JP5744617B2 - 口腔内清掃用綿棒 - Google Patents

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Description

本発明は、介護等の際、口腔内を清掃するために好適な綿棒に関する。
歯と歯の間はプラーク(歯垢)がつきやすく虫歯や歯周病になりやすい部位である。プラークは、水分と有機質でできており、有機質の大半は細菌(口腔常在菌)とその代謝物であり、口腔内の衛生状態によって細菌が変化し、口臭や歯周疾患の原因となる。一般的に歯の衛生状態を良好に保つにはまず歯磨きが有効であるが、病人や老人等がベッド上で姿勢を変えることができない場合の口腔内を清拭するときは、水を使用することが困難であることが多いために、綿棒やスポンジ状の部位をとりつけたスポンジブラシを用いて口腔内を清掃する作業が行なわれる。
このような口腔内清拭に用いられる清掃具としては、一般的に先端の綿頭部が繭型で、PVA等の水溶性糊剤等で固化した脱脂綿棒等が使用されている。
また、特許文献1は、先端をテーパー状に形成した綿棒により、口腔内清掃の際、前歯の裏面も容易に清拭することができることが記載されている。
特許文献2は、シャープエッジを有する0.0001から1.0デニールである極細繊維を一部に含む歯牙擦掃用清拭材が提案されている。
また特許文献3は、先端が実質的に広がっている棒状物の先端に、1〜0.00001デニールの極細合成繊維よりなる布帛からなる口腔粘膜を拭くための部材が付与された器具が提案されている。
特許文献4には、単糸繊度が0.7dtex以下のポリエステル及びポリアミドからなるフィブリル化型複合繊維を綿球に用いた清掃用綿棒が提案されている。
特開2001-79034号公報 特許第2836141号公報 特許第3704576号公報 特許第4289734号公報
しかしながら、上記脱脂綿棒や特許文献1のものは、清掃性は十分なものでなく、また清掃性を向上させるため水やお湯,重曹,ポビドンヨード(イソジン),液体歯みがき剤を先端に浸漬し口腔内を清掃すると、綿棒を形成している脱脂綿が解繊してしまい、充分な清掃効果を得られない。また歯間へは挿入し易いが、歯間の微妙な凹部や歯の隙間の細い所まで届かずプラークの清掃が充分でない。
また特許文献2のものは、極細繊維を含んだ清掃具で一定の清掃効果はあるものの、口腔内の唾液で繊維集合体が解繊し易く、充分な清掃効果を得ることができない。
特許文献3の綿棒は、実質的に口腔内の汚れや口腔粘膜を拭き取るためのものであり、フラットな形状をしているため、歯間、歯と歯茎の間のプラーク等を掻き取るのは困難である。
また特許文献4に記載の綿棒は単糸繊度0.7デシテックス以下の、ポリエステルとポリアミドからなるフィブリル化型複合繊維である極細繊維からのみ構成されており、ナイロンの軟化点付近の高温で繊維同士が接着、固化されているので、湿潤変形率に優れステインを掻き取る能力は十分であるものの、プラークのような膨潤したジェル状の固まりを収納できる間隙が少なく、清掃効果が充分でない。
したがって、本発明の目的は、歯間や歯と歯茎の隙間の清掃効果に優れるとともに、清掃性を向上させるための水やお湯,重曹,ポビドンヨード(イソジン),液体歯みがき剤を先端に浸漬しても、掻きとり効果を低下させない清掃効果の優れた口腔内清掃用綿棒を提供することである。
本願の発明者は、適度な繊維間空隙を保ったまま、湿潤時に開繊したり変形しないような綿体を有する綿棒とすることで、清掃効果の優れた清掃具を得ることに着眼し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、軸体と、軸体の少なくとも一端に綿体を有した綿棒であって、綿体は、二種以上の繊維形成性ポリマーからなる単糸繊度が3dtex以下の複合繊維を応力で割繊せしめた割繊糸(A)と単糸繊度が1〜5dtexの熱融着繊維(B)とからテーパー形状に構成されてなり、熱融着繊維(B)は、割繊糸(A)を構成する繊維形成性ポリマーの融点または軟化点より、少なくとも30℃以上融点または軟化点が低いポリマーから構成され、熱処理により融解して割繊糸(A)と融着している、吸水率が50〜200%、200g荷重下での湿潤変形率が20%以下である口腔内清掃用綿棒である。
