JP2003305563A - スライディングノズルプレート耐火物 - Google Patents
スライディングノズルプレート耐火物Info
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- JP2003305563A JP2003305563A JP2002105996A JP2002105996A JP2003305563A JP 2003305563 A JP2003305563 A JP 2003305563A JP 2002105996 A JP2002105996 A JP 2002105996A JP 2002105996 A JP2002105996 A JP 2002105996A JP 2003305563 A JP2003305563 A JP 2003305563A
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- Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 常温から使用時の温度までの強度が高く、耐
酸化性、耐食性に優れた不焼成スライディングノズル用
プレートを提供する。 【解決手段】 耐火性無機材料および炭素質原料に対
し、アルミニウムーマグネシウム合金及びアルミニウム
の内の少なくとも一方を0.5〜15重量%と、平均粒径20
μm以下のアルミナ微粉、シリカ微粉、チタニア微粉等
の焼結助剤0.1〜10重量%を混合・乾燥して、不焼成ス
ライディングノズル用プレート耐火物を生成する。
酸化性、耐食性に優れた不焼成スライディングノズル用
プレートを提供する。 【解決手段】 耐火性無機材料および炭素質原料に対
し、アルミニウムーマグネシウム合金及びアルミニウム
の内の少なくとも一方を0.5〜15重量%と、平均粒径20
μm以下のアルミナ微粉、シリカ微粉、チタニア微粉等
の焼結助剤0.1〜10重量%を混合・乾燥して、不焼成ス
ライディングノズル用プレート耐火物を生成する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スライディングノ
ズルプレート(以下「SNプレート」と略す)、特に、
不焼成SNプレートに関するものである。 【0002】 【従来の技術】取鍋、タンディッシュ等に付設されるス
ライディングノズル装置は、それぞれに流出孔を穿設し
た複数枚のSNプレートを摺動し、その流出孔の開閉で
溶融金属の流量制御を行うものである。SNプレートの
損傷形態としては、溶鋼流による磨耗、急激な熱衝撃に
よる割れ、摺動面での磨耗損耗あるいはカーボンの酸化
による組織劣化に起因する面荒れ等に加えて溶鋼または
スラグによる化学的侵食を受ける。従って、SNプレー
トの具備すべき特性として耐磨耗性、耐熱スポール性、
耐食性等に優れることが挙げられる。そしてSNプレー
トは使用条件に応じて各特性をバランスよく具備するこ
とで、寿命延長などの高耐用化を図ってきた。 【0003】ところで最近、諸特性のうち特に耐熱スポ
ール性のより一層の向上とSNプレートの製造工程の合
理化、製造コストの低減を目的として、従来から使用さ
れてきた約1300℃程度で焼成したSNプレートに加え
て、焼成を行わないいわゆる不焼成SNプレートも使用
されている。不焼成プレートは、耐火性無機材料および
炭素質原料に、フェノールレジン等の有機質結合剤を添
加・混合したものを成形、乾燥しただけで製品化したも
のである。使用した有機質結合剤は、通常の雰囲気下で
は250℃付近から分解あるいは酸化を開始し、500〜700
℃で結合剤としての機能が失われる。このため、SNプ
レートに用いられるれんがの結合が全面的に有機質結合
剤に依存する従来の有機質結合剤で硬化された不焼成S
Nプレートでは、500〜700℃付近で著しい強度劣化を起
こす。そして、これに起因する組織摩耗や溶銅中の酸素
およびSNプレート面間から流入する空気によりれんが
中のカーボンが酸化され、組織が脆弱化するため面荒れ
が著しく、不焼成SNプレートは焼成SNプレートに比
べて耐用性に劣るといった問題点があった。 【0004】もちろんこの問題点に対しては、例えば、
特開昭57-11873に開示された改善技術が提案されてい
る。この技術は、300〜800℃の領域に融点を持つ釉、ま
たは顔料の成分となる低融点化合物の添加、あるいはコ
