以下、本発明の実施の形態におけるパチンコ遊技機について図面を参照しながら説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態におけるパチンコ遊技機全体の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態におけるパチンコ遊技機を表面側からみた斜視図であり、図2は、同パチンコ遊技機を背面側からみた斜視図である。
本発明の第1の実施の形態におけるパチンコ遊技機10は、図1に示すように、外枠11、前枠12、窓枠13及び当該窓枠13に覆われた遊技盤30(後述)などを備えている。また、パチンコ遊技機10の背面には、図2に示すように、液晶ディスプレイ型の演出表示装置37(後述)などの表示制御や、可動役物及びLEDなどによる遊技演出の制御を行う表示演出サブ基板21、各種遊技音の出力制御を行う音サブ基板22、入賞時におけるパチンコ遊技機10の動作等を含むパチンコ遊技機10の主要な動作を制御する主基板23、パチンコ球(遊技球)の払い出し動作を制御する払出基板24、各基板等に電源を供給する電源基板25等の各種基板が例えば透明ケースに収納された状態で取り付けられている。
具体的に、外枠11は、パチンコホールの台島に設置されており、前後面が開口するように四角筒状に形成されている。前枠12は、外枠11の前端面に左側辺部の垂直な軸を中心に回動可能に装着されている。また、この前枠12の前面下部には、上面が開口する下皿14と、上面が開口する上皿15とが固定されている。
下皿14の右端周辺にはハンドル台16が固定されており、ハンドル台16には発射ハンドル19が回動自在に装着されている。この発射ハンドル19の後方には発射モータが固定されており、発射モータの回転軸には打球槌が連結されている。この発射モータは打球槌の駆動源に相当するものであり、発射ハンドル19が回動操作されたときには発射モータに駆動電源が供給される。その結果、打球槌が駆動して上皿15内のパチンコ球が弾き出される。
窓枠13は前枠12の前面に装着されている。この窓枠13は前枠12と一体となって、前記した軸を中心に回動可能となっている。また、この窓枠13には円形孔状の窓部17が形成されており、窓部17の内周面には透明なガラスやアクリル等からなる透明板17aが固定されている。この窓枠13の左上隅部及び右上隅部の裏面には、遊技音を出力するスピーカ18が固定されている。また、窓枠13には複数の装飾LEDが固定されている。
上述の遊技盤30は、前枠12の後面に装着されている。以下、この遊技盤30に備えられる各構成部材について図3及び図4を参照して詳細に説明する。図3及び図4は、本発明の第1の実施の形態におけるパチンコ遊技機10の遊技盤30の正面図であり、図3は、可動役物(後述)の可動物(後述)が下方停止位置に停止した状態のものであり、図4は、可動役物(後述)の可動物(後述)が上方停止位置に停止した状態のものである。この遊技盤30は、上述のように前枠12の後面に装着されており、窓枠13の透明板17aに前方から覆われている。
遊技盤30は、その遊技者側の表面に有する盤面等に各構成部材を固定する板状の部材であり、木製又は樹脂製のものである。ガイドレール32は、この遊技盤30の前記透明板17aと対向する表面側の盤面に固定されて、この遊技盤30上に、パチンコ球の発射通路31aと、発射されたパチンコ球が転動しながら流下する遊技領域31bとを区画形成する。遊技盤30における遊技領域31bのほぼ中央部には、当該遊技盤30に貫設された開口部38が形成されている。この開口部38の周縁には、センター装飾部材40が付設されている。また、センター装飾部材40には、開口部38の下部を覆うように、ステージ50が形成されている。
また、遊技領域31bにおいては、遊技盤30に形成された開口部38の周囲の少なくとも一部に、パチンコ球が転動しながら流下するようになっている。本実施の形態では、ガイドレール32と開口部38との間の領域で、開口部38の上方から左方及び右下方までの領域にパチンコ球が流下するようになっている。
また、遊技領域31bにおける遊技盤30の盤面上には、パチンコ球の流下方向を変化させる複数の遊技釘(障害部材)39が打ち込まれている。上述の打球槌が弾いたパチンコ球は、発射通路31aを通して遊技領域31b内に放出される。そして、遊技領域31bに放出されたパチンコ球は、遊技釘39に当たって転動しながら遊技領域31bを流下し、最終的に何れかの入賞口又は遊技領域31bの最下方に位置するアウト口36に入るようになっている。
