JP5729092B2 - 二色性色素、これを含む液晶組成物及び液晶素子 - Google Patents
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Description
現在用いられている液晶素子の多くはTN型やSTN型が主流である。しかし、これらの素子は偏光板を用いるため、光の利用効率が低いという欠点がある。これに対して、二色性色素を用いるゲストホスト型液晶組成物を適用した液晶素子は、二色性色素の吸収異方性を利用するため、偏光板不要で光の利用効率が高く、特にバックライトを用いない反射型表示素子の場合は明るい表示が可能となる。
広い波長領域において高い二色性を示す二色性色素組成物としては、例えば特許文献1には、特定構造のジスアゾ色素の少なくとも2種と特定構造のテトラキスアゾ色素を含む二色性色素組成物が提案されている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、広い波長領域において高い二色比を示すゲストホスト型液晶組成物を提供しうる二色性色素組成物を提供を提供することを目的とする。中でも、重要な可視光波長域である500〜650nmでの二色比の優れたゲストホスト型液晶組成物を提供しうる二色性色素組成物を提供することを目的とする。更に、該二色性色素組成物を含む液晶組成物、及び、液晶を提供することを目的とする。
[1] 下記(I)群〜(IV)群で示される二色性色素を各々の群から少なくとも1種
ずつ含み、さらに下記(V)群で示される色素を少なくとも1種含むことを特徴とする二色性色素組成物。
また、アゾ基で連結されるベンゼン環および/またはナフタレン環は更に置換基を有していてもよい。
また、アゾ基で連結されるベンゼン環および/またはナフタレン環は更に置換基を有していてもよい。
[3] 式[a]において、Rが連結する環Aが、シクロヘキサン−1,4−ジイル基で
あることを特徴とする上記[1]及び[2]に記載の二色性色素組成物。
[4]式[a]において、Rが炭素数2以上8以下の直鎖状アルキル基であることを特徴とする[1]〜[3]の何れかに記載の二色性色素組成物。
[5] 上記[1]〜[4]の何れかに記載の二色性色素組成物とホスト液晶を含むことを特
徴とするゲストホスト型液晶組成物。
[6] ホスト液晶がフッ素系液晶であることを特徴とする上記[5]に記載の液晶組成物
。
〔7〕 上記[5]又は[6]に記載のゲストホスト型液晶組成物を、少なくとも一方が透明
な1対の電極基板間に挟持したことを特徴とする液晶素子。
の効果を有する。
本発明の液晶組成物は、上記(I)群〜(IV)群、あるいは上記(I)群〜(V)群で示される二色性色素の組み合わせにより効果を奏するものである。
[I.二色性色素組成物]
[I−1:二色性色素]
本発明の二色性色素組成物に含まれる二色性色素(I)群〜(IV)群、及びは、二色性色素(I)群〜(IV)群を含む本発明の二色性色素組成物に含まれる好ましい二色性色素群(V)は、それぞれ下記式[I]〜[V]で示される。
また、アゾ基で連結されるベンゼン環および/またはナフタレン環は更に置換基を有していてもよい。
一般式[I]の二色性アゾ色素は、2ケのベンゼン環がアゾ基で連結し、アミノ基を有する上記骨格のモノアゾ色素であることで、通常、黄色を呈するものである。
<一般式[II]の基本構造>
一般式[II]の二色性アゾ色素は、ベンゼン環とナフタレン環がアゾ基で連結し、ベンゼン環にアミノ基を有する上記構造のジスアゾ色素であることで、通常、黄色を呈するものである。
一般式[III]の二色性アゾ色素は、ベンゼン環とナフタレン環がアゾ基で連結し、ベンゼン環にアミノ基を有する上記構造のジスアゾ色素であることで、通常、黄色を呈するものである。
<一般式[IV]の基本構造>
一般式[IV]の二色性アゾ色素は、1ケのベンゼン環と3つのナフタレン環がアゾ基で連結し、両末端のナフタレン環がアミノ基を有する上記構造のトリスアゾ色素であることで、通常、青色を呈するものである。
一般式[V]の二色性アゾ色素は、1ケのベンゼン環、硫黄原子及び窒素原子を有する1
ケの縮合複素環、並びに、1ケのナフタレン環がアゾ基で連結し、末端のナフタレン環がアミノ基を有する上記構造のジスアゾ色素であることで、通常、青色を呈するものである。
<X1〜X10について>
一般式[I]〜[IV]において、X1〜X10は、それぞれ独立に下記式[a]で表される基を示す。
式[a]において、Rは炭素数1〜12のアルキル基または炭素数1〜12のアルコキシ基である。
