JP5736232B2 - 固体高分子形燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、固体高分子形燃料電池に関する。
近年、複数の燃料電池を積層した燃料電池スタックを用いた燃料電池発電システムが開発されている。燃料電池発電システムに用いる燃料電池は、電解質の相違により幾つかの種類に分類される。これらのうち、水素イオン伝導性を有する固体高分子を電解質とした固体高分子形燃料電池は、低温動作特性や高出力密度等の特徴を有しているため、一般家庭用を視野に入れた小型コジェネレーションシステムや電気自動車用の動力源として注目されている。
ところで、この種の燃料電池発電システムにおいて、実際に発電機能を担っている燃料電池スタックは、運転に伴う様々な要因により、経時的に電圧が低下する。燃料電池発電システムにおいて高い発電効率を得るためには、燃料電池スタックの経時的な電圧低下を抑制することが最も重要なポイントになっている。
燃料電池スタックにおける電圧低下の要因には、幾つか挙げられるが、燃料電池の停止保管時に、電池内部に空気がリークインする使用条件において、空気保管後の起動停止時に生じるカーボン腐食が、電圧低下要因の一つとして広く知られている。燃料電池には電気伝導性や耐食性の観点から、カーボン材料が多く使用されている。特に、電極触媒にはカーボンブラック等のカーボン粒子に白金等の貴金属微粒子を担持させた触媒が用いられている。しかし、この種のカーボン材料においても、高電位に晒されるとカーボン腐食が生じる。
特に、自動車用では起動停止回数が多くまた容積も大きいため、空気リークインが多く見られることから、起動停止回数を重ねるにつれて燃料極の腐食が進行する。そして、燃料極の過電圧が上昇し、電池性能は低下することになる。
特表2006-512734号公報
Electrochemical and Solid-State Letters, 8 (6) A273-A276 (2005)
本発明が解決しようとする課題は、空気リークインの発生により空気雰囲気で保管された電池スタックを再起動する際に発生するカーボン腐食を抑制することができ、長期に亘り電池性能の低下を抑制し得る固体高分子形燃料電池を提供することである。
実施形態の固体高分子形燃料電池は、パーフルオロカーボンスルホン酸で構成される固体高分子電解質膜と、前記固体高分子電解質膜の一方の面に接触して配置され、白金を含む金属触媒を担持したカーボンと固体高分子電解質との混合層である触媒層、及び該触媒層の前記固体高分子電解質膜と反対側の面に配置されたガス拡散層を有する燃料極と、前記固体高分子電解質膜の他方の面に接触して配置され、白金を含む金属触媒を担持したカーボンと固体高分子電解質との混合層である触媒層、及び該触媒層の前記固体高分子電解質膜と反対側の面に配置されたガス拡散層を有する酸化剤極とを具備している。そして、前記酸化剤極の触媒層に、該触媒層を平面方向に分断するようにひび割れが設けられており、前記ひび割れは、少なくとも前記酸化剤極のガス拡散層に対するガス入り口側からガス出口側に沿った方向と交差するように設けられており、前記ひび割れの頻度を6〜13個/mmにし、前記ひび割れは、前記酸化剤極の触媒層を島状に分離するように設けられている
本発明の実施形態によれば、空気リークインの発生により空気雰囲気で保管された電池スタックを再起動する際に発生するカーボン腐食を抑制することができるので、長期に亘り電池性能の低下を抑制することができる。
実施形態に係わる固体高分子形燃料電池の概略構成を示す断面図。 酸化剤極触媒層のひび割れの様子を示す顕微鏡写真。 燃料電池システムの再起動時に、酸化剤極側で電解質電位に対して電位上昇が生じる様子を示す模式図。 比較例としての固体高分子形燃料電池の概略構成を示す断面図。 実施形態と比較例における電子伝導性評価結果を示す特性図。 実施形態と比較例における酸化剤極触媒層の腐食割合を示す特性図。 酸化剤極触媒層のひび割れ頻度と腐食に伴う触媒減耗率との関係を示す特性図。
