JP5741708B2 - Esd保護デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、ESD保護デバイスに関し、詳しくは、セラミック多層基板の内部に形成された空洞部内に露出する放電電極の対向部間で放電が発生するESD保護デバイスに関する。
ESD(Electro-Static Discharge;静電気放電)とは、帯電した導電性の物体(人体等)が、他の導電性の物体(電子機器等)に接触、あるいは充分接近したときに、激しい放電が発生する現象である。ESDにより電子機器の損傷や誤作動などの問題が発生する。これを防ぐためには、放電時に発生する過大な電圧が電子機器の回路に加わらないようにする必要がある。このような用途に使用されるのがESD保護デバイスであり、サージ吸収素子やサージアブソーバとも呼ばれている。
ESD保護デバイスは、例えば回路の信号線路とグランド(接地)との間に配置する。ESD保護デバイスは、一対の放電電極を離間して対向させた構造であるので、通常の使用状態では高い抵抗を持っており、信号がグランド側に流れることはない。これに対し、例えば携帯電話等のアンテナから静電気が加わる場合のように、過大な電圧が加わると、ESD保護デバイスの放電電極間で放電が発生し、静電気をグランド側に導くことができる。これにより、ESDデバイスよりも後段の回路には、静電気による電圧が印加されず、回路を保護することができる。
例えば図12の断面図に示すESD保護デバイス1は、セラミック多層基板2の内部に空洞部3と、間隔5を設けて対向する放電電極6,8とが形成されている。放電電極6,8は、空洞部3の内面に沿って形成された対向部7,9を含む。放電電極6,8は、空洞部3からセラミック多層基板2の外周面まで延在し、セラミック多層基板2の外側、すなわちセラミック多層基板2の表面に形成された外部電極6x,8xに接続されている。外部電極6x,8xは、ESD保護デバイス1を実装するために用いる。放電電極6,8の対向部7,9と対向部7,9間の間隔5が形成された部分とに隣接して、導電材料が分散している補助電極4が形成されている。
外部電極6x,8xに所定値以上の電圧が印加されると、放電電極6,8の対向部7,9間において放電が発生し、その放電により過剰な電圧をグランドへ導き、後段の回路を保護することができる。放電電極6,8の対向部7,9間の間隔5や、補助電極4に含まれる導電材料の量や種類などを調整することにより放電開始電圧を設定することができる(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2008/146514号
ESD保護デバイスは、放電を繰り返すと、放電時の熱や衝撃によって放電電極の対向部が溶けたり剥がれたりして、放電電極の対向部間のギャップが大きくなり、その結果、放電開始電圧が高くなり、放電特性が劣化することがある。
特に、放電電極が導電性ペーストの印刷により形成された場合には、図11(a)の要部断面図に示すように、空洞部13の内面に沿って形成される放電電極14,15の対向部14a,15aの端部は、薄く形成されることが多い。放電を繰り返すと、図11(b)の要部断面図に示すように、電子を受ける側の放電電極14の対向部14aが剥がれたり、溶けて短くなったりして、放電電極14,15の対向部14a,15a間のギャップが大きくなりやすいため、放電特性の劣化は、より深刻な問題となる。
また、ESD保護デバイスの本体であるセラミック多層基板を構成するセラミックがガラス成分を含む場合、ESD保護デバイスの焼成時にガラス成分が、放電電極の対向部の薄く形成された先端部に拡散すると焼結が過剰に進行して、微細な金属粒子が緻密に分散した理想状態ではなく、金属粒子が大きく成長し、金属粒子の間に大きな空隙が形成された過焼結状態となる。過焼結状態の放電電極の対向部は、放電時の熱によって金属粒子がさらに大きく成長し、金属粒子が玉状に孤立した、いわゆる玉化状態となり、放電ギャップが実質的に大きくなるため、放電特性が劣化しやすい。補助電極についても、ガラス成分によって過焼結状態となると、放電時の熱によって導電材料の粒子が成長して導電材料の粒子間の距離が拡大し、放電を促進する効果が低減することにより、放電特性が劣化しやすい。
本発明は、かかる実情に鑑み、放電の繰り返しによる放電特性の劣化を抑制することができるESD保護デバイスを提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成したESD保護デバイスを提供する。