炭素数1〜12のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、オクチル基、ドデシル基などの直鎖状もしくは分岐鎖状のものが挙げられる。
炭素数1〜12のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、オクトキシ基等の直鎖状もしくは分岐鎖状のものが挙げられる。
二色比の点から好ましくは、炭素数2〜8の直鎖アルキル基または炭素数2〜8の直鎖アルコキシ基であり、更に好ましくは炭素数3〜8の直鎖アルキル基または炭素数3〜8の直鎖アルコキシ基であり、炭素数3〜8の直鎖アルキル基が特に好ましい。
環Aおよび環Bは各々独立に置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル基である。
環Aおよび環Bの1,4−フェニレン基またはシクロヘキサン−1,4−ジイル基が有していてもよい置換基としては、二色比を低下させないものであれば特に制限はなく、例えばメチル基;メトキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;およびモノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等のフルオロメチル基が挙げられる。二色比の点から好ましくは、メチル基、メトキシ基、フルオロメチル基であり更に好ましくは、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基である。
尚、環Aの内、置換基Rが連結する環Aは、シクロヘキサン−1,4−ジイル基であるのが、ホスト液晶への溶解性の点で好ましい。
Lは2価の連結基であり、環状構造を含まない。Lの2価の連結基としては、二色比を低下させないものであれば特に制限はなく、任意のものが用いられるが、連結方向の構成原子数が1〜4であることが好ましい。
具体的には、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アルキレンオキシ基(−アルキレン−O−)、オキシアルキレン基(−O−アルキレン−)、エステル基(カルボニルオキシ基(但し、オキシ基が環Bに結合する)、オキシカルボニル基(但し、オキシ基が環Aに結合する))、あるいはそれらを組み合わせた基が挙げられる。アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基等の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基が挙げられ、アルケニレン基としては、ビニレン基、プロペニレン基、イソプロペニレン基、ブテニレン基、イソブテニレン基、sec−ブテニレン基、tert−ブテニレン基等の炭素数2〜4の直鎖状又は分岐状のアルケニレン基が挙げられ、アルキニレン基としては、エチニレン基、プロピニレン基、イソプロピニレン基、ブチニレン基、イソブチニレン基、sec−ブチニレン基、tert−ブチニレン基等の炭素数2〜4の直鎖状又は分岐状のアルキニレン基が挙げられ、アルキレンオキシ基とし
ては、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基の炭素数1〜4のアルキレンオキシ基が、オキシアルキレン基としては、オキシメチレン基、オキシエチレン基等の炭素数1〜4のオキシアルキレン基が挙げられ、エステル基としては、オキシカルボニル基、メチレンオキシカルボニル基、エチレンオキシカルボニル基、プロピレンオキシカルボニル基、イソプロピレンオキシカルボニル基、tert−ブチレンオキシカルボニル基等のアルキレン基で置換されていてもよいオキシカルボニル基及びカルボニルオキシ基、メチレンカルボニルオキシ基等のアルキレン基で置換されていてもよいカルボニルオキシ基が挙げられる。
この中でも、連結方向の構成原子数が2であるものがさらに好ましく、例えば、エチレン基、ビニレン基、エチニレン基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、メチレンオキシ基、又はオキシメチレン基が好ましい。もっとも好ましいのは、−CH2O−基、−OCH2−基または−C≡C−基である。
pは0、1または2であり、高コントラスト化や液晶への溶解性の点から1または2が好ましい。但し、色素が一般式[V]の場合は、pは0又は1が好ましい。
qおよびrは各々独立に0または1である。pが2であるとき、2つの環Aは同一であっても異なっていてもよい。