ロイダルシリカ、エチルシリケート、珪素樹脂、珪酸ナ
トリウム、珪酸リチウムを含浸、塗布する。そして、こ
れによって1000℃以下の中間温度域での強度低下抑制と
酸化防止効果を狙ったものである。 【0005】さらに特開平6-135765および特開平7-2902
32では、シリコーン変性フェノール樹脂を添加すること
により先に述べたコロイダルシリカ、エチルシリケー
ト、珪素樹脂、珪酸ナトリウム、珪酸リチウムを含浸、
塗布することで同様の効果を狙っている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開昭57
-11873の技術では確かに低融点化合物により中間温度域
の強度低下は抑制できるが、実使用時には1500℃以上の
熱を受けるため、低融点化合物の粘度が低下し、組織が
緩み耐食性が下がる。 【0007】また上記特開平6-135765および特開平7-29
0232の技術は、目的とする1000℃以下の中間温度域での
強度低下防止と酸化防止に効果がある。しかしながら、
実使用時に、溶鋼が通過するSNプレートの内孔および
摺動面が加熱され、かつわずかな酸素が存在すると、先
に述べた添加物はシリカの生成を促し、その結果、SN
プレート自体の耐食性が著しく悪化することが明らかで
ある。即ち、新たに生成したシリカが、SNプレート中
のアルミナおよび鋼中のFeOとの反応により低融点物質
を生成するために耐食性の劣化につながることが考えら
れるのである。 【0008】以上のように不焼成SNプレートの中間温
度域の強度、耐熱スポール性は向上したが、耐食性の低
下が否めず、耐用性向上を図るには不充分である。 【0009】そこで本発明は、常温から使用時の温度ま
での強度が高く、耐酸化性、耐食性に優れた不焼成SN
プレートを提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために以下の手段を採用している。すなわち、耐火
性無機材料および炭素質原料に対し、アルミニウムーマ
グネシウム合金、及びアルミニウムの内の少なくとも1
つを0.5〜15重量%と、平均粒径20μm以下のアルミナ微
粉、シリカ微粉、チタニア微粉の少なくとも1種類以上
の焼結助剤0.1〜10重量%を混合・成形・乾燥して、不
焼成スライディングノズル用プレート耐火物を生成す
る。 【0011】これにより、常温から使用時の温度までの
強度が高く、耐酸化性、耐食性に優れた不焼成スライデ
ィングノズル用プレートが得られる。 【0012】本発明に用いられる骨材としての耐火性無
機材料としては、従来から骨材として用いられている各
種酸化物、あるいはそれらの複合酸化物、炭化物、窒化
物、硼化物および各種炭素類の中から1種あるいは2種以
上が選ばれ、材質および粒度構成は使用条件によって従
来からの範囲内で任意に選定すればよい。これに対して
有機質結合剤を添加して製造する。 【0013】しかしながらこれだけでは上述したように
500〜700℃付近で著しい強度劣化を起こす。そこでこれ
らの問題点の対策として、アルミニウム-マグネシウム
合金およびアルミニウムの添加を行う。アルミニウム-
マグネシウム合金の融点450℃、およびアルミニウムの
融点670℃と低く、使用時の昇温過程でそれぞれ順次、
軟化・溶融することによって生じる耐火性骨材粒の再配
列に基づく保持機能に加えて、800℃ではAl4C3の生成に
より、高強度化する。従来の不焼成れんがで強度劣化が
起こる温度域において、効果的な強度補強が行われる。 【0014】さらにアルミニウム-マグネシウム合金は
反応性に優れており、使用時の1000℃付近ではアルミ
ナ、マグネシア、スピネル等を生成し、耐食性向上にも
効果的である。添加量としては0.5〜15重量%が適当
で、0.5重量%未満であるとその効果は認められず、15
重量%を超えると、アルミニウム-マグネシウム合金お
よびアルミニウムの軟化もしくは溶融によって溶融金属
流による摩耗あるいは流出損傷が逆に助長されるため耐
食性に対する効果が少なくなる。 【0015】上記金属の添加によって中間温度域の強度
および耐食性は向上する。すなわち、上述したように、
使用時に、アルミニウム-マグネシウム合金は1000℃以
上になると酸化して、アルミナ、マグネシア、スピネル
を、アルミニウムはアルミナを生成し耐食性向上にも効
