JP5737503B2 - スライディングノズル用プレート耐火物 - Google Patents

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本発明は、製鋼用取鍋やタンディッシュに取り付けられて、溶鋼の流量制御を行うスライディングノズル用プレート耐火物、特に不焼成プレート耐火物に関するものである。
スライディングノズル用プレート耐火物(以下、プレート耐火物とする)は、鉄鋼業において、溶融金属の流量制御装置として使用される。特に、取鍋やタンディッシュなどの溶融金属用容器から溶鋼を排出するときに、流量制御装置として2枚あるいは3枚のプレートを組み合わせて使用される。
当該プレート耐火物の損傷形態としては、溶鋼流による磨耗や溶損、熱衝撃によるスポーリング亀裂、酸化や地金の浸潤に伴う摺動部の面荒れなどがあり、それらの損傷をバランスよく抑える品質が求められる。
最も一般的なプレート耐火物としては1000℃以上の温度で熱処理し、ピッチを含浸した焼成アルミナカーボン質がある。
この焼成アルミナカーボン質プレート耐火物は、耐熱衝撃性の確保のためにカーボンブラック、黒鉛、ピッチなどのカーボン原料を添加している。しかし、これらのカーボンは使用中の酸化により、組織を劣化させる原因にもなることから、低カーボン化と高い耐熱衝撃性を両立させることが望ましい。
例えば、特開2003−245770号公報は、耐火性骨材に対して、最大10質量%の膨張黒鉛と最大8質量%の金属を添加して成形し、1000℃以上で熱処理した焼成プレート耐火物である。
当該焼成プレート耐火物は、酸化防止剤として添加した金属に耐熱衝撃性向上の効果はなく、膨張黒鉛の添加により耐熱衝撃性を改善しているが、膨張黒鉛は耐酸化性の低下や強度の低下を招き、摺動部の荒れを増大させるため、耐用性が低下する。
一方、Ca−Si鋼や高酸素鋼のように耐火物の損傷が大きくなる鋼種に対しては、特公昭60−29664号公報にあるように、低融点金属の添加と1000℃以下の温度での熱処理による不焼成品あるいは軽焼成品(以下「不焼成」、「軽焼成」を総称して「不焼成」という)と呼ばれるプレート耐火物が使用されることがある。
不焼成プレート耐火物の利点としては、金属の多量添加による高い熱間強度や溶鋼に対する耐食性がある。他方、不焼成プレート耐火物の損傷要因としては、中間温度域における樹脂結合の消失による組織の劣化、金属の酸化・炭化による受熱部の膨張が原因の亀裂剥離などがある。
特公昭60−29664号公報では低融点金属の溶融により中間温度域で強度向上を狙っているものの、耐酸化性が十分ではない。また、熱処理後のプレート耐火物にコロイダルシリカなどのシリカ含有物質を含浸または塗布して、高温でシリカを生成させ、耐摩耗性や耐酸化性の向上を図ろうとしている。しかしながら、シリカ成分は溶鋼に含まれるスラグなどと反応して低融点物質を生成し、耐食性が低下する。
特開平07−290232号公報ではアルミナ等の骨材にカーボンを添加し、バインダーとして、ピッチ、タール、フェノール樹脂に加えてシリコーン変性フェノール樹脂を添加することによって、中間温度域の強度低下抑制及び酸化防止を狙っている。しかしながら、このようにシリコーン変性フェノール樹脂を添加する方法では中間温度域の強度低下は抑制されても、樹脂に由来するシリカが低融点物質を生成して耐食性が低下してしまうこととなる。
特開2004−82126号公報では、骨材に対してアルミニウム-マグネシウム合金及びアルミニウムの添加と、ホウ素化合物の添加により中間温度域から使用時の高温までの耐酸化性と強度を高めている。しかし、ホウ素化合物は酸化すると低融点物を生成して耐食性が低下する。また、この出願では、金属アルミニウムとカーボンブラックを添加して800℃以上での強度補強を行っているが、後述するようにカーボン質過剰による耐酸化性の問題がある。
特開平03−32463号公報では、骨材に対して金属(ステンレス)ファイバーの添加による耐熱衝撃性の向上と、ホウ化物・窒化物・金属粉を添加することによって耐酸化性の向上がなされている。しかしながら、使用されているカーボン量が多く(5質量%以上)、強度や耐食性の面で充分ではない。前記のようにステンレスのファイバーを添加した場合、脱炭や酸化鉄生成のために耐食性が低下する。
