JP2014134080A - 大型擁壁ブロック - Google Patents

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Abstract

【課題】大型でありながら充分な強度を有し、製造用の型枠のコストが抑えられ、保管スペースを減らすことができる 大型擁壁ブロックを提供する。
【解決手段】本発明に係る大型擁壁ブロックは、前面に化粧面を有する矩形状の前壁と、該前壁と対向配置される矩形状の後壁と、前記前壁と前記後壁との間に設けられ前記前壁と前記後壁とを互いに連結する連結部とを備え、前記連結部は、前記前壁および前記後壁それぞれに対して溶接により接合され、前記前壁、前記後壁、及び前記連結部は、溶接による接合部分以外の部分がコンクリートで形成されていることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、大型擁壁ブロックに関する。
従来、盛土や切土、河川等の両側面等を斜面として法面を形成するために、連結材(梁)を介して互いに連結された前壁と後壁(控壁)を備えた一体的なコンクリート製の擁壁ブロックがある。このような擁壁ブロックについては、千鳥状または真上に段積みにする築造方法が実施されている。擁壁ブロックには、自然環境の中で生じる様々な事象に充分な強度を持って土圧等に耐えうることが必要となる。従って、必然的に擁壁ブロックは大型であることが重要な構成要素の一つとなる。
また、擁壁ブロックにおいては、前壁と後壁との間の距離が、これらを互いに連結する連結材の長さによって調整される。そして、擁壁ブロックの施工現場では、土圧等に充分な強度を持って耐えうるために、法面の下側には、最も長い連結材を備えた擁壁ブロックを使用し、上側に向かって徐々に連結材が短いものを使用して、下側から上側にかけて後側(後壁側)に傾斜するように奥行きに勾配を持たせた法面が形成される。前壁と後壁との間には、胴込コンクリートが打設され、後壁の後側には、裏込栗石(砕石)が配設され、法面全体としての強度が確保されている。
上述したような擁壁ブロックの使用態様においては、前壁と後壁との間隔、つまり連結材の長さが異なる複数種類の擁壁ブロックが必要となるが、複数種類の擁壁ブロックを製造しようとした場合、擁壁ブロック自体が大型であることから製造時に使用する型枠のコストが非常に高価となってしまう。そのため、連結材の長さを必要最低限の範囲で固定化し、可能な限りバリエーションを少なくするような工夫が必要である。
また、擁壁ブロックは、大型で複雑な形状を有する一体のコンクリート成形品であるため、擁壁ブロックの製造時におけるコンクリートの硬化の際にひび割れが発生することがある。特に冬場の外気温の低下が、コンクリートの硬化の際に急激な収縮を伴うことから、不良品の原因となるひび割れを発生させてしまうことがある。
また、大型の擁壁ブロックは、該ブロックを製造した後の保管場所として広大なストックヤードが必要となり、保管コストの負担が大きい。
このような問題点を解決するものとして、例えば、特許文献1のような擁壁ブロックが提案され実際に使用されている。特許文献1の技術では、一体となった前壁と後壁を有するコンクリート製の擁壁ブロックに対して、後壁の裏面に長さ調節可能な金属製のセパレータを介してコンクリート以外の軽量な材料で形成された背面型枠を配設している。従って、法面の下側から上側にかけて奥行きに勾配を持たせることが可能となり、前壁と背面型枠との間に胴込コンクリートを打設可能としている。更に、施工現場において組み立てを行うことができると共に、背面型枠の角度や左右前後の位置調整を柔軟に行うことができるようにしている。
また、例えば、特許文献2には、コンクリート製の前壁と後壁との各壁の内側に設けた凸面のインサート孔に連結金具をボルトによって締結固定することで前壁と後壁とを一体とする技術が開示されている。この技術によれば、奥行きに応じた連結金具を使用することで、法面の下側から上側にかけて奥行きに勾配を持たせることが可能となり、前壁と後壁との間に胴込コンクリートが打設可能となっている。更に、特許文献2の擁壁ブロックによれば、施工現場において組み立てを行うことができる。
特開2006−312830号公報 登実3156212号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術においては、人手によってセパレータと背面型枠を組み立てるため、これらを充分な強度を有した大型で重量のある部品とすることができない。また、全体を大型化しても、セパレータ自体、又はセパレータと擁壁ブロックとの接続部に全体を支えるだけの強度を持たせることが困難である。これらのことから、組み立てた状態でクレーン等によって持ち上げることが困難である。従って、擁壁ブロックを含めた全体を人手による取り扱いが可能で、各部の強度に影響が出ない一定の大きさに形成する必要がある。
また、コンクリート製の擁壁ブロックとは異なる材質(金属や木材等)であるセパレータや背面型枠の資材費は、コンクリートで形成するよりも高価なものとなってしまう。
また、施工現場における組立作業や、背面型枠の角度や左右の位置の調整等を行う労力が別途必要となってしまう。
特許文献2に記載の技術においては、人手だけではなく専用組立機で組立可能としているが、この場合であっても、全体を大型化すると、連結金具は金属製であるため連結金具自体、又は連結金具と擁壁ブロックとの接続部において擁壁ブロック全体を支えるだけの強度を持たせることが困難なため、組み立てた状態でクレーン等によって持ち上げることが困難である。従って、擁壁ブロック自体も一定の大きさに限定されてしまう。
