JP2022160011A - 放電制御装置、放電制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】平滑コンデンサの確実な放電制御を実現する。【解決手段】放電制御装置23は、高電圧バッテリ11に接続された平滑コンデンサ14を放電させるための放電信号Spwmを出力する放電制御回路231と、放電停止回路232とを備える。高電圧バッテリ11には、平滑コンデンサ14と並列に、電圧変換を行うDC/DCコンバータ17を介して低電圧バッテリ18が接続されている。放電停止回路232は、低電圧バッテリ18の電圧Vlvが所定の第1電圧値以下となったときに、放電制御回路231による放電信号Spwmの出力を停止させる。【選択図】図1
Description
本発明は、平滑コンデンサの放電制御装置および放電制御方法に関する。
高電圧バッテリから供給される直流電力を交流電力に変換し、この交流電力を用いて車両に搭載される交流モータを駆動させるインバータが広く利用されている。こうしたインバータでは一般に、高電圧バッテリからの入力電圧を平滑化する目的で、高電圧バッテリと並列に平滑コンデンサが接続されている。
従来、高電圧バッテリとインバータの接続を切断する際の漏電を防止するために、平滑コンデンサに放電回路を接続し、この放電回路を用いて平滑コンデンサを放電することが行われている。こうした放電回路の制御に関して、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、高電圧バッテリ回路を高電圧ラインから遮断する際に、マイクロコンピュータを用いて構成されたコントローラにより、インバータに接続された第1放電回路をONにしてインバータ内のキャパシタに蓄えられた電荷を放電し、高電圧ラインを降圧する車両システムが開示されている。
特許文献1の車両システムでは、コントローラが故障等により正常に動作できない場合には、第1放電回路をONにすることができず、高電圧ラインを降圧することができないという課題がある。
本発明は、上記のような課題を解決するため、平滑コンデンサの確実な放電制御を実現することを目的とするものである。
本発明による放電制御装置は、高電圧バッテリに接続された平滑コンデンサを放電させるための放電信号を出力する放電制御回路と、放電停止回路と、を備え、前記高電圧バッテリには、前記平滑コンデンサと並列に、電圧変換を行うコンバータを介して低電圧バッテリが接続されており、前記放電停止回路は、前記低電圧バッテリの電圧が所定の第1電圧値以下となったときに、前記放電制御回路による前記放電信号の出力を停止させる。
本発明による放電制御方法は、高電圧バッテリに接続された平滑コンデンサの放電制御方法であって、前記高電圧バッテリには、電圧変換を行うコンバータを介して低電圧バッテリが前記平滑コンデンサと並列に接続されるとともに、前記平滑コンデンサおよび前記コンバータとの間の接続状態を切り替えるコンタクタが接続されており、前記コンタクタの状態に応じてマイクロコンピュータから出力される信号に基づいて、前記平滑コンデンサを放電させるための放電信号を出力し、前記マイクロコンピュータを介さずに前記低電圧バッテリの電圧を取得し、取得した前記低電圧バッテリの電圧が所定の第1電圧値以下となったときに、前記放電信号の出力を停止する。
本発明による放電制御方法は、高電圧バッテリに接続された平滑コンデンサの放電制御方法であって、前記高電圧バッテリには、電圧変換を行うコンバータを介して低電圧バッテリが前記平滑コンデンサと並列に接続されるとともに、前記平滑コンデンサおよび前記コンバータとの間の接続状態を切り替えるコンタクタが接続されており、前記コンタクタの状態に応じてマイクロコンピュータから出力される信号に基づいて、前記平滑コンデンサを放電させるための放電信号を出力し、前記マイクロコンピュータを介さずに前記低電圧バッテリの電圧を取得し、取得した前記低電圧バッテリの電圧が所定の第1電圧値以下となったときに、前記放電信号の出力を停止する。
本発明によれば、平滑コンデンサの確実な放電制御を実現することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る放電制御装置を含む車載システム1の構成を示す図である。図1に示す車載システム1は、自動車等の車両に搭載されて使用されるものであり、高電圧バッテリ11、コンタクタ12、インバータ13、平滑コンデンサ14、放電抵抗15、放電スイッチ16、DC/DCコンバータ17、低電圧バッテリ18、第1電源回路19、第2電源回路20、マイクロコンピュータ(以下「マイコン」と称する)21、ドライバ回路22、放電制御装置23を備えて構成される。