そして、上記綿棒は、割繊糸(A)はポリアミド及びポリエステルからなり、割繊糸(A)を構成する少なくとも一部のセグメントは、繊維横断面形状がエッジを有する異型であるものがより好ましい。
本発明の口腔内清掃用綿棒によれば、介護者が、被介護者に対し、口腔内清掃を行うときに、唾液により、変形したり、解繊することがなく、繊維間の空隙も保たれているため、歯間、歯と歯茎の間のプラークの除去効果が高く、清掃効果に優れたものとなる。
口腔内清掃用綿棒の一例を示す模式図である。 本発明の割繊糸の繊維横断面形状の一例を説明する図である。 本発明の割繊糸の割繊前の複合繊維マルチフィラメントの繊維横断面形状の例である。
本発明は、軸体と、軸体の少なくとも一端に綿体を有した綿棒である。
図1に、代表的な綿棒の模式図を示す。
図1の(1)は軸体であり、例えば、木材、プラスチック材料、紙等で形成することができる。
軸体(1)の一端には、綿体(2)を有し、綿体は、軸体の端部近傍に巻き付けるように形成されている。
綿体(2)は、先端に向かってテーパー形状であり、先端に向かって漸次細い形状になっている。この先端は、できるだけ鋭角になったものの方が、歯間の隙間まで届きやすくなり、プラークを掻き取ることができるが、鋭角過ぎると少しの荷重でも容易に変形しやすくなるため、先端の角度は60度以下が好ましく、45度以下がより好ましく、綿体の先端のR(曲率半径)は、0.5〜2mmであることが好ましい。
なお、綿体の全体的な形状は、特に限定するものではなく、繭型、円錐型、三角柱型(楔型)等何れの形状でもよい。
本発明の綿体の吸水率は、50〜200%であり、好ましくは80〜150%である。この範囲であれば、適度な硬度と繊維間の間隙を保つことができ、プラークを繊維同士の間隙の多数の空間に収納でき、再付着を防止できるため、清掃効果に優れたものとなる。
すなわち、吸水率が50%未満であると、綿体に硬度があり、プラークの掻き取り性に優れるものの、繊維間の間隙が少なく、捉えたプラークを繊維同士の間隙の多数の細い空間に十分に収納できず、再付着し、清掃効果に劣るものとなる。また吸水率が200%を超えると、綿体の硬度が不足し、掻き取りの応力、圧力によって繊維間の間隙が潰れてしまい、プラークを空間の間隙に収納できず、清掃効果に劣るものとなる。
ここで、吸水率とは、綿棒全体の重量を測定した後に、綿体を10分間、水道水に浸漬した後に綿棒の重量を測定し、その後、70℃の雰囲気下において12時間乾燥し、綿体を分解し綿体の重量を測定し、以下の式から算出した値である。
Figure 0005744617
本発明の綿体の200g荷重下の湿潤変化率は、20%以下であり、好ましくは、5〜15%である。すなわち、上記湿潤変化率が20%以下であれば、綿体の繊維間の間隙は潰れることはなく、プラークを補足して間隙に取り込んで、プラークが口腔内へ再付着することを効果的に防止することができ、清掃効果に優れる。
また上記湿潤変化率が5〜15%であれば、適度な硬度で掻き取り性能が優れるとともに、さらに捕らえたプラ−クを繊維同士の間隙の収納でき、再付着を防ぐことができ易くなり、より清掃効果に優れるものとなる。
本発明の200g荷重下の湿潤変化率は、以下の方法で求めることができる。
綿棒の綿体を10分、水道水に浸漬した後に計量用天秤の上に綿体が天秤皿の上に綿棒を垂直に立て、天秤における重量が200±2gの荷重を加えた後と荷重を加える前の綿体の変形率について以下の式で算出する。なお、200gというのは、歯間の隙間に綿棒を這わせた際のプラークを掻き取る際に掛かる荷重のおおよその値である。
Figure 0005744617
本発明の綿体は、割繊糸(A)と熱融着繊維(B)とから構成される。
まず、割繊糸(A)について説明する。
上記割繊糸(A)は、二種以上の繊維形成性ポリマーからなる単糸繊度が3dtex以下の複合繊維を応力で割繊せしめたものである。