更に、特許文献1、2に記載の技術においては、連結材が金属材料であることから錆による腐食を防止するための処理が必要となり、コストの面で不利となっている。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、大型でありながら充分な強度を有し、製造用の型枠のコストが抑えられ、保管スペースを減らすことができる大型擁壁ブロックを提供することにある。
以上のような目的を達成するために、本発明は以下のようなものを提供する。
請求項1に係る発明では、前面に化粧面を有する矩形状の前壁と、該前壁と対向配置される矩形状の後壁と、前記前壁と前記後壁との間に設けられ前記前壁と前記後壁とを互いに連結する連結部とを備え、前記連結部は、前記前壁および前記後壁それぞれに対して溶接により接合され、前記前壁、前記後壁、及び前記連結部は、溶接による接合部分以外の部分がコンクリートで形成されている大型擁壁ブロック。
請求項2に係る発明では、前記連結部は前記前壁と前記後壁との間に架設される複数の連結材からなり、前記前壁と前記後壁に傾斜を持たせるために、前記前壁と前記後壁に当接する前記連結材の両端面を傾斜面としたことを特徴とする請求項1に記載の大型擁壁ブロック。
請求項3に係る発明では、前記前壁の前記連結材との溶接部である前壁溶接部は、前記前壁の内側の壁面に凹状の前連結部位置決め凹部を形成すると共に、前記前連結部位置決め凹部の底面に前溶接プレートを配設した構成であり、前記後壁の前記連結材との溶接部である後壁溶接部は、前記後壁の内側の壁面に凹状の後連結部位置決め凹部を形成すると共に、前記後連結部位置決め凹部の底面に後溶接プレートを配設した構成であることを特徴とする請求項2に記載の大型擁壁ブロック。
請求項4に記載の発明では、前記前連結部位置決め凹部の底面における前記前溶接プレートの配置位置、及び前記後連結部位置決め凹部の底面における前記後溶接プレートの配置位置は、前記前壁における複数の前記前壁溶接部、又は前記後壁における複数の前記後壁溶接部で共通であることを特徴とする請求項3に記載の大型擁壁ブロック。
請求項5に記載の発明では、前記連結材の前記前壁又は前記後壁に対する溶接部である連結溶接部は、前記連結材の両端部の側面に凹状の溶接用凹部を形成すると共に、前記溶接用凹部の底面に連結部溶接プレートを配設した構成であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の大型擁壁ブロック。
請求項6に記載の発明では、前記連結部は、略直方体形状又は略四角柱状の4個の前記連結材を前記前壁と前記後壁の上下端縁部近傍の左右両側に左右対称に各2個配設した構成であることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の大型擁壁ブロック。
請求項7に記載の発明では、前記連結材の上面に上側ずれ防止係合部を形成し、前記連結材の下面に前記上側ずれ防止係合部が係合可能な下側ずれ防止係合部を形成したことを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の大型擁壁ブロック。
本発明による大型擁壁ブロックによれば、溶接部以外をコンクリートで形成した前壁と後壁とを、連結材を介して溶接することで一体とすることができるので擁壁ブロック全体としての重量と強度を確保することができる。
また、溶接部以外をコンクリートで形成した前壁と後壁、及び連結材を各々単独で製造することができるので、製造用の型枠について高価な大型の型枠を必要とせず、型枠のコストを抑えることができる。
また、溶接部以外は全てコンクリートで形成することができるので、高価な専用部品を使用する必要がなく、コスト面で有利である。
また、保管の際には、全体をコンクリートで一体成形とした従来のような擁壁ブロックのようにかさばることもなく、部品の夫々を多数段積みにすることが可能となり、在庫の保管スペースを最小に抑えることができる。
また、出荷前に短期間で組み立てることができるので、在庫の保管スペースを最小に抑えることができる。
また、連結材の長さを施工前に柔軟に選定又は製造することができるので、施工現場に合わせた無駄のない最適な寸法で大型擁壁ブロックを構成することができる。
また、各部を各々単独で製造できることで夫々を単純な形状とすることができ、しかも夫々は大型とならないため、製造時における外気温の低下等によるひび割れ等を防止でき、不良品の発生を大幅に低減させることができる。
しかも、各部で不良品が発生した場合でも、当該部分を交換すれば大型擁壁ブロック自体は不良品とならず、経済的に有利である。
本発明の一実施形態に係る大型擁壁ブロックの前部上方斜視図である。 本発明の一実施形態に係る大型擁壁ブロックの後部上方斜視図である。 (a)は、本発明の一実施形態に係る短い連結材を使用した大型擁壁ブロックの側面図であり、(b)は、長い連結材を使用した大型擁壁ブロックの側面図である。 本発明の一実施形態に係る大型擁壁ブロックの前部上方斜視分解図である。 後壁と対面する前壁の面と連結材の位置を示した図である。 前壁と対面する後壁の面と連結材の位置を示した図である。 (a)は、後壁と上側の左連結材の溶接箇所を水平方向に切断した状態を示す断面図であり、(b)は、(a)の箇所における後溶接プレートとL型溶接プレートの部分を垂直方向に切断した状態を示す断面図である。 後壁と対面する前壁の面と連結材の位置を示した変形例に係る図である。 前壁と対面する後壁の面と連結材の位置を示した変形例に係る図である。 後壁と上側又は下側の連結材の溶接箇所を水平方向に切断した状態を示す他の変形例に係る断面図である。 本発明の一実施形態に係る大型擁壁ブロックの施工例の側面の状態を示す簡易断面図である。
