以下、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機全体の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機を表面側からみた斜視図であり、図2は、同パチンコ遊技機を背面側からみた斜視図である。
本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機10は、図1に示すように、外枠11、前枠12、窓枠13及び当該窓枠13に覆われた遊技盤30(後述)などを備えている。また、パチンコ遊技機10の背面には、図2に示すように、液晶ディスプレイ型の演出表示装置37(後述)などの表示制御や、可動役物及びLEDなどによる遊技演出の制御を行う表示演出サブ基板21、各種遊技音の出力制御を行う音サブ基板22、入賞時におけるパチンコ遊技機10の動作等を含むパチンコ遊技機10の主要な動作を制御する主基板23、パチンコ球(遊技球)の払い出し動作を制御する払出基板24、各基板等に電源を供給する電源基板25等の各種基板が例えば透明ケースに収納された状態で取り付けられている。
具体的に、外枠11は、パチンコホールの台島に設置されており、前後面が開口するように四角筒状に形成されている。前枠12は、外枠11の前端面に左側辺部の垂直な軸を中心に回動可能に装着されている。また、この前枠12の前面下部には、上面が開口する下皿14と、上面が開口する上皿15とが固定されている。
下皿14の右端周辺にはハンドル台16が固定されており、ハンドル台16には発射ハンドル19が回動自在に装着されている。この発射ハンドル19の後方には発射モータが固定されており、発射モータの回転軸には打球槌が連結されている。この発射モータは打球槌の駆動源に相当するものであり、発射ハンドル19が回動操作されたときには発射モータに駆動電源が供給される。その結果、打球槌が駆動して上皿15内のパチンコ球が弾き出される。
窓枠13は前枠12の前面に装着されている。この窓枠13は前枠12と一体となって、前記した軸を中心に回動可能となっている。また、この窓枠13には円形孔状の窓部17が形成されており、窓部17の内周面には透明なガラスやアクリル等からなる透明板17aが固定されている。この窓枠13の左上隅部及び右上隅部の裏面には、遊技音を出力するスピーカ18が固定されている。また、窓枠13には複数の装飾LEDが固定されている。
上述の遊技盤30は、前枠12の後面に装着されている。以下、この遊技盤30に備えられる各構成部材について図3〜図5を参照して詳細に説明する。図3〜図5は、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機10の遊技盤30の正面図であり、図3は、可動役物(後述)の第1可動物(後述)が停止位置に停止した状態のものであり、図4は、可動役物(後述)の第1可動物(後述)が可動位置に停止した状態のものであり、図5は、可動役物(後述)の第2可動物(後述)が可動した状態のものである。この遊技盤30は、上述のように前枠12の後面に装着されており、窓枠13の透明板17aに前方から覆われている。
遊技盤30は、その遊技者側の表面に有する盤面等に各構成部材を固定する板状の部材であり、木製又は樹脂製のものである。ガイドレール32は、この遊技盤30の前記透明板17aと対向する表面側の盤面に固定されて、この遊技盤30上に、パチンコ球の発射通路31aと、発射されたパチンコ球が転動しながら流下する遊技領域31bとを区画形成する。遊技盤30における遊技領域31bのほぼ中央部には、当該遊技盤30に貫設された開口部38が形成されている。この開口部38の周縁には、センター装飾部材40が付設されている。また、センター装飾部材40には、開口部38の下部を覆うように、ステージ50が形成されている。
また、遊技領域31bにおいては、遊技盤30に形成されたセンター装飾部材40の周囲の少なくとも一部に、パチンコ球が転動しながら流下するようになっている。本実施の形態では、ガイドレール32とセンター装飾部材40との間の領域で、センター装飾部材40の上方から左方及び右下方までの領域にパチンコ球が流下するようになっている。
また、遊技領域31bにおける遊技盤30の盤面上には、パチンコ球の流下方向を変化させる複数の遊技釘(障害部材)39が打ち込まれている。上述の打球槌が弾いたパチンコ球は、発射通路31aを通して遊技領域31b内に放出される。そして、遊技領域31bに放出されたパチンコ球は、遊技釘39に当たって転動しながら遊技領域31bを流下し、最終的に何れかの入賞口又は遊技領域31bの最下方に位置するアウト口36に入るようになっている。
