JP5741818B2 - リチウムイオン二次電池用活物質の製造方法およびその用途 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用活物質の製造方法およびその用途 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用活物質の製造方法およびその用途に関する。
近年、AV機器あるいはパソコン、携帯型通信機器などのポータブル化やコードレス化が急速に促進されており、これらの電子機器やその他の動力用の駆動機器用電源として、高エネルギー密度で負荷特性の優れた二次電池が要望されており、高電圧、高エネルギー密度で、サイクル特性に優れているリチウムイオン二次電池の利用が拡大している。そして、電子機器や通信機器のより一層の多機能化や、電気自動車あるいは大型電力貯蔵装置など新たな分野での利用に対応するため、リチウムイオン二次電池のさらなる高容量化、サイクル特性の向上が望まれている。
非水電解液を用いるリチウムイオン二次電池(以下、「非水電解液リチウムイオン二次電池」と称する。)において、電極反応を促進するためには、電極活物質からリチウムイオンが移動し易いようにしなければならず、そのためには、電極活物質の粒子径を小さくするとともに、結晶構造を均一にする必要のあることが知られている。
非水電解液リチウムイオン二次電池の電極活物質の製造方法としては、リチウム化合物と遷移金属化合物を高温で熱処理する方法が一般的である。例えば、特許文献1では、炭酸リチウムや硝酸リチウムなどのリチウム化合物と、酸化コバルトや炭酸コバルトなどのコバルト化合物を混合し、ロータリー円筒型の加熱装置を用いて、600〜800℃で5時間、次いで850〜950℃で5時間熱処理することにより、リチウムコバルト複合酸化物を製造する方法が開示されている。また、特許文献2には、炭酸リチウムとマンガン酸化物(Mn)を混合し、650℃で6時間、次いで850℃で14時間熱処理することにより、リチウムマンガン複合酸化物を製造する方法が開示されている。
これらの高温で熱処理する方法の場合には、固相反応の促進により粒子同士の焼結反応が進行するため、非水電解液リチウムイオン二次電池の電極活物質として用いた場合に、十分な電池性能を発揮できないという問題点がある。そこで、粒子同士の焼結を防ぐために、種々の方法が試みられており、例えば、特許文献3には、焼成温度で分解せず、原料であるリチウム化合物やマンガン化合物および生成物であるリチウムマンガン複合酸化物と反応しない不活性溶融剤を添加して、粒子同士の焼結を防ぎながら500〜900℃で熱処理する方法が開示されている。あるいは、特許文献4には、水酸化リチウムとマンガン酸化物を原料とし、水を溶媒として湿式混合した後、350〜500℃で一次焼成し、次いで600〜800℃の比較的低温で二次焼成する、リチウムマンガン複合酸化物の製造法が開示されている。
しかしながら、特許文献3や4に開示された方法等においては、熱処理は外部からの加熱により行われており、こうした外部加熱の場合には、原料のリチウム化合物や遷移金属化合物の粒子は、表面から加熱されるので、粒子内部まで十分に熱処理するためには長時間に亘る加熱が必要となり、その結果、粒子表面は必要以上に長時間に亘って加熱されることとなり、隣接する粒子同士の焼結を十分には防止することができない。また、粒子表面と粒子内部との温度差により構成元素の分布状態に違いが生じ、微細な結晶構造に歪みが発生するなどの恐れがある。そのため、焼成温度や時間などの条件が最適でない場合には、粒子の凝集や結晶構造の不均一性などの問題が起こり、電極活物質として使用した際に電池性能の低下に繋がることがある。
一方、非水電解液リチウムイオン二次電池用電極活物質の製造において、マイクロ波を利用する方法が提案されている。例えば、特許文献5には、置換リチウムニッケル複合酸化物の製造において、原料化合物の混合物をメタノールなどのアルコール中で湿式混合し、少なくともリチウム化合物をメタノールなどに溶解させることでペースト状とし、マイクロ波を用いて乾燥した後、電気炉により600〜900℃で熱処理することが開示されている。また、特許文献6には、リチウムマンガン複合酸化物の製造において、メタノール中に水酸化リチウムおよび二酸化マンガンを加え、メタノールに溶解した水酸化リチウムを二酸化マンガン中に含浸させることで生成するゲル状混合物に、マイクロ波を照射してリチウムマンガン複合酸化物を得る方法が開示されている。
