JP5734137B2 - ドリルおよび該ドリルを用いる被削加工物の製造方法 - Google Patents

ドリルおよび該ドリルを用いる被削加工物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5734137B2
JP5734137B2 JP2011188845A JP2011188845A JP5734137B2 JP 5734137 B2 JP5734137 B2 JP 5734137B2 JP 2011188845 A JP2011188845 A JP 2011188845A JP 2011188845 A JP2011188845 A JP 2011188845A JP 5734137 B2 JP5734137 B2 JP 5734137B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flank
outer peripheral
peripheral surface
side end
view
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011188845A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013049116A (ja
Inventor
小川 浩
浩 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2011188845A priority Critical patent/JP5734137B2/ja
Publication of JP2013049116A publication Critical patent/JP2013049116A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5734137B2 publication Critical patent/JP5734137B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Drilling Tools (AREA)

Description

本発明は、ドリルおよびこのドリルを用いる被削加工物の製造方法に関する。
ドリル、特にプリント基板、あるいは微小な金属部品、プラスチックなどの被削材に小径の孔部を加工するために用いられる小型ドリルは、穿孔すべき穴が小径であるためにドリル本体の直径も極めて小径となる。そのため、しばしばドリル本体の剛性が問題となる場合がある。
ドリル本体の剛性を高く保つ観点から、例えば、特許文献1のような一枚刃ドリルが用いられる。この一枚刃ドリルは、刃先部に設けられた切屑排出溝が1条のみであるため、複数の切刃および切屑排出溝を有するドリルに比べて剛性を高く保持することができる。さらに、特許文献1のドリルは、複数の逃げ面を有しており、各逃げ面の少なくとも一つの稜線が切削時に切刃とともに被削材に接触するため、一枚刃ドリル特有の被削材接触時のブレを抑制し、ドリルの直進性を改善できる。
特開2004−34213号公報
しかしながら、特許文献1のドリルは、穴あけ加工の際、逃げ面内において先端逃げ面部分の稜線部が被削材と接触することにより、例えば、逃げ面上に切屑が進入した場合に逃げ面内に詰まる場合がある。
本発明の目的は、切削時の直進性および切屑排出性に優れた一枚刃ドリルを提供することにある。
本発明の一枚刃ドリルは、回転中心軸を有する円柱状の本体部と、該本体部の先端面および外周面に開口し、かつ前記回転中心軸に沿って前記外周面にらせん状に設けられるとともに、先端視において、前記回転方向の後方端に位置して前記回転方向の前方側を向く第1壁面および前記回転方向の前方端に位置して前記回転方向の後方側を向く第2壁面が形成されるように回転方向に沿って設けられている1つの切屑排出溝と、前記本体部の前記先端面に位置し、先端視において、前記第1壁面に接続される第1逃げ面と、該第1逃げ面に対して前記回転方向の後方側に隣接して、前記第2壁面に接続される第2逃げ面と、該第2逃げ面に対して前記回転方向の後方側に位置して順次形成される第3逃げ面および第4逃げ面を有する逃げ面と、前記第1壁面と前記第1逃げ面と交差する稜線に位置する切刃と、前記第2壁面と前記第2逃げ面と交差する稜線に位置するとともに、側面視において前記本体部の後端側に向かって湾曲している湾曲稜線部とを備えており、側面視において、前記切刃の外周面側端部と前記湾曲稜線部の外周面側端部の高さ位置が異なっており、前記切刃によって被削材を切削する際に、前記湾曲稜線部の外周面側端部が前記被削材に接触し、少なくとも前記湾曲稜線部の中央部分が前記被削材から離れることを特徴とする。
ある実施態様においては、側面視において、前記切刃の外周面側端部の高さ位置と前記湾曲稜線部の外周面側端部の高さ位置との差は、以下の式を満たす距離fよりも小さいことを特徴とする
f=F×θ/360