本発明は、法面を形成するための擁壁ブロックにおいて、擁壁ブロックを構成する前壁、後壁、及びこれらを連結する連結部の各部分を、互いに溶接により接合される独立したコンクリート製品とする構成を採用することにより、充分な強度を得ながら、製造用の型枠のコストの低減や保管スペースの省スペース化等を図ろうとするものである。
本発明の要旨は、前面に化粧面7を有する矩形状の前壁2と、該前壁2と対向配置される矩形状の後壁3と、前記前壁2と前記後壁3との間に設けられ前記前壁2と前記後壁3とを互いに連結する連結部4とを備え、前記連結部4は、前記前壁2および前記後壁3それぞれに対して溶接により接合され、前記前壁2、前記後壁3、及び前記連結部4は、溶接による接合部分以外の部分がコンクリートで形成されている大型擁壁ブロック1である。このような大型擁壁ブロック1により、大型でありながら充分な強度を有し、製造用の型枠のコストが抑えられ、保管スペースを最小とすることができる。
大型擁壁ブロック1は、使用前に連結部4を介して前壁2と後壁3とを溶接により連結することで一体とされる。このため、大型擁壁ブロック1を構成する前壁2、後壁3、及び連結部4は、それぞれ溶接される部分である溶接部を有し、その溶接部以外の部分がコンクリートにより形成される。言い換えると、大型擁壁ブロック1を構成する前壁2、後壁3、及び連結部4は、いずれもコンクリート部分を主体とするコンクリート製品であり、その一部に、溶接が可能な溶接部を有する。なお、大型擁壁ブロック1の大きさは、使用される現場の施工規模により変動するが、横幅800mm〜2200mm、高さ400mm〜1200mmの範囲で使用されることが一般的である。
以下、本発明に係る大型擁壁ブロック1の一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本説明中の大型擁壁ブロック1における前後左右の関係は、図1に示す斜視図において、後側から前側に向かった方向を基準として表現する。すなわち、図1に示す大型擁壁ブロック1の前壁2側を前、後壁(控壁)3側を後とし、同図中における右側は、本説明中においては左側となる。従って、右連結材23Rは図1中においては左側に位置する連結部4を示すことになる。また、大型擁壁ブロック1が施工された状態における上下を、大型擁壁ブロック1における上下とする。
図1は、本実施形態に係る大型擁壁ブロック1の前部上方斜視図であり、図2は、後部上方斜視図を示している。図3(a)、(b)は、左右連結材23L,23Rの長さが異なる大型擁壁ブロック1の側面図を示している。また、図4は、大型擁壁ブロック1の前部上方斜視分解図を示している。図5は、後壁3と対面する前壁2の壁面を示し、図6は、前壁2と対面する後壁3の壁面を示している。なお、図5、6については、説明を容易にするためにL型溶接プレート16の記載を省略している。
前壁2と後壁3は、左右方向を長手方向とする矩形状(略長方形状)の板状の部分であり、共に上側が下側よりも後側に位置するように後方に傾斜した姿勢で、互いが略平行となるように配設されている。前壁2と後壁3とは、左右各2個計4個の共通の長さの左右連結材23L,23Rにより互いに連結される。各連結材23は、前後方向を長手方向とする略直方体形状あるいは略四角柱状の梁部分である。左右連結材23L,23Rは、前壁2と後壁3との間に架設された状態で、前壁2及び後壁3に対して溶接により固定される。
このように、大型擁壁ブロック1は、前壁2と後壁3とこれらの壁に対して溶接される左右連結材23L,23Rとにより構成される。そして、大型擁壁ブロック1単体においては、同じ長さの(長さが共通の)4個の連結材23によって前壁2と後壁3とが傾斜した状態で互いに略平行に連結される。また、法面を形成する多数の大型擁壁ブロック1としては、前壁2及び後壁3については他の大型擁壁ブロック1と共通の部品を用いるとともに、連結部4については大型擁壁ブロック1の積み上げ段位置等によって長さが違う連結材23を用いた大型擁壁ブロック1が準備される。
なお、本実施形態に係る大型擁壁ブロック1は、連結部4として略直方体形状あるいは略四角柱状の独立した4個の連結材23を使用することで、充分な強度を有しながら連結部4を小型化することができると共に、使用されるコンクリートの量を抑えることができる。
前壁2は、連結材23に対する溶接部として、前壁溶接部30を有する。つまり、連結材23の前端部が、前壁溶接部30に対して溶接により固定される。本実施形態の大型擁壁ブロック1では、連結部4として4個の左右連結材23L,23Rが備えられるため、前壁2は、4箇所に前壁溶接部30を有する。
図2、図5に示すように、前壁溶接部30は、矩形板状の前壁2において、化粧面7側と反対側(裏側)の面、つまり後壁3に対向する側の面に設けられる。4箇所の前壁溶接部30は、左右方向を長手方向とする矩形状の前壁2の壁面において、矩形状に沿って左右方向及び上下方向について対称となる位置に配設される。詳細には、前壁溶接部30は、上下方向については前壁2の壁面の縁端に設けられ、左右方向については前壁2の壁面の縁端から前壁2の左右方向の寸法の約1/4程度内側に入った位置に設けられている。
前壁溶接部30は、前壁2の裏側壁面に対して略正方形状の凹状をなす前連結部位置決め凹部5の底面に矩形板状の前溶接プレート6が埋設された構成を有する。上述したように前壁溶接部30は上下方向については前壁2の壁面の縁端に設けられるため、上側に配置される前壁溶接部30の前連結部位置決め凹部5については上側が開放され、下側に配置される前壁溶接部30の前連結部位置決め凹部5については下側が開放されている。つまり、前連結部位置決め凹部5は、その凹部形状が前壁2の上側の端面または下側の端面に現れる態様で設けられる。
