JP2004063451A - 誘導加熱調理器の放射温度検知装置および該装置用演算装置 - Google Patents

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野尻 俊幸
Shuji Inamura
稲村 修司
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遠藤 治之
Shoichi Tamura
田村 正一
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Abstract

【課題】調理容器から放射される赤外線を正確に検知できるように改良した誘導加熱調理器の放射温度検知装置および該装置用演算装置を提供する。
【解決手段】誘導加熱調理器の放射温度検知装置は、調理容器20を載置するトッププレート21と、加熱コイル23とを備えた誘導加熱調理器において、入射開口部から入射した赤外線を検知開口部へ導く同一形状の第1および第2の導光部51c,51dが形成された保持体51と、検知開口部側に配設された樹脂フイルム52と、樹脂フイルム52上に配置された赤外線検知用感熱素子53aおよび赤外線補償用感熱素子53bと、樹脂フイルム52の検知開口部に対向する面と反対の面側において、少なくとも赤外線検知用感熱素子53aおよび赤外線補償用感熱素子53bが配置された部分に空間部54a,54bが形成されるように、保持体51に固定された蓋部材54とから構成されている。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁誘導により調理容器を誘導加熱し調理物を加熱調理する誘導加熱調理器の放射温度検知装置および該装置用演算装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、誘導加熱調理器の温度検出装置として提案されているものの一例として、例えば、特開2002−75624号公報に開示されているような放射温度検出手段を用いた温度検出装置がある。
【0003】
図17は、上述した従来の誘導加熱調理器における温度検出装置の構成を示す断面図である。この放射温度検出手段を用いた誘導加熱調理器Bは、調理物を加熱調理する調理容器120と、調理容器120を載置する非磁性体で構成したトッププレート121と、トッププレート121の下部に設けた加熱コイル122に供給する電力を制御する制御手段123と、トッププレート121にはめ込まれた赤外線を透過する材料からなる赤外線透過材124と、赤外線透過材124を介して調理容器120の底面の温度を検知する放射温度検知手段125と、トッププレート121を介して調理容器120の底面に向けて光を放射する発光手段126と、発光手段126の光が調理容器120の底面に反射した光を検知する受光手段127と、前記受光手段127の出力により調理容器120の反射率から放射率を演算する放射率演算手段128とを備えた誘導加熱調理器である。
【0004】
前記放射温度検知手段125は、調理容器底面から放射される赤外線を検知する焦電素子やサーモパイルなどの赤外線感熱素子によって構成されている。また制御手段123は、前記放射温度検知手段125の温度情報に従って、加熱コイル122に供給する電力を制御しているものである。そして赤外線透過材124は、トッププレート121の内部に天面が平坦となるようにはめ込まれた赤外線透過材料によって構成されている。
【0005】
この誘導加熱調理器Bは、加熱コイル122から発生される誘導磁界によって、トッププレート121上に載置された調理容器120が誘導加熱されて、前記調理容器120の温度が上昇して容器内の被調理物が加熱調理されるものである。そして、調理容器120の温度を検出するための放射温度検知手段125は、赤外線透過材124を介して調理容器120の底面の温度を検出するとともに、発光手段126と受光手段127を設け、トッププレート121を介して調理容器120の底面に光を放射し、底面で反射した光量を検知することで、調理容器120の材質や面形状の違いによる放射率を補正して検知温度を補正し、調理容器120の温度を求めようとするものである。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−75624号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した従来の誘導加熱調理器における放射温度検知手段125は、調理容器120の底面から放射される赤外線をトッププレート121に嵌め込まれた赤外線透過材124を通して検知しているが、それと同時に加熱された調理容器120の熱によってトッププレート121と赤外線透過材124が熱せられ、トッププレート121からも赤外線が放射されるので、放射温度検知手段125である赤外線検知素子は調理容器120からの赤外線だけでなく周囲から受ける輻射熱をも検知してしまい、正確に調理容器底面の温度を検知することが出来なかった。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みて、調理容器から放射される赤外線を正確に検知できるように改良した誘導加熱調理器の放射温度検知装置および該装置用演算装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、調理容器を載置する赤外線透過材からなるトッププレートと、加熱コイルとを備えた誘導加熱調理器において、前記調理容器の温度を検知する放射温度検知装置であって、入射開口部から入射した赤外線を検知開口部へ導く同一形状の第1および第2の導光部が形成された保持体と、前記検知開口部側に配設された樹脂フイルムと、前記第1および第2の導光部の前記検知開口部にそれぞれ対応するように、前記樹脂フイルム上に配置された赤外線検知用感熱素子および赤外線補償用感熱素子と、前記樹脂フイルムの前記検知開口部に対向する面と反対の面側において、少なくとも前記赤外線検知用感熱素子および前記赤外線補償用感熱素子が配置された部分に空間部が形成されるように、前記保持体に固定された蓋部材とから構成されたことを特徴とする誘導加熱調理器の放射温度検知装置に存する。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、誘導加熱調理器の放射温度検知装置は、調理容器を載置する赤外線透過材からなるトッププレートと、加熱コイルとを備えた誘導加熱調理器において、調理容器の温度を検知する放射温度検知装置であって、入射開口部から入射した赤外線を検知開口部へ導く同一形状の第1および第2の導光部が形成された保持体と、検知開口部側に配設された樹脂フイルムと、第1および第2の導光部の検知開口部にそれぞれ対応するように、樹脂フイルム上に配置された赤外線検知用感熱素子および赤外線補償用感熱素子と、樹脂フイルムの検知開口部に対向する面と反対の面側において、少なくとも赤外線検知用感熱素子および赤外線補償用感熱素子が配置された部分に空間部が形成されるように、保持体に固定された蓋部材とから構成されているので、保持体に同一形状の2つの導光部を形成することで熱容量を同一とし、赤外線検知用感熱素子と赤外線補償用感熱素子は、2つの導光部を通る赤外線エネルギーに基づいて調理容器底面から放射される赤外線を検知でき、調理容器の温度を正確に検知することができる。
【0011】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の発明は、前記トッププレートの一方の面に形成され、その一部に開口を有する赤外線遮光膜をさらに含み、前記保持体は、前記第1の導光部の入射開口部が前記開口に一致しかつ前記第2の導光部の入射開口部が前記赤外線遮光膜下に位置するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置に存する。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、トッププレートの一方の面に形成され、その一部に開口を有する赤外線遮光膜をさらに含み、保持体は、第1の導光部の入射開口部が開口に一致しかつ第2の導光部の入射開口部が赤外線遮光膜下に位置するように配置されているので、赤外線検知用感熱素子と赤外線補償用感熱素子は、ふたつの導光部を通る調理容器以外から放射される赤外線エネルギ分をキャンセルできるため、調理容器底面から放射される赤外線のみを検知でき、調理容器の温度を正確に検知することができる。
【0013】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の発明は、前記トッププレートにおける前記調理容器の載置面の全体または少なくとも前記調理容器を載置する部分に形成された赤外線吸収膜をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置に存する。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、トッププレートにおける前記調理容器の載置面の全体または少なくとも前記調理容器を載置する部分に形成された赤外線吸収膜をさらに含むので、調理容器と加熱コイルとの位置ずれによる不適正な加熱も正確に検知できる利点がある。また、調理容器の底面に多数の凹凸が存在しても、精度の良い温度検知ができる。
【0015】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の発明は、少なくとも1つの前記入射開口部に取り付けられた赤外線フィルタをさらに含むことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置に存する。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、少なくとも1つの前記入射開口部に取り付けられた赤外線フィルタをさらに含むので、室内照明からの光や太陽光等の周囲からの赤外線の入射の影響を小さくすることができる。
【0017】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の発明は、前記第2の導光部の入射開口部を閉塞する遮光材をさらに含むことを特徴とする請求項1、3または4に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置に存する。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、第2の導光部の入射開口部を閉塞する遮光材をさらに含むので、調理容器底面から放射される赤外線を赤外線検知用感熱素子のみに導くことができる。
【0019】
上記課題を解決するためになされた請求項6記載の発明は、前記遮光材に取り付けられた断熱性弾性体をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置に存する。
【0020】
請求項6記載の発明によれば、遮光材に取り付けられた断熱性弾性体をさらに含むので、トッププレートが調理容器の熱により温められても保持体は局所的に加熱されずに、精度の良い温度検知ができる。
【0021】
上記課題を解決するためになされた請求項7記載の発明は、前記保持体を覆って前記保持体との間に空気断熱層が形成されるように配置される断熱性部材であって、前記保持体の入射開口部と一致する位置に赤外線入射用開口部を有する断熱性部材をさらに含むことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置に存する。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、保持体を覆って保持体との間に空気断熱層が形成されるように配置される断熱性部材であって、保持体の入射開口部と一致する位置に赤外線入射用開口部を有する断熱性部材をさらに含むので、周囲の熱の影響が放射温度検知装置の感熱素子に伝わりにくくなり、正確な温度検出が可能となる。
【0023】
上記課題を解決するためになされた請求項8記載の発明は、前記断熱性部材を前記トッププレートの下面に接触させるための圧接手段をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置に存する。
【0024】
請求項8記載の発明によれば、断熱性部材を前記トッププレートの下面に接触させるための圧接手段をさらに含むので、トッププレートと放射温度検知装置との距離を一定に維持できるために正確な温度検出が可能となる。
【0025】