高電圧バッテリ11は、例えばリチウムイオン電池等を用いて構成された二次電池であり、インバータ13およびDC/DCコンバータ17に直流電力をそれぞれ供給する。高電圧バッテリ11とインバータ13およびDC/DCコンバータ17との間には、コンタクタ12が接続されている。コンタクタ12は、不図示の上位コントローラにより開閉制御されることで、高電圧バッテリ11とインバータ13およびDC/DCコンバータ17との接続状態を切り替える。
インバータ13は、高電圧バッテリ11から供給される直流電力を交流電力に変換し、不図示の交流モータに出力することで、交流モータを駆動させる。交流モータの駆動力は、車載システム1が搭載されている車両の駆動輪に伝達される。これにより、高電圧バッテリ11に蓄積された電力を用いて車両が走行する。
平滑コンデンサ14は、高電圧バッテリ11とインバータ13の間に接続されており、高電圧バッテリ11からインバータ13への入力電圧を平滑化する。コンタクタ12がオフ(開状態)からオン(閉状態)に切り替えられて、高電圧バッテリ11からインバータ13への直流電力の供給が開始されると、供給された直流電力による電荷が平滑コンデンサ14に蓄積される。なお、高電圧バッテリ11と平滑コンデンサ14との間の接続状態は、コンタクタ12によって切り替えられる。
放電抵抗15および放電スイッチ16は、平滑コンデンサ14の放電回路を構成する。コンタクタ12がオン(閉状態)からオフ(開状態)に切り替えられて、高電圧バッテリ11からインバータ13への直流電力の供給が停止されると、放電制御装置23により、放電スイッチ16がオフからオンに切り替えられる。これにより、平滑コンデンサ14の両端が放電抵抗15および放電スイッチ16を介して接続され、平滑コンデンサ14が放電される。放電スイッチ16は、例えば図1に示すように、MOSFET等の半導体素子を用いて構成される。なお、電気的にスイッチング制御可能なものであれば、MOSFET以外の素子を用いて放電スイッチ16を構成してもよい。
DC/DCコンバータ17は、一端側が平滑コンデンサ14と並列に高電圧バッテリ11に接続されており、他端側が低電圧バッテリ18に接続されている。すなわち、高電圧バッテリ11には、DC/DCコンバータ17を介して低電圧バッテリ18が接続されている。DC/DCコンバータ17は、高電圧バッテリ11と低電圧バッテリ18の間で入出力される直流電力の電圧変換を行う。具体的には、高電圧バッテリ11から低電圧バッテリ18を充電する場合は、高電圧バッテリ11から供給される直流電力をDC/DCコンバータ17により降圧して、低電圧バッテリ18に出力する。反対に、低電圧バッテリ18から高電圧バッテリ11を充電する場合は、低電圧バッテリ18から供給される直流電力をDC/DCコンバータ17により昇圧して、高電圧バッテリ11に出力する。なお、DC/DCコンバータ17は、低電圧バッテリ18の電圧Vlvを検知し、電圧Vlvが所定の電圧値以下になると、高電圧バッテリ11の出力電圧を降圧して低電圧バッテリ18の充電を開始する。
低電圧バッテリ18は、高電圧バッテリ11よりも低電圧の直流電力を供給可能な二次電池であり、第1電源回路19および第2電源回路20に直流電力をそれぞれ供給する。低電圧バッテリ18は、例えば鉛蓄電池等を用いて構成される。
第1電源回路19は、低電圧バッテリ18から供給される直流電力を用いて、ロジック回路用の電源電圧Vccを生成し、マイコン21や放電制御装置23内の放電停止回路232を含む各回路に供給する。
第2電源回路20は、低電圧バッテリ18から供給される直流電力を用いて、ゲートドライブ電源電圧Vbを生成し、ドライバ回路22に供給する。
マイコン21は、第1電源回路19から供給される電源電圧Vccを受けて動作し、各種演算処理を実行する。マイコン21は、ドライバ回路22を介してインバータ13の動作を制御するためのゲート信号Sgateを生成し、ドライバ回路22へ出力する。また、コンタクタ12の切り替え状態に応じて、放電制御装置23を介して放電スイッチ16のオンオフ状態を切り替えるための放電制御信号Sdchgを生成し、放電制御装置23内の放電制御回路231へ出力する。
