JP5731686B1 - 大型擁壁ブロック - Google Patents

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Abstract

【課題】大型でありながら充分な強度を有し、製造用の型枠のコストが抑えられ、保管スペースを減らすことができる大型擁壁ブロックを提供する。【解決手段】本発明に係る大型擁壁ブロックは、前面に化粧面を有する矩形状の前壁と、該前壁と対向配置される矩形状の後壁と、前記前壁と前記後壁との間に設けられ前記前壁と前記後壁とを互いに連結する連結部と、を備え、前記前壁、前記後壁、及び前記連結部にはボルトによって螺着可能な結合部を有し、前記連結部は板状の2つの連結材からなり、前記連結材は前記前壁と前記後壁の左右両側に前記連結材の平面方向を垂直方向として架設されると共に、前記結合部によって前記連結材の前後の端面が前記前壁と前記後壁に当接して連結するように構成され、前記結合部以外はコンクリートで形成されてなることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、大型擁壁ブロックに関する。
従来、盛土や切土、河川等の両側面等を斜面として法面を形成するために、連結材(梁)を介して互いに連結された前壁と後壁(控壁)を備えた一体的なコンクリート製の擁壁ブロックがある。このような擁壁ブロックについては、千鳥状または真上に段積みにする築造方法が実施されている。擁壁ブロックには、自然環境の中で生じる様々な事象に充分な強度を持って土圧等に耐えうることが必要となる。従って、必然的に擁壁ブロックは大型であることが重要な構成要素の一つとなる。
また、擁壁ブロックにおいては、前壁と後壁との間の距離が、これらを互いに連結する連結材の長さによって調整される。そして、擁壁ブロックの施工現場では、土圧等に充分な強度を持って耐えうるために、法面の下側には、最も長い連結材を備えた擁壁ブロックを使用し、上側に向かって徐々に連結材が短いものを使用して、下側から上側にかけて後側(後壁側)に傾斜するように奥行きに勾配を持たせた法面が形成される。前壁と後壁との間には、胴込コンクリートが打設され、後壁の後側には、裏込栗石(砕石)が配設され、法面全体としての強度が確保されている。
上述したような擁壁ブロックの使用態様においては、前壁と後壁との間隔、つまり連結材の長さが異なる複数種類の擁壁ブロックが必要となるが、複数種類の擁壁ブロックを製造しようとした場合、擁壁ブロック自体が大型であることから製造時に使用する型枠のコストが非常に高価となってしまう。そのため、連結材の長さを必要最低限の範囲で固定化し、可能な限りバリエーションを少なくするような工夫が必要である。
また、擁壁ブロックは、大型で複雑な形状を有する一体のコンクリート成形品であるため、擁壁ブロックの製造時におけるコンクリートの硬化の際にひび割れが発生することがある。特に冬場の外気温の低下が、コンクリートの硬化の際に急激な収縮を伴うことから、不良品の原因となるひび割れを発生させてしまうことがある。
また、大型の擁壁ブロックは、該ブロックを製造した後の保管場所として広大なストックヤードが必要となり、保管コストの負担が大きい。
このような問題点を解決するものとして、例えば、特許文献1のような擁壁ブロックが開示されている。特許文献1に係る技術によれば、一体となった前壁と後壁を有するコンクリート製の擁壁ブロックに対して、後壁の裏面に長さ調節可能な金属製のセパレータを介してコンクリート以外の軽量な材料で形成された背面型枠を配設している。従って、法面の下側から上側にかけて奥行きに勾配を持たせることが可能となり、前壁と背面型枠との間に胴込コンクリートを打設可能としている。更に、施工現場において組み立てを行うことができると共に、背面型枠の角度や左右前後の位置調整を柔軟に行うことができるようにしている。
また、例えば、特許文献2には、コンクリート製の前壁と後壁との各壁の内側に設けた凸面のインサート孔に連結金具をボルトによって締結固定することで前壁と後壁とを一体とする技術が開示されている。この技術によれば、奥行きに応じた連結金具を使用することで、法面の下側から上側にかけて奥行きに勾配を持たせることが可能となり、前壁と後壁との間に胴込コンクリートが打設可能となっている。更に、特許文献2の擁壁ブロックによれば、施工現場において組み立てを行うことができる。
特開2006−312830号公報 登実3156212号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術においては、人手によってセパレータと背面型枠を組み立てるため、これらを充分な強度を有した大型で重量のある部品とすることができない。また、全体を大型化しても、セパレータ自体、又はセパレータと擁壁ブロックとの接続部に全体を支えるだけの強度を持たせることが困難である。これらのことから、組み立てた状態でクレーン等によって持ち上げることが困難である。従って、擁壁ブロックを含めた全体を人手による取り扱いが可能で、各部の強度に影響が出ない一定の大きさに形成する必要がある。
また、コンクリート製の擁壁ブロックとは異なる材質(金属や木材等)であるセパレータや背面型枠の資材費は、コンクリートで形成するよりも高価なものとなってしまう。
