JP6361466B2 - 放電制御装置、及び、これを備える電力変換装置 - Google Patents
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この負荷駆動システムは、直流電源である主電源と、主電源と高電位ライン(P)及び低電位ライン(N)を介して接続され主電源の電力が供給される負荷と、主電源から負荷に供給される電力を遮断可能な遮断回路と、遮断回路と負荷との間において高電位ラインと低電位ラインとの間に接続され、主電源からの電力供給によって電荷が蓄積される平滑コンデンサと、遮断回路を作動させる制御用電力を供給するバッテリ電源と、を備える。
この負荷駆動システムにおいて、放電制御装置は、遮断回路と負荷との間に設けられ、バッテリ電源がオフし遮断回路が遮断されたとき、平滑コンデンサに残留した電荷を放電抵抗に流すことによって消費する。
放電抵抗及びスイッチは、遮断回路と負荷との間において平滑コンデンサと並列に接続され、且つ、互いに直列に接続されている。スイッチは、放電抵抗を介した高電位ラインと低電位ラインとの導通又は遮断を切り替える。
タイマ回路は、バッテリ電源がオフした時から所定の放電処理時間を計時する。
スイッチ駆動回路は、バッテリ電源がオフした時、スイッチをオンし、その後、放電処理時間が経過した時、スイッチをオフする。
好ましくは、放電抵抗は複数の抵抗素子が直列又は並列に接続されて構成される。小さな抵抗素子を複数個用いることで、抵抗体の分散によって発熱が抑制される。また、表面積が増え、放熱性が向上する。また、冗長的に並列に配設することで信頼性を向上させることができる。具体的には、放電抵抗は基板に実装可能なチップ抵抗であり、スイッチは半導体スイッチング素子であることが好ましい。
具体的には、放電制御装置は、独立して作動するための電圧を生成する「作動電圧生成回路」を内部に有する。例えば「作動電圧生成回路」は、バッテリ電源がオンの時、コンデンサに電荷を蓄積する。また、タイマ回路は、放電処理時間を内部で生成する。
また、放電制御装置は、バッテリ電圧が所定の電圧閾値以下に低下したことを判定する「バッテリ電圧低下判定回路」を有し、タイマ回路は、バッテリ電圧低下判定回路による電圧低下判定時から計時を開始することが好ましい。これにより、外部から信号を取得することなく計時を開始することができる。
例えば、電動車両(ハイブリッド自動車や電気自動車)の主機モータを駆動するモータ駆動システムにおいて、インバータ(電力変換器)の入力部に放電制御装置を付設したものが電力変換装置に該当する。本発明の電力変換装置は、放電処理時間短縮のため放電抵抗の低抵抗化が要求される電動車両において、特に効果が期待される。
各実施形態の放電制御装置は、ハイブリッド自動車の駆動力源である主機モータを駆動するモータ駆動システムにおいて、主機モータの駆動を停止後、平滑コンデンサに残留した電荷を放電処理する装置である。この実施形態では、「電力変換器」としてのインバータ、及び、インバータから電力が供給される主機モータが「負荷」に相当し、モータ駆動システムが「負荷駆動システム」に相当する。
本発明の第1実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
図1に示すように、モータ駆動システム9は、主電源10、メインリレー回路12、平滑コンデンサ13、放電制御装置15、バッテリ電源20、インバータ(図中「INV」と記す)7、モータ制御ECU70、及び、主機モータ8等を備えている。主機モータ8は、電動機の機能と発電機の機能とを兼ね備えた、いわゆるモータジェネレータであり、図中「MG」と記す。また、モータ制御ECU70を、図中「MG−ECU」と記す。
放電制御装置15は、メインリレー回路12を遮断し、主機モータ8の駆動を停止した後、平滑コンデンサ13に残留した電荷を放電処理する装置であり、詳細は後述する。
モータ制御ECU70は、上位の車両制御ECU(図示しない)からのトルク指令や、電流及び電気角のフィードバック信号等に基づき電圧指令を演算し、例えばPWM制御によりインバータ7の各スイッチング素子を操作する。これにより、インバータ7が主電源10から入力された直流電力を三相交流電力に変換して主機モータ8に供給することで、主機モータ8は、所望の回転数及びトルクを出力するように駆動される。
また、インバータ7及びモータ制御ECU70と、放電制御装置15とを合わせた部分を「電力変換装置75」とする。
ディスチャージ制御とは、q軸電流指令をゼロとし、d軸電流指令を非ゼロとしてインバータ7を作動させることにより、主機モータ8を回転させることなく、平滑コンデンサ13の残留電荷のエネルギーを熱に変換して消費する制御をいう。
本発明は、このように主機モータ8の駆動を停止し、バッテリ電源20をオフした後、平滑コンデンサ13の残留電荷を放電抵抗50によって適切に放電処理することを目的とするものである。
このような背景を踏まえ、本発明の放電制御装置15は、以下に説明する特徴的な構成を有するものである。
