JP5742313B2 - 撮像装置 - Google Patents

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本発明は一対の光束を受光する画素を有する撮像装置に関する。
マイクロレンズとその背後に配置された一対の光電変換部からなる画素を撮像素子上に一体的に形成し、該撮像素子を光学系の予定焦点面上に配置する。これにより、光学系を通る一対の光束が形成する一対の像に応じた一対の像信号を画素から出力し、この一対の像信号間の像ズレ量(空間的な位相差)を検出することによって光学系の焦点調節状態を検出する撮像装置が知られている。さらに、その一対の光電変換部に対して共通に設けられた信号出力部においてその一対の像信号を加算し、加算した画素信号を撮像信号として用いる撮像装置が知られている。
特開2001−83407号公報
上述した従来技術においては、一対の光電変換部からの信号をそれぞれ独立に読み出す第1のモードと、一対の光電変換部からの信号を各画素において加算して読み出す第2のモードとが設けられている。焦点検出を行う場合には第1のモードで動作し、撮像を行う場合には第2のモードで動作する必要があるため、同時に焦点検出と撮像を行うことができないという問題があった。
請求項1に記載の撮像装置は、結像光学系の瞳の一対の第1および第2領域を通過した一対の光束をそれぞれ受光し、受光量に応じた電荷を生成する第1の光電変換部および第2の光電変換部と、電荷を一時的に保持する電荷保持部と、電荷保持部に保持された電荷に応じた電気信号を出力する信号出力部と、第1の光電変換部によって生成された第1の電荷を電荷保持部に転送する第1の転送スイッチと、第2の光電変換部によって生成された第2の電荷を電荷保持部に転送する第2の転送スイッチとを含む画素が複数配列された撮像素子と、第1の転送スイッチが第1の光電変換部によって生成された第1の電荷を電荷保持部に転送し、信号出力部が電荷保持部によって保持されている第1の電荷に応じた電気信号に基づく第1の信号を出力し、第2の転送スイッチが第2の光電変換部によって生成された第2の電荷を第1の電荷が保持された電荷保持部に転送し、第2の電荷と第1の電荷との加算値に等しい第3の電荷に応じた電気信号に基づく第2の信号を信号出力部が出力する第1の処理を制御する制御手段と、第2の信号に基づき画像を生成する画像生成部と、第2の信号から第1の信号を減算して第3の信号を生成し、第1の信号と第3の信号とに基づき結像光学系の焦点検出を行う焦点検出部と、を備える
本発明によれば、一対の光電変換部を含む画素の1フレームの画素信号読み出し動作において、画像表示用の画素信号と焦点検出用の画素信号とが同時に得られる。
第1の実施の形態のデジタルスチルカメラの構成を示す横断面図である。 撮像素子の詳細な構成を示す正面図である。 一対の測距瞳から各焦点検出エリアに到来する一対の焦点検出光束の関係を示す図である。 一対の測距瞳から各焦点検出エリアに到来する一対の焦点検出光束の関係を示す図である。 撮像素子の回路構成概念図である。 各画素の詳細回路図である。 CDS回路の各列毎の詳細回路構成を示す図である。 撮像素子の動作タイミングチャートである。 撮像素子の動作タイミングチャートである。 デジタルスチルカメラの撮像動作を示すフローチャートである。 交換レンズの予定結像面に設定した撮影画面上における焦点検出エリアを示す図である。 撮像素子の詳細な構成を示す正面図である。
−−−第1の実施の形態−−−
第1の実施の形態の撮像素子を含む撮像装置として、レンズ交換式のデジタルスチルカメラを例に挙げて説明する。図1は第1の実施の形態のデジタルスチルカメラ201の構成を示す横断面図である。本実施の形態のデジタルスチルカメラ201は、交換レンズ202とカメラボディ203とから構成され、交換レンズ202がマウント部204を介してカメラボディ203に装着される。カメラボディ203にはマウント部204を介して種々の撮影光学系を有する交換レンズ202が装着可能である。
交換レンズ202は、レンズ209、ズーミング用レンズ208、フォーカシング用レンズ210、絞り211、レンズ駆動制御装置206などを有する。レンズ駆動制御装置206は、不図示のマイクロコンピューター、メモリ、駆動制御回路などから構成される。レンズ駆動制御装置206は、フォーカシング用レンズ210の焦点調節、絞り211の開口径調節のための駆動制御、ならびにズーミング用レンズ208、フォーカシング用レンズ210および絞り211の状態検出などを行う。また、後述するボディ駆動制御装置214との通信によりレンズ情報の送信およびカメラ情報(デフォーカス量や絞り値など)の受信を行う。絞り211は、光量およびボケ量調整のために光軸中心に開口径が可変な開口を形成する。