上記複合繊維を構成する繊維形成性ポリマーの組み合わせは特に限定するものではなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン等公知のポリマーを組み合わせるとよい。
好適な組み合わせとしては、口腔内で清掃した際にプラークの再付着を防止するために、公定水分率(20℃、65%RHの標準時の水分率)が異なるものが好ましく、例えば、ポリエステルとポリアミド、ポリプロピレンとポリアミド、ポリエチレンとポリアミド等が挙げられる。特に、汎用性、コスト、清拭感、使用感の点からは、ポリエステルとポリアミドの組合せが好ましく、汎用的で安価に入手できる点から、ポリエチレンテレフタレートとナイロン6の組み合わせが好ましい。
なお、上記複合繊維の組み合わせるポリマーの公定水分率の差は、2%以上が好ましく、3%以上がより好ましく、5%以上がさらに好ましい。
また、上記複合繊維のそれぞれのポリマーを単糸とした場合の熱収縮率(JISK1013 8.18.1熱水収縮率(b)フィラメント収縮法(b)フィラメント収縮法(b法))の差は2〜10%であることが好ましい。
上記割繊糸(A)を構成するセグメントの繊維横断面形状は、エッジを有する異型であるものを含むことが好ましい。このエッジは、綿体の表面に現れていることが好ましい。
なお、上記「エッジ」とは、繊維横断面の外形線が、なだらかな円弧状ではなく屈曲した角形状になっており、その角部によって形成される突出部位をいう。そして、上記角部の角度は、鈍角であっても差し支えないが、鋭角のほうがより優れた清拭性能を発揮する。ただし、上記繊維横断面の外形線において、上記角部を有する二辺は、それぞれ、必ずしも直線である必要はなく、円弧状になっていても差し支えない。このエッジは、鈍角でも直角でも、鋭角でも構わないが、プラークの掻きとり効果を効率的に得やすい点から、直角または鋭角、特に鋭角であるものが好ましい。
上記割繊糸(A)を構成するセグメントの繊維横断面形状を例示する。
例えば、図2に示すように、放射形セグメントAと、放射形セグメントAを補完する補完形セグメントBとからなる。各セグメントA、Bには、長手方向に沿うエッジが多数形成されているため(図1においてPで示す部分、同形状の部分は省略)、プラークを効率よく掻きとり、プラークの再付着も防止されて、優れた清拭効果を得ることができる。
このような放射形セグメントAと補完形セグメントBとからなるものの場合、放射形セグメントAは、補完形セグメントBを3個以上に分割せしめているものが好ましい。なお上限は、16個程度が好ましい。特に好ましくは、4〜8個に分割せしめたものである。
特に、このような放射形セグメントと補完形セグメントとからなる割繊糸の合撚糸を含むものであれば、糸の表面は、各セグメントが捩れた状態となり、長手方向からみて、斜めにランダムにエッジの部分が効率よく現われるため、プラークの掻き取り効果が顕著に優れている。したがって、強い力を入れずに効果的にプラークが掻き取れ、使用時に歯や歯茎へのあたりが柔らかく、使用感にも特に優れたものとなる。
上記複合繊維(割繊前)としては、上述した放射形セグメントと補完形セグメントからなる割繊糸の割繊前の形状、すなわち、図3(a)、(b)に示すものが特に好適である。他の例として、割繊前の複合繊維の横断面形状が、例えば図3(c)〜(f)に示すものを挙げることができる。これらのなかでは、特に、(c)、(d)のものが好適である。
上記複合繊維のうち、特に好適な組み合わせとしては、放射形セグメントAまたは補完形セグメントBのいずれか一方がポリエステルであり、他方がポリアミドであるものである。すなわち、ポリマーの熱収縮率が大きいポリアミドが大きく収縮し、ポリエステルがそれほど収縮しないため、両者の間に隙間ができ、隙間に、掻き取られたプラークが入り込み、清掃効果が優れたものとなる。また、応力による割繊が容易になり、繊維横断面形状の型崩れの度合いが低く、セグメントのエッジの部分の形状を保ちやすく、清掃効果の高い口腔内清掃用綿棒を得ることができる。