(F:切削する際に本体部1回転当たりに本体部が回転中心軸に沿う方向に進行する距離(mm)、θ:先端視において切刃の外周面側端部と回転中心軸とを結ぶ直線Aと、湾曲稜線部の外周面側端部と回転中心軸とを結ぶ直線Bとのなす角度(°))。
ある実施態様においては、側面視において、前記切刃の外周面側端部の高さ位置と前記湾曲稜線部の外周面側端部の高さ位置との差は、前記距離fの1/2よりも大きいことを特徴とする。
ある実施態様においては、前記逃げ面は、前記切刃に接続される第1逃げ面と、前記湾曲稜線部に接続される第2逃げ面との2つの面を有し、前記第1逃げ面の逃げ角は、前記第2逃げ面の逃げ角よりも小さいことを特徴とする。
ある実施態様においては、先端視において、前記湾曲稜線部の前記外周面側端部と前記回転中心軸とを結ぶ直線Bと、前記第1逃げ面と前記第2逃げ面と交差する稜線とのなす角度θBは90°以上であり、該角度θBは、先端視において前記切刃の前記外周面側端部と前記回転中心軸とを結ぶ直線Aと、前記第1逃げ面と前記第2逃げ面と交差する稜線とのなす角度θAよりも大きいことを特徴とする。
ある実施態様においては、前記本体部は、先端に突出したチゼル部をさらに有しており、該チゼル部の先端稜線は、先端視において、前記回転中心軸を通り、前記切刃の回転中心軸側端部と前記湾曲稜線部の回転中心軸側端部とを結ぶことを特徴とする。
ある実施態様においては、前記湾曲稜線部は、側面視において円弧状であることを特徴とする。
ある実施態様においては、側面視において、前記切刃の外周面側端部の高さ位置と前記湾曲稜線部の外周面側端部の高さ位置との差は、前記本体部の直径の4〜10%であることを特徴とする。
ある実施態様においては、前記切屑排出溝は、側面視において底面部にらせん状の境界部を有しており、前記第1壁面を有する第1領域と、前記第1領域とは前記境界部により分離される、前記第2壁面を有する第2領域とを有していることを特徴とする。
本発明の切削加工物の製造方法は、上記一枚刃ドリルを前記回転中心軸周りに回転させる工程と、前記第1切刃および前記円弧状稜線部を被削材に接触させる工程と、前記被削材と前記一枚刃ドリルとを相対的に離隔させる工程とを備える。
本発明の一枚刃ドリルによれば、切屑排出溝が一条であるため剛性が高く、かつ切刃以外の逃げ面と切屑排出溝との稜線部が湾曲しているため(湾曲稜線部)、切削時において被削材に対して、切刃とこの湾曲稜線部の外周面側端部が接触することでドリルの直進性を保持する。また、この稜線部湾曲しているため、被削材との間に空隙が形成される。そのため、逃げ面内に切屑が進入した場合においても切屑がこの空隙から排出され、詰まることが抑制され、切屑排出性に優れる。
本発明の一実施形態であるドリル1の側面図である。 図1に示すドリル1の先端視図である。 図2に示すドリル1の(a)a方向から見た側面図であり、(b)b方向から見た側面図である。 図2に示すドリル1の(a)c方向から見た側面図であり、(b)d方向から見た側面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図4を用いて、詳細に説明する。
<ドリル>
図1および図2において、一枚刃ドリル10は、回転中心軸Oを有する円柱状の本体部1を備えており、この本体部1には、さらに切屑溝排出溝2と、逃げ面3と、切刃4と、湾曲稜線部5とを備えており、さらに先端に突出したチゼル部6を有している。この一枚刃ドリル10は、回転中心軸Oを中心に図1に示す矢印方向に回転しながら、被削材に切刃4を接触させることによって切削を行なう。切削時において切刃4によって生成される切屑は切刃4の回転方向後方に接続されている切屑排出溝2を通って排出される。
図1に示すように、このドリル10は切刃4を一枚有する一枚刃ドリルである。そのため、切削時に生成される切屑を排出するための切屑排出溝2も切刃4に対応して一条有していればよく、複数の切刃を有するドリルに比べて、本体部1の芯厚を確保することができ剛性に優れている。
本実施形態の一枚刃ドリル10(本体部1)の大きさは、例えば、本体部の直径Dが0.05mm〜1mm程度であり、長さL(切刃4から切屑排出溝2が終了するまでの長さ)が0.5mm〜10mm程度である。特にL/Dが5以上である場合、深穴加工により適している。このドリル10は、例えば、小径ドリル、深穴加工用ドリルとして好適に用いられるものであり、特に樹脂などの熱的損傷を受けやすい被削材の穴開け加工に適している。
本体部1は、先端面と後端面との間に外周面11を有しており、先端面側には被削材の切削加工において主要な役割を果たす切削部と、後端面側には工作機械の回転軸に把持される把持部とを備えている。さらに本体部1には切屑排出溝2が形成されることにより、先端視において、回転方向に対して逆方向を向く第1壁面12および回転方向に対して順方向を向く第2壁面13が形成されている。
本体部1は、上述のように円柱状である。すなわち、回転中心軸Oを中心とする軸芯部の半径r、すなわち回転中心軸Oから切屑排出溝2までの最短距離が先端面から後端面にわたって一定である。また、軸芯部の半径rが先端面から後端面にわたって大きくなるようなテーパ状であってもよく、あるいは軸芯部の半径rが先端面から後端面にわたって小さくなるような逆テーパ状であってもよい。