前溶接プレート6は、その一方の板面が前連結部位置決め凹部5の底面と面一となるように埋設される。つまり、前溶接プレート6は、その一方の板面を前連結部位置決め凹部5の底面に臨ませてこの底面と同一面を形成するように設けられる。前溶接プレート6の板面の面積は、前連結部位置決め凹部5の底面の面積に対して小さく(例えば約1/4程度)、前連結部位置決め凹部5の矩形状の底面の角部分に対して上下方向及び左右方向の辺を沿わせた位置に設けられる。
本実施形態では、前溶接プレート6は、各前壁溶接部30の前連結部位置決め凹部5において、上下方向について下側、左右方向については外側の角部分に沿う位置に設けられている。したがって、図5に示すように、前溶接プレート6は、右側の2つの前壁溶接部30においては前連結部位置決め凹部5の右下の角部分に、左側の2つの前壁溶接部30においては前連結部位置決め凹部5の左下の角部分にそれぞれ設けられている。
前溶接プレート6の材質は、鉄等の溶接に適した鋼材である。また、前溶接プレート6は、前壁2を構成するコンクリートとの間で固定強度を得るために、前壁2の内部においてアンカー筋(図示せず)等を一体として形成されている。
前連結部位置決め凹部5は、その底面の範囲内に連結材23の前側の端面が収まる程度の大きさを有する。そして、連結材23は、その前端面の全体を、前溶接プレート6の板面を含む前連結部位置決め凹部5の底面部に接触させた状態で、前壁溶接部30に対して溶接により固定される。
このように連結材23の前端部が溶接される前壁溶接部30を有する前壁2は、前壁溶接部30を構成する前溶接プレート6以外の部分はコンクリートによって構成される。また、前壁2の表面には、擬石等を現すような化粧面7が形成されている。また、前壁2の略中央部の下方には、前壁2を貫通する前水抜き孔8が形成されている。
後壁3は、前壁2と略同じ形状・寸法を有するとともに、連結材23に対する溶接部として、前壁2の前壁溶接部30に対応して4箇所に設けられる後壁溶接部31を有する。つまり、連結材23の後端部が、後壁溶接部31に対して溶接により固定される。後壁溶接部31は、前壁溶接部30と略同じ構成を有する。
具体的には、図2、図4、図6に示すように、後壁溶接部31は、矩形板状の後壁3において、前側の面、つまり前壁2に対向する側の面に設けられる。4箇所の後壁溶接部31は、前壁2における前壁溶接部30の場合と同様に、左右方向を長手方向とする矩形状の後壁3の壁面において、矩形状に沿って左右方向及び上下方向について対称となる位置に配設される。
後壁溶接部31は、後壁3の前側壁面に対して略正方形状の凹状をなす後連結部位置決め凹部9の底面に矩形板状の後溶接プレート10が埋設された構成を有する。後連結部位置決め凹部9は、前連結部位置決め凹部5と同様に、上下の配置位置に応じて、上側または下側が開放されている。
後溶接プレート10は、前溶接プレート6と同様の構造・材質であり、後連結部位置決め凹部9に対して、前溶接プレート6の前連結部位置決め凹部5に対する寸法関係及び配置関係と同様の関係で配設される。
また、後連結部位置決め凹部9は、その底面の範囲内に連結材23の後側の端面が収まる程度の大きさを有する。そして、連結材23は、その後端面の全体を、後溶接プレート10の板面を含む後連結部位置決め凹部9の底面部に接触させた状態で、後壁溶接部31に対して溶接により固定される。
このように連結材23の後端部が溶接される後壁溶接部31を有する後壁3は、後壁溶接部31を構成する後溶接プレート10以外の部分はコンクリートによって構成される。また、後壁3の略中央部の下方には、後壁3を貫通する後水抜き孔11が形成されている。
左連結材23Lと右連結材23Rは、前壁2及び後壁3に対する溶接部として、連結溶接部32を有する。左連結材23L及び右連結材23Rは、略直方体形状あるいは略四角柱状の部材であって前壁2と後壁3との間に架設された状態で設けられる部分であり、その長手方向の両端部に連結溶接部32を有する。
図4、図5、図6に示すように、左連結材23L及び右連結材23Rの両端部の端面は、前壁2と後壁3に所定の傾斜を持たせるために、連結材23の長手方向(例えば図3(b)における左右方向)に対して傾斜面として形成されている。連結材23の長手方向両側の端面の傾斜は、互いに略平行に傾斜した姿勢となる前壁2及び後壁3の傾斜に対応している。つまり、左連結材23L及び右連結材23Rが各端面を前壁2と後壁3に当接させた状態で各壁に固定されることで、互いに略平行な前壁2及び後壁3について任意の傾斜を得ることが可能となる。
左連結材23L及び右連結材23Rの長手方向の両端部に設けられる連結溶接部32は、略直方体形状あるいは略四角柱状の各連結材23において、左右方向の外側の面に設けられる。つまり、左連結材23Lにおいては、その長手方向の両端部における左側面に連結溶接部32が設けられ、右連結材23Rにおいては、その長手方向の両端部における右側面に連結溶接部32が設けられる。また、連結溶接部32は、各連結材23の側面において下側の位置に設けられる。こうした左右の連結材23における連結溶接部32の配置は、上述したような前後連結部位置決め凹部5,9における前後溶接プレート6,10の配置に対応したものである。
連結溶接部32は、連結材23の側面に対して長手方向の端面の傾斜に沿って略平行四辺形状の凹部をなす溶接用凹部12の底面に同じく略平行四辺形状の連結部溶接プレート13が埋設された構成を有する。連結溶接部32は、連結材23の長手方向については連結材23の端部に設けられ、上下方向については下側に設けられている。そして、連結溶接部32を構成する溶接用凹部12は、連結材23の長手方向の端部側及び下側が開放されている。つまり、溶接用凹部12は、各連結材23の左右外側の側面において下側の角部分が面状に切り欠かれた態様で設けられる。