しかしながら、特許文献5あるいは特許文献6に記載の方法のように、溶媒を用いて少なくとも一部の原料化合物を溶解させ、ペースト状あるいはゲル状になった原料混合物を焼成した場合には、生成物であるリチウム遷移金属複合酸化物は、全体が一つの固まりとなった状態で生成する。そのため、電極活物質として使用するのに好適な、所定の粒子径や粒度分布の粉体とするためには、粉砕や分級等の後工程が必要となるため、製造工程が煩雑になる。また、焼成温度が高い場合は、より強く凝集した固まりとなりやすい。
特開2003−306331号公報 特開昭63−187569号公報 特開平10−324521号公報 特開平10−289710号公報 特開平11−162464号公報 特開平10−152326号公報
本発明は、焼成時の粒子同士の焼結を防止することができ、微粒子で、且つ、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池用活物質を、簡潔な工程により製造する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者等は鋭意検討した結果、リチウム化合物と遷移金属化合物を含む化合物を、無溶媒で乾式法で粉砕しながら混合した後、得られた粉体を、所定の雰囲気下、マイクロ波を照射して焼成することにより、焼成後の粉砕や分級など、所定の粒子径や粒度分布の粉体とするため後処理を必要とすることなく、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池に使用することができる活物質を製造できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(1)炭酸リチウム二酸化マンガンを無溶媒下に粉砕混合し、平均粒子径10μm以下の粉体とした後、得られた粉体をマイクロ波透過性容器に入れてマイクロ波焼成炉内に設置し、酸化性雰囲気下、炉の雰囲気温度150℃〜300℃の範囲でマイクロ波を照射して焼成することを特徴とするリチウムイオン二次電池用活物質としてのリチウムマンガン複合酸化物の製造方法。
)前記(1)に記載のリチウムイオン二次電池用活物質としてのリチウムマンガン複合酸化物を用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
本発明の製造方法によれば、マイクロ波が瞬間的に被加熱物質である粉体中に浸透し、粉体が均一に加熱されるため、電気炉を用いて外部加熱により粉体を焼成するのに比べてより短時間で焼成可能となるため、製造効率が向上する。
焼成時間が短いため、結晶成長が抑えられることで、小粒径(表面積が大きい)の焼成物が得られる。
粒子内部まで均等に加熱されるため粒径のムラが小さくなり、隣接する粒子表面が過剰加熱されて凝集することがないので、より均一な微粒子状のリチウム遷移金属複合酸化物が得られる。
そのため、本発明の製造方法で得られた活物質を用いることにより、電池特性、特にサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供できる。
また、無溶媒下で粉砕混合した粉体を用いるので、マイクロ波による焼成で生成するリチウム遷移金属複合酸化物は、湿式法で原料化合物の少なくとも一部を溶解して熱処理した場合のように凝集した固まりとして生成することがないので、焼成後の粉砕や分級など、所定の粒子径や粒度分布の粉体とするための処理が不要で、極めて簡潔な工程でリチウム遷移金属複合酸化物を製造することができる。溶媒を使わないため、安全であり、面倒な溶媒回収も不要である。また、電気炉焼成に比べて焼成(炉内)温度が低いため、炉のダメージが小さい。
