ、かつ、前記耐熱材料製ダクトとしては耐熱材料製ガス配管の口径と等しい口径のものが用いられている請求項1に記載の耐熱ガス配管構造。
- 前記耐熱材料製ガス配管の外周部には、前記管伸縮継手の伸縮に伴う該ガス配管の軸線方向移動を摺接案内する支持サポートが設けられている請求項1または2に記載の耐熱ガス配管構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007122086A JP2008275117A (ja) | 2007-05-07 | 2007-05-07 | 耐熱ガス配管構造 |
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JP (1) | JP2008275117A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010103632A1 (ja) * | 2009-03-11 | 2010-09-16 | 電気化学工業株式会社 | トリクロロシラン製造装置 |
WO2010103631A1 (ja) * | 2009-03-11 | 2010-09-16 | 電気化学工業株式会社 | トリクロロシラン製造装置 |
JP2012235074A (ja) * | 2011-05-09 | 2012-11-29 | Sumco Corp | バレル型気相成長装置 |
JP5618982B2 (ja) * | 2009-03-11 | 2014-11-05 | 電気化学工業株式会社 | トリクロロシラン製造装置 |
-
2007
- 2007-05-07 JP JP2007122086A patent/JP2008275117A/ja not_active Withdrawn
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