また、遊技盤30に貫設された開口部38の後方には、カラー液晶ディスプレイ等を用いた演出表示装置37が設けられている。この演出表示装置37は、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定結果に基づき変動演出表示を行う広い面積の表示画面37aを有しており、当該表示画面37aが開口部38からパチンコ遊技機10の前方に向けて臨むようになっている。
また、遊技領域31b内において、演出表示装置37の下方には、始動入賞口33が配置されている。この始動入賞口33は、パチンコ球が入賞することによって、遊技者に有利な大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行う起点となるものであり、上方に開口するポケット状に形成されている。
また、始動入賞口33の下方には、大入賞口34が配置されている。この大入賞口34は図示しないアクチュエータの作動により開閉する開閉扉34aを備えており、この開閉扉34aは、遊技状態が大当り遊技状態になると開口し、その際には大入賞口34が上方に向かってポケット状に幅広く開口し、多数のパチンコ球が同時かつ連続的に大入賞口34に入賞可能となる。
また、遊技領域31bの所定位置(本実施の形態では、開口部38の周縁に装着されたセンター装飾部材40の左側方)にはワープ通路90が設けられており、遊技領域31bにおけるパチンコ球が流下する途中(本実施の形態では、開口部38の周縁に装着されたセンター装飾部材40の左側方の上部)にワープ通路90の球入口91が形成されており、また、遊技領域31bにおけるステージ50付近(本実施の形態では、開口部38の周縁に装着されたセンター装飾部材40の左側方の下部でステージ50に繋がる位置)にワープ通路90の球出口92が形成されている。そして、本実施の形態では、遊技領域31bに転動するパチンコ球が、球入口91からワープ通路90に入り、当該ワープ通路90内を通って、球出口92から放出されることで、パチンコ球がステージ50に誘導されるようになっている。
また、遊技領域31b内の所定位置には、パチンコ球が入賞可能な一般入賞口35が上方に開口するポケット状に形成されている(本実施の形態では、遊技領域31bの左下部に複数の一般入賞口35が形成されている)。
また、演出表示装置37の左側方には、図3に示すように、所定の演出を行うために可動する可動役物100が配置されている。この可動役物100は、演出表示装置37と遊技盤30又はセンター装飾部材40の間に設けられる収容空間に収容されており、図3に示すように、第1可動物110と第2可動物120を有している。また、第1可動物110が、図3に示す停止位置と図4に示す可動位置との間を移動するようになっていると共に、第2可動物120が、図4に示す停止状態と図5に示す可動状態とに変動するようになっている。
以下、本実施の形態における可動役物100について、図6〜図20を参照して詳細に説明する。図6〜図8は、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機10の可動役物100の第1可動物110が図3に示す停止位置に停止した状態の斜視図,正面図,裏面図であり、図9〜図11は、図6〜図8からベース部材及び装飾部材等を取り外した状態の斜視図,正面図,裏面図である。
また、図12は、同パチンコ遊技機10の可動役物100の第1可動物110が図4に示す可動位置に停止した状態の斜視図であり、図13,図14は、図12からベース部材及び装飾部材等を取り外した状態の斜視図,正面図である。
また、図15は、同パチンコ遊技機10の可動役物100の第1可動物110が図4に示す可動位置に停止した状態でラックの突起部がレバー部まで移動したときの斜視図であり、図16,図17は、図15からベース部材及び装飾部材等を取り外した状態の斜視図,正面図である。
また、図18は、同パチンコ遊技機10の可動役物100の第2可動物120が図5に示すように可動した状態の斜視図であり、図19,図20は、図18からベース部材及び装飾部材等を取り外した状態の斜視図,正面図である。
本実施の形態における可動役物100は、図7に示すように、ベース部材101に、第1可動物110、第2可動物120、本発明の駆動源としてのモータ130、本発明の係合部材としての第1ラック140(図10参照)、本発明の第1可動物110の一部を構成する別部材としての第1プレート150(図10参照)、第2ラック160(図10参照)等が配置されて構成されている。
本実施の形態のベース部材101は、図7に示すように、種々の部材を取り付け、配置する部材であり、パチンコ遊技機10の下方側(図7の下方)が略方形状に形成され、そこから上方に略長細形状に延出した形状となっている。また、略長細形状の長手方向の一端(本実施の形態では下方側)から長手方向に沿って、図7に示すように、長孔形状の挿通孔102が形成されている。この挿通孔102は、後述する第1ラック140の突起部141を挿通して直線移動可能にガイドするものである。また、挿通孔102の下端付近には、図7に示すように、後述する第1ラック140(図10参照)の突出片142(図10参照)を検出するためのフォトセンサ等のセンサ103が配置されている。