ESD保護デバイスは、a)複数の絶縁層が積層された絶縁性多層基板と、(b)前記絶縁性多層基板の内部に形成された空洞部と、(c)前記空洞部の内面に沿って形成され間隔を設けて互いに対向する対向部を有する、少なくとも一対の放電電極と、(d)前記絶縁性多層基板の表面に形成され、前記放電電極と接続された外部電極と、(e)前記絶縁性多層基板の前記絶縁層が積層された積層方向に透視したときに前記放電電極の前記対向部の互いに対向する先端の少なくとも一方を覆うように、かつ、前記放電電極の前記対向部に関して前記積層方向の両側に配置されるように、前記セラミック多層基板の内部に形成された一対の導体部と、(f−1)前記一対の導体部の一方と前記一対の放電電極の一方との間に配置された前記絶縁層を貫通し、前記一方の前記導体部と前記一方の前記放電電極とに接続された第1のビア導体と、(f−2)前記一対の導体部の他方と前記一対の放電電極の他方との間に配置された前記絶縁層を貫通し、前記他方の前記導体部と前記他方の前記放電電極とに接続された第2のビア導体と、を備える。
上記構成において、外部電極間に所定以上の大きさの電圧が印加されると、放電電極の互いに対向する対向部間で放電が発生し、熱が発生する。放電時に発生する熱は、電気及び熱をよく通す導体部に逃がすことができる。
上記構成によれば、放電を繰り返しても放電電極の対向部の温度上昇が抑制される。そのため、放電時に発生する熱で放電電極の対向部が溶解したり剥がれたりすることによって放電電極の対向部間のギャップが大きくなって放電特性が劣化するのを抑制することができる。
放電電極の対向部の両主面側に導体部を配置することにより、放熱とガラス成分の拡散抑制とをより確実に行うことができる。
導体部と放電電極との間は電気及び熱をよく通すため、導体部から放電電極及び外部電極を経てESD保護デバイスの外部に放熱することができるので、放熱をより確実に行うことができる。
好ましくは、前記絶縁性多層基板は、ガラス成分を含むセラミック多層基板である。
この場合、ESD保護デバイスの焼成時に、導体部に関して放電電極の対向部とは反対側にあるガラス成分は、導体部によって、放電電極の対向部に向かっての移動が阻止される。これにより、ガラス成分による放電電極の対向部の過焼結が抑制されるので、放電電極の対向部の過焼結に起因する放電特性劣化を抑制することができる。
好ましくは、前記放電電極の前記対向部の前記先端同士が最短距離で対向する対向領域に形成され、分散した金属材料と半導体材料とを含む放電補助部をさらに備える。前記導体部は、前記積層方向に透視したときに前記対向領域を覆うように形成される。
対向領域に、放電補助部の金属材料と半導体材料とが分散した状態で配置されていると、電子の移動が起こりやすくなるため、効率的に放電現象が生じ、放電特性が安定する。導体部は、放電時に対向領域で発生する熱を効果的に放熱することができる。絶縁性多層基板がガラス成分を含むセラミック多層基板である場合には、ESD保護デバイスの焼成時に、導体部に関して放電補助部とは反対側にあるガラス成分は、導体部によって、放電補助部に向かっての移動が阻止される。これにより、ガラス成分による放電補助部の過焼結が抑制されるので、放電補助部の過焼結に起因する放電特性劣化を抑制することができる。
好ましくは、(g)前記放電電極の前記対向部と前記絶縁層基板の前記絶縁層との間に配置され、前記絶縁層基板の前記絶縁層に含まれる成分の透過を抑制するシール層をさらに備える。
この場合、絶縁性多層基板に含まれる成分は、シール層の透過抑制によって、放電電極の対向部に達しにくくなるため、放電電極の対向部が絶縁性多層基板に含まれる成分の影響を受けて放電特性の劣化をもたらすのを抑制することができる。絶縁性多層基板がガラス成分を含むセラミック多層基板である場合には、ガラス成分の拡散による放電電極の対向部や放電補助部の過焼結に起因する放電特性の劣化を抑制することができる。
本発明によれば、放電の繰り返しによる放電特性の劣化を抑制することができる。
ESD保護デバイスの断面図である。(参考例1−1) ESD保護デバイスの断面図である。(参考例1−1) ESD保護デバイスの要部断面図である。(参考例1−2) ESD保護デバイスの要部断面図である。(実施例 ESD保護デバイスの要部断面図である。(参考例2 ESD保護デバイスの要部断面図である。(参考例3−1) ESD保護デバイスの要部断面図である。(参考例3−2) ESD保護デバイスの要部断面図である。(参考例4) ESD保護デバイスの要部断面図である。(参考例5−1) ESD保護デバイスの要部断面図である。(参考例5−2) ESD保護デバイスの要部断面図である。(説明例) ESD保護デバイスの要部断面図である。(従来例)
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図10を参照しながら説明する。
参考例1−1> 参考例1−1のESD保護デバイス10について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は、ESD保護デバイス10の断面図である。図2は、図1の線X−Xに沿って切断した要部断面図である。