なかでも、放射形セグメントがポリアミドであり、補完形セグメントがポリエステルであるとポリアミドの部分が柔らかく、放射形セグメントが歯や歯茎への当たりを柔らかくし、硬い補完形のポリエステル部分がプラークを掻き取る役割を果たすので、より一層清掃効果に優れ、使用感に優れたものが得られる。
上記複合繊維は、単糸繊度が3dtex以下のものを含み、好ましくは、1.1dtex以下であり、より好ましくは、0.75dtex以下である。
すなわち、単糸繊度が太すぎる場合は、綿体の単位繊維表面積が小さくなり、十分な清掃性を得るのが難しく、十分な清掃効果を得ようとすれば、綿体が大きくなってしまい、歯と歯の間の清掃が難しくなる。また、一旦、プラ−クや食物片を掻き取っても、繊維の間の間隙に取り込むことができず、再度プラークが歯や歯茎等の口腔内に付着するおそれがある。
なお、上記割繊糸(A)は、良好な清掃効果を得る点から、綿体に対して、50質量%以上の構成比率とすることが好ましく、より好ましくは、70質量%以上である。
次に、本発明の熱融着繊維(B)について説明する。
上記熱融着繊維(B)は、上記割繊糸(A)を構成する繊維形成性ポリマーの軟化点または融点より、30℃以上低い軟化点または融点を有するポリマーから構成される。
なお、本発明の綿体は、上記熱融着繊維(B)は、熱処理により融解して、割繊糸(A)と融着していることが好ましい。
上記熱融着繊維(B)は、単独成分の繊維形成性ポリマーからなる繊維でもよいし、二成分が隣り合ったサイドバイサイド構造や芯鞘構造、芯成分が複数ある、所謂海島構造からなる複合繊維でもよい。
なお、熱融着繊維を加熱融着した後に、表面積変化が少なく、綿体の空隙を確保しやすい理由から芯鞘構造の複合繊維が好ましい。
上記割繊糸(A)がポリエチレンテレフタレート等のポリエステルとナイロン6等のポリアミドからなるものである場合は、熱融着加工の容易さや、糸物性の保持の点からは、120℃〜200℃の融点または軟化点を有するポリマーが好ましい。
具体的な熱融着繊維(B)を構成している熱融着成分の繊維形成性ポリマーとしては、共重合ポリエステル、ポリアミド12及び共重合ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニルコポリマー等が挙げられる。
中でも鞘部がポリエチレン、芯部がポリプロピレンの芯鞘構造繊維が好ましい(ESファイバービジョン株式会社製ESファイバー等)。
上記熱融着繊維(B)は、適度な繊維間の空隙と綿体先端の硬度を保つ点から、綿体に対して、10〜50質量%の構成比率で用いることが好ましく、20〜30質量%用いることがより好ましい。
本発明の熱融着繊維(B)は、単糸繊度が、1〜5dtexである。
この範囲であれば、繊維間の接着力と繊維間の空隙を適度に保ち、プラークの掻き取り効果に優れ、再付着を防止できる。なかでも2〜3dtexであれば、綿体先端の硬度と繊維間の間隙を適切に保持し易くなるため、より好ましい。
また、本発明における口腔内清掃用綿棒の綿体の繊維密度は、吸水率が50〜200%であって、200g荷重下での湿潤変形率が20%以下を維持できれば何れの数値でも構わないが、より細繊度でプラークを掻き取るための硬度と耐久性、プラークを収納する間隙を維持するためには0.5〜1.5g/cmの範囲であることが好適である。さらには、0.8〜1.2g/cmの範囲であることが生産性の観点からも好適である。
次に本発明の綿棒を製造する方法について例示する。
まず、上記割繊糸(A)と上記熱融着繊維(B)とを混用して綿体を作成する。
この混用する方法としては、それぞれの繊維をマルチフィラメントの状態で製編職して、織編物として、綿体としてもよいし、 それぞれの繊維にクリンプを付与したうえで、定長にカットし、ニードルパンチで不織布化して、綿体としてもよい。
次いで、軸体と綿体を接着する。
軸体と綿体の接着方法としては、水や洗浄液により接着力が低下しなければどのような接着剤でも構わないが、ホットメルトでの接着方法が作業の容易性や接着力の観点から好ましい。ホットメルトとして好適な材料としてはポリウレタン系、ポリオレフィン系、酢酸ビニル系、共重合ポリアミド系、共重合ポリエステル系等やこれらのホットメルト混合品若しくは共重合品等が挙げられる。