特開2004−141899号公報ではマグネシア骨材の使用により耐食性を高め、また、金属アルミニウムとカーボン原料を添加して、耐食性、低摩擦係数を得ようとしているが、後述するようにカーボン質過剰により耐酸化性が低下する問題がある。
特開2004−17136号公報では、アルミナ骨材に対して、窒化ホウ素とアルミニウムを添加することによって耐酸化性を高めているが、窒化ホウ素は非常に高価であるため費用対効果の点で好ましくない。また、酸化すると低融点物を生成して耐食性が低下する。
特公昭60−29664号公報 特開平07−290232号公報 特開2004−82126号公報 特開平03−32463号公報 特開2000−327401号公報 特開2003−245770号公報 特開2004−141899号公報 特開2004−17136号公報
前記のように、耐火骨材に低融点金属とカーボン質を添加し、当該低融点金属にカーボン質材料を作用させて、熱間強度や溶鋼に対する耐食性の向上を図ることが従来よりなされている。前記カーボン質材料として、黒鉛、炭素粉、バインダーとして添加される樹脂の残炭素等がある。従来の前記方法では、これらカーボン質材料の全量と、前記低融点金属との量と関係を考慮しないで、カーボン質材料の量、あるいは低融点金属の量を決めていた。
低融点金属がアルミニウムである場合を考察すると、当該アルミニウムは炭素と800℃以上で反応してAl43を形成することになり、化学量論的には、アルミニウムに対するカーボン質の質量比は0.33である。カーボン質量がこの値を挟んだある程度のレンジを超え、過剰に存在すると、充分な耐酸化性、耐食性を得ることはできない欠点があり、改善が望まれるところであった。
例えば、特開2000−327401号公報では金属粉末を0.5〜5質量%、炭素粉末を2〜10質量%使用するとしており、更に、熱硬化樹脂3〜10質量%を添加することから、一般的な熱硬化性樹脂の残炭率を20〜40質量%と見積もるとアルミニウム質量に対するカーボン質量は0.5〜0.6以上となり炭素過剰である。
また、前記の特開2004−82126号公報では、実施例においてカーボンブラック3質量%、有機結合剤4質量%を添加していることから、一般的な熱硬化性樹脂の残炭率を20〜40質量%と見積もるとアルミニウム質量に対するカーボン質量は0.7〜1.8となり、この場合も炭素過剰となる。
更に、前記特開2004−17136号公報では、実施例においてアルミニウム質量に対するカーボン質量は0.5〜3となり、この場合も炭素過剰となる。
特公昭60−29664号公報では低融点金属の溶融により中間温度域で強度向上を狙っているものの、カーボン質粉末を含まないため、耐熱衝撃性が低下する欠点がある。
本発明は、前記従来の事情に鑑みて提案されたものであって、常温から使用時の温度までの強度が高く、耐酸化性、耐食性、耐熱衝撃性に優れた不焼成プレート耐火物を提供することを目的としたものである。
本発明は、前記目的を達成するために、以下の手段を採用している。
すなわち、耐火性無機材料と、カーボン質粉末材料を全量に対して0.3〜2質量%と、融点が1000℃以下であるアルミニウム含有金属のうち少なくとも1種以上を全量に対して3〜15質量%使用し、これらに有機結合剤2〜5質量%添加した不焼成プレート耐火物である。ここで、カーボン質量を上記カーボン質粉末量と有機結合剤の800℃焼成後の残炭量との和とした際、前記有機結合剤及びカーボン質粉末原料に由来するカーボン質量は、アルミニウム含有合金に含まれるアルミニウム質量の0.2〜0.45倍の範囲にする。
前記において、酸化防止剤としてホウ素化合物を0.1〜5質量%含有するようにしてもよい。
前記プレート耐火物の原料耐火物はバインダーで成形して、100〜1000℃で熱処理する。