カメラボディ203は、撮像素子212、ボディ駆動制御装置214、液晶表示素子駆動回路215、液晶表示素子216、接眼レンズ217、メモリカード219などを備えている。撮像素子212には、画素が二次元状に配置される。この撮像素子212については詳細を後述する。
ボディ駆動制御装置214は、マイクロコンピューター、メモリ、駆動制御回路などから構成される。ボディ駆動制御装置214は、撮像素子212の駆動制御と、画素信号の読み出しと、画素信号に基づく焦点検出演算および交換レンズ202の焦点調節を繰り返し行うとともに、画素信号に基づく画像データの生成処理および記録、カメラの動作制御などを行う。また、ボディ駆動制御装置214は電気接点213を介してレンズ駆動制御装置206との通信を行い、レンズ情報の受信およびカメラ情報の送信を行う。
液晶表示素子216は電気的なビューファインダー(EVF:Electronic View Finder)として機能する。液晶表示素子駆動回路215は撮像素子212から読み出された画像データに基づき、スルー画像を液晶表示素子216に表示し、撮影者は接眼レンズ217を介してスルー画像を観察することができる。メモリカード219は、撮像素子212により撮像された画像データを記憶する画像ストレージである。
交換レンズ202を通過した光束により、撮像素子212の撮像面上に被写体像が形成される。この被写体像は撮像素子212により光電変換され、画素の出力信号がボディ駆動制御装置214へ送られる。
ボディ駆動制御装置214は、図10を用いて後述するように、撮像制御機能および焦点検出制御機能を有する。ボディ駆動制御装置214は、撮像素子212の画素の出力信号(焦点検出信号)に基づいてデフォーカス量を算出し、このデフォーカス量をレンズ駆動制御装置206へ送る。また、ボディ駆動制御装置214は、撮像素子212の画素の出力信号(撮像信号)を処理して画像データを生成し、メモリカード219に格納するとともに、液晶表示素子駆動回路215へ送り、スルー画像を液晶表示素子216に表示させる。さらに、ボディ駆動制御装置214は、レンズ駆動制御装置206へ絞り制御情報を送って絞り211の開口制御を行う。
レンズ駆動制御装置206は、フォーカシング状態、ズーミング状態、絞り設定状態、絞り開放F値などに応じてレンズ情報を更新する。具体的には、ズーミング用レンズ208とフォーカシング用レンズ210の位置と絞り211の絞り値とを検出し、これらのレンズ位置と絞り値とに応じてレンズ情報を演算したり、あるいは予め用意されたルックアップテーブルからレンズ位置と絞り値とに応じたレンズ情報(F値、射出瞳距離情報など)を選択する。
レンズ駆動制御装置206は、受信したデフォーカス量に基づいてレンズ駆動量を算出し、レンズ駆動量に応じてフォーカシング用レンズ210を合焦位置へ駆動する。また、レンズ駆動制御装置206は受信した絞り値に応じて絞り211を駆動する。
図2は、撮像素子212の詳細な構成を示す正面図であり、撮像素子212の一部を拡大して画素配列の詳細を示す。図2に示すように、撮像素子212には画素311が二次元正方格子状に稠密に配列される。矩形で示す画素311は、矩形のマイクロレンズ10と、受光領域が左右水平方向に分離された一対の光電変換部15および16とを含む。焦点検出画素311は色フィルタを有している。その色フィルタには赤フィルタ(R)、緑フィルタ(G)、青フィルタ(B)の相異なる分光感度特性を有する3種類の色フィルタが含まれ、これら3種類の色フィルタを有する3種類の画素がベイヤー配列の配置規則によって配置されている。
画素311に入射した光束は、マイクロレンズ10により一対の光電変換部15および16上に集光される。
図3および4は、図2に示す画素311の光電変換部15および16が受光する光束の様子を説明するための模式図であって、図2の水平方向(一対の光電変換部15および16の並び方向)の直線で光学系および画素配列の断面をとって示している。なお図においては画素の構造を簡略化して示している。