図1及び図2に示すように、ESD保護デバイス10は、図1において上下方向に複数のセラミック層が積層されたセラミック多層基板12の内部に形成された空洞部13と一対の放電電極14,15とを備えている。放電電極14,15は、空洞部13の内面に沿って形成され間隔を設けて互いに対向し空洞部13内に露出する対向部14a,15aを有する。セラミック多層基板12の端面12p,12qには外部電極18,19が形成され、外部電極18,19は放電電極14,15と接続されている。外部電極18,19は、ESD保護デバイス10を回路基板等に実装するために用いられる。
さらに、セラミック多層基板12の内部には、セラミック多層基板12のセラミック層間に配置された導体部34,35と、セラミック多層基板12のセラミック層を貫通するビア導体32,33;36,37とが形成されている。導体部34,35は、ビア導体32,33を介して、放電電極14,15に接続されている。導体部34,35とビア導体32,33と放電電極14,15とは、電気と熱をよく通す導体であり、導体部34,35は放電電極14,15と電気的に接続されている。
導体部34,35は、セラミック多層基板12のセラミック層が積層される積層方向(図1において上下方向)から透視すると、図2に示すように、放電電極14,15の対向部14a,15aの互いに対向する先端14s,15sを覆い、さらに放電電極14,15の対向部14a,15aの先端14s,15s同士が最短距離で対向する対向領域13sを覆うように形成されている。
セラミック多層基板12の上面12a及び下面12bには、外部導体部38,39が形成されている。外部導体部38,39は、ビア導体36,37を介して、導体部34,35に接続されている。導体部34,35とビア導体36,37と外部導体38,39とは、電気と熱をよく通す導体であり、導体部34,35は外部導体38,39と電気的に接続されている。
セラミック多層基板12と空洞部13との間には、シール層16,17が形成されている。シール層16,17は、例えば、セラミック多層基板12を構成しているセラミックスよりも焼結温度が高いセラミックスからなる。シール層16,17を設けることにより、焼成時に、セラミック多層基板12のセラミック中に含まれるガラス成分の拡散を阻止し、放電電極14,15の対向部14a,15aの過焼結を抑制することができる。なお、シール層16,17を設けない構成とすることも可能である。
一方のシール層16の上には、図1において●と○で模式的に示すように、放電電極14,15の対向部14a,15aの先端14s,15s同士が最短距離で対向する対向領域13sに、放電補助部11が形成されている。放電補助部11は、分散した金属材料と半導体材料とを含む。放電時に電子が移動する対向領域13sに、放電補助部11の金属材料と半導体材料とが分散した状態で配置されていると、電子の移動が起こりやすくなるため、効率的に放電現象が生じ、放電特性が安定する。
なお、放電補助部11は、対向領域13sに隣接する領域にも形成しても構わない。例えば、放電電極14,15の対向部14a,15aの上や、放電電極14,15の対向部14a,15aとシール層16との間などにも、形成しても構わない。
ESD保護デバイス10は、外部電極18,19間に所定以上の大きさの電圧が印加されると、空洞部13内において、すなわち、放電電極14,15の対向部14a,15a間で、放電が発生する。放電時に発生する熱は、導体部34,35からビア導体36,37、外部導体部38,39を経てESD保護デバイス10の外部に放熱されたり、導体部34,35からビア導体32,33、放電電極14,15、外部電極18,19を経てESD保護デバイス10の外部に放熱されたりする。このような放熱によって、放電電極14,15の対向部14a,15aの温度上昇を抑制することができる。そのため、放電の繰り返しによって放電電極14,15の対向部14a,15aが溶解したり剥がれたりすることによって放電電極14,15の対向部14a,15a間のギャップが大きくなって、あるいは玉化して放電電極14,15の対向部14a,15a間のギャップが実質的に大きくなって放電特性が劣化するのを抑制することができる。
また、ESD保護デバイス10の焼成時に、導体部34,35に関して放電電極14,15の対向部14a,15aとは反対側にあるガラス成分は、導体部34,35によって、放電電極14,15の対向部14a,15aや放電補助部11に向かっての移動が阻止される。これにより、ガラス成分による放電電極14,15の対向部14a,15aや放電補助部11の過焼結が抑制されるので、放電電極14,15の対向部14a,15aや放電補助部11の過焼結に起因する放電特性劣化を抑制することができる。
導体部34,35は、複数個所に、すなわち、放電電極14,15の対向部14a,15aに関してセラミック多層基板12のセラミック層の積層方向両側に配置されているので、放熱とガラス成分の拡散抑制とをより確実に行うことができる。