連結部溶接プレート13は、その一方の板面が溶接用凹部12の底面と面一となるように埋設される。つまり、連結部溶接プレート13は、その一方の板面を溶接用凹部12の底面に臨ませてこの底面と同一面を形成するように設けられる。連結部溶接プレート13の板面の面積は、溶接用凹部12の底面の面積に対してわずかに小さい程度である。連結部溶接プレート13は、その略平行四辺形状の外形を、同じく略平行四辺形状の溶接用凹部12の底面の形状に沿わせるように設けられる。連結部溶接プレート13は、溶接面積を可能な限り確保するために、外側の2辺を左右連結材23L,23Rの(溶接用凹部12の)端縁と合わせるように配設することが望ましい。
連結部溶接プレート13の材質は、鉄等の溶接に適した鋼材である。また、連結部溶接プレート13は、連結材23を構成するコンクリートとの間で固定強度を得るために、連結材23の内部においてアンカー筋(図示せず)等を一体として形成されている。
このような連結溶接部32を有する左連結材23Lと右連結材23Rとは、図4、図5、図6に示すように、互いに左右対称に形成されている。また、連結材23は、連結溶接部32を構成する連結部溶接プレート13以外の部分はコンクリートによって構成される。
また、略直方体形状あるいは略四角柱状の連結材23においては、上面に上側ずれ防止係合部14が設けられ、下面に下側ずれ防止係合部15が設けられている。これらの上側ずれ防止係合部14及び下側ずれ防止係合部15は、段積みされた状態の大型擁壁ブロック1同士の前後のずれを防止するための形状部分である。上側ずれ防止係合部14及び下側ずれ防止係合部15は、互いに嵌合可能な形状を有する。これにより、図11に示すように、ある大型擁壁ブロック1において、その上側の2個の左右連結材23L,23Rの上側ずれ防止係合部14が、その上側に積まれた大型擁壁ブロック1の下側の2個の左右連結材23L,23Rの下側ずれ防止係合部15に嵌ることになる。また、ある大型擁壁ブロック1において、その下側の2個の左右連結材23L,23Rの下側ずれ防止係合部15が、その下側に位置する大型擁壁ブロック1の上側の2個の左右連結材23L,23Rの上側ずれ防止係合部14に嵌ることになる。
本実施形態では、上側ずれ防止係合部14は、連結材23の幅方向(左右方向)について全体にわたって形成された、側面視で平たい台形状の凸部である。また、下側ずれ防止係合部15は、連結材23の幅方向について全体にわたって形成された、側面視で平たい台形状の凹部である。下側ずれ防止係合部15は、上側ずれ防止係合部14が嵌り込んで収まるように、上側ずれ防止係合部14の外形寸法よりも若干大きめの寸法を有する。
大型擁壁ブロック1は、千鳥状に積み上げたり、真上にそのまま積み上げたりして使用される。そして、何れの場合であっても、下側の大型擁壁ブロック1の上段の連結材23の上側ずれ防止係合部14と、上側の大型擁壁ブロック1の下段の連結材23の下側ずれ防止係合部15とが合わさるような位置関係に左右連結材23L,23Rが配設されている。
具体的には、多数の大型擁壁ブロック1が千鳥状に積み上げられる場合は、下側の大型擁壁ブロック1の上段の左連結材23Lの上に、左上に配置される大型擁壁ブロック1の下段の右連結材23Rが重なり、同じく下側の大型擁壁ブロック1の上段の右連結材23Rの上に、右上に配置される大型擁壁ブロック1の下段の左連結材23Lが重なる態様で、大型擁壁ブロック1が左右方向に半個分ずれて積み上げられる。一方、多数の大型擁壁ブロック1が真上に積み上げられる場合は、互いに上下に位置する大型擁壁ブロック1間で、左右方向について左連結材23Lと右連結材23Rの位置が互いに一致するように積み上げられる。つまり、下側の大型擁壁ブロック1の上段の左連結材23Lの上には、上側の大型擁壁ブロック1の下段の左連結材23Lが重なり、下側の大型擁壁ブロック1の上段の右連結材23Rの上には、上側の大型擁壁ブロック1の下段の右連結材23Rが重なるように、大型擁壁ブロック1が左右方向についてずれることなく真っすぐに積み上げられる。
また、左右連結材23L,23Rにおける上側ずれ防止係合部14と下側ずれ防止係合部15の形成箇所は、左右連結材23L,23Rの長さに関わらず、前方(前壁2)からの位置関係を統一して形成している。これにより、相対的に長さが異なる連結材23を有する大型擁壁ブロック1が積み上げられることによっても、互いに上下に位置する大型擁壁ブロック1間において上側ずれ防止係合部14と下側ずれ防止係合部15とが互いに嵌合することで、各大型擁壁ブロック1の化粧面7によって共通の法面(斜面)が形成されるような位置関係に、上下の大型擁壁ブロック1同士が自動的に位置決めされることになる(図11参照)。言い換えると、上側ずれ防止係合部14及び下側ずれ防止係合部15は、上下の大型擁壁ブロック1間における互いの嵌合による位置決め作用により、連結材23の長さが違う複数の大型擁壁ブロック1が積み上げられることによっても各大型擁壁ブロック1の化粧面7によって共通の法面が形成されるように、各連結材23においてその全体的な長さに関わらず連結材23の前端から一定の距離を隔てた位置に設けられる。
