JP5730073B2 - タービンの車室構造及びタービンの車室の内部部材取り出し方法 - Google Patents
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そのため、外部車室を大型化すると、上部車室も大型化するため、前記移動に際して従来よりも高い位置まで上部車室を吊り上げる必要があり、従来よりも蒸気タービンが設置される建屋の天井高さを高くしなければならない。そのため、蒸気タービンの大型化に伴い、天井の高さによっては既設の建屋の天井を高くしなければならない可能性が生じるとともに、新規に建屋を建設する場合にも建屋の天井高さを高くする必要があり建屋の建設費用が高額になるという課題が生じる。
しかしながら、外部車室を特許文献1に開示されたようにロータを中心に4分割可能な構成としても、外部車室の上部の部品の高さは上部車室と変わらないため、前記吊り上げ時に吊り上げる高さが変わるわけではなく、課題を解決することはできない。
また、前記ガイド部を設けることで、上部車室を2分割したそれぞれの部材のスライド方向を規制し、確実に必要な方向へ移動させることができる。
前記ガイド部は、一方の前記フランジ部の対向面に設けた前記ロータの軸方向と直交する方向の溝と、他方の前記フランジ部の対向面に設けた前記溝に嵌合する突起部から構成されるとよい。
これにより、簡単にガイド部を形成することができる。
なお、前記フランジ部は、タービンの運転時等、上部車室と下部車室とを分割せずに使用する際に固定部として使用するものを利用できるため、既存のフランジに前記溝及び突起を設けるだけでよく本発明を実施するための改造も容易である。
さらに、上部車室を2分割したそれぞれの部材を前記回転中心を中心に回動可能に軸支することで、該部材の移動向を規制して確実に必要な方向へ移動させることができる。
これにより、前記上部車室を2分割したそれぞれの部材を回転移動させ、該回転移動によってできた空間から内部車室、ロータ等の内部部材を取り出す際に、前記一部を取り外しておくことで、該一部を取り外した位置を越えるようにして前記内部部材を取り出すことで、内部部材を取り出す場合における内部部材の吊り上げ高さを低く抑えることができる。したがって、内部部材を吊り出す機械の省力化が可能となる。
図1は実施例1に係る蒸気タービンの正面図である。
図1に示すように、本実施例に係る蒸気タービン1は、ロータ2を取り巻く内部車室3と、内部車室3の外側に設けられる外部車室4とからなり、車室中央に流入した蒸気は、内部車室3内を前後に分流して流れた後、外部車室4両端の排気孔(不図示)から蒸気タービン1の下部に設置された復水器(不図示)に入るように構成されている。
図2は、実施例1に係る蒸気タービンの上部車室及びその周辺物の正面概略図である。図3は、実施例1に係る上部車室の上面図であり、図2におけるA方向矢視図に相当する。図4は実施例1に係る上部車室の側面図であり、図2におけるB方向矢視図に相当する。図5は実施例1における上部車室の斜視図である。
なお、窪み部45のロータ2の軸方向の長さlは、外部車室4の内部に収納される内部車室及びロータ2の軸方向の長さによって決定し、前記窪み部の長さlは内部車室及びロータ2の軸方向の長さ以上の長さとする。
図6は、上部車室41と下部車室42を結合するために用いる水平フランジ部の側面図であり、図1におけるC方向矢視図に相当する。
また、水平フランジ部4aには下側にロータ2の軸方向と直交する方向に溝部11aが設けられるとともに、水平フランジ部4bには上側に突起部11bが設けられている。溝部11aと突起部11bは水平フランジ部4aと4bを固定した際に嵌合するように構成されている。なお、本実施例においては水平フランジ部4aの下側に凹部、水平フランジ部4bの上側に凸部を設けたが、逆に水平フランジ部4aの下側に凸部、水平フランジ部4bの上側に凹部を設けることもできる。
さらに、水平フランジ部4aと水平フランジ部4bの接触面は、後述する上部車室開放時に水平フランジ部4aと水平フランジ部4bが左上部車室43及び右上部車室44の水平移動時の障害になりにくいため、低摩擦部材で形成することが好ましい。
その後、水平フランジ部4aと水平フランジ部4bとを固定している複数のボルト12を全て取り外す。また、左上部車室43と右上部車室44とを固定している前記固定手段を取り外す。該固定手段が例えばフランジとボルトである場合にはボルトを全て取り外す。
左上部車室43及び右上部車室44を水平移動させることで、図7に示すように、左上部車室43及び右上部車室44の間には上方に空間50ができる。
なお、左上部車室43及び右上部車室44の移動前の上部車室41と、移動方向に存在する障害物20との距離(図2に示したa)は、上部車室41のロータ軸方向と垂直方向の長さの半分以上の長さがあることが好ましいが、内部車室3のロータ軸方向と垂直方向の長さの半分以上の長さがあれば内部車室3の取り出しは可能である。
また、既設設備を本実施例の形態に改造した場合には、従来外部車室を吊り上げるために使用していた大型クレーンを使用する必要がなくなる。そのため、従来平行して行うことができなかったタービンの分割と、その他の大型クレーンを使用する作業を平行して行うことができ、タービンを含むプラント全体の定期点検等の場合の工程の短縮が可能となる。
図8は、実施例2に係る蒸気タービンの上部車室及びその周辺物の正面概略図である。また、図9は実施例2に係る上部車室の斜視図である。