ここで、前記アルミニウム含有金属は、Al、Al−Mg合金、Al−Si合金、Al−Mg−Si合金等のアルミニウム含有金属の中、1000℃以下の融点を持つものをいう。また、前記アルミニウム質量とは1種以上のアルミニウム単体を含むアルミニウム含有金属全体に含まれる金属アルミニウムの合計質量とする。また、カーボン質粉末原料とは、カーボンブラック、天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末、ピッチ粉末、コークス粉末等を意味し、バインダーとして添加される有機結合剤の残炭素を含まないものとする。カーボン質量とはカーボン質粉末原料および有機結合剤に由来するフリーカーボンの合計質量とする。
前記のように、本発明はカーボン量をアルミニウム量との関係で決定しているので、プレート耐火物に要求される耐熱衝撃性を確保しながら緻密な組織を得るとともに、ホウ素の添加により酸化による強度低下の抑制と耐食性の向上が得られる。
図1は、本願発明品と比較例との耐衝撃性試験の結果を示す写真。
発明者らは、金属添加物とカーボン量とが不焼成プレートの特性に与える影響を鋭意研究し、金属量のみならず金属量とカーボン質との質量比を特定の値にすることによって、カーボンと金属が過不足なく反応して炭化金属を生成(例えばCとAlが反応してAl43)し、プレート耐火物に要求される耐熱衝撃性を確保しながら緻密な組織を作るとともに、過不足なく金属の反応を進め、不焼成プレート耐火物の酸化による強度低下の抑制と耐食性の向上がなされることを見出し、本発明に至った。
ここで金属としてアルミニウムを考慮すると、アルミニウムあるいはアルミニウム含有金属の融点は比較的低い。これらを耐火物骨材に添加することによって、使用時の高温で軟化溶融して耐火物骨材の粒子の再配置を促し、組織を強化するとともに、熱応力を緩和して耐熱衝撃性を高める。また、800℃以上ではアルミニウムとカーボンの反応によりAl43を生成して強度を高める。このときのアルミニウムに対するカーボンの質量は、化学量論的には0.33である。
本発明は前記の点を考慮して、なされたものであり、耐火性無機材料と、カーボン質粉末原料を全量に対して0.3〜2質量%と、融点が1000℃以下であるアルミニウム含有金属のうち少なくとも1種以上を全量に対して3〜15質量%使用し、これらに有機結合剤2〜5質量%を添加した不焼成プレート耐火物である。ここで、前記有機結合剤及びカーボン質粉末原料に由来するカーボン質量は、アルミニウム含有合金に含まれるアルミニウム質量の0.2〜0.45倍の範囲にする。
前記、アルミニウム含有金属はAl(融点660℃)、Al−Mg合金(共晶融点450℃)、Al−Si合金(共晶融点580℃)、Al−Mg−Si合金などのアルミニウム含有金属の中から1000℃以下の融点を持つものを1種以上使用する。融点が1000℃以上であれば、1000℃以下の温度域におけるプレート耐火物の強度が十分でなくなる。
アルミニウム含有金属の使用量は、全量に対して、3〜15質量%(好ましくは5〜12質量%)とする。3質量%より少なければ十分な強度や耐食性を得ることができず、15質量%より多ければ耐熱衝撃性の低下、気孔率の上昇による耐食性の低下を起こす。
アルミニウムの粒径や形状は特に限定されないが、以下に述べるような特徴に応じて、使い分けることができる。
すなわち、熱間での反応性の面では粒径100μm以下のフレーク粉が最も優れるが、フレーク粉は成形性を低下させるので、れんがの気孔率が上昇しやすい。一方、成形性の面ではアトマイズ粉などの粒状ないし粉末状のものを使用することが望ましい。
また、亀裂抑制効果の高いファイバーの使用も有効である。成形性と反応性のバランスからは粒径100μm以下のアトマイズ粉を基本とすることが好ましく、必要とする特性に応じてフレーク粉やファイバー、粒径100μm以上の原料を併用すればよい。
カーボン質粉末原料の含有量は0.3〜2質量%とする。2質量%より多い場合は、気孔率の上昇により耐食性が低下する。0.3質量%より少ない場合は、組織の過剰な焼結により耐熱衝撃性が低下する。
カーボン質粉末原料としては、カーボンブラック、天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末、ピッチ粉末、コークス粉末などを利用できる。但し、後述のフェノール樹脂等の有機結合剤はカーボン質粉末原料に含まないものとする。