また、別の製造方法として、製造工程が簡単で、口腔内用に好適に用いることができる点、安価な点等から、繊維にクリンプを付与した上で、定長にカットし、二種類のカットファイバーを混在させたスライバーを一定量ごとにカットし、柄に旋廻させながら巻き付け、成形と加熱処理を施して綿棒を製造する方法をとってもよい。
なお、本発明の綿体を製造する際、上記熱融着繊維(B)の融点または軟化点以上、上記割繊糸(A)の融点または軟化点以下で加熱することにより、上記熱融着繊維(B)が熱処理により融解して、上記熱融着繊維(B)と上記割繊糸(A)が熱処理により融着した綿体を製造することができる。
(実施例1)
割繊糸(A)には、融点253℃のポリエチレンテレフタレートと融点235℃のナイロン6の二成分から構成される複合繊維割繊糸(断面形状は図3−(b)、放射形のA成分:ナイロン6、単糸繊度2dtex、8個の補完形のB成分(扇形):ポリエステル単糸繊度0.2dtex)であるKBセーレン株式会社製ベリーマX(2.2dtex、カット長20mm)を70質量%用い、融着繊維(B)には、鞘成分がポリエチレン(融点120℃)、芯成分がポリプロピレン(融点165℃)ESファイバービジョン株式会社製ESファイバー:ESC021(2.2dtex、カット長38mmのステープルファイバー)を30質量%混紡した2.7g/mのスライバーを作成した。
次に前記スライバーを0.07gに切断し、2.5mm径、長さ70mmの紙製棒に捲き付け、140℃において熱処理を行い、口腔内洗浄用綿棒を作成した。綿体の形状は円錐状で、先端部のRは0.5mm、底辺にあたる部分の最も大きい部位の半径は2.5mm、長さは11.5mm、綿体の吸水率は93%、200g荷重下の湿潤変形率は8%であった。
この条件で作成した綿棒は、掻き取り性能に優れ、歯茎と歯、歯間の間も効率よく掻き取り性に優れ、2本の綿棒で口腔内全体のプラークを清掃できた。尚、プラーク清掃効果の確認については歯垢染色液を用いて評価を行った。評価結果は後述する。
(比較例1)
白十字株式会社製綿棒を準備した。
この綿棒は、綿体の形状は繭型で、先端部のRは1.5mm、最も大きい部位の半径は2.5mm、長さは15mm、半径2.5mm、長さ70mmの脱脂綿に使用された綿の繊度は1〜3dtex、繊維長は10〜25mmで、脱脂綿はポリビニルアルコールで接着されており、綿体の重量は0.026g、吸水率360%、200g荷重下の湿潤変形率は52%であった。
この綿棒は歯茎と歯、歯間の間も綿棒が奥まで挿入されない上に、唾液で容易に変形してしまい、口腔内全体のプラークを清掃することができず、拭き残しが多く見られた。
<咬合フォイルでの擦過試験>
試験対象となる綿棒を一定圧力下でハネル精密咬合フォイル(片面12μm、赤、ドイツ製、輸入元:株式会社茂久商会)のインク面を上面にして平板に固定し、株式会社コマツ製歯磨き圧指指導機に歯ブラシの柄を切断して固定し、その柄に綿棒を固定した。綿棒とハネル精密咬合フォイルと接触圧は200gで行った。綿棒は10分間水道水で浸漬した後に垂れ落ちない状態になるまで余分な水を除去した上でハネル精密咬合フォイルインク除去性について評価を行った。
実施例1となる口腔内洗浄用綿棒が83%の面積で除去できたのに対し、比較例1となる綿棒は全く(0%)除去できていなかった。
<人工プラークでの擦過試験>
株式会社ニッシン社製模型用人工歯垢(以下、人工プラークと記す)を松浪硝子工業株式会社製スライドガラスの片面に均一になるように塗布し乾燥した。綿棒は、シグマ光機株式会社製高性能・多機能プログラマブル2軸セテージコントローラ:SHOT−202AMでX軸とY軸方向にコントロールされたシグマ光機株式会社高剛性・精密型自動システム:SGAM26上の固定台に固定した。
人工プラークを塗布したスライドガラスを200gの負荷で綿棒に押し付け75mm/秒の速度で5mmの距離を一往復させた。試料となる綿棒は10分間水道水で浸漬した後に垂れ落ちない状態になるまで余分な水を除去した上で擦過試験を行った。擦過後のスライドガラスは株式会社ニコン社製D300にて撮影アドビシステムズ株式会社製PhotoShop CS3にて画像処理と画像濃度を読み取った。