本発明の活物質の製造方法に用いるリチウム化合物としては、炭酸リチウム(LiCO)が好ましく用いられる。
また、遷移金属化合物における遷移金属は、Mnが好ましい
遷移金属化合物としては、MnO を好ましく用いることができる
正極活物質として好ましい化合物としてはLiMnなどのリチウムマンガン複合酸化物が挙げられる。
負極活物質として好ましい化合物としては、LiTi12などのリチウムとチタンとの複合酸化物などが挙げられる。
本発明の活物質の製造の際には、まず、目的とする活物質の組成に応じて、化学量論量のリチウム化合物と遷移金属化合物および必要に応じてさらにリン酸塩を、無溶媒下、粉砕混合する。
粉砕混合方法は特に限定されず、ボールミル、振動ボールミル、ハンマーミル、撹拌ミル、遊星粉砕機などを用いることができる。
粉砕混合時間は、使用する装置や、原料となるリチウム化合物あるいは遷移金属化合物の種類によって異なるため、特に限定されるものではなく、所望の粒径の粉体が得られるまで行えばよい。
粉砕混合して得られる粉体の粒子径は、その後マイクロ波照射により生成するリチウムマンガン複合酸化物の粒子径、延いては当該複合酸化物を電極活物質として用いた場合のリチウムイオン二次電池のサイクル特性などに影響を及ぼすこととなる。粒子径が大きすぎる場合は、リチウムイオンが移動し難く、電極活物質としての機能が不十分となるため、粉砕混合後の平均粒子径が10μm以下、好ましくは5μm以下に調製することが好ましい。ここで、平均粒子径は体積基準のメディアン径D50である。
粉砕混合後、得られた粉体を、所定の雰囲気下、マイクロ波を照射して焼成する。焼成は、ガラス製、セラミック製、耐熱性樹脂製などのマイクロ波透過性容器に移し、粉体を収容したマイクロ波透過性容器を、マイクロ波発振器を備えたマイクロ波焼成炉内に設置した後、粉体にマイクロ波を照射することにより行う。
リチウムマンガン複合酸化物を製造する場合は酸化性雰囲気で焼成する。酸化性雰囲気としては、例えば、酸素を含有する雰囲気が使用され、酸素の含有量は、好ましくは3〜40%である。酸化性雰囲気中には、例えば、不活性ガスなどを配合してもよい。このような酸化性雰囲気下で焼成することにより、リチウムイオンと遷移金属化合物との反応が進行し、結晶内部までリチウムイオンを含有した均一なリチウムマンガン複合酸化物が得られる
このようにして得られた焼成物は、放冷後、必要に応じて更に解砕してもよい。この操作によって、更に均一なリチウムマンガン複合酸化物を得ることができる
焼成時において、照射するマイクロ波の周波数および出力は適宜設定することができ、周波数は1〜300GHz、出力は10W〜20kWの範囲で行えばよい。通常、周波数2.45GHzのマイクロ波を照射する。
マイクロ波照射により、リチウム化合物と遷移金属化合物の混合粉体がマイクロ波を吸収して発熱し、焼成が行われる。焼成炉内の温度は、マイクロ波の照射をPID制御などで制御することにより行うことが好ましい。
焼成炉内の温度は、150〜300℃とする。より好ましくは200〜300℃である。150℃未満では、反応が不十分なため、製造物を電極活物質として用いた際に、十分なサイクル特性が得られなくなる。一方、300℃を超えると、リチウムマンガン複合酸化物の結晶性が高くなり過ぎるために、リチウムイオンの挿入・脱離による結晶崩壊が起こり易くなり、電池のサイクル特性が低下する。またLiの沸点が1300℃程度と比較的低いため、あまり高温で焼成するとLiが揮発してしまうおそれがある。焼成時間は、特に限定されるものではないが、炉内温度が150℃では120分以上行う。焼成時間は5分〜240分の範囲が好ましく、焼成時間が長くなると、リチウムマンガン複合酸化物の結晶性が高くなり過ぎるおそれがある。