なお、式[a]に含まれる1,4−フェニレン基とシクロヘキサン−1,4−ジイル基の合計数(p+r)が1または2であって、かつq=0であるとき、1,4−フェニレン基とシクロヘキサン−1,4−ジイル基とはいずれも環Aとみなす。
(X1〜X10の好適構造の例)
以下に、X1〜X10の好適構造の例を挙げる。
一般式[I]の置換基X1としては、化合物の製造法、安定性、二色比、ホスト液晶への溶解性等の点から、p=1または2、かつq=r=0であるものが好ましく、中でも以下の置換基が好ましい。
一般式[I]〜[V]において、アゾ基で連結されるベンゼン環および/またはナフタレン環は更に置換基を有していてもよい。このような置換基としては、二色性色素の性能を妨げるものでなければ特に制限はなく、例えばメチル基;メトキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;およびモノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等のフルオロメチル基が挙げられる。二色比の点から好ましくは、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基である。
Aは水素結合性置換基を示す。水素結合性置換基は、分子間や分子内において水素結合を形成しうる置換基であれば特に限定されず、例えば、窒素、酸素、硫黄、ハロゲンなどと水素結合を形成しうる水素を最低1つ有する置換基が挙げられ、かかる水素は、通常、
脂肪族炭素と結合している水素原子よりも電子密度が低いものである。このような水素を有するAで表される水素結合性置換基としては、例えば、−NH2、アルキルアミノ基、
−SH、−OH、カルボアミド基、−NH−C(=R)NH2(Rは酸素原子またはイミ
ノ基を表す。)、−NH−COCF3、スルホンアミド基などが挙げられ、中でも−OH
基が特に好ましい。
以下に本発明で使用できる各郡の色素の例をまとめて示すが、本発明の要旨を超えない限り、これらに限定されるものではない。
(I)群
左から順に、後述の式[b]で表される任意の部分構造と、後述の式[d]で表される任意の部分構造と、後述の式[c]で表される任意の部分構造の3つの部分構造が任意の組み合わせで結合した全ての構造
(II)群
左から順に式[b]で表される部分構造と、式[e]で表される任意の部分構造と、式[c]で表される任意の部分構造の3つの部分構造が任意の組み合わせで結合した全ての構造
(III)群
左から順に後述の式[b]で表される任意の部分構造と、後述の式[f]で表される任意の部分構造と、後述の式[c]で表される任意の部分構造の3つの部分構造が任意の組み合わせで結合した全ての構造
(IV)群
左から順に後述の式[c]で表される任意の部分構造と、後述の式[g]で表される任意の部分構造と、後述の式[c]で表される任意の部分構造の3つの部分構造が任意の組み合わせで結合した全ての構造
(V)群
左から順に後述の式[b]で表される任意の部分構造と、後述の式[h]で表される任意の部分構造と、後述の式[b]で表される任意の部分構造の3つの部分構造が任意の組み合わせで結合した全ての構造
部分構造[b]
部分構造[c]
部分構造[d]
一般式[I]〜[V]で表されるアゾ系二色性色素は、既知の方法で製造できるが、例えば下記の文献が参考になる。
「Dichroic Dyes for Liquid Crystal Display」(A. V. Ivashchenko著、CRC社、1994年)
およびこれに引用されている文献
「総説合成染料」(堀口博著、三共出版、1968年)
およびこれに引用されている文献
特開2009−007485号公報
特開2009−007486号公報
特開2000−239664号公報(一般式(V)の色素の左側合成手法)
米国特許第2365345号(一般式(V)の色素の右側合成手法)
[I−2:二色性色素組成物]
本発明の二色性色素組成物は、上述の一般式[I]〜[IV]で示される(I)群〜(IV)群の各群から、少なくとも1種ずつの二色性色素を含むことを特徴とし、好ましくは、更に一般式[V]で示される(V)群の二色性色素の少なくとも1種を含有する。
(I)群、(II)群、(III)群、(IV)群および(V)群で表される各色素群の使用量は、得ようとする色相によって適宜選択されるが、特に500nm〜650nmの波長領域で平坦な吸収を得ようとする場合には、全色素量を100重量部とした場合、(I)群色素5〜35重量部、(II)群色素5〜35重量部、(III)群色素5〜35重量部、(IV)群色素5〜50重量部、及び(V)群色素を使用する場合には、5〜