ドライバ回路22は、第2電源回路20から供給されるゲートドライブ電源電圧Vbを受けて動作する。ドライバ回路22は、マイコン21から入力されるゲート信号Sgateに基づいて、インバータ13を動作させるためのドライブ信号Sdriveを生成し、インバータ13へ出力する。これにより、インバータ13が動作し、高電圧バッテリ11から供給される直流電力が交流電力に変換されて不図示の交流モータに出力される。
放電制御装置23は、放電スイッチ16のオンオフ状態を切り替えることで平滑コンデンサ14の放電制御を行う装置であり、放電制御回路231および放電停止回路232を有する。放電制御回路231は、マイコン21から入力される放電制御信号Sdchgに基づいて、放電スイッチ16を所定のタイミングでオンさせて平滑コンデンサ14を放電させるための放電信号Spwmを生成し、放電スイッチ16の制御端子(ゲート端子)へ出力する。なお、放電信号Spwmは、例えば所定のデューティ比でPWM変調された電気信号である。
放電制御回路231が故障等によって正常に動作できない場合、放電制御回路231からマイコン21へ異常信号Sfaultが出力される。マイコン21は、放電制御回路231から出力された異常信号Sfaultを受けると、不図示の上位コントローラに通知するとともに、縮退運転用の所定の制御を実施する。
なお、放電制御回路231は、第1電源回路19からマイコン21を介して供給される電源電圧Vccの出力状態や、マイコン21からの放電制御信号Sdchgの出力状態などに基づいて、マイコン21の動作状態が正常または異常のいずれであるかを判断する。その結果、マイコン21が故障等によって異常な動作状態にあると判断した場合、放電制御回路231は、放電信号Spwmを所定間隔ごとに出力する。これにより、マイコン21が異常である場合にも、平滑コンデンサ14の放電制御を行うことができるようにしている。
放電停止回路232は、放電制御回路231の動作を制御する回路であり、第1電源回路19から供給される電源電圧Vccを受けて動作する。放電停止回路232は、低電圧バッテリ18の電圧Vlvを検知し、電圧Vlvが所定の電圧値以下となったときに、放電制御回路231による放電信号Spwmの出力を強制的に停止させるための放電停止信号Soffを生成して、放電制御回路231へ出力する。これにより、放電制御回路231の動作状態に関わらず、平滑コンデンサ14の放電が禁止される。
続いて、平滑コンデンサ14の放電中における車載システム1の各部分の動作を、マイコン21が正常である場合と異常である場合についてそれぞれ説明する。
始めに、マイコン21が正常である場合の動作について、図2のタイミングチャートを参照して以下に説明する。図2は、マイコン正常時のタイミングチャートの一例を示す図である。
図2において、時刻t11でコンタクタ12がオン(開状態)からオフ(閉状態)に切り替えられると、マイコン21から出力される放電制御信号Sdchgに基づいて、放電制御回路231から放電信号Spwmが出力される。この放電信号Spwmの出力に応じて放電スイッチ16がオンされることで、平滑コンデンサ14から放電抵抗15に放電電流Irが流れ、平滑コンデンサ14の放電が開始される。
平滑コンデンサ14が放電されると、平滑コンデンサ14の電圧Vcは、時間経過とともに減少していく。その後、時刻t12で放電信号Spwmの出力が停止されると、放電電流Irが0となり、平滑コンデンサ14の放電が終了する。
次に、マイコン21が異常である場合の動作について、図3、図4のタイミングチャートを参照して以下に説明する。ここで、本実施形態の放電制御装置23は、上記のように低電圧バッテリ18の電圧Vlvを検知して放電停止信号Soffを放電制御回路231へ出力する放電停止回路232を有する点に特徴がある。この点を理解しやすくするため、以下では、放電制御装置23が放電停止回路232を有しない場合のマイコン異常時の動作例を先に説明し、その後で、放電制御装置23が放電停止回路232を有する場合のマイコン異常時の動作例を説明する。
図3は、放電制御装置23が放電停止回路232を有しない場合のマイコン異常時のタイミングチャートの一例を示す図である。
図3の場合、マイコン21が異常であることを放電制御回路231が検知すると、放電制御回路231から一定の時間間隔X秒ごとに放電信号Spwmが出力される。この放電信号Spwmの出力に応じて放電スイッチ16がオンされることで、平滑コンデンサ14から放電抵抗15に放電電流Irが流れ、平滑コンデンサ14が放電される。