本実施形態においては、回転中心軸Oに垂直な断面において、先端面における直径をD1とし、先端以外の外周面部位における直径をD2とするときD1=D2を満たすように設計されている。また、切削部は、ドリル径(外径)が先端面から後端面に向かうに従って大きくなるか、あるいは小さくなるように傾斜していてもよい。さらに、切削部には、アンダーカット部を設けてもよい。 本体部1の材料としては、当業者が通常ドリルに使用する材料であれば特に制限されない。例えば、超硬合金(例えば、超微粒子超硬)またはそのコーティング物などが用いられる。
切屑排出溝2は、本体部1の先端面および外周面11に開口し、かつ回転中心軸Oに沿って外周面11にらせん状に設けられるとともに、先端視において、第1壁面12および第2壁面13が形成されるように回転方向に沿って設けられている。
切屑排出溝2の捩れ角の大きさは、特に制限されない。例えば、30°以上、好ましく
は30〜60°、より好ましくは40〜50°に設定される。捩れ角を30°以上にすることによって、例えば、プリント基板に小径の穴を開ける場合、あるいは深穴加工をする場合に、切屑排出性を良好にすることができる。さらに捩れ角を40°以上有する場合は、さらに良好な加工面を得ることができる。
なお、切屑排出溝2の捩れ角は、本体部1の全長に渡って(先端部から後端部に渡って)一定であってもよいし、あるいは部分的に変化してもよい。
本実施形態においては、切屑排出溝2は、側面視において境界部21を有し、第1壁面12を有する第1領域23と、第2壁面13を有する第2領域22とに分かれている。第1領域23は、主として切刃4から生成される切屑を排出する役割を果たす。第2領域22は、主にクリアランスの役割を果たす。このクリアランスは、ドリル10と被削材の加工穴の内壁との接触を低減する役割を有するとともに、切削時における切屑排出性の向上に寄与している。本実施形態においては、第2領域22は、先端面から後端面まで連続して延びており、切屑排出性の向上に寄与している。
本実施形態においては、切屑排出溝2は、先端面から後端面に向かうにつれて境界部21がなくなり、第1領域23および第2領域22が一つの底面を形成している。このように第1領域23および第2領域が一つの滑らかな曲面を形成することによって、切屑がよりスムーズに排出されることが可能となる。
逃げ面3は、本体部1の先端面に位置し、先端視において、第1壁面12に接続される第1逃げ面31と、第1逃げ面31の回転方向に順次形成される第2逃げ面32、第3逃げ面33、および第4逃げ面34を有している。
逃げ面3は、複数の面で形成されている。本実施形態においては、逃げ面3は、切刃4に接続される第1逃げ面31と、湾曲稜線部5に接続される第2逃げ面32との4つの面を有し、さらに図2に示すように第3逃げ面33および第4逃げ面34が形成されている。本実施形態においては、さらに第1逃げ面31の逃げ角と第3逃げ面33の逃げ角が等しく、第2逃げ面32の逃げ角と第4逃げ面34の逃げ角が等しくなるように形成されている。本明細書において、逃げ角とは、逃げ面3と送り量が0の場合に切刃4によって形成される被削面とのなす角度(°)をいう。
本実施形態のように第1逃げ面および第2逃げ面を有する場合、第2逃げ面32の逃げ角は、第1逃げ面31の逃げ角よりも大きいことが好ましい。このように第2逃げ面32の逃げ角が第1逃げ面31の逃げ角よりも大きくすることによって、チゼルの切れ味が良くなる。本実施形態においては特に図示しないが、第1逃げ面31の逃げ角が5〜15°程度、第2逃げ面32の逃げ角が20〜40°程度である。
本実施形態においては、さらに先端視において、湾曲稜線部5の外周面側端部と回転中心軸Oとを結ぶ直線Bと、第1逃げ面31と第2逃げ面32との交差線とのなす角度θBが90°以上であり、さらに、角度θBが、切刃4の外周面側端部と回転中心軸Oとを結ぶ直線Aと、第1逃げ面31と第2逃げ面32との交差線とのなす角度θAよりも大きく設計されている。
さらに角度θAとθBとは合計量で90〜160°程度有していることが好ましい。この合計量が160°に近づく程、切削時のドリル10の直進性は安定している。またこの合計量が90°に近づく程、切削時の切削抵抗をより小さくすることができる。好ましくは合計量が110〜160°程度である。
切刃4は、第1壁面12と逃げ面3との交差部に位置している。
湾曲稜線部5は、第2壁面13と逃げ面3との交差部に位置しており、さらに側面視において回転中心軸O側に湾曲している。このように稜線部5が湾曲していることによって、被削材を切削する際に、少なくともこの湾曲稜線部5の外周面側端部近傍が被削材と接触し、被削材との間に隙間が生じる。このような構成によって、切刃、特にチゼルエッジから生成された切屑が逃げ面3内に進入した場合においても、切屑がこの隙間から排出されることが可能であり、切屑のつまりが抑制される。なお、湾曲稜線部5が被削材と接触する外周面側端部近傍とは、ドリルの送り量によって適宜設定されるが、例えば、湾曲稜線部5のうち外周面から1/3程度の長さをいう。