図3および4において撮像素子212上に配列された画素の光電変換部15および16は、それらに近接して配置された不図示の遮光マスクによる開口を通過した光束をそれぞれ受光する。遮光マスク開口において光電変換部16が受光する光束が通る領域の形状は、マイクロレンズ10によりマイクロレンズ10から測距瞳距離dだけ離間した測距瞳面90上の全画素の光電変換部16全てに共通した領域96に投影される。同じく遮光マスク開口において光電変換部15が受光する光束が通る領域の形状は、マイクロレンズ10によりマイクロレンズ10から測距瞳距離dだけ離間した測距瞳面90上の全画素の光電変換部15全てに共通した領域95に投影される。一対の領域95および96を測距瞳と呼び、これがいわゆる瞳分割方式の焦点検出における分割瞳に相当する。
従って各画素の光電変換部15は、測距瞳95と各画素のマイクロレンズ10とを通過する光束85を受光し、該光束85によって各マイクロレンズ10上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。また各画素の光電変換部16は、測距瞳96と各画素のマイクロレンズ10とを通過する光束86を受光し、該光束86によって各マイクロレンズ10上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。
実際は、測距瞳面90において、光束は交換レンズの絞り開口により制限されており、最も明るい絞り開口径の場合においても、その開口径は測距瞳95および96を足し合わせた領域よりも小さくなるように設定される。また、図3および4において、軸91は撮影画面の中心を通る撮像画面に対する法線であって、撮影光学系の光軸に一致している。
上述した一対の光電変換部15および16の出力を測距瞳95および96に対応した一対の出力グループにまとめることによって、測距瞳95および96をそれぞれ通過する一対の光束が画素配列上(水平方向)に形成する一対の像の強度分布に関する情報が得られる。この情報に対して像ズレ検出演算処理(相関演算処理、位相差検出処理)を施すことによって、いわゆる瞳分割型位相差検出方式による一対の像の像ズレ量が検出される。さらに、像ズレ量に対して一対の測距瞳の重心間隔と測距瞳距離との比例関係に応じた変換演算を行うことによって、焦点検出位置(垂直方向)における予定結像面と現在の結像面との偏差(デフォーカス量)が算出される。
また各画素の一対の光電変換部15、16の出力を加算することにより、一対の光電変換部15、16の代わりに1つの光電変換部を有する通常の撮像画素と同様に、撮影光束全体を受光した場合と同等な出力が得られ、これにより画像を得ることができる。
図5は撮像素子212の回路構成概念図であって、撮像素子212はCMOSイメージセンサーとして構成される。撮像素子212の回路構成を、水平方向4画素×垂直方向4画素のレイアウトに簡略化して説明する。
図5において、同一行、例えば第n行に属する画素311には、垂直走査回路503から各画素311の動作を制御するために、共通の制御信号φSn、φRn、φPn、φQnが供給される。各列の画素311の出力は、列毎に共通な垂直信号線501に接続されている。各垂直信号線501は相関二重サンプリング回路(CDS回路)502に入力され、各列毎にサンプルホールドと差分処理とが行われる。CDS回路502の動作は垂直走査回路503から出力される制御信号φC1、φC2により制御される。
CDS回路502の各列毎の出力信号は、水平走査回路504から出力される制御信号(φH1〜φH4)により、順次出力回路330に転送され、出力回路330で設定された増幅度で増幅されて外部に出力される。
図6は、各画素311の詳細回路図である。各画素311が有する一対の光電変換部は一対のフォトダイオードPD1およびPD2で構成される。一対のフォトダイオードPD1およびPD2は、それぞれ転送MOSトランジスタ513および514を介して浮遊拡散層(フローティングディフュージョン)FDに接続されている。転送MOSトランジスタ513および514をそれぞれ制御信号φPnおよびφQnによってONすることにより、一対のフォトダイオードPD1およびPD2で生成され、蓄積された電荷が浮遊拡散層FDに転送される。浮遊拡散層FDは増幅MOSトランジスタAMPのゲートに接続されており、増幅MOSトランジスタAMPは浮遊拡散層FDに蓄積された電荷の量に応じた信号を発生する。
浮遊拡散層FDは、リセットMOSトランジスタ510を介し、電源電圧Vddに接続されている。制御信号φRnによりリセットMOSトランジスタ510がONすることにより、浮遊拡散層FDに溜まった電荷がクリアされリセット状態となる。
