JP5731218B2 - 静電塗装装置 - Google Patents

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Description

本発明は、塗料の微粒子を負又は正の高電圧に帯電させて噴霧する構成の静電塗装装置に関する。
静電塗装装置では、スプレーガンに供給された塗料(溶剤塗料、水性塗料などの液体塗料や粉体塗料)は、作業者がトリガを引くことで、圧縮空気により霧化され、微粒子として塗装対象である被塗装物に噴霧される。このとき、霧化された塗料の微粒子(以下、塗料粒子と称する)は、スプレーガン内に設けられた直流高電圧発生部(カスケード)により負又は正の高電圧に帯電され、大地に接地(アース)された被塗装物との間に作用する静電気力によって被塗装物の表面に塗着する(例えば特許文献1参照)。
特開2006−82064号公報
上述した静電塗装装置では、作業者が前記スプレーガンのトリガを引くことで、高電圧を発生させると共に塗料を霧化し噴射し、そして作業者がスプレーガンを被塗装物に向けることで当該被塗装物に対して静電塗装を行う。
ところで、被塗装物をむらなくに塗装するには、スプレーガンから帯電させた塗料粒子を噴射させた状態(トリガを引いた状態)で、当該スプレーガンを、被塗装物から離れた一方の位置から被塗装物に近づけて適正距離を保ちつつ、該被塗装物に塗料粒子を噴射しながらほぼ一定速度で移動させ、そして被塗装物の他方側の離れた位置まで移動させることを順次まんべんなく行うようにしている。
しかし、スプレーガンが被塗装物から離れてしまうと、噴霧された帯電塗料粒子の付着先である被塗装物が遠く、浮遊した帯電塗料粒子が僅かに作業者やスプレーガン自体に戻って付着することがあり、その付着塗料粒子が蓄積されると作業者やスプレーガンから当該塗料が液状となって垂れ、被塗装物に液塊塗料が付着するおそれがあった。
ここで、その対策として、作業者がスプレーガンのトリガを、被塗装物の一方側の間際まで近づいた位置で引き操作し、そして被塗装物の他方側から離れる間際で当該引き操作を解除することが考えられるが、少しでもトリガの引き操作(吹き始め)のタイミングが遅かったり、又、トリガの解除操作(吹き終わり)が早かったりすると、塗装むらが発生しやすく、塗装がきれいにできない。又、作業者にそのような熟練度を要するトリガ操作を強いるのは、作業効率の低下を招く。従って、被塗装物から余裕をもって離れた一方部位からトリガを引き、スプレーガンを被塗装物対応部位を通過させ、被塗装物から余裕をもって離れた他方部位まで至ったところでトリガを離すといった操作形態は作業効率及び塗装むら防止の点から変更できないものである。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業効率を下げることなく且つ塗装むらなく塗装でき、さらに、作業者やスプレーガンに対する塗料粒子の付着を防止できる静電塗装装置を提供することにある。
本発明は次の点に着目してなされている。静電塗装装置においては、高電圧に帯電した微粒子状の塗料は、上述したようにスプレーガンが被塗装物から遠ざかると、作業者やスプレーガン自身への塗料粒子の付着現象がみられるものであるが、スプレーガンの離間時に直流高電圧発生部の出力電圧を通常の高電圧より低い電圧にすれば、作業者やスプレーガンへの塗料粒子の付着を少なくできることが判った。この場合、塗料粒子の噴霧は停止しないで済むから、噴霧開始時での塗装むらもないことが判った。ここで、前記直流高電圧発生部は前記被塗装物に対するスプレーガンの離間距離が遠くなると当該直流高電圧発生部自体の電流が減少することが判っており、この現象を利用してスプレーガンと被塗装物との離間距離を検出することが可能である。
