JP5742732B2 - インバータ - Google Patents
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Description
本明細書では、より簡単な制御手順で、スイッチング素子の過熱を防止しながらコンデンサに充電されている電荷を放電する技術を開示する。
冷却中のスイッチング素子の温度低下幅と経過時間の関係が既知であり、放電開始可能温度T3が既知であれば、放電開始指令を入力した時のスイッチング素子の温度を利用することによって、スイッチング素子が放電開始可能温度T3にまで冷却するのに要する時間を計算することができる。待機時間の計算装置は、上記のプロセスを利用して、放電開始指令を入力した時のスイッチング素子の温度と、冷却中のスイッチング素子の温度低下幅と経過時間の関係と、放電開始可能温度T3から、待機時間を計算する。待機時間だけ経過すれば、スイッチング素子は放電開始可能温度T3以下に冷却されている。本技術では、その後に放電を開始することから、連続的に放電してもスイッチング素子は過熱されない。
本技術によると、放電を断続的に進行させる必要がなく、連続放電すればよい。制御内容が単純化される。本技術によると、連続放電の開始時期だけを制御すればよいことから、制御内容が単純化される。
本明細書の技術では、待機時間だけ待ってから放電を開始することから、放電完了までの時間は、待機時間+放電時間となる。
その待機時間は、冷却装置の冷却能力で調整することができる。冷却能力を高めれば待機時間を短縮化できる。あるいは、コンデンサ容量を小型化することによっても待機時間を短縮化できる。コンデンサ容量が小さければ、放電総電力量が小さくなり、放電中の温度上昇幅が低下することから、待機時間を短縮化できる。耐熱能力が高いスイッチング素子を用いことによっても、待機時間を短縮化できる。放電電流の大きさを小さくすれば、放電中の温度上昇幅は低下する。反面、放電時間が長くなるので、一概に放電電流を制限すれば「待機時間+放電時間」を短くできるとはいえない。しかしながら、放電電流の大きさと「待機時間+放電時間」の間には関係があり、放電電流の大きさを調整することで「待機時間+放電時間」を短縮化することができる。
コンデンサ容量と、放電電流の大きさと、スイッチング素子の耐熱能力と、冷却装置の冷却能力のうちの少なくとも一つを選定することで、待機時間+放電時間<許容時間の関係を満たすことができる。
特徴1:インバータは3相交流を供給する。
特徴2:3相交流を生成するスイッチング素子が放電用スイッチング素子を兼用する。
特徴3:3相交流を生成するスイッチング素子の全部のスイッチング素子(全相に対応する)が導通して放電する。
特徴4:素子が耐えられる上限温度T1−放電によって生じるスイッチング素子の温度上昇幅T2=放電開始可能温度T3の関係である。
特徴5:待機時間の間に素子が冷却されて温度が低下する幅=放電開始指令入力時のスイッチング素子温度−放電開始可能温度T3の関係である。
特徴6:特徴4における素子が耐えられる上限温度T1は、放電という短時間の現象であることから、交流生成時における上限温度よりも高い関係にある。
インバータ11は、直流電源7とモータ12の間に接続されており、平滑用コンデンサ9を備えている。インバータ11は、u相用上段スイッチング素子1と、u相用下段スイッチング素子2と、v相用上段スイッチング素子3と、v相用下段スイッチング素子4と、w相用上段スイッチング素子5と、w相用下段スイッチング素子6を備えている。
スイッチング素子1と並行にフライホイールダイオード1aが接続され、スイッチング素子2と並行にフライホイールダイオード2aが接続され、スイッチング素子3と並行にフライホイールダイオード3aが接続され、スイッチング素子4と並行にフライホイールダイオード4aが接続され、スイッチング素子5と並行にフライホイールダイオード5aが接続され、スイッチング素子6と並行にフライホイールダイオード6aが接続されている。
u相用上段スイッチング素子1のゲート端子1bと、u相用下段スイッチング素子2のゲート端子2bと、v相用上段スイッチング素子3のゲート端子3bと、v相用下段スイッチング素子4のゲート端子4bと、w相用上段スイッチング素子5のゲート端子5bと、w相用下段スイッチング素子6のゲート端子6bは、インバータ制御装置17に接続されている。
インバータ制御装置17は、スイッチング素子1〜6を異なるタイミングでオン・オフさせつことによって3相交流を生成してモータ12に通電する。u相の電流波形はv相の電流波形よりも120°進んだ位相で変化し、w相の電流波形はv相の電流波形よりも120°遅れた位相で変化する。
v相用下段スイッチング素子4の近傍に温度センサ13が配置されている。
スイッチング素子1〜6の耐熱能力から、温度T1は既知である。コンデンサ9の容量と、放電中にスイッチング素子1〜6の各々を流れる電流値が既知であれば、温度上昇幅T2も既知である。従って、放電開始可能温度T3も既知である。インバータ制御装置17は、放電開始可能温度T3を記憶している記憶装置18を備えている。
図中の温度T4は、コンデンサ9の放電を開始する指令が入力された時の温度センサ13の検出値を示している。点20Cからカーブ20Bが伸びていれば、放電中に素子温度はT1を超えてしまう。すなわち、スイッチング素子1〜6は過熱されてしまう。それに対して、スイッチング素子1〜6が放電開始可能温度T3以下に冷却されるのを待ってから放電を開始すれば、放電中の素子温度がT1を超えることはない。
そこで、インバータ制御装置17は、放電開始指令の入力時の温度センサ13の検出値T4を入力して記憶する装置19を備えている。また、曲線20A、すなわち、経過時間と温度低下幅の関係を記憶している装置20を備えている。
