JPH09295874A - アルミニウムオキシカ−バイドを含む不定形耐火物 - Google Patents

アルミニウムオキシカ−バイドを含む不定形耐火物

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JPH09295874A
JPH09295874A JP8130734A JP13073496A JPH09295874A JP H09295874 A JPH09295874 A JP H09295874A JP 8130734 A JP8130734 A JP 8130734A JP 13073496 A JP13073496 A JP 13073496A JP H09295874 A JPH09295874 A JP H09295874A
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JP
Japan
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aluminum
refractory
aluminum oxycarbide
oxycarbide
unshaped refractory
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JP8130734A
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Akira Yamaguchi
明良 山口
Hirokuni Takahashi
宏邦 高橋
Shigeyuki Takanaga
茂幸 高長
Yasutoshi Mizuta
泰稔 水田
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Krosaki Harima Corp
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Kyushu Refractories Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は定形耐火物において行われている、
アルミニウムなどの金属や合金の粉末を添加して炭素含
有耐火物の酸化を防止したりマトリックス部を強固にす
る手法が、特に水を使用する不定形耐火物では水和の問
題で困難であることを解決することを目的とする。 【構成】 不定形耐火物中にアルミニウムオキシカ−バ
イドを0.5〜17重量%を含有するアルミニウムオキシカ
−バイドを含む不定形耐火物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は混銑車、溶銑鍋、転
炉、電気炉、溶鋼鍋、樋などの各種溶融金属容器の内張
り施工や補修に使用される高耐用の不定形耐火物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】各種溶融金属容器の補修には流込材、吹
付材などの不定形耐火物が使用されているが、近年、容
器の一体施工をめざして流込材などによる不定形耐火物
施工が、最近の人手不足とも相まって、次第に試みられ
るようになってきた。
【0003】材質の面からは定形耐火物において、アル
ミニウムなどの金属や合金の粉末を添加して炭素含有耐
火物の酸化を防止したり、マトリックス部を強固にする
ことが行われている。しかし、アルミニウムのような金
属粉を微粉で使用した場合に、金属粉が水と接触すると
急激に水和されるので、この金属粉の粒径を大きくする
必要があるが分散の点で問題があり、定形耐火物と同等
の効果は期待できない。従って、定形耐火物における金
属アルミニウム微粉末を添加する方法を、水を使用する
ことの多い不定形耐火物にはそのままでは適用できない
のである。
【0004】そのためにアルミニウムなどの金属や合金
を不定形耐火物に使用するために種々の方法が開発され
ている。特開平1-294582号公報では水を使わないで有機
バインダ−で混練する非水系不定形耐火物が、また、特
開平1-230483号公報には乾式の不定形耐火物が開示され
ている。さらに、金属の表面を有機樹脂などでコ−ティ
ングして水との接触を防ぐ方法が特開平5- 43336号公報
や特開平5-163056号公報に示されている。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】上記の方法において
非水系不定形耐火物は液体の有機バインダ−を使用する
ため取り扱いや価格の面で問題があり、乾式不定形耐火
物はその適用が限られるので、どうしても水を用いた不
定形耐火物が求められている。しかしながら、金属の表
面を有機樹脂などでコ−ティングする方法によって水系
の不定形耐火物に用いることは、不定形耐火物の製造工
程が複雑になるばかりでなく、混練時にコ−ティング層
の剥離が発生して水との反応を完全に防止することは不
可能である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは金属粉末を
不定形耐火物に適用する方法について種々検討した結
果、上述の課題の解決策として金属粉末ではなく特定の
オキシカ−バイドの形態で添加する方法を見出し本発明
に到達したものである。即ち、本発明は不定形耐火物中
にアルミニウムオキシカ−バイドを0.5〜17重量%を含
有するアルミニウムオキシカ−バイドを含む不定形耐火
物である。
【0007】最近は不定形耐火物においても定形耐火物
と同様に、スラグとの濡れ性を考慮して黒鉛やピツチの