また、施工現場における組立作業の時間が必要であり施工期間が長くなると共に、背面型枠の角度や左右の位置の調整等を行う労力が別途必要となり、更に、これらに伴う作業の安全性が懸念される。
特許文献2に記載の技術においては、人手だけではなく専用組立機で組立可能としているが、この場合であっても、全体を大型化すると、連結金具は金属製であるため連結金具自体、又は連結金具と擁壁ブロックとの接続部において擁壁ブロック全体を支えるだけの強度を持たせることが困難なため、組み立てた状態でクレーン等によって持ち上げることが困難である。従って、擁壁ブロック自体も一定の大きさに限定されてしまう。
更に、特許文献1、2に記載の技術においては、連結材が金属材料であることから錆による腐食を防止するための処理が必要となり、コストの面で不利となっている。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、大型でありながら充分な強度を有し、製造用の型枠のコストが抑えられ、保管スペースを減らすことができる大型擁壁ブロックを提供することにある。
以上のような目的を達成するために、本発明は以下のようなものを提供する。
請求項1に係る発明では、前面に化粧面を有する矩形状の前壁と、該前壁と対向配置される矩形状の後壁と、前記前壁と前記後壁との間に設けられ前記前壁と前記後壁とを互いに連結する連結部と、を備え、前記前壁、前記後壁、及び前記連結部にはボルトによって螺着可能な結合部を有し、前記連結部は板状の2つの連結材からなり、前記連結材は前記前壁と前記後壁の左右両側に前記連結材の平面方向を垂直方向として架設されると共に、前記結合部によって前記連結材の前後の端面が前記前壁と前記後壁に当接して連結するように構成され、前記結合部は、前記連結材の前記前後の端面側に複数内設され前記前後の端面側から前記ボルトの雄ネジを突出可能な金属製のフランジ部と、前記連結材が当接する前記前壁と前記後壁の当接面側に複数内設され前記ボルトの雌ネジを形成する金属製のインサート部と、で構成され、前記フランジ部と前記インサート部とは互いに対向するように配設され、前記結合部以外はコンクリートで形成されてなることを特徴とする大型擁壁ブロック。
請求項2に係る発明では、前記連結材は、平面側の中央部に貫通する中空部を有する略ロ字状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の大型擁壁ブロック。
請求項3に係る発明では、前記前壁と前記後壁とに連結する前記連結材の前記前後の端面は、前記前壁と前記後壁のそれぞれ上端縁から下端縁に渡って当接していることを特徴とする請求項1または2に記載の大型擁壁ブロック。
請求項4に記載の発明では、前記連結材は、前記前壁と前記後壁に傾斜を持たせるために、前記前後の端面を傾斜面としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の大型擁壁ブロック。
請求項に記載の発明では、前記フランジ部は、前記前後の端面側において、水平方向で互いに同じ高さで隣接しないように上下にずらして配設されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の大型擁壁ブロック。
請求項に記載の発明では、前記フランジ部は、上片と中片と下片とで形成されたコ字状の枠材と棒状のフランジ補強材とで構成され、前記枠材の前記中片には前記ボルトを挿通可能なボルト挿通孔が形成され、前記中片を前記中片の外側面が露出するように前記連結材の前記前後の端面側にそれぞれ配設し、前記上下片を上下に向けて配設し、前記上片と前記下片とで挟持される空間をボルト空間とし、更に、前記フランジ補強材は前記枠材の所定の箇所に溶接されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の大型擁壁ブロック。
請求項に記載の発明では、前記ボルト空間は充填材で満たされていることを特徴とする請求項に記載の大型擁壁ブロック。
請求項に記載の発明では、前記インサート部は、一端を開口部とし他端を底部とした内部に前記雌ネジを形成した筒状部と棒状のインサート補強材とで構成され、前記筒状部は前記当接面側に前記開口部を露出して配設すると共に、前記インサート補強材は前記筒状部の所定の箇所に溶接されていることを特徴とする請求項乃至7のいずれか1項に記載の大型擁壁ブロック。
請求項に記載の発明では、前記連結材の上面に上側ずれ防止係合部を形成し、前記連結材の下面に前記上側ずれ防止係合部が係合可能な下側ずれ防止係合部を形成したことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の大型擁壁ブロック。
本発明による大型擁壁ブロックによれば、結合部以外をコンクリートで形成した前壁と後壁とを、連結材を介して螺着固定することで一体とすることができるので擁壁ブロック全体としての重量と強度を確保することができる。
また、前壁と後壁、及び連結材を各々単独で製造することができるので、製造用の型枠について高価な大型の型枠を必要とせず、型枠のコストを抑えることができるためコスト面で有利であると共に、長さの異なる連結材を多数揃えておくことができる。
また、結合部以外は全てコンクリートで形成することができるので、高価な専用部品を使用する必要がなく、コスト面で有利である。