また、本実施態様においては、例えば、湾曲稜線部5の両端部(いわゆる回転中心軸側端部および外周面側端部)近傍のみが被削材と接触することで両端部間と被削材との間に隙間が生じる場合もある。湾曲稜線部5は、例えば、側面視において円弧状であることが好ましい。
切刃4の外周面側端部の高さ位置と湾曲稜線部5の外周面側端部との高さ位置は、側面視において異なっている。この高さ位置の差は、ドリルが1回転あたりに回転中心軸O方向に進む距離F(送り量ともいう)に応じて適宜設定される。具体的には、側面視において、切刃4の外周面側端部の高さ位置と湾曲稜線部5の外周面側端部の高さ位置との差が、以下の式を満たす距離fとの関係を考慮する
f=F×θ/360
ここで、Fは切削する際に本体部1回転当たりに本体部が回転中心軸に沿う方向に進行する距離(mm)であり、θは先端視において切刃の外周面側端部と回転中心軸とを結ぶ直線Aと、湾曲稜線部の外周面側端部と回転中心軸とを結ぶ直線Bとのなす角度(°)である。
例えば、上記高さ位置の差がf以下である場合、切削時において被削材が切刃4(外周面側端部)に接触すると、確実に湾曲稜線部5(外周面側端部)にも接触する。そのため、切削時において、被削材に対して切刃と湾曲稜線部との少なくとも2点で支持しながら切削されるためドリルの進行時においてブレが少なく、優れた直進性を有するため好適である。また、上記高さ位置の差がfより大きい場合は、切削時において被削材が湾曲稜線部5に接触することが少なく、切削抵抗がより小さくなる場合がある。
他方、本実施形態において、切削時における切削抵抗の増大を抑制する観点から、切刃4の外周面側端部の高さ位置と湾曲稜線部5の外周面側端部の高さ位置との差は、側面視において距離fの1/2以上であることが好ましい。
また、ある実施態様においては、刃4の外周面側端部の高さ位置と湾曲稜線部5の外周面側端部の高さ位置との差は、本体部1の直径の4〜10%である。
チゼル部6は、穴開け加工の際に最初に被削材に接触する部分であり、上述のように、本体部1の先端に位置しており、その先端稜線は、先端視において、回転中心軸Oをとおり、切刃4の回転中心軸O側端部と湾曲稜線部5の回転中心軸O側端部とを結ぶように形成されている。このようにチゼル部6の先端稜線が湾曲稜線部と接続されていることにより、チゼル部6により生成される、逃げ面内に侵入しやすい切屑を円滑に排出することができる。
以上のような構成を有するドリル10は、切削部の後端側に形成される把持部を工作機械のドリル保持部に挿入して用いる。このような工作機械は、当業者が通常用いるもので
あればよく特に制限されないが、例えば、マシニングセンタなどの種々の機械が用いられる。このような工作機械に取り付けられたドリル10は、回転中心軸O回りに回転されるとともに回転中心軸O方向先端側に向けて送られて、例えば、被削材に押し当てられ、被切削材に所定の内径の加工穴を形成することができる。被削材としては、例えば、熱耐性の少ない樹脂基板、この樹脂基板を用いた複合基板などが挙げられる。複合基板としては、例えば、ガラス繊維にエポキシ等の樹脂を含浸させたガラス・エポキシ材料に、銅箔を積層したようなプリント基板が挙げられる。このような基板は、穴開け加工時にスムーズに切屑を排出できない場合には、銅箔の切屑が加工穴の内壁を損傷させたり、切削熱が外部に逃げずに加工穴の内部に蓄積されることで樹脂が軟化して加工穴の内壁面の粗さが大きくなるおそれがある。本発明のドリル10は、刃径が0.6mm未満、好ましくは0.3mm未満の小径ドリル、深穴加工用ドリルとして好適に用いられるものであり、特に熱的損傷を受けやすい被削材などの穴あけ加工に適している。
<被削加工物の製造方法>
本発明の切削加工物の製造方法は、上記一枚刃ドリルを回転中心軸Oまわりに回転させる工程と、切刃4および湾曲稜線部5を被削材に接触させる工程と、被削材と一枚刃ドリルとを相対的に離隔させる工程とを備えている。上記被削加工物の製造方法に用いる被削材としては、例えば、プラスチックを含浸させたガラス・エポキシ材料からなるプリント基板などが挙げられる。
ドリル10の切刃4および湾曲稜線部5と被削材とを接触させる工程は、例えば、被削材を、ドリル10を取り付けた工作機械のテーブル上に固定し、ドリル10を回転した状態で近づけることによって行われる。ドリル10は被削材と相対的に近付けばよく、被削材をドリル10に近づけてもよい。
次いで、ドリル10の切刃を被削材の表面の所望の位置に接触させて穴あけ加工し、最後に被削材からドリル10を離間させる。なお、1つの被削材に対して複数の孔をあける場合、上記工程を繰り返して行えばよい。
以上、本発明の実施形態を例示したが、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、発明の目的を逸脱しない限り任意のものとすることができることはいうまでもない。
1 本体部
11 外周面
12 第1壁面
13 第2壁面
2 切屑排出溝
21 境界部
22 第2領域
23 第1領域
3 逃げ面
31 第1逃げ面
32 第2逃げ面
33 第3逃げ面
34 第4逃げ面
4 切刃
5 湾曲稜線部
6 チゼル部