果的であるが、さらに強度向上を目指して、金属が酸化
する1000℃以上での焼結を促進するために焼結助剤を添
加する。焼結助剤としては、平均粒径が20μm以下のア
ルミナ、シリカ、チタニア等の微粉からなる耐火性原料
が挙げられる。添加量としては0.1〜10重量%が適当で
0.1重量%未満であるとその効果は認められず、10重量
%を超えると、過焼結になり、れんがの弾性率が向上し
耐熱スポール性が低下したり、低融点物質の生成増にと
もなう耐食性の低下につながり好ましくない。 【0016】以上に示した所定量の耐火性無機材料、炭
素質原料、アルミニウム-マグネシウム合金および/ま
たはアルミニウム、焼結助剤に有機質結合剤をミキサー
にて混練する。混練後の配合物を耐火れんがの成形に用
いる通常の成形機、例えばフリクションプレス、オイル
プレスなどにより成形し、その後、成形体の乾燥を行
う。乾燥は有機質結合剤、例えば熱硬化性樹脂中の溶剤
成分を揮発させることと硬化させる目的で行われる。通
常は100〜300℃にて行う。100℃以下であると有機質結
合剤の硬化が十分ではなく、強度が低くなる。300℃以
上では有機質結合剤の分解がはじまり、れんがの気孔率
が上昇し、耐食性が低下するためである。 【0017】以上のように本発明により不焼成SNプレ
ートは、れんがの結合形態が焼成SNプレートとは異な
るので、非常に優れた耐熱スポール性を有するとともに
低残存膨張で、熱間強度、耐酸化性、耐食性も良好で従
来の不焼成SNプレートよりも特性改善を可能にしてい
る。また、焼成工程の省略により、省力化、省エネルギ
ー化および製造コストの低減化が可能となる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を表1に従
って詳細に説明する。 (実施例)アルミナ、アルミナ-ジルコニア、金属とし
てアルミニウム-マグネシウム合金、アルミニウム、カ
ーボン源としてカーボンブラック、焼結助剤にアルミナ
微紛、シリカ微紛に有機バインダーとしてフェノール樹
脂を表1のような各水準で配合し、常温で30分間混練、5
00t真空フリクションプレスでプレート形状に成形した
ものを250℃で20時間乾燥し、不焼成SNプレートを得
た。 【0019】表1に示す実施例1〜4および比較例1〜5の
各々について600℃窒素雰囲気で曲げ強度を測定し、さ
らに耐熱スポール性試験、耐酸化性試験、耐食性試験を
行った。なお、耐熱スポール性試験は30×30×230mmの
試片を1550℃溶銑中へ90秒浸漬する前後の弾性率の低下
率で評価した。この低下率が低いほど、耐熱スポール性
が高いことを示す。耐酸化性試験は、900℃×3時間大気
中で加熱後の試片の残炭部の面積で評価した。耐食性試
験は、侵食材として普通鋼およびミルスケールを使用
し、1650℃×4時間の条件でロータリー侵食試験を行
い、溶損量で評価した。比較例1の溶損量を100として指
数化して表示している。以上の結果は表1に示す通りで
ある。これらの結果から明らかなように、本発明による
実施例のものは、同時に製造した比較例のものに比べて
強度、耐熱スポール性、耐酸化性、耐食性の各特性に対
して総合的に優れることが判る。 【0020】 【発明の効果】以上、説明したように本発明は、中間温
度域での強度、耐熱スポール性、耐酸化性ならびに耐食
性に優れた不焼成SNプレートを提供することができ
る。したがってスライディングノズル用プレートについ
て安価で、従来品に比べて寿命向上と操業の安定化が期
待できる。 【0021】表1 本発明の実施例 【0022】 【表1】【0023】 *1 600℃窒素雰囲気 *2 溶銑1550℃×90秒浸漬前後の弾性率低下率(%) *3 耐酸化性◎>○>× *4 ロータリー侵食法1650℃×4時間、普通鋼:ミル
スケール=1:1
ズルプレート(以下「SNプレート」と略す)、特に、
不焼成SNプレートに関するものである。 【0002】 【従来の技術】取鍋、タンディッシュ等に付設されるス
ライディングノズル装置は、それぞれに流出孔を穿設し
た複数枚のSNプレートを摺動し、その流出孔の開閉で
溶融金属の流量制御を行うものである。SNプレートの
損傷形態としては、溶鋼流による磨耗、急激な熱衝撃に
よる割れ、摺動面での磨耗損耗あるいはカーボンの酸化
による組織劣化に起因する面荒れ等に加えて溶鋼または
スラグによる化学的侵食を受ける。従って、SNプレー