以下、実施形態の固体高分子形燃料電池を、図面を参照して説明する。
(構成)
図1は、本実施形態に係わる固体高分子形燃料電池の概略構成を説明するためのもので、燃料電池スタックを構成する単電池(単位セル)を示す断面図である。
図1に示すように、単位セルは、固体高分子電解質膜100と、この固体高分子電解質膜100を相互に挟持するように配置された燃料極200及び酸化剤極300から構成される。
固体高分子電解質膜100は、例えば10〜100μm程度の厚さのパーフルオロカーボンスルホン酸膜(例えば、ナフィオン:デュポン社製)である。
燃料極200は、電解質膜100の上面に接して設けられた燃料極触媒層210と、燃料極触媒層210に対して電解質膜100と反対側に設けられた燃料極ガス拡散層220で構成される。燃料極触媒層210は、例えば白金を含む金属触媒を担持したカーボンと固体高分子電解質の混合層である。燃料極ガス拡散層220は、カーボンペーパー221(厚さ190μm)とカーボン多孔質層222の2層で構成される。
酸化剤極300は、電解質膜100の下面に接して設けられた酸化剤極触媒層310と、酸化剤極触媒層310に対して電解質膜100と反対側に設けられた酸化剤極ガス拡散層320で構成される。酸化剤極触媒層310は、例えば白金を含む金属触媒を担持したカーボンと固体高分子電解質の混合層である。酸化剤極ガス拡散層320は、カーボンペーパー321(厚さ190μm)とカーボン多孔質層322の2層で構成される。
また、図には示さないが、上記構成の単位セルをセパレータを介して複数個積層することにより燃料電池スタックが構成されるようになっている。
ここまでの基本構成に加え本実施形態では、酸化剤極触媒層310は、該触媒層310の平面方向を断続的に分断するように、絶縁層を設けることにより、平面方向の電子伝導性を抑制することを特徴としている。上記絶縁層の製造方法としては、例えば酸化剤極触媒層310にひび割れを施すことで実現される。
(酸化剤極触媒層の製法)
以下に、触媒層のひび割れ制御することにより、触媒層の平面方向を断続的に分断するように形成された酸化剤極触媒層310の製造方法について説明する。
まず、ケッチェンブラックを担体とする触媒に純水を加えて得られたスラリーに、5%の電解質溶液を加え、更に2−プロパノールや1−プロパノール、ブタノール等のアルコールにより固形分を5〜10%に調整した触媒インクを製造した。この触媒インクを、ダイコーターを用いてPETフィルム上に、触媒金属担持量が所定量(ここでは0.4〜0.6mg/cm2 )となるように塗布して、窒素気流中で、室温から所定の昇温速度にて55℃まで温度上昇させた後、1時間乾燥して触媒フィルムを形成した。次いで、この触媒フィルムを電解質膜100上に160℃で90秒間ホットプレスを実施し、ホットプレス後にPETフィルムを剥離して触媒転写電解質膜を製造した。
触媒インク中のアルコールの種類や濃度、および乾燥時の昇温速度や乾燥温度を調整することにより、触媒層を島状に分離するように形成された、ひび割れを有する触媒転写電解質膜が得られる。ここで、触媒インク粘度や触媒担持量の違い、塗布装置や乾燥設備の個体差により、ひび割れの発生の有無や頻度に相違が見られる。この場合、ひび割れの頻度を増加させる際には、アルコールの種類をより沸点の低いもの(例えば2−プロパノール)を使用する手法、あるいは、乾燥装置の昇温速度や乾燥温度を増加させる手法により調整すればよく、反対にひび割れの頻度を減少させるには、その逆の手法により調整すればよい。
このようにして制作された触媒転写電解質膜について断面観察を実施し、図2に示すような顕微鏡写真から、ひび割れ330の頻度を測定した。その結果、同一条件、同一設備で同一触媒担持量となるように製造した場合には、ひび割れの頻度が製造の度にほぼ再現されることを確認した。本実施例では、ひび割れの頻度が6〜13個/mm、ひび割れによって隔てられた触媒層の間隔は1〜10μmとなる酸化剤極触媒層310を用いた。
