JP5733220B2 - 端子および端子付き電線 - Google Patents
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Description
このような構成とすると、導電性板材を端子の形状にプレス成形する際にねじ部を形成することができるので、別途ねじ部を形成する工程が不要となる。
電線の導体を構成する金属素線のうち、端子と接触しない金属素線は、端子と電気的に接続されないことがあるが、上記のような構成とすると載置部(端子)と露出導体との接触面積を増やすことができる。
露出導体を構成する金属素線の表面に金属酸化膜が形成されている場合には、金属素線が端子と接触していたとしても、接触抵抗が大きくなるという問題がある。しかしながら、上記のような構成とすると、載置部の凸部と露出導体との接触により露出導体を構成する金属素線の表面に形成された金属酸化膜の破壊が促進されるので接触抵抗の増大を防止することができる。
このような構成とすると、露出導体のうち押圧突部と接触する部分は、他の部分よりも断面積が小さくなるように圧縮されるとともに、押圧突部との接触により露出導体を構成する金属素線の表面に形成された金属酸化膜の破壊が促進される。
アルミニウムまたはアルミニウム合金製の導体を備える電線では、端子との熱膨張率の差が大きいため、クリープ現象による影響を受けやすく接続状態が悪化しやすいという問題があるうえに、導体を構成する金属素線の表面に、硬い酸化アルミニウム膜が形成されやすく接触抵抗が上昇するという問題があった。そこで、上記のような構成とするとアルミニウムまたはアルミニウム合金製の導体を備える電線において、押圧部材と露出導体との接触荷重の低下を防止できるとともに、押圧部材と金属素線との接触により素線の表面に形成される金属酸化膜の破壊が促進されるので、端子との接続信頼性を向上させることができる。
実施形態1の端子20を備える端子付き電線10を図1ないし図12によって説明する。実施形態1の端子付き電線10は、図1に示すように、2本の電線11と各電線11の端末において露出する導体12(露出導体12)が接続される電線接続部21を有する端子20とからなる。以下の説明において、上下方向については、図2を基準とし、前後方向については、図2の左方を前方、右方を後方として説明する。
銅または銅合金製の板材(導電性板材の一例)を用いて、図8に示すような展開形状の端子板材20Aをプレス成形する。このとき一対の板部材24に相当する部分の端面にねじ部25を形成する。端子板材20Aに折り曲げ加工を施すことにより、載置部22、一対の板部材24および押圧部材26を備えた図5〜図7に示すような形状の端子20が得られる。この端子20の一対の板部材24のねじ山25にナット30を螺合させると図4に示す本実施形態の端子20が得られる。
本実施形態によれば、電線11の端末で露出する露出導体12は、一対の板部材24による挟持力とナット30の押圧力の双方により端子20に対して締め付けられ接続されるので、接触荷重の低下を防止して良好な接続状態を保持することができ、電線11と端子20との接続信頼性を向上させることができる。
実施形態2の端子41を備える端子付き電線40を図13によって説明する。本実施形態の端子付き電線40は、端子41の形状および、電線接続部42に接続される電線11が1本であるという点で実施形態1と相違する。実施形態1と同様の構成については同一の符号を付し重複した説明は省略する。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1では、端子20の電線接続部21の前方と後方にそれぞれ電線11を1本ずつ接続した例を示したが、例えば図14に示すように2本の電線11を端子20の電線接続部21の一方(前方)のみに接続してもよい。また、電線接続部に挿入される電線は3本以上であってもかまわない。
図14に示す端子付き電線50においては端子20および電線11の構成は実施形態1と同様であり実施形態1と同様の構成については同じ符号を付している。
(2)実施形態2では相手方の端子と接続される端子接続部47を有する端子41に1本の電線11を接続する例を示したが、実施形態2のような構成の端子に2本以上の電線を接続してもよい。
(3)上記実施形態では、導電性板材をプレス成形することにより形成されているねじ部25を備える一対の板部材24を示したが、導電性板材を所定形状にプレスした後に一対の板部材にねじ部を形成してもよい。
(4)上記実施形態では、露出導体12の形状に沿って弧状をなす載置部22を備える端子20を示したが、露出導体の形状に沿っていない載置部を備える端子であってもよい。
(5)上記実施形態では、露出導体12側に突出する凸部23Aが形成されている載置部22を備える端子20を示したが、載置部には凸部が形成されていなくてもよい。
(6)上記実施形態では、露出導体12側に突出する押圧突部27が形成されている押圧部材26を示したが、押圧突部が形成されていないものであってもよい。
(7)上記実施形態では、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の素線14を複数本撚り合わせた撚り線からなる導体12を備える電線11を示したが、銅または銅合金製の素線を備える導体を有する電線であってもよい。
(8)上記実施形態では、銅または銅合金製の端子20を示したが、アルミニウムやアルミニウム合金製の端子であってもよい。
11…電線
11A…第1電線
11B…第2電線
12…導体(露出導体)
13…絶縁被覆
20,41…端子
21,42…電線接続部
22,43…載置部
23A…凸部
24,44…一対の板部材
25,45…ねじ山(ねじ部)
26,46…押圧部材
27…押圧突部
30…ナット
31…ねじ溝
Claims (11)
- 導体および前記導体を覆う絶縁被覆を有する電線の端末において露出させた露出導体に接続される電線接続部を有する端子であって、
前記電線接続部は、前記露出導体が載置される載置部と、
前記載置部の両側縁から突出するとともに、ねじ部が形成された一対の板部材と、前記一対の板部材のねじ部に螺合するナットと、
前記ナットを前記ねじ部に螺合させることにより、前記載置部に載置された前記露出導体に押さえつけられる押圧部材と、を備え、
前記押圧部材は、前記一対の板部材と一体に形成されている端子。 - 前記ねじ部が導電性板材をプレス成形することにより形成されている請求項1に記載の端子。
- 前記載置部は前記露出導体の形状に沿った形状をなしている請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の端子。
- 前記載置部には、前記露出導体側に突出する凸部が形成されている請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の端子。
- 前記押圧部材には、前記露出導体側に突出する押圧突部が形成されている請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の端子。
- 導体および前記導体を覆う絶縁被覆を有する電線と、前記電線の端末において露出させた露出導体に接続される電線接続部を有する端子と、を備えた端子付き電線であって、
前記端子の前記電線接続部は、前記露出導体が載置される載置部と、
前記載置部の両側縁から突出するとともに、ねじ部が形成された一対の板部材と、前記一対の板部材のねじ部に螺合するナットと、
前記ナットを前記ねじ部に螺合させることにより、前記載置部に載置された前記露出導体に押さえつけられる押圧部材と、を備え、
前記押圧部材は、前記一対の板部材と一体に形成されている端子付き電線。 - 前記ねじ部が導電性板材をプレス成形することにより形成されている請求項6に記載の端子付き電線。
- 前記載置部は前記露出導体の形状に沿った形状をなしている請求項6または請求項7のいずれか一項に記載の端子付き電線。
- 前記載置部には、前記露出導体側に突出する凸部が形成されている請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載の端子付き電線。
- 前記押圧部材には、前記露出導体側に突出する押圧突部が形成されている請求項6ないし請求項9のいずれか一項に記載の端子付き電線。
- 前記導体は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製である請求項6ないし請求項10のいずれか一項に記載の端子付き電線。
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