JP5739678B2 - レンズの製造方法およびレンズ - Google Patents
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Description
このような樹脂製(熱可塑性樹脂製)のレンズの射出成形においては、射出成形金型に射出される溶融樹脂が、流動性を有するように、その溶融樹脂のガラス転移点温度よりかなり高い温度とされるのに対して、射出成形金型は、少なくとも成形されたレンズを金型から取り出す前に、レンズを冷却硬化させるために、上述のガラス転移点温度より低い温度とされる。ここで、射出成形金型は、たとえば、溶融樹脂が流入されて充填されるキャビティをそれぞれ備えた可動金型と固定金型とを有し、成形後に固定金型に対して可動金型を離すように動かすことによって成形されたレンズの取り出しが可能になっている。
すなわち、凹レンズの最薄部の厚さを0.4mm以下とする射出成形金型を用いてレンズの射出成形を行うと、成形されたレンズにウェルドラインが生じる。
このウェルドラインの発生の原因として、本発明者らは、通常の樹脂成型の成型温度、すなわち溶融樹脂のガラス転移点温度より例えば5℃から10℃程度低くされている金型を用いた凹レンズの射出成形において、金型のキャビティの最も薄くなる部分の光軸方向に沿った厚みが0.4mm以下になると、その部分における溶融樹脂の流速が極端に遅くなることを発見した。
この場合に、キャビティの中央部の厚さが0.4mm以下になっている部分を流れる溶融樹脂の流速より、前記中央部の外周側を流れる溶融樹脂の流速の方が速くなる。
これにより、ゲートからキャビティ内に流入した溶融樹脂のうちのキャビティの中央部を流れる溶融樹脂は、キャビティの中央部で流れが極端に遅くなるか止まった状態となっているのに対して、キャビティの中央部より左右を流れる溶融樹脂は、中央部で略止まった状態の溶融樹脂の左右を流れ、中央部を回り込むようにして、キャビティのゲートの反対側となる部分に流れる。この際に、キャビティの中央部の溶融樹脂より中央部の左右を流れた溶融樹脂の方が流速が速いことから、中央部側の未だ溶融樹脂が流れずに空隙となっている部分に、中央部の左右を流れた溶融樹脂が逆流し、逆流した溶融樹脂により空隙が埋められる。
このようにキャビティ内で流れ方向の異なる溶融樹脂が会合した場合に、温度を低下させながら流動して会合した溶融樹脂どうしが均質に一体化せずに、ウェルドラインが発生する可能性が高い。特に、中央部を流れる溶融樹脂と、逆流した溶融樹脂との間では、中央部を流れる溶融樹脂が上述のように既に有る程度硬化している虞があり、ウェルドラインが発生してしまう。
この方法では、射出成形機と別に圧縮成形機が必要になり設備コストが高くなる。また、射出成形にかかる時間に加えて圧縮成形に係る時間が必要になり、レンズを連続的に生産する際に、射出成形と圧縮成形とを並行的に行うものとしても、レンズの成形に必要な時間が長くなり、生産性が低下する。
この車両用灯具のレンズには、開口部がある。このレンズを成形するための金型のキャビティ内には、前記開口部を形成するために溶融樹脂が入り込めない障害部があり、この障害部を避けた部分で溶融樹脂同士が会合してウェルドラインが形成される。そこで、金型のキャビティの内面に断熱層を形成することによって、金型に接した溶融樹脂が急冷されて厚いスキン層が生じるのを防止し、このスキン層同士の会合により生じるウェルドラインの発生を防止している。
しかし、上述のように小型で最薄部が0.4mm以下となる凹レンズでは、断熱層によりキャビティ内面に近接する溶融樹脂の金型への放熱による流動性の低下を防止し、キャビティの中央部でも溶融樹脂が有る程度の流速で流れるようにしても、厚さが薄い中央部を流れる溶融樹脂の流速より、中央部の左右となる厚さの厚い外周部を流れる溶融樹脂の流速の方が速くなる可能性が高く、キャビティのゲートの反対側部分で、キャビティの中央部を流れる溶融樹脂と、キャビティの中央部の左右をそれぞれ流れる溶融樹脂とが会合する状態となってしまう。