本実施形態の構成において、燃料極200側に水素含有ガスを供給し、酸化剤極300側に酸化剤ガス(例えば空気)を供給することにより、これらのガスが電解質100に向かって拡散していく過程で電気化学的に反応することによって、燃料の持つ化学エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。電池としての性能は酸化剤極触媒層310にひび割れがない場合と略同一であった。
(酸化剤極触媒層の腐食メカニズム)
ここで、酸化剤極触媒層の腐食が生じるメカニズムに関して説明しておく。
燃料電池発電システムが発電停止した場合、燃料電池スタック全体の温度が下がり、水蒸気が結露して燃料極200及び酸化剤極300の圧力が共に低下する。このため、燃料極200及び酸化剤極300に外部から空気が混入する。このような空気リークインが生じて燃料極200及び酸化剤極300に外部空気が混入すると、空気中の酸素が、燃料電池スタック内部の水素を消費し、燃料極200及び酸化剤極300の酸素分圧が上昇することになる。
この状態で、燃料電池発電システムを再起動した場合、燃料極200に水素含有ガスを供給することになるが、このとき燃料極200及び酸化剤極300には既に酸素が存在している。従って、燃料極200に水素含有ガスが供給されると、図3に示すように、酸化剤極300の内、燃料極200に酸素が存在している位置に対向する領域では、電解質電位に対して1.4V程度まで電位が上昇する。そのため、当該領域では平面方向に電流が流れることで、触媒を代表とする深刻な腐食が生じ、触媒活性が著しく低下する。これにより、燃料電池の電圧低下を引き起こし、燃料電池発電システムの発電効率が低減する。
なお、酸化剤極触媒における空気保管後の起動時に生じるカーボン腐食による影響を最小限とするため、酸化剤極300に燃料ガスを供給した後に、燃料極200に燃料ガスを供給することにより、酸化剤極300における不可逆的な劣化を回避し、酸化剤極触媒層の腐食に起因する燃料電池スタックの性能低下を防ぐことが可能である。
しかし、空気リークインにより燃料極200及び酸化剤極300共に酸素が存在する状態で、酸化剤極300に燃料ガスを供給すると、燃料極200の内、酸化剤極300の酸素が残存している箇所に対向する領域には酸素が存在しているため、この部位の燃料極200の電位が電解質電位に対して1.4V程度まで上昇してしまう。従って、燃料極200に採用しているカーボン材料の腐食に伴う触媒活性の低下が生じる。燃料極200においては、酸素還元反応が生じる酸化剤極300と比較して過電圧が低いため、上述のカーボン腐食が電池性能に及ぼす影響は小さいが、カーボン腐食に対する根本原因の解決には至っていない。
これに対して本実施形態では、酸化剤極触媒層310にひび割れによる絶縁層を設けることにより、酸化剤極触媒層310の平面方向の電子伝導性を小さくして、ガスの入り口側と出口側とでの電流の流れを抑制することができる。これにより、酸化剤極触媒層310の腐食を抑制することを可能にしている。
上述のような実施形態におけるカーボン腐食抑制効果を示すために、図4に示すようなひび割れのない従来の触媒層340を用いたセル(比較例)についても同様な調査を実施した。
(比較例の構成)
上述の通り、ひび割れの頻度は、触媒インクに加える溶媒の種類や乾燥条件を変えることにより制御可能である。例えば、上述の実施形態で示した触媒インクに加える2−プロパノールの代わりに、より沸点の高い1−プロパノールや、ブタノールとすること、あるいは、乾燥装置の昇温速度や乾燥温度を低下させることにより、溶媒の急激な蒸発に伴う固形分の体積変化が緩和され、ひび割れを防止することができる。
また、上述のような触媒インクを基材上に塗布する湿式塗布法ではなく、予め触媒インクを乾燥炉で乾燥させて得られた触媒フロックを粉砕して触媒・電解質混合粉末を作製し、ガス拡散層の上に乾式塗布して触媒層を形成する乾式塗布法を採用すれば、触媒層のひび割れを防止することができる。
本比較例においては、ひび割れのない触媒層を実現する一例として、乾式塗布法を採用したところ、断面観察の結果、ひび割れは0.5個/cm未満であった(2cm四方でひび割れが存在しないことを確認した)。