また、遊技盤30に貫設された開口部38の後方には、カラー液晶ディスプレイ等を用いた演出表示装置37が設けられている。この演出表示装置37は、大当り遊技状態を発生させるか否かの判定結果に基づき変動演出表示を行う広い面積の表示画面37aを有しており、当該表示画面37aが開口部38からパチンコ遊技機10の前方に向けて臨むようになっている。
また、遊技領域31b内において、演出表示装置37の下方には、始動入賞口33が配置されている。この始動入賞口33は、パチンコ球が入賞することによって、遊技者に有利な大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行う起点となるものであり、上方に開口するポケット状に形成されている。
また、始動入賞口33の下方には、大入賞口34が配置されている。この大入賞口34は図示しないアクチュエータの作動により開閉する開閉扉34aを備えており、この開閉扉34aは、遊技状態が大当り遊技状態になると開口し、その際には大入賞口34が上方に向かってポケット状に幅広く開口し、多数のパチンコ球が同時かつ連続的に大入賞口34に入賞可能となる。
また、遊技領域31bの所定位置(本実施の形態では、開口部38の周縁に装着されたセンター装飾部材40の左側方)にはワープ通路90が設けられており、遊技領域31bにおけるパチンコ球が流下する途中(本実施の形態では、開口部38の周縁に装着されたセンター装飾部材40の左側方の上部)にワープ通路90の球入口91が形成されており、また、遊技領域31bにおけるステージ50付近(本実施の形態では、開口部38の周縁に装着されたセンター装飾部材40の左側方の下部でステージ50に繋がる位置)にワープ通路90の球出口92が形成されている。そして、本実施の形態では、遊技領域31bに転動するパチンコ球が、球入口91からワープ通路90に入り、当該ワープ通路90内を通って、球出口92から放出されることで、パチンコ球がステージ50に誘導されるようになっている。
また、遊技領域31b内の所定位置には、パチンコ球が入賞可能な一般入賞口35が上方に開口するポケット状に形成されている(本実施の形態では、遊技領域31bの左下部に複数の一般入賞口35が形成されている)。
また、演出表示装置37の下部前方には、可動役物100が配置されている。この可動役物100は、演出表示装置37とステージ50の間に設けられる収容空間に収容されており、可動物110が、図3に示す下方停止位置と図4に示す上方停止位置との間を移動するようになっている。
以下、本実施の形態における可動役物100について、図5〜図11を参照して詳細に説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態におけるパチンコ遊技機10の可動役物100において可動物110が下方停止位置に停止した状態の正面図であり、図6は、図5の裏面図であり、図7は、図6から固定物(後述)の一部を取り外した状態の裏面図である。また、図8は、同パチンコ遊技機10の可動役物100において可動物110が上方停止位置に停止した状態の正面図であり、図9は、図8の裏面図であり、図10は、図9から固定物(後述)の一部を取り外した状態の裏面図である。また、図11の(a)は、可動物110が上方停止位置に停止した状態の第1〜第3の磁石(後述)の様子を示す概略図であり、図11の(b)は、(a)の状態から可動物110が下方に落ちかけたときの第1〜第3の磁石(後述)の様子を示す概略図である。
本実施の形態における可動役物100は、図5〜図10に示すように、可動物110、固定物120を備えている。
まず、本実施の形態の可動物110について説明する。この可動物110は正面視略円盤状の部材であり、後述する固定物120に配置された本発明の駆動装置としてのモータ121の駆動により、図3,図5〜図7に示すような下方停止位置と、その上方に位置する上方停止位置との間を移動可能となっている。
可動物110には、その略円盤状の中心を軸として、別々に回動する外側回動部111と内側回動部112を有しており、このうち、外側回動部111は、図5,図7,図8,図10に示すように、可動物110の下部に搭載された駆動源としてのモータ113の駆動力により、ギア114及びギア115等を介して回動するようになっている。また、内側回動部112は、図6,図7,図9,図10に示すように、可動物110の裏面側に配置された駆動源としてのモータ116の駆動力により回動するようになっている。このように、本実施の形態の可動役物100は、上下方向に移動する可動物110に駆動源としてのモータが2つ(モータ113とモータ116)搭載されており、重量の重いものとなっている。