また、本実施の形態の第1可動物110は、図7に示すように、人の腕を模した略く字形状の部材であり、後述する第1プレート150等に取り付けられて、図3→図4(図6→図12)に示すように、パチンコ遊技機10の左側からパンチを繰り出すように回動するものである。
また、本実施の形態の第2可動物120は、図10に示すように、ボクシングのグローブを模した形状の部材であり、回動軸122を介して前記した第1可動物110の先端に取り付けられており、この回動軸122を中心として180°回動するようになっている。また、図11に示すように、ボクシングのグローブの裏側には、板状部121が配置されており、この板状部121は、「KO!」という文字が表示されたものとなっている。
また、図7に示すように、本実施の形態の駆動源としてのモータ130は、第1可動物110及び第2可動物120の双方を可動させるための駆動源であり、ベース部材101の右下側に配置されている。また、図10に示すように、モータ130に隣接して当該モータ130の駆動力を後述する第1ラック140に伝達するための第1機構部131が配置されている。本実施の形態の第1機構部131は、複数のギアが組み合わされた構成となっている。
また、本実施の形態の第1ラック140は、図11に示すように、第1機構部131のギアと歯合しており、これによりモータ130の駆動力を受けて、パチンコ遊技機10の上下方向(図10,図11の上下方向)に直線状に移動するものである。また、この第1ラック140における遊技盤30の上側の位置には、図10に示すように、係合部として遊技者側に突出した略円柱形状の突起部141が形成されており、この突起部141がベース部材101の挿通孔102を介して後述する第1プレート150の第1溝部151及び第2溝部152に挿入され、第1溝部151の移動開始位置から、第1溝部151と第2溝部152の境界部分である中間位置を介して、第2溝部152の移動終了位置まで、直線状に移動するようになっている。また、第1ラック140における遊技盤30の下側の位置には、図10に示すように、遊技者側に突出した長細形状の突出片142が形成されている。そして、この突出片142が、第1ラック140の下方への移動によって、ベース部材101の挿通孔102の下端付近のセンサ103に上方から挿入されることで、第1ラック140が最下端まで到達したことを検知し、モータ130を停止するようになっている。
また、本実施の形態の第1プレート150は、図10に示すように、略コ字状に曲がった形状の部材であり、図8に示すように、軸153(図9参照)で回動可能にベース部材101に取り付けられ、軸154で第1可動物110に回動可能に取り付けられている。また、第1プレート150の湾曲部付近には、図10に示すように、本発明の第1ガイド部としての下側の第1溝部151及び本発明の第2ガイド部としての上側の第2溝部152が連続するように形成されている。この第1溝部151及び第2溝部152は、図10に示すように、第1ラック140から突出した突起部141がベース部材101の挿通孔102を介して挿入されるものであり、第1ラック140が遊技盤30における上下方向に直線状に移動するに従って、突起部141が第1溝部151及び第2溝部152内を移動するようになっている。また、第1溝部151は、第1ラック140の突起部141の移動方向と交差する方向に延出するように形成されており、突起部141が移動開始位置(図10の位置)から中間位置(図14の位置)まで移動可能に形成されている。また、第2溝部152は、突起部141が第1溝部151との境界部分である中間位置(図14の位置)に達したときに、延出方向が第1ラック140の突起部141の移動方向と同方向となるように、第1溝部151と異なる角度で延出するように形成されている。そして、突起部141が中間位置(図14の位置)から移動終了位置(図20の位置)まで、第2溝部152の長手方向に沿って移動するようになっており、その際には、第1プレート150を移動させることがないように構成されている。また、第1プレート150の軸153付近には、図10に示すように、遊技者側に突出する突出片155が形成されている。この突出片155は、第1プレート150が回動することで、所定位置に形成された図示しないセンサ(フォトセンサ等)に挿通されるように構成されており、突出片155がセンサを遮る位置に到達すると、第1可動物110が可動位置の端部に達したことを示すようになっている。