トの具備すべき特性として耐磨耗性、耐熱スポール性、
耐食性等に優れることが挙げられる。そしてSNプレー
トは使用条件に応じて各特性をバランスよく具備するこ
とで、寿命延長などの高耐用化を図ってきた。 【0003】ところで最近、諸特性のうち特に耐熱スポ
ール性のより一層の向上とSNプレートの製造工程の合
理化、製造コストの低減を目的として、従来から使用さ
れてきた約1300℃程度で焼成したSNプレートに加え
て、焼成を行わないいわゆる不焼成SNプレートも使用
されている。不焼成プレートは、耐火性無機材料および
炭素質原料に、フェノールレジン等の有機質結合剤を添
加・混合したものを成形、乾燥しただけで製品化したも
のである。使用した有機質結合剤は、通常の雰囲気下で
は250℃付近から分解あるいは酸化を開始し、500〜700
℃で結合剤としての機能が失われる。このため、SNプ
レートに用いられるれんがの結合が全面的に有機質結合
剤に依存する従来の有機質結合剤で硬化された不焼成S
Nプレートでは、500〜700℃付近で著しい強度劣化を起
こす。そして、これに起因する組織摩耗や溶銅中の酸素
およびSNプレート面間から流入する空気によりれんが
中のカーボンが酸化され、組織が脆弱化するため面荒れ
が著しく、不焼成SNプレートは焼成SNプレートに比
べて耐用性に劣るといった問題点があった。 【0004】もちろんこの問題点に対しては、例えば、
特開昭57-11873に開示された改善技術が提案されてい
る。この技術は、300〜800℃の領域に融点を持つ釉、ま
たは顔料の成分となる低融点化合物の添加、あるいはコ
ロイダルシリカ、エチルシリケート、珪素樹脂、珪酸ナ
トリウム、珪酸リチウムを含浸、塗布する。そして、こ
れによって1000℃以下の中間温度域での強度低下抑制と
酸化防止効果を狙ったものである。 【0005】さらに特開平6-135765および特開平7-2902
32では、シリコーン変性フェノール樹脂を添加すること
により先に述べたコロイダルシリカ、エチルシリケー
ト、珪素樹脂、珪酸ナトリウム、珪酸リチウムを含浸、
塗布することで同様の効果を狙っている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開昭57
-11873の技術では確かに低融点化合物により中間温度域
の強度低下は抑制できるが、実使用時には1500℃以上の
熱を受けるため、低融点化合物の粘度が低下し、組織が
緩み耐食性が下がる。 【0007】また上記特開平6-135765および特開平7-29
0232の技術は、目的とする1000℃以下の中間温度域での
強度低下防止と酸化防止に効果がある。しかしながら、
実使用時に、溶鋼が通過するSNプレートの内孔および
摺動面が加熱され、かつわずかな酸素が存在すると、先
に述べた添加物はシリカの生成を促し、その結果、SN
プレート自体の耐食性が著しく悪化することが明らかで
ある。即ち、新たに生成したシリカが、SNプレート中
のアルミナおよび鋼中のFeOとの反応により低融点物質
を生成するために耐食性の劣化につながることが考えら
れるのである。 【0008】以上のように不焼成SNプレートの中間温
度域の強度、耐熱スポール性は向上したが、耐食性の低
下が否めず、耐用性向上を図るには不充分である。 【0009】そこで本発明は、常温から使用時の温度ま
での強度が高く、耐酸化性、耐食性に優れた不焼成SN
プレートを提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために以下の手段を採用している。すなわち、耐火
性無機材料および炭素質原料に対し、アルミニウムーマ
グネシウム合金、及びアルミニウムの内の少なくとも1
つを0.5〜15重量%と、平均粒径20μm以下のアルミナ微
粉、シリカ微粉、チタニア微粉の少なくとも1種類以上
の焼結助剤0.1〜10重量%を混合・成形・乾燥して、不
焼成スライディングノズル用プレート耐火物を生成す
る。 【0011】これにより、常温から使用時の温度までの
強度が高く、耐酸化性、耐食性に優れた不焼成スライデ
ィングノズル用プレートが得られる。 【0012】本発明に用いられる骨材としての耐火性無
機材料としては、従来から骨材として用いられている各
種酸化物、あるいはそれらの複合酸化物、炭化物、窒化
物、硼化物および各種炭素類の中から1種あるいは2種以