また、可動物110には、左右2箇所に上下方向に延びる第1スライダ部118及び第2スライダ部119を備えており、第1スライダ部118のすぐ横には、上下方向に延びるラック117を備えている。
次に、本実施の形態の固定物120について説明する。この固定物120は遊技盤30に固定されている可動役物100の本体部材であり、少なくとも可動物110の上方停止位置において、可動物110に沿って配置される箇所を有している。本実施の形態では、図6,図8,図9に示すように、当該可動物110に沿って配置される箇所に、可動物110に備えられた第1スライダ部118に対応する第3スライダ部124と、第2スライダ部119に対応する第4スライダ部125を備えており、当該2つのスライダ部124,125で可動物110を上下動可能に支持している。
また、固定物120における、可動物110のラック117が形成されている側には、本発明の駆動装置としてのモータ121が備えられており、このモータ121の駆動力が、ギア122及びギア123等を介して可動物110のラック117に伝達され、可動物110が上下方向に移動可能となっている。
次に、本実施の形態の第1〜第3の磁石130,140,150について説明する。本実施の形態では、図7,図10,図11に示すように、可動物110に第1の磁石130が設けられており、固定物120と対向する側にS極又はN極が向くように配置されている。なお、ここでは、第1の磁石130は、第2スライダ部119の下方に、固定物120と対向する側にS極が向くように配置されている。
また、本実施の形態では、図6,図9,図11に示すように、固定物120に第2の磁石140及び第3の磁石150が設けられている。第2の磁石140は、図11に示すように、可動物110が上方停止位置に停止した際に、第1の磁石130と丁度対向する位置に配置されており、第1の磁石130の固定物120側を向いている極(ここでは、S極)と異なる極(ここでは、N極)が可動物110と対向する側を向くように配置されている。
また、第3の磁石150は、図11に示すように、可動物の移動方向に沿った第2の磁石140よりも下方位置(ここでは、第2の磁石140の垂直方向の直下)に設けられており、第1の磁石130の磁力に影響を及ぼす程度の位置に配置されている。また、第3の磁石150は、第2の磁石140と異なる極(ここでは、S極)が第2の磁石140と同じ方向(可動物110側)を向くように配置されている。
このように第1〜第3の磁石130,140,150が配置されていることで、図11の(a)に示すように、可動物110が上方停止位置に停止した際に、可動物110に配置された第1の磁石130と固定物120に配置された第2の磁石140が異なる極であるため引き寄せ合い、かつ、可動物110に配置された第1の磁石130と固定物120の第2の磁石140の下方に配置された第3の磁石150が同じ極であるため反発し合うことになる。このため、第1の磁石130と第2の磁石140だけで引き寄せ合っている場合よりも、強く当該上方停止位置に保持する力が生じ、その結果、比較的磁力の弱い磁石を使用しても、確実に可動物110を上方停止位置に停止保持することができるものである。
また、万が一、図11の(b)に示すように、可動物110が保持されていた上方停止位置から下方にずれて落ちてしまいそうになっても、可動物110に配置された第1の磁石130と固定物120に配置された第2の磁石140が引き寄せ合うと共に、可動物110に配置された第1の磁石130と固定物120の第2の磁石140の下方に配置された第3の磁石150が近づくことで反発力が増加して可動物110を上方に押し上げる力が生じることで、可動物110のずれ落ちを防止することが可能となるものである。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係るパチンコ遊技機について、図12〜図16を用いて説明する。図12は、本発明の第2の実施の形態におけるパチンコ遊技機10の可動役物100において可動物110が下方停止位置に停止した状態の裏面図であり、図13は、図12から固定物120の一部を取り外した状態の裏面図である。また、図14は、同パチンコ遊技機10の可動役物100において可動物110が上方停止位置に停止した状態の裏面図であり、図15は、図14から固定物120の一部を取り外した状態の裏面図である。また、図16の(a)は、可動物110が上方停止位置に停止した状態の第1〜第3の磁石(後述)の様子を示す概略図であり、図11の(b)は、(a)の状態から可動物110が下方に落ちかけたときの第1〜第3の磁石(後述)の様子を示す概略図である。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機は、下記の第1の磁石230,第2の磁石240及び第3の磁石250に関する構成以外は、前記した第1の実施の形態と同様であるので、同様の構成に同じ符号を付して、説明を省略する。