導体部34,35は、放電電極14,15の対向部14a,15aの互いに対向する先端14s,15sに沿って、放電電極14,15の対向部14a,15aを広く覆い、積層方向に透視したときに対向領域13sを覆うように形成されている。導体部34,35は、放電電極14,15の対向部14a,15aの互いに対向する先端14s,15sに対向する面積が大きく、放電時の熱を逃がす効果が高いため、放電特性の劣化をより確実に抑制することができる。
参考例1−2> 参考例1−2のESD保護デバイス10aについて、図3を参照しながら説明する。
参考例1−2のESD保護デバイス10aは、参考例1−1のESD保護デバイス10と略同様に構成されている。以下では、参考例1−1と同じ構成部分には同じ符号を用い、参考例1−1との相違点を中心に説明する。
図3は、ESD保護デバイス10aの要部断面図である。図3に示すように、ESD保護デバイス10aは、参考例1−1と同様にセラミック多層基板12のセラミック層間に配置された導体部34a,35aと、外部導体部38a,39aと、ビア導体32a,33a;36a,37aとを備えるが、それらのいずれもが空洞部13の片側、すなわち、放電電極14,15の対向部14a,15aに関して積層方向に空洞部13とは反対側に配置されている。導体部34a,35aは、ビア導体32a,33aを介して放電電極14,15に接続され、また、ビア導体36a,37aを介して外部導体部38a,39aと接続されている。外部導体部38a,39aは互いに十分離れているため、外部導体部38a,39a間で放電は発生しない。
ESD保護デバイス10aは、導体部34a,35aと放電電極14,15の対向部14a,15aとの間に空洞部13が介在しないので、導体部34a,35aを放電電極14,15の対向部14a,15aにより近い位置に配置して、より効果的に放熱を行うことができる。また、ガラス成分の拡散をより効果的に抑制することができる。複数個所に導体部34a,35aが設けられているので、放熱とガラス成分の拡散抑制とをより確実に行うことができる。したがって、放電の繰り返しによる放電特性の劣化を抑制することができる。
<実施例> 実施例のESD保護デバイス10bについて、図4を参照しながら説明する。
図4は、ESD保護デバイス10bの要部断面図である。図4に示すように、ESD保護デバイス10aは、参考例1−1と同様に、セラミック多層基板12のセラミック層間に配置された導体部34,35は、放電電極14,15の対向部14a,15aに関して積層方向両側に配置され、ビア導体32,33を介して放電電極14,15に接続されている。しかし、参考例1−1(図1参照)にはあった外部導体部38,39及びビア導体36,37は備えていない。
ESD保護デバイス10cは、放電電極14,15の対向部14a,15aの両主面側に導体部34,35が配置され、導体部34,35が放電電極14,15に接続されているため、放熱とガラス成分の拡散抑制とをより確実に行うことができる。したがって、放電の繰り返しによる放電特性の劣化を抑制することができる。
参考例2参考例2のESD保護デバイス10cについて、図5を参照しながら説明する。
図5は、ESD保護デバイス10cの要部断面図である。図5に示すように、ESD保護デバイス10cは、参考例1−2と同様に、空洞部13の片側、すなわち、放電電極14,15の対向部14a,15aに関して積層方向に空洞部13とは反対側に配置されている導体部34a,35aとビア導体32a,33aとを備えている。しかし、参考例1−2(図3参照)にはあった外部導体部38a,39aと外部導体部38a,39aに接続されたビア導体36a,37aとは、備えていない。
ESD保護デバイス10cは、導体部34a,35aと放電電極14,15の対向部14a,15aとの間に空洞部13が介在しないので、導体部34a,35aを放電電極14,15の対向部14a,15aにより近い位置に配置して、より効果的に放熱を行うことができる。また、ガラス成分の拡散をより効果的に抑制することができる。
また、複数個所に導体部34a,35aが設けられているので、放熱やガラス成分の拡散抑制をより確実に行うことができる。したがって、放電の繰り返しによる放電特性の劣化を抑制することができる。
参考例3−1> 参考例3−1のESD保護デバイス10dについて、図6を参照しながら説明する。
図6は、ESD保護デバイス10dの要部断面図である。図6に示すように、ESD保護デバイス10dは、参考例1−1と同様に、導体部34,35がビア導体36,37を介して外部導体部38,39に接続されている。しかし、参考例1−1(図1参照)にはあった導体部34,35と放電電極14,15と接続されたビア導体32,33は、備えていない。
ESD保護デバイス10dは、放電電極14,15と、導体部34,35、ビア導体36,37及び外部導体部38,39とは電気的に接続されていないが、放熱を行うことができ、ガラス成分の拡散を抑制することができる。したがって、放電の繰り返しによる放電特性の劣化を抑制することができる。
