JP6355459B2 - 撮像装置及びその制御方法 - Google Patents

撮像装置及びその制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6355459B2
JP6355459B2 JP2014138019A JP2014138019A JP6355459B2 JP 6355459 B2 JP6355459 B2 JP 6355459B2 JP 2014138019 A JP2014138019 A JP 2014138019A JP 2014138019 A JP2014138019 A JP 2014138019A JP 6355459 B2 JP6355459 B2 JP 6355459B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
imaging
image
level
period
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014138019A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016015695A (ja
JP2016015695A5 (ja
Inventor
石井 美絵
美絵 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2014138019A priority Critical patent/JP6355459B2/ja
Publication of JP2016015695A publication Critical patent/JP2016015695A/ja
Publication of JP2016015695A5 publication Critical patent/JP2016015695A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6355459B2 publication Critical patent/JP6355459B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明はCMOS撮像素子などを用いた撮像装置及びその制御方法に関し、特に、撮像装置における撮像データのノイズ補正の技術に関する。
近年、CMOS撮像素子などを用いた撮像装置において、様々なニーズに対応するべく多機能化が進んでいる。例えば、通常の撮影において、用途に応じて高速読み出しや高分解能といったニーズに対応した撮像装置が提供されている。
また、従来、列毎にAD変換回路を搭載し、デジタル信号を出力するCMOS撮像素子がある。列毎にAD変換回路を導入することで、各列から読み出した信号の水平転送をデジタルで行うことが可能となる。また、デジタル信号の転送技術の発展に伴い、水平転送の高速化、すなわち高速読み出しが実現されている。
特許文献1では、列アナログデジタル(AD)変換方式として、シングルスロープ方式が採用されている。シングルスロープ方式では比較器とカウンタを用い、比較器の一方の入力にアナログの画素信号を入力した状態で、他方の入力に参照信号として、時刻とともに傾きをもって変動する電圧であるスロープ電圧を入力する。そして、画素信号と参照信号の大小関係が反転したとする時刻をもって比較器の出力が反転する。カウンタは、時間とともにデジタルのカウントを進め、比較器の出力が反転するとカウントの進行を止める。このように、カウンタの出力がアナログの画素信号を示すデジタル値となることで、AD変換を行う方式である。
シングルスロープ方式の場合、信号出力の高ビット分解能を実現するためにはカウンタを回す時間を多く必要とする。例えば、12ビットから14ビットに向上させるには、カウンタの動作クロックが一定である場合、AD変換期間として4倍の時間を要する。そこで、高速読み出しモードの場合にはビット分解能を低くして高速に読み出し、高分解能モードの場合には読み出し時間は長くなるため低速読み出しになるがビット分解能を高くして読み出す、といった駆動を切り替えて使用する方法がある。
一方、更なる多機能化として、撮像素子から得られた信号により焦点検出が可能な機能を持つ撮像素子も開示されている。特許文献2では、1つのマイクロレンズに対応する2つのPDを配置することによって、各PDが撮像レンズの異なる瞳面の光を受光するように構成されている。そして、2つのPDの出力を比較することによって、焦点検出を行っている。また、そのような撮像素子の出力を、焦点検出だけでなく、画像信号に用いることも可能である。
特許文献3では、このような撮像素子の信号読み出し方法として、第1の動作で瞳分割された2画素のうちの片方から第1画素信号を読み出し、第2の動作でリセットせずに他方の画素からの第2画素信号を加算して読み出す技術が開示されている。加算信号は画像信号として用いられ、第2画素信号は加算信号から第1画素信号を減算して求める。これにより、焦点検出用の信号と画像信号をとともに得ることができる(焦点検出モード)。なお、焦点検出の必要が無い場合には、第2の動作のみで加算信号のみを読み出すことも可能であり、その場合、読み出し時間を短縮することができる(通常撮影モード)。
特開2005−278135号公報 特許第3774597号明細書 特開2013−106194号公報
ところで、PDが受光して得た電荷に対応した信号(光信号)を読み出す前に、リセットレベル信号を読み出しておき、読み出された光信号からリセットレベル信号を減算して、撮像素子固有のノイズを除去して撮像信号とすることが一般的に行われている。しかし、リセットレベル信号を読み出してから、撮像信号を読み出すまでの時間が長いほど、容量及びスイッチによるリーク電流の影響を受けやすくなり、ノイズ除去の精度が悪くなるという問題がある。
例えば、高ビット分解能モードでは低ビット分解能モードと比較して、リセットレベル信号を読み出してから、撮像信号の読み出しまでの期間が長くなる。また、特許文献3のような焦点検出可能な撮像素子の場合、通常撮影モードよりも焦点検出モードにおける撮像信号の読み出し時の方が、リセットレベル信号を読み出してから、撮像信号を読み出すまでの時間は長くなる。
ここで、リーク電流が多い画素に関しては、欠陥画素として撮像画像において欠陥画素補正を行う方法がある。この場合、予め撮像素子の出荷検査等の撮像装置の製造過程において欠陥画素を検出してアドレスや欠陥レベル等の欠陥情報をROM等に記憶しておくことが行われている。しかしながら、前述の通り、撮像装置の様々な駆動モードに応じて欠陥画素検出を行い、欠陥情報をROMに記憶させることは、工程時間の観点においても、メモリ容量の観点においても好ましくない。
また、リーク電流が比較的少ない画素においても、リセットレベル信号を読み出してから、撮像信号の読み出しまでの期間が長くなると、ノイズによる画質への影響が問題となる。