増幅MOSトランジスタAMPの出力は、行選択MOSトランジスタ512を介して垂直出力線501に接続されている。制御信号φSnにより行選択MOSトランジスタ512がONすることにより、増幅MOSトランジスタAMPの出力が垂直出力線501に出力される。
図6において、制御信号φPnにより転送MOSトランジスタ513をONすることにより、フォトダイオードPD1に蓄積された電荷量に対応した信号が増幅MOSトランジスタAMPから出力される。そのままの状態で次に制御信号φQnにより転送MOSトランジスタ514をONすることにより、浮遊拡散層FDにおいてフォトダイオードPD1およびPD2に蓄積された電荷量が加算され、加算された電荷量に対応し信号が増幅MOSトランジスタAMPから出力される。
図7は、図5のCDS回路502の各列毎の詳細回路構成を示す。垂直出力線501はサンプル&ホールド回路521(画素のリセットレベル保持用)、サンプル&ホールド回路522(画素の信号レベル保持用)に入力される。垂直出力線501上の信号は制御信号φC1およびφC2がONすることにより、サンプル&ホールド回路521および522にサンプルホールドされる。差分回路523は、サンプル&ホールド回路522にサンプルホールドされた信号から、サンプル&ホールド回路521にサンプルホールドされた信号を差し引いて出力する。
撮像素子の動作には2つの動作モード、すなわち第1読み出しモードと第2読み出しモードとがある。第1読み出しモードにおいては、撮像によって生成された画像を記録するための通常の画素信号出力動作、すなわち全画素からフォトダイオードPD1およびPD2の加算出力信号を読み出す動作を行う。第2読み出しモードにおいては、液晶表示素子216に画像を表示するために全画素からフォトダイオードPD1およびPD2の加算出力信号を読み出すととともに、焦点検出を行うためにフォトダイオードPD1の単独出力信号を読み出す動作を行う。撮像素子は、ボディ駆動制御装置214からの制御信号に応じて第1読み出しモードと第2読み出しモードとを切り替えるとともに、垂直走査回路503、水平走査回路504は読み出しモードに応じて上述した各種制御信号のタイミングを変更する。
図8は、第1読み出しモードにおける図5に示す撮像素子の動作タイミングチャートである。時刻t0において、1行目の画素311は垂直走査回路503が発する制御信号φS1により選択される。制御信号φR1は時刻t0にONとなり、1行目の画素311の浮遊拡散層FDはリセットレベルにリセットされる。時刻t1に制御信号φR1がOFFするとともに、制御信号φC1がONし、各列の画素311のリセットレベルが各列毎にCDS回路502によりサンプルホールドされる。制御信号φC1がOFFした後、時刻t2に制御信号φP1、φQ1が同時にONとなり、浮遊拡散層FD部にてフォトダイオードPD1、PD2に蓄積された電荷が加算され、加算された電荷量に応じた電気信号が垂直信号線501に出力される。時刻t3に制御信号φP1、φQ1が同時にOFFとなるとともに、制御信号φC2がONし、各列の画素311の加算信号レベルが各列毎にCDS回路502によりサンプルホールドされる。CDS回路502はこの時点において、加算信号レベルからリセットレベルを差し引いた信号を出力する。制御信号φC2がOFFした後、時刻t4に制御信号φS1がOFFするとともに、CDS回路の各列毎の加算信号が水平走査回路504から順次発せられる走査信号φH1〜φH4にしたがって出力回路330に転送され、出力回路330で設定された増幅度で増幅されて撮像素子212の外部に出力される。
1行目の画素311の加算信号の出力回路330からの出力が終了した時刻t5の時点で、2行目の画素311は垂直走査回路503が発する制御信号φS2により選択され、上述の動作と同様にして2行目の画素311の加算信号の出力回路330からの出力が行われる。続いて3行目、4行目の加算信号の出力回路330からの出力が行われる。全ての画素311の加算信号の出力が終了すると、再び1行目に戻って上記動作が周期的に繰り返される。
図9は、第2読み出しモードにおける図5に示す撮像素子212の動作タイミングチャートである。3行目の画素311のみ、加算信号出力に加えて、焦点検出用にフォトダイオードPD1の単独信号を出力する場合について説明する。