さらに、上部車室41は、ロータ2の軸方向と直交する水平方向に2つに分割可能に構成されている。即ち、上部車室41は、左上部車室43と、右上部車室44とを固定手段(不図示)によって固定して組み立てることによって構成されている。なお、前記固定手段は、左上部車室43と右上部車室44とが蒸気タービン1の運転時など分割の必要がないときに分割してしまうことがないように固定できればよく、例えばフランジとボルトなどを用いることができる。
その後、水平フランジ部4aと水平フランジ部4bとを固定している複数のボルト12を全て取り外す。また、左上部車室43と右上部車室44とを固定している前記固定手段を取り外す。
次いで、部材41eを端板41aから取り外す。
左上部車室43及び右上部車室44の移動後は下部車室42の上方に空間ができる。
なお、図8に60で示したように、移動後の左上部車室43及び右上部車室44をそれぞれ支持する支持棒60を設ける必要がある。
また、既設設備を本実施例の形態に改造した場合には、従来外部車室を吊り上げるために使用していた大型クレーンを使用する必要がなくなる。そのため、従来平行して行うことができなかったタービンの分割と、その他の大型クレーンを使用する作業を平行して行うことができ、タービンを含むプラント全体の定期点検等の場合の工程の短縮が可能となる。
2 ロータ
3 内部車室
4 外部車室
11a 溝
11b 突起部
41 上部車室
42 下部車室
43 左上部車室(上部車室を2分割した部材)
44 右上部車室(上部車室を2分割した部材)
45 窪み部(小径位置)
Claims (7)
- 内部にロータが貫装される内部車室と該内部車室の外側に設けられる外部車室を有し、前記外部車室を上下に上部車室と下部車室に分割可能に構成されるタービンの車室構造において、
前記上部車室は垂直方向に2分割可能に構成されているとともに、
前記上部車室を2分割したそれぞれの部材が、前記ロータの軸方向と直交する方向へスライド移動するように規制するガイド部を設け、
前記上部車室は、
前記ロータの軸直交方向における断面が略半円状に形成されるとともに、
前記ロータを中心とした径がそれぞれ異なる小径位置と大径位置とを有し、
前記小径位置は、内部に前記内部車室又はロータが存在する前記ロータの軸方向の位置を含む
ことを特徴とするタービンの車室構造。 - 前記上部車室と、前記下部車室のそれぞれに互いに対向するフランジ部を設け、
前記ガイド部は、
一方の前記フランジ部の対向面に設けた前記ロータの軸方向と直交する方向の溝と、他方の前記フランジ部の対向面に設けた前記溝に嵌合する突起部から構成されることを特徴とする請求項1記載のタービンの車室構造。 - 内部にロータが貫装される内部車室と該内部車室の外側に設けられる外部車室を有し、前記外部車室を上下に上部車室と下部車室に分割可能に構成されているタービンの車室構造において、
前記上部車室は垂直方向に2分割可能に構成されているとともに、
前記上部車室を2分割したそれぞれの部材は、前記ロータの軸方向と同方向であり且つ前記下部車室に支持されている回転中心を中心に回動可能に軸支されていることを特徴とするタービンの車室構造。 - 前記上部車室は、
前記ロータの軸方向に対向して配置される2枚の半円状の端板と、該端板間に設けられる側板から形成されており、
前記端板は、前記ロータの軸方向と直交する方向の中心付近の下部の一部を取り外し可能に構成されていることを特徴とする請求項3記載のタービンの車室構造。 - 内部にロータが貫装される内部車室と該内部車室の外側に設けられる外部車室を有し、前記外部車室を上下に上部車室と下部車室に分割可能に構成され、前記上部車室を2分割したそれぞれの部材が、前記ロータの軸方向と直交する方向へスライド移動するように規制するガイド部を設けられ、前記上部車室は、前記ロータの軸直交方向における断面が略半円状に形成されるとともに前記ロータを中心とした径がそれぞれ異なる小径位置と大径位置とを有するものであるタービンの車室の内部部材取り出し方法であって、
前記上部車室と下部車室を分割した後、前記上部車室を垂直方向に2分割し、
該上部車室を2分割したそれぞれの部材を、前記ガイド部によりスライド方向を規制して、前記ロータの軸直交方向へスライド移動させ、
該スライド移動によってできた空間から前記外部車室内部の部材を前記小径位置の上部を越えて吊り出すことによって取り出すことを特徴とするタービンの車室の内部部材取り出し方法。 - 内部にロータが貫装される内部車室と該内部車室の外側に設けられる外部車室を有し、前記外部車室を上下に上部車室と下部車室に分割可能に構成されるタービンの車室の内部部材取り出し方法であって、
前記上部車室と下部車室を分割した後、前記上部車室を垂直方向に2分割し、
前記上部車室を2分割したそれぞれの部材を、前記ロータの軸方向と同方向であり且つ前記下部車室に支持されている回転中心を中心に回動させ、
該回動によってできた空間から前記外部車室内部の部材を取り出すことを特徴とするタービンの車室の内部部材取り出し方法。 - 前記ロータの軸方向に対向するように設けられて前記外部車室を構成する2枚の端板それぞれの、前記ロータの軸方向と直交する方向の中心付近の下部の一部を取り外してから、前記上部車室を2分割したそれぞれの部材を回動させることを特徴とする請求項6記載のタービンの車室の内部部材取り出し方法。
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