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、撮像装置のメモリ容量を増やすことなく、様々な駆動モードに応じて適切なノイズ補正を行えるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、撮像素子と、該撮像素子から読み出された信号を処理して画像を生成する画像処理手段とを有する本発明の撮像装置は、前記撮像素子が、複数のマイクロレンズと、前記複数のマイクロレンズそれぞれに、少なくとも1つの光電変換部が対応するように構成された複数の光電変換部と、前記複数の光電変換部から撮像信号を読み出す読み出し手段と、読み出された撮像信号を保持するメモリとを有し、前記撮像素子は、前記読み出し手段が前記複数の光電変換部に蓄積された撮像信号を読み出して前記メモリに保持するまでの信号読み出し期間が異なる、少なくとも2つ以上の駆動方法により駆動され、前記画像処理手段は、前記読み出された撮像信号ノイズを低減するノイズ低減処理を行うノイズ低減手段を備え、該ノイズ低減手段は、前記読み出された撮像信号のうち、前記ノイズ低減処理を行う撮像信号を判定して前記ノイズ低減処理を行い、該判定を行う際に、前記信号読み出し期間の異なる2つ以上の駆動方法において該判定のレベルを調整する。
本発明によれば、撮像装置のメモリ容量を増やすことなく、様々な駆動モードに応じて適切なノイズ補正を行うことができる。
本発明の実施形態に係る撮像装置の全体構成を示すブロック図。 実施形態に係る撮像素子の構成を示すブロック図。 第1の実施形態に係る撮像素子の単位画素及び列回路の回路構成の一例を示す図。 第1の実施形態に係る撮像素子の信号読み出し動作の一例を示すタイミングチャート。 実施形態に係る撮像装置のメモリに格納されたキズ補正用データの一例を示す図。 実施形態に係る撮像装置のメモリに格納されたキズ補正用データの一例を示す図。 第1の実施形態に係る補正対象となる画素を決定する処理を示すフローチャート。 変形例におけるS信号読み出し期間の長さT1、T2における画像のヒストグラムの一例を示す図。 第2の実施形態に係る撮像素子の構成を説明する図。 撮像レンズの射出瞳から出た光束が単位画素に入射する概念を示す図。 第2の実施形態に係る撮像素子の単位画素及び列回路の回路構成の一例を示す図。 第2の実施形態に係る撮像素子の通常撮影モードにおける信号読み出し動作を示すタイミングチャート。 第2の実施形態に係る撮像素子の撮像面位相差AFモードにおける信号読み出し動作を示すタイミングチャート。 第3の実施形態に係る撮像素子の行選択的撮像面位相差AFモードの読み出し例を示す概念図。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置100の全体構成を示すブロック図である。図1において、撮影レンズ101及び絞り102を通過した光は、撮影レンズ101の焦点位置近傍に結像する。撮像素子103はCMOSセンサであり、撮影レンズ101により結像された被写体像を光量に応じて電気信号に変換する。信号処理回路104は、撮像素子103から出力される画像信号に対して信号増幅、基準レベル調整等の各種の補正や、データの並べ替えなどを行う。タイミング発生回路105は撮像素子103や信号処理回路104等に駆動タイミング信号を出力する。
全体制御・演算回路106は撮像素子103や信号処理回路104等、撮像装置100全体の統括的な駆動及び制御を行う。また、信号処理回路104から出力された画像信号に対して、後述するA像、B像間の相関演算や焦点検出、また所定の画像処理や欠陥補正等を施す。メモリ回路107及び記録回路108は、全体制御・演算回路106から出力された画像信号等を記録保持する不揮発性メモリあるいはメモリカード等の記録媒体である。操作回路109は撮像装置100に備え付けられた操作部材からの信号を受け付け、全体制御・演算回路106に対してユーザーの命令を反映する。表示回路110は撮影後の画像やライブビュー画像、各種設定画面等を表示する。
次に、撮像素子103の構成について、図2及び図3を用いて説明する。図2は、第1の実施形態における撮像素子103の構成例を示すブロック図である。
撮像素子103には、複数の単位画素200が行列状に配置されている。図2では、単位画素200を4行4列の計16個を配置した場合を図示しているが、実際は数百万、数千万の単位画素200で構成される。単位画素200には赤(R)、緑(G)、青(B)のベイヤー配列のカラーフィルタが設けられる。なお、図2において単位画素200それぞれに記載されている文字及び数字は画素の色とアドレスを示している。例えば、G01は、0行1列目のG(緑)画素を示す。各単位画素200は、垂直出力線201に画素信号を出力し、各垂直出力線201には電流源202が接続されている。
列回路203には、垂直出力線201上の画素信号が入力され、アナログデジタル変換(AD変換)を行う。スロープ電圧発生回路204は、列回路203で行うAD変換に使用するスロープ電圧を生成する。列回路203でAD変換された信号は水平走査回路205の駆動により、水平出力線216及び217、デジタル出力処理回路207を介して撮像素子103の外部に順次出力される。垂直走査回路208は、行毎に接続される信号線209を介して、行の選択、駆動を行う。なお、図2において、信号線209は0行目に対してのみ記載しているが、実際には各行に配線されている。
図3は、第1の実施形態にかかる撮像素子103の単位画素200及び列回路の回路構成の一例を示す図である。単位画素200において、フォトダイオード(PD)301(光電変換部)は、撮影レンズ101によって結像された光学像を受けて電荷を発生し、発生した電荷を蓄積する。PD301で蓄積された電荷は、転送MOSトランジスタ(転送スイッチ)302を介してフローティングデフュージョン部(FD)304に転送される。FD304に転送された電荷は、選択スイッチ306がオンされると、ソースフォロワアンプを形成する増幅MOSトランジスタ(SF)305を介して電荷に対応した電圧として垂直出力線201に出力される。なお、選択スイッチ306は行単位で制御され、選択された行の画素信号が一括して垂直出力線201に出力される。リセットMOSトランジスタ(リセットスイッチ)303は、FD304の電位、及び転送スイッチ302を介してPD301の電位をVDDにリセットする。転送スイッチ302、リセットスイッチ303、選択スイッチ306は、それぞれ垂直走査回路208に接続されている信号線を介して制御信号PTX、PRES、PSELにより制御される。
次に、列回路203の回路構成について説明する。アンプ310は、垂直出力線201に現れた信号を増幅し、容量312は信号電圧を保持するために用いられる。容量312への書き込みは、制御信号PSHによりオン、オフされるスイッチ311により制御される。比較器313の一方の入力には、図2のスロープ電圧発生回路204から供給された参照電圧であるVslopeが入力され、他方の入力には、容量312に書き込まれたアンプ310の出力が入力される。比較器313はアンプ310の出力と参照電圧Vslopeを比較し、その大小関係によってローレベル、ハイレベルの2値のいずれかを出力する。具体的には、参照電圧Vslopeがアンプ310の出力に対して小さい時にはローレベル、大きい時にはハイレベルを出力する。参照電圧Vslopeの遷移開始と同時にCLKが動き出し、カウンタ314は比較器313の出力がハイレベルの時にCLKに対応してカウントアップし、比較器313の出力がローレベルに反転すると同時にカウントを停止する。