時刻t21で平滑コンデンサ14の放電が開始されて放電電流Irが流れると、負荷の上昇によって平滑コンデンサ14の電圧Vcが僅かに低下する。しかし、図3の場合はコンタクタ12がオン(閉状態)のままであるため、平滑コンデンサ14の放電量に応じた電荷が高電圧バッテリ11から平滑コンデンサ14に補充され、放電による電圧Vcの低下は生じない。時刻t12で放電信号Spwmの出力が停止されると、放電電流Irが0となり、平滑コンデンサ14の放電が終了する。時刻t23,t24でも同様に、放電信号Spwmに応じて平滑コンデンサ14の放電が行われる。
一方、時刻t31で低電圧バッテリ18の電圧Vlvが所定の電圧値まで低下すると、DC/DCコンバータ17から低電圧バッテリ18に向かって電流Ilvが出力され、低電圧バッテリ18の充電が開始される。これにより、低電圧バッテリ18の電圧Vlvが上昇し始める。その後、時刻t32で電圧Vlvが元の電圧値付近まで上昇すると、低電圧バッテリ18の充電が終了し、電流Ilvが次第に低下して0となる。時刻t33,t34でも同様に、電圧Vlvの変化に応じて低電圧バッテリ18の充電が行われる。
なお、上記の平滑コンデンサ14の放電制御と低電圧バッテリ18の充電制御とは、互いに独立して行われる。すなわち、放電制御回路231が放電信号Spwmを出力するタイミングと、DC/DCコンバータ17が低電圧バッテリ18の充電を行うタイミングとは、互いに非同期である。
以上説明したように、マイコン21が異常である場合には、放電制御回路231から一定の時間間隔で放電信号Spwmが出力されることで、平滑コンデンサ14の放電が行われる。そのため、コンタクタ12がオン(閉状態)のときには、平滑コンデンサ14の放電と充電が繰り返されて放電抵抗15の負荷が過大となるため、放電抵抗15の過熱や焼損につながるおそれがある。また、平滑コンデンサ14の放電と充電に重複して、高電圧バッテリ11から低電圧バッテリ18への充電が繰り返し行われるため、高電圧バッテリ11の過放電につながるおそれもある。
図4は、放電制御装置23が放電停止回路232を有する場合のマイコン異常時のタイミングチャートの一例を示す図である。
図4の場合も図3と同様に、マイコン21が異常であることを放電制御回路231が検知すると、放電制御回路231から一定の時間間隔X秒ごとに放電信号Spwmが出力される。ただし、時刻t41から時刻t42までの期間では、低電圧バッテリ18の電圧Vlvが所定の第1電圧値Vth1以下になることで、放電停止回路232から放電制御回路231へ放電停止信号Soffが出力される。これにより、時刻t21から時刻t22までの期間における放電制御回路231から放電スイッチ16への放電信号Spwmの出力は、図4に示すように、放電停止信号Soffによって強制的に停止される。その結果、放電電流Irが流れず、平滑コンデンサ14の放電は実施されない。
また、時刻t43から時刻t44までの期間でも同様に、低電圧バッテリ18の電圧Vlvが第1電圧値Vth1以下になることで、放電停止回路232から放電停止信号Soffが出力される。しかしながら、このときの放電停止信号Soffの出力期間と、放電制御回路231から放電信号Spwmが出力される時刻t23から時刻t24までの期間とは、図4に示すように重複していない。したがって、時刻t23から時刻t24までの期間では、放電制御回路231から放電信号Spwmが出力されて放電スイッチ16がオンされることで、平滑コンデンサ14から放電抵抗15に放電電流Irが流れ、平滑コンデンサ14が放電される。
以上説明したように、本実施形態の放電制御装置23は、放電停止回路232を有することにより、低電圧バッテリ18の電圧Vlvが所定の第1電圧値Vth1以下であるときの放電制御回路231から放電スイッチ16への放電信号Spwmの出力を、強制的に停止することができる。したがって、マイコン21が異常である場合でも、低電圧バッテリ18の状態に応じて平滑コンデンサ14の放電タイミングを適切に制御することができるため、図3で説明したような課題を解決することができる。
なお、以上説明した放電停止回路232による放電制御回路231の動作制御は、マイコン21とは独立して行われる。したがって、マイコン21が正常に動作せず、放電制御回路231の動作制御を適切に実施できない状態であっても、放電停止回路232を用いることで放電制御回路231の動作制御を行い、平滑コンデンサ14の放電を制御することが可能となる。