1行目、2行目の画素311の加算信号の出力は図8のタイミングチャートと同様な動作で行われる。2行目の画素311の加算信号の出力回路330からの出力が終了した時刻t10の時点で、3行目の画素311は垂直走査回路503が発する制御信号φS3により選択される。制御信号φR3は時刻t10にONとなり、3行目の画素311の浮遊拡散層FDはリセットレベルにリセットされる。時刻t11に制御信号φR3がOFFするとともに、制御信号φC1がONし、各列の画素311のリセットレベルが各列毎にCDS回路502によりサンプルホールドされる。制御信号φC1がOFFした後、時刻t12に制御信号φP3がONとなり、浮遊拡散層FD部にてフォトダイオードPD1に蓄積された電荷が転送され、転送された電荷量に応じた電気信号が垂直信号線501に出力される。時刻t13に制御信号φP3がOFFとなるとともに、制御信号φC2がONし、各列の画素311のフォトダイオードPD1に蓄積された電荷量に応じた信号レベルが各列毎にCDS回路502によりサンプルホールドされる。CDS回路502はこの時点において、フォトダイオードPD1に蓄積された電荷量に応じた信号レベルからリセットレベルを差し引いた信号を出力する。制御信号φC2がOFFした後、時刻t14以降、CDS回路502の各列毎の出力が、水平走査回路504から順次発せられる走査信号φH1〜φH4にしたがって出力回路330に転送され、出力回路330で設定された増幅度で増幅されて撮像素子212の外部に出力される。
3行目の画素311のフォトダイオードPD1に蓄積された電荷量に応じた単独信号の出力回路330からの出力が終了した時刻t15の時点に制御信号φQ3がONとなり、浮遊拡散層FDにてフォトダイオードPD1に蓄積された電荷とフォトダイオードPD2に蓄積された電荷とが加算され、加算された電荷量に応じた電気信号が垂直信号線501に出力される。時刻t16に制御信号φQ3がOFFとなるとともに、制御信号φC2がONし、各列の画素311の加算信号レベルが各列毎にCDS回路502によりサンプルホールドされる。CDS回路502はこの時点において、加算信号レベルからリセットレベルを差し引いた信号を出力する。制御信号φC2がOFFした後、時刻t17以降、CDS回路502の各列毎の出力が、水平走査回路504から順次発せられる走査信号φH1〜φH4にしたがって出力回路330に転送され、出力回路330で設定された増幅度で増幅されて撮像素子212の外部に出力される。
3行目の画素311の加算信号の出力が終了すると、4行目の画素311の加算信号の出力が図8のタイミングチャートと同様な動作で行われる。全ての画素311の加算出力信号と3行目の単独信号の出力が終了すると、再び1行目に戻って上記動作が周期的に繰り返される。
図9のタイミングチャートでは、3行目の画素311のみ、加算信号出力に加えて、焦点検出用にフォトダイオードPD1の単独信号を出力するとして説明した。しかし、単独信号を出力する画素行はボディ駆動制御装置214からの選択信号に応じて変更可能であり、垂直走査回路503、水平走査回路504は、選択された画素行に応じて上述した各種制御信号のタイミングを変更することができる。
図10は、本実施の形態のデジタルスチルカメラ201の撮像動作を示すフローチャートである。図10に示す各処理ステップは、ボディ駆動制御装置214によって実行される。ボディ駆動制御装置214により、ステップS100でデジタルスチルカメラ201の電源がオンされると、撮像素子212は一定周期で撮像動作を繰り返す(例えば1秒間に60フレームを出力する)動作が開始される。ステップS110において、第2読み出しモードで1フレーム分のデータを読み出す。なお第2読み出しモードにおける単独信号の読み出し行は、不図示の操作部材によりユーザーが選択した撮影画面中の一部の領域(焦点検出エリア)の、撮影画面中の垂直方向位置に対応した行である。選択された焦点検出エリアに対応する行に配置された画素311から単独信号が読み出されるとともに、全画素311から加算信号が読み出される。読み出された単独信号および加算信号は、ボディ駆動制御装置214の内部に記憶される。
続くステップS120では、第2読み出しモードで読み出した加算信号を表示データとして表示画像を生成し、液晶表示素子216にライブビュー表示出力させる。ステップS130では、第2読み出しモードで読み出して記憶された加算信号(フォトダイオードPD1の信号+フォトダイオードPD2の信号)から、第2読み出しモードで読み出した単独信号(フォトダイオードPD1の信号)を差し引いて、フォトダイオードPD2に蓄積された電荷量に対応する単独信号(フォトダイオードPD2の信号)を生成する。