参考例3−2> 参考例3−2のESD保護デバイス10eについて、図7を参照しながら説明する。
図7は、図1の線X−Xに該当する位置に沿って切断したESD保護デバイス10eの要部断面図である。図7に示すように、ESD保護デバイス10eは、放電電極14,15が配置されるセラミック多層基板12のセラミック層間に、導体部34e,35eが配置されている。導体部34e,35eは、セラミック多層基板12の側面12s,12tまで延在し、セラミック多層基板12の側面12s,12tに形成された外部導体部38e,39eと接続されている。
導体部34e,35eは、セラミック多層基板12のセラミック層が積層された積層方向(図7において紙面垂直方向)と、放電電極14,15の対向部14a,15aが互いに対向する対向方向(図7において左右方向)との両方に対して垂直な方向(図7において上下方向)に透視したときに、放電電極14,15の対向部14a,15aの互いに対向する先端14s,15sを覆い、さらに放電電極14,15の対向部14a,15aの先端14s,15s同士が最短距離で対向する対向領域13sを覆うように形成されている。
ESD保護デバイス10eは、放電時に発生する熱の一部が、導体部34e,35eから外部導体部38e,39eを経てESD保護デバイス10eの外部に放熱されるので、放電電極14,15の対向部14a,15aの温度上昇を抑制することができる。また、導体部34e,35eによって、焼成時のガラス成分拡散を抑制することができる。したがって、放電の繰り返しによる放電特性の劣化を抑制することができる。
参考例4> 参考例4のESD保護デバイス10fについて、図8を参照しながら説明する。
図8は、ESD保護デバイス10fの要部断面図である。図8に示すように、ESD保護デバイス10fは、参考例1−1と同様に、空洞部13の積層方向両側、すなわち、放電電極14,15の対向部14a,15aに関して積層方向両側に配置されている導体部34,35を備えている。しかし、参考例1−1(図1参照)にはあった外部導体部38,39とビア導体32,33;36,37とは、備えていない。
ESD保護デバイス10fは、放電時に発生した熱の一部が、放電電極14,15の対向部14a,15aから導体部34,35に放熱される。また、導体部34,35によって、焼成時のガラス成分拡散を抑制することができる。したがって、放電の繰り返しによる放電特性の劣化を抑制することができる。
参考例5−1> 参考例5−1のESD保護デバイス10gについて、図9を参照しながら説明する。
図9は、ESD保護デバイス10gの要部断面図である。図9に示すように、ESD保護デバイス10gは、参考例4と同様に、空洞部13の積層方向片側、すなわち、放電電極14,15の対向部14a,15aに関して積層方向に空洞部13とは反対側に配置されている導体部34を備えている。しかし、参考例4(図8参照)にはあった導体部35は、備えていない。
ESD保護デバイス10gは、導体部34と放電電極14,15の対向部14a,15aとの間に空洞部13が介在しないので、導体部34,35を放電電極14,15の対向部14a,15aにより近い位置に導体部34を配置して、より効果的に放熱を行うことができる。また、導体部34は、焼成時のガラス成分拡散を抑制することができる。したがって、放電の繰り返しによる放電特性の劣化を抑制することができる。
参考例5−2> 参考例5−2のESD保護デバイス10hについて、図10を参照しながら説明する。
図10は、ESD保護デバイス10hの要部断面図である。図10に示すように、ESD保護デバイス10hは、参考例3−1(図6参照)にあった導体部33,34とビア導体36,37と外部導体部38,38のうち、空洞部13の積層方向片側、すなわち、放電電極14,15の対向部14a,15aに関して積層方向に空洞部13とは反対側に配置されている導体部34、ビア導体36及び外部導体部38を備えているが、空洞部13側に配置されている導体部35、ビア導体37及び外部導体部39は備えていない。
ESD保護デバイス10hは、導体部34から外部導体部38を経てESD保護デバイス10hの外部に放熱を行うことができる。また、導体部34は、焼成時のガラス成分拡散を抑制することができる。したがって、放電の繰り返しによる放電特性の劣化を抑制することができる。
<作製例> 上記各実施例のESD保護デバイスの作製例について、説明する。
(1)材料の準備
セラミック多層基板のセラミック層の材料となるセラミック材料には、Ba、Al、Siを中心とした組成からなる材料を用いる。各素材を所定の組成になるよう調合、混合し、800−1000℃で仮焼する。得られた仮焼粉末をジルコニアボールミルで12時間粉砕し、セラミック粉末を得る。このセラミック粉末に、トルエン・エキネンなどの有機溶媒を加え混合する。さらにバインダー、可塑剤を加え混合し、スラリーを得る。このようにして得られたスラリーをドクターブレード法により成形し、厚さ50μmのセラミックグリーンシートを得る。