Claims (10)

  1. 回転中心軸を有する円柱状の本体部と、
    該本体部の先端面および外周面に開口し、かつ前記回転中心軸に沿って前記外周面にらせん状に設けられるとともに、先端視において、前記回転方向の後方端に位置して前記回転方向の前方側を向く第1壁面および前記回転方向の前方端に位置して前記回転方向の後方側を向く第2壁面が形成されるように回転方向に沿って設けられている1つの切屑排出溝と、
    前記本体部の前記先端面に位置し、先端視において、前記第1壁面に接続される第1逃げ面と、該第1逃げ面に対して前記回転方向の後方側に隣接して、前記第2壁面に接続される第2逃げ面と、該第2逃げ面に対して前記回転方向の後方側に位置して順次形成される第3逃げ面および第4逃げ面を有する逃げ面と、
    前記第1壁面と前記第1逃げ面と交差する稜線に位置する切刃と、
    前記第2壁面と前記第2逃げ面と交差する稜線に位置するとともに、側面視において前記本体部の後端側に向かって湾曲している湾曲稜線部と
    を備えており、
    側面視において、前記切刃の外周面側端部と前記湾曲稜線部の外周面側端部の高さ位置が異なっており、
    前記切刃によって被削材を切削する際に、前記湾曲稜線部の外周面側端部が前記被削材に接触し、少なくとも前記湾曲稜線部の中央部分が前記被削材から離れることを特徴とする、一枚刃ドリル。
  2. 側面視において、前記切刃の外周面側端部の高さ位置と前記湾曲稜線部の外周面側端部の高さ位置との差は、以下の式を満たす距離f以下であることを特徴とする、請求項1に記載の一枚刃ドリル。
    f=F×θ/360
    (F:切削する際に本体部1回転当たりに本体部が回転中心軸に沿う方向に進行する距離(mm)、θ:先端視において切刃の外周面側端部と回転中心軸とを結ぶ直線Aと、湾曲稜線部の外周面側端部と回転中心軸とを結ぶ直線Bとのなす角度(°))
  3. 側面視において、前記切刃の外周面側端部の高さ位置と前記湾曲稜線部の外周面側端部の高さ位置との差は、前記距離fの1/2よりも大きいことを特徴とする、請求項2に記載の一枚刃ドリル。
  4. 記第1逃げ面の逃げ角は、前記第2逃げ面の逃げ角よりも小さいことを特徴とする、
    請求項1から3のいずれかの項に記載の一枚刃ドリル。
  5. 先端視において、前記湾曲稜線部の前記外周面側端部と前記回転中心軸とを結ぶ直線Bと、前記第1逃げ面と前記第2逃げ面と交差する稜線とのなす角度θBは90°以上であり、
    該角度θBは、先端視において前記切刃の前記外周面側端部と前記回転中心軸とを結ぶ直線Aと、前記第1逃げ面と前記第2逃げ面と交差する稜線とのなす角度θAよりも大きいことを特徴とする、請求項4に記載の一枚刃ドリル。
  6. 前記本体部は、先端に突出したチゼル部をさらに有しており、該チゼル部の先端稜線は、先端視において、前記回転中心軸をとおり、前記切刃の回転中心軸側端部と前記湾曲稜線部の回転中心軸側端部とを結ぶことを特徴とする、請求項1から5のいずれかの項に記載の一枚刃ドリル。
  7. 前記湾曲稜線部は、側面視において円弧状であることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の一枚刃ドリル。
  8. 側面視において、前記切刃の外周面側端部の高さ位置と前記湾曲稜線部の外周面側端部の高さ位置との差は、前記本体部の直径の4〜10%であることを特徴とする、請求項1から7のいずれかの項に記載の一枚刃ドリル。
  9. 前記切屑排出溝は、側面視において底面部にらせん状の境界部を有しており、
    前記第1壁面を有する第1領域と、前記第1領域とは前記境界部により分離される、前記第2壁面を有する第2領域とを有していることを特徴とする、請求項1から8のいずれかの項に記載の一枚刃ドリル。
  10. 請求項1から9のいずれかの項に記載の一枚刃ドリルを前記回転中心軸周りに回転させる工程と、前記第1切刃および前記円弧状稜線部を被削材に接触させる工程と、
    前記被削材と前記一枚刃ドリルとを相対的に離隔させる工程と、
    を備える切削加工物の製造方法。
JP2011188845A 2011-08-31 2011-08-31 ドリルおよび該ドリルを用いる被削加工物の製造方法 Expired - Fee Related JP5734137B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011188845A JP5734137B2 (ja) 2011-08-31 2011-08-31 ドリルおよび該ドリルを用いる被削加工物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011188845A JP5734137B2 (ja) 2011-08-31 2011-08-31 ドリルおよび該ドリルを用いる被削加工物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013049116A JP2013049116A (ja) 2013-03-14
JP5734137B2 true JP5734137B2 (ja) 2015-06-10