メモリ315には、FD304のリセットレベルの信号(以下、「N信号」)をAD変換したデジタル信号が保持され、メモリ316には、PD301の信号をFD304のN信号に重畳した信号(以下「S信号」)をAD変換したデジタル信号が保持される。メモリ315、316に保持された信号は、水平走査回路205からの制御信号によって、水平出力線216、217を介してデジタル出力処理回路207へ出力される。そして、デジタル出力処理回路207にてS信号とN信号の差分が算出されて、ノイズの要因となるFD304のリセットノイズ成分が除去された信号が出力される。
図4は、図3に示す回路構成を有する撮像素子103の1行分の単位画素200からの電荷読み出し動作の一例を示すタイミングチャートであり、各駆動パルスのタイミング、参照電圧Vslope、CLK、水平走査信号を模式的に示している。また、各タイミングにおける、垂直出力線の電位Vlもあわせて示している。
PD301からの信号の読み出しに先立って、リセットスイッチ303の制御信号PRESがHiとなる(t400)。これによって、SF305のゲートがリセット電源電圧にリセットされる。時刻t401で制御信号PSELをHiとし、SF305を動作状態とする。そして、時刻t402で制御信号PRESをLoとすることでFD304のリセットを解除する。このときのFD304の電位を垂直出力線201にリセット信号レベル(N信号)として読み出し、列回路203に入力する。時刻t403、t404で制御信号PSHをそれぞれHi、Loとしてスイッチ311を順次オン、オフすることで、垂直出力線201に読み出されたN信号はアンプ310で所望のゲインで増幅されたのち容量312に保持される。容量312に保持されたN信号の電位は比較器313の一方に入力される。時刻t404でスイッチ311がオフされた後、時刻t405からt407まで、スロープ電圧発生回路204により、参照電圧Vslopeを時刻と共に初期値から減少させていく。参照電圧Vslopeの遷移開始と共に、CLKをカウンタ314に供給する。CLKの数に応じてカウンタ314の値は増加していく。そして、比較器313に入力した参照電圧VslopeがN信号と同じレベルになると、比較器313の出力COMPはローレベルとなり、同時にカウンタ314の動作も停止する(時刻t406)。この、カウンタ314の動作が停止した時の値が、N信号がAD変換された値となり、N信号用メモリ315に保持される。
次に、デジタル化されたN信号をN信号用メモリ315に保持した後の時刻t407、t408で制御信号PTXを順次Hi、Loとして、PD301に蓄積された光電荷をFD304に転送する。すると、電荷量に応じたFD304の電位変動が垂直出力線201にS信号レベル(光成分+リセットノイズ成分(N信号))として読み出され、列回路203に入力される。S信号はアンプ310で所望のゲインで増幅された後、時刻t409、t410で制御信号PSHを順次Hi、Loとしてスイッチ311がオン、オフされるタイミングで容量312に保持される。容量312に保持された電位は比較器313の一方に入力される。時刻t410でスイッチ311がオフされた後、時刻t411からt413まで、スロープ電圧発生回路204により、参照電圧Vslopeを時刻と共に初期値から減少させていく。参照電圧Vslopeの遷移開始と共に、CLKをカウンタ314に供給する。CLKの数に応じてカウンタ314の値は増加していく。そして、比較器313に入力した参照電圧VslopeがS信号と同じレベルになると、比較器313の出力COMPはローレベルとなり、同時にカウンタ314の動作も停止する(時刻t412)。この、カウンタ314の動作が停止した時の値が、S信号がAD変換された値となり、S信号用メモリ316に保持される。
続いて、メモリ315、316に保持された信号を水平走査回路205により読み出す。時刻t413より、列回路203ごとに順次動作させることでメモリ315、316に保持された信号は水平出力線216、217を通り、デジタル出力処理回路207に送られ、そこで差動信号レベル(光成分)が求められる。
なお、N信号読み出しやS信号読み出しに係る時間は、AD変換するときの分解能(ビット数)に依存する。例えば、12ビットであれば最大4096カウント必要であり、14ビットであれば最大16384カウント必要となる。このように、カウンタのクロックが一定である場合、14ビットのAD変換期間は12ビットのAD変換期間の4倍の長さが必要となる。
例えば、撮像装置が画質優先の高ビット分解能モードと読み出し速度優先の低ビット分解能モードを有している場合、高ビット分解能モードでは14ビットでAD変換し、低ビット分解能モードでは12ビットでAD変換する。これに応じて、N信号読み出し時の分解能も変更する必要がある。ただし、N信号は光信号に比べて微量であるため、S信号読み出し時より少ないカウント値で駆動することができ、N信号読み出し期間を短縮することが可能である。例えば、S信号の分解能が14ビットの時はN信号の分解能を11ビット、S信号の分解能が12ビットの時はN信号の分解能を9ビットといったように駆動することが望ましい。
N信号が容量312に保持されてから、S信号が容量312に保持されるまでの期間をS信号読み出し期間とすると、このS信号読み出し期間は、高ビット分解能モードの方がN信号のAD変換期間が長くなる分、S信号読み出し期間は長くなる。すなわちN信号(リセット信号)が決定された時刻からS信号が決定されるまでの期間が長くなる。
ところで、図4に示すように、垂直出力線Vlの電位は、画素によってはFD容量やスイッチなどによるリーク電流の影響を受けて、時刻とともに下がっていく。通常、S信号からN信号を差分することで、ノイズの要因となるFD304のリセットノイズ成分の除去を行っているが、N信号を読み出した時刻からS信号を読み出すまでの期間が長いほど、リーク電流の影響により電位のずれ生じてしまう。その結果、実際のS信号−N信号によるノイズ除去が精度良くできなくなり、図4の例で言えば、光信号レベルより出力値が高くなって読み出され(垂直出力線Vlの破線)、ノイズとなって画像へ影響が出てしまう。なお、リーク電流の量は画素によって異なり、またリークの場所によっては電位が上昇する場合もあるため、各画素個別に補正する必要がある。
そこで、第1の実施形態では、リーク電流の量が大きく、精度良くS信号−N信号によるノイズ除去を行うことのできないキズ画素を判別して、判別したキズ画素の信号を補正する。
撮像素子103からは、例えば、その出荷時に所定の駆動、所定の電荷蓄積時間、所定の環境温度にて得られた画像データに基づいて、各種のキズ画素(欠陥画素)が抽出される。主な欠陥は温度や蓄積時間に依存する暗電流に起因するものであるが、それ以外にリーク電流に起因する欠陥もある。これらのキズ画素の抽出を低ビット分解能モードで行い、図5に示すような、アドレス、キズレベル、キズの種別からなるキズ画素データ(欠陥情報)を作成して、撮像装置100内のメモリに格納しておく。なお、キズ画素抽出処理は、撮像装置100の外部で行っても良いし、撮像装置100での撮影時に、撮影した画像データより行っても良い。すなわち、撮像素子103が単体の状態で行っても良いし、撮像素子103が撮像装置に組み込まれた状態で行っても良い。
各種キズのうち、白キズに関しては、電荷蓄積時間や温度、また設定されたISO感度によって変わるため、撮影条件に応じて補正レベルを変更するのが望ましい。これは公知のキズ画素補正方法で実施可能である。