しかし、この場合に、厚い断熱層により、溶融樹脂の温度が高い状態に保持されてしまい、キャビティ内に溶融樹脂が満たされた後に、溶融樹脂が金型から取り外せる程度に冷却硬化されるまで時間がかることになる。これにより順次レンズを成形していく場合のサイクルタイムが長くなり、生産性が低下する。
前記光学機能部を成形する光学機能成形部と、この光学機能成形部の周囲に設けられて前記フランジ部を成形するフランジ成形部とを有するレンズ成形空間部を備えた射出成形用金型で射出成形するに際し、
前記フランジ成形部に繋がるゲートから前記レンズ成形空間部内に流入された前記溶融樹脂のうちの前記光学機能成形部の周囲の前記フランジ成形部を左右に別れて流れる溶融樹脂の先端縁どうしが、前記レンズ成形空間部のゲートに対向する側で会合する際に、前記光学機能成形部を通る溶融樹脂の先端縁が前記ゲートに対向する側で、前記光学機能成形部と前記フランジ成形部との境界を越えてフランジ成形部側に至るように射出成形することにより、前記フランジ部にだけウェルドラインを形成することを特徴とする。
また、レンズ成形空間部は、光学機能成形部の最薄部の厚さが0.4mmとされ、フランジ成形部の最厚部はそれより厚くなっている。
断熱層によって、レンズ成形空間部に射出された溶融樹脂の熱が金型に伝導されて溶融樹脂の温度が低下する際の温度低下速度が遅くなる。これにより、レンズ成形空間部の内面に接触する溶融樹脂の前記内面に近接する部分の流動性低下が抑制される。
この射出成形金型で成形されたレンズは、光学機能部にウェルドラインが無いので、ウェルドラインの発生により、光学機能部の光学特性が大きく劣化させられることがない。
請求項3に記載のレンズの製造方法は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記フランジ成形部の最厚部の前記光軸方向に沿った厚さが、前記光学機能成形部の最薄部の前記光軸方向に沿った厚さの1.5倍以上になっていることを特徴とする。
また、射出成形時の前記射出成形用金型の温度範囲を前記溶融樹脂のガラス転移点温度より低い所定の温度範囲に保持するので、レンズを連続的に成形する際に、射出成形用金型を前記溶融樹脂のガラス転移点温度以上に昇温した後に、前記溶融樹脂のガラス転移点温度より低く降温する時間を必要とせず、サイクルタイムが長くなるのを防止できる。また、前記溶融樹脂のガラス転移点温度を挟んで射出成形用金型を迅速に昇温および降温するための煩雑な設備を必要とせず、設備コストの増加を防止できる。
前記光学機能部の最も薄い最薄部における前記光軸方向に沿った厚さが0.4mm以下とされ、かつ、前記フランジ部の最も厚い最厚部の前記光軸方向に沿った厚さが前記光学機能部の前記最薄部の前記厚さより厚くされ、
前記光学機能部を成形する光学機能成形部と、この光学機能成形部の周囲に設けられて前記フランジ部を成形するフランジ成形部とを有するレンズ成形空間部を備えた射出成形用金型で射出成形され、
前記フランジ成形部に繋がるゲートから前記レンズ成形空間部内に流入された前記溶融樹脂のうちの前記光学機能成形部の周囲の前記フランジ成形部を左右に別れて流れる溶融樹脂の先端縁どうしが、前記レンズ成形空間部のゲートに対向する側で会合する際に、前記光学機能成形部を通る溶融樹脂の先端縁が前記ゲートに対向する側で、前記光学機能成形部と前記フランジ成形部との境界を越えて前記フランジ成形部側に至ることにより、前記光学機能部より外側の前記フランジ部にだけウェルドラインが形成されていることを特徴とする。
また、製造時に、レンズ成形空間部内では、ゲートから流入した溶融樹脂うちのフランジ成形部の光学機能成形部の右側を通った溶融樹脂と、フランジ成形部の光学機能成形部の左側を通った溶融樹脂とが、フランジ成形部のゲートに対向する側で会合する。この際に、ゲートからレンズ成形空間部内に流入された溶融樹脂のうちのフランジ成形部から最薄部を含む光学機能成形部を通った溶融樹脂がゲートに対向する側で光学機能成形部とフランジ成形部との境界を越えてフランジ成形部に至ることで成形される。これにより、ウェルドラインは、フランジ部にだけ形成されることになり、レンズの光学特性が形成されたウェルドラインにより低下するのを防止することができる。
図1から図3に示すように、第1実施形態の射出成形金型は、周知の射出成形機で用いられる金型であり、一対の金型として、固定金型(第1金型)1と、可動金型(第2金型)2とを備えている。なお、図1に示されるのは、固定金型1および可動金型2それぞれの型板のレンズを成形する成形面を有するキャビティプレート部分である。
この成形される凹レンズ4に対応して、レンズ成形空間部3は、凹レンズ4の光学機能部41を成形する光学機能成形部31と、光学機能成形部31の周囲に設けられ、凹レンズ4のフランジ部42を成形するフランジ成形部32とを備える。
前記内面間の距離をレンズ成形空間部3の厚さとし、光学機能成形部31の略中央になる部分が最も厚さが薄い最薄部になる。この実施形態の光学機能成形部31の最薄部の成形される凹レンズ4の軸方向に沿った厚さは、例えば、0.4mm以下にされている。
そして、固定金型1および可動金型2の溶融樹脂と接触する部分には、全て断熱層14,15,16,17,24,25,26,27が形成されている。
この実施形態では、ジルコニア(ZrO2)セラミックスを用い、固定金型1および可動金型2の上述の断熱層14,15,16,17,24,25,26,27が形成される部分に溶射によって断熱層14,15,16,17,24,25,26,27を形成する。
断熱層14,15,16,17,24,25,26,27の厚みを100μm以上とすることにより、上述のようにレンズ成形空間部3の光学機能成形部31の最薄部の厚さが0.4mm以下で、レンズ成形空間部3のフランジ成形部32の厚さが、光学機能成形部31の最薄部の厚さの1.5倍以上であっても、凹レンズ4の光学機能部41にウェルドラインが発生するのを防止することができ、フランジ部42にだけウェルドラインが発生した状態になる。
また、断熱層14,15,16,17,24,25,26,27の厚さを150μm〜500μmとすることがより好ましい。さらに、断熱層14,15,16,17,24,25,26,27の厚さを200μm〜300μmとすることがより好ましい。上述に例
は、断熱層14,15,16,17,24,25,26,27をジルコニアセラミックスとした場合のものである。断熱層の種類や成型温度により、必要な断熱層の厚さは異なるが、断熱層の熱伝導率を考慮して、断熱層の厚さは決定される。
断熱層の熱伝導率は、金型の熱伝導率をα(W/(m・k))とした場合に、0.1α〜0.01αの範囲が望ましい。すなわち、断熱層の熱伝導率は、金型の熱伝導率の1/10以下で1/100以上となっていることが好ましい。
このような構成とすることによって、レンズ成形空間部3に達する前の溶融樹脂の温度が低下してしまうのを確実に防止し、光学機能部41にウェルドラインが形成されるのをさらに抑制することができる。
また、図4、図5においては、凹レンズ4からゲート61,62で成形されたゲート部43およびランナー51,52で成形されたランナー部44を除去していない状態を図示している。
また、光学機能部41においては、光学機能部41の中央部が最も薄く、光学機能部41の最外周が最も厚くなっている。また、フランジ部42は、厚さが略一様とされるとともに、その厚さが光学機能部41で最も厚い最外周部(光学機能部41とフランジ部42との境界)と略同じ厚みとされている。
また、フランジ部42には、ウェルドラインが発生している。
ここで、図1に示すように、スプルー、ランナー51,52、ゲート61,62、レンズ成形空間部3の光学機能成形部31およびフランジ成形部32に内面に、上述のように、断熱層14,15,16,17,24,25,26,27が形成されている。したがって、例えば、図3(a)に示すように、例えば、ランナー51,52を通過する溶融樹脂Pは、断熱層17,27がない固定金型1aおよび可動金型2aの場合に、溶融樹脂Pのガラス転移点温度より低く、熱伝導率の高い固定金型1aおよび可動金型2aに対して溶融樹脂Pから矢印で示されるように大きな放熱が生じ、溶融樹脂のランナー51,52の内面に近接する部分(二点鎖線で示される部分)の流動性が大きく低下する。それに対して、ランナー51,52の内面に断熱層17,27を設けることによって、溶融樹脂Pから固定金型1および可動金型2への矢印で示される放熱が断熱層17,27で弱められ、溶融樹脂Pのランナー51,52の内面に近接する部分でも有る程度の流動性を持たせることができる。または、流動性が低下する部分の厚さを薄くできる。
さらに、溶融樹脂の先端縁の中央部が、光学機能成形部31の厚さが0.4mm以下の最薄部としての中央部を通過する際には、溶融樹脂の先端縁は、二点鎖線cで示されるように、中央部の流速がさらに遅くなり、大きく凹んだ状態の中央部に対して、中央部より左右になる部分がかなり先に進んで突出した状態になる。
この際に、二点鎖線cで示される段階から、二点鎖線dで示される段階まで、これら二点鎖線の中央部に対応する溶融樹脂の先端縁の中央部は、僅かしか流動せず、二点鎖線dで示される段階となっても未だ、光学機能部41内にあり、フランジ部42に至っていない。この状態で、左右突出部を形成している溶融樹脂同士が2点鎖線dに示すように会合して、ウェルドラインwが形成される。これにより、ウェルドラインwの一部は、光学機能部41内に形成されてしまうことになる。また、二点鎖線dでは、溶融樹脂の先端縁が概略V字状になっているが、さらに、二点鎖線dで示される溶融樹脂の先端縁の中央部で樹脂の流れが遅れると、それより先側で、左右の突出部分が互いに接触した後も、光学機能部41側に溶融樹脂が充填されない部分が残り、互いに会合した溶融樹脂が逆流するように光学機能部41の中央側に向って、光学機能部側の未だ樹脂が充填されていない部分に溶融樹脂が充填される場合もある。
この場合にウェルドラインwは、1本の直線状ではなく、複数本でかつ曲線状のものを含む場合がある。
これにより、二点鎖線dで示されるように、溶融樹脂の先端縁が略V字状となった場合に、V字状の先端縁の中央部のV字の頂点となる部分の位置が、光学機能部41の外側のフランジ部42側になる。これにより、ウェルドラインwが光学機能部側に形成されるのを防止できる。
すなわち、溶融樹脂の先端縁が二点鎖線dに示すよにV字状となった際に、V字状部分の頂点が光学機能部41ではなく、光学機能部41とフランジ成形部42の境界を越えてフランジ成形部42側に至るようになっている。
言い換えると、フランジ成形部32の光学機能成形部31の右側を通った溶融樹脂と、フランジ成形部32の光学機能成形部31の左側を通った溶融樹脂とが、フランジ成形部32のゲート61,62に対向する側で会合する際に、ゲート61,62からレンズ成形空間部3内に流入された溶融樹脂のうちのフランジ成形部32から最薄部を含む光学機能成形部31を通った溶融樹脂がゲート61,62に対向する側で光学機能成形部31とフランジ成形部32との境界を越えてフランジ成形部32に至るようになっている。
この場合には、固定金型1および可動金型2の溶融樹脂の充填時の温度を溶融樹脂のガラス転移点温度より高くすることが考えられる。また、極めて断熱性能が高い断熱層を設けることにより、固定金型1および可動金型2の溶融樹脂の充填時の温度を溶融樹脂のガラス転移点温度より低く設定しても、充填される溶融樹脂の温度が充填中にガラス転移点温度より低くならないようにすることが考えられる。または、これらの方法を組合わせることが考えられる。これらの場合に、溶融樹脂を固定金型1および可動金型2から取り出せる温度まで冷却するのに時間がかかることになり、凹レンズ4の成形のサイクルタイムが長くなって生産性が低下する。
すなわち、この実施形態では、上述のようにレンズ成形空間部3に溶融樹脂が充填される際に、断熱層14,15,16,17,24,25,26,27により溶融樹脂の温度低下を防止することによって、溶融樹脂の流動性を高め、溶融樹脂の先端縁が図4の二点鎖線dに示されるように略V字状になる際に、V字の頂点が光学機能部41(光学機能成形部31)より外側のフランジ部42(フランジ成形部32)側に位置するようにしたものである。
このため、フランジ部42の非製品部分が繋がっている部分をフランジ部42側で直線状にカットすることが行われている。
また、凹レンズとして、一方側が凹面で他方側が平面のレンズや、両面が凹面となったレンズに適応できる。
以上、中心部の薄い凹型レンズについて説明してきたが、これに限定されるものではなく、例えば、中心部の薄いメニスカスレンズにも適用可能である。