Family

ID=48011625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011188845A Expired - Fee Related JP5734137B2 (ja) 2011-08-31 2011-08-31 ドリルおよび該ドリルを用いる被削加工物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5734137B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106270666B (zh) * 2016-09-30 2018-11-02 深圳市金洲精工科技股份有限公司 一种单刃微型钻头

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013049116A (ja) 2013-03-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5385976B2 (ja) ドリル及びこのドリルを用いる被削材の切削方法
JP5366003B2 (ja) ルーターエンドミル
JP5238912B2 (ja) ドリル及びそれを用いた切削加工物の製造方法
JP6589462B2 (ja) ドリル
JP6343005B2 (ja) ドリルおよびそれを用いた切削加工物の製造方法
EP3305447A1 (en) High efficiency step-structured twist drill
JP2006150553A (ja) ドリル
JP6652496B2 (ja) ドリルおよびそれを用いた切削加工物の製造方法
KR101701023B1 (ko) 구멍 뚫기 공구
JP5067441B2 (ja) 切削ドリル及びプリント配線板の製造方法
JP4324211B2 (ja) 穴明け工具
JP5066229B2 (ja) 穴明け工具
JP6609638B2 (ja) 切削工具及び切削加工物の製造方法
JP5734137B2 (ja) ドリルおよび該ドリルを用いる被削加工物の製造方法
JP5474227B2 (ja) 穴明け工具
JP3929901B2 (ja) ドリル
JP6383603B2 (ja) ドリル
JP4564562B2 (ja) 穴明け工具
JP6941047B2 (ja) 回転工具及び切削加工物の製造方法
JP2002154005A (ja) ツイストドリル
JP3967213B2 (ja) ドリル
JP5845288B2 (ja) ドリルおよびそれを用いた切削加工物の製造方法
JP4527103B2 (ja) ドリル
JP5890202B2 (ja) ドリル及びそれを用いた切削加工物の製造方法
JP2001018106A (ja) 穴明け工具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150317

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150414

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5734137

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees