JP5733179B2 - 回転式アクチュエータ - Google Patents
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Description
回転式アクチュエータをシフトバイワイヤシステムの駆動部として用いる場合、パーキングロック中に作動不能となるとパーキングロックが解除できないという問題が生じる。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、軽量であり且つ破損し難い回転式アクチュエータを提供することである。
ロータは、被駆動軸に動力伝達可能に連結される。ステータは、ロータに作用する磁力を発生させロータを回転させる。ハウジングは、樹脂製であり、ロータおよびステータを収容し、ロータを回転可能に支持するとともにステータを固定支持する。カバー手段は、金属製であり、ハウジングに対し前記ケースとは反対側に位置し、ハウジングに固定される。このカバー手段は、ハウジングに対し外部からの異物が衝突するのを回避するようハウジングを保護する。結合手段は、カバー手段と前記ケースとを結合する。
また、回転式アクチュエータに向け異物が飛来すると、この異物はハウジングに当たることなしにカバー手段に当たる。すなわち、異物がハウジングに衝突するのをカバー手段で防ぐことができる。これにより、異物の衝突でハウジングが破損するのを抑制することができ、ハウジングの破損に起因し作動不能となるのを回避することができる。
これに対し、請求項1に記載の発明では、結合手段の前記ケースへの結合面は、回転式アクチュエータの重心に対し前記ケースとは反対側に位置する。そのため振動に対する強度が高くなり振動による破損を防ぐことができる。
これに対し、請求項2に記載の発明による回転式アクチュエータは、ステータに嵌合しハウジング内に埋設される筒部、筒部の一端を塞ぐ底部、及び、底部からハウジング外に突き出しカバー手段に接触する突出部を有する金属製のステータ保持部材を備える。そのため、モータで生じた熱は、ステータ保持部材およびカバー手段が形成する熱伝導路を経由し外部に放熱される。これによりハウジング内の温度が上昇を抑制することができる。
これにより、ステータからステータ保持部材に伝導する熱を確実にカバー手段に伝えることができ、放熱性を向上させることができる。また、カバー手段とステータ保持部材とを嵌合させることでカバー手段の位置決めを行うことができる。
請求項5に記載の発明では、結合手段は、周方向で互いに離間する位置に形成されている。これにより、周方向での放熱性の偏りを抑制することができる。
これによれば、異物がハウジングのコネクタ部に衝突するのをカバー手段で防ぐことができる。これにより、異物の衝突でハウジングのコネクタ部が破損するのを抑制することができ、コネクタ部の破損に起因しステータへの給電が不可能となる事態を回避することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による回転式アクチュエータは、図1に示すシフトバイワイヤシステムの駆動部として用いられる。このシフトバイワイヤシステム1は、マニュアルバルブ2を作動させることで車両用自動変速機のシフトレンジを切り替える機能と、パーキングギヤ4の回転を規制することで自動変速機の回転をロックする機能とを有する。先ず、このシフトバイワイヤシステム1を説明する。
電子制御装置5は、運転者が操作する図示しないセレクトレバーの操作位置に応じ回転式アクチュエータ19を作動させる。回転式アクチュエータ19は、「被駆動軸」としてのコントロールロッド6を回転駆動する。コントロールロッド6は、回転式アクチュエータ19の出力軸と一体に回転する。
図3に示すように、回転式アクチュエータ19は、ハウジング20、スイッチトリラクタンスモータ(以下、「SRモータ」という。)40、減速機60、出力軸70およびブラケット75等を備えている。
リヤハウジング21は、樹脂製であり、有底筒部22、コネクタ部23および複数の固定部24を有している。有底筒部22には、筒状に形成された金属製のステータ保持部材90が埋設されている。コネクタ部23は、図1の電子制御装置5と接続可能な「給電用端子」としての複数の端子26を内包している。各固定部24は、有底筒部22から径外方向へ突き出すように形成されている。この固定部24には、金属製のインサートカラー27が埋設されている。
図3および図4に示すように、各固定部24は、有底筒部31のうち周方向で固定部24に対応する位置から径外方向へ突き出すように形成されている。この固定部24には、金属製のインサートカラー35が埋設されている。このインサートカラー35は、インサートカラー27のねじ挿通孔28と同軸のねじ挿通孔36を有している。
ステータ41は、ステータコア42および複数のコイル45を有している。ステータコア42は、ステータ保持部材90の径内壁に嵌合するリング部43と、このリング部43から径内方向に突き出す複数のティース部44とからなる。各ティース部44は、周方向で等間隔に例えば12個形成される。ステータコア42は、図3に示すように複数枚の環状プレートを板厚方向に積層することによって形成されている。
各コイル45は、バスバー部57に電気的に接続されている。バスバー部57は、図3に示すようにステータ41に対しリヤハウジング21の底部側に設けられている。バスバー部57は、例えば金属の薄板によって形成され、コネクタ部23の端子26と電気的に接続している。各コイル45には、バスバー部57を経由し電流が供給される。
リングギヤ61は、ロータ軸49の偏心部53の径外方向に位置し、ロータ軸49の一端部50や他端部51と同軸上に配置される環状の内歯車である。リングギヤ61は、フロントハウジング30の有底筒部22の径内壁に固定されている。
サンギヤ62は、ロータコア54とは反対側に突き出す複数のトルク伝達用突起63を形成する。各トルク伝達用突起63は、サンギヤ62の自転軸まわりに等間隔に形成されている。トルク伝達用突起63は、後述のトルク伝達用穴73と共に、サンギヤ62の自転成分を出力軸70に伝達するための回転伝達手段として機能する。
フランジ部72は、軸部71のうちサンギヤ62側の端部に一体に形成されている。フランジ部72は、サンギヤ62の各トルク伝達用突起63が遊嵌する複数のトルク伝達用穴73を有する。各トルク伝達用穴73は、ロータ軸49の回転軸まわり即ちサンギヤ62の公転軸まわりに等間隔に形成され、トルク伝達用穴73と共に回転伝達手段を構成する。
ロータ軸49は、減速機60、上記回転伝達手段および出力軸70を介しコントロールロッド6に回転伝達可能に連結される。
ブラケット75のカバー部76は、ステータ保持部材90の突出部92に対応する位置に凹部77が形成され、この凹部77の内壁がステータ保持部材90の突出部92の径外壁に圧入されている。ブラケット75には、ステータコア42の熱がステータ保持部材90を経由し伝導可能である。
インサートカラー27、35は、金属製であり、ブラケット75とねじ37の頭部との間に挟まれている。同じく金属製のねじ37の頭部は、ハウジング20外に露出し、ブラケット75からインサートカラー27、35を経由し伝導する熱を放熱可能な第5放熱面85を有している。また、同じく金属製のナット25は、ハウジング20外に露出し、ブラケット75から伝導する熱を放熱可能な第6放熱面86を有している。
ブラケット75のカバー部76、取付部78、ねじ37の頭部、ナット25およびケース16は、ステータコア42から伝導する熱を外部すなわちハウジング外空間に放熱する放熱手段として機能する。
上述のようにロータ48が回転すると、サンギヤ62は、リングギヤ61の径内壁を転動することによりロータ軸49の偏心部まわりに自転しつつロータ軸の回転軸まわりに公転する。このときサンギヤ62はロータ軸49に対し減速回転する。
各コイル45に通電することで生じた熱は、ステータコア42およびステータ保持部材90を経由しブラケット75に伝導し、各放熱面81〜84から放熱され、または、自動変速機のケース16に伝導し、ケース16の外面から放熱される。また、ブラケット75に伝導した熱は、インサートカラー27、35を経由しねじ37に伝導し、第5放熱面85から放熱される。また、ブラケット75に伝導した熱はナット25に伝導し、第6放熱面86から放熱される。
また、第1実施形態では、ブラケット75の取付部78の結合面80は、回転式アクチュエータ19の重心Gに対しケース16とは反対側に位置する。そのため振動に対する強度が高くなり、振動による破損を防ぐことができる。
そのため、SRモータ40の作動時にコイル45で生じた熱は、ステータ保持部材90およびブラケット75等が形成する第1〜第3熱伝導路を経由し各放熱面81〜86から外部に放熱される。これによりハウジング20内の温度が上昇を抑制することができる。
これにより、SRモータ40からステータ保持部材90に伝導する熱を確実にブラケット75に伝えることができ、放熱性を向上させることができる。また、ブラケット75とステータ保持部材90との嵌合によってブラケット75の位置決めを行うことができる。
また、第1実施形態では、ブラケット75の各取付部78は、周方向で等間隔に形成されている。これにより、周方向での放熱性の偏りを抑制することができる。
次に、第2実施形態による回転式アクチュエータを図6に基づき説明する。
図6に示すように、第2実施形態では、ブラケット100は、第1カバー部101と取付部102と第2カバー部103とから一体に形成される。第1カバー部101の構成は第1実施形態におけるカバー部76と同様であり、また、取付部102の構成は第1実施形態における取付部78と同様である。
第2カバー部103は、ハウジング20のコネクタ部23に対しケース16とは反対側に位置し、コネクタ部23に対し外部からの異物が衝突するのを回避するようコネクタ部23を保護する。