一方、リークキズは上述したようにリーク電流に起因したキズである。ここで、補正対象となるリークキズを有するリークキズ画素を決定する処理について、図7のフローチャートに沿って説明する。なお、この補正対象となるリークキズ画素を決定する処理は全体制御・演算回路106で行い、その結果に応じて全体制御・演算回路106が補正対象のリークキズ画素を補正する。
まず、S11において、撮影時に設定されたビット分解能モードを取得し、S12において、撮影時の感度を取得する。次に、S13において、図5に示すキズ画素データから、キズの種類が「リーク」であるリークキズ画素のデータを1つ抽出する。図5のキズ画素データの例では、No.3、4、5がリークキズを有する画素である。
そして、S14において、S11で取得したビット分解能モードが低ビット分解能モードであるかどうかを判別する。低ビット分解能モードであればS16に進み、図6のテーブルに従って、S13で抽出したキズレベルが、S12で取得した感度における補正レベル以上(閾値以上)であるかどうかを判断する。図6の補正レベル以上の場合、S17において抽出したリークキズ画素は補正対象であると決定して、当該情報を信号処理回路104に渡し、S18に進む。
一方、補正レベル未満(閾値未満)の場合は、直接S18に進んで、全てのリークキズ画素のデータに対して決定処理を行ったかを判断し、決定処理を行っていないリークキズ画素があれば、S13に戻って次のリークキズ画素のデータを1つ抽出する。全てのリークキズ画素のデータに対して決定処理が終了していれば、処理を終了する。
例えば、ISO400での撮影の場合、キズレベルの絶対値が32mV以上のキズ画素を補正する。即ち、図5のキズ画素データにおいては、No.3とNo.4のリークキズ画素は補正対象となり、No.5のリークキズ画素は補正対処とならない。
S14において高ビット分解能モードであればS15に進み、S13で抽出したキズレベルをS信号読み出し期間に応じて調整する。ここで、低ビット分解能モードでのS信号読み出し期間をT1、高ビット分解能モードでのS信号読み出し期間をT2とし(T1<T2)、低ビット分解能モードで抽出されたリークキズのキズレベルをL1とする。この場合、高ビット分解能モードでのリークキズのキズレベルL2は、
L2=T2/T1×L1×α …(1)
となる(αはT2/T1×α>1を満たす任意の係数)。このように、式(1)で算出されたキズレベルL2が、高ビット分解能モードでのリークキズのキズレベルとなる。キズレベルL2の算出後、S16において、図6のテーブルに従って、算出されたキズレベルL2が、S12で取得した感度における補正レベル以上であるかどうかを判断する。以降、上述したS17及びS18の処理を行う。
このように、S信号読み出し期間の長さに応じてキズレベルを換算して、リークキズ補正を行うかどうかを決定することで、過不足なくリークキズ画素の補正を行うことができる。また、それぞれのビット分解能モードに対応したキズ画素情報をメモリに格納する必要もないので、キズ画素の抽出時間の短縮、及び、撮像装置のメモリ削減も可能となる。
なお、全体制御・演算回路106におけるキズ画素の補正に関しては、公知の補間方法を用いて実施可能である。
以上のように、S信号読み出し期間の長さに応じて、キズ補正やノイズ低減処理のレベルを変えることで、精度良く適切なノイズ低減処理を実施することが可能となる。なお、本第1の実施形態で示したS信号読み出し期間の異なる駆動は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
<変形例>
画像のキズ、及びノイズ補正としては、撮影された画像からキズ画素を検出して補正を行う、リアルタイムキズ補正方法がある。リアルタイムキズ補正も公知の技術であり、様々な手法が開示されているが、基本的には得られた画素の出力が周辺画素の信号に対して予め設定した閾値以上のレベル差があれば欠陥画素と判定し、キズ補正を実施するものである。
図8はS信号読み出し期間T1、T2におけるダーク画像のヒストグラムであり、横軸が画素信号の出力、縦軸が累積頻度である。S信号読み出し期間T2のモードの方が、S信号読み出し期間T1のモードに比べてヒストグラムの分布が横に広がっており、画像としてノイズの多い状態となっている。これは、前述の通り、S信号−N信号処理の誤差がS信号読み出し期間T2の方で大きくなるためである。
そこで、このノイズの差を考慮して、キズ判定閾値を、読み出しモード、すなわちS信号読み出し期間の長さに応じてレベルを変えて、リアルタイムキズ検出及び補正を行う。例えば、S信号読み出し期間T2となる高ビット分解能モードでのキズ判定に用いる閾値を、S信号読み出し期間T1となる低ビット分解能モードでのキズ判定に用いる閾値より低めに設定することで、補正後のノイズ量を同等とすることができる。
また、リアルタイムキズ補正だけでなく、その他のノイズ低減処理に関しても、処理の強さをS信号読み出し期間の長さに応じて変えることが望ましい。
また、本発明はFHDなどの動画モードにおいて、画像の画素数を低画素化して読み出すモードに対しても好適である。低画素化方法には3画素中1画素読み出す間引き方法や、3画素中2画素加算したり、3画素中3画素加算する加算方法がある。その際は、ノイズ低減処理のレベルは、同じ加算数の処理を行った場合において、S信号読み出し期間の長さに応じて変えることが好適である。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。撮像装置100の全体的な構成は、図1を参照して説明したものと同様であるが、撮像素子103の構成が第1の実施形態において説明したものと異なる。以下、図9を参照して、本発明の第2の実施形態における撮像素子103の構成について説明する。
第2の実施形態では、図9に示すように、マイクロレンズアレイを形成する個々のマイクロレンズ804に対応する構成を1つの画素と定義し、これを単位画素800とする。また、1つのマイクロレンズ804に対して複数のフォトダイオード(PD)が対応するように配置されている。なお、第2の実施形態では、単位画素800にはX軸方向に2つのPD801A及びPD801B(光電変換部)が配置されている場合について説明する。これに対応して、第2の実施形態における列回路1009は、3つのメモリを有する。このような単位画素800及び列回路1009が、図2に示す撮像素子103の構成において、単位画素200と列回路203の代わりに用いられる。
図10は、撮影レンズ903から出射された光が1つのマイクロレンズ804を通過してPD801A、801Bで受光される様子を、光軸Zに対して垂直方向(Y軸方向)から観察した図である。レンズ絞り904により制限され、射出瞳901、902を通過した光は、光軸Zを中心として単位画素800に入射する。図10に示すように射出瞳901を通過する光束はマイクロレンズ804を通して、PD801Aで受光され、射出瞳902を通過する光束はマイクロレンズ804を通して、PD801Bで受光される。したがって、PD801AとPD801Bはそれぞれ撮影レンズ903の射出瞳の異なる領域の光を受光している。
このように瞳分割されたPD801Aから得られる信号をX軸方向に並ぶ複数の単位画素800から取得し、これらの出力信号群で構成した被写体像をA像とする。同様に瞳分割されたPD801Bの信号をX軸方向に並ぶ複数の単位画素800から取得し、これらの出力信号群で構成した被写体像をB像とする。A像とB像に対して相関演算を実施し、像のずれ量(瞳分割位相差)を検出し、さらに像のずれ量に対して撮影レンズ903の焦点位置と光学系から決まる変換係数を乗じることで、画面内の任意の被写体位置に対応した焦点位置を算出することができる。ここで算出された焦点位置情報に基づいて、撮影レンズ903のフォーカスを制御することで、撮像面位相差AFが可能となる。