また、保管の際には、全体をコンクリートで一体成形とした従来のような擁壁ブロックのようにかさばることもなく、部品の夫々を多数段積みにすることが可能となり、在庫の保管スペースを最小に抑えることができる。
また、出荷前に短期間で組み立てることができるので、在庫の保管スペースを最小に抑えることができる。
また、連結材の長さを施工前に柔軟に選定又は製造することができるので、施工現場に合わせた無駄のない最適な寸法で大型擁壁ブロックを構成することができる。
また、各部を各々単独で製造できることで夫々を単純な形状とすることができ、しかも夫々は大型とならないため、製造時における外気温の低下等によるひび割れ等を防止でき、不良品の発生を大幅に低減させることができる。
しかも、各部で不良品が発生した場合でも、当該部分を交換すれば大型擁壁ブロック自体は不良品とならず、経済的に有利である。
本発明の一実施形態に係る大型擁壁ブロックの前部上方斜視図である。 本発明の一実施形態に係る大型擁壁ブロックの後部上方斜視図である。 本発明の一実施形態に係る大型擁壁ブロックの前部上方斜視分解図である。 本発明の一実施形態に係る大型擁壁ブロックの後部上方斜視分解図である。 本発明の一実施形態に係る大型擁壁ブロックの側面図である。 (a)は前壁側の部分透視側面図であり、(b)は(a)における連結材の端面の状態を示す正面透視図である。 前壁側の上部の結合部をボルトの中心で切断した状態を示す部分透視断面図である。 はフランジ部を示す上方斜視図である。 (a)は縦横アンカー筋を省略したフランジ部の部分斜視透視図であり、(b)は(a)のボルト空間をコンクリート等で充填した状態を示す部分斜視透視図である。 (a)は連結材の端面に現れるフランジ部の位置の一例を示す正面透視図であり、(b)は連結材の端面に現れるフランジ部の配設箇所の変形例を示す正面透視図である。 (a)は縦横アンカー筋を省略した図10(a)に示すフランジ部の部分斜視透視図であり、(b)は(a)のボルト空間をコンクリート等で充填した状態を示す部分斜視透視図である。 本発明の一実施形態に係る大型擁壁ブロックの施工例の側面の状態を示す簡易断面図である。 本発明の一実施形態に係る大型擁壁ブロックの変形例の前部上方斜視分解図である。
本発明は、法面を形成するための擁壁ブロックにおいて、擁壁ブロックを構成する前壁、後壁、及びこれらを連結する連結部の各部分を、互いにボルトによる螺着固定により連結される独立したコンクリート製品とする構成を採用することにより、充分な強度を得ながら、製造用の型枠のコストの低減や保管スペースの省スペース化等を図ろうとするものである。
本発明の要旨は、前面に化粧面を有する矩形状の前壁と、該前壁と対向配置される矩形状の後壁と、前壁と後壁との間に設けられ前壁と後壁とを互いに連結する連結部と、を備え、前壁、後壁、及び連結部にはボルトによって螺着可能な結合部を有し、連結部は板状の2つの連結材からなり、連結材は前壁と後壁の左右両側に連結材の平面方向を垂直方向として架設されると共に、結合部によって連結材の前後の端面が前壁と後壁に当接して連結するように構成され、結合部以外はコンクリートで形成されてなる大型擁壁ブロックである。このような大型擁壁ブロックにより、大型でありながら充分な強度を有し、製造用の型枠のコストが抑えられ、保管スペースを最小とすることができる。
大型擁壁ブロック1は、使用前に連結部4を介して前壁2と後壁3とをボルト50による螺着固定により連結することで一体とされる。このため、大型擁壁ブロック1を構成する前壁2、後壁3、及び連結部4は、それぞれ螺着固定される部分として結合部5を有し、結合部5以外の部分がコンクリートにより形成される。言い換えると、大型擁壁ブロック1を構成する前壁2、後壁3、及び連結部4は、いずれもコンクリート部分を主体とするコンクリート製品であり、その一部に、螺着固定が可能な結合部5を有する。なお、大型擁壁ブロック1の大きさは、使用される現場の施工規模により変動するが、横幅800mm〜2200mm、高さ400mm〜1200mmの範囲で使用されることが一般的である。
[一実施形態]
以下、本発明に係る大型擁壁ブロック1の一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本説明中の大型擁壁ブロック1における前後左右の関係は、図1に示す斜視図において、後側から前側に向かった方向を基準として表現する。すなわち、図1に示す大型擁壁ブロック1の前壁2側を前、後壁(控壁)3側を後とし、同図中における右側は、本説明中においては左側となる。従って、右連結材6Rは図1中においては左側に位置する連結部4を示すことになる。また、大型擁壁ブロック1が施工された状態における上下を、大型擁壁ブロック1における上下とする。
図1は本実施形態に係る大型擁壁ブロック1の前部上方斜視図であり、図2は後部上方斜視図であり、図3は前部上方斜視分解図であり、図4は後部上方斜視分解図であり、図5は側面図であり、図6(a)は前壁2側の部分透視側面図であり、図6(b)は(a)における連結材6の端面の状態を示す正面透視図であり、図7は前壁2側の上部の結合部5をボルト50の中心で切断した状態を示す部分透視断面図である。
前壁2と後壁3は、左右方向を長手方向とする矩形状(略長方形状)の板状に形成され、共に上側が下側よりも後側に位置するように後方に傾斜した姿勢で、互いが略平行となるように配設されている。前壁2と後壁3とは、左右各1個の共通の長さの左・右連結材6L,6Rにより互いに連結される。連結材6は、前後方向を長手方向とし、平面方向を垂直方向する矩形板状に形成され、平面側の中央部に貫通する中空部22を有する略ロ字状に形成され梁部分を構成する。左・右連結材6L,6Rは、前壁2と後壁3との間に架設された状態で、結合部5により前壁2及び後壁3に対してボルト50による螺着により固定される。
このように、大型擁壁ブロック1は、前壁2と後壁3とこれらの壁に対して螺着固定される左・右連結材6L,6Rとにより構成される。そして、大型擁壁ブロック1単体においては、同じ長さの(長さが共通の)2個の連結材6L,6Rによって前壁2と後壁3とが傾斜した状態で互いに略平行に連結される。また、法面を形成する多数の大型擁壁ブロック1としては、前壁2及び後壁3については他の大型擁壁ブロック1と共通の部品を用いるとともに、連結部4については大型擁壁ブロック1の積み上げ段位置等によって長さが違う連結材6を用いた大型擁壁ブロック1が準備される。
なお、本実施形態に係る大型擁壁ブロック1は、連結部4として矩形板状の平面側の中央部に貫通する中空部22を有する略ロ字状の独立した2個の連結材6L,6Rを使用することで、充分な強度を有しながら連結部4を軽量化することができると共に、使用されるコンクリートの量を抑えることができる。
前壁2は、連結材6に対する結合部5として、雌ネジを形成した前壁インサート部7を有する。また、連結部4にも結合部5として、前壁インサート部7の雌ネジに対応したボルト50を挿通して螺着固定可能なフランジ部23を有する。つまり、連結部4の前端面11が、前壁インサート部7に対して螺着固定される。本実施形態に係る大型擁壁ブロック1では、連結部4として前端面11に4個のフランジ部23を供えた2個の左・右連結材6L,6Rが備えられるため、前壁2には、8箇所に前壁インサート部7を有する。
図4、図6(a)に示すように、前壁インサート部7は、矩形板状の前壁2において、化粧面13側と反対側(裏側)の面、つまり後壁3に対向する側の面の内部に設けられる。そして、8箇所の前壁インサート部7は、左右方向を長手方向とする矩形状の前壁2の壁面において、矩形状に沿って左右方向及び上下方向について対称となる位置に配設される。
前壁インサート部7は、図7に示すように、一端を開口部14とし他端を底部15とした内部に雌ネジを形成する円筒状の筒状部16と、棒状のインサート補強材17とで構成され、筒状部16は当接面18a側に開口部14を露出して配設すると共に、インサート補強材17は筒状部16の所定の箇所に溶接されている。
インサート補強材17は所定の長さの鉄筋が使用され、具体的には、1つの筒状部16に対して1本の縦インサートアンカー筋19で構成されており、筒状部16周面の底部15側近傍において、筒状部16の軸線方向と直交し、更に、縦インサートアンカー筋19が時計の長針と短針の向きで6時の状態となる方向に配設し、縦インサートアンカー筋19の略中央部と筒状部16の周面とが溶接され固定される。すなわち、縦インサートアンカー筋19は、筒状部16周面の左右いずれかの位置で溶接される。
なお、縦インサートアンカー筋19の長さは、後述する縦フランジアンカー筋33の長さ程度が望ましいが、該長さは前・後壁2,3の形状や大きさによって適宜変更可能である。
このように前壁インサート部7を構成することで、連結材6を前壁2と後壁3の所定の位置、すなわち、連結材6に複数内設された後述する枠材24の各ボルト挿通孔29が、前壁2と後壁3に複数内設された筒状部16の開口部14に連通する位置に配設し、ボルト50を各ボルト空間32からボルト挿通孔29に挿入しつつ筒状部16の雌ネジに螺合させて結合させることができる。
更に、縦インサートアンカー筋19が、前・後壁2,3を構成するコンクリートの内部でアンカーの役割を果し、前壁インサート部7周縁の強度を向上させることができる。
このように連結材6の前端面11がボルト50によって螺着固定される前壁インサート部7を有する前壁2は、前壁インサート部7を構成する結合部5以外の部分はコンクリートによって構成される。また、前壁2の表面には、擬石等を現すような化粧面13が形成されている。また、前壁2の略中央部の下方には、前壁2を貫通する前水抜き孔20が形成されている。なお、前水抜き孔20は任意の位置に形成してよい。
後壁3は、前壁2と略同じ形状・寸法を有するとともに、連結材6に対する結合部5として、前壁2の前壁インサート部7に対応して連結材6と後壁3との当接面18bに後壁インサート部8を8箇所有する。つまり、連結材6の後端側が、後壁インサート部8に対してボルト50による螺着により固定される。また、後壁インサート部8は、前壁インサート部7と略同じ構成を有する。
具体的には、図3、に示すように、後壁インサート部8は、矩形板状の後壁3において、前側の面、つまり前壁2に対向する側の面に設けられる。8箇所の後壁インサート部8は、前壁2における前壁インサート部7の場合と同様に、左右方向を長手方向とする矩形状の後壁3の壁面において、矩形状に沿って左右方向及び上下方向について対称となる位置に配設される。