上述のことを考慮した請求項1の発明は、塗料を微粒子化してノズルから噴霧するスプレーガンと、このスプレーガン内に設けられ直流の高電圧を発生する直流電圧発生部とを備え、前記スプレーガンにより噴霧される塗料粒子を、前記直流高電圧発生部により負又は正の高電圧に帯電させ、被塗装物に対して吸着させて静電塗装を行う静電塗装装置において、前記直流高電圧発生部に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記スプレーガンと前記被塗装物との間の離間距離が所定距離以上離れたことを前記高電圧下で判定するための第1の基準値と、前記離間距離が前記所定距離より近づいたことを前記高電圧よりも低い低電圧下で判定するための基準値であって前記第1の基準値よりも低く設定された第2の基準値とを有し、前記直流電圧発生部が前記高電圧を出力している状態で前記電流検出手段による検出電流が前記第1の基準値以下となったときに前記直流高電圧発生部の出力電圧を前記低電圧に変更し、前記直流電圧発生部が当該低電圧を出力している状態で前記検出電流が前記第2の基準値以上となったときに前記直流高電圧発生部の出力電圧を前記高電圧に変更する出力電圧変更手段と、を備えたところに特徴を有する。
上述の請求項1の発明においては、前記直流電圧発生部が前記高電圧を出力している状態で前記電流検出手段による検出電流が前記第1の基準値以下となったときに、これをもって被塗装物に対するスプレーガンの離間距離が遠くなったことを検出でき、そして、この検出に基づいて、前記直流高電圧発生部の出力電圧を前記低電圧に変更するから、スプレーガンが被塗装物に対して遠くなった場合に、塗料粒子に対する帯電電圧を小さくすることで塗料粒子の噴霧を停止することなく作業者やスプレーガンへの塗料粒子の付着を防止できる。
そしてこの請求項1の発明においては、前記直流電圧発生部が当該低電圧を出力している状態では前記検出電流が前記第2の基準値以上となったときに、これをもって、被塗装物に対してスプレーガンが近づいたことを支障なく検出することができ、そして、同時に、前記直流高電圧発生部の出力電圧を前記高電圧に変更するから、前記直流高電圧発生部の出力電圧を静電塗装に適した高電圧に戻すことができる。
ここで、前記直流高電圧発生部の出力電圧を、作業者やスプレーガンへの塗料粒子の付着防止のために低電圧に落としてしまうと、前記高電圧下用の前記第1の基準値では、当該低電圧状況下でのスプレーガンの被塗装物への接近に対応する直流高電圧発生部の電流を検出できなくなるが、この請求項1の発明では、低電圧下での前記スプレーガンの被塗装物への接近を検出するための電流判定値として第2の基準値を設定し、前記直流電圧発生部が当該低電圧を出力している状態で前記検出電流が当該第2の基準値以上となったときに前記直流高電圧発生部の出力電圧を前記高電圧に変更するから、直流高電圧発生部の出力電圧を低電圧としたにもかかわらずスプレーガンの被塗装物に対する接近を正確に検出でき、よって低電圧状態から支障なく通常の高電圧での静電塗装に移行できる。しかも、自動的に直流高電圧発生部の出力電圧の切替を行なうので、作業者がスプレーガンと被塗装物との距離が離れたときに逐一電圧切替操作を行う必要がなく、作業効率が低下することがない。
請求項2の発明は、前記出力電圧変更手段が、前記検出電流をA/D変換する機能を有し、且つ当該A/D変換する場合の分解能を変更可能であり、前記高電圧下での分解能よりも前記低電圧下での分解能を高くしたところに特徴を有する。
直流高電圧発生部の出力電圧が高電圧である場合、スプレーガンと被塗装物との離間距離に応じて当該直流高電圧発生部に流れる電流は、変化率が比較的大きく、検出電流と第1の基準値との一致点の判定も行いやすい。しかし、直流高電圧発生部の出力電圧が低電圧である場合には、当該直流高電圧発生部に流れる電流は電流自体小さく且つその変化率も小さくなり、検出電流と第2の基準値との一致点の判定も不安定となる。この点、上述した請求項2の発明では、低電圧下での検出電流に対するA/D変換の分解能を高くすることで、検出電流に対する第2の基準値の判定精度を高めることができる。