ような炭素質の材料が使用されるが、不定形耐火物は定
形耐火物より気孔率が高いためより酸化されやすい。こ
の酸化を防止するために定形耐火物においてはアルミニ
ウムのような金属粉を使用するのである。しかし、アル
ミニウム金属が水と接触すると反応して水酸化アルミニ
ウムとなり、もはや酸化防止の作用はなくなるだけでな
く、不定形耐火物の乾燥時に爆裂などの危険もある。し
かし、本発明で使用するアルミニウムオキシカ−バイド
はアルミニウム金属やその炭化物である炭化アルミニウ
ムと異なり、水とは全く反応しないので、水を使用する
不定形耐火物にも安心して使用でき、定形耐火物におけ
る金属粉と同等以上の効果を発揮するのである。
【0008】アルミニウムオキシカ−バイドには、Al
2OCおよびAl44Cが知られており、いずれもアル
ミニウムの酸炭化物であり、どちらの化合物も例えば、
金属アルミニウム粉末と黒鉛粉末あるいは無定形炭素粉
末およびアルミナの混合物または成形物をアルゴンある
いは一酸化炭素気流中で1400℃以上に加熱することによ
って製造することができる。
【0009】炭素質材料を含む耐火物中には、そこに含
まれる酸素と炭素質材料とが反応して生成した一酸化炭
素ガスの雰囲気下にある。そこでアルミニウムオキシカ
−バイドは一酸化炭素ガスと接触すると次の式のように
反応する。 3Al2OC(s) → 4Al(g) + Al23(s) + 3C(s) (1) 3Al44C(s) → 4Al(g) + 4Al23(s) + 3C(s)(2) 2Al(g)+ 3CO(g) → Al23(s) + 3C(s) (3) まず(1)あるいは(2)の反応にによりAlがガスと
なり揮散しアルミナと炭素を残す。次いで(3)の反応
ににより揮散したアルミニウム蒸気が一酸化炭素ガスと
反応してアルミナとなり、ここでも炭素が生成される。
結局、反応の結果アルミニウムオキシカ−バイドの存在
していた部位はすべてアルミナと再生された炭素に置き
換わることになる。つまり、アルミニウムオキシカ−バ
イドはアルミニウム金属と同様にカ−ボンの酸化防止を
すると同時に2次的にカ−ボンを生成し、耐食性やスラ
グ浸透防止に役立つのである。
【0010】加えて、生成したアルミナは耐火材料がマ
グネシアの場合には、それと反応しスピネル化する際の
体積膨脹により、れんがの気孔閉塞と組織の緻密化に寄
与する。このように、このように、アルミニウムオキシ
カ−バイドを使用した場合には、金属アルミニウムを使
った場合と異なり、水と反応することもなく、また、使
用途中で炭化アルミニウムを生成しないので、消化によ
る施工体組織の劣化を引き起こすこともない。
【0011】上記のように水和性のないアルミニウムオ
キシカ−バイドの添加は金属粉末の添加の場合と同様に
炭素質材料の酸化を防止する効果を持つと同時に、組織
の緻密化により耐火物の強度が増し、さらに、耐火物へ
のスラグ浸透を阻止するので耐食性も向上する。また、
一般には組織の緻密化はれんがの耐スポ−リング性には
悪影響を及ぼすものであるが、金属粉末の添加の場合に
は溶融した金属の熱膨脹や炭化物生成の際の体積膨脹に
よりれんが内部に応力が蓄積されるが、アルミニウムオ
キシカ−バイドでは、熱膨張も小さく応力の蓄積が少な
い上に再生されたカ−ボンの効果で、緻密化しても耐ス
ポ−リング性はかえって向上する。このように本発明の
アルミニウムオキシカ−バイドの添加は耐酸化性、耐食
性、耐スポ−リング性のいずれにも好結果を及ぼすもの
である。
【0012】また、炭素質材料を含有しない不定形耐火
物にアルミニウムオキシカ−バイドを添加した場合にお
いても、その一部が酸化され耐火物中が一酸化炭素ガス
の雰囲気となると上記と同様の作用により2次的にカ−
ボンを生成し組織が緻密化し、スラグの浸透を防止し耐
食性の向上となる。この炭素質材料を含有しない不定形
耐火物にアルミニウムオキシカ−バイドを添加する場合
は比較的多量に使用すると効果が大きい。
【0013】さらに、金属アルミニウムの細かい粒度の
ものは製造の際の安全の点から使用が非常に困難である
が、アルミニウムオキシカ−バイドの形で添加すれば、
粒度を細かくして使用しても安全である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において使用する耐火材料
としては従来から知られている各種耐火材であり、例え
ばMgO、CaO、Al23、Cr23、SiO2、Z
rO2などの成分を含有する塩基性、中性、酸性の酸化
物の他に、炭化珪素などの炭化物、窒化珪素、窒化アル
ミニウムなどの窒化物、ホウ化ジルコニウム、ホウ化カ
ルシウムなどのホウ化物のうちから選ばれた1種または
2種以上を使用することができる。また、特に黒鉛など
の炭素質物質も上記耐火材料と併用することにより施工
体や補修後の耐用性が向上する。
【0015】本発明の不定形耐火物は、その用途によっ
て流込み、振動成形、ラミング、スタンプ、吹付け、焼
付け、投込みなど適宜選択して使用する。流込材や吹付
材として使用する場合は、施工時に適量の水を添加混合
して使用する。具体的な材料と施工例をあげると、流込
材としてはアルミナ系耐火材料を使用して溶銑予備処理
用炉材、高炉樋材などに、吹付材としてマグネシア系耐
火材料により転炉に、焼付材として塩基性材料を用いて
転炉、溶鋼鍋、電気炉に、アルミナ系材料を用いて溶銑
鍋などに、さらに、ラミング材、スタンプ材としてはア
ルミナ系材料を使用した溶銑予備処理用容器に用いられ
る。
【0016】本発明におけるアルミニウムオキシカ−バ