素子温度T4が与えられれば、スイッチング素子1〜6が、記憶されているカーブ20Aに従って、記憶されて放電開始可能温度T3にまで冷却されるのに要する時間Time1を特定することができる。インバータ制御装置17は、時間Time1を特定する装置21を備えている。後記するように、本実施例では、放電開始指令の入力タイミングから時間Time1だけ遅れたタイミングで放電を開始する。時間Time1は、放電の開始を遅らせる待機時間である。
インバータ制御装置17には、温度センサ13が接続され、衝突(A/B)センサ信号の入力端子14と、HVECUとMGECU間の通信異常信号を入力する端子15と、+B電圧の低下信号を入力する端子6が接続されており、スイッチング素子1〜6のゲート1b〜6bに接続されている。
放電開始指令が入力されれば、ステップS2がYESとなり、ステップS4を実行する。ステップS4では、インバータ11の動作を停止する。ステップS6では、放電が可能か否かを判別する。放電不可であれば、一旦は処理を終了する。放電可能であれば、ステップS8を実行し、放電開始可能温度記憶装置18に記憶されている温度T3と、放電開始指令の入力時の温度センサ13の検出値T4(装置19に記憶されている)と、装置20に記憶されているカーブ20Aの形状から、待機時間Time1を特定する。次にステップS10を実行し、計時装置22で放電開始指令の入力時からの経過時間を計時する。次に、ステップS12で待機時間Time1が経過するのを待ち、待機時間Time1が経過したら装置23で全部のスイッチング素子1〜6のゲート1b〜6bにオン電圧を印加して全部のスイッチング素子1〜6を導通させる。それによってコンデンサ9は放電する。放電に伴って、スイッチング素子1〜6の温度は曲線20Bにしたがって上昇する。しかしながら、耐熱温度T1を超えることはない。待機時間Time1が経過するのを待って放電するので、連続放電してもスイッチング素子1〜6が過熱されることはない。
本実施例では、放電時にu相、v相、w相用のスイッチング素子1〜6の全部を同時にオンさせる。それに代えて、特定の相用のスイッチング素子のみをオンさせて放電させてもよい。あるいは放電する通電相を逐次着替えてもよい。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:u相下段スイッチング素子
3:v相上段スイッチング素子
4:v相下段スイッチング素子
5:w相上段スイッチング素子
6:w相下段スイッチング素子
7:直流電源
8:昇温回路
9:コンデンサ(平滑用コンデンサ)
11:インバータ
12:モータ
13:温度センサ
14:衝突(A/B)センサ信号(放電開始指令1)の入力端子
15:HVECUとMGECU間の通信異常信号(放電開始指令2)の入力端子
16:+B電圧の低下信号(放電開始指令3)の入力
17:インバータ制御装置
18:放電開始可能温度T3記憶装置
19:放電開始指令の入力時の温度センサの検出値T4の入力記憶装置
20:冷却カーブ20Aの記憶装置
21:待機時間の特定装置
22:計時装置
23:ゲート電圧制御装置
Claims (2)
- コンデンサと、
コンデンサの正極と負極を接続する配線に挿入されているスイッチング素子と、
スイッチング素子を冷却する冷却機構と、
スイッチング素子の温度を検出する温度センサと、
放電開始指令を入力する装置と、
放電開始指令を入力した時に、その時のスイッチング素子の温度と、冷却中のスイッチング素子の温度低下幅と経過時間の関係と、放電開始可能温度とから、待機時間を計算する計算装置と、
放電開始指令を入力した時からの経過時間を計る計時装置と、
計時装置で計った経過時間が計算装置で計算した待機時間となった時に、スイッチング素子を導通させる装置、
を備えているインバータ。 - コンデンサ容量と、放電電流の大きさと、スイッチング素子の耐熱能力と、冷却装置の冷却能力のうちの少なくとも一つが、待機時間+放電時間<許容時間の関係を満たすように選定されていることを特徴とする請求項1に記載のインバータ。
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JP2012005185A JP5742732B2 (ja) | 2012-01-13 | 2012-01-13 | インバータ |
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JP2012005185A JP5742732B2 (ja) | 2012-01-13 | 2012-01-13 | インバータ |
Publications (2)
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JP2013146130A JP2013146130A (ja) | 2013-07-25 |
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Family
ID=49041651
Family Applications (1)
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JP2012005185A Active JP5742732B2 (ja) | 2012-01-13 | 2012-01-13 | インバータ |
Country Status (1)
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2012
- 2012-01-13 JP JP2012005185A patent/JP5742732B2/ja active Active
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