請求項3の発明は、前記出力電圧変更手段が、交流電源装置を備え、
この交流電源装置は、直流電圧をスイッチング素子によりスイッチングすることにより交流電圧を発生し、当該直流電圧の変更又は当該スイッチング素子のデューティー比の変更により出力交流電圧を変更することが可能であり、前記直流高電圧発生部はこの交流電源装置の出力交流電圧を入力しこの交流電圧の大きさに応じた直流電圧を出力するところに特徴を有する。
これによれば、当該交流電源装置の出力交流電圧を変更することで直流高電圧発生部の出力電圧を変更することができる。この場合交流電源装置の出力交流電圧の変更が容易であり、ひいては直流高電圧発生部の出力電圧の変更が容易となる。
本発明によれば、作業効率を下げることなく且つ塗装むらなく塗装でき、さらに、作業者やスプレーガンに対する塗料粒子の付着を防止できる。
本発明の第1の実施形態による静電塗装装置の機能的ブロック図 制御部の制御内容を示すフローチャート スプレーガンと被塗装物の離間距離とカスケードに流れる電流との関係を示す図 本発明の第2の実施形態を示す図2相当図
以下、本発明の第1の実施形態について、図1から図3を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態に係る静電塗装装置1の電気的構成を概略的に示すブロック図である。静電塗装装置1は、スプレーガン2、このスプレーガン2に内蔵されたカスケード(本発明でいう、直流高電圧発生部に相当)3、このカスケード3に接続ケーブル4を介して接続された交流電源装置5を有する制御装置6を備えて構成されている。接続ケーブル4は、交流電圧Vacを供給するための電源ケーブル4a、4bと、後述する電流検出回路(本発明でいう、電流検出手段に相当)14のための電流検出ケーブル4cを備えて構成されている。
スプレーガン2は、例えば電気的絶縁性を有するポリアセタール樹脂やフッ素樹脂などの合成樹脂により本体が形成されている。このスプレーガン2は、一般的な静電塗装に用いられる構成を備えており、ノズル2a、及びこのズル2aの近傍に設けられた霧化エア孔及びパターン形成エア孔など(いずれも図示せず)を備えている。
さらにスプレーガン2は、内部に塗料バルブ15及びエアバルブ16を備えており、これら塗料バルブ15及びエアバルブ16は、このスプレーガン2が備えたトリガ2b(図1に概略的に示す)が引き操作されることにより開放される。前記塗料バルブ15は前記塗料ポンプ17を介して塗料タンク18に接続されている。又前記エアバルブ16は、コンプレッサ19に接続されており、該コンプレッサ19とエアバルブ16との間のエア配管経路にはエアフロースイッチ20が介在されている。
このエアフロースイッチ20は、制御装置6に設けられており、前記エア配管経路にエアが流れることで動作し、エア流通検出信号つまりトリガ操作検出信号を後述の制御部13へ与えるようになっている。
そして前記コンプレッサ19から供給された圧縮空気を霧化エア孔及びパターン形成エア孔から吐出することにより、塗料タンク18から供給された塗料を霧化するとともに、霧化した塗料粒子を塗装に適した形状(塗装パターン)に形成して噴霧する。
前記カスケード3は、昇圧トランス3a、倍電圧整流回路3b、出力抵抗3cを備えており、前記交流電源装置5から供給される交流電圧Vacに比例した大きさの直流電圧Vdcを発生させる。すなわち、昇圧トランス3aに入力された交流電圧Vacは、昇圧された後に例えばコッククロフト−ウォルトン型の倍電圧整流回路3bにより昇圧及び整流され、60kV〜100kV程度の高電圧に変換される。この倍電圧整流回路3bは、回路内のダイオード(図示せず)の向きを変えることにより、出力電圧の極性を接地電位に対して正(プラス)、又は負(マイナス)のいずれかにすることができる。本実施形態の場合、倍電圧整流回路3bの出力電圧の極性は接地電位に対して負になるように構成されており、スプレーガン2のズル2aの近傍に設けられているピン状の電極7には、出力抵抗3cを介して負極性の直流電圧Vdc(通常の静電塗装に適した高電圧)が供給される。