これによれば、外部の異物がハウジング20のコネクタ部23に衝突するのをブラケット100の第2カバー部103で防ぐことができる。これにより、異物の衝突でハウジング20のコネクタ部23が破損するのを抑制することができ、コネクタ部23の破損に起因しステータ41への給電が不可能となる事態を回避することができる。
次に、第3実施形態による回転式アクチュエータを図7に基づき説明する。
図7に示すように、第3実施形態では、ブラケット110は、第1カバー部111と取付部112と第2カバー部113とから一体に形成される。第1カバー部111の構成は第1実施形態におけるカバー部76と同様であり、また、取付部112の構成は第1実施形態における取付部78と同様である。
第2カバー部113は、第1カバー部111および取付部112の径外縁からハウジング20側に延びるように筒状に形成され、ハウジング20の径外部を覆っている。
これによれば、外部の異物がハウジング20の径外壁に衝突するのをブラケット110の第2カバー部113で防ぐことができる。これにより、異物の衝突でハウジング20が破損するのを一層抑制することができる。
本発明の他の実施形態では、ブラケットのカバー部に対応するカバー手段と、ブラケットの取付部に対応する結合手段とが別部材で構成されてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、ブラケットは、必ずしもステータ保持部材に嵌合されなくてもよい。例えば、ブラケットとステータ保持部材とが接触していれば、放熱性が向上するという効果を得ることができる。
また、本発明の他の実施形態では、ブラケットの取付部のケースへの結合面は、回転式アクチュエータの重心に対しケース側に位置していてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、モータのロータは、ステータの径内方向に配置されるインナーロータに限らず、ステータの径外方向に配置されるアウターロータであってもよい。
また、本発明の他の実施形態では、ステータコアは、各ティース毎に分離した複数のセグメントステータコアから形成されてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、回転式アクチュエータは、車両のうちシフトバイワイヤシステム以外の装置に用いられてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、回転式アクチュエータは、必ずしも減速機を備える必要はない。
16・・・ケース
19・・・回転式アクチュエータ
20・・・ハウジング
48・・・ロータ
41・・・ステータ
76・・・カバー部(カバー手段)
78・・・取付部(結合手段)
Claims (6)
- 被駆動軸を収容するケースの外壁に取り付けられる回転式アクチュエータであって、
前記被駆動軸に動力伝達可能に連結されるロータと、
前記ロータに作用する磁力を発生させ前記ロータを回転させるステータと、
前記ロータおよび前記ステータを収容し、前記ロータを回転可能に支持するとともに前記ステータを固定支持する樹脂製のハウジングと、
前記ハウジングに対し前記ケースとは反対側に位置し、前記ハウジングに固定され、前記ハウジングに対し外部からの異物が衝突するのを回避するよう前記ハウジングを保護する金属製のカバー手段と、
前記カバー手段と前記ケースとを結合可能な結合手段と、
を備え、
前記結合手段の前記ケースへの結合面は、前記回転式アクチュエータの重心に対し前記ケースとは反対側に位置することを特徴とする回転式アクチュエータ。 - 前記ステータに嵌合し前記ハウジング内に埋設される筒部、当該筒部の一端を塞ぐ底部、及び、当該底部から前記ハウジング外に突き出し前記カバー手段に接触する突出部を有する金属製のステータ保持部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の回転式アクチュエータ。
- 前記ステータ保持部材の前記突出部は環状に形成され、
前記カバー手段は、前記ステータ保持部材の前記突出部の径外壁に嵌合することを特徴とする請求項2に記載の回転式アクチュエータ。 - 前記結合手段は、前記カバー手段から放射状に突き出す複数の板状の放熱フィンから構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転式アクチュエータ。
- 前記結合手段は、周方向で互いに離間する位置に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の回転式アクチュエータ。
- 前記ハウジングは、前記ステータの給電用端子を内包するコネクタ部を有し、
前記カバー手段は、前記ハウジングの前記コネクタ部に対し前記ケースとは反対側に位置し、前記コネクタ部に対し外部からの異物が衝突するのを回避するよう前記コネクタ部を保護することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の回転式アクチュエータ。
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