上記課題を解決するためになされた請求項9記載の発明は、調理容器を載置する赤外線透過材からなるトッププレートと、加熱コイルとを備えた誘導加熱調理器において、前記調理容器の温度を検知する放射温度検知装置であって、入射開口部から入射した赤外線を検知開口部へ導く同一形状の第1乃至第4の導光部が形成された保持体と、前記検知開口部側に配設された樹脂フィルムと、前記第1乃至第4の導光部の前記検知開口部にそれぞれ対応するように、前記樹脂フィルム上に配置された第1および第2の赤外線検知用感熱素子と第1および第2の赤外線補償用感熱素子と、前記樹脂フイルムの前記検知開口部に対向する面と反対の面側において、少なくとも前記第1および第2の赤外線検知用感熱素子と前記第1および第2の赤外線補償用感熱素子とが配置された部分に空間部が形成されるように、前記保持体に固定される蓋部材と、前記保持体を覆って前記保持体との間に空気断熱層が形成されるように配置される断熱性部材であって、前記第1および第2の導光部の入射開口部と一致する位置に前記入射開口部よりも大きな第1および第2の赤外線入射用開口部を有する断熱性部材とから構成されたことを特徴とする誘導加熱調理器の放射温度検知装置に存する。
【0026】
請求項9記載の発明によれば、誘導加熱調理器の放射温度検知装置は、調理容器を載置する赤外線透過材からなるトッププレートと、加熱コイルとを備えた誘導加熱調理器において、調理容器の温度を検知する放射温度検知装置であって、入射開口部から入射した赤外線を検知開口部へ導く同一形状の第1乃至第4の導光部が形成された保持体と、検知開口部側に配設された樹脂フィルムと、第1乃至第4の導光部の検知開口部にそれぞれ対応するように、樹脂フィルム上に配置された第1および第2の赤外線検知用感熱素子と第1および第2の赤外線補償用感熱素子と、樹脂フイルムの検知開口部に対向する面と反対の面側において、少なくとも第1および第2の赤外線検知用感熱素子と第1および第2の赤外線補償用感熱素子とが配置された部分に空間部が形成されるように、保持体に固定される蓋部材と、保持体を覆って保持体との間に空気断熱層が形成されるように配置される断熱性部材であって、第1および第2の導光部の入射開口部と一致する位置に入射開口部よりも大きな第1および第2の赤外線入射用開口部を有する断熱性部材とから構成されているので、トッププレートが調理容器の熱により温められても、調理容器の底面温度を正確に検知することができ、なおかつ、トッププレートの温度も検知することができる。
【0027】
上記課題を解決するためになされた請求項10記載の発明は、前記トッププレートの一方の面に形成され、その一部に開口を有する赤外線遮光膜をさらに含み、前記保持体は、前記第1または第2の導光部の入射開口部が前記開口に一致するように配置されていることを特徴とする請求項9に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置に存する。
【0028】
請求項10記載の発明によれば、トッププレートの一方の面に形成され、その一部に開口を有する赤外線遮光膜をさらに含み、保持体は、第1または第2の導光部の入射開口部が開口に一致するように配置されているので、調理容器底面から放射される赤外線を第1または第2の赤外線検知用感熱素子のみに導くことができる。
【0029】
上記課題を解決するためになされた請求項11記載の発明は、前記断熱性部材の第2の赤外線入射用開口部を遮蔽する遮蔽膜をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置に存する。
【0030】
請求項11記載の発明によれば、断熱性部材の第2の赤外線入射用開口部を遮蔽する遮蔽膜をさらに含むので、調理容器底面から放射される赤外線を赤外線検知用感熱素子のみに導くことができる。
【0031】
上記課題を解決するためになされた請求項12記載の発明は、前記トッププレートの下面に前記遮蔽膜を接触させるように配置したことを特徴とする請求項11に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置に存する。
【0032】
請求項12記載の発明によれば、トッププレートの下面に遮蔽膜を接触させるように配置したので、トッププレートの熱によって温められた遮蔽膜から放射される赤外線を第2の赤外線検知用感熱素子で検知でき、それによりトッププレートが調理容器の熱により温められても、調理容器の底面温度を正確に検知することができ、なおかつ、トッププレートの温度も検知することができる。
【0033】
上記課題を解決するためになされた請求項13記載の発明は、前記保持体および前記蓋部材は、電磁波吸収体で形成されていることを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置に存する。
【0034】
請求項13記載の発明によれば、保持体および蓋部材は、電磁波吸収体で形成されているので、加熱コイルからの誘導磁界を吸収して感熱素子の配線パターンへの影響を軽減することができ、また渦電流を発生させない効果があるので、保持体および蓋部材が誘導磁界により加熱されず、誘導磁界による感熱素子の温度変化の影響を軽減することができる。
【0035】
上記課題を解決するためになされた請求項14記載の発明は、前記電磁波吸収体は、樹脂に非磁性かつ導電性の粉末を含有させた樹脂成形体からなることを特徴とする請求項13に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置に存する。
【0036】
請求項14記載の発明によれば、電磁波吸収体は、樹脂に非磁性かつ導電性の粉末を含有させた樹脂成形体からなるので、導電損失を利用して加熱コイルからの誘導磁界を吸収して感熱素子の配線パターンへの影響を軽減することができ、また渦電流を発生させない効果があるので、保持体および蓋部材が誘導磁界により加熱されず、誘導磁界による感熱素子の温度変化の影響を軽減することができる。
【0037】
上記課題を解決するためになされた請求項15記載の発明は、前記樹脂成形体は、6−ナイロン、66−ナイロン、PBT、PPS、ABS樹脂または液晶ポリマーを主成分とし、アルミニウム粉末、カーボン粉末、カーボン繊維粉末、タングステン粉末、錫粉末、銅粉末およびマグネシウム粉末のうちの何れか1つの粉末若しくはこれらの組合せからなる粉末を前記主成分に含有させて形成されていることを特徴とする請求項14に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置に存する。
【0038】
請求項15記載の発明によれば、樹脂成形体は、6−ナイロン、66−ナイロン、PBT、PPS、ABS樹脂または液晶ポリマーを主成分とし、アルミニウム粉末、カーボン粉末、カーボン繊維粉末、タングステン粉末、錫粉末、銅粉末およびマグネシウム粉末のうちの何れか1つの粉末若しくはこれらの組合せからなる粉末を主成分に含有させて形成されているので、導電損失を利用して加熱コイルからの誘導磁界を吸収して感熱素子の配線パターンへの影響を軽減することができ、また渦電流を発生させない効果があるので、保持体および蓋部材が誘導磁界により加熱されず、誘導磁界による感熱素子の温度変化の影響を軽減することができる。
【0039】
上記課題を解決するためになされた請求項16記載の発明は、前記電磁波吸収体は、樹脂に磁性体の粉末を含有させた樹脂成形体からなることを特徴とする請求項13に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置に存する。
【0040】
請求項16記載の発明によれば、電磁波吸収体は、樹脂に磁性体の粉末を含有させた樹脂成形体からなるので、磁性損失を利用して加熱コイルからの誘導磁界を吸収して感熱素子の配線パターンへの影響を軽減することができ、また渦電流を発生させない効果があるので、保持体および蓋部材が誘導磁界により加熱されず、誘導磁界による感熱素子の温度変化の影響を軽減することができる。
【0041】
上記課題を解決するためになされた請求項17記載の発明は、前記樹脂成形体は、6−ナイロン、66−ナイロン、PBT、PPS、ABS樹脂または液晶ポリマーを主成分とし、鉄粉末、マグネタイト粉末のうちの何れか1つの粉末若しくはこれらの組合せからなる粉末を前記主成分に含有させて形成されていることを特徴とする請求項16に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置に存する。
【0042】
請求項17記載の発明によれば、樹脂成形体は、6−ナイロン、66−ナイロン、PBT、PPS、ABS樹脂または液晶ポリマーを主成分とし、鉄粉末、マグネタイト粉末のうちの何れか1つの粉末若しくはこれらの組合せからなる粉末を主成分に含有させて形成されているので、磁性損失を利用して加熱コイルからの誘導磁界を吸収して感熱素子の配線パターンへの影響を軽減することができ、また渦電流を発生させない効果があるので、保持体および蓋部材が誘導磁界により加熱されず、誘導磁界による感熱素子の温度変化の影響を軽減することができる。
【0043】
上記課題を解決するためになされた請求項18記載の発明は、請求項9から12の何れか1項に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置用演算装置であって、電源と接地間に直列接続された前記第1の赤外線検知用感熱素子および第1の抵抗素子の第1の接続点に現れる第1の出力電圧と、電源と接地間に直列接続された前記第1の温度補償用感熱素子および第2の抵抗素子の第2の接続点に現れる第2の出力電圧との差を増幅する第1の増幅回路と、電源と接地間に直列接続された前記第2の赤外線検知用感熱素子および第3の抵抗素子の第3の接続点に現れる第3の出力電圧と、電源と接地間に直列接続された前記第2の温度補償用感熱素子と第4の抵抗素子との接続点に現れる第4の出力電圧との差を増幅する第2の増幅回路と、前記第1の増幅回路の出力と前記第2の増幅回路の出力との差を増幅し、前記調理容器の温度に相当する出力を供給する第3の増幅回路とからなることを特徴とする誘導加熱調理器の放射温度検知装置用演算装置に存する。
【0044】
請求項18記載の発明によれば、誘導加熱調理器の放射温度検知装置用演算装置は、請求項9から12の何れか1項に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置用演算装置であって、電源と接地間に直列接続された第1の赤外線検知用感熱素子および第1の抵抗素子の第1の接続点に現れる第1の出力電圧と、電源と接地間に直列接続された第1の温度補償用感熱素子および第2の抵抗素子の第2の接続点に現れる第2の出力電圧との差を増幅する第1の増幅回路と、電源と接地間に直列接続された第2の赤外線検知用感熱素子および第3の抵抗素子の第3の接続点に現れる第3の出力電圧と、電源と接地間に直列接続された第2の温度補償用感熱素子と第4の抵抗素子との接続点に現れる第4の出力電圧との差を増幅する第2の増幅回路と、第1の増幅回路の出力と第2の増幅回路の出力との差を増幅し、調理容器の温度に相当する出力を供給する第3の増幅回路とからなるので、トッププレートが調理容器の熱により温められても、調理容器の底面温度を正確に検知することができる。
【0045】
上記課題を解決するためになされた請求項19記載の発明は、前記第2の増幅回路は、前記トッププレートの温度に相当する出力を供給することを特徴とする誘導加熱調理器の放射温度検知装置用演算装置に存する。
【0046】
請求項19記載の発明によれば、第2の増幅回路は、トッププレートの温度に相当する出力を供給するので、トッププレートが調理容器の熱により温められても、調理容器の底面温度を正確に検知することができ、なおかつ、トッププレートの温度も検知することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のいくつかの実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において、同一の構成要素は、同一符号を付す。
【0048】
(第1の実施形態)まず、本発明の第1の実施形態について図1乃至図4を参照して説明する。
【0049】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る誘導加熱調理器の放射温度検知装置の断面図を示す。誘導加熱調理器Aは、調理物を加熱調理するための調理容器20と、調理容器20を載置する非磁性体で、且つ、赤外線透過材からなるトッププレート21と、加熱コイル23とで構成され、前記トッププレート21の下方には、支持体26に固定された放射温度検知装置S1と演算装置24と制御装置25とが配置されている。
【0050】
本実施形態では、トッププレート21は、厚み約4mmの耐熱ガラス、ネオセラム(目本電気硝子株式会社商品名)を使用した。この耐熱ガラスは、波長0.5〜4.5μmの赤外線を透過する光学特性を有する。
【0051】