25重量部の割合で使用することが好ましく、更に好ましくは、(I)群色素10〜25重量部、(II)群色素10〜25重量部、(III)群色素10〜25重量部、(IV)群色素20〜45重量部、及び(V)群色素を使用する場合には、10〜20重量部の割合で使用される。又、(I)群色素1重量部に対して(II)群色素が0.2〜5重量部、(III)群色素が0.1〜3重量部、(IV)群色素が0.3〜7重量部、(V)群色素0.2〜5重量部であることが好ましく、特に(I)群色素1重量部に対して(II)群色素が0.5〜3重量部、(III)群色素が0.2〜2重量部、(IV)群色素が1〜4重量部、(V)群色素0.5〜2重量部であることが好ましい。
本発明の二色性色素組成物には、本発明の効果を損なわない範囲でその他の成分を含んでいてもよい。
そのような色素としては、二色比の高い二色性色素が好ましいが、例えば下記(VI)群または(VII)群で示される色素があげられる。
((VI)群:式[VI]で表されるアゾ系二色性色素)
式[VI]において、X11およびX12の置換基としては、化合物の製造法、安定性、二色比、ホスト液晶への溶解性等の観点から選択することができる。X11およびX12の具体例としては、例えば前述の式[I]〜[V]においてX1〜X10で定義された置換基が挙げられる。
また、式[VI]において、アゾ基で連結されるベンゼン環および/またはナフタレン環が、更に有していてもよい置換基としては、前述の式[I]〜[V]においてアゾ基で連結されるベンゼン環および/またはナフタレン環が有していてもよい置換基として例示したものが挙げられる。
(VI)群色素の具体例を以下に挙げる。
式〔VII]において、X13およびX14の置換基としては、化合物の製造法、安定性、二色比、ホスト液晶への溶解性等の観点から選択することができる。
X13およびX14の具体例としては、前述の式[I]〜[V]においてX1−X10で定義された置換基が挙げられる。
また、式〔VII]において、アゾ基で連結されるベンゼン環および/またはナフタレン環が、更に有していてもよい置換基としては、前述の式[I]〜[V]においてアゾ基で連結されるベンゼン環および/またはナフタレン環が有していてもよい置換基として例示したものが挙げられる。
(VII)群色素の具体例を以下に挙げる。
[II.液晶組成物]
本発明の液晶組成物は、上述の本発明の二色性色素組成物と、ホスト液晶材料を含むことを特徴とするゲストホスト型液晶組成物である。
[II−1:ホスト液晶]
本発明のゲストホスト型液晶組成物に用いるホスト液晶材料としては、以下に示す一般式〔VIII]〜一般式[XII]で表される液晶化合物を主成分とするNp型液晶材料、Nn型液晶材料が挙げられる。
R22、R23は、それぞれ独立に、水素原子;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を表す。
R25、R26は、それぞれ独立に、シアノ基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を表す。
R20、R24、R27、R28、R29、R30、R31は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアルコキシアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基を表す。)
なお、本発明のゲストホスト型液晶組成物に用いるホスト液晶材料は、好ましくは以下の特性を有する。
ネマチック相−等方性液体相転移温度(NI点)が60℃以上、好ましくは80℃以上であり、また、130℃以下、好ましくは110℃以下である。一般にNI点が過度に低いと動作温度範囲が狭くなる。過度に高いとホスト液晶の粘度増大を招きやすく、応答性能が低下する。
Δεの絶対値が2以上、好ましくは3以上であり、また、20以下、好ましくは10以下である。一般にΔεが過度に低いと高い駆動電圧が必要となる。過度に高いとホスト液晶の粘度増大を招きやすく、応答性能が低下する。
更に上記の液晶化合物にはコレステリルノナノエートのような光学活性物質、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加物を含有しても良い。
また、本発明の二色性色素組成物は、フッ素系化合物を含むホスト材料との組み合わせにおいて、特に良好な二色性比を有する。
本発明の液晶組成物は、前記(I)群、(II)群、(III)群及び(IV)の各々の群から選ばれる少なくとも1種ずつの二色性色素、好ましくは、更に(V)群の少なくとも1種の二色性色素、またはこれらを含む本発明の二色性色素組成物を、上記のホスト液晶化合物に、公知の方法に従って溶解させることにより、容易に調製することができる。