セラミック多層基板がガラス成分を含むようにするため、セラミック原料粉末に予めガラスを添加する。焼成時にガラスが生成されるセラミック原料粉末を用いてもよい。
また、放電電極を形成するための電極ペーストを作製する。平均粒径約1.5μmのCu粉80wt%とエチルセルロース等からなるバインダー樹脂に溶剤を添加し、ロールで攪拌、混合することで電極ペーストを得る。
放電補助部を形成するための混合ペーストは、金属材料として平均粒径約3μmのCu粉と、半導体材料として平均粒径1μmの炭化ケイ素(SiC)を所定の割合で調合し、バインダー樹脂と溶剤を添加し、ロールで攪拌、混合することで得る。混合ペーストは、バインダー樹脂と溶剤を40wt%とし、残りの60wt%をCu粉と炭化ケイ素とする。
また、空洞部を形成するための樹脂ペーストも同様の方法にて作製する。樹脂ペーストは、樹脂と溶剤からなる。樹脂材料には焼成時に分解、消失する樹脂を用いる。例えばPET、ポリプロピレン、エチルセルロース、アクリル樹脂などである。
また、シール層を形成するためのシール層形成用ペーストを、電極ペーストと同様の手法で作製する。例えば、平均粒径約1μmのAl粉50wt%とエチルセルロース等からなるバインダー樹脂と溶剤50w%をロールで攪拌、混合することで、シール層形成用ペースト(アルミナペースト)を得る。シール層形成用ペーストの固形成分には、セラミック多層基板のセラミック材料よりも焼結温度が高い材料であれば特に限定されない。例えば、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ムライト、石英などを選定することができる。
(2)スクリーン印刷によるペーストの塗布
セラミックグリーンシートに、レーザを用いて貫通孔を形成した後、スクリーン印刷により、貫通孔に電極ペーストを充填して、ビア導体になる部分を形成する。貫通孔は、金型を用いて形成しても構わない。
次いで、放電電極に隣接するセラミック層になるセラミックグリーンシートの上に、シール層形成用ペーストをスクリーン印刷にて塗布して、シール層になる部分を形成する。
次いで、放電電極に隣接する一方のセラミック層になるセラミックグリーンシートの上に、放電補助部を形成するため、混合ペーストを所定のパターンになるよう、スクリーン印刷にて塗布する。混合ペーストの厚みが大きい場合などには、セラミックグリーンシートに予め設けた凹部に、炭化ケイ素/Cu粉の混合ペーストを充填するようにしても構わない。
その上に、電極ペーストをスクリーン印刷にて塗布して、対向部を有する放電電極を形成する。作製例では、放電電極の太さを100μm、放電ギャップ幅(対向部の互いに対向する先端間の間隔の寸法)を30μmとなるように形成した。
さらにその上に、空洞部を形成するため、樹脂ペーストをスクリーン印刷にて塗布する。
また、導体部や外部導体部に隣接する一方のセラミック層になるセラミックグリーンシートの上に、電極ペーストをスクリーン印刷にて塗布して、導体部や外部導体部を形成する。金属箔を用いて、導体部や外部導体部を形成してもよい。
電極ペーストを用いて導体部や外部導体部を形成すると製造工程を簡略化できるが、AlやAu、Niなど他の金属を用いてもよい。放熱のためには熱伝導度が大きいAgを用いると効果が高い。
導体部や外部導体部は、放熱性向上とガラス拡散抑制のためには、厚みが厚く、緻密性が高いものが好ましい。導体部や外部導体部を導電性ペーストで形成する場合は、導電性ペーストに含まれる金属粉末の球形度を上げたり、粒度分布を広くしたり、樹脂比率を下げることにより金属粉末の充填性を上げると緻密性を高くすることができ、導電性ペーストの固形分比率を上げたり、印刷パターンの版厚を厚くすることにより、厚みをより厚くすることができる。導体部や外部導体部を金属箔で形成する場合は、金属箔の厚みを厚くするだけでよい。
(3)積層、圧着
通常のセラミック多層基板と同様に、セラミックグリーンシートを積層し、圧着する。作製例では、厚み0.3mm、その中央に放電電極の対向部と空洞部とが配置されるように積層した。
(4)カット、端面電極塗布
LCフィルタのようなチップタイプの電子部品と同様に、マイクロカッタでカットして、各チップにわける。作製例では、1.0mm×0.5mmになるようにカットした。その後、端面に電極ペーストを塗布し、外部電極を形成する。
(5)焼成
次いで、通常のセラミック多層基板と同様に、N雰囲気中で焼成する。ESDに対する応答電圧を下げるため空洞部にAr、Neなどの希ガスを導入する場合には、セラミック材料の収縮、焼結が行われる温度領域をAr、Neなどの希ガス雰囲気で焼成すればよい。酸化しない電極材料(Agなど)の場合には、大気雰囲気でも構わない。