また、トッププレート21の裏面には、放射温度検知装置S1の入射開口部51aに一致する部分に開けられた開口22aを除き、黒体塗料のような赤外線遮光膜22が、スクリーン印刷等の手段によって形成されている。
【0052】
放射温度検知装置S1は、入射開口部51aがトッププレート21の表面に近接させるように支持体26ヘネジ27によって固定されている。
【0053】
放射温度検知装置S1は、図2に示すように、入射開口部51a,51bから入射した赤外線をそれぞれ検知開口部51e,51fへ導く同一形状の第1および第2の導光部としての一対の導光部51c,51dが形成された保持体51と、導光部51c,51dの検知開口部51e,51fに配置された樹脂フィルム52と、一方の検知開口部51eに対応するように樹脂フィルム52上に配置された赤外線検知用感熱素子53aと、他方の検知開口部51fに対応するように樹脂フィルム52上に配置された赤外線補償用感熱素子53bと、樹脂フィルム52を密閉するように保持体51に固定される蓋部材54とから構成されている。
【0054】
検知開口部51eと検知開口部51f側に配置される樹脂フィルム52は、裏面(すなわち、検知用開口部51e,51fと対向する面の反対面)側に配線パターン55が形成されるように配置され、配線パターン55は、赤外線検知用感熱素子53aと赤外線補償用感熱素子53bがそれぞれ検知開口部51e,51fに対応する部分に配設されるようにパターンが形成され、赤外線検知用感熱素子53aと赤外線補償用感熱素子53bは、配線パターン55のランド上(図示しない)に電気的に接続されている。配線パターン55の引出線取付端子55aには引出線56が接続されている。そして、保持体51の凹陥部51jに挿入された樹脂フィルム52は、凹陥部51jの側面に形成した長穴51iを通して外部に引き出された引出線56とともに、蓋部材54を保持体51に接着剤等の固定手段を用いて固定することにより固定される。なお、蓋部材54には樹脂フィルム52上の赤外線検知用感熱素子53aおよび赤外線補償感熱素子53bに対応する箇所に、空洞部54a,54bが形成されている。
【0055】
保持体51は、適宜な長さの導光部51c,51dを設けることによって、樹脂フイルム52上の配線パターン55が加熱コイル23から離れることで誘導磁界の影響を小さくできるような構造にしてある。また、保持体51には、支持体26へ固定するための取付穴51hを有する取付耳部51gが設けられている。
【0056】
本実施形態に用いられる放射温度検知装置S1を構成する保持体51と蓋部材54は、誘導磁界の影響を避け、被検知体以外のバックグラウンド部分からの放射赤外線を吸収し、寸法精度の高い導光部を形成するために、樹脂に非磁性かつ導電性の粉末を含有させた樹脂成形体からなる電磁波吸収体で形成される。たとえば、保持体51と蓋部材54は、6−ナイロン樹脂に約70wt%のカーボン粉末又はカーボン繊維を含有させた混合物を公知のインジェクション成型法によって成形された樹脂成形体からなる。この他にも、PBT,PPS,ABS,6−ナイロン、66−ナイロン樹脂および液品ポリマーなどの何れかに、タングステン、錫、カーボン粉末、カーボン繊維、アルミニウム、銅、マグネシウムの各粉末またはこれらの組み合わせからなる粉末を組合せた樹脂成形体としても良いことはもちろんである。このように、保持体51と蓋部材54は、導電性粉末を含有させた非磁性かつ導電性の樹脂成形体から構成されているので、導電損失により電磁波エネルギーが吸収されて、加熱コイル23から発せられる誘導磁界によって加熱されずに、調理用器20から放射される赤外線を精度良く検知できる。
【0057】
また、前述の保持体51と蓋部材54によって、樹脂フィルム52がシールドされるので、誘導磁界による配線パターン55への影響を小さくすることができ、誘導電流による温度検出誤差を防止することができる。
【0058】
またこの他に、保持体51は、可視光(波長:0.3〜0.78μm)を透過しないシリコンやゲルマニウムなどの赤外線フィルタ(図示しない)を入射開口部51a,51bに閉塞するように耐熱性の樹脂によって接着固定した構造でも良い。このような構造にすることで、放射温度検知装置S1は、室内照明からの光や太陽光の入射の影響を小さくすることができる。
【0059】
また、赤外線フィルタは、赤外線透過波長0.5〜4.5μmとなるように、シリコンにゲルマニウムと硫化亜鉛と二酸化珪素からなる誘電体多層膜を適宜形成した反射膜を設けたものでもよい。この赤外線フィルタを入射開口部51a,51bに閉塞することで、放射温度検知器S1は、トッププレート21を透過する赤外線のみを赤外線フィルタによって透過させ、周囲からの赤外線の入射の影響を小さくすることが出来る。
【0060】
また、樹脂フィルム52は、フッ素、シリコーン、ポリエステル、ポリイミド、ポリエチレン、ポリカーボネート、PPS(ポリフェニレンスルフィド)などの高分子材料からなる樹脂が使用され、赤外線を吸収する材料であれば他の材料を使用しても良い。更にこれらの樹脂には、カーボンブラックまたは無機顔料(クロムイェロ、弁柄、チタンホワイト、群青の1種類以上)を混合分散させることで略全波長の赤外線を吸収し得るような材料を用いた樹脂フイルムを使用しても良い。
【0061】
また、樹脂フィルム52において、配線パターン55が形成された面と反対の面(すなわち、検知開口部51e,51fと対向する面)には、赤外線の吸収率を向上させて精度良く赤外線を検知するため、アクリル樹脂にカーボンブラックなどを混合分散させた塗料をスプレーやスピンコートの手法によって、塗布しても良い。
【0062】
樹脂フィルム52上に形成された配線パターン55に実装される赤外線検知用感熱素子53aと赤外線補償用感熱素子53bは、少なくとも略等しい温度特性を有する感熱素子で構成される。赤外線検知用感熱素子53aは、保持体51に形成された検知開口部51eの略中央に、赤外線補償用感熱素子53bは、保持体51の検知開口部51fの略中央に配置される。
【0063】
本実施形態で使用された赤外線検知用感熱素子53aと赤外線補償用感熱素子53bは薄膜サーミスタであり、その寸法は1.0×0.5mmである。
【0064】
この薄膜サーミスタは、アルミナなどの絶縁基板上にマンガン、ニッケル、コバルト、銅などの金属酸化物をスパッタ等の公知の技術手段によって形成させて、電極を同様に形成させた後に所望の寸法にカットして作製されたものである。
【0065】
蓋部材54は、保持体51と同様の材料で形成され、2つの感熱素子は、樹脂フィルム52とともに空洞部54a,54b内に密閉されるように収納されている。空洞部54a,54bは、赤外線検知用感熱素子53aと赤外線補償用感熱素子53bの配置部分にそれぞれ空間部を形成し、この空間部が熱的な絶縁層となるので、調理容器20からの赤外線と周囲温度を検知することによって、調理容器20の温度を正確に検知することができる。
【0066】
なお、空洞部54a,54bの底部に赤外線反射膜を設け、この赤外線反射膜で樹脂フイルム52を透過した赤外線を反射させることで、より一層検知感度を向上させることができる。また、蓋部材54の外表面に赤外線反射膜を設けることによって、周囲からの輻射熱を反射させ、より一層の検知精度を向上させることができる。
【0067】
本実施形態では、赤外線検知用感熱素子53aと赤外線補償用感熱素子53bとを空洞部54a,54b側の樹脂フィルム52面上に載置した例を示したが、検知開口部51e,51f側に載置しても良いことは勿論である。
【0068】
また、本実施形態では、空洞部54a,54bが、赤外線検知用感熱素子53aと赤外線補償用感熱素子53bに対応して別々に形成された例を示したが、空洞部54a,54bを一つにして大きな空間部を形成する空洞部とする構造にしても良い。
【0069】
また本実施形態では、赤外線検知用感熱素子53aと赤外線補償用感熱素子53bに薄膜サーミスタを用いた例を示したが、その他にチップサーミスタや、熱電対あるいはサーモパイル等の熱型赤外線センサ等の温度検知が可能な素子を用いることができる。またPbSやInSbなどの量子型センサを使用しても良い。
【0070】
上記のように構成された放射温度検知装置S1は、放射温度検知装置S1の出力信号を演算する演算装置24と、トッププレート21の下部に設けられた加熱コイル23と、演算装置24から出力された信号から加熱コイル23へ電力を供給制御する制御装置25とに接続されており、放射温度検知装置S1の温度出力信号に基づいて加熱コイル23に供給する電力を調整して、被加熱体(すなわち、調理容器20)の温度を制御するものである。
【0071】
以下、本実施形態の放射温度検知装置S1の動作について図1と図3に基づいて説明する。図3は、赤外線検知用感熱素子53aと赤外線補償用感熱素子53bからの電気信号を演算して調理容器20の底面温度に相当した電気信号として出力するための演算装置24の回路図である。演算装置24は、抵抗R1と赤外線検知用感熱素子53aとが電源端子Vと接地間に直列接続され、且つ、抵抗R2と赤外線補償用感熱素子53bとが電源端子Vと接地間に直列接続されている。このような抵抗R1,R2と赤外線検知用感熱素子53a、赤外線補償用感熱素子53bとの接続関係により、電源端子Vに抵抗R1,R2の一端を共通接続すると共に、赤外線検知用感熱素子53aおよび赤外線補償用感熱素子53bの一端を接地側に共通接続し、且つ、抵抗R1の他端と赤外線検知用感熱素子53aの他端とを接続すると共に、抵抗R2の他端と赤外線補償用感熱素子53bの他端とを接続したブリッジ回路を構成している。ブリッジ回路の抵抗R1および赤外線検知用感熱素子53aの接続点aと、抵抗R2および赤外線補償用感熱素子53bの接続点bは、演算増幅器ampの2つの入力端子に接続されている。
【0072】
図1において、図示していない電源を投入し、操作スイッチで所定の温度に設定すると、制御装置25が加熱コイル23に電力を供給する。加熱コイル23に電力が供給されると、加熱コイル23から誘導磁界が発せられ、トッププレート21上の調理容器20が誘導加熱される。この誘導加熱によって調理容器20の温度が上昇し、調理容器20内の被加熱物が調理される。このとき演算装置24は、放射温度検知装置S1からの温度情報によって、被加熱物の調理の進行状態を把握でき、調理の進行状態に応じて加熱コイル23に供給する電力を調整するものである。このようにして調理容器20内の被調理物が調理される。
【0073】
調理容器20の底面から放射される赤外線IrOは、トッププレート21を透過しトッププレート21に形成された赤外線遮光膜22の開口22aを通して、放射温度検知装置S1の入射開口部51aから入射し、樹脂フィルム52で熱に変換されて赤外線検知用素子53aで検知される。それと同時に、導光部51cから放射される赤外線IrBと、調理容器20の熱によって温められたトッププレート21から放射される赤外線IrAも、樹脂フィルム52に吸収されて赤外線検知用素子53aによって検知される。
【0074】
また、トッププレート21に形成された赤外線遮光膜22の下方に位置する放射温度検知装置S1の入射開口部51bには、赤外線遮光膜22から放射される赤外線IrAと導光部51dから放射される赤外線IrBが入射し、これらの赤外線が樹脂フィルム52に吸収されて熱に変換され、赤外線補償用感熱素子53bで樹脂フイルム52の温度変化として検知される。
【0075】
このような樹脂フイルム52の温度変化は、赤外線検知用感熱素子53aと赤外線補償用感熱素子53bの抵抗値の変化として出力される。
【0076】
図3に示す回路において、ほぼ同一の温度特性を有する赤外線検知用感熱素子53aと赤外線補償用感熱素子53bの抵抗値変化は、接続点a,bに電位差を生じさせる。接続点aの電位は、調理容器20からの赤外線による温度変化に依存するものであり、接続点bの電位は、赤外線遮光膜22から放射される赤外線による温度変化に依存するものである。即ち、赤外線検知用感熱素子53aによる接続点aの電位変化は、調理容器20から放射される赤外線IrOと、導光部51cから放射される赤外線IrBと、調理容器20の熱によって温められたトッププレートから放射される赤外線IrAとに依存するものであり、また、赤外線補償用感熱素子53bによる接続点bの電位変化は、赤外線遮光膜22から放射される赤外線IrAと、導光部51cから放射される赤外線IrBに依存するものである。
【0077】
従って、接続点aと接続点bとの電位差を演算増幅器ampで増幅することで、演算増幅器ampの出力端子110より調理容器20の温度に相当した電気信号のみを出力させることができる。そして、演算装置24から得られた調理容器20の底面温度に相当する出力信号によって制御装置25を制御して加熱コイル23へ供給する電力を調整することで、正確な温度制御ができる。
【0078】
図4は、放射温度検知装置S1の信号から演算装置24によって出力された「調理容器の底面温度−出力電圧」のグラフを示す。