交流電源装置5は、発振回路8、直流電源9、2個のスイッチング素子10、11、出力トランス12を備えており、この交流電源装置5と制御部13とで出力電圧変更手段たる出力電圧変更装置21を構成している。
前記直流電源9の出力は、出力トランス12の1次側において、スイッチング素子10、11を介して電源グランドに接続されている。具体的には、直流電源9の出力端子は、出力トランス12とスイッチング素子10とにより接地電位に対して正側に、出力トランス12とスイッチング素子11とにより接地電位に対して負側になるように接続されている。
スイッチング素子10、11は、例えばMOSFETなどの半導体スイッチにより構成されており、通電により導通状態が制御可能である。スイッチング素子10、11は、通電されると導通状態(オン)になり、通電が停止されると非導通状態(オフ)になり、発振回路8及び制御部13によりオン/オフが制御されている。制御部13は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備えたマイクロコンピュータにより構成されており、スイッチング素子10、11の通電時間(オン時間)を制御するための指令信号を発振回路8に対して出力する。発振回路8は、この指令信号に基づいてパルス状の駆動信号を生成し、それぞれのスイッチング素子10、11へ出力する。
スイッチング素子10、11は、発振回路8から出力される駆動信号に連動してその通電状態が変化し、直流電源9の出力を正側或いは負側に切替える。駆動信号は、スイッチング素子10、11のオン状態が互いに重なることがないタイミングで出力され、この駆動信号のパルス幅に応じてスイッチング素子10、11が交互にオン/オフを繰り返すことにより、出力トランス12の2次側に、直流電源9の出力電圧に応じた低電圧の交流電圧Vacが発生する。
ここで、前記制御部13は前記スイッチング素子10、11の通電時間(オン時間)を変更する指令信号を発振回路8に対して出力することで、前記交流電圧Vacの電圧値を変更可能である。つまり前記スイッチング素子10、11の通電時間(オン時間)を予め定められた第1の所定時間(第1のデューテュー比)とする指令信号を出力することにより前記交流電圧Vacを、第1の交流電圧Vac1にでき、この第1の所定時間より短い第2の所定時間とする(デューテュー比を第2のデューテュー比とする)指令信号を出力することにより前記第1の交流電圧Vac1より低い第2の交流電圧Vac2とすることができる。
この交流電圧Vac(Vac1、Vac2)は、接続ケーブル4を介してカスケード3に供給される。
カスケード3は、交流電圧Vacの大きさに応じた直流電圧Vdcを発生させる。交流電圧Vacが第1の交流電圧Vac1であるときには、直流電圧Vdcとして高電圧Vdc1(例えば60kV、第1の電圧)を出力し、交流電圧Vacが第2の交流電圧Vac2であるときには、直流電圧Vdcとして低電圧Vdc2(例えば20kV、第2の電圧)を出力する。この直流電圧Vdcは、出力抵抗を介して、電極7に供給される。
電流検出回路14は、接続ケーブル4(電流検出ケーブル4c)を介してカスケード3に流れる電流の大きさを検出して前記制御部13に与えており、この制御部13は、検出電流が、予め設定した過剰電流判定基準値を超えたときに、異常有りと判断し、例えば発振回路8の動作を停止させて交流電源装置5の出力を停止するなどの処理を実行する。