放電抵抗50は、スイッチ55がオン(導通)したとき、平滑コンデンサ13の正極から電流が流れることで、平滑コンデンサ13の残留電荷を消費する。すなわち、放電処理(ディスチャージ)が行われる。
図2に示すように、放電抵抗50は、例えば、基板19に表面実装された複数のチップ抵抗51が直列且つ並列に多数個接続されて構成されている。また、放電制御装置15を構成する放電抵抗50、スイッチ55、各種回路25、30、35、40は、同一の基板19上に搭載されている。他の実施形態では、放電制御装置15は、モータ制御ECU70の基板に一体に構成されてもよい。
図3にて、スイッチ駆動回路40のフォトカプラ42の左側は、バッテリ電圧+B、又は、バッテリ電圧+Bに基づく作動電圧Vccが印加される「低圧系」の領域である。また、フォトカプラ42の右側は、主電源10に接続される高電位ラインP及び低電位ラインNの電位差が印加される「高圧系」の領域である。
バッテリ電圧低下判定回路30は、コンパレータ33で、バッテリ電圧+Bの分圧と、作動電圧Vccの分圧である基準電圧Vref1とを比較し、バッテリ電圧+Bの低下を判定する。
スイッチ55が、バッテリ電圧+Bの低下から所定の放電処理時間TONの間オンすることで、平滑コンデンサ13の電荷が放電処理される。したがって、例えばインバータ7のメンテナンス時等における感電を防止することができる。
(1)本実施形態の放電制御装置15の作用効果について、図8の従来技術と対比しつつ、図4を参照して説明する。図4及び図8のタイムチャートは、メインリレー回路12の(a)正常時及び(b)故障時における、バッテリ電源20の電圧、メインリレー回路12のオンオフ、スイッチ55のオンオフ、主電源10の電圧の変化を示す。なお、従来技術の説明において、本実施形態の対応する符号を援用する。
なお、メインリレー回路12が遮断しない状態ではそもそも平滑コンデンサ13の電荷を放電処理することはできないため、異常発熱の回避が安全上重要となる。
さらに、チップ抵抗51を冗長的に並列に配設することで、仮にいずれかのチップ抵抗51が断線しても、他の経路のチップ抵抗51を経由して電流が流れるため、信頼性を向上させることができる。
まず、作動電圧生成回路25が作動電圧Vccを生成することで、バッテリ電源20のオフ後に独立して作動するための電圧を確保することができる。
このようにスタンドアローンで作動可能とすることで、車両の事故等で外部装置が故障したり、外部装置との信号線等が切断したりしても、放電制御装置15の機能を確保することができる。
本発明の第2実施形態による放電制御装置について、図5〜図7を参照して説明する。図5のブロック図において、第1実施形態の図1と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、第2実施形態の放電制御装置16は、放電抵抗50の近傍に「温度検出手段」としてのサーミスタ6が設けられている。サーミスタ6では、検出温度Tdを電圧信号に変換して出力する。また、インバータ7、モータ制御ECU70、及び放電制御装置16は、電力変換装置76を構成する。
サーミスタ6からの電圧信号は例えばタイマ回路35に入力され、コンパレータ37の基準電圧Vref2を操作することで、放電処理時間TONの判定閾値を変更する。
図6(a)に示す例では、検出温度Tdが温度閾値α以下のとき、放電処理時間TONを標準値Tsとし、検出温度Tdが温度閾値αを超えたとき、放電処理時間TONをステップ状に変化させて0に設定する。つまり、放電処理を行わない。
S1では、主機モータ8の駆動が停止される。このとき、平滑コンデンサ13には電荷が蓄積されている。S2では、バッテリ電源20がオフする。このとき、メインリレー回路12が正常であれば遮断する。
一方、S5の判定で検出温度Tdが温度閾値αを超えたとき(S5:NO)、放電処理時間TONの経過を待たずにS7に移行し、スイッチ55をオフして放電処理を終了する。
なお、図6(b)の特性図に対応する制御ルーチンでは、放電処理中に検出温度Tdが温度閾値βを超えたとき、放電処理時間TONが再設定される。その時点で放電処理時間TONを既に経過していれば直ちに放電処理を終了する。また、その時点で放電処理時間TONを経過していなければ、残りの時間、放電処理を継続する。
(ア)本発明の放電制御装置が適用される負荷駆動システムの負荷は、上記実施形態で例示した「インバータ7及び主機モータ8」に限らない。インバータ7の入力側に昇圧コンバータを設けるモータ駆動システムでは、昇圧コンバータを含めた回路が負荷となる。また、交流モータ以外に、「Hブリッジ回路及び直流モータ」を負荷としてもよい。これらの交流モータや直流モータは、車両に搭載されるものに限らず、電車、昇降機、一般機械等に用いられるものであってもよい。さらにモータ以外に、放電管やX線発生装置等の高電圧を用いる装置を本発明の「負荷」としてもよい。
(ウ)放電制御装置の具体的な回路構成は図3に例示したものに限らず、同様の機能を実現可能であれば、どのように構成してもよい。スイッチは、半導体スイッチング素子に限らず、機械式スイッチとしてもよい。
12・・・メインリレー回路(遮断回路)、