燃料極及び酸化剤極の触媒層のひび割れ頻度以外は全て同一の構成で、腐食試験を実施した。
腐食試験は、温度70℃で、燃料極と酸化剤極に空気を混入させた状態で燃料極に露点70℃の水素を供給する操作を60回実施した。
試験を実施したスタックにおけるセル仕様を(表1)に示す。
Figure 0005736232
本実施形態として、酸化剤極触媒層のひび割れ頻度が6〜10個/mmのセルを含むもの(実施例1)と、ひび割れ頻度が8〜13個/mmのセルを含むもの(実施例2)を用いた。比較例としては、酸化剤極触媒層及び燃料極触媒層の双方共にひび割れのないもの(比較例1)と、酸化剤極触媒層のみひび割れのないもの(比較例2)を用いた。そして、各々に対して試験を実施した。
(電子伝導特性評価結果)
空気供給時の電子伝導性を比較するため、酸化剤極ガス入口、出口間に発生する電圧差の時間変化を測定した。空気供給直後は酸化剤極ガス入口近傍で酸素分圧の上昇に伴う酸化剤極電位の上昇と、空気が伝播していない電位の低い酸化剤極ガス出口部分との間に発生する電位差を解消させるように、セル平面内の電子伝導による充電電流が流れる。従って、空気の流速が同一の場合、空気入口と出口間の電圧差の違いは、平面内の電子伝導性の違いに起因している。
図5は、本実施形態と比較例における、酸化剤極入り口と出口との間に発生する電圧差、及び電圧差の積分値の時間変化を示している。太線が実施例1で、細線が比較例1である。図5に示したように、電圧差はひび割れを含む触媒層を有する実施形態の方が比較例よりも、空気供給に伴う電圧上昇に起因する空気出口部との間に発生する電圧差が多く発生し、セル平面方向における電子伝導による電圧分布の平滑化に時間を要していることが分かる。従って、下記の(式1)で示されるカーボンの腐食反応が生じる環境下では、セル平面方向における電子伝導性を低下させることにより、カーボンの腐食が抑えられることとなる。
C+2H2O→CO2 +4H+ +4e- …(式1)
(耐腐食性評価)
耐腐食性を評価するために、SEMによる断面観察を実施し、触媒層の厚さを計測し、触媒腐食量を定量した。図6に示すように、ひび割れを設けた実施形態(実施例1,2)の酸化剤極触媒層310の厚さは初期比94〜96%であったのに対し、酸化剤極触媒層にひび割れのない比較例(比較例1)では、酸化剤極触媒層340の厚さは74%であった。即ち本実施形態では、図7に示した腐食に伴う触媒摩耗率を、比較例と比較して5分の1以下まで低減できることが分かった。このように、酸化剤極触媒層の腐食が抑制されているため、触媒有効面積の低下も同様に5分の1以下まで低減でき、電池性能の低下を抑制することができた。
(ひび割れの頻度)
ここで、ひび割れの頻度の異なる実施例1及び実施例2においては有意な差が見られておらず、酸化剤極触媒層のひび割れの頻度が6〜13個/mmの範囲では十分な効果が発揮されることが分かる。なお、ひび割れの頻度の範囲は必ずしも6〜13個/mmに限るものではなく、ひび割れによって平面方向の電子移動度を十分に低下させるものであればよい。つまり、ひび割れの頻度が6〜13個/mmであれば十分な効果が発揮されるのを確認しており、実際にはこの範囲は更に拡大可能であると考えられる。
(燃料極触媒層のひび割れの有無)
また、酸化剤極触媒層のひび割れ頻度が0.1個/mm未満で、燃料極のひび割れ頻度が実施例1及び実施例2とほぼ同等となる比較例2においては、耐食性の向上が見られていない。また、本発明者らの実験によれば、酸化剤極触媒層に実施例1及び実施例2と同様のひび割れを設け、燃料極触媒層にはひび割れを施さなかった場合も、実施例1及び実施例2と同様の耐食性の向上が確認されている。従って、燃料極触媒層ではなく、酸化剤極触媒層にひび割れを施すことが重要であることが分かる。
(実施形態の効果)
このように本実施形態によれば、酸化剤極300側の触媒層310にひび割れを設けることにより、触媒層310の平面方向の電子伝導性を抑制することができ、これにより空気保管された燃料電池の起動時に観測される酸化剤極の腐食を抑制することができる。従って、長期に亘り電池性能の低下を抑制することが可能となる。