このように、連結材23において前側から所定の位置に設けられる上側ずれ防止係合部14及び下側ずれ防止係合部15により、積み上げられる大型擁壁ブロック1の前後方向の位置決めを行うことができるとともに、大型擁壁ブロック1の段積み時の前後方向の位置ずれを防ぐことができる。特に、法面を形成する大型擁壁ブロック1においては、土圧等、後側から前側への力が作用することから、上側ずれ防止係合部14及び下側ずれ防止係合部15による嵌合作用は、前後方向の位置ずれを防止できる点で非常に有効である。
なお、本実施形態では、連結材23に設けられる上側ずれ防止係合部14及び下側ずれ防止係合部15の形状として上記のとおり平たい台形状が採用されているが、上側ずれ防止係合部14及び下側ずれ防止係合部15の形状は特に限定されない。また、上側ずれ防止係合部14及び下側ずれ防止係合部15については、連結材23において上下反対に設けられたり、一つの連結材23において複数箇所に設けられたりしてもよい。
以上のように本実施形態の大型擁壁ブロック1は、前壁2と後壁3とを連結する連結部4として、4個の梁状の連結材23を有するが、連結材23の個数や形状等は特に限定されない。
図7(a)は、後壁3と上側の左連結材23Lの溶接箇所を水平方向に切断した状態を示す断面図である。図7(b)は、後壁3と上側の左連結材23Lの溶接個所における後溶接プレート10とL型溶接プレート16の部分を垂直方向に切断した状態を示す断面図である。以下に、左右連結材23L,23Rを介した前壁2と後壁3との具体的な連結方法、つまり左右連結材23L,23Rと、前壁2または後壁3との溶接方法を詳説する。なお、本説明中においては、前壁2及び後壁3間に架設される4個の連結材23が前壁2及び後壁3それぞれに対して溶接固定される大型擁壁ブロック1において計8箇所ある溶接部のうち、後壁3と上側の左連結材23Lとの溶接部を例に挙げてその構造及び溶接方法について説明し、他の溶接部については適宜説明を省略する。大型擁壁ブロック1における8箇所の溶接部に関し、左右に配置される左右連結材23L,23Rについては左右方向に対称の構造であり、上下に配置される上下段の左連結材23Lまたは右連結材23Rについては同様の構造である。
前壁2または後壁3と連結材23との溶接には、L型溶接プレート16が用いられる。L型溶接プレート16は、矩形板状の鋼材が直角状に折り曲げられた一体の部材である。したがって、L型溶接プレート16は、直角状をなす一対の矩形状の片部を有する。
このようなL型溶接プレート16のうち、L字状をなす一方の片部が後壁3の後壁溶接部31を構成する後溶接プレート10に溶接され、同じく他方の片部が連結材23の後側の連結溶接部32を構成する連結部溶接プレート13に溶接される。すなわち、上述したような後壁溶接部31の後溶接プレート10と連結溶接部32の連結部溶接プレート13との配置関係から、連結材23の後端が後壁溶接部31の後連結部位置決め凹部9の底面に当接することで、連結部溶接プレート13が後溶接プレート10に対して垂直状に当接した態様となる。つまり、連結部溶接プレート13の表面と後溶接プレート10の表面とにより上面視で直角状の壁面が形成される(図7(a)参照)。この溶接プレート10,13による直角状の壁面に沿うように、直角状のL型溶接プレート16があてがわれ、上記のとおりL型溶接プレート16の各片部が後溶接プレート10及び連結部溶接プレート13に対してそれぞれ溶接される。後溶接プレート10及び連結部溶接プレート13の各プレートにおいては、L型溶接プレート16の各片部が、その矩形状の外縁に沿う溶接部分17により固定される。
このようにL型溶接プレート16を用いた後壁3と連結材23との溶接方法について説明する。本実施形態の大型擁壁ブロック1は、前壁2と後壁3とを対面するように略平行に配設し、任意の長さの連結材23の両端面を前壁2と後壁3の対面する側の各面に当接し、連結材23の連結溶接部32を複数のL型溶接プレート16を介して前壁溶接部30と後壁溶接部31とを溶接して一体としたものである。
具体的には、まず、図4〜図7(a)、(b)に示すように、上側の左連結材23Lの端部を後壁3の上側の後連結部位置決め凹部9に後溶接プレート10の略半分が露見するように当接する。これにより、上述したように後溶接プレート10と連結部溶接プレート13とによる直角状の壁面が形成される。
次に、直角状の壁面を形成する後溶接プレート10及び左連結材23Lの連結部溶接プレート13に対して、L型溶接プレート16をその外側の面が全面的に両溶接プレート10,13に接触するようにあてがう。そして、L型溶接プレート16の各片部の外周部を各溶接プレート10,13に対して全周に渡り溶接する。これにより、L型溶接プレート16が、各片部の外周形状に沿う溶接部分17によって、後溶接プレート10及び連結部溶接プレート13に溶接固定される。
以上のような溶接部の構造及び溶接方法が、大型擁壁ブロック1における他の7箇所の溶接箇所においても同様に採用される。そして、計8箇所の溶接部が溶接されることにより、前壁2、後壁3、及び4個の連結材23を備える一体の大型擁壁ブロック1が構成される。
以上のような構成を備える大型擁壁ブロック1においては、例えば図3(a)、(b)に示すように、大型擁壁ブロック1の連結材23の長さについては、使用する施工現場の状況に応じて最適なものを適宜選定することが可能となる。
また、本実施形態の大型擁壁ブロック1においては、前壁2、後壁3、及び左右連結材23L,23Rがそれぞれ有する前壁溶接部30、後壁溶接部31、及び連結溶接部32の何れの溶接部も、底面に鋼材のプレートを埋設した位置決め凹部として凹状に形成している。このような構成により、当該凹部にモルタル等を埋め込むことで溶接部分周辺の金属部品(前溶接プレート6,後溶接プレート10,連結部溶接プレート13,L型溶接プレート16)全体を封止することができ、金属部品の腐食対策を容易に行うことができる。