また、A像信号とB像信号とを足し合わせて得られたA+B像信号を、通常の撮影画像に用いることができる。
図11は、第2の実施形態における撮像素子103の単位画素800の画素回路及び列回路1009の一例を示す図である。単位画素800において、PD801Aには転送スイッチ1002Aが接続され、PD801Bには転送スイッチ1002Bが接続される。PD801A、801Bで発生した電荷は、それぞれ転送スイッチ1002A、1002Bを介して共通のFD1004に転送され、一時的に保持される。FD304に転送された電荷は、選択スイッチ1006がオンされると、ソースフォロワアンプを形成する増幅MOSトランジスタ(SF)1005を介して電荷に対応した電圧として垂直出力線201に出力される。なお、選択スイッチ1006は行単位で制御され、選択された行の画素信号が一括して垂直出力線201に出力される。リセットスイッチ1003は、FD1004の電位、及び転送スイッチ1002A、及び1002Bを介してPD801A、801Bの電位をVDDにリセットする。転送スイッチ1002A、1002B、リセットスイッチ1003、選択スイッチ1006は、それぞれ垂直走査回路208に接続されている信号線を介して制御信号PTXA、PTXB、PRES、PSELにより制御される。
次に、列回路1009の回路構成について説明する。なお、列回路1009は、第1の実施形態で説明した列回路203とほぼ同様の構成であるため、ここでは差異のみ説明する。上述したように、単位画素800は2つのPD801A、801Bを有し、後述する撮像面位相差AFを行うモード(撮像面位相差AFモード)においては、A像信号とA+B像信号をそれぞれ読み出す。そのため、第2の実施形態における列回路1009は、AD変換されたデジタル信号を保持するメモリを3つ備える。メモリ1015には、FD1004のリセット信号(以下、「N信号」)をAD変換したデジタル信号が保持される。メモリ1016には、PD801Aの信号をFD1004のN信号に重畳した信号(以下、「S(A)信号」)をAD変換したデジタル信号が保持される。そして、メモリ1017にはPD801A及びPD801Bの信号をFD1004のN信号に重畳した信号(以下「S(A+B)信号」)をAD変換したデジタル信号が保持される。メモリ1015に保持されたN信号は水平走査回路205からの制御信号によって、水平出力線216を介してデジタル出力処理回路207へ出力される。また、メモリ1016、1017に保持されたS(A)信号及びS(A+B)信号は、水平走査回路205からの信号によって、水平出力線217を介してデジタル出力処理回路207へ出力される。そして、デジタル出力処理回路207において、S(A)信号及びS(A+B)信号からN信号の差分が算出されて、ノイズの要因となるFD304のリセットノイズ成分が除去された信号が出力される。
図12及び図13は、図11に示す回路構成を有する撮像素子103の1行分の単位画素800からの電荷読み出し動作の一例を示すタイミングチャートである。第2の実施形態における撮像素子103は、通常撮影モード(第1の駆動)と撮像面位相差AFモード(第2の駆動)を有し、図12が通常撮影モードのタイミングチャート、図13が撮像面位相差AFモードのタイミングチャートである。各駆動パルスのタイミング、参照電圧Vslope、CLK、水平走査信号を模式的に示している。また、各タイミングにおける、垂直出力線の電位Vlもあわせて示している。
まず、図12を参照しながら、通常撮影モードにおける電荷読み出し動作について説明する。なお、時刻t1107でAD変換されたN信号がメモリ1015に保持されるまでは、第1の実施形態で説明した図4の時刻t407までの駆動と同様なので、説明を省略する。
N信号読み出し期間が終了した後の時刻t1107、t1108で制御信号PTXA及びPTXBを順次Hi、LoとしてPD801A及びPD801Bに蓄積された光電荷をFD1004に転送する。すると、電荷量に応じたFD1004の電位変動が垂直出力線201にS(A+B)信号レベル(光成分+リセットノイズ成分(N信号))として読み出され、列回路1009に入力される。S(A+B)信号はアンプ1010で所望のゲインで増幅された後、時刻t1109、t1110で制御信号PSHを順次Hi、Loとしてスイッチ1011がオン、オフされるタイミングで容量1012に保持される。容量1012に保持された電位は比較器1013の一方に入力される。時刻t1110でスイッチ1011がオフされた後、時刻t1111からt1113まで、スロープ電圧発生回路204により、参照電圧Vslopeを時刻と共に初期値から減少させていく。参照電圧Vslopeの遷移開始と共に、CLKをカウンタ1014に供給する。CLKの数に応じてカウンタ1014の値は増加していく。そして、比較器1013に入力した参照電圧VslopeがS(A+B)信号と同じレベルになると、比較器1013の出力COMPはローレベルとなり、同時にカウンタ1014の動作も停止する(時刻t1112)。この、カウンタ1014の動作が停止した時の値が、S(A+B)信号がAD変換された値となり、S(A+B)信号用メモリ1017に保持される。ここで、時刻t1104からt1110までの期間T3がS(A+B)信号読み出し期間となる。
続いて、メモリ1015、1017に保持された信号を水平走査回路205により読み出す。時刻t1113より、列回路1009ごとに順次動作させることでメモリ1015、1017に保持された信号は水平出力線216、217を通り、デジタル出力処理回路207に送られ、そこで差動信号レベル(光成分)が算出される。
このように、制御信号PTXAとPTXBを同時にオンすることにより、PD801A、801Bに蓄積された電荷を同時にFD1004に転送して撮像信号を読み出すことができる。
続いて、図13を参照しながら、撮像面位相差AFモードにおける電荷読み出しについて説明する。撮像面位相差AFモードでは、AF用の情報と撮像用の情報の両方を取得することができる。
撮像面位相差AFモードにおいても、時刻t1207でAD変換されたN信号がメモリ1015に保持されるまでは、第1の実施形態で説明した図4の時刻t407までの駆動と同様なので、説明を省略する。
N信号読み出し期間が終了した後の時刻t1207、t1208で制御信号PTXAを順次Hi、LoとしてPD801Aに蓄積された光電荷をFD1004に転送する。すると、電荷量に応じたFD1004の電位変動が垂直出力線201にS(A)信号レベル(光成分+リセットノイズ成分(N信号))として読み出され、列回路1009に入力される。S(A)信号はアンプ1010で所望のゲインで増幅されたのち、時刻t1209、t1210で制御信号PSHを順次Hi、Loとしてスイッチ1011がオン、オフされるタイミングで容量1012に保持される。容量1012に保持された電位は比較器1013の一方に入力される。時刻t1210でスイッチ1011がオフされた後、時刻t1211からt1213まで、スロープ電圧発生回路204により、参照電圧Vslopeを時刻と共に初期値から減少させていく。参照電圧Vslopeの遷移開始と共に、CLKをカウンタ1014に供給する。CLKの数に応じてカウンタ1014の値は増加していく。そして、比較器1013に入力した参照電圧VslopeがS(A)信号と同じレベルになると、比較器1013の出力撮像面位相差AFはローレベルとなり、同時にカウンタ1014の動作も停止する(時刻t1212)。この、カウンタ1014の動作が停止した時の値が、S(A)信号がAD変換された値となり、S(A)信号用メモリ1016に保持される。