ステップS140では、ステップS110で読み出されて記憶された単独信号(フォトダイオードPD1の信号)とステップS130で生成された単独信号(フォトダイオードPD2の信号)とから形成される一対の画素信号のうち、選択された焦点検出エリアの、画面中の水平方向の位置に対応した列に配置された画素311の一対の画素信号(フォトダイオードPD1の信号およびフォトダイオードPD2の信号)の位相差を算出することにより、撮影光学系の焦点調節状態を検出する。すなわち、焦点検出を行い、デフォーカス量を算出する。デフォーカス量の信頼性が低い場合またはデフォーカス量の算出が不能であった場合は焦点検出不能となる。
ステップS150で、合焦近傍か否か、すなわち算出されたデフォーカス量の絶対値が所定値以内であるか否かを調べる。合焦近傍でないと判定された場合はステップS160へ進み、デフォーカス量をレンズ駆動制御装置206へ送信し、交換レンズ202のフォーカシング用レンズ210を合焦位置に駆動させる。その後、ステップS110へ戻って上述した動作を繰り返す。
なお、焦点検出不能な場合もこのステップに分岐し、レンズ駆動制御装置206へスキャン駆動命令を送信し、交換レンズ202のフォーカシング用レンズ210を無限から至近までの間でスキャン駆動させる。その後、ステップS110へ戻って上述した動作を繰り返す。
ステップS150で合焦近傍であると判定された場合はステップS170へ進み、シャッターボタン(不図示)の操作によりシャッターレリーズがなされたか否かを判別する。シャッターレリーズがなされていないと判定された場合はステップS110へ戻り、上述した動作を繰り返す。一方、シャッターレリーズがなされたと判定された場合はステップS180へ進み、レンズ駆動制御装置206へ絞り調整命令を送信し、交換レンズ202の絞り値を制御F値(撮影者により設定されたF値または自動設定されたF値)にする。絞り制御が終了した時点で、撮像素子212に被写体輝度に応じた露光時間による撮像動作を行わせ、撮像素子212の全画素311から第1読み出しモードにて加算信号を読み出し、該加算信号に所定の画像処理を施して画像データを生成する。
続くステップS190では、生成された画像データをメモリカード219に出力して記憶させ、ステップS110へ戻って上述した動作を繰り返す。
図10のステップS140におけるデフォーカス量の算出、およびその算出に用いられる一般的な像ズレ検出演算処理(相関演算処理)の詳細は、特開2010−129783号公報に開示されており、その像ズレ量に変換係数を乗じてデフォーカス量が算出される。第2読み出しモードにて読み出された行には例えば緑画素と赤画素とが配置されていたとすると、緑画素のデータおよび赤画素のデータからそれぞれデフォーカス量が算出される。なお、上記変換係数は、測距瞳の重心間隔が絞り開口径に応じて変化するために、絞り開口径(F値)に応じて変化する。
緑画素の出力信号に基づきデフォーカス量が算出され、同様にして赤画素の出力信号に基づきデフォーカス量が算出されるので、両者を平均して、選択された焦点検出エリアの最終的なデフォーカス量とする。
本実施の形態において、第2読み出しモードでは、1フレームの画素信号読み出し動作で、一対の光電変換部からの信号を加算して信号を読み出すとともに、一対の光電変換部の一方の信号を独立に読み出すことができる。そのため、加算信号をそのまま用いて画像表示ができるとともに、該加算信号と独立に読み出した信号に基づいて焦点検出を行うことも可能になる。従って従来のように焦点検出用と画像表示用とについて別々に読み出し動作を行う必要がなくなり、画像表示および焦点検出の更新周期を高速化できる。
もし、第1のモードで読み出した一対の光電変換部からの信号を後工程で加算することにより、表示用または記録用の画像を生成すると、全画素について加算処理を行うためには相当な処理量が必要となる。撮像素子からの信号読み出しから画像生成までにタイムラグを生じるために、構図変更時などに表示遅れが目立ったり、高速な連写記録ができなくなるという欠点が残ってしまう虞がある。本実施の形態では、撮像素子の外部で一対の光電変換部からの信号を加算する必要がないので、簡易な構成で遅れのない迅速な表示や記録が可能になる。
一対の光電変換部からの信号を独立に読み出す場合には、一対の光電変換部に対して共通に設けられた信号出力部をその都度リセットする必要がある。しかし本実施の形態においては、一対の光電変換部の一方の信号のみを独立に読み出し、その後に加算信号を読み出すため、その必要がなくなる。したがって、高速な読み出しを行うことが可能になる。
−−−変形例−−−