上が選ばれ、材質および粒度構成は使用条件によって従
来からの範囲内で任意に選定すればよい。これに対して
有機質結合剤を添加して製造する。 【0013】しかしながらこれだけでは上述したように
500〜700℃付近で著しい強度劣化を起こす。そこでこれ
らの問題点の対策として、アルミニウム-マグネシウム
合金およびアルミニウムの添加を行う。アルミニウム-
マグネシウム合金の融点450℃、およびアルミニウムの
融点670℃と低く、使用時の昇温過程でそれぞれ順次、
軟化・溶融することによって生じる耐火性骨材粒の再配
列に基づく保持機能に加えて、800℃ではAl4C3の生成に
より、高強度化する。従来の不焼成れんがで強度劣化が
起こる温度域において、効果的な強度補強が行われる。 【0014】さらにアルミニウム-マグネシウム合金は
反応性に優れており、使用時の1000℃付近ではアルミ
ナ、マグネシア、スピネル等を生成し、耐食性向上にも
効果的である。添加量としては0.5〜15重量%が適当
で、0.5重量%未満であるとその効果は認められず、15
重量%を超えると、アルミニウム-マグネシウム合金お
よびアルミニウムの軟化もしくは溶融によって溶融金属
流による摩耗あるいは流出損傷が逆に助長されるため耐
食性に対する効果が少なくなる。 【0015】上記金属の添加によって中間温度域の強度
および耐食性は向上する。すなわち、上述したように、
使用時に、アルミニウム-マグネシウム合金は1000℃以
上になると酸化して、アルミナ、マグネシア、スピネル
を、アルミニウムはアルミナを生成し耐食性向上にも効
果的であるが、さらに強度向上を目指して、金属が酸化
する1000℃以上での焼結を促進するために焼結助剤を添
加する。焼結助剤としては、平均粒径が20μm以下のア
ルミナ、シリカ、チタニア等の微粉からなる耐火性原料
が挙げられる。添加量としては0.1〜10重量%が適当で
0.1重量%未満であるとその効果は認められず、10重量
%を超えると、過焼結になり、れんがの弾性率が向上し
耐熱スポール性が低下したり、低融点物質の生成増にと
もなう耐食性の低下につながり好ましくない。 【0016】以上に示した所定量の耐火性無機材料、炭
素質原料、アルミニウム-マグネシウム合金および/ま
たはアルミニウム、焼結助剤に有機質結合剤をミキサー
にて混練する。混練後の配合物を耐火れんがの成形に用
いる通常の成形機、例えばフリクションプレス、オイル
プレスなどにより成形し、その後、成形体の乾燥を行
う。乾燥は有機質結合剤、例えば熱硬化性樹脂中の溶剤
成分を揮発させることと硬化させる目的で行われる。通
常は100〜300℃にて行う。100℃以下であると有機質結
合剤の硬化が十分ではなく、強度が低くなる。300℃以
上では有機質結合剤の分解がはじまり、れんがの気孔率
が上昇し、耐食性が低下するためである。 【0017】以上のように本発明により不焼成SNプレ
ートは、れんがの結合形態が焼成SNプレートとは異な
るので、非常に優れた耐熱スポール性を有するとともに
低残存膨張で、熱間強度、耐酸化性、耐食性も良好で従
来の不焼成SNプレートよりも特性改善を可能にしてい
る。また、焼成工程の省略により、省力化、省エネルギ
ー化および製造コストの低減化が可能となる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を表1に従
って詳細に説明する。 (実施例)アルミナ、アルミナ-ジルコニア、金属とし
てアルミニウム-マグネシウム合金、アルミニウム、カ
ーボン源としてカーボンブラック、焼結助剤にアルミナ
微紛、シリカ微紛に有機バインダーとしてフェノール樹
脂を表1のような各水準で配合し、常温で30分間混練、5
00t真空フリクションプレスでプレート形状に成形した
ものを250℃で20時間乾燥し、不焼成SNプレートを得
た。 【0019】表1に示す実施例1〜4および比較例1〜5の
各々について600℃窒素雰囲気で曲げ強度を測定し、さ
らに耐熱スポール性試験、耐酸化性試験、耐食性試験を
行った。なお、耐熱スポール性試験は30×30×230mmの
試片を1550℃溶銑中へ90秒浸漬する前後の弾性率の低下
率で評価した。この低下率が低いほど、耐熱スポール性
が高いことを示す。耐酸化性試験は、900℃×3時間大気
中で加熱後の試片の残炭部の面積で評価した。耐食性試
験は、侵食材として普通鋼およびミルスケールを使用