【0079】
なお、本実施形態において、放射温度検知装置S1は、調理用器20の底面が、赤外線放射率の高い黒色であれば、底面に多少の凹凸が存在しても精度の良い温度検知ができる。
【0080】
以上のように、この発明によれば、保持体51に同一形状の2つの導光部51c、51dを形成することで熱容量を同一とし、さらに、一方の導光部を調理容器20から放射される赤外線に対して遮光することによって、赤外線検知用感熱素子53aと赤外線補償用感熱素子53bは、2つの導光部を通る調理容器20以外から放射される赤外線エネルギー分をキャンセルできるので、調理容器20底面から放射される赤外線のみを検知でき、調理容器20の温度を正確に検知することができる。
【0081】
また、放射温度検知装置S1の保持体51は、導電性粉末を含有させた樹脂で成形されており、前述の保持体51と蓋部材54によって、樹脂フィルム52がシールドされるので、誘導磁界による配線パターン55への影響を小さくすることができ、誘導電流による温度検出誤差を防止することができる。
【0082】
また前記したように、保持体51が導電性粉末を含有させた樹脂成形体であることから、導光部51c,51dに赤外線吸収膜を形成する必要がなく、膜厚管理が必要なくなり、工数の低減、入射開口部51a,51bや導光部51c,51dの寸法精度の向上により、赤外線の入射角度が一定となって製品のばらつきがなくなり、温度検知精度が向上できる効果がある。
【0083】
(第2の実施形態)次に、本発明の第2の実施形態について図5を参照して説明する。
【0084】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る誘導加熱調理器の放射温度検知装置を示す断面図である。誘導加熱調理器Aは、調理物を加熱調理する調理容器20と、調理容器20を載置する非磁性体で、且つ、赤外線透過材からなるトッププレート21と、該トッププレート21の表面の一部(少なくとも調理容器20を載置する部分)または全面に設けられた赤外線吸収膜22′と、裏面に形成された赤外線遮光膜22とからなり、トッププレート21の下方には、放射温度検知装置S1が、支持体26に固定されて配置されている。放射温度検知装置S1からの出力信号は、演算装置24に入力され、演算装置24の出力信号によって制御装置25は、加熱コイル23に供給する電力を調整して調理物の温度を制御しているものである。
【0085】
第2の実施形態における第1の実施形態との相違点は、トッププレート21の調理容器20が載置される面の一部(少なくとも調理容器20を載置する部分)または全面に、黒体塗料等の赤外線吸収膜22′が、印刷等の手段によって設けられている点である。
【0086】
放射温度検知装置S1の構造は、第1の実施形態と同一であるので、説明を省略する。
【0087】
以下に、本実施形態の動作について、図5に基づいて説明する。
【0088】
図5において、図示していない電源を投入し、操作スイッチで所定の温度に設定すると、制御装置25から加熱コイル23に電力が供給され、加熱コイル23から誘導磁界が発生し、トッププレート21上の調理容器20が誘導加熱される。この誘導加熱によって調理容器20の温度が上昇し、調理容器20内の被加熱物が調理される。このとき演算装置24は、放射温度検知装置S1からの温度情報によって、被加熱物の調理の進行状態を把握でき、調理の進行状態に応じて加熱コイル23に供給する電力を調整して被加熱物の温度を最適な状態に維持するものである。
【0089】
トッププレート21上に形成された赤外線吸収膜22′は、調理容器20からの熱によって温められる。そして、赤外線吸収膜22′から放射された赤外線Ir0は、トッププレート21を透過しトッププレート21に形成された赤外線遮光膜22の開口22aを通して、放射温度検知装置S1の入射開口部51aから入射し、樹脂フィルム52で熱に変換されて赤外線検知用素子53aで検知される。それと同時に、導光部51cから放射される赤外線IrBと、調理容器20の熱によって温められたトッププレート21から放射される赤外線IrAも、樹脂フィルム52に吸収されて赤外線検知用素子53aによって検知される。
【0090】
また、トッププレート21に形成された赤外線遮光膜22の下方に位置する放射温度検知装置S1の入射開口部51bには、赤外線遮光膜22から放射される赤外線IrAと導光部51dから放射される赤外線IrBが入射し、これらの赤外線が樹脂フィルム52に吸収されて熱に変換され、赤外線補償用感熱素子53bで樹脂フイルムの温度変化として検知される。
【0091】
これらの赤外線検知用素子53aと赤外線補償用感熱素子53bの抵抗変化を、図3に示すブリッジ回路で構成された演算装置24の接続点aと接続点bとの電位差として出力することにより、調理容器20の底面温度に相当した電気信号のみを出力させることができる。
【0092】
演算装置24の動作は、第1の実施形態と同様なので説明を省略する。
【0093】
本実施形態では、調理容器20の温度をトッププレート21の表面に形成した赤外線吸収膜22から放射される赤外線によって温度検知する点で、調理容器20と加熱コイル23との位置ずれによる不適正な加熱も正確に検知できる利点がある。
【0094】
また、本実施形態において、放射温度検知装置S1は、調理用器20の底面に多少の凹凸が存在しても、赤外線吸収膜22′を設けているので、精度の良い温度検知ができる。
【0095】
(第3の実施形態)次に、本発明の第3の実施形態について図6に基づいて説明する。
【0096】
図6は、本発明の第3の実施形態に係る誘導加熱調理器の放射温度検知装置を示す断面図である。
【0097】
図6において、誘導加熱調理器Aは、調理物を加熱調理する調理容器20と、調理容器20を載置する非磁性体で、且つ、赤外線透過材からなるトッププレート21と、該トッププレート21の表面の一部または全面に設けられた赤外線吸収膜22′とからなり、トッププレート21の下方には、放射温度検知装置S1が、支持体26に固定されて配置されている。そして、放射温度検知装置S1の導光部51dの入射開口部51bには、赤外線の入射を阻止する遮光材51kが取り付けられている。なお、遮光材51kは、入射開口部51a側に取り付けてもよいことは明らかである。
【0098】
また、遮光材51kを取り付ける代わりに、保持体51を成形するときに、入射開口部51b(または51a)が閉塞するように、一体成形によって同時に形成することもできる。
【0099】
第3の実施形態における前述した他の実施形態との相違点は、トッププレート21の下面の赤外線遮光膜22が設けられていない点と、放射温度検知装置S1の保持体51の入射開口部51bまたは51aに、遮光材51kが取り付けられている点である。
【0100】
遮光材51kは、本実施形態ではポリイミド、またはフッ素樹脂製のフィルムを貼着して設けた。
【0101】
以下、本実施形態の動作について、図6に基づいて説明する。
【0102】
図6において、図示していない電源を投入し、操作スイッチで所定の温度に設定すると、制御装置25から加熱コイル23に電力を供給され、加熱コイル23から誘導磁界が発生し、トッププレート21上の調理容器20が誘導加熱される。この誘導加熱によって調理容器20の温度が上昇し、調理容器20内の被加熱物が調理される。このとき演算装置24は、放射温度検知装置S1からの温度情報によって、被加熱物の調理の進行状態を把握でき、調理の進行状態に応じて加熱コイル23に供給する電力を調整して被加熱物の温度を最適な状態に維持するものである。
【0103】
トッププレート21上に形成された赤外線吸収膜22′は、加熱された調理容器20によって熱せられる。そして、赤外線吸収膜22′から放射される赤外線IrOは、トッププレート21を透過し、放射温度検知装置S1の入射開口部51aから入射する。同時に、導光部51cから放射される赤外線IrBと、調理容器20の熱によって温められたトッププレート21から放射される赤外線IrAも、導光部51cを通って樹脂フィルム52に吸収され、熱に変換された後、赤外線検知用素子53aで樹脂フイルムの温度変化として検知される。
【0104】
一方、放射温度検知装置S1の導光部51d側は、入射開口部51bが遮光材51kによって閉塞されているために、赤外線吸収膜22′から放射される赤外線IrOは遮光され、トッププレート21からの熱によって温められた遮光材51kから放射される赤外線IrAと、導光部51dから放射される赤外線IrBが、樹脂フィルム52に吸収され、その温度変化が赤外線補償用感熱素子53bで検知される。
【0105】
これらの赤外線検知用素子53aと赤外線補償用感熱素子53bの抵抗変化を、図3に示すブリッジ回路で構成された演算装置24の接続点aと接続点bとの電位差として出力することにより、調理容器20の温度に相当した電気信号のみを出力させることができる。
【0106】
演算装置24の動作は、前述した他の実施形態と同様なので説明を省略する。
【0107】
なお、トッププレート21は、調理容器20の重みで上下することがあるので、このような場合には、図7の変形例に示すように、放射温度検知装置S1の入射開口部51bへリング状のシリコーンなどの断熱性スポンジ22fを貼着し、その上に遮光材51kを設けた構造とするとよい。放射温度検知装置S1は、断熱性弾性体としての断熱性スポンジ22fを設けることで、遮光材51kがトッププレート21に接していても、保持体51が局所的に加熱されずに、精度の良い温度検知ができる。なお、上述の断熱性スポンジ22fは、放射温度検知装置S1の入射開口部51bに取り付けられた遮光材51kの上に貼着しても良い。
【0108】
本実施形態において、トッププレート21上に形成された赤外線吸収膜22′は、調理容器20との摩擦によって使用中に減摩し、赤外線吸収効果が減少する場合があるので、赤外線吸収膜の上にさらに耐摩耗性の樹脂層を設ける等してもよい。
【0109】
また、本実施形態において、放射温度検知装置S1は、調理用器20の底面に多少の凹凸が存在しても、赤外線吸収膜22′を設けているので、精度の良い温度検知ができる。
【0110】
(第4の実施形態)次に、本発明の第4の実施形態について図8に基づいて説明する。
【0111】
図8は、本発明の第4の実施形態に係る誘導加熱調理器の放射温度検知装置の断面図を示す。図8において、放射温度検知装置S1は、断熱性部材31内に収納されていて、断熱性部材31との間に空気断熱層38が形成されており、断熱性部材31の上部に形成された赤外線入射用開口部31a,31bと放射温度検知装置S1の入射開口部51a,51bとがそれぞれ一致するように、断熱性部材31と固定されている。
【0112】
断熱性部材31は、PPS,PBT,ABS樹脂等の材料が用いられ、赤外線入射用開口部31a,31bの開口面積は、放射温度検知装置S1の入射開口部51a,51bの面積より大きくし、赤外線入射用開口部31aと赤外線入射用開口部31bの開口面積は、等しくするのが好ましい。
【0113】
誘導加熱調理器Aは、調理容器20が誘導加熱されることにより、トッププレート21下方の筐体内部も高温になって、放射温度検知装置S1がこの熱の影響を受けやすい。
【0114】
従って、放射温度検知装置S1を断熱性部材31内に収納することにより、放射温度検知装置S1の周囲に空気断熱層38が形成されるので、周囲の熱の影響が放射温度検知装置S1に伝わりにくくなり、正確な温度検出が可能となる。
【0115】
図9は、第4の実施形態の変形例を示し、放射温度検知装置S1が収納された断熱性部材31をトッププレート21に接触させるようにバネ等の圧接手段28で支持体29に固定した構造を示す。この構造は、トッププレート21と放射温度検知装置S1との距離が一定に維持できるために、正確な温度検出が可能となる。
【0116】
なお、本実施形態において、放射温度検知装置S1は、調理用器20の底面が、赤外線放射率の高い黒色であれば、底面に多少の凹凸が存在しても精度の良い温度検知ができる。
【0117】
(第5の実施形態)次に、本発明の第5の実施形態について図10乃至図13を参照して説明する。
【0118】
図10は、本発明の第5の実施形態に係る誘導加熱調理器の放射温度検知装置の断面図を示し、図11は、図10の放射温度検知装置を説明する組立図を示す。誘導加熱調理器Aは、調理物を加熱調理するための調理容器20と、調理容器20を載置する非磁性体で、且つ、赤外線透過材からなり、裏面に黒体塗料等の赤外線遮光膜22が印刷等の手段によって形成されたトッププレート21と、加熱コイル23と、トッププレート21の下方において、支持体26に固定された放射温度検知装置S1と演算装置24と制御装置25とで構成されている。なお、図10における放射温度検知装置S1の断面図は、後述の説明を行うために、図11の放射温度検知装置S1の形状とは、多少異なっているが、本質的には同等である。
【0119】
トッププレート21は、厚み約4mmの耐熱ガラス、ネオセラム(日本電気硝子株式会社商品名)を使用した。この耐熱ガラスは、波長0.5〜4.5μmの赤外線を透過する光学特性を有する。
【0120】
また、トッププレート21の裏面には、断熱性部材31の赤外線入射用開口部31aが位置する部分に開けられた開口22aを除き、黒体塗料のような赤外線遮光膜22が、スクリーン印刷等の手段によって形成されている。
【0121】
放射温度検知装置S1は、赤外線入射用開口部31aが形成された断熱性部材31の面側をトッププレート21の下面に近接させるように、支持体26へネジ27によって固定されている。
【0122】
放射温度検知装置S1は、図10および図11に示すように、入射開口部51aから入射する赤外線を検知開口部51eへ導く第1の導光部としての導光部51c、入射開口部51a′から入射する赤外線を検知開口部51e′へ導く第2の導光部としての導光部51c′、入射開口部51bと検知開口部51fを有する第3の導光部としての導光部51d、および入射開口部51b′と検知開口部51f′を有する第4の導光部としての導光部54d′がそれぞれ同一形状に形成された保持体51と、4つの検知開口部側に配設した樹脂フィルム52と、検知開口部51eおよび51e′に位置する樹脂フィルム52上に各々配置された第1の赤外線検知用感熱素子としての赤外線検知用感熱素子53aおよび第2の赤外線検知用感熱素子としての赤外線検知用感熱素子53a′と、検知開口部51fおよび51f′に位置する樹脂フィルム52上に各々配置された第1の赤外線補償用感熱素子としての赤外線補償用感熱素子53bおよび第2の赤外線補償用感熱素子としての赤外線補償用感熱素子53b′と、樹脂フィルム52を密閉固定する有底空洞部54a、54b、54a′、54b′を有する蓋部材54と、入射開口部51aおよび51a′とそれぞれ一致する位置に入射開口部51aおよび51a′よりも大きな第1の開口部としての赤外線入射用開口部31aおよび第2の開口部としての赤外線入射用開口部31a′を有し、保持体51を覆って保持体51との間に空気断熱層38が形成されるように配置された断熱性部材31とから構成されている。
【0123】
樹脂フィルム52には、裏面側(すなわち、検知開口部と対向する面の反対面)に配線パターン55および配線パターン55′が形成される。配線パターン55は、赤外線検知用感熱素子53aと赤外線補償用感熱素子53bとが検知開口部51eおよび51fに相当する部分にそれぞれ配設されるように形成され、また、配線パターン55′は、赤外線検知用感熱素子53a′と赤外線補償用感熱素子53b′とが、検知開口部51e′および51f′に相当する部分にそれぞれ配設されるように形成されている。赤外線検知用感熱素子53aと赤外線補償用感熱素子53bは、配線パターン55のランド上(図示しない)へ、赤外線補償用感熱素子53bと赤外線補償用感熱素子53b′は、配線パターン55′のランド上(図示しない)へ、それぞれ電気的に接続されている。引出線取付端子55aおよび55a′には、引出線56および56′が接続されている。そして、樹脂フィルム52は、外部に引き出された引出線56および56′とともに保持体51の凹陥部51jに挿入される。蓋部材54は、樹脂フィルム52を挟んで凹陥部51jへ嵌合させ、接着剤等の固定手段によって固定されている。なお、蓋部材54には、樹脂フィルム52上の赤外線検知用感熱素子53a、赤外線補償用感熱素子53b、赤外線検知用感熱素子53a′および赤外線補償用感熱素子53b′にそれぞれ対応する箇所に、有底空洞部54a、54b、54a′、54b′が形成されている。
【0124】
保持体51は、適宜な長さの4つの導光部51c,51d,51c′および51d′を設けることにより、樹脂フィルム52上の配線パターン55および55′を加熱コイル23から遠ざけることができ、誘導磁界の影響を小さくできるような構造にしてある。また、保持体51には、支持体26へ固定するための取付穴51hを有する取付耳部51gが設けられている。
【0125】
保持体51と蓋部材54は、誘導磁界の影響を避け、調理容器20以外のバックグラウンド部分からの放射赤外線を吸収し、寸法精度の高い導光部を形成するために、6−ナイロン樹脂に約70wt%のカーボン粉末又はカーボン繊維を含有させた混合物を公知のインジェクション成型法によって成形された樹脂成形体から構成されている。この他にも、保持体51と蓋部材54は、PBT、PPS、ABS、6−ナイロン、66−ナイロン樹脂および液晶ポリマーなどの何れかに、タングステン、錫、カーボン粉末、カーボン繊維、アルミニウム、銅、マグネシウムの各粉末またはこれらの組み合わせからなる粉末を組合せた樹脂成形体としても良いことはもちろんである。このような樹脂成形体からなる保持体51と蓋部材54は、樹脂フィルム52を電磁シールドさせる効果があるので、誘導磁界による配線パターン55および55′への影響を小さくすることができ、誘導電流による温度検出誤差を防止することができる。
【0126】
また、保持体51と蓋部材54は、鉄、マグネタイトなどの磁性材料の粉末を上述の樹脂に含有させた樹脂成形体からなる電磁波吸収体で形成しても良い。この場合は、保持体51と蓋部材54は、磁性損失を利用した電磁波吸収体で形成されるので、上述と同様の効果が得られる。
【0127】
またこの他に、保持体51は、可視光(波長:0.3〜0.78μm)を透過しないシリコーンやゲルマニウムなどの赤外線フィルタ(図示しない)を第1開口部51a、および第2開口部51a′に閉塞するように耐熱性の樹脂によって接着固定した構造でも良い。このような構造にすることで、放射温度検知装置S1は、室内照明からの光や太陽光の入射の影響を小さくすることができる。
また赤外線フィルタは、赤外線透過波長0.5〜4.5μmとなるように、シリコーンにゲルマニウムと硫化亜鉛と二酸化珪素からなる誘電体多層膜を適宜形成した反射膜を設けたものでもよい。放射温度検知器S1は、第1開口部51a、第2開口部51a′に閉塞させる赤外線フィルタにより、トッププレート21を透過する赤外線のみを透過させ、周囲からの赤外線の入射の影響を小さくすることが出来る。
【0128】
樹脂フィルム52は、フッ素、シリコーン、ポリエステル、ポリイミド、ポリエチレン、ポリカーボネート、PPS(ポリフェニレンスルフィド)などの高分子材料からなる樹脂が使用され、赤外線を吸収する材料であれば他の材料を使用しても良い。更にこれらの樹脂には、カーボンブラックまたは無機顔料(クロムイエロ、弁柄、チタンホワイト、群青の1種類以上)を混合分散させることで略全波長の赤外線を吸収し得るような材料を用いた樹脂フィルムを使用しても良い。
【0129】
また、樹脂フィルム52において、配線パターン55および55′が形成された面と反対の面(すなわち、検知開口部と対向する面)には、赤外線の吸収率を向上させて精度良く赤外線を検知するため、アクリル樹脂にカーボンブラックなどを混合分散させた塗料をスプレーやスピンコートの手法によって、塗布しても良い。
【0130】
樹脂フィルム52上に形成された配線パターン55に実装される赤外線検知用感熱素子53aと赤外線補償用感熱素子53bは、少なくとも略等しい温度特性を有する感熱素子で構成される。赤外線検知用感熱素子53aは、保持体51に形成された検知開口部51eの略中央に、赤外線補償用感熱素子53bは、保持体51の検知開口部51fの略中央に配置される。
【0131】
また、樹脂フィルム52上に形成された配線パターン55′に実装される赤外線検知用感熱素子53a′と赤外線補償用感熱素子53b′は、少なくとも略等しい温度特性を有する感熱素子で構成される。赤外線検知用感熱素子53a′は、保持体51に形成された検知開口部51e′の略中央に、赤外線補償用感熱素子53b′は、保持体51の検知開口部51f′の略中央に配置される。
【0132】
赤外線検知用感熱素子53a,53a′および赤外線補償用感熱素子53b,53b′は、薄膜サーミスタであり、その寸法は1.0×0.5mmである。
【0133】
この薄膜サーミスタは、アルミナなどの絶縁基板上にマンガン、ニッケル、コバルト、銅などの金属酸化物をスパッタ等の公知の技術手段によって形成させて、電極を同様に形成させた後に所望の寸法にカットして作製されたものである。
【0134】
蓋部材54は、保持体51と同様の材料で形成され、4つの感熱素子は、樹脂フィルム52とともに有底空洞部54a、54b、54a′、54b′内にそれぞれ収納させる構造である。なお、放射温度検知装置S1は、有底空洞部54a、54b、54a′、54b′の底部に赤外線反射膜を設け、樹脂フィルムを透過した赤外線を反射させることで、より一層検知感度を向上させることができる。また、蓋部材54の外表面に赤外線反射膜を設けることによって、周囲からの輻射熱を反射させ、より一層の検知精度を向上させることができる。
【0135】
断熱性部材31は、たとえばABS樹脂材料からなり、保持体51の入射開口部51a,51a′とそれぞれ一致させるように入射開口部51a,51a′よりも大きな赤外線入射用開口部31a,31a′を有し、保持体51を覆って保持体51との間に空気断熱層38を形成している。また、断熱性部材31は、保持体51の取付穴51hと一致させるように取付穴31dを有する取付耳部31cが設けられている。なお、断熱性部材31は、ABS樹脂で形成する以外に、PBT、PPS、6−ナイロン、66−ナイロン樹脂および液晶ポリマー等の樹脂によって形成しても良い。
【0136】
本実施形態では、4つの感熱素子を有底空洞部側の樹脂フィルム52面上に載置した例を示したが、検知開口部側に載置しても良いことは勿論である。
【0137】
また、本実施形態では、4つの感熱素子に対して、有底空洞部が別々に形成された例を示したが、4つの有底空洞部を一つにした構造にしても良い。
【0138】
また、本実施形態では、4つの感熱素子に薄膜サーミスタを用いた例を示したが、その他にチップサーミスタや、熱電対あるいはサーモパイル等の熱型赤外線センサ等の温度検知が可能な素子を用いることができる。また、PbSやInSbなどの量子型センサを使用しても良い。
【0139】
また、本実施形態では、トッププレート21の下面に開口部22aを有する赤外線遮光膜22を設けたが、図14の変形例に示すように、断熱性部材31の赤外線入射開口部31aに位置するトッププレート21の上面に開口部22aを有する赤外線遮光膜22を設けてもよい。
【0140】
上記のように構成された放射温度検知装置S1は、放射温度検知装置S1の出力信号を演算する演算装置24と、トッププレート21の下部に設けられた加熱コイル23と、演算装置24から出力された信号から加熱コイル23へ電力を供給制御する制御装置25とに接続されており、放射温度検知装置S1の温度出力信号に基づいて加熱コイル23に供給する電力を調整して、被加熱体の温度を制御するものである。
【0141】
次に、図12は、図10および図11に示す誘導加熱調理器の放射温度検知装置用演算装置の回路図を示す。放射温度検知装置S1を構成する赤外線検知用感熱素子53aの一端は、第1の抵抗素子としての抵抗R11の一端に接続され、更に抵抗R11の他端は、可変抵抗R12の一端へ接続されており、また赤外線補償用感熱素子53bの一端は、第2の抵抗素子としての抵抗R13の一端へ接続され、且つ、可変抵抗R12の他端および抵抗R13の他端は、定電圧電源回路の出力端子+Vccに接続されている。赤外線検知用感熱素子53aと赤外線補償用感熱素子53bの他端は、接地側に共通接続されている。
【0142】
上述の構成により、第1のブリッジ回路が形成されており、抵抗R11と赤外線検知用感熱素子53aの接続点Bは、増幅器amp1と抵抗R14を通して演算増幅器amp3の反転入力端子に接続され、抵抗R13と第1赤外線補償用感熱素子53bの接続点Aは、増幅器amp2と抵抗R15を通して演算増幅器amp3の非反転入力端子に接続されている。
【0143】
また、演算増幅器amp3の反転入力端子と出力端子間には、帰還抵抗R16が接続され、且つ、演算増幅器amp3の非反転入力端子と接地間には、抵抗R17が接続されている。増幅器amp1,amp2および演算増幅器amp3と抵抗R14〜R17とから第1の増幅回路としての差動増幅回路AMP1が構成される。
【0144】
また、放射温度検知装置S1を構成する赤外線検知用感熱素子53a′の一端は、第3の抵抗素子としての抵抗R31の一端に接続され、更に抵抗R31の他端は、可変抵抗R32の一端へ接続されており、また赤外線補償用感熱素子53b′の一端は、第4の抵抗素子としての抵抗R33へ接続され、且つ、可変抵抗R32の他端および抵抗R33の他端は、定電圧電源回路の出力端子+Vccに接続されている。赤外線検知用感熱素子53a′と赤外線補償用感熱素子53b′の他端は、接地側に共通接続されている。
【0145】