その結果、実施例1となる口腔内洗浄用綿棒が27%の除去率できたのに対し、比較例1となる綿棒は13%の除去率であった。
(実施例2)
割繊糸(A)と融着繊維(B)との比率をそれぞれ60%、40%に混紡した以外は実施例1同様に口腔内清掃用綿棒を作成した。綿体部の吸水率は60%、200g荷重下の湿潤変形率は5%であった。
この条件で作成した綿棒は、掻き取り性能に優れ、歯茎と歯、歯間の間も効率よく掻き取り性にも優れていたが、実施例1に比べプラークが再付着する傾向があり、口腔内全体のプラークを清掃するのに3本の綿棒が必要であった。
(実施例3)
割繊糸(A)と融着繊維(B)との比率をそれぞれ90%、10%に混紡した以外は実施例1同様に口腔内清掃用綿棒を作成した。綿体の保水率は150%、200g荷重下の湿潤変形率は15%であった。
この条件で作成した綿棒は、掻き取り性能に優れ、歯茎と歯、歯間の間も効率よく掻き取り性にも優れていたが、実施例1に比べ綿体先端が潰れ易い傾向のため、口腔内全体のプラークを清掃するのに3本の綿棒が必要であった。
(比較例2)
割繊糸(A)には、融点253℃のポリエチレンテレフタレートと融点235℃のナイロン6の二成分から構成される複合繊維割繊糸(断面形状は図3−(b)、放射形のA成分:ナイロン6、単糸繊度2dtex、8個の補完形のB成分(扇形):ポリエステル単糸繊度0.2dtex)であるKBセーレン株式会社製ベリーマX(2.2dtex、カット長20mm)のみで2.7g/mのスライバーを作成した。次に前記スライバーを0.07gに切断し、2.5mm径、長さ70mmの紙製棒に捲き付け、190℃において熱処理を行い、口腔内洗浄用綿棒を作成した。綿体の形状は円錐状で、先端部のRは0.5mm、底辺にあたる部分の最も大きい部位の半径は2.5mm、長さは11.5mm、綿体の吸水率は70%、200g荷重下の湿潤変形率は5%であった。
この条件で作成した綿棒は歯茎と歯、歯間の間も効率よく掻き取り性にも優れていたが、掻き取ったプラークが中まで取り込まれず、再付着してしまい口腔内全体のプラークを清掃することがでず、拭き残しがあった。
(比較例3)
割繊糸(A)と融着繊維(B)との比率をそれぞれ50%、50%に混紡した以外は実施例1と同様に口腔内清掃用綿棒を作成した。綿体の吸水率は40%、200g荷重下の湿潤変形率は5%であった。
この条件で作成した綿棒は、掻き取り性は良好だったが、掻き取ったプラークが中まで取り込まれず、再付着してしまい口腔内全体のプラークを清掃することができず、拭き残しがあった。
(比較例4)
綿体を整形する割繊糸(A)と融着繊維(B)とのスライバーの使用量を0.04g/mにした以外は実施例1同様に口腔内清掃用綿棒を作成した。綿体の保水率は220%、200g荷重下の湿潤変形率は28%であった。
この条件で作成した綿棒は歯茎と歯、歯間の間も効率よく掻き取り性にも優れていたが、容易に変形してしまうため、プラークを効率良く掻き取ることができずプラークの拭き残しがあった。
1 軸体
2 面体
A 放射形セグメント
B 補完形セグメント

Claims (2)

  1. 軸体と、軸体のすくなくとも一端に綿体を有した綿棒であって、綿体は、二種以上の繊維形成性ポリマーからなる単糸繊度が3dtex以下の複合繊維を応力で割繊せしめた割繊糸(A)と単糸繊度が1〜5dtexの熱融着繊維(B)とから先端に向かってテーパー形状に構成されてなり、熱融着繊維(B)は、割繊糸(A)を構成する繊維形成性ポリマーの融点または軟化点より、少なくとも30℃以上融点または軟化点が低いポリマーから構成され、熱処理により融解して割繊糸(A)と融着している、吸水率が50〜200%、200g荷重下での湿潤変形率が20%以下である口腔内清掃用綿棒。
  2. 割繊糸(A)はポリアミド及びポリエステルからなり、割繊糸(A)を構成する少なくとも一部のセグメントは、繊維横断面形状がエッジを有する異型である請求項1または2記載の口腔内清掃用綿棒。
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