一般的なアルミナカーボン質のプレート耐火物ではカーボン質原料の添加により耐熱衝撃性を確保しているため、カーボン量低減には限界があるが、本発明では低融点金属の軟化溶融によって耐熱衝撃性が確保されるため、カーボン質原料を大幅に減らすことが可能となる。
有機結合剤の添加量は2〜5質量%とする。2質量%より少なければ緻密な成形体を得ることができず、5質量%より多ければ成形あるいは熱処理時に亀裂が生じる。有機結合剤としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フラン樹脂などの熱硬化性樹脂を使用することが望ましい。
アルミニウム質量に対するカーボン質量は0.2〜0.45倍(好ましくは0.25〜0.4倍)とする。0.2倍より小さければ、800℃以上でのAl43の生成が進まず、耐食性が低下する。0.45倍より大きければ、余剰のカーボンにより耐酸化性と耐食性が低下する。
ここで、アルミニウム質量(表1参照)とは1種以上のアルミニウム単体を含むアルミニウム含有金属全体に含まれる金属アルミニウムの合計質量とする。また、カーボン質量とはカーボン質粉末原料および有機結合剤に由来するフリーカーボンの合計質量とする。アルミニウムと容易に反応しない状態のカーボンはこれに含まない。例えばSiCやB4C中のカーボンはフリーカーボンに含まない。
溶鋼とプレート耐火物が接する部分に未反応金属が大量に残留すると耐食性が低下することから、金属の反応相手としてのカーボンが一定量必要となる。ここでは金属はアルミニウムであり、反応相手とはカーボンであるので、反応によってAl43が生成されることになる。化学量論的にAl43の生成に必要なカーボン質量はアルミニウム質量の0.33倍であるところから、前記アルミニウム質量に対するカーボン質量(0.2倍〜0.45倍)の妥当性が導かれる。
本発明では、更に、ホウ素化合物を添加することが好ましい。当該、ホウ素化合物は全量に対して0.1〜5質量%添加する。ホウ素化合物は自身が優先して酸化することと、酸化後に低融点物を生成することで酸素の侵入を抑制する保護皮膜を作るという優れた酸化防止効果を持つ。ホウ素化合物の添加が0.1質量%より少なければ耐酸化性が十分とはいえず、5質量%より大きければ耐食性が低下する。
本発明は、前記の割合で混合した原料を成形した後100℃〜1000℃の範囲で熱処理をする。
熱処理の目的は有機結合剤の揮発分除去と硬化である。100℃未満では揮発分除去・硬化ともに不十分で、強度が低下する。1000℃を超えると金属の酸化・炭化により耐熱衝撃性が低下する。また、300〜1000℃では、有機結合剤の分解による気孔率の上昇や強度の低下が起きるが、その場合は必要に応じてピッチ含浸処理を行ってよい。また、ピッチ含浸後は揮発分除去のために100〜600℃で熱処理を行ってもよい。熱処理の過程でプレート耐火物の酸化を抑制する必要が生じる場合は還元焼成、窒素雰囲気による焼成などの公知手段を用いればよい。
不焼成プレート耐火物れんがの骨材原料としてはアルミナ、アルミナジルコニア、ジルコニアムライト、マグネシア、スピネルなどの、耐火物原料として一般的に使用される骨材原料のうちの1種または2種以上を使用する。また、粒径についてはプレート耐火物に一般的に使用されるサイズでよく、特に限定されない。
前記に加えて、金属シリコンなどアルミニウムを含有しない金属を使用してもよい。また、有機結合剤としては熱硬化性樹脂を使用することが好ましい。
これらの骨材原料、アルミニウム含有金属とそれ以外の金属、カーボン質粉末、ホウ素化合物に有機結合剤を加えて容器固定型または容器駆動型のミキサーで混練を行う。混練後の配合物をフリクションプレスなどの衝撃圧プレス、オイルプレスなどの静圧プレスで成形した後、100〜1000℃の温度で熱処理を行う。
前記により、カーボン量をアルミニウム量に対応した適正な量にしたので、中間温度域での強度、耐酸化性および耐食性に優れ、かつ高温域での耐衝撃性に優れた不焼成プレート耐火物を得ることができる。