さらに、この制御部13は、前記過剰電流判定基準値の他に、第1の基準値Ik1と第2の基準値Ik2と(図3参照)を設定している。前記第1の基準値Ik1は、前記スプレーガン2と前記被塗装物22との間の離間距離が所定距離(例えば300mm)以上離れたことを前記高電圧Vdc1下で判定するための電流判定用基準値であり、又、前記第2の基準値Ik2は、前記離間距離が前記所定距離より近づいたことを前記低電圧Vdc2下で判定するための電流判定用基準値である。
又、この制御部13は、前記低電圧下での検出電流の検出分解能を高くしている。すなわち、カスケード3の出力電圧が図3の特性線Aで示す高電圧Vdc1である場合、スプレーガン2と被塗装物22との離間距離と、カスケード3に流れる電流との関係は、上記特性線Aのようになるが、この電流特性は変化率が比較的大きく、検出電流と第1の基準値Ik1との一致点の判定も行いやすい。しかし、カスケード3の出力電圧が図3の特性線Bで示す低電圧Vdc2である場合には、この電流は小さく、しかも第2の基準値Ik2付近での変化率が小さい。このため検出電流に対するA/D変換の分解能を高くすることで、検出電流に対する第2の基準値Ik2判定精度を高めるようにしている。
この制御部13における検出分解能は、次のようにして変更する。すなわち、この制御部13は、電流検出回路14から与えられる検出電流をA/D(アナログ/デジタル)変換するA/D変換器(図示せず)を備えており、カスケード3の高電圧Vdc1下では、アナログ電流値におけるある設定上限電流値から設定下限電流値までの電流範囲を、所定ビット数で区分してデジタル値に変換する。そしてカスケード3の低電圧Vdc2下では、前記所定ビット数を増加することで分解能を高くしている。この場合、ビット数を変更せずに検出範囲を第2の基準値Ik2を中心とした狭い検出電流領域とし、前記高電圧Vdc1下と同じ所定ビット数でデジタル値化するようにしても良く、この場合も相対的に高分解能とすることが可能である。
さて、上記した構成の静電塗装装置1において、制御部13は、静電塗装のための制御プログラムを保有しており、その制御プログラムに従う制御内容について図2を参照して説明する。塗料ポンプ17及びコンプレッサ19をオンした上で、作業者がトリガ2bを引き操作すると、エアフロースイッチ20がオンする。
制御部13は、ステップS1でエアフロースイッチ20のオンを判断すると、ステップS2で交流電源装置5の出力電圧を低電圧である第2の交流電圧Vac2とするための指令を初期指令として交流電源装置5の発振回路8に出力する。これにより、交流電源装置5は前記低電圧である第2の交流電圧Vac2を出力し、カスケード3は低電圧Vdc2を出力する。
ここで、トリガ2bの引き操作で、カスケード3の初期電圧を、低電圧Vdc2とする理由は、作業者は最初はスプレーガン2を被塗装物22から離れた部位に位置させてトリガ2bを引く(塗料粒子の噴霧を開始するが、未だ被塗装物22への噴霧には至らない)から、カスケード3は高電圧Vdc1でなくても良い、というところにある。
この場合、カスケード3の電圧は低電圧Vdc2であるから、塗料粒子に対する帯電電気量が小さく、当該塗料粒子が作業者やスプレーガン2に付着することはない。
そして、ステップS3では、電流検出の分解能を高分解能に設定し、電流検出回路14からの検出電流(A/D変換値(デジタル値))が前記第2の基準値Ik2以上となったか(作業者がスプレーガン2を被塗装物22に対して離間距離が300mm以下に近づけたか)否かを判断し、第2の基準値Ik2以上となったと判断されれば、ステップS5に移行して、交流電源装置5の出力電圧を高電圧である第1の交流電圧Vac1とするための指令を交流電源装置5の発振回路8に出力する。これにより、カスケード3は静電塗装に適した高電圧Vdc1を出力する。