上述の構成により、第2のブリッジ回路が形成されており、抵抗R31と赤外線検知用感熱素子53a′の接続点Dは、増幅器amp5と抵抗R34を通して演算増幅器amp7の反転入力端子に接続され、抵抗R33と赤外線補償用感熱素子53b′の接続点Cは、増幅器amp6と抵抗R35を通して演算増幅器amp7の非反転入力端子に接続されている。
【0146】
また、演算増幅器amp7の反転入力端子と出力端子間には、帰還抵抗R36が接続され、且つ、演算増幅器amp7の非反転入力端子と接地間には、抵抗R37が接続されている。増幅器amp5,amp6および演算増幅器amp7と抵抗R34〜R37とから第2の増幅回路としての差動増幅回路AMP2が構成される。
【0147】
差動増幅回路AMP1の出力端子は、抵抗R18を通して演算増幅器amp4の反転入力端子へ接続され、且つ、差動増幅器AMP2の出力端子は、抵抗R19を通して演算増幅器amp4の非反転入力端子へ接続されている。
【0148】
また、演算増幅器amp4の反転入力端子と出力端子間には、帰還抵抗R21が接続され、且つ、演算増幅器amp4の非反転入力端子と接地間には、抵抗R20が接続されている。演算増幅器amp4と抵抗R18〜R21とから第3の増幅回路としての差動増幅回路AMP3が構成される。
【0149】
また、差動増幅回路AMP2の出力端子は、増幅器amp8の入力端子へ接続されており、差動増幅回路AMP2を構成する増幅器amp6の出力端子は、増幅器amp9の入力端子へ接続されている。
【0150】
放射温度検知装置S1は、予め可変抵抗R12およびR32により接続点AとBとの間、および接続点CとDとの間に発生する電位をそれぞれゼロに保っている。従って、放射温度検知装置S1が調理容器20からの赤外線を感知しないときは、差動増幅回路AMP1およびAMP2の入力電圧は、それぞれゼロである。
【0151】
次に、図10と図12を基に放射温度検知装置S1の動作を説明する。
【0152】
図10において、図示しない電源を投入し、操作スイッチで所定の温度に設定すると、制御装置25から加熱コイル23に電力を供給され、加熱コイル23から誘導磁界が発生し、トッププレート21上の調理容器20が誘導加熱される。この誘導加熱によって調理容器20の温度が上昇し、調理容器20内の被調理物が調理される。このとき演算装置25は、放射温度検知装置S1からの温度情報によって、被調理物の調理の進行状態を把握でき、調理の進行状態に応じて加熱コイル23に供給する電力を調整して被調理物の温度を最適な状態に維持するものである。
【0153】
調理容器20から放射される赤外線Ir3は、トッププレート21、および赤外線遮光膜22の開口部22aを通過し、断熱性部材31の赤外線入射用開口部31aから入射する。赤外線Ir3は、放射温度検知装置S1の入射開口部51aから導光部51cを通って樹脂フィルム52に吸収され、熱に変換され、赤外線検知用感熱素子53aによって樹脂フィルム52の温度変化として検知される。同時に導光部51cから放射される赤外線Ir1と、調理容器20の熱によって温められたトッププレート21から放射される赤外線Ir2も導光部51cを通って樹脂フィルム52に吸収され、熱に変換された後、赤外線検知用感熱素子53aによって樹脂フィルム52の温度変化として検知される。
【0154】
また、トッププレート21の下面を覆っている赤外線遮光膜22からは、加熱された調理容器によって温められたトッププレート21の熱により赤外線Ir2が放射される。赤外線Ir2は、断熱性部材31の赤外線入射用開口部31a′から入射する。赤外線Ir2は、放射温度検知装置S1の開口部51a′から導光部51c′を通って樹脂フィルム52に吸収され、熱に変換され、赤外線検知用感熱素子53a′によって樹脂フィルム52の温度変化として検知される。同時に導光部51c′から放射される赤外線Ir1も樹脂フィルム52に吸収され、熱に変換された後、赤外線検知用感熱素子53a′によって樹脂フィルム52の温度変化として検知される。
【0155】
一方、導光部51dおよび導光部51d′から放射される赤外線Ir1が樹脂フィルム52に吸収され、熱に変換された後、それぞれ、第1赤外線補償用感熱素子53bおよび第1赤外線補償用感熱素子53b′によって樹脂フィルム52の温度変化として検知される。
【0156】
このような樹脂フィルム52の温度変化は、赤外線検知用感熱素子53a,53a′および赤外線検知用感熱素子53b,53b′の抵抗値変化として出力される。
【0157】
図12に示す回路図において、ほぼ同一の温度特性を有する赤外線検知用感熱素子53aと赤外線補償用感熱素子53bの抵抗値変化は、第1のブリッジ回路の接続点A、Bに電位差を生じさせる。接続点Bの電位は、調理容器20から放射される赤外線と調理容器20によって温められたトッププレート21から放射される赤外線と導光部51cから放射される赤外線による温度変化に依存するものであり、接続点Aの電位は、導光部51dから放射される赤外線による温度変化に依存するものである。即ち、赤外線検知用感熱素子53aによる接続点Bの電位変化は、調理容器20から放射される赤外線Ir3と、調理容器20の熱によって温められたトッププレート21から放射される赤外線Ir2と、導光部51cから放射される赤外線Ir1とに依存するものであり、また赤外線補償用感熱素子53bによる接続点Aの電位変化は、導光部51dから放射される赤外線Ir1に依存するものである。
【0158】
また、ほぼ同一の温度特性を有する第2赤外線検知用感熱素子53a′と第2赤外線補償用感熱素子53b′の抵抗値変化は、第2のブリッジ回路の接続点C、Dに電位差を生じさせる。接続点Dの電位は、調理容器20によって温められたトッププレート21から放射される赤外線と導光部51c′から放射される赤外線による温度変化に依存するものであり、接続点Cの電位は、導光部51d′から放射される赤外線による温度変化に依存するものである。即ち、赤外線検知用感熱素子53a′による接続点Dの電位変化は、調理容器20の熱によって温められたトッププレート21から放射される赤外線Ir2と、導光部51c′から放射される赤外線Ir1とに依存するものであり、また赤外線補償用感熱素子53b′による接続点Cの電位変化は、導光部51d′から放射される赤外線Ir1に依存するものである。
【0159】
従って、接続点Aと接続点Bとの電位差を差動増幅する差動増幅回路AMP1の出力端子Fからは、調理容器20から放射される赤外線Ir3と、調理容器20の熱によって温められたトッププレート21から放射される赤外線Ir2の温度に相当した電気信号を出力することが出来る。
【0160】
また、接続点Cと接続点Dとの電位差を差動増幅する差動増幅回路AMP2の出力端子Gからは、調理容器20の熱によって温められたトッププレート21から放射される赤外線Ir2の温度に相当した電気信号V2を出力することが出来る。
【0161】
また、差動増幅回路AMP2を構成する増幅器amp6の出力端子Eからは、保持体51から放射される赤外線Ir1の温度に相当した電気信号V1を出力することができる。
【0162】
また、差動増幅回路AMP1からの出力電圧と差動増幅回路AMP2からの出力電圧との電位差を差動増幅する差動増幅回路AMP3の出力端子からは、調理容器20から放射される赤外線Ir3の温度に相当した電気信号V3を出力することが出来る。そして、演算装置24から得られた調理容器20の底面温度に相当する出力信号V3によって制御装置25を制御して過熱コイル23へ供給する電力を調整することで、正確な温度制御ができる。
【0163】
なお、図13は、調理容器20の内部底面に熱電対を取付け、調理容器20へ常温の油を注ぎ、誘導加熱調理器Aの運転を開始させたときの放射温度検知装置S1からの各出力V1,V2,V3を測定したグラフである(調理容器の内部底面温度vs放射温度検知装置用演算装置24から出力される出力電圧グラフ)。同図に示すように、調理容器20の内部底面温度に相当する出力電圧V3と、トッププレート21の温度に相当する出力電圧V2と、保持体51の温度に相当する出力電圧V1とが出力されているのが判る。
【0164】
以上のように、本発明によれば、トッププレート21が調理容器20の熱により温められても、調理容器20の底面温度を検知することができ、なお且つ、トッププレート21の温度も検知することができる。
【0165】
(第6の実施形態)次に、本発明の第6の実施形態について図15および図16を参照して説明する。
【0166】
図15は、本発明の第6の実施形態に係る誘導加熱調理器の放射温度検知装置の断面図を示し、図16は、図15における放射温度検知装置の組立図を示す。誘導加熱調理器Aは、調理物を加熱調理するための調理容器20と、調理容器20を載置する非磁性体で、且つ、赤外線透過材からなるトッププレート21と、加熱コイル23と、前記トッププレート21の下方には、支持体26に固定された放射温度検知装置S1と演算装置24と制御装置25とで構成されている。なお、図15における放射温度検知装置S1の断面図は、後述の説明を行うために、図16の放射温度検知装置S1の形状とは、多少異なっているが、本質的には同等である。
【0167】
トッププレート21は、厚み約4mmの耐熱ガラス、ネオセラム(日本電気硝子株式会社商品名)を使用した。この耐熱ガラスは、波長0.5〜4.5μmの赤外線を透過する光学特性を有する。
【0168】
放射温度検知装置S1は、赤外線入射用開口部31a′を遮蔽膜16によって遮蔽した断熱性部材31の面がトッププレート21の表面に接触させるように支持体26へネジ27によって固定されている。
【0169】
放射温度検知装置S1は、図15および図16に示すように、入射開口部51aから入射した赤外線を検知開口部51eへ導く導光部51c、入射開口部51a′から入射した赤外線を検知開口部51e′へ導く導光部51c′、入射開口部51bと検知開口部51fを有する導光部51d、および入射開口部51b′と検知開口部51f′を有する導光部51d′がそれぞれ同一形状に形成された保持体51と、4つの検知開口部側に配設した樹脂フィルム52と、検知開口部51eおよび51e′に位置する樹脂フィルム52上に各々配置された赤外線検知用感熱素子53aおよび53a′と、検知開口部51fおよび51f′に位置する樹脂フィルム52上に各々配置された赤外線補償用感熱素子53bおよび53b′と、樹脂フィルム52を密閉固定する有底空洞部54a、54b、54a′、54b′を有する蓋部材54と、入射開口部51aおよび51a′とそれぞれ一致する位置に入射開口部51aおよび51a′よりも大きな赤外線入射用開口部31aおよび31a′を有し、保持体51を覆って保持体51との間に空気断熱層38が形成されるように配置された断熱性部材31と、調理容器20から放射される赤外線を遮蔽するために断熱性部材31の赤外線入射用開口部31a′へ設けられた遮蔽膜16とから構成されている。
【0170】
樹脂フィルム52には、裏面側(すなわち、検知開口部と対向する面の反対面)に配線パターン55および配線パターン55′が形成されている。配線パターン55は、赤外線検知用感熱素子53aと赤外線補償用感熱素子53bとが、検知開口部51eおよび51fに相当する部分にそれぞれ配設されるように形成され、また、配線パターン55′は、赤外線検知用感熱素子53a′と赤外線補償用感熱素子53b′とが、検知開口部51e′および51f′に相当する部分にそれぞれ配設されるように形成されている。赤外線検知用感熱素子53aと赤外線補償用感熱素子53bは、配線パターン55のランド上(図示しない)へ、赤外線検知用感熱素子53a′と赤外線補償用感熱素子53b′は、配線パターン55′のランド上(図示しない)へ、それぞれ電気的に接続されている。引出線取付端子55aおよび55a′には、引出線56および56′が接続されている。そして、樹脂フィルム52は、外部に引き出された引出線56および56′とともに保持体51の凹陥部51jに挿入される。蓋部材54は、樹脂フィルム52を挟んで凹陥部51jへ嵌合させ、接着剤等の固定手段によって固定されている。なお、蓋部材54には樹脂フィルム52上の赤外線検知用感熱素子53a、赤外線補償用感熱素子53b、赤外線検知用感熱素子53a′および赤外線補償用感熱素子53b′にそれぞれ対応する箇所に、有底空洞部54a、54b、54a′、54b′が形成されている。
【0171】
保持体51は、適宜な長さの4つの導光部51c,51d,51c′および51d′を設けることにより、樹脂フィルム52上の配線パターン55および55′を加熱コイル23から遠ざけることができ、誘導磁界の影響を小さくできるような構造にしてある。また、保持体51には、支持体26へ固定するための取付穴51hを有する取付耳部51gが設けられている。また、保持体51は、支持体26へ固定するための取付穴51hを有する取付耳部51gが設けられている。