2 可動金型(金型)
3 レンズ成形空間部(キャビティ)
31 光学機能成形部
32 フランジ成形部
4 凹レンズ(レンズ)
41 光学機能部
42 フランジ部
51,52 ランナー
61,62 ゲート
14,15,16,17,24,25,26,27 断熱層
18、28 表面成形層
w ウェルドライン
Claims (7)
- 光学機能を有する光学機能部と、前記光学機能部の周囲に設けられるフランジ部とを備え、前記光学機能部の最も薄い最薄部における前記光軸方向に沿った厚さが0.4mm以下とされ、かつ、前記フランジ部の最も厚い最厚部の前記光軸方向に沿った厚さが前記光学機能部の前記最薄部の前記厚さより厚くされた樹脂製のレンズの製造方法であって、
前記光学機能部を成形する光学機能成形部と、この光学機能成形部の周囲に設けられて前記フランジ部を成形するフランジ成形部とを有するレンズ成形空間部を備えた射出成形用金型で射出成形するに際し、
前記フランジ成形部に繋がるゲートから前記レンズ成形空間部内に流入された前記溶融樹脂のうちの前記光学機能成形部の周囲の前記フランジ成形部を左右に別れて流れる溶融樹脂の先端縁どうしが、前記レンズ成形空間部のゲートに対向する側で会合する際に、前記光学機能成形部を通る溶融樹脂の先端縁が前記ゲートに対向する側で、前記光学機能成形部と前記フランジ成形部との境界を越えてフランジ成形部側に至るように射出成形することにより、前記フランジ部にだけウェルドラインを形成することを特徴とするレンズの製造方法。 - 前記レンズ成形空間部の内面である成形面には、前記金型より熱伝導率の低い断熱層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のレンズの製造方法。
- 前記フランジ成形部の最厚部の前記光軸方向に沿った厚さが、前記光学機能成形部の最薄部の前記光軸方向に沿った厚さの1.5倍以上になっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレンズの製造方法。
- 前記射出成形用金型には、前記レンズ成形空間に樹脂を流入させる樹脂の通路としてスプルー、ランナーおよび前記ゲートが設けられ、前記スプルー、前記ランナーおよび前記ゲートの前記溶融樹脂と接する内面に、前記断熱層が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のレンズの製造方法。
- 射出成形時に前記射出成形用金型の温度を前記溶融樹脂のガラス転移点温度より低い所定の温度範囲に保持するように設定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレンズの製造方法。
- 光学機能を有する光学機能部と、前記光学機能部の周囲に設けられるフランジ部とを備えた樹脂製のレンズであって、
前記光学機能部の最も薄い最薄部における前記光軸方向に沿った厚さが0.4mm以下とされ、かつ、前記フランジ部の最も厚い最厚部の前記光軸方向に沿った厚さが前記光学機能部の前記最薄部の前記厚さより厚くされ、
前記光学機能部を成形する光学機能成形部と、この光学機能成形部の周囲に設けられて前記フランジ部を成形するフランジ成形部とを有するレンズ成形空間部を備えた射出成形用金型で射出成形され、
前記フランジ成形部に繋がるゲートから前記レンズ成形空間部内に流入された前記溶融樹脂のうちの前記光学機能成形部の周囲の前記フランジ成形部を左右に別れて流れる溶融樹脂の先端縁どうしが、前記レンズ成形空間部のゲートに対向する側で会合する際に、前記光学機能成形部を通る溶融樹脂の先端縁が前記ゲートに対向する側で、前記光学機能成形部と前記フランジ成形部との境界を越えて前記フランジ成形部側に至ることにより、前記フランジ部にだけウェルドラインが形成されていることを特徴とするレンズ。 - 前記フランジ部の前記最厚部の前記光軸方向に沿った厚さが、前記光学機能部の前記最薄部の前記光軸方向に沿った厚さの1.5倍以上になっていることを特徴とする請求項6に記載のレンズ。
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