以下、本実施の形態の第1〜第3の磁石230,240,250について説明する。本実施の形態では、図13,図15,図16に示すように、可動物110に第1の磁石230及び第3の磁石250が設けられている。第1の磁石230は、図16に示すように、固定物120と対向する側にS極又はN極が向くように配置されている。なお、ここでは、第1の磁石230は、第2スライダ部119の下方に、固定物120と対向する側にN極が向くように配置されている。
また、第3の磁石250は、図16に示すように、可動物の移動方向に沿った第1の磁石230よりも上方位置(ここでは、第1の磁石230の垂直方向の直上)に設けられており、後述する第2の磁石240の磁力に影響を及ぼす程度の位置に配置されている。また、第3の磁石250は、第1の磁石230と異なる極(ここでは、S極)が第1の磁石230と同じ方向(固定物120側)を向くように配置されている。
また、本実施の形態では、図12,図14,図16に示すように、固定物120に第2の磁石240が設けられている。第2の磁石240は、図16に示すように、可動物110が上方停止位置に停止した際に、第1の磁石230と丁度対向する位置に配置されており、第1の磁石230の固定物120側を向いている極(ここでは、N極)と異なる極(ここでは、S極)が可動物110と対向する側を向くように配置されている。
このように第1〜第3の磁石230,240,250が配置されていることで、図16の(a)に示すように、可動物110が上方停止位置に停止した際に、可動物110に配置された第1の磁石230と固定物120に配置された第2の磁石240が異なる極であるため引き寄せ合い、かつ、固定物120に配置された第2の磁石240と可動物110の第1の磁石230の上方に配置された第3の磁石250が同じ極であるため反発し合うことになる。このため、第1の磁石230と第2の磁石240だけで引き寄せ合っている場合よりも、強く当該上方停止位置に保持する力が生じ、その結果、比較的磁力の弱い磁石を使用しても、確実に可動物110を上方停止位置に停止保持することができるものである。
また、万が一、図16の(b)に示すように、可動物110が保持されていた上方停止位置から下方にずれて落ちてしまいそうになっても、可動物110に配置された第1の磁石230と固定物120に配置された第2の磁石240が引き寄せ合うと共に、固定物120に配置された第2の磁石240と可動物110の第1の磁石230の上方に配置された第3の磁石250が近づくことで反発力が増加して可動物110を上方に押し上げる力が生じることで、可動物110のずれ落ちを防止することが可能となるものである。
なお、前記した第1の実施の形態と第2の実施の形態を合わせて用いても良い。すわなち、図11の(a)において、第1〜第3の磁石に加えて、可動物110の第1の磁石130の上方にさらにもう1つ、第2の実施の形態における第3の磁石250に相当する磁石を配置しても良い。このような構成とすることで、当該第2の実施の形態における第3の磁石250に相当する磁石と固定物120の第2の磁石140との反発力も生じ、より上方停止位置に可動物110を保持する力を強くすることができるものである。また、図16の(a)において、第1〜第3の磁石に加えて、固定物120の第2の磁石240の下方にさらにもう1つ、第1の実施の形態における第3の磁石150に相当する磁石を配置しても良い。このような構成とすることで、当該第1の実施の形態における第3の磁石150に相当する磁石と可動物110の第1の磁石230との反発力も生じ、より上方停止位置に可動物110を保持する力を強くすることができるものである。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係るパチンコ遊技機について、図17〜図21を用いて説明する。図17は、本発明の第3の実施の形態におけるパチンコ遊技機10の可動役物100において可動物110が下方停止位置に停止した状態の裏面図であり、図18は、図17から固定物120の一部を取り外した状態の裏面図である。また、図19は、同パチンコ遊技機10の可動役物100において可動物110が上方停止位置に停止した状態の裏面図であり、図20は、図19から固定物120の一部を取り外した状態の裏面図である。また、図21の(a)は、可動物110が上方停止位置の下限に停止した状態の第1〜第4の磁石(後述)の様子を示す概略図であり、図21の(b)は、可動物110が上方停止位置の上限に停止した状態の第1〜第4の磁石(後述)の様子を示す概略図であり、図21の(c)は、可動物110が上方停止位置の上限と下限の間に停止した状態の第1〜第4の磁石(後述)の様子を示す概略図である。