この際、本発明の二色性色素組成物は1種を用いても、2種以上を用いてもよい。
(I)群、(II)群、(III)群、(IV)群および(V)群で表される各色素群の使用量は、得ようとする色相によって適宜選択されるが400〜600nm、特に500nm〜650nmの波長領域で平坦な吸収を得ようとする場合には、全色素量を100重量部とした場合、(I)群色素5〜35重量部、(II)群色素5〜35重量部、(III)群色素5〜35重量部、(IV)群色素5〜50重量部、(V)群色素5〜25重量部の割合で使用することが好ましく、(I)群色素1重量部に対して(II)群色素が0.2〜5重量部、(III)群色素が0.1〜3重量部、(IV)群色素が0.3〜7重量部、(V)群色素0.2〜5重量部であることが好ましい。
本発明の二色性色素組成物を2種以上用いる場合には、その合計量が上記範囲内となるようにする。
本発明のゲストホスト型液晶組成物が、本発明に係る前記(I)〜(V)群の二色性色素以外に含んでいてもよい色素としては、二色比の高い二色性色素が好ましいが、例えば前記(VI)群または(VII)群で示される色素があげられる。
(二色比)
このように調整されたゲストホスト型液晶組成物は、400nm〜650nmの波長範囲、更に、450nm〜600nm、特に500nm〜650nmにおいて高い二色比を示す。ここで二色比とは、液晶組成物を液晶セルに注入後、電圧印加により液晶組成物の
配向を変化させた際の吸光度の比を言い、次式で計算される。
A⊥ 垂直配向時の吸光度
A// 水平配向時の吸光度
本発明のゲストホスト型液晶組成物の二色比は、通常13.5以上、好ましくは14.5以上である。
なお、以下において、ゲストホスト型液晶組成物および液晶素子の評価は次の方法により行った。
<液晶素子の作製>
以下の実施例、比較例に示す組成で室温下において調製されたゲストホスト型液晶組成物を、液晶セルに注入し、液晶素子を作製した。用いた液晶セル用の基板は、ITO透明電極層が形成されたガラス基板(厚み1.1mm)であり、セルギャップ12μmで、エポキシ樹脂シール付きであり、一対の基板の対向面には、垂直配向用のポリイミド配向膜が形成されたものである。
上記素子の各々において、電圧無印加時と20V印加時の透過率を実施例1〜4は分光光度測定器(日立製作所製、U−3100、商品名)を用いて測定し、実施例5,6及び比較例2は分光光度測定器(日立製作所製、U−4100、商品名)を用いて測定した。各波長での二色比(電圧20V印加時の吸光度/電圧無印加時の吸光度)をもとめた。なお、液晶セルの配向ムラ等に起因する個体差による測定値の誤差を減少させるため、実施例5,6及び比較例2では素子を3個作成して測定を実施した。また、電圧印加は1kHz矩形波を使用した。
また、実施例1〜6および比較例1、2で用いた色素1〜11の分子構造は以下の通りである。
a]との関係を下記表−Aに示す。
下記配合の二色性色素組成物1を、フッ素系化合物を主成分とするNn型液晶混合物で、NI点が90℃でΔεが−4.2のもの100gに溶解させて液晶組成物1を調製した
。
<色素組成物1配合>
色素1((I)群) 0.1301g
色素2((VI)群) 0.0235g
色素3((II)群) 0.1271g
色素4((III)群) 0.083g
色素6((IV)群) 0.1194g
色素7((IV)群) 0.1271g
この液晶組成物1を用いて上記の方法により素子を作製して、二色比を求めた結果を、表−1に示した。
下記配合の二色性色素組成物2をフッ素系化合物を主成分とするNn型液晶混合物で、NI点が90℃でΔεが−4.2のもの100gに溶解させて液晶組成物2を調製した。<色素組成物2配合>
色素1((I)群) 0.134g
色素2((VI)群) 0.024g
色素3((II)群) 0.131g
色素4((III)群) 0.0856g
色素6((IV)群) 0.1113g
色素7((IV)群) 0.1156g
色素8((VII)群) 0.0248g
この液晶組成物2を用いて上記の方法により素子を作製して、二色比を求めた結果を、表−1に示した。
下記配合の二色性色素組成物3をフッ素系化合物を主成分とするNn型液晶混合物で、NI点が90℃でΔεが−4.2のもの100gに溶解させて液晶組成物3を調製した。<色素組成物3配合>
色素1((I)群) 0.2g
色素2((VI)群) 0.045g
色素3((II)群) 0.245g
色素4((III)群) 0.16g
色素6((IV)群) 0.46g