し、1650℃×4時間の条件でロータリー侵食試験を行
い、溶損量で評価した。比較例1の溶損量を100として指
数化して表示している。以上の結果は表1に示す通りで
ある。これらの結果から明らかなように、本発明による
実施例のものは、同時に製造した比較例のものに比べて
強度、耐熱スポール性、耐酸化性、耐食性の各特性に対
して総合的に優れることが判る。 【0020】 【発明の効果】以上、説明したように本発明は、中間温
度域での強度、耐熱スポール性、耐酸化性ならびに耐食
性に優れた不焼成SNプレートを提供することができ
る。したがってスライディングノズル用プレートについ
て安価で、従来品に比べて寿命向上と操業の安定化が期
待できる。 【0021】表1 本発明の実施例 【0022】 【表1】【0023】 *1 600℃窒素雰囲気 *2 溶銑1550℃×90秒浸漬前後の弾性率低下率(%) *3 耐酸化性◎>○>× *4 ロータリー侵食法1650℃×4時間、普通鋼:ミル
スケール=1:1
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 佐々木 王明
赤穂市中広字東沖1576番地の2 川崎炉材
株式会社内
(72)発明者 田中 征二郎
赤穂市中広字東沖1576番地の2 川崎炉材
株式会社内
Fターム(参考) 4E014 MA04 MA12
4G030 AA16 AA17 AA36 AA37 AA60
AA61 AA63 BA29 GA04 GA14
GA22
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 耐火性無機材料および炭素質原料と、ア
ルミニウム-マグネシウム合金及びアルミニウムの内の
少なくとも1つを0.5〜15重量%と、平均粒径20μm以下
のアルミナ微粉、シリカ微粉、及びチタニア微粉の少な
くとも一種類以上の焼結助剤0.1〜10重量%からなるこ
とを特徴とする不焼成スライディングノズル用プレート
耐火物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002105996A JP2003305563A (ja) | 2002-04-09 | 2002-04-09 | スライディングノズルプレート耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002105996A JP2003305563A (ja) | 2002-04-09 | 2002-04-09 | スライディングノズルプレート耐火物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003305563A true JP2003305563A (ja) | 2003-10-28 |
Family
ID=29390448
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002105996A Pending JP2003305563A (ja) | 2002-04-09 | 2002-04-09 | スライディングノズルプレート耐火物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003305563A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012200733A (ja) * | 2011-03-23 | 2012-10-22 | Shinagawa Refractories Co Ltd | スライディングノズル用プレート耐火物 |
-
2002
- 2002-04-09 JP JP2002105996A patent/JP2003305563A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012200733A (ja) * | 2011-03-23 | 2012-10-22 | Shinagawa Refractories Co Ltd | スライディングノズル用プレート耐火物 |
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080305 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080702 |