次に、前後壁2,3における左右連結材23L,23Rの溶接箇所の変形例を図8、図9に示している。なお、図8、図9においては、説明を容易にするためにL型溶接プレート16の記載を省略している。上述した実施形態に係る大型擁壁ブロック1においては、連結溶接部32を有する左右連結材23L,23Rを互いに左右対称として形成し、前壁2と後壁3の前後連結部位置決め凹部5,9や前後溶接プレート6,10の位置も左右対称に配設されている。従って、大型擁壁ブロック1には、上側ずれ防止係合部14及び下側ずれ防止係合部15と連結溶接部32との配置関係について異なる2種類の左右連結材23L,23Rを準備する必要がある。この点、本変形例によれば、1種類の連結材23で全てを構成することが可能となる。
具体的に、例えば、上述した大型擁壁ブロック1が有する2種類の左右連結材23L,23Rのうち、左連結材23Lと同様の構成の1種類の連結材23のみを使用する場合について説明する。この場合においては、図8に示すように、前壁2の左側に配設された前連結部位置決め凹部5に対する前溶接プレート6の位置関係を維持したまま右側に同様の前連結部位置決め凹部5と前溶接プレート6を配設する。すなわち、この変形例では、前連結部位置決め凹部5に対する前溶接プレート6の配置については4箇所の前壁溶接部30で共通の配置となっている。
また、後壁3が有する4箇所の後壁溶接部31についても、前壁2の場合と同様に構成される。すなわち、後壁3においては、図9に示すように、後壁3の左側に配設された後連結部位置決め凹部9に対する後溶接プレート10の位置関係を維持したまま右側に同様の後連結部位置決め凹部9と後溶接プレート10を配設する。
この変形例のように前壁溶接部30及び後壁溶接部31における前後連結部位置決め凹部5,9と前後溶接プレート6,10との配置を4箇所で共通に構成することで、1種類の連結材23(この変形例では左連結材23L)のみを使用して大型擁壁ブロック1を構成することが可能となる。これにより、大型擁壁ブロック1を構成する連結材23について部品を共通にすることができるので、連結材23を製造するための型枠の種類を減らすことができて型枠のコストを抑えることができ、また、部品の管理を容易にすることができる。
なお、この変形例の場合においても、上述したように、大型擁壁ブロック1を千鳥状に積み上げたり、真上にそのまま積み上げて使用しても、下側の大型擁壁ブロック1の上側ずれ防止係合部14と上側の大型擁壁ブロック1の下側ずれ防止係合部15とが合わさるような位置関係に左連結材23Lが配設されるように構成される。
以上、前後壁2,3と連結部4との溶接方法については、上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、図10は、後壁3と、上側又は下側の連結材23の溶接箇所を水平方向に切断した状態を示す他の変形例に係る断面図である。図10に示すように、上述した連結溶接部32と同構造の連結溶接部32を、連結材23の端部側面の左右2箇所に形成し、これに対応した後壁3の後壁溶接部31においても上述した後壁溶接部31と同構造のものを、後連結部位置決め凹部9の大きさや、後溶接プレート10の大きさや個数を適宜変形・変更して溶接部を形成することができる。この場合、図10に示す後溶接プレート10,10を、一体として一つの後溶接プレート10として形成する等も可能である。このような溶接部を前後壁2,3と各連結材23の各溶接部に用いることで、各溶接部の強度を向上させて、大型擁壁ブロック1全体の強度を更に向上させたり、上述した変形例と同様に全ての連結材23を共通化すること等が可能となる。
図11は、大型擁壁ブロック1の一施工例を示すものである。最下段の大型擁壁ブロック1は、施工現場に応じた傾斜を形成したベースコンクリート18上に載置される。大型擁壁ブロック1の左右連結材23L,23Rの長さは、上方に行くに従って大型擁壁ブロック1ごとに短くなる。また、前壁2と後壁3との間には、胴込コンクリート19が充填される。また、ベースコンクリート18の下側から、積み上げられた大型擁壁ブロック1の後壁3の後側には砕石20が配設される。また、各大型擁壁ブロック1の前壁2の前水抜き孔8と後壁3の後水抜き孔11に渡って排水用パイプ21が挿通され、後壁3の後側の砕石20から滲みだした雨水等が排水用パイプ21を伝って前壁2の前水抜き孔8から排水される。
以上のように、本発明の一実施形態に係る大型擁壁ブロック1は、前壁2と後壁3と連結部4とをそれぞれ独立したコンクリート部品とした分割構造を採用するとともに、各部品を互いに溶接により固定する構成を採用しているため、溶接部以外をコンクリートで形成した前壁2と後壁3とを、同じく溶接部以外をコンクリートで形成した左右連結材23L,23Rを介して溶接することで一体とすることができる。このため、大型擁壁ブロック1全体としての重量と強度を確保することができる。
また、本実施形態の大型擁壁ブロック1は、各部品の溶接部以外は全てコンクリートで形成されているので、高価な専用部品を使用する必要がなく、コスト面で有利である。
また、本実施形態の大型擁壁ブロック1によれば、前壁2と後壁3、及び左右連結材23L,23Rを各々単独で製造することができるので、これらの各部が一体の構成と比べて、高価な大型の型枠を必要とせず、型枠のコストを抑えることができる。
また、本実施形態の大型擁壁ブロック1によれば、保管の際には、全体をコンクリートで一体成形とした従来の擁壁ブロックのようにかさばることもなく、部品の夫々を多数段積みにすることが可能となり、在庫の保管スペースを最小に抑えることができる。