また、放電停止回路232では、低電圧バッテリ18の電圧Vlvの検知結果から、マイコン21を用いずにコンタクタ12の状態を検知することが可能である。具体的には、図4で示したように、低電圧バッテリ18の電圧Vlvが所定の電圧値まで低下した後に上昇した場合は、DC/DCコンバータ17により、高電圧バッテリ11の電力を用いて低電圧バッテリ18が充電されたと判断できる。したがってこの場合は、コンタクタ12がオン(閉状態)であると判断できる。一方、低電圧バッテリ18の電圧Vlvが所定の電圧値まで低下しても上昇しない場合は、高電圧バッテリ11とDC/DCコンバータ17が接続されておらず、低電圧バッテリ18の充電が行われていないと判断できる。したがってこの場合は、コンタクタ12がオフ(開状態)であると判断できる。このような判断基準に従って、コンタクタ12の状態検知機能を放電停止回路232に追加してもよい。
図5は、放電停止回路232の回路構成の一例を示す図である。図5に示すように、例えば放電停止回路232は、比較器2321、スイッチ素子2322、フォトカプラ2323およびスイッチ素子2324を組み合わせた回路によって構成することができる。
比較器2321は、低電圧バッテリ18の電圧Vlvと第1電圧値Vth1とを比較し、その比較結果に応じた電圧をスイッチ素子2322に出力する。比較器2321の出力電圧がスイッチ素子2322の制御端子(ゲート端子)に入力されることで、比較器2321の比較結果に基づいて、スイッチ素子2322がオンまたはオフに切り替えられる。具体的には、低電圧バッテリ18の電圧Vlvが第1電圧値Vth1よりも大きい場合には、スイッチ素子2322がオフとなり、低電圧バッテリ18の電圧Vlvが第1電圧値Vth1以下の場合には、スイッチ素子2322がオンとなるように、比較器2321によってスイッチ素子2322の切り替え状態が制御される。
スイッチ素子2324は、フォトカプラ2323を介してスイッチ素子2322と接続されることで、スイッチ素子2322とは絶縁して配置されている。スイッチ素子2324は、スイッチ素子2322の切り替え状態に応じてオンまたはオフに切り替えられることで、放電制御回路231による放電信号Spwmの出力を停止または許可する。
比較器2321の比較結果に応じて、スイッチ素子2322がオフからオンに切り替えられると、フォトカプラ2323が動作し、スイッチ素子2324の制御端子(ゲート端子)の電圧が変化する。これにより、スイッチ素子2324がオフからオンに切り替えられる。こうしてスイッチ素子2324がオンに切り替えられると、放電スイッチ16の制御端子(ゲート端子)がスイッチ素子2324を介してグランドに接続される。このとき、放電制御回路231から放電信号Spwmが出力されても、放電スイッチ16の制御端子(ゲート端子)の電位が上昇しないため、放電スイッチ16はターンオンすることができない。このようにして、放電制御回路231による放電信号Spwmの出力が停止される。
ここで、低電圧バッテリ18の電圧Vlvが第1電圧値Vth1よりも低い所定の第2電圧値Vth2以下となり、第1電源回路19から供給される電源電圧Vccがスイッチ素子2322やフォトカプラ2323の動作電圧の下限値以下になると、放電停止回路232の動作が停止する。その結果、放電制御回路231による放電信号Spwmの出力が再開され、平滑コンデンサ14の放電制御が行われるようになる。ただし、放電制御回路231は、第1電源回路19から供給される電源電圧Vcc以外に、高電圧バッテリ11からの直流電力に基づく電源電圧を用いても動作可能に構成されているものとする。
なお、以上説明した放電停止回路232の回路構成は一例であり、他の回路構成としてもよい。低電圧バッテリ18の電圧Vlvが所定の第1電圧値Vth1以下となったときに、放電制御回路231による放電信号Spwmの出力を強制的に停止させることができれば、任意の回路構成で放電停止回路232を実現することができる。
図6は、図5に示した回路における各スイッチ素子のタイミングチャートの一例を示す図である。
時刻t51において、低電圧バッテリ18の電圧Vlvが所定の第1電圧値Vth1以下になると、比較器2321の出力電圧が変化してスイッチ素子2322のゲート電圧Vgs3が上昇することで、スイッチ素子2322がオフからオンに切り替えられる。すると、フォトカプラ2323が動作することでスイッチ素子2324のゲート電圧Vgs2が上昇し、これに応じてスイッチ素子2324がオフからオンに切り替えられる。