このように連結材6の後端面12がボルト50によって螺着固定される後壁インサート部8を有する後壁3は、後壁インサート部8を構成する結合部5以外の部分はコンクリートによって構成される。また、後壁3の略中央部の下方には、後壁3を貫通する後水抜き孔21が形成されている。なお、後水抜き孔21は任意の位置に形成してよい。
次に、連結材6は、前後方向を長手方向とし、平面方向を垂直方向する矩形板状に形成され、平面側の中央部に貫通する中空部22を有する略ロ字状とし、梁部分を構成している。また、前壁2及び後壁3に対する結合部5として、フランジ部23を有する。左連結材6L及び右連結材6Rは、前壁2と後壁3との間に架設され、その長手方向の両端部に結合部5を有する。また、各連結材6L,6Rは、前壁2と後壁3のそれぞれ上端縁から下端縁に渡って当接している。
図1〜図5に示すように、左連結材6L及び右連結材6Rの両端部の端面11,12は、前壁2と後壁3に所定の傾斜を持たせるために、連結材6の長手方向(例えば図5における左右方向)に対して傾斜面として形成されている。連結材6の長手方向両側の端面の傾斜は、互いに略平行に傾斜した姿勢となる前壁2及び後壁3の傾斜に対応している。つまり、左連結材6L及び右連結材6Rの各端面11,12を前壁2と後壁3に当接させた状態で各壁2,3に固定されることで、互いに略平行な前壁2及び後壁3について任意の傾斜を得ることが可能となる。
また、図3、図4、図6(a)に示すように、連結材6を介して前壁2と後壁3とをボルト50によって螺着固定して一体に連結するための結合部5としてのフランジ部23が、1つの連結材6に8箇所内設されている。
ここで、図8はフランジ部23を示す上方斜視図であり、図9(a)は後述する縦・横フランジアンカー筋33,34を省略したフランジ部23の部分斜視透視図であり、図9(b)は(a)のボルト空間32をコンクリート等で充填した状態を示す部分斜視透視図である。なお、連結材6の長手方向の両端部に形成されるフランジ部23全て同じ構造であるため、連結材6の前端側のフランジ部23の構造についてのみ説明する。
フランジ部23は、図7、図8、図9(a)に示すように、上片25と中片26と下片27とで形成されたコ字状の枠材24と棒状のフランジ補強材28とで構成され、枠材24の中片26にはボルト50を挿通可能なボルト挿通孔29が形成され、上片25と下片27の各内側面は中片26に向かってテーパ状に形成されている。また、枠材24は、上片25と下片27とが上下方向となるように、しかも、図3、図4、図6(b)に示すように、中片の外側面30が露出して連結材6の前後の端面11,12側に面一となるようそれぞれ配設されている。
また、中片26に形成されたボルト挿通孔29の形状は、図6(b)に示すように楕円状とし、長手方向を略45°傾斜するように形成している。このように形成することで、ボルト50を前・後壁インサート部7,8の開口部14に挿入しつつ螺合する際に、若干の位置ずれが発生しても連結材6の位置を微調整するように動かすことで容易に螺合させることができる。なお、ボルト挿通孔29の形状は本実施形態に限定されるものではない。
また、図3、図4、図9(a)に示すように、上片25と中片26と下片27の一方の側面が露出し、更に、連結材6の平面側31に面一となるように配設され、少なくとも上片25と下片27とで略挟持されるボルト空間32には連結材6のコンクリートを有さず、更に、フランジ補強材28は枠材24の所定の箇所に溶接される。
フランジ補強材28は所定の長さの鉄筋が使用され、具体的には、1つの枠材24に対して1本の縦フランジアンカー筋33と2本の横フランジアンカー筋34,34とで構成されている。縦フランジアンカー筋33は枠材24の中片26側において中片26の面方向と同方向に向けて上片25と下片27の同側の端面の略中央部に跨るようにして溶接されている。この場合、少なくとも、縦フランジアンカー筋33が当接する上片25と下片27の2箇所で溶接される。また、横フランジアンカー筋34は枠材24の上片25の外側面35、及び下片27の外側面36において、中片26側から上・下片25,27側に向けて各外側面35,36の略中央に当接させた状態で溶接されている。
なお、縦フランジアンカー筋33の長さは、上片25と下片27との間に跨る長さの3倍以上の長さが望ましく、横フランジアンカー筋34の長さは、上片25と下片27の各外側面35,36で当接する長さの3倍以上の長さが望ましいが、該長さは連結材6の形状や大きさによって適宜変更可能である。
ボルト空間32は、図9(a)に示すように、枠材24の中片26の内側面37の大部分を露出させると共に、上片25と下片27の各内側面がコンクリートによって被覆されるように、上片25と下片27とで略挟持される空間を略円柱状にくり貫いた形状としている。なお、中片26の内側面37からボルト空間32に向いた直角方向の奥行きや、ボルト空間32全体の容積は、ボルト50を締結するための工具類が挿入可能な所定の大きさとしている。
このようにフランジ部23を構成することで、連結材6の外部からボルト空間32にボルト50を差し入れることができると共に、縦・横フランジアンカー筋33,34,34が、連結材6を構成するコンクリートの内部でアンカーの役割を果し、フランジ部23周縁の強度を向上させることができる。