焼成後のリチウムマンガン複合酸化物は、平均粒子径が0.01μm〜10μm、好ましくは2μm〜5μmの範囲である。平均粒子径が0.01μm未満の場合は、粒子の凝集が起こり易くなり電極層中の電極活物質の分散状態が不均一になりやすい。一方、平均粒子径が大きいと、電極活物質の表面積が小さくなり、充電可能な電気容量が低下する、あるいは、Liが結晶内部で移動する距離が伸び、そのため内部抵抗が高くなるという問題が生じる。マイクロ波焼成では、電気炉による加熱処理に比べて短時間で焼成できるため、粒子の結晶成長が進まないことから、比較的小粒径のリチウムマンガン複合酸化物を製造できる。また、マイクロ波による内部加熱により、結晶構造に組み込まれていない反応不十分なリチウムの量を減らすことができる。また、マイクロ波焼成によって、微細な結晶組織が得られることで、内部空孔が少なく高密度のリチウムマンガン複合酸化物を製造できるため、サイクル寿命が向上する。
上述のようにして製造されたリチウムマンガン複合酸化物を正極活物質として用いることにより、リチウムイオンのドープ/脱ドープが良好に行われて、高容量を有し、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を製造することができる。
次に、本発明のリチウムイオン二次電池について詳細に説明する。本発明のリチウムイオン二次電池では、前述のリチウムマンガン複合酸化物を、電極活物質、好ましくは正極活物質として用いる
正極は、該リチウム遷移金属複合酸化物、導電剤、バインダーからなる。
導電剤としては、例えば、グラファイト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラック類などが挙げられる。
バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが挙げられる。
リチウムイオン二次電池の電解質としては、リチウム塩を有機溶媒に溶解させた非水電解質溶液または固体電解質のいずれかから選ばれる公知のものが用いられる。リチウム塩としては、LiClO、LiBF、LiPF、LiAlCl、LiSbF、LiSCN、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiB10Cl10などから選ばれる1種または2種以上が挙げられる。
有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状カルボン酸エステルなどが挙げられる。
固体電解質としては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、これらの共重合体などの有機固体電解質、硫化物などの無機固体電解質が挙げられる。
本発明のリチウムイオン二次電池の形状は特に限定されず、ラミネート型、コイン型、円筒型、角型などのいずれであってもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
二酸化マンガン(純度99.5%、和光純薬工業社製)104.8gおよび炭酸リチウム(純度99%、和光純薬工業社製)24.6gを、ジルコニアボールの入ったセラミック容器に秤り採り、ボールミル(日陶科学株式会社製)を用いて6時間粉砕しながら混合し、平均粒子径は約5μmの粉体を得た。
得られた粉体を、焼成用セラミック容器に移し、その容器をマイクロ波焼成炉(株式会社共栄電気炉製作所製)に設置し、2.45GHzのマイクロ波を照射した。炉内の雰囲気温度が300℃になった状態を60分間保持した後にマイクロ波の照射を終了した。
照射終了後、自然放冷して得られた生成物を乳鉢解砕して、粉末状のリチウムマンガン複合酸化物を得た。得られたリチウムマンガン複合酸化物の平均粒子径は3.54μmであった。
なお、リチウムマンガン複合酸化物の平均粒子径の測定は、キーエンス社製走査型電子顕微鏡(SEM)による2000倍の画像を解析して、リチウムマンガン複合酸化物の面積および個数を導出し、求積法を用いて行った。3回の測定平均値として求めた。
(実施例2)
炉内の雰囲気温度が200℃になるようにマイクロ波を照射すること以外は、実施例1と同様にしてリチウムマンガン複合酸化物を得た。得られたリチウムマンガン複合酸化物の平均粒子径は3.49μmであった。
(実施例3)
炉内の雰囲気温度を200℃とし、かつ保持時間を30分とすること以外は、実施例1と同様にしてリチウムマンガン複合酸化物を得た。得られたリチウムマンガン複合酸化物の平均粒子径は3.81μmであった。