続いて、時刻t1213、t1214で制御信号PTXA、PTXBを順次Hi、LoとしてPD801A及びPD801Bに蓄積された光電荷をFD1004に転送する。すると、電荷量に応じたFD1004の電位変動が垂直出力線201にS(A+B)信号レベル(光成分+リセットノイズ成分(N信号))として読み出され、列回路1009に入力される。S(A+B)信号はアンプ1010で所望のゲインで増幅された後、時刻t1215、t1216で制御信号PSHを順次Hi、Loとしてスイッチ1011をオン、オフされるタイミングで容量1012に保持される。容量1012に保持された電位は比較器1013の一方に入力される。時刻t1216でスイッチ1011がオフされた後、時刻t1217からt1219まで、スロープ電圧発生回路204により、参照電圧Vslopeを時刻と共に初期値から減少させていく。参照電圧Vslopeの遷移開始と共に、CLKをカウンタ1014に供給する。CLKの数に応じてカウンタ1014の値は増加していく。そして、比較器1013に入力した参照電圧VslopeがS(A)信号と同じレベルになると、比較器1013の出力COMPはローレベルとなり、同時にカウンタ1014の動作も停止する(時刻t1218)。この、カウンタ1014の動作が停止した時の値が、S(A+B)信号がAD変換された値となり、S(A+B)信号用メモリ1017に保持される。ここで、時刻t1204からt1216までが、N信号が容量1012に保持されてから、S(A+B)信号が容量1012に保持される時間であり、S(A+B)信号読み出し期間となる。
続いて、メモリ1015、1016、1017に保持された信号を水平走査回路205により読み出す工程について説明する。S(A)信号が読み出された後の時刻t1213より、列回路1009ごとに順次動作させることでメモリ1015、1016に保持された信号は水平出力線216、217を通り、デジタル出力処理回路207に送られる。そして、差動信号レベル(A像の光成分)が算出される。また、S(A+B)信号が読み出された後の時刻t1219より、列回路1009ごとに順次動作させることでメモリ1015、1017に保持された信号は水平出力線216、217を通り、デジタル出力処理回路207に送られる。そして、そこで差動信号レベル(撮像画像の光成分)が算出される。
このように、最初に制御信号PTXAのみオンしてA像信号を読み出し、その後、制御信号PTXAとPTXBを同時にオンして撮像信号(A+B像信号)を読み出すことにより、AF用の情報と撮像用の情報の両方を取得することができる。なお、AF用のB像信号はA+B像信号からA像信号を減算することにより算出することができる。この処理は、信号処理回路104で行っても良いし、全体制御・演算回路106で行っても良い。
撮像装置100は、シーンや用途に応じて通常撮影モードと撮像面位相差AFモードを使い分けることができる。この時、N信号(リセット信号)を読み出した時刻から撮像用信号(A+B像信号)が読み出されるまでの時間は、通常撮影モード(T3)と撮像面位相差AFモード(T4)とで異なる。T4の方が、A像信号読み出しを行っている分長くなる。ここで課題となってくるのが、第1の実施形態で説明したようにリーク電流の影響によるノイズ差である。
そこで、第1の実施形態と同様に、撮像用信号が読み出されるまでの時間に応じて補正対象とするキズ補正のレベルや、ノイズ低減処理の強さを変えることで解決することができる。例えば、図7を参照して説明した処理において、S11でビット分可能モードを取得する代わりに撮影モードを取得し、S14において取得した撮影モードが通常撮影モードであるか否かを判断する。そして、撮像面位相差AFモードの場合に、以下の式(2)によりキズレベルを調整することで、補正対象の画素であるか否かを決定することができる。通常撮影モードで抽出されたリークキズのレベルをL3とすると、撮像面位相差AFモードでのリークキズレベルL4を、
L4=T4/T3×L3×α …(2)
により求める(αはT4/T3×α>1を満たす任意の係数)。
また、リアルタイムキズ補正やその他のノイズ低減処理に関しても、処理の強さをS信号読み出し期間の長さに応じて変えることで、低ノイズの撮影画像を得ることができる。
以上のように、焦点検出が行える構成の撮像素子を備えた撮像装置においても、S信号読み出し期間の長さに応じて、キズ補正やノイズ低減処理のレベルを変えることで、精度良く適切なノイズ低減処理を実施することが可能となる。
なお、上述した例では、全ての画素が図9に示す構成を有するものとして説明したが、本発明はこれに限るものではなく、少なくとも一部の画素を図9に示す構成とすることで、撮像面位相差AFを行うことが可能である。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第2の実施形態において、図11に示す撮像素子103の駆動方法について2つのモードを説明した。撮像面位相差AFモードにおいては、AF用の情報と撮像用の情報の両方を取得可能であるが、A像信号を読み出してから、A+B像信号を読み出すため、通常撮影モードに比べて1枚の画像取得に必要な読み出し時間が長くなりフレームレートが下がってしまう。
そこで、1フレームにおいて、撮像面位相差AFモードで読み出す行と通常撮影モードで読み出す行を混在させれば、フレームレートを大きく落とすことなくAF用情報を得ることが可能である。以下、このモードを行選択的撮像面位相差AFモードと呼ぶ。
図14は、撮像素子103の画素領域における、行選択的撮像面位相差AFモードでの読み出し方の一例を示す図である。各行における読み出しモードを示しており、ここでは4行のうち1行をAF用情報を取得するために撮像面位相差AFモードで読み出す駆動とし、その他の3行を通常撮影モードで読み出す駆動としている。このように、行単位で所定の割合で、撮像面位相差AFモードと通常撮影モードとによる読み出しを交互に行う。
通常読み出しモード、撮像面位相差AFモードそれぞれの駆動は、第2の実施形態で説明した図12、図13のタイミングチャートと同様に駆動することで実施可能である。
図14に示したような行選択的撮像面位相差AFモードの場合、1フレーム内で行によってS信号読み出し期間の長さが異なることになる。すなわち、リーク電流の影響により、行によってノイズ差が出てしまい、ノイズ差が大きい場合は、横縞ノイズとなって画質劣化の要因となってしまう。
そこで、第3の実施形態においては、1フレーム内の通常撮影モード行と撮像面位相差AFモード行とで、キズ補正のレベルや、ノイズ低減処理の強さを変える。撮影時に予め、どの行がどのモードで信号読み出しを行うかを記憶しておき、その情報に応じてキズ補正のレベルやノイズ低減処理の強さを変えることで実施可能である。