なお、本実施の形態のパチンコ遊技機は、下記の第1の磁石330,第2の磁石340,第3の磁石350及び第4の磁石360に関する構成以外は、前記した第1の実施の形態と同様であるので、同様の構成に同じ符号を付して、説明を省略する。
まず、センサ370、突出片380、ストッパ390について説明する。図21に示すように、本実施の形態では、可動物110が上方停止位置に位置していることを検知するためのセンサ(例えば、赤外線センサ)を固定物120に備えており、ここに可動物110に配置された突出片380が可動物110の移動に応じて挿入されることで、可動物110が上方停止位置の下限に達したことを検知するようになっている。また、これに加えて、固定物120にはストッパ390を備えており、これにより、可動物110が上方停止位置の上限より上方に移動しないように物理的に停止するようになっている。
以下、本実施の形態の第1〜第4の磁石330,340,350,360について説明する。本実施の形態では、図18,図20,図21に示すように、可動物110に第1の磁石330及び第4の磁石360が設けられている。第1の磁石330は、図21に示すように、固定物120と対向する側にS極又はN極が向くように配置されている。なお、ここでは、第1の磁石330は、第2スライダ部119の下方に、固定物120と対向する側にS極が向くように配置されている。
また、第4の磁石360は、図21に示すように、可動物の移動方向に沿った第1の磁石330よりも下方位置(ここでは、第1の磁石330の垂直方向の直下)に設けられている。また、第4の磁石360は、第1の磁石330と異なる極(ここでは、N極)が第1の磁石330と同じ方向(固定物120側)を向くように配置されている。
また、本実施の形態では、図17,図19,図21に示すように、固定物120に第2の磁石340及び第3の磁石350が設けられている。第2の磁石340は、図21の(b)に示すように、可動物110が上方停止位置の上限であるストッパ390に当接して停止した際に、第1の磁石330と丁度対向する位置に配置されており、第1の磁石330の固定物120側を向いている極(ここでは、S極)と異なる極(ここでは、N極)が可動物110と対向する側を向くように配置されている。
また、第3の磁石350は、図21に示すように、可動物の移動方向に沿った第2の磁石340よりも下方位置(ここでは、第2の磁石340の垂直方向の直下)に設けられており、第1の磁石330の磁力に影響を及ぼす程度の位置に配置されている。また、第3の磁石350は、第2の磁石340と異なる極(ここでは、S極)が第2の磁石340と同じ方向(可動物110側)を向くように配置されている。また、第3の磁石350は、図21の(a)に示すように、可動物110が上方停止位置の下限であるセンサ370に検出片380が検出されるギリギリのラインで停止した際に、第4の磁石360と丁度対向する位置に配置されており、第2の磁石340の可動物110側を向いている極(ここでは、N極)と異なる極(ここでは、S極)が可動物110と対向する側を向くように配置されている。
このように第1〜第4の磁石330,340,350,360が配置されていることで、図21の(a)に示すように、可動物110が上方停止位置の下限に停止した際には、可動物110に配置された第4の磁石360と固定物120に配置された第3の磁石350が丁度対向する位置となるため強く引き寄せ合い、図21の(b)に示すように、可動物110が上方停止位置の上限に停止した際には、可動物110に配置された第1の磁石330と固定物120に配置された第2の磁石340が丁度対向する位置となるため強く引き寄せ合う。このため、前記した図21の(a)と図21の(b)に示した状態の中間である図21の(c)の状態で可動物110が停止すれば、停止位置が多少上方や下方にずれても問題なく可動物110を保持することができる状態とすることができる。その結果、比較的磁力の弱い磁石を使用しても、確実に可動物110を上方停止位置に停止保持することができるものである。