なお、図9(b)の斜線で示すように、ボルト空間32をコンクリートやモルタル等の充填材38で満たすことで枠材24の中片26の内側面37やボルト50類といった、結合部5を構成する主要な金属部品を封止することができ、金属部品の腐食対策を容易に行うことができる。更に、これにより、結合部5の強度を向上させることができる。
更に、図10(a)、図11(a)に示すように、枠材24を連結材6の内側に若干だけ位置するように、すなわち、少なくとも上片25と下片27の側面が露出しないように構成することもできる。
このように構成することで、前・後壁2,3と左・右連結材6L,6Rとをボルト50によって螺着固定した後に、図11(b)の斜線で示すように、ボルト空間32にコンクリートやモルタル等の充填材38で満たすことで、結合部5を構成する全ての金属部品を封止することができ、金属部品の腐食対策を更に向上させることができる。
また、連結材6においては、上面に上側ずれ防止係合部39が設けられ、下面に下側ずれ防止係合部40が設けられている。これらの上側ずれ防止係合部39及び下側ずれ防止係合部40は、段積みされた状態の大型擁壁ブロック1同士の前後のずれを防止するための形状部分である。上側ずれ防止係合部39及び下側ずれ防止係合部40は、互いに嵌合可能な形状を有する。これにより、図12に示すように、ある大型擁壁ブロック1において、2個の左・右連結材6L,6Rの上側ずれ防止係合部39が、その上側に積まれた大型擁壁ブロック1の下側ずれ防止係合部40に嵌ることになる。また、ある大型擁壁ブロック1において、2個の左・右連結材6L,6Rの下側ずれ防止係合部40が、その下側に位置する大型擁壁ブロック1の上側ずれ防止係合部39に嵌ることになる。
本実施形態では、上側ずれ防止係合部39は、連結材6の幅方向(左右方向であり厚み方向)について全体にわたって形成された、側面視で平たい台形状の凸部である。また、下側ずれ防止係合部40は、連結材6の幅方向について全体にわたって形成された、側面視で平たい台形状の凹部である。下側ずれ防止係合部40は、上側ずれ防止係合部39が嵌り込んで収まるように、上側ずれ防止係合部39の外形寸法よりも若干大きめの寸法を有する。
大型擁壁ブロック1は、千鳥状に積み上げたり、真上にそのまま積み上げたりして使用される。そして、何れの場合であっても、下側の大型擁壁ブロック1の連結材6の上側ずれ防止係合部39と、上側の大型擁壁ブロック1の連結材6の下側ずれ防止係合部40とが合わさるような位置関係に左・右連結材6L,6Rが配設されている。
具体的には、多数の大型擁壁ブロック1が千鳥状に積み上げられる場合は、下側の大型擁壁ブロック1の左連結材6Lの上に、左上に配置される大型擁壁ブロック1の右連結材6Rが重なり、同じく下側の大型擁壁ブロック1の右連結材6Rの上に、右上に配置される大型擁壁ブロック1の左連結材6Lが重なる態様で、大型擁壁ブロック1が左右方向に半個分ずれて積み上げられる。一方、多数の大型擁壁ブロック1が真上に積み上げられる場合は、互いに上下に位置する大型擁壁ブロック1間で、左右方向について左連結材6Lと右連結材6Rの位置が互いに一致するように積み上げられる。つまり、下側の大型擁壁ブロック1の左連結材6Lの上には、上側の大型擁壁ブロック1の左連結材6Lが重なり、下側の大型擁壁ブロック1の右連結材6Rの上には、上側の大型擁壁ブロック1の右連結材6Rが重なるように、大型擁壁ブロック1が左右方向についてずれることなく真っすぐに積み上げられる。
また、左・右連結材6L,6Rにおける上側ずれ防止係合部39と下側ずれ防止係合部40の形成箇所は、左・右連結材6L,6Rの長さに関わらず、前方(前壁2)からの位置関係を統一して形成している。これにより、相対的に長さが異なる連結材6を有する大型擁壁ブロック1が積み上げられることによっても、互いに上下に位置する大型擁壁ブロック1間において上側ずれ防止係合部39と下側ずれ防止係合部40とが互いに嵌合することで、各大型擁壁ブロック1の化粧面13によって共通の法面(斜面)が形成されるような位置関係に、上下の大型擁壁ブロック1同士が自動的に位置決めされることになる(図12参照)。言い換えると、上側ずれ防止係合部39及び下側ずれ防止係合部40は、上下の大型擁壁ブロック1間における互いの嵌合による位置決め作用により、連結材6の長さが違う複数の大型擁壁ブロック1が積み上げられることによっても各大型擁壁ブロック1の化粧面13によって共通の法面が形成されるように、各連結材6においてその全体的な長さに関わらず連結材6の前端から一定の距離を隔てた位置に設けられる。
このように、連結材6において前側から所定の位置に設けられる上側ずれ防止係合部39及び下側ずれ防止係合部40により、積み上げられる大型擁壁ブロック1の前後方向の位置決めを行うことができるとともに、大型擁壁ブロック1の段積み時の前後方向の位置ずれを防ぐことができる。特に、法面を形成する大型擁壁ブロック1においては、土圧等、後側から前側への力が作用することから、上側ずれ防止係合部39及び下側ずれ防止係合部40による嵌合作用は、前後方向の位置ずれを防止できる点で非常に有効である。