この高電圧Vdc1が電極7に供給されると、電極7においてコロナ放電が発生し、スプレーガン2から噴霧された塗料粒子が帯電される。被塗装物22は、接地(アース)されて陽極となり、交流電源装置5などと同電位(アース電位)になっている。静電塗装装置1は、通常は、このような塗料粒子を帯電させることによりアースされた被塗装物22に電気的な吸着力により塗着させる静電塗装を実行する。
前記ステップS5に続くステップS6では、検出電流に対する分解能を通常に戻す。
そしてステップS7では、電流検出回路14による検出電流が第1の基準値Ik1以下か(作業者がスプレーガン2を被塗装物22に対して300mm超離したか)否かを判断する。検出電流が第1の基準値Ik1以下であれば、ステップS8に移行して交流電源装置5の出力電圧を低電圧である第2の交流電圧Vac2とするための指令を初期指令として交流電源装置5の発振回路8に出力する。これにより、交流電源装置5は前記低電圧である第2の交流電圧Vac2を出力し、カスケード3は低電圧Vdc2を出力する。この場合、カスケード3の電圧は低電圧Vdc2であるから、塗料粒子に対する帯電電気量が小さく、当該塗料粒子が作業者やスプレーガン2に付着することはない。
なお、トリガ2bの引き操作を解除すると、上述の制御動作は中止され、エアフロースイッチ20オン待機状態となる。
上述した実施形態においては、カスケード3が高電圧dc1を出力している状態で電流検出回路14による検出電流が第1の基準値Ik1以下となったときにカスケード3の出力電圧を低電圧Vdc2に変更することで、被塗装物22に対するスプレーガン2の離間距離が遠くなったことを前記検出電流に基づいて検出し、そして、これに基づいてカスケード3の出力電圧を低電圧Vdc2に変更するから、スプレーガン2が被塗装物22に対して遠くなった場合に、塗装粒子の噴霧を停止することなく作業者やスプレーガン2への塗料粒子の付着を防止できる。このように、塗料粒子の噴霧は停止しないで済むから、噴霧開始時での塗装むらもない
さらに本実施形態においては、カスケード3が低電圧Vdc2を出力している状態では検出電流が第2の基準値Ik2以上となったときにカスケード3の出力電圧を高電圧Vdc1に変更するから、被塗装物22に対してスプレーガン2が近づいたことを支障なく検出することができ、そして、カスケード3の出力電圧を静電塗装に適した高電圧Vdc1に戻すことができる。
前記カスケード3の出力電圧を、作業者やスプレーガン2への塗料粒子の付着防止のために低電圧Vdc2に落としてしまうと、前記高電圧Vdc1下用の前記第1の基準値Ik1では、当該低電圧Vdc2状況下でのスプレーガン2の被塗装物22への接近に対応するカスケード3の電流を検出できなくなるが、この実施形態では、低電圧Vdc2下での前記スプレーガン2の被塗装物22への接近を検出するための電流判定値として第2の基準値Ik2を設定し、カスケード3が当該低電圧Vdc2を出力している状態で前記検出電流が当該第2の基準値Ik2以上となったときにカスケード3の出力電圧を高電圧Vdc1に変更するから、カスケード3の出力電圧を低電圧Vdc2としたにもかかわらずスプレーガン2の被塗装物22に対する接近を正確に検出でき、よって低電圧Vdc2状態から支障なく通常の高電圧Vdc1での静電塗装に移行できる。しかも、自動的にカスケード3の出力電圧の切替えを行なうので、作業者がスプレーガン2と被塗装物22との距離が離れたときに逐一電圧切替操作を行う必要がなく、作業効率が低下することがない。
このように本実施形態によれば、作業効率を下げることなく且つ塗装むらなく塗装でき、しかも、スプレーガン2が被塗装物と離間した状態における作業者やスプレーガン2に対する塗料粒子の付着を防止できる。
又、上述の実施形態では、出力電圧変更装置21の制御部13が検出電流をA/D変換する機能を有し、当該A/D変換する場合の分解能を変更可能であり、高電圧Vdc1下での分解能よりも低電圧Vdc2下での分解能を高くすることで、低電圧Vdc2状態での第2の基準値Ik2と検出電流との一致点判定を精度よく行い得る。