また、本実施形態の大型擁壁ブロック1は、工場等においてあらかじめ必要な部品を用いて組み立てた後に施工現場に搬送して施工する場合、出荷前に短期間で組み立てることができるので、在庫の保管スペースを最小に抑えることができる。
また、本実施形態の大型擁壁ブロック1によれば、左右連結材23L,23Rの長さを施工前に柔軟に選定又は製造することができるので、施工現場に合わせた無駄のない最適な寸法で大型擁壁ブロック1を構成することができる。
また、本実施形態の大型擁壁ブロック1によれば、各部を各々単独で製造できることで夫々を単純な形状とすることができ、しかも夫々は大型とならないため、コンクリート製品の製造時における外気温の低下等によるひび割れ等を防止でき、不良品の発生を大幅に低減させることができる。
しかも、各部で不良品が発生した場合でも、当該部分を交換すれば大型擁壁ブロック1自体は不良品とならず、経済的に有利である。
また、本実施形態の大型擁壁ブロック1によれば、前後壁2,3が有する前後壁溶接部30,31が前後連結部位置決め凹部5,9に前後溶接プレート6,10を埋設した構成であるため、左右連結材23L,23Rの位置決め箇所が明確となり、大型擁壁ブロック1の組立効率が向上すると共に、精度よく組立てることが可能となる。
また、本実施形態の大型擁壁ブロック1によれば、左右連結材23L,23Rの両端部の傾斜角度を調整することで、前壁2と後壁3の傾斜を適宜変更可能なので、施工現場に最も適した大型擁壁ブロック1を容易に製造することができる。
また、本実施形態の大型擁壁ブロック1によれば、前後壁2,3と左右連結材23L,23Rとを、L型溶接プレート16を介して各々溶接することで、全体が大型となってもボルト等による連結方法に比して信頼性が高く、高強度の接続が可能となる。
更に、変形例で示した構成によれば、左右連結材23L,23Rを共通化することが可能なので、大型擁壁ブロック1の型枠コストや製品単価を廉価に抑えることが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態、及び変形例について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 大型擁壁ブロック
2 前壁
3 後壁
4 連結部
5 前連結部位置決め凹部
6 前溶接プレート
7 化粧面
8 前水抜き孔
9 後連結部位置決め凹部
10 後溶接プレート
11 後水抜き孔
12 溶接用凹部
13 連結部溶接プレート
14 上側ずれ防止係合部
15 下側ずれ防止係合部
16 L型溶接プレート
17 溶接部分
23 連結材
23L 左連結材
23R 右連結材
30 前壁溶接部
31 後壁溶接部
32 連結溶接部

Claims (7)

  1. 前面に化粧面を有する矩形状の前壁と、該前壁と対向配置される矩形状の後壁と、前記前壁と前記後壁との間に設けられ前記前壁と前記後壁とを互いに連結する連結部と、を備え、
    前記連結部は、前記前壁および前記後壁それぞれに対して溶接により接合され、
    前記前壁、前記後壁、及び前記連結部は、溶接による接合部分以外の部分がコンクリートで形成されている大型擁壁ブロック。
  2. 前記連結部は前記前壁と前記後壁との間に架設される複数の連結材からなり、前記前壁と前記後壁に傾斜を持たせるために、前記前壁と前記後壁に当接する前記連結材の両端面を傾斜面としたことを特徴とする請求項1に記載の大型擁壁ブロック。
  3. 前記前壁の前記連結材との溶接部である前壁溶接部は、前記前壁の内側の壁面に凹状の前連結部位置決め凹部を形成すると共に、前記前連結部位置決め凹部の底面に前溶接プレートを配設した構成であり、
    前記後壁の前記連結材との溶接部である後壁溶接部は、前記後壁の内側の壁面に凹状の後連結部位置決め凹部を形成すると共に、前記後連結部位置決め凹部の底面に後溶接プレートを配設した構成であることを特徴とする請求項2に記載の大型擁壁ブロック。
  4. 前記前連結部位置決め凹部の底面における前記前溶接プレートの配置位置、及び前記後連結部位置決め凹部の底面における前記後溶接プレートの配置位置は、前記前壁における複数の前記前壁溶接部、又は前記後壁における複数の前記後壁溶接部で共通であることを特徴とする請求項3に記載の大型擁壁ブロック。
  5. 前記連結材の前記前壁又は前記後壁に対する溶接部である連結溶接部は、前記連結材の両端部の側面に凹状の溶接用凹部を形成すると共に、前記溶接用凹部の底面に連結部溶接プレートを配設した構成であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の大型擁壁ブロック。
  6. 前記連結部は、略直方体形状又は略四角柱状の4個の前記連結材を前記前壁と前記後壁の上下端縁部近傍の左右両側に左右対称に各2個配設した構成であることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の大型擁壁ブロック。
  7. 前記連結材の上面に上側ずれ防止係合部を形成し、前記連結材の下面に前記上側ずれ防止係合部が係合可能な下側ずれ防止係合部を形成したことを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の大型擁壁ブロック。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5899358B1 (ja) * 2015-05-19 2016-04-06 Jfe商事テールワン株式会社 寿命評価可能な擁壁構造に使用する擁壁壁面材

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