また、本実施の形態の第2ラック160(図10参照)は、図8に示すように、第1可動物110に取り付けられており、第1可動物110内を直線状に移動可能に形成されている。この第2ラック160の下端には、図9に示すように、作動レバー161が形成されており、突起部141が第2溝部152を移動する経路上に第2溝部152の延出方向に沿って移動可能に配置されている。そして、図13→図16→図19に示すように、第2溝部152内を中間位置(図14の位置)から移動終了位置(図20の位置)まで移動する突起部141が、当該作動レバー161に当接して第2ラック160を押圧するようになっており、これにより、第2ラック160が第1可動物110内を直線状に移動するようになっている。
また、第2機構部180は、図9に示すように、複数のギアで構成されており、第2ラック160と同じく第1可動物110内に取り付けられている。そして、図9に示すように、第2ラック160が第2機構部180のギアの1つと歯合するように構成されており、また、第2機構部180は第2可動物120の回動軸122を回動させるように構成されている。これにより、突起部141が中間位置(図14の位置)から移動終了位置(図20の位置)まで移動することに伴って第2ラック160が移動すると、第2機構部180のギアを介して第2可動物120が回動するように操作され、図12に示すように、ボクシングのグローブが遊技者側を向いた停止状態から、図18に示すように、「KO!」という文字が表示された板状部121が遊技者側を向いた可動状態に変動するようになっている。
また、本実施の形態の第2プレート170は、本発明の第1可動物110の一部を構成する別部材であり、図9に示す軸171でベース部材101に回動可能に取り付けられ(取り付けられた状態の図は省略)、図8に示すように、軸172で第1可動物110に回動可能に取り付けられている。そして、第2プレート170は、第1ラック140の直線状の移動に応じて第1プレート150とリンクするように回動するようになっており、第1可動物110の回動を補助して安定した動きになるように構成されている。
また、本実施の形態では、第1可動物110の所定位置に第1位置決め磁石が配置されており、ベース部材101における第1位置決め磁石と対応する位置に第2位置決め磁石が、第1位置決め磁石と引き寄せ合うよう向きに配置されている。そして、これにより、第1可動物110が停止位置から回動して可動位置に停止する際に、磁石同士の引き寄せ合う力で第1可動物110が安定して可動位置に保持されるようになっている。
なお、第2ラック160には、バネ等の付勢手段が設けられており、第2可動物120を可動状態から停止状態に回動させる方向に付勢するようになっている。そして、この第2ラック160の付勢手段で、第2可動物120を、可動状態から停止状態に回動させるように付勢することで、作動レバー161によって可動状態となった第2可動物120を停止状態に戻すことができるようになっている。
また、軸153にも、バネ等の付勢手段が設けられており、第1可動物110を可動位置から停止位置に移動させる方向、又は、第1可動物110を停止位置から可動位置に移動させる方向に付勢するようになっている。そして、この軸153の付勢手段で、第1可動物110を、可動位置から停止位置、又は、停止位置から可動位置に付勢することで、第1可動物110をスムーズに移動させるようになっている。
次に、本実施の形態の可動役物100の作用について説明する。まず、リーチや予告、大当り等の特別な状態でない通常遊技中には、図3に示すように、停止位置として、可動役物100の第1可動物110が表示画面37aの左隅に位置するようになっている。このときには、図6〜図11(特に図9,図10)に示すように、第1ラック140の突起部141が第1プレート150の第1溝部151の移動開始位置(溝部の下方端部)に停止しており、図10に示す第1ラック140の突出片142が、図7に示すベース部材101のセンサ103に挿入された状態となっている。また、このとき、第2可動物120はボクシングのグローブが遊技者側を向いた停止状態となっている。
次に、通常遊技状態からリーチや予告、大当り等の特別な遊技状態となり、この停止位置からモータ130の駆動により、第1機構部131を介して第1ラック140を上方に直線状に移動させると、第1ラックの突起部141が第1溝部151内を移動し、このとき、突起部141が第1溝部151の内壁面を押圧する。すると、この押圧力により、第1プレート150が軸153を中心に右回転し、これに伴い、第1プレート150に支持された第1可動物110も右回転していく。そして、図12〜図14(特に図13,図14)に示すように、突起部141が第1溝部151と第2溝部152の境界部分である中間位置に達すると、図4に示すように、第1可動物110がパンチを繰り出したように表示画面37a上に飛び出す可動位置となる。また、このとき、本実施の形態では、対向した第1可動物110の第1位置決め磁石とベース部材101の第2位置決め磁石とが引き寄せ合って、第1可動物110が可動位置に保持される。また、このとき、第2可動物120はボクシングのグローブが遊技者側を向いた停止状態となっている。また、このとき、第2溝部152の延出方向が、図14に示すように、突起部141の直線状の移動方向と同じ向きとなるように第1プレート150が回動するようになっている。