(1)上述した実施の形態では、第2読み出しモードにおいて、選択された焦点検出エリアの位置に応じて1つの行が選択され、その行において単独信号の読み出しが付加的に行われている。しかし、複数の行を選択するとともに、該複数の行において単独信号の読み出しを行うようにしてもよい。
例えば焦点検出エリアの範囲が比較的広い場合には、焦点検出エリアの、撮影画面中の垂直方向の範囲における複数の行を選択して、該複数の行において単独信号の読み出しを行う。
(2)上述した実施の形態では、第2読み出しモードにおいて、選択された焦点検出エリアの位置に応じて1つの行が選択され、その行に属するすべての画素において単独信号の読み出しが行われている。しかし、水平走査回路からの制御信号を制限することにより、その行に属する一部の画素のみにおいて単独信号の読み出しを行うようにしても良い。
例えば、単独信号を読み出す際に、選択された焦点検出エリアの画面中の水平方向の位置に対応した列に配置された画素にのみ水平走査回路から制御信号を加えることにより、一部の画素のみにおいて単独信号の読み出しを行うことができ、全体としての読み出し時間を短縮することができる。
(3)上述した実施の形態では、第2読み出しモードにおいて、水平方向に並んだ一対の光電変換部を含む画素が水平方向に配置された行から単独信号の読み出しが行われている。しかし、垂直方向に並んだ一対の光電変換部を含む画素が垂直方向に配置された列から単独信号の読み出しを行っても良い。
例えばすべての行において、特定の列の画素のみ単独信号の読み出しが行われるように、垂直走査回路および水平走査回路から出される制御信号のタイミングを変更することができる。このようにすれば画像のコントラストが垂直方向のみに変化している場合においても焦点検出が可能となる。
(4)上述した実施の形態においては、撮像素子のすべての画素が一対の光電変換部を有するとして説明を行ったが、本発明はそれに限定されることなく、撮像素子の一部の画素が一対の光電変換部を有する構成にも適用可能である。
図11は、交換レンズ202の予定結像面に設定した撮影画面上における焦点検出エリアの配置を示す図である。図11は、撮像素子212上における一対の光電変換部を含む焦点検出画素の配列を用いた焦点検出において、撮影画面上で像がサンプリングされる領域(焦点検出エリア、焦点検出位置)を示した一例である。この例では、矩形の撮影画面100上の中央(光軸上)および上下左右の5箇所に焦点検出エリア101〜105が配置される。長方形で示す焦点検出エリアの長手方向に、焦点検出画素が直線的に配列される。焦点検出エリア101、102、103、104、105においては焦点検出画素が水平方向に配列される。
図12は撮像素子212の詳細な構成を示す正面図であり、図11における焦点検出エリア101、102、103、104、105のうちの任意の焦点検出エリアの近傍を拡大した画素配列の詳細を示す。撮像素子212には周知の撮像画素310が二次元正方格子状に稠密に配列される。各撮像画素310は、1つの光電変換部11を有している。撮像画素310は赤画素(R)、緑画素(G)、青画素(B)からなり、ベイヤー配列の配置規則によって配置されている。図12においては、焦点検出用に、撮像画素と同一の画素サイズを有し、かつ一対の光電変換部を有する焦点検出画素341が、水平方向に、本来緑画素と青画素とが連続的に配置されるべき水平行に直線的に連続して配列される。焦点検出画素341には本来その位置に配置されるべき撮像画素と同じ色の色フィルタが設けられている。
上記のような構成の撮像素子において、第2読み出しモードでは、選択された焦点検出エリアの位置に応じた行において、焦点検出エリアの位置に応じた列に配置された一対の光電変換部を有する画素から単独信号の読み出しが行われる。このような構成においては、焦点検出エリアに対応する画素以外は通常の撮像画素を用いることが出来るので、撮像素子の構造を簡素化できる。
(5)上述した実施の形態においては、1つの画素が一対の光電変換部を有するとして説明を行ってきたが、これに限定されることなく、3つ以上の光電変換部を有する画素を含む撮像素子に適用することができる。例えば特開昭58−24105号公報の図2に開示されたような1つの画素に4分割された光電変換部を持つ撮像素子にも適用することができる。4分割された光電変換部をそれぞれフォトダイオードPD1〜PD4とする。1つの行の画素から第2読み出しモードで読み出す場合、まずPD1の信号を読み出し、次に(PD1+PD2)の信号を読み出し、次に(PD1+PD2+PD3)の信号を読み出し、最後に(PD1+PD2+PD3+PD4)の信号を読み出す。後処理で信号の差分を算出することにより、PD2の単独信号、PD3の単独信号、PD4の単独信号を得ることができる。