その後時刻t52において、低電圧バッテリ18の電圧Vlvが第1電圧値Vth1を超えると、比較器2321の出力電圧が変化してスイッチ素子2322のゲート電圧Vgs3が低下することで、スイッチ素子2322がオンからオフに切り替えられる。すると、フォトカプラ2323の動作が停止することでスイッチ素子2324のゲート電圧Vgs2が低下し、これに応じてスイッチ素子2324がオンからオフに切り替えられる。
上記の時刻t51から時刻t52の期間内に、図6に示すように放電制御回路231から放電信号Spwmが出力されても、スイッチ素子2324がオンであることから、放電スイッチ16のゲート電圧Vgs1は変化せず、放電スイッチ16はオフのままとなる。そのため、平滑コンデンサ14の放電は行われない。
一方、時刻t51から時刻t52の期間外に放電制御回路231から放電信号Spwmが出力されると、スイッチ素子2324がオフであることから、放電信号Spwmに応じて放電スイッチ16のゲート電圧Vgs1が上昇し、放電スイッチ16がオフからオンに切り替えられる。これにより、平滑コンデンサ14の放電が行われる。
以上説明した本発明の一実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)放電制御装置23は、高電圧バッテリ11に接続された平滑コンデンサ14を放電させるための放電信号Spwmを出力する放電制御回路231と、放電停止回路232とを備える。高電圧バッテリ11には、平滑コンデンサ14と並列に、電圧変換を行うDC/DCコンバータ17を介して低電圧バッテリ18が接続されている。放電停止回路232は、低電圧バッテリ18の電圧Vlvが所定の第1電圧値Vth1以下となったときに、放電制御回路231による放電信号Spwmの出力を停止させる。このようにしたので、平滑コンデンサ14の確実な放電制御を実現することができる。
(2)放電停止回路232は、低電圧バッテリ18の電圧Vlvが第1電圧値Vth1以下となった後に第1電圧値Vth1を再び超えたときに、放電制御回路231による放電信号Spwmの出力を再開させる。このようにしたので、低電圧バッテリ18の状態に応じて、平滑コンデンサ14の放電を適切なタイミングで再開することができる。
(3)高電圧バッテリ11には、平滑コンデンサ14およびDC/DCコンバータ17との間の接続状態を切り替えるコンタクタ12が接続されている。放電制御回路231は、コンタクタ12の状態に応じてマイコン21から出力される放電制御信号Sdchgに基づいて放電信号Spwmを出力する。放電停止回路232は、マイコン21とは独立して、放電制御回路231の制御を行う。このようにしたので、マイコン21が異常である場合に放電制御回路231が平滑コンデンサ14の放電制御を行う際に、放電停止回路232により放電制御回路231の動作を適切に制御することができる。
(4)放電制御回路231は、マイコン21の動作状態が正常または異常のいずれであるかを判断し、異常であると判断した場合は、放電信号Spwmを所定間隔ごとに出力する。このようにしたので、マイコン21が異常である場合にも、放電制御回路231を用いて平滑コンデンサ14の放電を行うことができる。
(5)放電停止回路232は、低電圧バッテリ18の電圧Vlvと第1電圧値Vth1とを比較する比較器2321と、比較器2321の比較結果に基づいてオンまたはオフに切り替えられるスイッチ素子2322と、スイッチ素子2322とは絶縁して配置され、スイッチ素子2322の切り替え状態に応じてオンまたはオフに切り替えられることで、放電制御回路231による放電信号Spwmの出力を停止または許可するスイッチ素子2324とを有する。このようにしたので、簡単な回路構成により、マイコン21とは独立して動作可能な放電停止回路232を実現することができる。
(6)放電停止回路232は、低電圧バッテリ18の電圧Vlvが第1電圧値Vth1よりも低い所定の第2電圧値Vth2以下となったときに、その動作を停止する。このようにしたので、低電圧バッテリ18の電圧Vlvが低下しても低電圧バッテリ18の充電が行われず、その結果、低電圧バッテリ18の電圧Vlvがさらに低下したときには、必要に応じて平滑コンデンサ14の放電を再開することができる。
