JP5732909B2 - 赤外線センサ装置およびこれを備えた誘導加熱調理器 - Google Patents
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Description
すなわち、特許文献1に記載の誘導加熱調理器では、センサを金属円筒体で覆う防磁手段を設けることで、センサ周囲の磁界を減少させることができるが、十分に磁界を遮蔽することができず、少なからずセンサの電極等の金属部分に渦電流が生じて赤外線検出に影響が生じてしまう問題があった。
この赤外線センサ装置では、赤外線センサに直接また他の部材を介して設置され周囲の磁界と逆の磁界を発生させる反磁界発生コイルを備えているので、赤外線センサ周囲に磁界が生じる環境において、反磁界発生コイルにより周囲の磁界と同じ大きさの逆の磁界を発生することで、赤外線センサ周囲の磁界を相殺することができる。これにより、配線部や赤外線センサの他の金属部分に渦電流を生じさせる磁界を抑制して赤外線検出への影響を大幅に低減可能になる。
すなわち、この赤外線センサ装置では、第2の感熱素子に対向して絶縁性フィルムの他方の面に設けられた赤外線反射膜を備えているので、第1の感熱素子は赤外線が照射されて赤外線吸収した絶縁性フィルムの部分的な温度を測定するのに対し、第2の感熱素子は赤外線反射膜によって赤外線が反射されて赤外線吸収が大幅に抑制された絶縁性フィルムの部分的な温度を測定する。したがって、第1の感熱素子に対して赤外線の影響を抑制して高いリファレンスが得られる赤外線反射膜下の第2の感熱素子と、薄く熱伝導性の低い絶縁性フィルムとによって、第1の感熱素子と第2の感熱素子との良好な温度差分を得ることができる。
すなわち、この赤外線センサ装置では、反磁界発生コイルが、金属箔で形成された赤外線反射膜の直下に設置されているので、金属箔の赤外線反射膜に対して直下の反磁界発生コイルで周囲の磁界と逆の磁界を発生させることで、赤外線反射膜における渦電流の発生を抑制することができる。
すなわち、この赤外線センサ装置では、ボビン部の下面にアルミニウム板を備えているので、厚い回路基板が介在していてもコイル部で発生させた磁界を直上の赤外線反射膜に垂直に通過させることが可能になり、赤外線反射膜において効果的に周囲の磁界を相殺することができる。
すなわち、この赤外線センサ装置では、コイル用フィルムに金属膜で渦巻状にパターン形成されたパターンコイル部を備えているので、反磁界発生コイルの薄型化が可能になり、赤外線センサに直接貼り付けて一体化すること可能になる。
すなわち、この赤外線センサ装置では、パターンコイル部が、積層された第1の絶縁性フィルムまたは第2の絶縁性フィルムをコイル用フィルムとしてこれら絶縁性フィルムの対向面の一方にパターン形成されているので、赤外線反射膜の極近傍で周囲の磁界と逆の磁界を発生させることができる。
すなわち、この誘導加熱調理器では、トッププレートの下方に該トッププレートから離間して設置された温度センサである第1の発明から第6の発明のいずれかの赤外線センサ装置と、電磁コイルの出力に応じて反磁界発生コイルの出力を制御する制御部とを備えているので、赤外線センサの周囲に生じる電磁コイルからの誘導磁界と逆の磁界を電磁コイルの出力に応じて反磁界発生コイルにより発生させることで、誘導磁界の影響を抑制して鍋底温度を正確に測定することができる。
すなわち、本発明に係る赤外線センサ装置によれば、赤外線センサに直接また他の部材を介して設置され周囲の磁界と逆の磁界を発生させる反磁界発生コイルを備えているので、赤外線センサ周囲の磁界を相殺することができ、赤外線検出への影響を大幅に低減可能になる。したがって、本発明の赤外線センサ装置を備えた誘導加熱調理器によれば、赤外線センサの周囲に生じる電磁コイルからの誘導磁界の影響を抑制し、鍋底温度を正確に測定することができる。
上記絶縁性フィルム6は、赤外線透過性フィルムで形成されている。なお、本実施形態では、絶縁性フィルム6がポリイミド樹脂シートで形成されている。
この筐体10には、図3に示すように、第1の感熱素子2A及び第2の感熱素子2Bをそれぞれ個別に収納する第1の収納部10a及び第2の収納部10bが設けられている。これら第1の収納部10a及び第2の収納部10bは、第1の感熱素子2A及び第2の感熱素子2Bの位置にそれぞれ対応して形成された断面矩形状の孔部であり、内部に空気を密封した状態で開口部が絶縁性フィルム6で閉塞されている。なお、第1の収納部10a及び第2の収納部10bの内部には、絶縁性フィルム6よりも熱伝導率の低い発泡樹脂を封入させても構わない。
該赤外線遮蔽層は、例えばトッププレート102下面に貼り付けられたカーボンブラックを含む結晶化ガラスの吹付材などの赤外線遮蔽シートである。なお、この赤外線遮蔽層は、赤外線遮蔽シート以外にも赤外線遮蔽効果のある塗料をトッププレート102の下面に塗って形成しても構わない。また、上記赤外線透過窓は、赤外線センサ3の直上に位置する部分のみ赤外線遮蔽層に開口部を設けてトッププレート102を露出させて形成したものである。
上記トッププレート102は、結晶化ガラス等で形成されて高い耐熱性を有しており、本体ケース104の上部に取り付けられている。
上記電磁コイル103は、トッププレート102の下方かつ本体ケース104内に円環形状または渦巻き形状に配置され、交流電流による電力が供給されると高周波磁界を発生させてトッププレート102上の被加熱物Nを誘導加熱する加熱コイルである。
また、赤外線センサ3は、電磁コイル103の中心軸上に設置されている。
この反磁界発生用筒部材107は、外側の電磁コイル103による誘導磁界によって渦電流が発生することで、内側の赤外線センサ3の周囲において電磁コイル103による誘導磁界と逆の磁界を発生させる機能を有している。
また、アルミ膜105は、樹脂製の断熱用筒部材106からの輻射熱を遮断して内側の赤外線センサ3の赤外線検出に影響を与えることを抑制する機能も有している。
なお、本体ケース104の底部には、シールド用のアルミニウム板が採用される。
なお、赤外線吸収膜8を削除しても構わないが、第1の感熱素子2Aの直上に赤外線吸収膜8を形成することで、第1の感熱素子2Aにおける赤外線吸収効果が向上して、第1の感熱素子2Aと第2の感熱素子2Bとのより良好な温度差分を得ることができる。
また、ボビン部13の下面にアルミニウム板15を備えているので、厚い回路基板4が介在していてもコイル部14で発生させた磁界を直上の赤外線反射膜9に垂直に通過させることが可能になり、赤外線反射膜9において効果的に周囲の磁界を相殺することができる。
なお、感熱素子としては、上述したように薄膜サーミスタやチップサーミスタが用いられるが、サーミスタ以外に焦電素子等も採用可能である。
Claims (5)
- 少なくとも一つの感熱素子と前記感熱素子に接続された配線部とを備えた赤外線センサと、
該赤外線センサに直接また他の部材を介して設置され周囲の磁界と逆の磁界を発生させる反磁界発生コイルとを備え、
前記赤外線センサが、絶縁性フィルムと、
該絶縁性フィルムの一方の面に互いに離間させて設けられた第1の感熱素子及び第2の感熱素子と、
前記絶縁性フィルムの一方の面に形成され前記第1の感熱素子に接続された導電性の第1の配線膜及び前記第2の感熱素子に接続された導電性の第2の配線膜と、
前記第2の感熱素子に対向して前記絶縁性フィルムの他方の面に設けられた赤外線反射膜とを備え、
前記赤外線反射膜が、金属箔で形成され、
前記反磁界発生コイルが、前記赤外線反射膜の直下に設置されていることを特徴とする赤外線センサ装置。 - 請求項1に記載の赤外線センサ装置において、
前記赤外線センサが実装される回路基板を備え、
前記赤外線センサが、前記絶縁性フィルムの一方の面に固定されて該絶縁性フィルムを支持する筐体を備えていると共に、該筐体の裏面を実装面として前記回路基板の表面に固定され、
前記反磁界発生コイルが、前記回路基板の裏面に設置されたボビン部と、該ボビン部に巻き線を巻回させて構成されたコイル部と、前記ボビン部の下面に設置されたアルミニウム板とを備えていることを特徴とする赤外線センサ装置。 - 請求項1に記載の赤外線センサ装置において、
前記反磁界発生コイルが、絶縁性のコイル用フィルムと、該コイル用フィルムに金属膜で渦巻状にパターン形成されたパターンコイル部とを備えていることを特徴とする赤外線センサ装置。 - 請求項3に記載の赤外線センサ装置において、
前記絶縁性フィルムが、第1の絶縁性フィルムと第2の絶縁性フィルムとの積層で構成され、
前記赤外線反射膜が、前記第1の絶縁性フィルムの他方の面に形成されていると共に、前記第1の感熱素子および前記第2の感熱素子が、前記第2の絶縁性フィルムの一方の面に形成され、
前記パターンコイル部が、前記第1の絶縁性フィルムまたは前記第2の絶縁性フィルムを前記コイル用フィルムとしてこれら絶縁性フィルムの対向面の一方にパターン形成されていることを特徴とする赤外線センサ装置。 - 被加熱物を載置するトッププレートと、
該トッププレートの下部に設置され前記被加熱物を電磁誘導加熱により加熱する電磁コイルと、
前記トッププレートの下方に該トッププレートから離間して設置された温度センサである請求項1から4のいずれか一項に記載の赤外線センサ装置と、
前記電磁コイルおよび前記赤外線センサ装置に電気的に接続され前記電磁コイルの出力に応じて前記反磁界発生コイルの出力を制御する制御部とを備えていることを特徴とする誘導加熱調理器。
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