又、上述の実施形態においては、出力電圧変更装置21が、交流電源装置5を備え、この交流電源装置5が、直流電源9の直流電圧をスイッチング素子10、11によりスイッチングすることにより交流電圧Vacを発生し、当該スイッチング素子10、11のデューティー比の変更により出力交流電圧Vacを変更することが可能であり、カスケード3はこの交流電源装置5の出力交流電圧Vacを入力しこの交流電圧Vacの大きさに応じた直流電圧Vdcを出力するから、当該交流電源装置5の出力交流電圧Vacを変更することでカスケード3の出力電圧Vdcを高電圧Vdc1と低電圧Vdc2とに変更することができる。この場合交流電源装置5の出力交流電圧Vacの変更が容易であり、ひいてはカスケード3の出力電圧の変更が容易となる。なお、交流電源装置5の出力交流電圧Vacを変更するについては直流電源9を出力電圧可変に構成し、当該直流電源9の直流電圧を変更するようにしても良い。又、塗料粒子は正に帯電させても良く、この場合被塗装物22は陰極とすると良い。
図4は本発明の第2の実施形態を示しており、この第2の実施形態では、カスケード3の初期の出力電圧を高電圧Vdc1とした点が第1の実施形態と異なる。この第2の実施形態では、塗装開始前に帯電立ち上がりを試すことができ、その後第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図面中、1は静電塗装装置、2はスプレーガン、2bはトリガ、3はカスケード(直流高電圧発生部)、5は交流電源装置、9は直流電源、10、11はスイッチング素子、14は電流検出回路(電流検出手段)、21は出力電圧変更装置(出力電圧変更手段)を示す。

Claims (3)

  1. 塗料を微粒子化してノズルから噴霧するスプレーガンと、このスプレーガン内に設けられ直流の高電圧を発生する直流電圧発生部とを備え、前記スプレーガンにより噴霧される塗料を、前記直流高電圧発生部により負又は正の高電圧に帯電させ、被塗装物に対して吸着させて静電塗装を行う静電塗装装置において、
    前記直流高電圧発生部に流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記スプレーガンと前記被塗装物との間の離間距離が所定距離以上離れたことを前記高電圧下で判定するための第1の基準値と、前記離間距離が前記所定距離より近づいたことを前記高電圧よりも低い低電圧下で判定するための基準値であって前記第1の基準値よりも低く設定された第2の基準値とを有し、前記直流電圧発生部が前記高電圧を出力している状態で前記電流検出手段による検出電流が前記第1の基準値以下となったときに前記直流高電圧発生部の出力電圧を前記低電圧に変更し、前記直流電圧発生部が当該低電圧を出力している状態で前記検出電流が前記第2の基準値以上となったときに前記直流高電圧発生部の出力電圧を前記高電圧に変更する出力電圧変更手段と、
    を備えたことを特徴とする静電塗装装置。
  2. 前記出力電圧変更手段は、前記検出電流をA/D変換する機能を有し、且つ当該A/D変換する場合の分解能を変更可能であり、前記高電圧下での分解能よりも前記低電圧下での分解能を高くしたことを特徴とする請求項1に記載の静電塗装装置。
  3. 前記出力電圧変更手段は、交流電源装置を備え、
    この交流電源装置は、直流電圧をスイッチング素子によりスイッチングすることにより交流電圧を発生し、当該直流電圧の変更又は当該スイッチング素子のデューティー比の変更により出力交流電圧を変更することが可能であり、
    前記直流高電圧発生部はこの交流電圧の大きさに応じた直流電圧を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の静電塗装装置。
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