(6)撮像装置としては、上述したようなカメラボディに交換レンズが装着される構成のデジタルスチルカメラに限定されない。例えばレンズ一体型のデジタルスチルカメラ、あるいはビデオカメラにも本発明を適用することができる。さらには、携帯電話などに内蔵される小型カメラモジュール、監視カメラやロボット用の視覚認識装置、車載カメラなどにも適用できる。
10 マイクロレンズ、11、15、16 光電変換部、
85、86 光束、90 測距瞳面、91 軸、95、96 領域、
100 撮影画面、101〜105 焦点検出エリア、
201 デジタルスチルカメラ、202 交換レンズ、203 カメラボディ、
204 マウント部、206 レンズ駆動制御装置、
208 ズーミング用レンズ、209 レンズ、210 フォーカシング用レンズ、
211 絞り、212 撮像素子、213 電気接点、
214 ボディ駆動制御装置、215 液晶表示素子駆動回路、216 液晶表示素子、
217 接眼レンズ、219 メモリカード、
310 撮像画素、311 画素、330 出力回路、341 焦点検出画素、
501 垂直信号線、502 CDS回路、
503 垂直走査回路、504 水平走査回路、
510 リセットMOSトランジスタ、512 行選択MOSトランジスタ、
513、514 転送MOSトランジスタ、
521、522 サンプル&ホールド回路、523 差分回路

Claims (3)

  1. 結像光学系の瞳の一対の第1および第2領域を通過した一対の光束をそれぞれ受光し、受光量に応じた電荷を生成する第1の光電変換部および第2の光電変換部と、前記電荷を一時的に保持する電荷保持部と、前記電荷保持部に保持された電荷に応じた電気信号を出力する信号出力部と、前記第1の光電変換部によって生成された第1の電荷を前記電荷保持部に転送する第1の転送スイッチと、前記第2の光電変換部によって生成された第2の電荷を前記電荷保持部に転送する第2の転送スイッチとを含む画素が複数配列された撮像素子と、
    前記第1の転送スイッチが前記第1の光電変換部によって生成された前記第1の電荷を前記電荷保持部に転送し、前記信号出力部が前記電荷保持部によって保持されている第1の電荷に応じた前記電気信号に基づく第1の信号を出力し、前記第2の転送スイッチが前記第2の光電変換部によって生成された前記第2の電荷を前記第1の電荷が保持された前記電荷保持部に転送し、前記第2の電荷と前記第1の電荷との加算値に等しい第3の電荷に応じた前記電気信号に基づく第2の信号を前記信号出力部が出力する第1の処理を制御する制御手段と
    前記第2の信号に基づき画像を生成する画像生成部と、
    前記第2の信号から前記第1の信号を減算して第3の信号を生成し、前記第1の信号と前記第3の信号とに基づき前記結像光学系の焦点検出を行う焦点検出部と、を備える撮像装置
  2. 請求項1に記載の撮像装置において、
    リセットレベル保持部と、
    出力信号保持部と、
    差分出力部とをさらに備え、
    前記画素は、前記電荷保持部をリセットレベルにリセットするリセット部をさらに有し、
    前記制御手段は、前記リセット部が前記電荷保持部をリセットし、前記信号出力部が前記電荷保持部に保持された前記電荷に応じた前記リセットレベルの前記電気信号に基づくリセットレベル信号を出力する第2の処理を制御した後に前記第1の処理を制御し、
    前記リセットレベル保持部は、前記信号出力部によって出力された前記リセットレベル信号を保持し、
    前記出力信号保持部は、前記第1の信号または前記第2の信号を保持し、
    前記差分出力部は、前記出力信号保持部によって保持された前記第1の信号と、前記リセットレベル保持部によって保持された前記リセットレベル信号との差に応じた第3の信号、および前記出力信号保持部によって保持された前記第2の信号と、前記リセットレベル保持部によって保持された前記リセットレベル信号との差に応じた第4の信号を出力することを特徴とする撮像装置
  3. 請求項1または2に記載の撮像装置において、
    前記画素はマイクロレンズをさらに有し、
    前記マイクロレンズに関して前記第1の光電変換部と前記第1領域とが光学的に共役であるとともに、前記マイクロレンズに関して前記第2の光電変換部と前記第2領域とが光学的に共役であることを特徴とする撮像装置
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