その後、モータ130を駆動させて第1ラック140をさらに上方に直線状に移動させると、突起部141が第2溝部内152を暫く移動し、図15〜図17(特に図16,図17)に示すように、突起部141が第2ラック160の作動レバー161に達するまでは、第1可動物110も第2可動物120も移動しない状態となる。
そして、突起部141が第2溝部152内をさらに移動して作動レバー161を動かすと、第2ラック160が直線状に移動し、これに伴い、第1プレート150が移動しない状態で、第2ラック160と歯合した第2機構部180を介して第2可動物120の回動軸122が回転し、第1ラック140が移動終了位置に達すると、突起部141が図18〜図20(特に図19,図20)に示すように、第2可動物120が停止状態から180°回転し、図5に示すように、板状部121の「KO!」の文字が遊技者側を向く可動状態となる。
また、逆に、図5及び図18〜図20の可動状態(移動終了位置)から、モータ130を逆回転させて、第1ラック140の突起部141が第2溝部152内を下方に移動すると、それに伴って第2ラック160に取り付けられたバネの付勢力で第2ラック160が下方に移動し、第2可動物120が可動状態から回転して、図4及び図15〜図17に示すような、ボクシングのグローブが遊技者側を向く停止状態となる。
さらに、モータ130を逆回転させて、第1ラック140の突起部141が第2溝部152内を下方に移動して、図12〜図14に示すように、第2溝部152と第1溝部151の境界部分の中間位置に位置し、またさらに、モータ130を逆回転させて、第1ラック140の突起部141を下方に移動させると、第1ラックの突起部141が第1溝部151内を下方に移動し、このとき、突起部141が第1溝部151の内壁面(上方に移動するときと逆側の内壁面)を押圧する。すると、この押圧力により、第1プレート150が軸153を中心に左回転し、これに伴い、第1プレート150に支持された第1可動物110も左回転していく。そして、図3及び図6〜図11に示すように、第1可動物110が可動位置から停止位置に戻る。
以上のように、本実施の形態のパチンコ遊技機10は、演出用の可動役物100を有するパチンコ遊技機10において、前記可動役物100は、回動可能に軸支された第1可動物110と、該第1可動物110に取り付けられた第2可動物120と、前記第1可動物110及び前記第2可動物120を可動させるためのモータ(駆動源)130と、該モータ(駆動源)130に連結されると共に前記第1可動物110と係合し、該モータ(駆動源)130が駆動することで移動開始位置から中間位置を介して移動終了位置まで前記第1可動物110と係合した状態で直線状に移動し、当該移動により前記第1可動物110を回動させることが可能な第1ラック(係合部材)140と、を備えており、前記第1可動物110の第1プレート150は、前記第1ラック(係合部材)140の移動方向と交差する方向に延出し、前記第1ラック(係合部材)140の突起部(係合部)141が係合しながら前記移動開始位置から前記中間位置まで移動することで前記第1可動物110の第1プレート150を回動させる第1溝部(第1ガイド部)151と、該第1溝部(第1ガイド部)151と連続して形成され、前記第1可動物110の第1プレート150が回動して前記第1ラック(係合部材)140の突起部(係合部)141が前記中間位置に達したときに、延出方向が前記第1ラック(係合部材)140の突起部(係合部)141の移動方向と同方向になり、前記第1ラック(係合部材)140の突起部(係合部)141が前記中間位置から前記移動終了位置まで移動したときに前記第1可動物110の第1プレート150を回動させない第2溝部(第2ガイド部)152と、前記第2可動物120に連結され、前記第1ラック(係合部材)140の突起部(係合部)141が前記第2溝部(第2ガイド部)152を移動する経路上に該第2溝部(第2ガイド部)152の延出方向に沿って移動可能に配置され、前記第1ラック(係合部材)140の突起部(係合部)141が係合して移動することで操作されて前記第2可動物120を作動させる作動レバー161と、を備えるパチンコ遊技機10としたことを特徴とする。