なお、本実施形態では、連結材6に設けられる上側ずれ防止係合部39及び下側ずれ防止係合部40の形状として上記のとおり平たい台形状が採用されているが、上側ずれ防止係合部39及び下側ずれ防止係合部40の形状は特に限定されない。また、上側ずれ防止係合部39及び下側ずれ防止係合部40については、連結材6において上下反対に設けられたり、一つの連結材6において複数箇所に設けられたりしてもよい。
以上のような構成を備える大型擁壁ブロック1においては、例えば、図12に示すように、大型擁壁ブロック1の連結材6の長さについては、使用する施工現場の状況に応じて最適なものを適宜選定することが可能となる。
次に、図10(b)、図13に示すように、結合部5の配設箇所や配設個数に関する第一・第二変形例について説明する。
[第一変形例]
まず、第一変形例の結合部5の配設箇所については、図10(b)の連結材6の端面11,(12)を示す図のように、フランジ部23を互いに上下方向にずらして配設することができる。このように配設することで、図6(b)で示すように各フランジ部23を左右並べて配設した場合に比して、各フランジ部23の強度を向上させることができる。これは、連結材6の厚み方向に対して1個のフランジ部23を多くのコンクリートで囲うことができるため、縦・横フランジアンカー筋33,34とコンクリートとの結合がより強固となるためである。
更に、このように構成することで、連結材6の厚みをフランジ部23の2個分の左右方向の幅以上に形成する必要がなくなるため、連結材6の厚みを薄くすること、すなわち、連結材6の重量をより軽量にすることが可能となる。
なお、上述のようにフランジ部23を上下にずらして配設する場合には、前・後壁2,3に内設する前・後壁インサート部7,8の位置も、フランジ部23の位置に対応させて上下に配設される。
[第二変形例]
次に、第二変形例に係る大型擁壁ブロック1aの結合部5の配設個数については、図13に示すように、連結材6の前後端面11,12側に各5個配設することができる。ここでは、1つの端面側において大型擁壁ブロック1の外側に位置する側に3箇所、内側に位置する側に2箇所を配設している。これに応じて前・後壁インサート部7,8の位置も、フランジ部23の位置に対応させて上下に配設する必要がある。
このように結合部5を配設することで、前・後壁2,3と左・右連結材6L,6Rとの接続をより強固に行うことができる。
なお、上述した結合部5の配設箇所や配設個数については、本変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
[一施工例]
次に、本実施形態に係る大型擁壁ブロック1の一施工例について、図12を用いて説明する。最下段の大型擁壁ブロック1は、施工現場に応じた傾斜を形成したベースコンクリート42上に載置される。大型擁壁ブロック1の左・右連結材6L,6Rの長さは、上方に行くに従って大型擁壁ブロック1ごとに短くなる。また、前壁2と後壁3との間には、胴込コンクリート43が充填される。また、ベースコンクリート42の下側から、積み上げられた大型擁壁ブロック1の後壁3の後側には砕石44が配設される。また、各大型擁壁ブロック1の前壁2の前水抜き孔20と後壁3の後水抜き孔21に渡って排水用パイプ45が挿通され、後壁3の後側の砕石44から滲みだした雨水等が排水用パイプ45を伝って前壁2の前水抜き孔20から排水される。
以上のように、本発明の一実施形態に係る大型擁壁ブロック1は、前壁2と後壁3と連結部4とをそれぞれ独立したコンクリート部品とした分割構造を採用するとともに、各部品を互いにボルト締結により固定する構成を採用しているため、結合部5以外をコンクリートで形成した前壁2と後壁3とを、同じく結合部5以外をコンクリートで形成した左・右連結材6L,6Rを介してボルト締結することで一体とすることができる。このため、大型擁壁ブロック1全体としての重量と強度を確保することができる。
また、本実施形態の大型擁壁ブロック1は、各部品の結合部5以外は全てコンクリートで形成されているので、高価な専用部品を使用する必要がなく、コスト面で有利である。
また、本実施形態の大型擁壁ブロック1によれば、前壁2と後壁3、及び左・右連結材6L,6Rを各々単独で製造することができるので、これらの各部が一体の構成と比べて、高価な大型の型枠を必要とせず、型枠のコストを抑えることができるためコスト面で有利であると共に、長さの異なる連結材を多数揃えておくことができる。
また、本実施形態の大型擁壁ブロック1によれば、保管の際には、全体をコンクリートで一体成形とした従来の擁壁ブロックのようにかさばることもなく、部品の夫々を多数段積みにすることが可能となり、在庫の保管スペースを最小に抑えることができる。
また、本実施形態の大型擁壁ブロック1は、工場等においてあらかじめ必要な部品を用いて組み立てた後に施工現場に搬送して施工する場合、出荷前に短期間で組み立てることができるので、在庫の保管スペースを最小に抑えることができる。
また、本実施形態の大型擁壁ブロック1によれば、左・右連結材6L,6Rの長さを施工前に柔軟に選定又は製造することができるので、施工現場に合わせた無駄のない最適な寸法で大型擁壁ブロック1を構成することができる。
また、本実施形態の大型擁壁ブロック1によれば、各部を各々単独で製造できることで夫々を単純な形状とすることができ、しかも夫々は大型とならないため、コンクリート製品の製造時における外気温の低下等によるひび割れ等を防止でき、不良品の発生を大幅に低減させることができる。