焼成により、樹脂ペーストが消失し、空洞部が形成される。また、焼成により、セラミックグリーンシート中の有機溶剤や、混合ペースト中のバインダー樹脂及び溶剤も消失する。
(6)めっき
LCフィルタのようなチップタイプの電子部品と同様に、外部電極上に電解Ni−Snメッキを行う。
以上により、ESD保護デバイスが完成する。
なお、混合ペースト中の半導体材料は、特に上記の材料に限定されるものではない。例えば、シリコン、ゲルマニウム等の金属半導体、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化モリブデン、炭化タングステン等の炭化物、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化クロム、窒化バナジウム、窒化タンタル等の窒化物、ケイ化チタン、ケイ化ジルコニウム、ケイ化タングステン、ケイ化モリブデン、ケイ化クロム、ケイ化クロム等のケイ化物、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、ホウ化クロム、ホウ化ランタン、ホウ化モリブデン、ホウ化タングステン等のホウ化物、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム等の酸化物を用いることができる。特に、比較的安価で、かつ、各種粒径のバリエーションが市販されていることから、シリコンや炭化ケイ素が特に好ましい。これらの半導体材料は、適宜、単独又は2種類以上を混合して使用してもよい。また、半導体材料は、適宜、アルミナやBAS材等の抵抗材料と混合して使用してもよい。
混合ペースト中の金属材料は、特に上記の材料に限定されるものではない。Cu、Ag、Pd、Pt、Al、Ni、W、Moや、これらの合金、これらの組合せでもよい。
また、空洞部を形成するために樹脂ペーストを塗布したが、樹脂でなくともカーボンなど焼成で消失するものならばよいし、また、ペースト化して印刷で形成しなくとも、樹脂フィルムなどを所定の位置にのみ貼り付けるようにして配置してもよい。
また、本作製例においては、焼成前にカットを行い、各チップに分ける方法を示したが、集合状態で形成されたセラミックグリーンシートを積層し、圧着して形成された積層体に分割溝を形成し、焼成、めっき後に各チップにカットしてもよい。
上述した工程で作製した各実施例の作製例について、評価を行った。比較例として、導体部、外部導体部及びビア導体を備えていないESD保護デバイスを作製した。
各試料について、ESD放電応答性を評価した。ESD放電応答性は、IECの規格、IEC61000−4−2に定められている静電気放電イミュニティ試験によって行った。接触放電にて8kV印加して、保護回路側で放電時のピーク電圧を検出した。
さらに、ESD繰返し耐性を評価した。接触放電にて8kV印加を100回行い、続いて、前記のESDに対する放電応答性を評価した。
総合判定は、ESD繰返し耐性について、保護回路側で検出されたピーク電圧が700V以上を不良(×印)、ピーク電圧が600V以上700V未満を良好(○印)、ピーク電圧が600V未満を特に良好(◎印)と判定した。
次の表1に、評価結果を示す。
Figure 0005741708
なお、「ESD放電応答性」欄及び「ESD繰返し耐性」欄の数値(ピーク電圧)の単位は、Vである。
表1から、各実施例は、当初のESD放電応答性にても改善がみれる。この理由として、放電電極部の対向部の周囲に、放熱用の導体部(電極)が配置されることにより、セラミック中からのガラス拡散が放電電極の対向部に進むことが阻害される。これにより放電電極の初期的な焼結が抑制されたのと同じ効果となり、放電電極の対向部の先端の玉化が抑制されるために、初期の放電電極の対向部間のギャップが安定するためと考えられる。
表1から、ESD繰返し耐性は、放熱性が高いと向上することが分かる。
例えば、導体部が放電電極と電気的に接続された場合と導体部が放電電極と電気的に接続されていない場合とでは、放熱性が高い前者は、後者よりもESD繰返し耐性が向上する。これは、参考例1−1(図1)と参考例3−1(図6)との比較や、実施例1(図4)と参考例4(8)との比較から見て取ることができる。
導体部が外部導体に電気的に接続されている場合と、導体部が外部導体に電気的に接続されていない場合とでは、放熱性が高い前者は、後者よりもESD繰返し耐性が向上する。これは、参考例1−1(図1)と実施例1(図4)との比較や、参考例1−2(図3)と参考例2(図5)との比較から見て取ることができる。
導体部が放電電極の対向部に関して積層方向両側に配置されている場合と、導体部が放電電極の対向部に関して積層方向に空洞部とは反対側のみに配置されている場合とでは、放熱性が高い前者は、後者よりもESD繰返し耐性が向上する。これは、参考例3−1(図6)と参考例5−2(図10)との比較や、参考例4(図8)と参考例5−1(図9)との比較から見て取ることができる。