以上のように、1フレーム内で行によってS信号読み出し期間が異なる駆動となる行選択的撮像面位相差AFモード駆動において、S信号読み出し期間の長さに応じて、キズ補正やノイズ低減処理のレベルを変えることで、精度良く適切なノイズ低減処理を実施することが可能となる。
100:撮像装置、101:撮像レンズ、103:撮像素子、104:信号処理回路、105:タイミング発生回路、106:全体制御・演算回路、203:列回路、204:スロープ電圧発生回路、207:デジタル出力処理回路、301、801A、801B::フォトダイオード(PD)、313、1013:比較器、314、1014:カウンタ、315、316、1015、1016、1017:メモリ

Claims (11)

  1. 撮像素子と、該撮像素子から読み出された信号を処理して画像を生成する画像処理手段とを有する撮像装置であって、
    前記撮像素子が、
    複数のマイクロレンズと、
    前記複数のマイクロレンズそれぞれに、少なくとも1つの光電変換部が対応するように構成された複数の光電変換部と、
    前記複数の光電変換部から撮像信号を読み出す読み出し手段と、
    読み出された撮像信号を保持するメモリとを有し、
    前記撮像素子は、前記読み出し手段が前記複数の光電変換部に蓄積された撮像信号を読み出して前記メモリに保持するまでの信号読み出し期間が異なる、少なくとも2つ以上の駆動方法により駆動され、
    前記画像処理手段は、前記読み出された撮像信号ノイズを低減するノイズ低減処理を行うノイズ低減手段を備え、該ノイズ低減手段は、前記読み出された撮像信号のうち、前記ノイズ低減処理を行う撮像信号を判定して前記ノイズ低減処理を行い、該判定を行う際に、前記信号読み出し期間の異なる2つ以上の駆動方法において該判定のレベルを調整することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記ノイズ低減手段は、前記信号読み出し期間が第1の期間の場合に、前記第1の期間よりも短い第2の期間の場合よりも前記ノイズ低減処理を行う撮像信号と判定されやすくなるように前記判定のレベルを調整することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 予め決められた条件で撮影を行った場合に、欠陥が現れる撮像信号に対応した光電変換部のアドレスと、欠陥の種類と、欠陥のレベルとを含む欠陥情報を予め記憶した記憶手段を更に有し、
    前記ノイズ低減手段は、前記信号読み出し期間に応じて前記欠陥のレベルが変わる種類の欠陥に対して、前記予め決められた条件における信号読み出し期間と、前記撮像信号の読み出しにかかった信号読み出し期間との比に応じて、前記欠陥のレベルを調整することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記ノイズ低減手段は前記撮像素子の感度を取得し、該感度が第1の感度の場合、前記第1の感度よりも低い第2の感度の場合よりもより低い欠陥のレベルで前記ノイズ低減処理を行うと判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記ノイズ低減手段は、撮影ごとに前記撮像信号のレベルに応じて欠陥画素を検出して補正する処理を行い、前記欠陥画素を検出するための閾値は、前記信号読み出し期間が第3の期間の場合に、前記第3の期間よりも短い第4の期間の場合よりも低いことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  6. 前記メモリに保持された信号をアナログデジタル変換する変換手段を更に有し、
    前記読み出し手段は、前記撮像信号に先立って前記撮像素子からリセットレベルの信号を読み出して前記メモリに保持し、前記変換手段により前記保持されたリセットレベルの信号の変換が終了してから、前記撮像信号の読み出しを開始することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7. 前記駆動方法は、前記変換手段に異なるビット数のデジタル信号に変換させる駆動方法を含み、ビット数が多いほど、前記信号読み出し期間が長くなることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  8. 前記読み出し手段は、前記複数の光電変換部の撮像信号を予め決められた数ずつ加算して読み出し、
    前記ノイズ低減手段は、前記加算数が同じで、かつ前記信号読み出し期間の長さが異なる場合に、前記判定のレベルを調整することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
  9. 前記撮像素子は、前記複数のマイクロレンズの少なくとも一部のマイクロレンズそれぞれに、複数の光電変換部が対応するように構成され、
    前記駆動方法は、前記各マイクロレンズに対応する前記複数の光電変換部からの前記撮像信号を加算して読み出す第1の駆動方法と、前記複数の光電変換部それぞれ前記撮像信号を取得可能に読み出す第2の駆動方法とを含み、
    前記第1の駆動方法よりも、前記第2の駆動方法による前記信号読み出し期間が長いことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
  10. 前記読み出し手段は、各フレームにおいて、前記第1の駆動方法と前記第2の駆動方法による読み出しを、予め決められた割合で行単位で行うことを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
  11. 複数のマイクロレンズと、前記複数のマイクロレンズそれぞれに、少なくとも1つの光電変換部が対応するように構成された複数の光電変換部と、前記複数の光電変換部から撮像信号を読み出す読み出し手段と、読み出された撮像信号を保持するメモリとを有する撮像素子と、該撮像素子から読み出された信号を処理して画像を生成する画像処理手段とを有する撮像装置の制御方法であって、
    前記撮像素子は、前記読み出し手段が前記複数の光電変換部に蓄積された撮像信号を読み出して前記メモリに保持するまでの信号読み出し期間が異なる、少なくとも2つ以上の駆動方法により駆動され、前記画像処理手段は、前記読み出された撮像信号ノイズを低減するノイズ低減処理を行うノイズ低減手段を備え、
    前記ノイズ低減手段が、前記撮像信号の読み出しに用いられた駆動方法にる信号読み出し期間を取得する取得工程と、
    前記ノイズ低減手段が、前記信号読み出し期間の異なる2つ以上の駆動方法において、前記読み出された撮像信号のうち、前記ノイズ低減処理を行う撮像信号を判定するレベルを調整する調整工程と、
    前記調整されたレベルに応じて前記ノイズ低減処理を行う撮像信号を判定する判定工程と
    を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
JP2014138019A 2014-07-03 2014-07-03 撮像装置及びその制御方法 Active JP6355459B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014138019A JP6355459B2 (ja) 2014-07-03 2014-07-03 撮像装置及びその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014138019A JP6355459B2 (ja) 2014-07-03 2014-07-03 撮像装置及びその制御方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2016015695A JP2016015695A (ja) 2016-01-28