<実施例および比較例>
骨材としてアルミナ、アルミナジルコニア、金属としてAl、Al−Mg合金、Al−Si合金、カーボン質粉末原料としてカーボンブラック、ホウ素化合物としてB4C、有機結合剤としてフェノール樹脂を表1の割合で配合し、常温で約30分間混練した後、500t真空フリクションプレスを用いてプレート形状に成形したものを温度250〜1500℃で熱処理し、プレート耐火物を得た。
表1に示されているカーボンとアルミニウムの質量比(C/Al)のうち、アルミニウム質量については、あらかじめ分かっている各原料のアルミニウム含有量および原料の添加量から計算した。カーボン質量については、あらかじめ分かっている各原料(カーボン質原料および有機結合剤)のカーボン含有量(800℃残炭率)と原料使用量から計算した。
表1に示す実施例1〜6及び比較例1〜9について見掛気孔率、600℃熱間曲げ強度を測定し、耐酸化性試験、耐熱衝撃試験、耐食性試験を行った。見掛け気孔率はJIS(R2205)の方法に基づいて測定した。熱間曲げ強度は600℃窒素雰囲気中で測定した。耐酸化性試験は1000℃×3時間大気加熱後の試料切断面の脱炭層厚みで評価し、3段階評価とした。耐熱衝撃性試験は30×30×230mmの試料を1550℃の溶銑中に90秒浸漬後に空冷して試料に発生した亀裂の量で評価し、耐酸化性試験と同様に3段階評価とした。耐食性試験については普通鋼とミルスケールを侵食材として、回転ドラム侵食法により1650℃で4時間加熱して溶損量で評価し、比較例1を100として指数化したものを表示した。数値が少ないものほど耐食性が優れていることを示す。
実施例1〜6はいずれも比較例1、2と比べて高い熱間曲げ強度と耐食性を示した。実施例1〜6は耐酸化性と耐熱衝撃性においても比較例1〜6と比べて同等以上となっており、各特性がバランスよく備わっている。
比較例1はアルミニウム含有金属量が少なく、耐酸化性、熱間強度、耐食性が十分ではない。また、比較例2、比較例4はC/Alが大きくカーボン量が過剰で、耐酸化性が低く、熱間強度も十分ではない。更に、比較例3はアルミニウム含有金属量が過剰で、耐熱衝撃性が低い。
比較例5はホウ素化合物を含まないため、耐酸化性が十分ではない。逆に、比較例6はホウ素化合物量が過剰で、耐食性が低い。
比較例7は実施例3と同じ配合を1500℃還元雰囲気で熱処理した焼成プレート耐火物で、金属が酸化・炭化して結合を強化しているために中間温度域の強度低下はないが、耐熱衝撃性が低い(図1参照)。
比較例8は有機結合剤の増量により緻密化を狙ったものであるが、乾燥時に亀裂が生じた。
比較例9はカーボン質粉末原料を含まないため耐酸化性には問題はないが、耐熱衝撃性が低下する。
図1は、比較例7(上側)と実施例3(下側)との耐熱衝撃性の結果を示す写真である。実施例3は亀裂が入っていない状態(3段階の良の評価)であるのに、比較例7では多数の亀裂が入っている状態(3段階の悪の評価)を確認できる。
以上説明したように、本発明は不焼成スライディングノズルプレート用耐火物の、中間温度域での強度、耐酸化性および耐食性に優れた不焼成あるいは軽焼成耐火物を得ることができ、鉄鋼業における有用性は極めて高い。

Claims (3)

  1. 耐火性無機材料と、融点が1000℃以下であるアルミニウム含有金属のうち少なくとも1種または2種以上を3〜15質量%、カーボン質粉末原料0.3〜2質量%を含有する耐火原料配合物に有機結合剤を添加し、成形後、100〜1000℃の温度で熱処理し、かつ、カーボン質量を上記カーボン質粉末量と有機結合剤の800℃焼成後の残炭量との和とした際、アルミニウム質量に対するカーボン質量が0.2〜0.45倍の範囲であるスライディングノズル用プレート耐火物。
  2. 酸化防止剤としてホウ素化合物を0.1〜5質量%含有する請求項1に記載のスライディングノズル用プレート耐火物。
  3. 有機結合剤2〜5質量%を添加して製造する請求項1または2に記載のスライディングノズル用プレート耐火物。
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