以上のように、各実施の形態のパチンコ遊技機10は、駆動装置(モータ)121の駆動により下方停止位置と上方停止位置との間を移動可能な可動物110と、該可動物110の前記上方停止位置において、前記可動物110の移動方向に沿って配置される箇所を有する固定物120と、前記可動物110に設けられ、前記固定物120と対向する側にS極又はN極が向くように配置される第1の磁石130,230,330と、前記固定物120に設けられ、前記可動物110が前記上方停止位置にて停止した際に、前記第1の磁石130,230,330と対向する位置に配置され、かつ、前記第1の磁石130,230,330の前記固定物120側を向いている極と異なる極が前記可動物110と対向する側を向くように配置される第2の磁石140,240,340と、前記可動物110又は前記固定物120に設けられた第3の磁石150,250,350と、を備える可動役物100を有しており、前記第3の磁石150,250,350は、前記固定物120における前記可動物110の移動方向に沿った前記第2の磁石140,340よりも下方位置に設けられ、前記第1の磁石130,330の磁力に影響を及ぼす位置に前記第2の磁石140,340と異なる極が前記第2の磁石140,340と同じ方向を向くように配置される磁石150,350か、前記可動物110における前記移動方向に沿った前記第1の磁石230よりも上方位置に設けられ、前記第2の磁石240の磁力に影響を及ぼす位置に前記第1の磁石230と異なる極が前記第1の磁石230と同じ方向を向くように配置される磁石250か、のいずれか一方であるパチンコ遊技機10としたことを特徴とする。
そして、各実施の形態のパチンコ遊技機10によれば、停止位置の可動物110に上方から下方に掛かる重力に対して、可動物110の第1の磁石130,230,330と固定物120の第2の磁石140,240,340とで引き寄せる力と、可動物110の第1の磁石130,330と固定物120の第3の磁石150,350とで第1の磁石130,330が上下方向と反対側に反発する力を合わせた力、又は、固定物120の第2の磁石240と可動物110の第3の磁石250とで第3の磁石250が上下方向と反対側に反発する力を合わせた力で保持することができ、ある程度磁力の弱い磁石を利用しても可動物110を確実に固定物120の所定位置に保持することが可能となる。特に、前記した各実施の形態のように、可動物110の重量が重い場合には、可動物110を所定位置で停止させて当該状態を保持することが困難になることが多いが、各実施の形態のように磁石を配置することで、ある程度磁力の弱い磁石を利用しても重量の重い可動物110を確実に固定物120の所定位置に保持することが可能となる。
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。
例えば、前記した各実施の形態では、固定物120が可動役物100の本体部材として機能しており、可動物110を上下動可能に支持する構成となっていたが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、可動物110を支持する本体部材は他に設けられており、固定物120は磁石が配置されて可動物110の停止位置を保持するためだけに設けられている構成でも良い。
また、前記した各実施の形態では、下方停止位置と上方停止位置が垂直方向に位置しており、可動物110が垂直方向に移動するようになっていたが、本発明はこれに限るものではなく、下方停止位置と上方停止位置が斜め上下方向に位置しており、可動物が斜め上下方向に移動するようになっていても良い。この場合、各磁石の位置も、可動物の移動方向の傾斜角度に応じて、斜めにずらして配置するのが良い。すなわち、各磁石は、可動物の下方停止位置と上方停止位置を結ぶ直線に対して、前記した各実施の形態の配置関係を有するように配置するのが良い。
また、前記した各実施の形態では、第1〜第4の磁石に全て永久磁石を使用していたが、本発明はこれに限るものではなく、第1〜第4の磁石の一部が電磁石で構成されていても良く、また、第1〜第4の磁石が電磁石のみで構成されていても良い。なお、本発明の磁石に電磁石を有している場合には、可動物の動きや可動物と固定物の磁石同士の位置関係などに応じて、電磁石を作動させる電気をONOFFしたり電気量を増減させたりして、電磁石から発生する磁力を変更することも可能である。すなわち、可動物が移動している際には、可動物の磁石と固定物の磁石の間で生じる反発力が可動物の移動方向と逆向きに働き、可動物の移動に支障を来たす場合もあるため、電磁石から磁力が発生しないように電磁石に電気を送らない又は電磁石に送る電気量を少なくし、可動物が停止位置に達したら、電磁石に電気を送る又は電磁石に送る電気量を多くして、電磁石から磁力を発生させて磁石同士の引き寄せ合う力及び反発し合う力を生じさせ、可動物を固定物に保持するような場合が考えられる。