導体部が放電電極と異なるセラミック層間に配置される場合と、導体部が放電電極と同じセラミック層間に配置される場合とでは、前者は、後者よりもESD繰返し耐性が向上する。これは、参考例3−2と他の参考例及び実施例との比較から見て取ることができる。
つまり『放電電極に放熱用の導体部が接続されている』、『放熱用の導体部が外部導体部に接続されている』、『放熱用の導体部が、放電電極の対向部を両側から挟むように配置する』、『放熱用の導体部が、放電電極の対向部と同じ層間で横に配置されるのではなく、積層方向に覆うように配置される』ことで放熱効果を高くなり、ESD繰返し耐性が向上する。
<まとめ> 以上に説明したように、放電電極に対向部に対向する導体部を設けることによって、放電の繰り返しによる放電特性の劣化を抑制することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施することが可能である。
例えば、ESD保護デバイスの本体は、セラミック多層基板に限るものではなく、樹脂などの絶縁層が積層された絶縁性多層基板であればよい。
導体部は、一方の放電電極の対向部を覆う部分の幅と、他方の放電電極の対向部を覆う部分の幅とが異なるようにしてもよい。例えば、放電時に電子を受け取る側の放電電極の対向部で熱が発するため、放電時に電子を受け取る側の放電電極の対向部を覆う部分の幅の方が他方の放電電極の対向部を覆う部分の幅より大きくなるように導体部を形成して放熱を促進すると、より確実に放電特性の劣化を抑制することができる。
放電電極に対向部及び空洞部が積層方向片側に偏って配置される場合には、放電電極に対向部に関してセラミック多層基板のセラミック層の層数が相対的に多い側に導体部をまとめて配置すると、より効果がある。この場合、空洞部は、導体部とは反対側、すなわち放電電極に対向部に関してセラミック多層基板のセラミック層の層数が相対的に少ない側に配置することが好ましい。
10,10a〜10h 保護デバイス
11 放電補助部
12 セラミック多層基板
12a 上面
12b 下面
12p,12q 端面(表面)
12s,12t 側面
13 空洞部
13s 対向領域
14 放電電極
14a 対向部
14s 先端
15 放電電極
15a 対向部
15s 先端
15 導体部
16,17 シール層
18,19 外部電極
32,32a ビア導体
33,33a ビア導体
33,34 導体部
34 導体部
34,35 導体部
34a,35a 導体部
34e,35e 導体部
35 導体部
36 ビア導体
36,36a ビア導体
37,37a ビア導体
38,38a,38e 外部導体部
39,39a,39e 外部導体部

Claims (4)

  1. 複数の絶縁層が積層された絶縁性多層基板と、
    前記絶縁性多層基板の内部に形成された空洞部と、
    前記空洞部の内面に沿って形成され間隔を設けて互いに対向する対向部を有する、少なくとも一対の放電電極と、
    前記絶縁性多層基板の表面に形成され、前記放電電極と接続された外部電極と、
    前記絶縁性多層基板の前記絶縁層が積層された積層方向に透視したときに前記放電電極の前記対向部の互いに対向する先端の少なくとも一方を覆うように、かつ、前記放電電極の前記対向部に関して前記積層方向の両側に配置されるように、前記セラミック多層基板の内部に形成された一対の導体部と、
    前記一対の導体部の一方と前記一対の放電電極の一方との間に配置された前記絶縁層を貫通し、前記一方の前記導体部と前記一方の前記放電電極とに接続された第1のビア導体と、
    前記一対の導体部の他方と前記一対の放電電極の他方との間に配置された前記絶縁層を貫通し、前記他方の前記導体部と前記他方の前記放電電極とに接続された第2のビア導体と、
    を備えたことを特徴とする、ESD保護デバイス。
  2. 前記絶縁性多層基板は、ガラス成分を含むセラミック多層基板であることを特徴とする、請求項1に記載のESD保護デバイス。
  3. 前記放電電極の前記対向部の前記先端同士が最短距離で対向する対向領域に形成され、分散した金属材料と半導体材料とを含む放電補助部をさらに備え、
    前記導体部は、前記積層方向に透視したときに前記対向領域を覆うように形成されたことを特徴とする、請求項1又は2に記載のESD保護デバイス。
  4. 前記放電電極の前記対向部と前記絶縁層基板の前記絶縁層との間に配置され、前記絶縁層基板の前記絶縁層に含まれる成分の透過を抑制するシール層をさらに備えたことを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一つに記載のESD保護デバイス。
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