(比較例1)
実施例1と同様にして二酸化マンガンと炭酸リチウムを粉砕混合した後、焼成用セラミック容器に移し、その容器を電気炉(アドバンテック製)に設置し、加熱を開始した。炉内の雰囲気温度が600℃になった状態で360分間保持した後に電気炉を停止し、室温まで自然放冷した。
放冷後、乳鉢で粉末状になるまで粉砕し、リチウムマンガン複合酸化物を得た。得られたリチウムマンガン複合酸化物の平均粒子径は3.76μmであった。
(実施例4:電池作製例)
実施例1〜3ならびに比較例1で得られたリチウムマンガン複合酸化物を正極活物質とし、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(アルドリッチ製)、導電剤としてアセチレンブラック(ストレムケミカル製)、溶媒としてN−メチルー2−ピロリドン(和光純薬工業社製)を用い、正極活物質、結着剤および導電剤が質量比で90:5:5になるように乳鉢に秤りとり、溶媒のN−メチルー2−ピロリドンを加え、約10分間混合してスラリーを調製した。
正極集電体としてアルミニウム箔を幅1cm、長さ15cmの短冊状に裁断し、重量を測定した後、その表面末端部に上記スラリーを1cmの範囲に塗布した。次いで、乾燥機(アドバンテック製)を用いて60℃で180分間乾燥した後、32.5kNの圧力で塗布した電極材料を圧着させ正極シートを作成した。圧着後の正極シートの重量を測定し、スラリー塗布前のアルミ箔の重量との差から塗布された電極材料の重量を求めた。
このようにして作成した正極シートを厚さ1mmのテフロン(登録商標)板上に置き、正極シートの上に多孔質ポリエチレンフィルムからなるセパレータ(日本化学工業社製)を載置し、さらにセパレータの上に負極シート(日本製箔株式会社製)を載置した後、厚さ1mmのテフロン(登録商標)板を置き、クリップで固定して電極積層体を作成した。
容積50mlの電池容器に電解液を満たし、その中に上記の電極積層体を漬け入れ、評価用電池を組立てた。なお、電解液として、六フッ化リン酸リチウムを溶質、等量の炭酸エチレンと炭酸ジメチルを溶媒とする電解液(キシダ化学社製)を用いた。
(充放電測定)
上記の電池作成例により作成した評価用電池について、電池充放電装置(北斗電工社製)を用いて、電池特性を評価した。電圧範囲は3.0〜4.2V、充放電レートは0.5Cとした。充放電のサイクル数による電池容量の変化を測定した結果を表1に示す。
上記の結果より、マイクロ波を用いて熱処理をする場合は、電気炉を用いて熱処理する場合よりも、短時間、低温で焼成が進行し、同等以上の電池容量を有し、かつ、サイクル特性に優れる電極活物質が得られることがわかる。
本発明によれば、リチウム化合物と遷移金属化合物とを乾式法で粉砕しながら混合し、マイクロ波を照射して焼成することで、リチウム遷移金属複合酸化物を製造できる。電気炉などの外部加熱による場合よりも、低い温度で、短時間で焼成が進行し、粒子同士が凝集することがないので、焼成後に粉砕などの後処理を行う必要がなく、極めて簡単な工程で効率的にリチウム遷移金属複合酸化物を製造することができる。本発明の方法により得られたリチウム遷移金属複合酸化物は、サイクル特性に優れた非水電解液リチウムイオン二次電池用の電極活物質として好適に使用することができる。

Claims (2)

  1. 炭酸リチウム二酸化マンガンを無溶媒下に粉砕混合し、平均粒子径10μm以下の粉体とした後、得られた粉体をマイクロ波透過性容器に入れてマイクロ波焼成炉内に設置し、酸化性雰囲気下、炉の雰囲気温度150℃〜300℃の範囲でマイクロ波を照射して焼成することを特徴とするリチウムイオン二次電池用活物質としてのリチウムマンガン複合酸化物の製造方法。
  2. 請求項に記載のリチウムイオン二次電池用活物質としてのリチウムマンガン複合酸化物を用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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