しかも、各部で不良品が発生した場合でも、当該部分を交換すれば大型擁壁ブロック1自体は不良品とならず、経済的に有利である。
また、本実施形態の大型擁壁ブロック1によれば、前・後壁2,3には、前・後壁インサート部7,8が雌ネジ部の開口部14が視認できるように内設されているため、左・右連結材6L,6Rの位置決め箇所が明確となり、大型擁壁ブロック1の組立効率が向上すると共に、精度よく組立てることが可能となる。
また、本実施形態の大型擁壁ブロック1によれば、左・右連結材6L,6Rの両端部の傾斜角度を調整することで、前壁2と後壁3の傾斜を適宜変更可能なので、施工現場に最も適した大型擁壁ブロック1を容易に製造することができる。
更に、左・右連結材6L,6Rを共通化することが可能なので、大型擁壁ブロック1の型枠コストや製品単価を廉価に抑えることが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態、及び変形例について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 大型擁壁ブロック
1a 大型擁壁ブロック(第二変形例)
2 前壁
3 後壁
4 連結部
5 結合部
6 連結材
7 前壁インサート部
8 後壁インサート部
11 前端面
12 後端面
13 化粧面
14 開口部
15 底部
16 筒状部
17 インサート補強材
18 当接面
22 中空部
23 フランジ部
24 枠材
25 上片
26 中片
27 下片
28 フランジ補強材
29 ボルト挿通孔
30 中片の外側面
32 ボルト空間
38 充填材
39 上側ずれ防止係合部
40 下側ずれ防止係合部
50 ボルト

Claims (9)

  1. 前面に化粧面を有する矩形状の前壁と、該前壁と対向配置される矩形状の後壁と、前記前壁と前記後壁との間に設けられ前記前壁と前記後壁とを互いに連結する連結部と、を備え、
    前記前壁、前記後壁、及び前記連結部にはボルトによって螺着可能な結合部を有し、
    前記連結部は板状の2つの連結材からなり、
    前記連結材は前記前壁と前記後壁の左右両側に前記連結材の平面方向を垂直方向として架設されると共に、前記結合部によって前記連結材の前後の端面が前記前壁と前記後壁に当接して連結するように構成され、
    前記結合部は、前記連結材の前記前後の端面側に複数内設され前記前後の端面側から前記ボルトの雄ネジを突出可能な金属製のフランジ部と、前記連結材が当接する前記前壁と前記後壁の当接面側に複数内設され前記ボルトの雌ネジを形成する金属製のインサート部と、で構成され、前記フランジ部と前記インサート部とは互いに対向するように配設され、
    前記結合部以外はコンクリートで形成されてなることを特徴とする大型擁壁ブロック。
  2. 前記連結材は、平面側の中央部に貫通する中空部を有する略ロ字状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の大型擁壁ブロック。
  3. 前記前壁と前記後壁とに連結する前記連結材の前記前後の端面は、前記前壁と前記後壁のそれぞれ上端縁から下端縁に渡って当接していることを特徴とする請求項1または2に記載の大型擁壁ブロック。
  4. 前記連結材は、前記前壁と前記後壁に傾斜を持たせるために、前記前後の端面を傾斜面としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の大型擁壁ブロック。
  5. 前記フランジ部は、前記前後の端面側において、水平方向で互いに同じ高さで隣接しないように上下にずらして配設されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の大型擁壁ブロック。
  6. 前記フランジ部は、上片と中片と下片とで形成されたコ字状の枠材と棒状のフランジ補強材とで構成され、前記枠材の前記中片には前記ボルトを挿通可能なボルト挿通孔が形成され、前記中片を前記中片の外側面が露出するように前記連結材の前記前後の端面側にそれぞれ配設し、前記上下片を上下に向けて配設し、前記上片と前記下片とで挟持される空間をボルト空間とし、更に、前記フランジ補強材は前記枠材の所定の箇所に溶接されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の大型擁壁ブロック。
  7. 前記ボルト空間は充填材で満たされていることを特徴とする請求項に記載の大型擁壁ブロック。
  8. 前記インサート部は、一端を開口部とし他端を底部とした内部に前記雌ネジを形成した筒状部と棒状のインサート補強材とで構成され、前記筒状部は前記当接面側に前記開口部を露出して配設すると共に、前記インサート補強材は前記筒状部の所定の箇所に溶接されていることを特徴とする請求項乃至7のいずれか1項に記載の大型擁壁ブロック。
  9. 前記連結材の上面に上側ずれ防止係合部を形成し、前記連結材の下面に前記上側ずれ防止係合部が係合可能な下側ずれ防止係合部を形成したことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の大型擁壁ブロック。
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