また、構造的には大きく変更することなく、酸化剤極触媒層310にひび割れを発生させるだけで実現できる。しかも、酸化剤極触媒層310のひび割れは、製法を工夫することにより簡易に作製することができる。従って、本実施形態を実現するためにコストの増大を招くこともないと云う利点がある。
(変形例)
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
実施形態では、酸化剤極の平面方向に設ける絶縁層としてひび割れを施すことを例に説明を実施したが、ひび割れを形成させる代わりに、触媒層形成後にスリット加工を施す方法、絶縁性材料を設ける方法においても、同様に効果が発揮される。また、ひび割れの頻度の一例として、セル平面における平均値で規定したが、局所的にひび割れを設ける構成においても、当該部分のひび割れの頻度が所定範囲となる場合には、当該部分においては同様な効果が発揮される。また、上述のカーボン腐食量は、酸化剤極触媒層の内、燃料出口や入口に位置する部分(それぞれ電解質膜を介して燃料出口部分や入口部分に対向する部分)が大きいことから、局所的にひび割れを設ける場合には、燃料極入口および出口に位置する酸化剤極触媒層に適用することが望ましい。
また、燃料電池発電システムの再起動時にガス入り口側からガス出口側に沿って電位差が発生するため、ひび割れ等による絶縁層は、ガス入り口側からガス出口側に沿った方向と交差するように設けるのが望ましい。さらに、酸化剤極触媒層は絶縁層により必ずしも平面方向に完全に分断される必要はなく、一部が分断されるようになっていても良い。
また、実施形態では、Ptを含む貴金属触媒を担持する材料としてカーボン粒子を用いたが、上記による本発明の主旨を満たす範囲で同様の機能を果たす材料であれば代替することも可能である。さらに、燃料電池としての装置構成は前記図1に何ら限定されるものではなく、電解質とこれを挟む燃料極及び酸化剤極との間に触媒層を配置した構成であれば適用可能である。
本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100…電解質膜
200…燃料極
210…燃料極触媒層
220…燃料極ガス拡散層
221…カーボンペーパー(燃料極ガス拡散層用)
222…カーボン多孔質層(燃料極ガス拡散層用)
300…酸化剤極
310…酸化剤極触媒層(ひび割れ有り)
320…酸化剤極ガス拡散層
321…カーボンペーパー(酸化剤極ガス拡散層用)
322…カーボン多孔質層(酸化剤極ガス拡散層用)
330…ひび割れ
340…酸化剤極極触媒層(ひび割れ無し)

Claims (1)

  1. パーフルオロカーボンスルホン酸で構成される固体高分子電解質膜と、
    前記固体高分子電解質膜の一方の面に接触して配置され、白金を含む金属触媒を担持したカーボンと固体高分子電解質との混合層である触媒層、及び該触媒層の前記固体高分子電解質膜と反対側の面に配置されたガス拡散層を有する燃料極と、
    前記固体高分子電解質膜の他方の面に接触して配置され、白金を含む金属触媒を担持したカーボンと固体高分子電解質との混合層である触媒層、及び該触媒層の前記固体高分子電解質膜と反対側の面に配置されたガス拡散層を有する酸化剤極と、
    を具備し、
    前記酸化剤極の触媒層に、該触媒層の平面方向を分断するようにひび割れが設けられており、少なくとも前記酸化剤極のガス拡散層に対するガス入り口側からガス出口側に沿った方向と交差するように設けられており、
    前記ひび割れの頻度を6〜13個/mmにし
    前記ひび割れは、前記酸化剤極の触媒層を島状に分離するように設けられていることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
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