イドの使用量は0.5〜17重量部とする。この添加量が17
重量部を越えると耐食性が低下するようになり、0.5重
量部未満では添加効果が発揮されずいずれも好ましくな
い。また、使用するアルミニウムオキシカ−バイドは粒
の荒いものから細かいものまで幅広く使用できるが、耐
食性などの点を考慮すると粒度は細かいほどよい。通常
では125μm以下を用いるが、好ましくは75μm以下と
するのがよい。
【0017】本発明に係わる不定耐火物を製造するに
は、粒度調整した耐火材料と上記アルミニウムオキシカ
−バイドに対して、使用目的に応じて、各種リン酸塩、
アルミナセメントなどの無機系結合剤やタ−ル、ピッチ
やフェノ−ル樹脂などの有機系結合剤を加える。さら
に、必要に応じ分散剤、可塑剤、硬化調整剤、減水剤、
溶媒など常用の添加剤を添加して調製する。
【0018】
【実施例】
流込材(実施例 1〜3、比較例 1、2) 表1に示すような組成のアルミナ・炭化珪素系流込材に
用いた例を示す。耐酸化性は1400℃で3時間空気中で加
熱した後の脱炭面積率で、耐食性はC/S=1のスラグを
用いて1500℃、30分間を6サイクル浸食試験後の溶損量
を、耐スポ−リング性は1500℃の溶銑に浸漬する操作を
3回繰り返した後の弾性率を試験前を100とする比で表
した。
【0019】
【表1】
【0020】表1の結果から明らかなようにアルミニウ
ムオキシカ−バイドを添加することにより耐酸化性は格
段に向上している。この耐酸化性の向上により炭素質材
料の酸化が抑えられるため耐食性もよくなっている。ま
た、耐スポ−リング性の向上はアルミニウムオキシカ−
バイドにより2次的に生成したカ−ボンの寄与によるも
のと考えられる。水を使用する流込材には金属粉末は水
和するため使用出来なかったが、アルミニウムオキシカ
−バイドであれば使用することが可能である。また、炭
素質材料を含まない材料においても(実施例4と比較例
2)、アルミニウムオキシカ−バイドにより2次的に生
成したカ−ボンによる効果が認められる。
【0021】吹付材(実施例 5〜7、比較例 3〜
5)、焼付材(実施例 8〜10、比較例6)、ラミング
材(実施例 11、12、比較例 7、8) 表2および表3に転炉用マグネシア系吹付材、同じく転
炉用のマグネシア系焼付材、混銑車用アルミナ・炭化珪
素・カ−ボン系ラミング材の例を示す。表2および表3
の施工法の「吹」は吹付材、「焼」は焼付材、「ラ」は
ラミング材を示す。なお、表2および表3の造粒粒子は
アルミナ75重量%、炭化珪素15重量%、黒鉛10重量%の
組成のものを造粒したものである。
【0022】表2および表3において、耐食性は吹付材
と焼付材にではC/S=3.4の転炉スラグを用いて1650
℃、5時間、ラミング材においてはC/S=1のスラグ
で1500℃、4時間の浸食試験後の溶損量を示した。吹付
材における付着率は約1000℃の補修面に水を用いる通常
の吹付けを行った際の付着率和を、ラミング材における
剥落までの回数は室温と1400℃の間の熱履歴を加えて施
工体が母材から剥落するまでの回数で示した。
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】これらの不定形耐火物においてもアルミニ
ウムオキシカ−バイドの添加により耐食性はかなりの向
上を示している。これも組織の緻密化と2次的に生成し
たカ−ボンの寄与が大きいものと思われる。吹付材にお
いてはアルミニウムオキシカ−バイドの添加による付着
への悪影響はほとんど見られない。かえって金属アルミ
ニウムの添加の悪影響が見られる(比較例5)。その結
果、炭素質材料の有無や結合剤の種類によらず高耐用を
示している。焼付材やラミング材に添加しても組織の緻
密化と2次的に生成したカ−ボンの寄与が耐食性に現れ
ている。
【0026】
【発明の効果】本発明の不定形耐火物におけるアルミニ
ウムオキシカ−バイドの添加により施工体は緻密化し、
さらに酸化されやすい材料の酸化を防止することにより
スラグ浸透を阻止による耐食性の向上に寄与する。さら
に、組織が緻密化しても耐スポ−リング性にもよい影響
を及ぼすものである。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不定形耐火物中にアルミニウムオキシカ
    −バイドを0.5〜17重量%を含有することを特徴とする
    アルミニウムオキシカ−バイドを含む不定形耐火物。
JP8130734A 1996-04-26 1996-04-26 アルミニウムオキシカ−バイドを含む不定形耐火物 Pending JPH09295874A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010113972A1 (ja) * 2009-03-30 2010-10-07 黒崎播磨株式会社 アルミニウムオキシカーバイド組成物及びその製造方法
JP2012072006A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Kurosaki Harima Corp カーボン含有耐火物
KR102602360B1 (ko) * 2023-01-13 2023-11-17 주식회사 수현건설 우수한 자기보수성 및 성능회복기능을 갖는 콘크리트 구조물의 보수보강용 고성능 모르타르 조성물 및 이를 이용한 콘크리트 구조물의 보수보강 시공방법

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