【0172】
保持体51と蓋部材54は、誘導磁界の影響を避け、調理容器20以外のバックグラウンド部分からの放射赤外線を吸収し、寸法精度の高い導光部を形成するために、6−ナイロン樹脂に約70wt%のカーボン粉末又はカーボン繊維を含有させた混合物を公知のインジェクション成型法によって成形された樹脂成形体からなる。
【0173】
また、樹脂フィルム52は、フッ素、シリコーン、ポリエステル、ポリイミド、ポリエチレン、ポリカーボネート、PPS(ポリフェニレンスルフィド)などの高分子材料からなる樹脂が使用され、赤外線を吸収する材料であれば他の材料を使用しても良い。
【0174】
樹脂フィルム52上に形成された配線パターン55に実装される赤外線検知用感熱素子53aと赤外線補償用感熱素子53bは、少なくとも略等しい温度特性を有する感熱素子で構成される。赤外線検知用感熱素子53aは、保持体51に形成された検知開口部51eの略中央に、赤外線補償用感熱素子53bは、保持体51の検知開口部51fの略中央に配置される。
【0175】
また、樹脂フィルム52上に形成された配線パターン55′に実装される赤外線検知用感熱素子53a′と赤外線補償用感熱素子53b′は、少なくとも略等しい温度特性を有する感熱素子で構成される。赤外線検知用感熱素子53a′は、保持体51に形成された検知開口部51e′の略中央に、赤外線補償用感熱素子53b′は、保持体51の検知開口部51f′の略中央に配置される。
【0176】
赤外線検知用感熱素子53a、53a′および赤外線補償用感熱素子53b,53b′は、薄膜サーミスタであり、その寸法は1.0×0.5mmである。
【0177】
蓋部材54は、保持体51と同様の材料で形成され、4つの感熱素子は、樹脂フィルム52とともに有底空洞部54a、54b、54a′、54b′内にそれぞれ収納させる構造である。
【0178】
断熱性部材31は、保持体51の入射開口部51aおよび51a′とそれぞれ一致するように入射開口部51aおよび51a′よりも大きな赤外線入射用開口部31aおよび31a′と、保持体51を覆って保持体51との間に形成される空気断熱層38とを有するように、ABS樹脂材料で形成されている。また、断熱性部材31は、保持体51の取付穴51hと一致するように取付穴31dを有する取付耳部31cが設けられている。
【0179】
遮蔽膜16は、アルミ箔等の赤外線を反射させる材料からなり、断熱性部材31の赤外線入射用開口部31a′へ粘着剤などで貼着されている。
【0180】
上記のように構成された放射温度検知装置S1は、放射温度検知装置S1の出力信号を演算する演算装置24と、トッププレート21の下部に設けられた加熱コイル23と、演算装置24から出力された信号から加熱コイル23へ電力を供給制御する制御装置25とに接続されており、放射温度検知装置S1の温度出力信号に基づいて加熱コイル23に供給する電力を調整して、被加熱体の温度を制御するものである。
【0181】
なお、上述の第5の実施形態では、トッププレート21の下面には、赤外線遮光膜22が設けられており、トッププレート21の熱によって温められた赤外線遮光膜22から放射される赤外線を赤外線検知用感熱素子53a′によって検知している。これに対して本実施形態では、トッププレート21の下面には、赤外線遮光膜22が設けられていないが、トッププレート21へ赤外線入射用開口部31a′に設けた遮蔽膜16を接触させることにより、トッププレート21の熱により温められた遮蔽膜16から放射される赤外線を赤外線検知用感熱素子53a′によって検知している。つまり、本実施形態は、トッププレート21の下面の赤外線遮光膜22を必要とせず、第5の実施形態と同様の効果がある。
【0182】
また、本実施形態の場合、遮蔽膜16をトッププレート21へ接触させなくともトッププレート21に断熱性部材31の遮蔽膜16を近接させる方法でも同等の効果が得られる。また、遮蔽膜16は、断熱性部材31と異なる材料で作られているが、これに替えて、断熱性部材31と同一材料で遮蔽膜16に相当する厚み部分を薄く一体形成すれば、断熱性部材31を形成する作業を一度で終了でき、上述の他の実施形態と同等効果が得られる。
【0183】
なお、本実施形態における誘導加熱調理器の放射温度検知装置用回路、および検出動作は、第5の実施形態と略同一であるので、省略する。
【0184】
以上の通り、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限らず、種々の変形、応用が可能である。
【0185】
たとえば、本発明は、誘導加熱調理器以外にも、赤外線透過性のあるトッププレートを用いた加熱装置、例えば、加熱用マイクロ波を発生するアンテナをトッププレートの下部に配置した電子レンジにおいて、トッププレート上部に載置された調理容器の温度を測定する用途にも適用が可能である。
【0186】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、誘導加熱調理器の放射温度検知装置は、調理容器を載置する赤外線透過材からなるトッププレートと、加熱コイルとを備えた誘導加熱調理器において、調理容器の温度を検知する放射温度検知装置であって、入射開口部から入射した赤外線を検知開口部へ導く同一形状の第1および第2の導光部が形成された保持体と、検知開口部側に配設された樹脂フイルムと、第1および第2の導光部の検知開口部にそれぞれ対応するように、樹脂フイルム上に配置された赤外線検知用感熱素子および赤外線補償用感熱素子と、樹脂フイルムの検知開口部に対向する面と反対の面側において、少なくとも赤外線検知用感熱素子および赤外線補償用感熱素子が配置された部分に空間部が形成されるように、保持体に固定された蓋部材とから構成されているので、保持体に同一形状の2つの導光部を形成することで熱容量を同一とし、赤外線検知用感熱素子と赤外線補償用感熱素子は、2つの導光部を通る赤外線エネルギーに基づいて調理容器底面から放射される赤外線を検知でき、調理容器の温度を正確に検知することができる。
【0187】
請求項2記載の発明によれば、トッププレートの一方の面に形成され、その一部に開口を有する赤外線遮光膜をさらに含み、保持体は、第1の導光部の入射開口部が開口に一致しかつ第2の導光部の入射開口部が赤外線遮光膜下に位置するように配置されているので、赤外線検知用感熱素子と赤外線補償用感熱素子は、ふたつの導光部を通る調理容器以外から放射される赤外線エネルギ分をキャンセルできるため、調理容器底面から放射される赤外線のみを検知でき、調理容器の温度を正確に検知することができる。
【0188】
請求項3記載の発明によれば、トッププレートにおける前記調理容器の載置面の全体または少なくとも前記調理容器を載置する部分に形成された赤外線吸収膜をさらに含むので、調理容器と加熱コイルとの位置ずれによる不適正な加熱も正確に検知できる利点がある。また、調理容器の底面に多数の凹凸が存在しても、精度の良い温度検知ができる。
【0189】
請求項4記載の発明によれば、少なくとも1つの前記入射開口部に取り付けられた赤外線フィルタをさらに含むので、室内照明からの光や太陽光等の周囲からの赤外線の入射の影響を小さくすることができる。
【0190】
請求項5記載の発明によれば、第2の導光部の入射開口部を閉塞する遮光材をさらに含むので、調理容器底面から放射される赤外線を赤外線検知用感熱素子のみに導くことができる。
【0191】
請求項6記載の発明によれば、遮光材に取り付けられた断熱性弾性体をさらに含むので、トッププレートが調理容器の熱により温められても保持体は局所的に加熱されずに、精度の良い温度検知ができる。
【0192】
請求項7記載の発明によれば、保持体を覆って保持体との間に空気断熱層が形成されるように配置される断熱性部材であって、保持体の入射開口部と一致する位置に赤外線入射用開口部を有する断熱性部材をさらに含むので、周囲の熱の影響が放射温度検知装置の感熱素子に伝わりにくくなり、正確な温度検出が可能となる。
【0193】
請求項8記載の発明によれば、断熱性部材を前記トッププレートの下面に接触させるための圧接手段をさらに含むので、トッププレートと放射温度検知装置との距離を一定に維持できるために正確な温度検出が可能となる。
【0194】
請求項9記載の発明によれば、誘導加熱調理器の放射温度検知装置は、調理容器を載置する赤外線透過材からなるトッププレートと、加熱コイルとを備えた誘導加熱調理器において、調理容器の温度を検知する放射温度検知装置であって、入射開口部から入射した赤外線を検知開口部へ導く同一形状の第1乃至第4の導光部が形成された保持体と、検知開口部側に配設された樹脂フィルムと、第1乃至第4の導光部の検知開口部にそれぞれ対応するように、樹脂フィルム上に配置された第1および第2の赤外線検知用感熱素子と第1および第2の赤外線補償用感熱素子と、樹脂フイルムの検知開口部に対向する面と反対の面側において、少なくとも第1および第2の赤外線検知用感熱素子と第1および第2の赤外線補償用感熱素子とが配置された部分に空間部が形成されるように、保持体に固定される蓋部材と、保持体を覆って保持体との間に空気断熱層が形成されるように配置され、第1および第2の導光部の入射開口部と一致する位置に第1および第2の赤外線入射用開口部を有する断熱性部材とから構成されているので、トッププレートが調理容器の熱により温められても、調理容器の底面温度を正確に検知することができ、なおかつ、トッププレートの温度も検知することができる。
【0195】
請求項10記載の発明によれば、トッププレートの一方の面に形成され、その一部に開口を有する赤外線遮光膜をさらに含み、保持体は、第1の導光部の入射開口部が開口に一致するように配置されているので、調理容器底面から放射される赤外線を第1または第2の赤外線検知用感熱素子のみに導くことができる。
【0196】
請求項11記載の発明によれば、断熱性部材の第2の開口部を遮蔽する遮蔽膜をさらに含むので、調理容器底面から放射される赤外線を赤外線検知用感熱素子のみに導くことができる。
【0197】
請求項12記載の発明によれば、トッププレートの下面に遮蔽膜を接触させるように配置したので、トッププレートの熱によって温められた遮蔽膜から放射される赤外線を第2の赤外線検知用感熱素子で検知でき、それによりトッププレートが調理容器の熱により温められても、調理容器の底面温度を正確に検知することができ、なおかつ、トッププレートの温度も検知することができる。
【0198】
請求項13記載の発明によれば、保持体および蓋部材は、電磁波吸収体で形成されているので、加熱コイルからの誘導磁界を吸収して感熱素子の配線パターンへの影響を軽減することができ、また渦電流を発生させない効果があるので、保持体および蓋部材が誘導磁界により加熱されず、誘導磁界による感熱素子の温度変化の影響を軽減することができる。
【0199】
請求項14記載の発明によれば、電磁波吸収体は、樹脂に非磁性かつ導電性の粉末を含有させた樹脂成形体からなるので、導電損失を利用して加熱コイルからの誘導磁界を吸収して感熱素子の配線パターンへの影響を軽減することができ、また渦電流を発生させない効果があるので、保持体および蓋部材が誘導磁界により加熱されず、誘導磁界による感熱素子の温度変化の影響を軽減することができる。
【0200】
請求項15記載の発明によれば、樹脂成形体は、6−ナイロン、66−ナイロン、PBT、PPS、ABS樹脂または液晶ポリマーを主成分とし、アルミニウム粉末、カーボン粉末、カーボン繊維粉末、タングステン粉末、錫粉末、銅粉末およびマグネシウム粉末のうちの何れか1つの粉末若しくはこれらの組合せからなる粉末を主成分に含有させて形成されているので、導電損失を利用して加熱コイルからの誘導磁界を吸収して感熱素子の配線パターンへの影響を軽減することができ、また渦電流を発生させない効果があるので、保持体および蓋部材が誘導磁界により加熱されず、誘導磁界による感熱素子の温度変化の影響を軽減することができる。
【0201】
請求項16記載の発明によれば、電磁波吸収体は、樹脂に磁性体の粉末を含有させた樹脂成形体からなるので、磁性損失を利用して加熱コイルからの誘導磁界を吸収して感熱素子の配線パターンへの影響を軽減することができ、また渦電流を発生させない効果があるので、保持体および蓋部材が誘導磁界により加熱されず、誘導磁界による感熱素子の温度変化の影響を軽減することができる。
【0202】
請求項17記載の発明によれば、樹脂成形体は、6−ナイロン、66−ナイロン、PBT、PPS、ABS樹脂または液晶ポリマーを主成分とし、鉄粉末、マグネタイト粉末のうちの何れか1つの粉末若しくはこれらの組合せからなる粉末を主成分に含有させて形成されているので、磁性損失を利用して加熱コイルからの誘導磁界を吸収して感熱素子の配線パターンへの影響を軽減することができ、また渦電流を発生させない効果があるので、保持体および蓋部材が誘導磁界により加熱されず、誘導磁界による感熱素子の温度変化の影響を軽減することができる。