そして、本実施の形態によれば、モータ(駆動源)130の駆動力が、円盤等を介さずに直線状に移動する第1ラック(係合部材)140に伝えられ、当該第1ラック(係合部材)140に形成された突起部(係合部)141が第1ラック(係合部材)140と共に直線状に動くことを利用して、第1可動物110及び第2可動物120を可動させるようになっているため、第1可動物110及び第2可動物120の2つの可動物を1つのモータ(駆動源)130で可動させることができ、かつ、可動役物100の設置スペースを狭くして、スペースの有効利用を図ることができる。
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。
例えば、前記した実施の形態では、可動役物100は、演出表示装置37の左側方に配置されていたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、演出表示装置の右側方や上方、下方等の他の位置に配置されていても良い。また、左側方と右側方の2箇所に可動役物が配置されている等、複数の可動役物を有する構成となっていても良い。
また、前記した実施の形態では、第1ガイド部,第2ガイド部として溝部151,152が形成されていたが、本発明はこれに限るものではなく、係合部材の係合部をガイドすることができるものであれば、他の構成を適用しても良い。例えば、溝部のような双方に壁を有するものではなく、係合部材の係合部の移動方向に沿った片方のみに壁部(第1壁部,第2壁部)が延出されており、この壁部に係合部材の係合部を当接又は沿わせてガイドするようになっていても良い。
また、第1ガイド部,第2ガイド部が、片方のみに壁部が形成されたものである場合には、係合部材が、移動開始位置→中間位置→移動終了位置に直線状に移動する際には、係合部材の係合部とガイド部又は作動レバーとの係合により第1可動物,第2可動物を可動させるようになるが、逆に、係合部材が、移動終了位置→中間位置→移動開始位置に直線状に移動する際には、係合部材の係合部とガイド部又は作動レバーとが係合しない場合がある。そのときには、前記した実施の形態の軸153,第2ラック160に設けられたバネ等のような付勢手段を備えておき、この付勢力で第1可動物,第2可動物を逆向きに可動させるようにするものである。
また、前記した実施の形態では、作動レバー161が形成された第2ラック160が第1可動物110の本体に配置されていたが、本発明はこれに限るものではなく、作動レバー161及び第2ラック160は、第1可動物110の別部材である第1プレート150に配置されるようになっていても良い。
また、前記した実施の形態では、第1可動物110に別部材の第1プレート150が取り付けられており、この第1プレート150のガイド部としての溝部151,152に、係合部材としての第1ラック140における係合部としての突起部141が係合されるようになっていたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、第1可動物に別部材が取り付けられておらず、ガイド部が第1可動物の本体に設けられており、係合部材の係合部が第1可動物の本体に設けられたガイド部に係合されるようになっていても良い。
また、前記した実施の形態では、第1可動物110が可動し、その後、第1可動物110に取り付けられた第2可動物が可動するようになっていたが、これに限るものではない。例えば、可動役物が、
回動可能に軸支された第1可動物と、
該第1可動物に取り付けられた第2可動物と、
前記第1可動物及び前記第2可動物を可動させるための駆動源と、
該駆動源に連結されると共に前記第1可動物と係合し、該駆動源が駆動することで移動開始位置から中間位置を介して移動終了位置まで前記第1可動物と係合した状態で直線状に移動し、当該移動により前記第1可動物を回動させることが可能な係合部材と、
を備えており、
前記第1可動物は、
前記係合部材が前記移動開始位置にあるときに、延出方向が前記係合部材の移動方向と同方向になり、前記係合部材が前記移動開始位置から前記中間位置まで移動したときに前記第1可動物を回動させない第2ガイド部と、
該第2ガイド部と連続して形成され、前記係合部材が前記中間位置に達したときに、延出方向が前記係合部材の移動方向と交差する方向になっており、前記係合部材が係合しながら前記中間位置から前記移動終了位置まで移動することで前記第1可動物を回動させる第1ガイド部と、
前記第2可動物に連結され、前記係合部材が前記第2ガイド部を移動する経路上に該第2ガイド部の延出方向に沿って移動可能に配置され、前記係合部材が係合して移動することで操作されて前記第2可動物を作動させる作動レバーと、
を備える場合が挙げられる。この場合には、第1可動物110に取り付けられた第2可動物110が可動し、その後、第1可動物110が可動するようになる。