JP2016015695A5 JP2016015695A5 (ja) 2017-08-10
JP6355459B2 true JP6355459B2 (ja) 2018-07-11

Family

ID=55231561

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014138019A Active JP6355459B2 (ja) 2014-07-03 2014-07-03 撮像装置及びその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6355459B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6736329B2 (ja) * 2016-03-31 2020-08-05 キヤノン株式会社 撮像素子
JP6765859B2 (ja) 2016-05-31 2020-10-07 キヤノン株式会社 撮像装置、およびその制御方法
JP6701001B2 (ja) * 2016-06-22 2020-05-27 キヤノン株式会社 撮像装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体
JP2018148263A (ja) * 2017-03-01 2018-09-20 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 固体撮像装置、及び、電子機器
JP7250428B2 (ja) * 2018-03-22 2023-04-03 キヤノン株式会社 撮像装置およびその制御方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3927702B2 (ja) * 1998-09-24 2007-06-13 キヤノン株式会社 画像処理装置、自動焦点検出装置、補正装置、補正方法及び記憶媒体
JP4977541B2 (ja) * 2007-07-18 2012-07-18 富士フイルム株式会社 ディジタル・カメラおよびその動作制御方法
JP5153563B2 (ja) * 2008-10-21 2013-02-27 キヤノン株式会社 固体撮像装置及びその駆動方法
JP5742313B2 (ja) * 2011-03-10 2015-07-01 株式会社ニコン 撮像装置
JP5893572B2 (ja) * 2012-03-01 2016-03-23 キヤノン株式会社 撮像装置、撮像システム、撮像装置の駆動方法
JP5968146B2 (ja) * 2012-07-31 2016-08-10 キヤノン株式会社 固体撮像装置およびカメラ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016015695A (ja) 2016-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9894295B2 (en) Imaging device and imaging system
US10038868B2 (en) Solid-state image sensing device and electronic device
US9531972B2 (en) Solid-state imaging device, method for driving the same, and imaging device
JP5852324B2 (ja) 撮像装置及びその制御方法、プログラム
WO2017047010A1 (en) Image sensor and image capturing apparatus
JP5312246B2 (ja) 撮像装置及び制御方法
US20140192249A1 (en) Image capturing apparatus and method for controlling the same
US20130070129A1 (en) Image capturing apparatus and defective pixel detection method
JP6602109B2 (ja) 制御装置、撮像装置、制御方法、プログラム、および、記憶媒体
US10630912B2 (en) Image sensor, image capturing apparatus, and method for controlling image sensor
JP6355459B2 (ja) 撮像装置及びその制御方法
JP2010245891A (ja) 撮像装置および撮像方法
US8169524B2 (en) Image sensing apparatus with pixel readout correction
US10277855B2 (en) Image sensing device and control method thereof with switchable analog-to-digital conversion modes based on the amount of dark current generated in pixels
US20180295307A1 (en) Image sensing apparatus and control method therefor
JP2008017100A (ja) 固体撮像装置
JP2008148082A (ja) 固体撮像装置
JP2016167773A (ja) 撮像装置及び撮像装置の処理方法
JP2008118571A (ja) 撮像装置及びその制御方法
JP2020057892A (ja) 撮像装置
US10368020B2 (en) Image capturing apparatus and control method therefor
JP2018133685A (ja) 撮像素子、その制御方法、および制御プログラム、並びに撮像装置
JP2021072529A (ja) 撮像装置及びその制御方法
JP2019186817A (ja) 固体撮像素子、撮像装置および固体撮像素子の制御方法
JP2010141392A (ja) 固体撮像装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170630

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170630

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180514

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180612

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6355459

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151