【0203】
請求項18記載の発明によれば、誘導加熱調理器の放射温度検知装置用回路は、電源と接地間に直列接続された第1の赤外線検知用感熱素子および第1の抵抗素子の第1の接続点に現れる第1の出力電圧と、電源と接地間に直列接続された第1の温度補償用感熱素子および第2の抵抗素子の第2の接続点に現れる第2の出力電圧との差を増幅する第1の増幅器と、電源と接地間に直列接続された第2の赤外線検知用感熱素子および第3の抵抗素子の第3の接続点に現れる第3の出力電圧と、電源と接地間に直列接続された第2温度補償用感熱素子と抵抗素子との接続点に現れる出力電圧との差を増幅する第2の増幅器と、第1の増幅手段の出力と第2の増幅手段の出力との差を増幅し、調理容器の温度に相当する出力を供給する第3の増幅器とからなるので、トッププレートが調理容器の熱により温められても、調理容器の底面温度を正確に検知することができる。
【0204】
請求項19記載の発明によれば、第2の増幅回路は、トッププレートの温度に相当する出力を供給するので、トッププレートが調理容器の熱により温められても、調理容器の底面温度を正確に検知することができ、なおかつ、トッププレートの温度も検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る誘導加熱調理器の放射温度検知装置の断面図である。
【図2】(a)および(b)は、それぞれ、図1の放射温度検知装置を説明する組立図および断面図である。
【図3】図1の放射温度検知装置における演算装置の回路図である。
【図4】図1の放射温度検知装置の信号から演算装置によって出力された「調理容器の底面温度−出力電圧」のグラフである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る誘導加熱調理器の放射温度検知装置の断面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る誘導加熱調理器の放射温度検知装置の断面図である。
【図7】第3の実施形態の変形例を示す断面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る誘導加熱調理器の放射温度検知装置の断面図である。
【図9】第4の実施形態の変形例を示す断面図である。
【図10】本発明の第5の実施形態に係る誘導加熱調理器の放射温度検知装置の断面図である。
【図11】図10の放射温度検知装置を説明する組立図である。
【図12】図10の放射温度検知装置用演算装置の回路図である。
【図13】図10の放射温度検知装置の信号から演算装置によって出力された「調理容器の内部底面温度対出力電圧」のグラフである。
【図14】図10の放射温度検知装置の変形例を示す断面図である。
【図15】本発明の第6の実施形態に係る誘導加熱調理器の放射温度検知装置の断面図である。
【図16】図15の放射温度検知装置を説明する組立図である。
【図17】従来の誘導加熱調理器における温度検出装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
S1   放射温度検知装置
A    誘導加熱調理器
AMP1 差動増幅回路(第1の増幅回路)
AMP2 差動増幅回路(第2の増幅回路)
AMP3 差動増幅回路(第3の増幅回路)
R11  抵抗(第1の抵抗素子)
R13  抵抗(第2の抵抗素子)
R31  抵抗(第3の抵抗素子)
R33  抵抗(第4の抵抗素子)
16   遮蔽膜
20   調理容器
21   トッププレート
22   赤外線遮光膜
22a  開口
22f  断熱性スポンジ(断熱性弾性体)
22′  赤外線吸収膜
23   加熱コイル
24   演算装置
25   制御装置
26   支持体
27   ネジ
28   圧接手段
31   断熱性部材
31a  赤外線入射用開口部(第1の赤外線入射用開口部)
31a′ 赤外線入射用開口部(第2の赤外線入射用開口部)
31b  赤外線入射用開口部
38   空気断熱層
51   保持体
51a  入射開口部
51a′ 入射開口部
51b  入射開口部
51b′ 入射開口部
51c  導光部(第1の導光部)
51c′ 導光部(第2の導光部)
51d  導光部(第3の導光部)
51d′ 導光部(第4の導光部)
51e  検知開口部
51e′ 検知開口部
51f  検知開口部
51f′ 検知開口部
51k  遮光材
52   樹脂フィルム
53a  赤外線検知用感熱素子(第1の赤外線検知用感熱素子)
53a′ 赤外線検知用感熱素子(第2の赤外線検知用感熱素子)
53b  赤外線補償用感熱素子(第1の赤外線補償用感熱素子)
53b′ 赤外線補償用感熱素子(第2の赤外線補償用感熱素子)
54   蓋部材
54a  空洞部
54a′ 空洞部
54b  空洞部
54b′ 空洞部

Claims (19)

  1. 調理容器を載置するための赤外線透過材からなるトッププレートと、加熱コイルとを備えた誘導加熱調理器において、前記調理容器の温度を検知する放射温度検知装置であって、
    入射開口部から入射した赤外線を検知開口部へ導く同一形状の第1および第2の導光部が形成された保持体と、
    前記検知開口部側に配設された樹脂フイルムと、
    前記第1および第2の導光部の前記検知開口部にそれぞれ対応するように、前記樹脂フイルム上に配置された赤外線検知用感熱素子および赤外線補償用感熱素子と、
    前記樹脂フイルムの前記検知開口部に対向する面と反対の面側において、少なくとも前記赤外線検知用感熱素子および前記赤外線補償用感熱素子が配置された部分に空間部が形成されるように、前記保持体に固定された蓋部材と
    から構成されたことを特徴とする誘導加熱調理器の放射温度検知装置。
  2. 前記トッププレートの一方の面に形成され、その一部に開口を有する赤外線遮光膜をさらに含み、前記保持体は、前記第1の導光部の入射開口部が前記開口に一致しかつ前記第2の導光部の入射開口部が前記赤外線遮光膜下に位置するように配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置。
  3. 前記トッププレートにおける前記調理容器の載置面の全体または少なくとも前記調理容器を載置する部分に形成された赤外線吸収膜をさらに含む
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置。
  4. 少なくとも1つの前記入射開口部に取り付けられた赤外線フィルタをさらに含む
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置。
  5. 前記第2の導光部の入射開口部を閉塞する遮光材をさらに含む
    ことを特徴とする請求項1、3または4の何れか1項に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置。
  6. 前記遮光材に取り付けられた断熱性弾性体をさらに含む
    ことを特徴とする請求項5に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置。
  7. 前記保持体を覆って前記保持体との間に空気断熱層が形成されるように配置される断熱性部材であって、前記保持体の入射開口部と一致する位置に赤外線入射用開口部を有する断熱性部材をさらに含む
    ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置。
  8. 前記断熱性部材を前記トッププレートの下面に接触させるための圧接手段をさらに含む
    ことを特徴とする請求項7に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置。
  9. 調理容器を載置する赤外線透過材からなるトッププレートと、加熱コイルとを備えた誘導加熱調理器において、前記調理容器の温度を検知する放射温度検知装置であって、
    入射開口部から入射した赤外線を検知開口部へ導く同一形状の第1乃至第4の導光部が形成された保持体と、
    前記検知開口部側に配設された樹脂フィルムと、
    前記第1乃至第4の導光部の前記検知開口部にそれぞれ対応するように、前記樹脂フィルム上に配置された第1および第2の赤外線検知用感熱素子と第1および第2の赤外線補償用感熱素子と、
    前記樹脂フイルムの前記検知開口部に対向する面と反対の面側において、少なくとも前記第1および第2の赤外線検知用感熱素子と前記第1および第2の赤外線補償用感熱素子とが配置された部分に空間部が形成されるように、前記保持体に固定される蓋部材と、
    前記保持体を覆って前記保持体との間に空気断熱層が形成されるように配置され、前記第1および第2の導光部の入射開口部と一致する位置に第1および第2の赤外線入射用開口部を有する断熱性部材と
    から構成されたことを特徴とする誘導加熱調理器の放射温度検知装置。
  10. 前記トッププレートの一方の面に形成され、その一部に開口を有する赤外線遮光膜をさらに含み、前記保持体は、前記第1の導光部の入射開口部が前記開口に一致するように配置されている
    ことを特徴とする請求項9に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置。
  11. 前記断熱性部材の第2の赤外線入射用開口部を遮蔽する遮蔽膜をさらに含む
    ことを特徴とする請求項9に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置。
  12. 前記トッププレートの下面に前記遮蔽膜を接触させるように配置した
    ことを特徴とする請求項11に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置。
  13. 前記保持体および前記蓋部材は、電磁波吸収体で形成されている
    ことを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置。
  14. 前記電磁波吸収体は、樹脂に非磁性かつ導電性の粉末を含有させた樹脂成形体からなる
    ことを特徴とする請求項13に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置。
  15. 前記樹脂成形体は、6−ナイロン、66−ナイロン、PBT、PPS、ABS樹脂または液晶ポリマーを主成分とし、アルミニウム粉末、カーボン粉末、カーボン繊維粉末、タングステン粉末、錫粉末、銅粉末およびマグネシウム粉末のうちの何れか1つの粉末若しくはこれらの組合せからなる粉末を前記主成分に含有させて形成されている
    ことを特徴とする請求項14に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置。
  16. 前記電磁波吸収体は、樹脂に磁性体の粉末を含有させた樹脂成形体からなる
    ことを特徴とする請求項13に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置。
  17. 前記樹脂成形体は、6−ナイロン、66−ナイロン、PBT、PPS、ABS樹脂または液晶ポリマーを主成分とし、鉄粉末、マグネタイト粉末のうちの何れか1つの粉末若しくはこれらの組合せからなる粉末を前記主成分に含有させて形成されている
    ことを特徴とする請求項16に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置。
  18. 請求項9から12の何れか1項に記載の誘導加熱調理器の放射温度検知装置用演算装置であって、
    電源と接地間に直列接続された前記第1の赤外線検知用感熱素子および第1の抵抗素子の第1の接続点に現れる第1の出力電圧と、電源と接地間に直列接続された前記第1の温度補償用感熱素子および第2の抵抗素子の第2の接続点に現れる第2の出力電圧との差を増幅する第1の増幅回路と、
    電源と接地間に直列接続された前記第2の赤外線検知用感熱素子および第3の抵抗素子の第3の接続点に現れる第3の出力電圧と、電源と接地間に直列接続された前記第2の温度補償用感熱素子と第4の抵抗素子との接続点に現れる第4の出力電圧との差を増幅する第2の増幅回路と、
    前記第1の増幅回路の出力と前記第2の増幅回路の出力との差を増幅し、前記調理容器の温度に相当する出力を供給する第3の増幅回路と
    からなることを特徴とする誘導加熱調理器の放射温度検知装置用演算装置。
  19. 前記第2の増幅回路は、前記トッププレートの温度に相当する出力を供給する
    ことを特徴とする誘導加熱調理器の放射温度検知装置用演算装置。
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