13・・・平滑コンデンサ、
15、16・・・放電制御装置、
20・・・バッテリ電源、
35・・・タイマ回路、
40・・・スイッチ駆動回路、
50・・・放電抵抗、
55・・・スイッチ、
8 ・・・主機モータ(モータジェネレータ、負荷)、
9 ・・・モータ駆動システム(負荷駆動システム)。
Claims (13)
- 直流電源である主電源(10)と、
前記主電源と高電位ライン(P)及び低電位ライン(N)を介して接続され前記主電源の電力が供給される負荷(7、8)と、
前記主電源から前記負荷に供給される電力を遮断可能な遮断回路(12)と、
前記遮断回路と前記負荷との間において前記高電位ラインと前記低電位ラインとの間に接続され、前記主電源からの電力供給によって電荷が蓄積される平滑コンデンサ(13)と、
前記遮断回路を作動させる制御用電圧を供給するバッテリ電源(20)と、
を備える負荷駆動システム(9)において前記遮断回路と前記負荷との間に設けられ、前記バッテリ電源がオフし前記遮断回路が遮断されたとき、前記平滑コンデンサに残留した電荷を放電抵抗(50)に流すことによって消費する放電制御装置(15、16)であって、
前記遮断回路と前記負荷との間において前記平滑コンデンサと並列に接続され、且つ、互いに直列に接続された前記放電抵抗、及び、前記放電抵抗を介した前記高電位ラインと前記低電位ラインとの導通又は遮断を切り替えるスイッチ(55)と、
前記バッテリ電源がオフした時から所定の放電処理時間を計時するタイマ回路(35)と、
前記バッテリ電源がオフした時、前記スイッチをオンし、その後、前記放電処理時間が経過した時、前記スイッチをオフするスイッチ駆動回路(40)と、
前記バッテリ電源がオフした後、当該放電制御装置が独立して作動するための電圧を当該放電制御装置の内部で生成する作動電圧生成回路(25)と、
を有し、
前記タイマ回路は、前記放電処理時間を当該タイマ回路の内部で生成することを特徴とする放電制御装置。 - 前記タイマ回路は、前記バッテリ電源の電圧の低下に伴って充電されるスロープ信号用コンデンサ(37)の電圧に基づくスロープ信号と、所定の基準電圧との比較に基づき、前記放電処理時間を生成する請求項1に記載の放電制御装置。
- 前記作動電圧生成回路は、前記バッテリ電源がオンの時、コンデンサ(26)に電荷を蓄積することを特徴とする請求項1または2に記載の放電制御装置。
- 前記バッテリ電源の電圧が所定の電圧閾値以下に低下したことを判定するバッテリ電圧低下判定回路(30)を有し、
前記タイマ回路は、前記バッテリ電圧低下判定回路により、前記バッテリ電源の電圧が所定の電圧閾値以下に低下したと判定された時から計時を開始することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の放電制御装置。 - 前記スイッチ駆動回路は、前記スイッチに対する駆動信号を生成する低圧系領域と、前記高電位ライン及び前記低電位ラインと接続される高圧系領域とが絶縁されており、前記低圧系領域で生成した駆動信号を無接点で前記高圧系領域へ伝達することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の放電制御装置。
- 前記放電抵抗、前記スイッチ、前記タイマ回路及び前記スイッチ駆動回路は、同一基板上に搭載されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の放電制御装置。
- 前記放電抵抗は、複数の抵抗素子が直列に接続されて構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の放電制御装置。
- 前記放電抵抗は、複数の抵抗素子が並列に接続されて構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の放電制御装置。
- 前記複数の抵抗素子は、基板(19)に表面実装可能なチップ抵抗(51)であることを特徴とする請求項7または8に記載の放電制御装置。
- 前記スイッチは、半導体スイッチング素子であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の放電制御装置。
- 前記放電抵抗の温度を検出する温度検出手段(6)を備え、
前記タイマ回路は、前記放電抵抗の温度が高いほど前記放電処理時間を短く設定することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の放電制御装置(16)。 - 前記タイマ回路は、前記放電抵抗の温度が所定の温度閾値を超えたとき、前記放電処理時間を0に設定することを特徴とする請求項11に記載の放電制御装置。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載の放電制御装置と、
前記主電源の電力を変換して出力する電力変換器(7)と、
当該電力変換器の制御装置(70)と、
を備える電力変換装置(75、76)。
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