(7)放電停止回路232では、マイコン21を用いずにコンタクタ12の状態を検知することができる。このようにすれば、マイコン21が異常である場合にも、コンタクタ12の状態検知を実施することが可能となる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
以上説明した実施形態や変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、上記では種々の実施形態や変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1:車載システム、11:高電圧バッテリ、12:コンタクタ、13:インバータ、14:平滑コンデンサ、15:放電抵抗、16:放電スイッチ、17:DC/DCコンバータ、18:低電圧バッテリ、19:第1電源回路、20:第2電源回路、21:マイクロコンピュータ、22:ドライバ回路、23:放電制御装置、231:放電制御回路、232:放電停止回路
Claims (8)
- 高電圧バッテリに接続された平滑コンデンサを放電させるための放電信号を出力する放電制御回路と、
放電停止回路と、を備え、
前記高電圧バッテリには、前記平滑コンデンサと並列に、電圧変換を行うコンバータを介して低電圧バッテリが接続されており、
前記放電停止回路は、前記低電圧バッテリの電圧が所定の第1電圧値以下となったときに、前記放電制御回路による前記放電信号の出力を停止させる放電制御装置。 - 請求項1に記載の放電制御装置において、
前記放電停止回路は、前記低電圧バッテリの電圧が前記第1電圧値以下となった後に前記第1電圧値を再び超えたときに、前記放電制御回路による前記放電信号の出力を再開させる放電制御装置。 - 請求項1または2に記載の放電制御装置において、
前記高電圧バッテリには、前記平滑コンデンサおよび前記コンバータとの間の接続状態を切り替えるコンタクタが接続されており、
前記放電制御回路は、前記コンタクタの状態に応じてマイクロコンピュータから出力される信号に基づいて前記放電信号を出力し、
前記放電停止回路は、前記マイクロコンピュータとは独立して、前記放電制御回路の制御を行う放電制御装置。 - 請求項3に記載の放電制御装置において、
前記放電制御回路は、前記マイクロコンピュータの動作状態が正常または異常のいずれであるかを判断し、異常であると判断した場合は、前記放電信号を所定間隔ごとに出力する放電制御装置。 - 請求項1または2に記載の放電制御装置において、
前記放電停止回路は、
前記低電圧バッテリの電圧と前記第1電圧値とを比較する比較器と、
前記比較器の比較結果に基づいてオンまたはオフに切り替えられる第1のスイッチ素子と、
前記第1のスイッチ素子とは絶縁して配置され、前記第1のスイッチ素子の切り替え状態に応じてオンまたはオフに切り替えられることで、前記放電制御回路による前記放電信号の出力を停止または許可する第2のスイッチ素子と、を有する放電制御装置。 - 請求項1または2に記載の放電制御装置において、
前記放電停止回路は、前記低電圧バッテリの電圧が前記第1電圧値よりも低い所定の第2電圧値以下となったときに、その動作を停止する放電制御装置。 - 高電圧バッテリに接続された平滑コンデンサの放電制御方法であって、
前記高電圧バッテリには、電圧変換を行うコンバータを介して低電圧バッテリが前記平滑コンデンサと並列に接続されるとともに、前記平滑コンデンサおよび前記コンバータとの間の接続状態を切り替えるコンタクタが接続されており、
前記コンタクタの状態に応じてマイクロコンピュータから出力される信号に基づいて、前記平滑コンデンサを放電させるための放電信号を出力し、
前記マイクロコンピュータを介さずに前記低電圧バッテリの電圧を取得し、
取得した前記低電圧バッテリの電圧が所定の第1電圧値以下となったときに、前記放電信号の出力を停止する放電制御方法。 - 請求項7に記載の放電制御方法において、
前記マイクロコンピュータを用いずに前記コンタクタの状態を検知する放電制御方法。
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JP2019155870A JP2022160011A (ja) | 2019-08-28 | 2019-08-28 | 放電制御装置、放電制御方法 |
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