この液晶組成物3を用いて上記の方法により素子を作製して、二色比を求めた結果を、表−1に示した。
下記配合の二色性色素組成物4をフッ素系化合物を主成分とするNn型液晶混合物で、NI点が90℃でΔεが−4.2のもの100gに溶解させて液晶組成物4を調製した。<色素組成物4配合>
色素1((I)群) 0.25g
色素2((VI)群) 0.045g
色素3((II)群) 0.245g
色素5((III)群) 0.28g
色素7((IV)群) 0.45g
この液晶組成物4を用いて上記の方法により素子を作製して、二色比を求めた結果を、表−1に示した。
下記配合の二色性色素組成物5をフッ素系化合物を主成分とするNn型液晶混合物で、NI点が90℃でΔεが−4.2のもの100gに溶解させて液晶組成物5を調製した。<色素組成物5配合>
色素9 0.0958g
色素3((II)群) 0.1277g
色素10 0.1064g
色素11 0.1277g
色素8((VII)群) 0.1702g
この液晶組成物5を用いて上記の方法により素子を作製して、二色比を求めた結果を、表−1に示した。
一方、比較例1の色素組成物は、450nm〜600nm波長域、中でも500nm〜600nm波長域における二色比が、実施例1〜4に比べて明らかに低いことが分かった。
実施例1の二色性色素組成物1と同じ配合比で調製した二色性色素組成物6を用いた以外実施例1と同様にして液晶組成物6を調製した。
この液晶組成物6を用いて上記の方法により素子を3素子作製して、二色比を計3回測定し、そのうちの値が近いものの2つの値の平均値を表−2に示した。
二色性色素組成物1に代えて下記配合の二色性色素組成物7を用いた以外実施例1と同様にして液晶組成物7を調製した
<色素組成物7配合>
色素1((I)群) 0.204g
色素2((VI)群) 0.037g
色素3((II)群) 0.199g
色素4((III)群) 0.16g
色素6((IV)群) 0.19g
色素7((IV)群) 0.15g
色素12((V)群) 0.2g
この液晶組成物7を用いて上記の方法により素子を3素子作製して、二色比を計3回測定し、そのうちの値が近いものの2つの値の平均値を表−2に示した。
比較例1の二色性色素組成物5と同じ配合比で調製した二色性色素組成物8を用いた以
外実施例1と同様にして液晶組成物8を調製した
この液晶組成物8を用いて上記の方法により素子を3素子作製して、二色比を計3回測定し、そのうちの値が近いものの2つの値の平均値を表−2に示した。
を示しており、400nm〜700nmの可視光波長全域にわたって高い二色比を示している。
一方、比較例2の色素組成物は、550nm〜650nmでの二色比が、実施例5,6に比べて明らかに低いことが分かった。
Claims (7)
- 下記(I)群〜(IV)群で示される二色性色素を各々の群から少なくとも1種ずつ含み、さらに下記(V)群で示される色素を少なくとも1種含むことを特徴とする二色性色素組成物。
環Aおよび環Bは各々独立に置換基を有していてもよい1,4−フェニレン基または置換基を有していてもよいシクロヘキサン−1,4−ジイル基であり、
Lは環状構造を含まない2価の連結基であり、pは0、1または2であり、qおよびrは各々独立に0または1である。pが2であるとき、2つの環Aは同一であっても異なっていてもよい。なお、式[a]に含まれる1,4−フェニレン基とシクロヘキサン−1,4−ジイル基の合計数が1または2であって、かつq=0であるとき、1,4−フェニレン基とシクロヘキサン−1,4−ジイル基とはいずれも環Aとみなす。)
また、アゾ基で連結されるベンゼン環および/またはナフタレン環は更に置換基を有していてもよい。
- pは1または2であることを特徴とする請求項1に記載の二色性色素組成物。
- 式[a]において、Rが連結する環Aが、シクロヘキサン−1,4−ジイル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の二色性色素組成物。
- 式[a]において、Rが炭素数2以上8以下の直鎖状アルキル基であることを特徴とする請求項1又乃至3の何れか1項に記載の二色性色素組成物。
- 請求項1〜4項の何れか1項に記載の二色性色素組成物とホスト液晶を含むことを特徴とするゲストホスト型液晶組成物。
- ホスト液晶がフッ素系液晶であることを特徴とする請求項5に記載の液晶組成物。
- 請求項5または6に記載のゲストホスト型液晶組成物を、少なくとも一方が透明な1対の電極基板間に挟持してなることを特徴とする液晶素子。
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